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1967-10-09 第56回国会 衆議院 商工委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十二年十月九日(月曜日)     午前十時三十二分開議  出席委員    委員長 島村 一郎君    理事 中川 俊思君 理事 田中 武夫君    理事 中村 重光君      稻村左近四郎君    岡本  茂君       神田  博君    黒金 泰美君       小山 省二君    櫻内 義雄君       丹羽 久章君    橋口  隆君       三原 朝雄君    武藤 嘉文君       石野 久男君    工藤 良平君       佐野  進君    多賀谷真稔君       千葉 佳男君    中谷 鉄也君       平岡忠次郎君    塚本 三郎君       近江巳記夫君    岡本 富夫君  出席国務大臣         通商産業大臣  菅野和太郎君  委員外出席者         公正取引委員会         委員長     山田 精一君         公正取引委員会         事務局長    柿沼幸一郎君         厚生省環境衛生         局水道課長   大橋 文雄君         通商産業省企業         局長      熊谷 典文君         通商産業省企業         局参事官    橋本 徳男君         通商産業省企業         局立地公害部長 矢島 嗣郎君         通商産業省化学         工業局保安課長 矢野俊比古君         通商産業省鉱山         保安局長    西家 正起君         中小企業庁長官 乙竹 虔三君         労働省労働基準         局監督課長   藤繩 正勝君         自治省財政局公         営企業第二課長 亀谷 礼次君         専  門  員 椎野 幸雄君     ————————————— 九月十日  委員中嶋英夫辞任につき、その補欠として柳  田秀一君が議長指名委員に選任された。 同月十一日  委員中谷鉄也辞任につき、その補欠として島  上善五郎君が議長指名委員に選任された。 同日  委員島上善五郎辞任につき、その補欠として  中谷鉄也君が議長指名委員に選任された。 十月九日  委員柳田秀一辞任につき、その補欠として工  藤良平君が議長指名委員に選任された。 同日  委員工藤良平辞任につき、その補欠として柳  田秀一君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 八月十八日  一、液化石油ガス保安の確保及び取引の適正   化に関する法律案内閣提出、第五十五回国   会閣法第一四六号)  二、通商産業基本施策に関する件  三、経済総合計画に関する件  四、公益事業に関する件  五、鉱工業に関する件  六、商業に関する件  七、通商に関する件  八、中小企業に関する件  九、特許に関する件  一〇、私的独占禁止及び公正取引に関する件  一一、鉱業と一般公益との調整等に関する件 の閉会中審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  通商産業基本施策に関する件  私的独占禁止及び公正取引に関する件      ————◇—————
  2. 島村一郎

    島村委員長 これより会議を開きます。  この際、新たに公正取引委員会委員長に就任されました山田精一君を御紹介いたします。
  3. 山田精一

    山田説明員 私、先ごろ新しく公正取引委員会委員長を拝命いたしました山田精一でございます。  資本の自由化を契機といたしまして開放経済に入りますむずかしい時期にこの大任を拝命いたしまして、ただただ任の重きを痛感いたしておる次第でございます。私は従来民間にずっと勤務いたしておりまして、官界の経験は全く初めてでございまして、国政審議のこのような晴れがましいお席に出ます経験を持っておりませんで、何かにつけまして不行き届きであると存じますが、諸先生方の御指導によりまして、あやまちなきを期してまいりたいと念願しております。何ぶんどうぞよろしくお願いを申し上げます。  なお、先般、当公正取引委員会事務局大阪地方事務所委員長はじめ委員皆さま御視察くださいまして、私どもの役所がいかに貧弱な設備の中において、しかも小人数の人間で仕事を一生懸命やっておるかということをつぶさにごらんいただきまして、御激励のおことばをいただきました。この機会を拝借いたしまして厚くお礼を申し上げる次第でございます。何ぶん今後ともよろしくお願いをいたします。(拍手
  4. 島村一郎

    島村委員長 次に、公正取引委員会事務局長柿沼幸一郎君を御紹介いたします。
  5. 柿沼幸一郎

    柿沼説明員 柿沼でございます。九月十六日付をもちまして事務局長を拝命いたしました。今後皆さま方の御指導によりまして一生懸命やってまいりたいと思います。何ぶんよろしくお願いいたします。(拍手)      ————◇—————
  6. 島村一郎

    島村委員長 通商産業基本施策に関する件並びに私的独占禁止及び公正取引に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。田中武夫君。
  7. 田中武夫

    田中(武)委員 大臣万国博覧会に関連いたしまして若干の質問をいたしたいと思います。  実は、大臣もせんだってごらんになりましたし、われわれも行ってまいったわけですが、モントリオール万国博覧会を見まして感じましたところを若干述べながら大臣の所信を伺いたい、このように思うわけでございます。  まず、モントリオール万博における日本館の問題でございますが、これはとやかく言われております。私も見まして、あれがほんとうに日本というものをあらわしておるのかどうか、日本歴史とか文化、芸術というものがないじゃないか、あるいはどことなくちぐはぐであるという感じがした。たとえば電子計算機が出ておる、あるいはテレビ電話がある。そうかと思うと、その隣に百五十万円もするうちかけが何の関連もなくかかっており、この辺に説明も何もない。あるいは青い目をしたお嬢さんに振り袖を着せておるというのはナンセンスです。まあいろいろあります。しかし建物とか日本庭園はなかなか人気があるようでございまして、総括的な批判といいましょうか、そういうものは、何かあちらの週刊誌のようなもので星を五つとか三つとかであらわしておるのでは星が四つということで、まあまあということだと思います。しかし一番感じますことは、もう済んだことですが、チェコとかあるいはイギリスといったようないわゆる人気館に比べて、この予算が八分の一ないし十分の一だった。このことは日本モントリオール万国博覧会参加するというその時点においてはまだ大阪万博開催ということがきまってなかった。そこで、万博日本でやられるということがきまったときに、その時点においてもっとモントリオールに対する日本館予算をふやすべきではなかったか。総じて言うならばそう悪くはないと思うが、次の万国博覧会開催国日本館だということで見た場合に、少しお粗末じゃないか、こういうような感じを受けたわけですが、このことについてはいろいろ意見があります。しかしこのことはもう済んだわけですから、私申し上げることを控えますが、こういう問題につきまして、大臣もおいでになって、その見られたところを、今度の大阪万博日本館にこれを他山の石としてどう反映していくか。大臣ごらんになってお感じになったと思いますが、一言所見を伺いたいと思います。
  8. 菅野和太郎

