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中谷委員 違いますと思います。じゃ六十七条の
考え方からいきましょうか。問題になるのは、
委員長は緊急性があるとおっしゃるんでしょう、もう断固としておっしゃった。非常にりっぱだと思うのです。私もまさにそのとおりでなければならぬと思いますが、疑いがあるのだ、そうでございますね。疑いのある行為をしているのだ、その点については自信があるということでございますね。そうするとお尋ねをいたしますが、六十七条は「
公正取引委員会の申立により、」とこうなっていますね。そこで、そんな場合に、
国民の立場からいうと、この六十七条の要件を備えている場合には、
公正取引委員会はそのような申し立てをしなければならない義務を持っているのじゃないか。これは法律的な
意味じゃなしに、
国民に対して道義的なそういう義務を持っているのじゃないか。この条文があるからまああのときは使ってみよう、まあこのときは使うまいというふうなものではない。そういう疑いがあり、そしてしかも緊急の必要があるとみたときには、
公正取引委員会としては申し立てをしなければならない責任があり、義務があると私は思う。逆に言うと、もう少しきついことを言わしていただいたら、おやりにならないのは義務の不履行。たまたま私ここに正田さんの本を持ってまいりましたけれども、この要件にはいろいろなことをいっていますよ。私も最近独禁法を勉強し始めたばかりだが、いろんなことをいっていますよ。しかし
委員長がおっしゃったような要件は、何も六十七条の最終の緊急命令を得るところの要件ではないと思うのです。二つを兼ね備え、二つの疎明ができれば緊急命令は出せるのです。そこで実効がないということをおっしゃった。そんなことを言い出せば、本人が逃げてしまったら逮捕状をとらないのかということになりますよ。そうでございますね。つかまえられないのだったら逮捕状をとらないのかということになりますよ。それはやはり法の権威を守るためには、逮捕状をとりますよ。事件を捜査してもだめだから捜査をしないのかといったら、捜査をしますよ。それが法というものだと思うのです。
公正取引委員会御
自身は、とにかく相手ががんばっている、私の理解のしかたはそういうふうにしか聞こえません。否認しているということはがんばっているということです、私にいわせれば。相手ががんばっている、だから緊急命令を出したって実効がないだろう、あきらめ
ムードですよ。それだったら、
公正取引委員会御
自身がそうしてあきらめられて一体
国民はどこへたよるのですか。ですから、そんなことをしてもむだだと言わんばかりの
お話というふうなことは、私はどうしても納得がいきません。聞かなければ聞かないで相手が悪い、被審人が悪いのです。重ねて申し上げますけれども、緊急停止命令の申し立てをするという
公正取引委員会の、法の権威を守り、
国民の生活を守り、独禁法を守るというその姿勢が大事だし、私は、
公正取引委員会がそんなに賢くなってもらいたくないと思う。六十七条というのは「
公正取引委員会の申立により、」となっている。もちろん、だから法律的には
公正取引委員会の御判断、裁量によるものでしょうけれども、私は
国民に対する義務があると思います。一年も一年半も
公正取引委員会が疑いがあるといっているようなそんな状態で、隠しナンバーをつけている、そして廉売しちゃいかぬというふうなことをいって拘束している、そんな品物を買うことをなぜ
国民は甘受しなければならないのですか。相手がそういう事情がないということは、私はよくわかっていますよ。そのことと命令とは別じゃないですか。命令を聞かなかったら過料だ。これはほんのわずかの過料でございますね。しかしそんなことは私は
関係ないと思うのです。私は、
公正取引委員会の
委員長御就任の
ことばも十分に新聞で拝見をいたしました。
委員長の今後の活躍に私は期待しておりますけれども、いまの緊急停止命令の申し立てをしないという
委員長の御
説明については納得がいかないし、
公正取引委員会の姿勢としては、私は
国民はそれではたよりにするものがないじゃないかという
気持ちになるのではないかと思う。この点は、私に実務的な点についての誤解があってもいけません。法律問題について私
自身詳しくありませんから、独禁法もやっと勉強し始めたばかりで、よくわかりません。しかし、しろうととしてそう思う。ひとつ
委員長からも御答弁いただき、同時に
局長さんのほうからもこの点について——ナショナルは喜びますよ、きょうの
委員会で緊急停止命令は申し立てしないのだ、そうして結局そのことによってそれは実効はないのだということになれば、私は喜ぶと思うんですよ。そういうふうな答弁を
公正取引委員会のお
ことばとしていただくのは、私は
国民が失望するだろうと思う。しかし、私が申し上げていることで法律的な問題についての誤解や実務的な私の理解の不足があってはいかぬから、
委員長の御答弁をいただくと同時に
局長の御答弁をいただきたい、こういうふうに思います。