    菅野国務大臣 このたび皆さん方万博の御視察を願ったのは、皆さま方の御観察によって来たるべき日本万国博覧会についていろいろ御示唆を得たいというようなことで御足労願ったことと存ずるのでありますが、ただいま田中委員の言われたことは私も同じ感想を持っております。要は、日本館がちゃちであるということが私は根本原因であると思います。ことに最近における日本経済力発展状態から見て、あまりにも貧弱ではないかという感想は、おそらく日本人のみならず外国人もそういう感想を持ったと思うのでありまして、そこからすべてが出ていくことと私は思っております。しかしいまお話しのとおり、日本での万国博覧会開催が決定される前にあのカナダ博覧会日本出展ということはさまっておったのでありますからして、したがって日本博覧会がかりに四十五年に開催されるということがなかったならば、私はおそらく日本人博覧会に対してそれほどの批判眼を持たないと思う。やはり日本博覧会をしてみな成功せしめたいという気持ちからして、行ってみるとあまりにちゃちであるし、陳列のしかたがどうも悪いのじゃないかということに気づかれて、そうしていろいろ批判されておるということで、私はこれは日本博覧会に対する国民関心、また同時に、成功せしめたいという日本を思うがゆえのお気持ちであるということで、ありがたく拝承いたしております。したがいまして、私自身としては博覧会を見てきて、これは非常に参考になった。いまのお話のとおり、日本博覧会が開催されるということがきまったときに、あれをもう少し拡大したらよかったのではないか、こういう気持ちを持ったのでありますが、しかし、もう予定の敷地というものは大体決定しておった後でありますから、したがいまして、どうすることもできなかったことと存ずるのであります。そういう意味において、田中委員と同じ気持ちを私は持っております。しかし、幸いカナダにあの博覧会が開かれたことによって、これが日本博覧会の非常に参考になり、また同時に、国民関心を持ち、ことに日本館批判の的になっておるということで一そう関心を持ったということによって、日本万博というものが国民のこの関心あるいは国民の意欲によって必ず成功するのじゃないか、こういう確信を得た次第であります。
  9. 田中武夫

    田中(武)委員 大臣ごらんになったと思うが、たとえばスイスは、何のことはない、時計だけを並べておるわけです。人間と時というようなテーマで時計歴史をやっている。チェコなんかすこぶる人気がいいと聞きました。しかし、何のことはない、これはすべてガラスをうまく使っての照明、あるいはムードをつくっておるということなんです。これを一とおり見まして受ける感じは、やはり時計スイスだ、ガラスチェコだという感じを与えたということです。そこで日本も、日本の一番得意とするところ、たとえば電子工学、こういうことをもっと追求すべきじゃなかったかと思います。したがいまして、今度の大阪万博におきまして、ぼくは、日本が一番得意とするところ、これをうんと追求したものを一つつくるべきじゃないか。たとえば、これは何ということはないけれども、ソ連あるいはアメリカは宇宙へ目を向けたということだけ、だと思うのです。しかし、各国それぞれの得意を追求するという上において、日本は諸外国に比べて私は電子工学については一番すぐれておると思いますから、そういう方面を追求していく、それをうんと世界に見せるということ、それはただ売らんかなではなくて、もっと広い意味電子というものについての追求をしていくべきじゃないか、こう思うのですが、どうでしょう。
  10. 菅野和太郎

    菅野国務大臣 今度のカナダ博覧会でも、外国人日本館を見た場合に、やはりこれは電子工業が進んでおるということを見て、みな驚いておるのであります。したがって、やはり今日の日本産業の先端をいっているものは電子工業だと考えますが、来たるべき日本博覧会においてはおそらくコンピューター競争になるのじゃないか、こういうことを私は考えております。やがて情報産業時代に移ってくるのでありますから、したがって、このコンピューターというものについての競争力というものを各国が示すのじゃないか、そういう意味において、日本博覧会においても、コンピューターといえば同時に電子工業関係があることでありますから、コンピューターということが中心になる博覧会ではないか、こういうふうに私自身考えておる次第であります。
  11. 田中武夫

    田中(武)委員 モントリオール会場は、御承知のようにセントローレンス川に人工島をつくってやった。その会場自体の広さは日本のほうが大きい。しかし、ああいう大自然の中に囲まれたから雄大に感じる。ことにセントローレンス川の水を豊富に使って、至るところで噴水やら滝といいますか、そういったようなことをやっておる。それでまわりが緑だ。したがって、水が豊富だということと緑が多いということで、清潔な感じを受けたと思います。そこで今度の大阪の千里山を見たときに、はたして水をどうするのか。いま日本ではあのようなきれいな水の多い川はもうないと思います。大阪万博でも人造湖をつくる予定だそうですが、おそらくこれも水道の水を入れなくちゃならないだろうと思います。そのときに、たとえばオランダは一番に参加を申し込んできた。その条件は、水を利用できるところ、こういう条件がついておると聞いております。したがって、モントリオールの水と緑に対して、日本はそれがないのをどこでカバーするか、何によってカバーするか、こういう感じを受けたのですが、大臣、いかがでしょう。
  12. 菅野和太郎

    菅野国務大臣 お話のとおり、私は、カナダ博覧会環境が非常によかったという感じがしています。日本では、ああいう川はないところでありますからして、カナダ博覧会に比べて、水の点において決して環境がいいとは私は言いかねます。がしかし、何とかして水というものとの関通を示そうというので、人造湖をつくるべく用意しておるのでありまして、それによってカバーしたいという考えをしておるのでありますが、その人造湖を何とかしてひとつ活用していきたいというようなことで、いろいろ人造湖について各方面の人から、この人造湖をどうしたらいい、こうしたらいいという御意見も私のところにきております。これはやはり日本独得のものを示すことがいいではないかというような考えもしておるのでありまして、たとえば、ハス研究においては日本世界一といわれておるのですが、あそこにひとつハスを持っていって、そうして日本ハス研究成果を示したらどうかというような御意見本ありますので、それなども私は、まことにふさわしい考え方じゃないか、こう考えておりますから、まあカナダのようにはいきませんけれども、しかし、人造湖をできるだけひとつ日本的に、何かこれを世界の人に示すことのできるようなくめんをすべきではないか、こういう考えをいたしております。
  13. 田中武夫

    田中(武)委員 要するに、カナダ自然美といいますか。これに対して日本は一体何で対抗するのですか。対抗ということばはどうかと思いますが、それはやはり人工の技術、頭脳だと思うのです。それによって対抗していかなくちゃならない。このように感じたわけなんです。  ちょうど私がモントリオールにおりましたときに、九月十三日だったと思いますが、入場者が四千万人を突破したということを聞きました。カナダ人口は二千万人ですから、その割りでいくと、カナダ人口の倍の人が九月十三日までにすでに入った。日本は一億ですから、その割りでいったら二億入る、こういうことになるのですが、そうはいかない。そこで大体日本万博大阪万博には幾らくらいの入場者が入ると予想しておられますか。さらに、これを運ぶ交通機関も、先ほど言ったように、セントローレンス川というのを利用することによって、陸だけでなく川から船で来るというような方法もある。その点が人を運ぶということにおきましてもカナダのほうが有利である。こう考えたときに、その交通の問題、さらにまた、どうして四千万人以上の人を入れるか。おそらくこれは、三年先のことですから、どういうように事情が変わるかわかりませんが、カナダ万博より日本万博のほうが入場者が少いということであるならば、私はちょっと問題だと思う。そういうことについてどう考えておられますか。
  14. 菅野和太郎

    菅野国務大臣 入場者のことについて、カナダが今日成功——まあいままでの万国博覧会の史上においては最高の成積をあげておるといわれておるのでありますが、それは、一つ参加国が多かったということと、一つ入場者が多いということでありますが、入場者はあるいは五千万人にもなるのじゃないかというような予想もいたしておるのであります。そこで問題は、カナダは初め三千万人という入場者予定のもとにいろいろ考えておったのでありますが、入場者が意外に多かったという点において、それだけ交通機関が十分であったかどうかということが問題になったそうであります。しかし、私も日曜日に行ったのでありましたが、大体スムーズに入場者が入場できておった様子を見たのであります。したがって、日本におきましてもやはり三千万という予想をいたしておりますが、私はカナダよりも多いんじゃないかという考えをしております。したがって、この点についても十分われわれのほうでも検討いたして、この入場者が不便を感じないように、交通機関の完備をはかりたいという考えをしております。幸い地下鉄などの延長も決定したのでありますが、あれは地下鉄をやらなかったならば、私はおそらく非常な非難をこうむっておったと思うのです。地下鉄延長を決定したことが、私はこの入場者に対して不便を与えないことになるのではないか、こういうふうに考えておるのでありまして、結局私はカナダよりも入場者が多いという予想をしておりまするし、また三年後における交通機関発達、ことに世界的な航空機の発達というようなことから見て、外国人も、予想は百万ですが、百万以上の人が来るのではないかというようなことを考えておりますので、そういう意味において空港の問題なども早く解決すべきじゃないかというような考えをいたしておるのであります。
  15. 田中武夫

    田中(武)委員 私はモントリオール万博を見まして、入場者について一つ考え方があったと思ったのは、初め何だろうと思ったのですが、ちょうどパスポートのようなものを出して、各館を回って出るときに判を押している。見せてもらうと違うのですが、パスポートと同じようなものです。そこで世界旅行のできない人が、あれでせめてもの世界旅行の夢を見ておる。それは一週間か何か通しの切符を買うとそうなっておるらしいのですが、そういうことなんかも私は当たった一つではなかろうか、このように思うわけであります。  それからラウンドなんですが、これは日本だってお祭り広場とかラウンドをつくるようですけれども、広さは後楽園より広くするという。しかしカナダのは、中の遊戯の機械といいますか、そういうものはちゃちである。それよりかむしろギャンブルといったような、十セントをさらにほうり込むとか、輪をほうり込む、そういったことが多過ぎて、私はああいう式はよくないと思う。日本ラウンドはもっと違ったものにしなければいけない。ちょっと何かあまりにも、ギャンブルとは言いがたいとしても、それと近いようなものが多かった、こういう印象を受けたのですが、大臣いかがですか。
  16. 菅野和太郎

    菅野国務大臣 ギャンブル式のものが多かったというお話ですが、大体外国人日本人よりギャンブルの好きな国民ですから、したがってその意味においてやはり外国人の嗜好に向いておる設備であった、私はこう考えております。日本でははたしてギャンブル式なことをやるのがいいのか悪いのか、これは問題かと私は考えております。
  17. 田中武夫

    田中(武)委員 大臣はその後北欧諸国等を回られて、いわゆる参加要請をせられております。その成果についてお伺いしたいのとともに、国内において万博ムードをつくっていかなければならない。この間大阪のほうで自動車のパレードをやるとか何かあったようですが、関係者はわあわあ言っておりますが、まだ一般はあまりムードがわいていない。そういうことについてどうお考えになりますか。
  18. 菅野和太郎

    菅野国務大臣 今度のカナダ博覧会が成功したのは、要するにカナダ人博覧会という考え方を持ったということです。カナダの全国民博覧会関心を持ったというところに、カナダ博覧会が成功した、私はこう思うのであります。そういう意味で、私はいま機会があるごとに各地において博覧会説明をして、これは一億の国民参加すべきものであるということを言っておるし、そして今度の万国博の国際条約の改正によりまして六年ごとに開催されるのでありますから、おそらく昭和四十五年以降百年間には二度と日本博覧会がこない、だから、そういうように一世紀に一度しか起こらぬような博覧会にめぐり合わせたわれわれ国民は、それぞれの力において博覧会参加すべきであるというように、私はあちこちで説明をいたしておるのであります。そういう意味において、全国民博覧会に対するムードを喚起する必要があるというように考えておりますから、その点についてはこれからできるだけ各方面で努力をしたいし、各委員にもひとつ御協力を特にお願い申し上げたい、こう存ずる次第であります。  それで私は、北欧東欧それから英国ブラッセルフランスに行ったのでありますが、北欧はいずれも政府当局参加したいという気持ちです。問題はやはり金です。現在カナダにおいて博覧会が開かれておって、三年後にということになってくると、相当の金が要るので、その点において苦慮しておりますという説明でありまして、政府当局参加するという前向きの考えをみな持っておるという返答を得たのであります。その点についていろいろ問題があるかと考えておりますが、私は参加してくれるものと考えております。  それから東欧は、ブルガリアはすでに参加をしたのでありますが、ユーゴとルーマニアは、これは総理にも会いまして、われわれは今後の日本との貿易、経済関係発展ということを考えたならば、当然参加すべきであるという考えであるから、いずれ閣議決定をしたい、しかし金がかかります、ということはみないずれも言っておるのであります。問題はやはり経費の問題かと思います。  それから英国は、私が参りました日に閣議決定になりました。そしてもうすでに日本万国博覧会に対する委員長というものがきまっておるのです。その人にも会いました。その人は、できるだけ多くの金をかけて今度英国で大々的にやりたいので、ひとつ菅野大臣、うちの財政大臣にあなたから、金をうんと出すように頼んでくれということを言われましたので、私は向こうの財政担任国務大臣に、ひとつカナダ以上のパビリオンをつくってくださいということをお願いをしておいたのであります。でありますから、英国も相当私はやってくれると考えております。  それからフランスにも参りまして、フランス関係大臣それから関係事務当局者も全部一緒に寄りまして懇談いたしたのでありますが、フランス日本との関係のことも私は申し上げて、皆さんも御存じだと思いますが、慶応三年にパリの博覧会が開かれたときに、日本がこれに参加しております。その話を私はして、とにかくあの当時まだ明治時代ではないのに、あの貧乏な日本が、万国博覧会を何とかしてあげたいという意味参加したのだから、今度はひとつ御恩返しに、日本博覧会に思い切ってやってくださいということを話をした。大臣はもちろんそんな話は知っていなかったのですが、事務当局の人は知っておって、あの当時の写真がありますというようなことで、できるだけひとつやりましょうという返事を得たのであります。  ブラッセルも同じようなことで、非常に積極的な意見を拝聴したのでありまして、結局今度行ってみて感じたことは、日本に対する世界の人の関心が非常に高まったということです。しかもこれがアジアでは初めてであるということについての関心ベトナム戦争や何かの関係もあるか知らぬが、最近世界の人のアジアというものに対する関心が非常に高まってきた。そこへもってきて日本の最近の経済力発展ということで、アジアの中にある日本、しかも経済力発展した日本というものに関心を持っておりますので、したがっておそらく世界の人はカナダ以上の関心を持っていただけるのではないか、そういう意味で私自身としては、日本博覧会に対して非常な楽観的な考えをいたしております。  なお、早川労働大臣が中南米に行かれましたので、特に早川労働大臣お願いをしまして、万国博の参加各国の政府へお願いをすることにしたのでありまして、御承知のとおり南米はカナダ博覧会参加しておりませんが、しかし日本博覧会はぜひ参加したいということで、いずれの国も積極的な返事を得たのであります。また国会議員の方にもお願いして、向こうの国会議員の方ともいろいろお話をしてもらって、政府並びに国会の方々も日本博覧会にはぜひ参加したいというような御返事を得てみな帰っておられるのであります。でありますからして、私はそういう意味において、世界がいま日本博覧会に対して非常な期待を持っておるのでありますからして、ひとつ日本としてはできるだけの努力をして、世界の期待に沿うようにしたい、こう考えておる次第でございます。
  19. 田中武夫

    田中(武)委員 そうすると、大臣参加要請各国を歴訪したということについては相当な成果をあげた、こう理解していいですね。−そういたしますと今度は受け入れの問題なんです。受け入れの問題で、土地は、土地収用法を発動するとかいうようなことになってきて前向きな話になりそうでありますが、聞くと、そこはソ連館の予定地だそうですね、いま問題になっているのは。そういう点もある。あるいは人を運ぶにいたしましても、関連事業としての中国縦貫自動車道、あるいは新幹線の問題、あるいはホテル、こういうものについてはいかがですか。万全を期しておられますか。そして、いつごろ完成の予定なんですか、すべてのものが。
  20. 菅野和太郎

    菅野国務大臣 土地の問題については、まだ買収に応じない土地があるということで、そこで先般の閣議におきまして建設大臣から、これは大阪都市計画審議会に付議する必要があるので、都市計画公園に指定するということが決定いたしまして、したがいまして土地収用法によって土地の買収にかかるということになっておりますが、建設大臣は、できるだけ法を適用せずして円満な話し合いで進めたい、こういうように言っておったのであります。でありますからして、土地の問題は私は円満に解決するのではないか、こう考えております。  それから交通機関、道路の問題、これについては建設大臣も非常にこの博覧会に対して熱意を持っておって、とにかく四十四年末までにはすべて完成せしめたいということで、非常に熱意を持っておることを私も非常に感謝いたしておるのであります。  それからホテルの問題でありますが、これもカナダモントリオールにおいでになっておわかりのとおり、ホテル代が非常に高いです。これはやはりホテルが不足しておるということに原因しておると私は思います。したがって、いまの日本の京都や大阪のホテルでは私は足らないと思っております。そこで運輸大臣お願いして——日本のホテル業者にもすでにお願いしておるのでありますが、なお日本のホテル業者でやれない場合は、幸いホテルは貿易、資本の自由化によって一〇〇%外資が許されることになっておりますから、ひとつ運輸大臣から外国のホテル業者に、日本ヘホテルを建てるということをすすめてもらいたいということを、運輸大臣にもお願いしておるのであります。私は、そういう各方面手を打ってホテルをもっとふやすということをやらなければ、せっかく来てもらっても不自由をなさるのじゃないかというふうに考えております。なお、最近スコットランドの財政界人が来たのですが、その話を聞きますと、いま大きな客船をつくっておるそうでありますが、それは日本万国博覧会のためにつくっておるのだ、客船に乗せて、神戸港に停泊さして、そして博覧会を見せるのだというようなこともやっておるようであります。  そういうようなことで、せっかく来てもらった入場者に対しては不便をかけないように万全の対策を講じたい、こう考えておる次第でございます。
  21. 田中武夫

    田中(武)委員 モントリオール感じたことは、いわゆるホテルは協定か何かしてやっておったようです。とにかく、それに入らないモーテルあたりは、三倍ぐらいにはね上がったということも聞いております。  また、私、オランダで聞いた話なんですが、日本へ参りまして、日本はよかった、こういう印象を述べる前に、日本旅行の印象はと聞くと、ホテルが高かったと言うそうです。その次に日本はたいへんよかったと、こうくるそうです。どうもホテルの高いのは日本世界じゅうで有名のようなんです。したがいまして、このホテル対策というもの、これは考える必要があると思います。いかがです。たとえば、まあ料金を協定さすというようなことはどうかと思いますが、何かそういったような指導を必要とすると思うのですが、どうでしょう。
  22. 菅野和太郎

    菅野国務大臣 お話のとおり、世界を旅行された方は、外国のホテル代が安いということに皆さんお気づきになると思います。これについては、私は、日本のホテルがあまりサービスが多過ぎる、サービス過剰だと思うのです。それだけやはりホテル代が高くつくのではないかと思います。また、設備などでも、日本の方が設備がいいのではないかというように考えます。そこで、私先ほど外国人にホテルを建ててほしいということは、サービスの過剰でない外国式のホテル経営をこの際日本にやってもらって、安く泊まれるホテルということで、ひとつ日本でモデル的なホテルをつくってもらいたいという感じを私持っておるのです。そうすれば、だんだん日本人も、まあ日本のホテルはサービスが非常に行き届いておりますが、外国に行くとまことにサービスが悪いのでありますが、それでも皆さんしんぼうしておられるのでありますから、そういう点において、日本人も、サービスが悪いホテルでもしんぼうのできるように、皆さんひとつなれさしてもらいたいということで、ひとつ外国人外国式の安いホテルをつくってもらいたい、こう私は考えております。
  23. 田中武夫

    田中(武)委員 サービスがよくて安いのが一番望ましいと思うが、それは通産大臣だけでもうまくいかないと思いますので、これは関係の閣僚等々とひとつ話し合っていただいて十分な措置をしてもらいたいと思います。  それから、十月五日の新聞ですが、私が持っておるのは読売ですけれども、万博政府館にぐっとソフトなムードをつくる、これはけっこうだと思うのですが、四トンの純金の茶がまを飾るというか置くというようなことが出ておりますが、これはどうなんでしょうかね。私は、かつて、本年度の予算の審議のときに、産金政策というのを取り上げました。日本はけっして金が自漫になるような国ではありません。また、ことしは、そういうことから、金地金十トンを輸入する。そのうち何トンか入れられた。フィリピンを除けば日本は国際間で金の一番高い国です。六百六十一円は市場価格だといわれておるが、実際はもっと市場では高い。国際価格に対して二百円からの高い価格を持っておる日本なんです。そこに四トンの純金の茶がま、もちろんこれはなくしてしまうわけではないですから、あとからまた使えると思いますが、私は、電子計算機等で、ロボットで通訳できるというのは、これはいいと思う。しかし、金のない国が四トンの金の茶がまというのはどうなんですか。
  24. 橋本徳男

    ○橋本説明員 お答えいたします。この点につきましては、政府出展懇談会の席上で、これに類したようなものを出展することが、諸外国に対して、日本の昔のいろいろな時代を象徴するのに非常に適当ではないか。たとえばこういったようなものを、現在日銀あたりで持っておる金を借りてつくって、またあとで返すというふうなことも考えられるのではないか、というふうな意見が実は出ております。しかし何もこれは純金にすることがきまったわけではなく、もちろんメッキでも模倣でも、いろんな考え方はとられると思っております。今後きめていきたいと思っております。
  25. 田中武夫

    田中(武)委員 いや、メッキとか模倣ではむしろイミテーションでよくないのではないか。もし純金の茶がまということであるなら、私は席を改めて鉱山局長にも来てもらって産金政策というものを論じたい。これは笑いごとじゃないのです。いま日本の産金政策というものはてこを入れなくてはだめなんです。そういう日本が純金の茶がまで国威を発揚するという考え方は、私は賛成しかねます。まあその程度の意見だけを述べておきます。  次に、作家だとか芸能人を委員にして、それらの新しいアイデアを入れていくということはけっこうです。これはけっこうであるけれども、私、モントリオール、それから北欧を回りまして、いろいろ言われたことをここで申し上げたいと思います。  まず坂本九ちゃんが来て、九月の十四日、日本館で歌を歌った、これはいい。それからストックホルムに行ったときにも、そこで商品展示会をやっておりましたが、そこでもやる、こう言っておる。それはいいとして、今度はコペンハーゲンに行きましたら、九ちゃんが、これはコペンハーゲンだけでなくストックホルムもそうだったと思います、いわゆる万博協会の石坂会長のメッセージを持って各都市の市長を訪問する、こういうことであったようです。その現地で聞いたことですが、坂本九ちゃんはいわゆる「スキヤキソング」でアメリカでは有名である。しかし、北欧では、坂本九ちゃん、一体何だ、こういうことです。しかも坂本九ちゃんがメッセージを持って市長を公式に訪問する。それに対して熊谷企業局長からジェトロ等に対して協力要請の公文書が出ておる。一体坂本九ちゃんはどういう資格で——これは万博委員というので、その資格かもわかりませんが、石坂さんのどういうメッセージをどんな資格で持っていったのか。さらに、万博参加するのは国なんです。だからこそ大臣各国のそれぞれの担当の大臣クラスと話し合ってきた。ところが、コペンハーゲンにしろストックホルムにしろ、市長に対してはいかなる要請をしたか。見にきてくださいという要請かもわかりませんが、これはどうかと思うのです。これについて坂本九ちゃんの行った趣旨、資格、さらにいかなるメッセージを持っていったのか、公式なのか非公式なのか、お伺いいたします。
  26. 橋本徳男

    ○橋本説明員 実は、政府出展懇談会といたしましては、これは国民万博に対するすべての層の参加というふうな観点から、いろんな各界の人並びに各年代の人をあれしまして、その中に二十代の若者としての代表という形で坂本九氏が入っておるわけでございますが、これは万博の協会の場合には、たとえばオリンピックで私設大使といいますか、そういうように一般に言われておりますが、そういった形でかつて行った経験があるということから、協会の会長として、これが各国を回られるときに、私設の大使と通常言われておるような形で行かれることについて協会のほうでメッセージを出したようでございます。われわれのほうは、そういう形で行かれる場合に、それぞれの在外公館あるいはジェトロ等において、もし連絡等におきまして便宜がはかれることがあるならば、そういうふうな形において便宜をはかってほしいという程度のことは出しておりますが、それ以上のことはわれわれのほうは、特にああしてくれ、こうしてくれというふうなことは言ってはございませんです。
  27. 田中武夫

    田中(武)委員 現地の大使館では、そういうことを聞いておりますが、一向に正式な通知は受けておりません、一体どういう資格で来ているのかという話を現地の大使館でも聞きました。私は先ほど言ったように、この万博懇談会の委員に芸能人、作家、いろいろ入れることはいいと思います。しかし、なぜ坂本九ちゃんを——私は悪く言うわけじゃありません、人気歌手ですから。しかし、あの人は人気歌手と同時に、むしろスターといってもコメディアンだと私は思うのです。そういう人をメッセージを持たして行かすという意図について私は理解に苦しみます。これは万博協会のほうでそのような企画を立てられて、それに対して企業局が協力をしたというかっこうですか。ならば石坂会長に対してその意図を伺わなくちゃならない。芸能人にもいろいろあります。彼はコメディアンです。ナンセンスです。いかがですか。
  28. 橋本徳男

    ○橋本説明員 これはおそらく協会のほうとしましては、オリンピックの例にならいましてシビル・アンバサダーというふうな、いわゆる私設の大使というふうな形で出したのだろうと思います。しかし、私たちのほうではそれにつきまして、もちろんこういうものは公文書で出す性質のものではございませんので、特に御連絡は一切してないわけでございます。
  29. 田中武夫

    田中(武)委員 もう済んだことでもあるし、これ以上は追及いたしませんが、万博協会の意図というものを私は知りたい。どんな意図なんですか。いわゆるオリンピックのときのように私設大使というか、そういう意味でやったにしても、私はもっと考え方があったろうと思います。なるほど九ちゃんは「スキヤキソング」でアメリカでは人気がある。しかし彼の人気は、そういったいわゆる使節といったような点でなくて、むしろ道化師としての人気なんですよ。もうこれ以上は、人気歌手に対しての中傷は私はいたしませんが、考えるべきじゃないかと思うのです。  次に大臣にお伺いしますが、大阪万国博の経済的効果といいますか、その年度あるいはその前後の年度における総生産と国民所得、万博をやることによってどれだけの経済効果があがるか。これは先日大阪府が電子計算機を使って何%とか伸びるというようなことをやったようですが、担当大臣としては万博の経済的効果をどのように把握しておられますか。
  30. 菅野和太郎

    菅野国務大臣 私は、万国博覧会は単に経済的な目的を持っておるものとは考えていないので、文化、技術すべてだ、したがって、万博の開催によってその開催地、国が受ける効果というものは、これは経済的以外に教育、文化すべての点においてはかるべからざる効果がある、こう考えております。ただ計算的に見て損や得やということは言えない、こう考えております。そこで経済的にどうなのか知らぬが、私はこの万博によって、新しい産業というものを一億の国民が見ることによって、日本産業の今後の発展というものはこれを契機として一大飛躍をすべきであるし、またさすべきである、こう考えております。したがってその効果たるや、これが何兆円だとかなんとか、そういうようなことでははかることのできないものがある、こう考えております。また今度私はブラッセルへ行きまして、ブラッセルの町全体が非常に変わっておるので聞きますと、やはり昭和三十三年の博覧会ブラッセルの町が変わってきたということを聞いております。またニューヨークも私は三年前に行ったのでありますが、三年前とまたニューヨークは非常に変っておるので、向こうの人の話を聞くと、ニューヨーク博覧会の結果このように大きな建物が建つようになってきたというようなことを聞いておりますが、これは具体的な私は一つ博覧会の効果だと思っておりますが、いまのお話のとおり、経済的にどこまで望んでおるかというようなことは、私としては、そういうことについてははかるべからざるものがあるということをお答えをするより具体的なお答えはできない、こう考えております。
  31. 田中武夫

    田中(武)委員 石炭対策特別委員会のほうで大臣を要請しておりますので、大臣に対してはもう一問だけ質問して、あとは企業局長なり関係者に質問したいと思います。  それでは、大臣に対して最後に一間お伺いいたしますが、万国博の全体の資金計画、これは協会案によると七百五十八億、うち建設費が九十二億、運営費が五億、トータルで九十七億、それは協会自体がまかなうといいますか、そういうことで協会内に財務委員会を設けて、財界に百億近い資金調達を要請する、そういう記事が出ておりましたが、これはどうなんですか。また、そういうことで財界から財務委員というものをあげてやることによって、百億に近い、あるいは百億の資金調達が可能と考えておられますか。
  32. 菅野和太郎

    菅野国務大臣 その詳細は私はまだ知りませんから、政府委員から答えさせます。
  33. 田中武夫

    田中(武)委員 それでは大臣はもうよろしい。
  34. 橋本徳男

    ○橋本説明員 お答えいたします。現在の段階におきまして、協会としましては建設費が五百五十五億、それから運営費が約二百億というふうなことでやっておりますが、先ほどの金集めの問題でございますが、これは金集めではなしに、いわゆる施設として参加してほしいという形におきまして、現在の段階では約五十数億の施設の参加を求めようというふうな考え方を持っております。しかし、まだこの組織は今日の段階でできないのでございます。
  35. 田中武夫

    田中(武)委員 いや、その組織ができていないというが、財務委員会というものをつくって、財界の人たちに委員になってもらって、その手で金を集めよう、こういう意図はあるんでしょう。
  36. 橋本徳男

    ○橋本説明員 そういう意図はあるようにわれわれ承知しております。ただしかし、金ではなしに、先ほど言いましたように、いろんな施設の中で、たとえば噴水とか、こういったようなものをどこかでつくって、それを寄付してほしいというふうな施設参加の要望をするための組織でございます。
  37. 田中武夫

    田中(武)委員 これは新聞記事なんですが、東西財界首脳部は、日本万国博覧会の約百億にのぼる資金調達に全面的に協力する意味において云々と、相当な財界人がそれぞれの委員になる。そうして計算してみると、いま言ったように九十七億円、だから結局施設か何か知らぬが九十七億円、百億の金を調達する、こういうことでしょう。それから全体の資金ワクの七百五十八億というのは、これは協会案ですが、政府はどう考えておるか。これはもう大臣いないのでなんだろうが……。
  38. 橋本徳男

    ○橋本説明員 そのうちで、問題は五百五十五億の建設費でございますが、現在大蔵省と全体計画につきまして話し中でございまして、大蔵省並びに私のほうと話して、どの程度の額にそれをセットするかというふうなことは、今後まだしばらく時間がかかるかと思っております。
  39. 田中武夫

    田中(武)委員 結論的に言えば、時間はかかるけれども、大体万博を成功さすための資金計画は見通しがついたと理解していいのですか。
  40. 橋本徳男

    ○橋本説明員 大体五百数十億というふうなところでやっていきたいというふうなことでございます。
  41. 田中武夫

    田中(武)委員 万国博の問題につきましては、まだ同僚委員から質問があるようでございますので、この程度にいたしまして、消費者行政の問題について一、二伺いたいのですが、これは企業局長でいいんだな。——それじゃ具体的に聞きましょう。  これはきのうの読売——私、読売しか持ってきてないのだが、通産省は消費者行政に本腰を入れる、こういう見出しで、割賦法案あるいはLPG新法、砂利採取法等を改正する云々というような記事が出ておるのです。消費者行政に本腰、こういうことであるが、いままでは本腰を入れていなかったのか、こういうことになるわけです。五十五特別国会において特に新聞等でいわれた消費者のための三法、消費者立法といわれたのが割賦販売法の改正、それから公取委員長も言うておりますが、再販価格規制に関する法律及びLPGの保安新法であった。ところが、LPGの保安新法、これは化学工業局だから違うだろうが、これはガス事業界といいますか、定義をめぐっていろいろな問題があった。そういうようなことで提出がおくれて、提出せられたのがもう国会末期であった。特にわれわれは、この法案は、前向きに検討する意味におきまして継続審議にしたわけです。  ところが、消費者のための立法といわれた割賦法案、そして公取委員会関係のある再販価格の規制に関する法律、これはついに日の目を見なかった。いろいろ聞いてみますと、業界なり自民党の内部に反対があって出せなかった、こういうようにいわれておるのですが、それじゃ、割賦法はあなたが担当ですから、割賦法で伺います。  割賦販売法の改正に対してどのような経過をたどり、次期通常国会にどういうような考え方のもとに提出しようとしておるのか、業界並びに与党の内部において異論が出たときに、またすくむのではなかろうか。  それから、公取委員長には、再版価格の規制に関する法律、これも出る出るといわれながら出なかった。公取内部においても意見が十分にまとまらなかったとも聞いておりますが、これをやりますと、公取委員会の内部の問題まで出すことになりますのでやめますが、前の事務局長はあまり賛成でなかった、出すことでなくて、その内容に対してですね、というようなことも聞いております。したがいまして、再販価格維持契約といいますか、これを規制するところの法律案、これをいまどのように作業し、また、どのような方向の上に立って提出するのか、これは間違いなく出せるのかどうか。あるいは政府、与党等において反対が出た場合、業界の反対が出た場合にはいかにするのか。これを、割賦法案につきましては企業局長、再販価格の規制に関しましては公取委員長にお伺いいたします。
  42. 熊谷典文

    ○熊谷説明員 新聞記事の件でございますが、私どもは常日ごろから、消費者行政というのは非常にむずかしい問題ではございますが、真剣に取り組みたい、かように考えております。おそらく、今後割賦販売並びに再販の問題をさらに政府として取り上げるという機会にいよいよ本腰を入れるという記事が出たのだろうと思います。  御質問の割賦販売の問題でございますが、御承知のように、本年私どもがこれを手がけましたのが少しおくれまして、四月に割賦販売審議会の答申をいただいたわけでございまして、その後鋭意法案をつくりまして、国会末に党あるいは政府内でいろいろ御審議を願ったわけでございます。したがいまして、少しわれわれの発足がおくれたということが言えると思います。  それから内容的に自民党のほうで問題が出ましたのは、この前払い金の分離保管をさす率の問題と、それからそれに対する猶予期間の問題についてでございますが、もう少し業界と話し合い、あるいは将来多少資金のめんどうを見るというような形で、預った前払い金については、もう少し短期間の間に消費者保護のために分離保管ができるような措置がとれないかという御意見が出たわけでございますが、国会末でもございますので、われわれも少し諸般の事情を検討いたしませんと結論が出せなかったものでございますから、国会提出を見送ったような次第でございますが、その後われわれはこの問題を党のほうの御意向も入れて前向きに手直しをして、通常国会のできるだけ早い機会に出すべく鋭意準備をいたしております。したがいまして、通常国会には必ず政府といたしましては出しまして、御審議をお願い申し上げたい、かように考えておる次第でございます。
  43. 山田精一

    山田説明員 ただいま田中先生からお尋ねのございました件につきまして申し上げます。ただいま仰せのごとく、再販維持契約の規制法案を、前国会におきましては提出をいたしまして御審議を仰ぐ運びにならなかったのでございます。これは別に業界から運動がございましたとか、あるいは委員会の内部で意見が分裂したとかいう事実はございません。実際のところは、率直なところを申し上げまして、この契約の実態の掘り下げが足らなかったと私は存じております。時間的の制約がございました関係もございますが、言いわけがましいかもしれませんが、掘り下げ方が足りなかったということでございます。したがいまして、私就任いたしましてからまず最初に心がけましたことは、委員会及び委員会事務局の全部を動員いたしまして、この経済的な実態をさらに掘り下げて、いかなる必要で再販維持契約というものはいままで行なわれておるか、それから現在の経済情勢のもとにおいてどの程度これを認めなければならないか、またさらには参考といたしまして、諸外国の情勢等をも調査をいたしまして、その上で適正な法案をつくりまして、なるべく早い機会に御審議を仰ぎたい、かように存じておる次第でございます。ただいま現に当委員会委員でございますところの有賀委員をヨーロッパに派遣をいたしまして、イギリスにおける再販維持契約の実態を主として調査をいたさせております。この十六日には帰朝いたします予定でございますので、さらに調査は進むものと存じております。
  44. 田中武夫

    田中(武)委員 十月の一日から御承知のように消費者米価が上がる、何々が上がるということで一斉値上げムードといいますか、物が上がっておる。したがって、俗に天高く馬肥ゆるの候といいますが、物価上がり国民やせるの候ということになった。これに対して政府では閣僚の懇談会だとかあるいは物価問題懇談会等々でやっておられます。しかしながらこれはほんとうに本気でやっておるのかどうかわからぬ、こういう感じを受けております。もちろんこれは行政あるいは政府の方針ということに多くのウエートがかかりますが、少なくとも便乗値上がり、あるいはまた下がるべきものが下げられないというようなことについて、直接、法的にチェックしていくのは公正取引委員会であり、独禁法であろうと思います。したがいまして、こういう時期にあたりまして新たに就任せられた山田委員長には、これは相当なる覚悟とそして期待をわれわれは持っておるわけです。これに対して十分にやっていただきたい。そのためには、いまいろいろと再販価格が問題になっておる、したがって的確にこれをチェックできるような新しい法律を、いうならば独禁法の補完法とでもいいますか、こういうものを早急に出していただくようにぼくは要望いたします。どうでしょうか。あまり抜け道のあるようなことではなくて、これは独禁法の補完法として出すのでしょう。
  45. 山田精一

    山田説明員 ただいま田中先生から御激励をいただきまして、まことにありがとうございます。値上げムードの問題につきましては、私どもといたしましても、もしカルテルの方法によって値上げをいたすもの、あるいはカルテルの方法によって値下がりすべきものを食いとめておりますものがありはしないかということを注意をして監視をいたしております。ただ御承知のように値上げムードが盛んな心理的の条件、それから需要が強いという経済の実態上の条件がございますときには、カルテルを結びませんでも、一業者が値上げをいたしますというと、自然にそれが通ってしまいまして、同業者が相次いで値上げをするという状況がとかく多いように見られておりまして、はっきりとした明確なカルテルという証拠をつかまえることには、非常に困難をいたしております事情を御了解いただきたいと存じます。  それから再敗の問題につきましてさらにお尋ねがございましたが、私ども新しい再敗の規制の方法について研究をいたしておりますのと並行的に、現在の法律によって再販契約を認められておらない業種の二、三のものにつきましては、あるいは勧告を行ないあるいは審判を行なっております。現に、勧告を受け入れてくれた業者もございます次第でございます。さらにまた現在認めておりますところの業種につきましては、これをさらに洗い直しまして、現在の状態においてなお指定をしておる必要があるかないかということについて常時研究をいたしておりますことを申し添えておきたいと思います。
  46. 田中武夫

    田中(武)委員 物価高く国民やせるの候にあたって、公取委員会だけではそれはできませんが、より一そうの奮起を促すといいますか期待しておきます。  それから、熊谷さんにお伺いしますが、この割賦販売法の改正なんですが、ことにミシン等で問題があるようであります。これは一つはメーカーの直売というシステム、いわゆる系列化という上に進められてきておる。それからいろいろとこの契約等を見てみますと、きょうはそれで私はつぶさにやるつもりはありませんが、きわめて一方的な契約の文言になっております。したがって、どうも私は前払い式割賦方法ではメーカーがもうけておる、こういう感じを受けておるのです。したがって法改正にあたってはそういうような点を十分に考えてもらいたいのと同時に、かつて小売商業調整特別措置法の審議にあたりまして、いわゆるメーカー、問屋、小売りというこの分野をどう考えるか問題になった。その後われわれは新しい法案といたしまして中小企業者の事業分野の確保に関する法律案というのを何回か出しました。不幸にいたしましてまだ日の目を見ておりません。こういう点から見ても、この前払い式割賦方法はメーカーが小売り店まで含めて系列化していく、こういうような傾向を強めてきております。流通革命の今日において、消費者に対していずれがいいのかということに対して、われわれはあくまでもこのメーカー、問屋、小売りという区別をはっきりせよとか、こうは申しませんが、そのようなことの上に立って十分なる検討をしてもらいたいと思います。  前払い式の割賦方法の契約文言に対しましては、またその法案が出ましたときに十分なる審議をやりたい、このように考えておりますが、決してあれは消費者のためではなくて、むしろメーカーのための法律となっておるということを私は警告をしておいて、そういう観点に立っての改正法を十分検討していただくことを要望いたします。
  47. 熊谷典文

    ○熊谷説明員 割賦販売にいたしましても、あるいはさらに前払い式の割賦販売にいたしましても、私は流通機構の問題と非常に密接不可分の関係があるということは承知しております。それからメーカーと卸、小売りの問題でございますが、やはりこの三者、あるいは消費者を入れて、そこの辺の相対関係といいますか、関連が適正でなければならぬということは御指摘のとおりだろうと思います。これがためには、私ども今後やはり問屋あるいは小売りがその機能を十分発揮するようた形、いわゆる流通機構のいい意味の合理化、改善というものを並行して進めなければいけない、こういうように考えております。そういう意味で割賦販売につきましても、そういう面の一環として十分総合的に検討を御指摘のようにしてまいりたい、かように考えております。
  48. 田中武夫

    田中(武)委員 同僚委員の質問があとだいぶあるようでございますので、私はきょうはこの程度にいたします。
  49. 島村一郎

  50. 中谷鉄也

    中谷委員 公取委員会に最初お尋ねをいたしたいと思います。  再販法案の問題について先輩の田中委員からの質問に対して委員長のお答えをいただいたわけですけれども、従来の前国会におけるこの再販問題に関する審議の経過、特に法案提出に関する質疑を振り返ってみますと、七月五日の参議院の物価問題特別委員会で前委員長の答弁は、各省と意見の調整を行なっておりましたが、国会の会期も切迫して、結局本国会において提案をして審議を仰ぐことを断念せざるを得なくなった、こういう趣旨の御答弁があったことは御承知のとおりだと思うのです。結局問題になりますのは、この法案をめぐりまして経済企画庁、通産省、厚生省、農林省、文部省その他各省庁との意見調整にすでに三月ごろからお入りになったというふうに私お伺いをいたしておりますが、そうすると。ストレートな形で業界からの圧力というふうなことではなしに、何かいま委員長は非常にきれいごとばでおっしゃったのではないかと思いますけれども、再販の実態についての掘り下げが足らなかったのでというふうなことではなしに、公正取引委員会が成案をお持ちになったところのこの法案要綱に対して、各省庁とのいわゆる意見調整ができなかった、この点、佐藤総理が結局この問題については三月にたしか予算委員会でございましたか、提案について公約をせられた。さらに七月の十一日の特別委員会においてもそのような趣旨の答弁があるわけですけれども、いま一度この法案が前国会において提案をされなかったほんとうの実情について御答弁をいただいて、最初の質問に入りたいと思います。
  51. 山田精一

    山田説明員 お答えを申し上げます。前国会において提案の運びに至りませんでした事情は、率直に申し上げまして、当委員会といたしまして、完全に自信のある案になっておらなかった、こういうことであると存じます。なるほど、ほかの各省庁との間で若干意見の交換が行なわれたことは聞き及んでおりますけれども、本質的に意見の相違があったとか、そういう事実は全くなかったように聞いております。したがいまして私どもといたしましても、さらに一段と掘り下げて、委員会といたしまして、完全な自信のある法案をつくりたい、かように考えておる次第でございます。
  52. 中谷鉄也

    中谷委員 すでに前国会におきまして、委員会は再販売価格維持行為の規制に関する法律案要綱をおつくりになっておられるわけです。そこでお尋ねをいたしますが、そうすると次の通常国会には——かねてからの政府の公約であると同時に、公正取引委員会の、一つ委員会における私はお約束だと思うのですが、次の通常国会には間違いなしにこの法案を審議できるように提案をされることをこの機会にお約束いただけるかどうか、これはぜひお約束いただきたいと思います。この点が一点です。  いま一つお尋ねをいたしたいのは、問題点はたくさんございますけれども、すでに公正取引委員会のほうでおつくりになりました法律案要綱と、通常国会にかりに提案をされる——これはぜひ提案をしていただきたい、提案をすべきであるという前提でお尋ねしますが、その法案との間に大きな食い違いがあるようなものが提案される可能性があるのかどうか。そうではなしに、すでに成案となっている要綱の大筋が変わらない、こういうものを提案するのだということなのかどうか。さらに、すでに委員長御承知のとおり、物価問題特別委員会等における厚生省の再販問題に対するおとり販売等に関しての若干の答弁、あるいはまた、通産省のいわゆる再販売価格維持行為の規制に関する答弁と公正取引委員会の答弁の中に、本質的なということであるかどうかはまあ別問題として、かなりの大きな考え方の違いがあると思うけれども、要するに公正取引委員会としては、すでに成案をせられたところの要綱から大きく変わらないような、そのようなものを通常国会に提案されるかどうか、この点をお答えいただきたいと思います。
  53. 山田精一

    山田説明員 ただいまさらに掘り下げて検討をいたしておると申し上げましたが、これは前回の国会に備えて作成いたしました法律案要綱を含めまして再検討をいたしております。ただいま調査の段階でございますので、その内容が、今後御審議を願いますものと食い違いがないとは申し上げかねるわけでございます。その内容自体を含みまして再検討をいたしております。そうして、十分調査をいたしました上で委員会の議に付して要綱を新たに作成したいと考えております。
  54. 中谷鉄也

    中谷委員 公取の委員長に重ねて明確にしておきたいと思いますが、ことしの三月、成案をまとめて今国会、要するに前特別国会においてその審議を求めたい、これが前委員長の答弁であり、公正取引委員会の全体の意思であったと思うのです。したがいまして、簡単にひとつ御答弁をいただきたいのですが、通常国会、次期国会にこの法案を提案される、これはされなければおかしいですね。されるということを明確にお答えいただけますかどうか、提案すべきであると思うがという質問なんです。
  55. 山田精一

    山田説明員 できるだけさよういたしたいと念願いたしておりますが、しかし、さればと申しまして、拙速な案を御審議いただくということはいたさないつもりでございます。できるだけその方向で努力をいたすことをお約束いたします。
  56. 中谷鉄也

    中谷委員 きょうは質問をさらっとしようと思ったのですが、そうするとどうもそういうわけにいきませんですね。そうすると、問題になっている法律案要綱について、いまお考えになっておられる、検討しておられる、調査しておられる点、どの点が調査の対象になり、調査の結果このように要綱が変わるかもしれませんよというふうな点があればお答えをいただきたいと思います。しかし端的に申しまして、従来からの公正取引委員会の御答弁をずっと検討いたしておりますと、通常国会に提案をするつもりで、そのことを念願をしてというふうな、そんな雰囲気で私たちはこの三月からこの問題に取り組んできたような感じはしないのです。これはむしろ、通常国会に提案することは当然ですという答弁がなければ……。では一体どの点が、法案要綱までおつくりになって最近になって疑問をお感じになり始めたのですか。野党の委員としては、その要綱を基本にして、今日まで再販問題について取り組んでまいった。いまごろになって、あの要綱については変わるかもしれません、調査中ですでは、われわれの調査の対象を失う。いずれにいたしましても、委員長、何も特に私この問題について詰めるというふうなつもりはないのだけれども、質問のしかたとしては、むしろ私は通常国会のごく早い時期にというふうな質問をするつもりでおったのですが、それは少し遠慮してというか配慮して、通常国会にはさっそく提案されますねとこう聞いておる。この点についてはいかがですか、もう一度御答弁いただきたい。
  57. 山田精一

    山田説明員 三月に要綱ができたという仰せでございましたが、どうやら四月の末であったようでございます。その一月や二月のことは問題ではないのでございますが、ただ私どもといたしましては、はなはだ内輪のことを申し上げまして相すまないかもしれませんが、担当人員も大幅に変更いたしましたので、この際十分徹底的な調査検討をいたしまして、御審議をいただくに恥ずかしくない自信のある法案を提出いたしたい、かように考えております。したがいまして、私どものただいまの調査のスケジュールは、明らかに次の国会提案を目途といたしまして組んで、その作業をいたしておるのでございます。できるだけその方向で努力をいたしておりますことを御了解いただきたいと存じます。
  58. 中谷鉄也

    中谷委員 物価問題については非常に緊急性があると私は思うのです。そこで事務局長さんにひとつ御答弁をいただきたいと思いますが、再販法案について、それが法としての形をとる以前に一度再販のいわゆる指定の商品を洗い直してみようじゃないかということは、公取の関係の方、それから学者の中においても考えておられるし、われわれもそういうことは考えるわけです。いわゆる表現はそういう表現で意が通ずると思うのですけれども、要するに指定商品の再検討の問題、この点についてひとつ事務局長のほうから、現在どのようにお考えになっておるか、そしてさらに、当然再検討すべき時期にきていると思うのですけれども、これは実際再検討して指定を取り消さなければならないようなものもあると思うので、この点についてひとつ御答弁をいただきたいと思います。
  59. 柿沼幸一郎

    柿沼説明員 お答えいたします。前国会におきまして再販規制法案の準備をいたしておりましたときは、その法律が実施になるまで若干の期間をおきまして指定品目の再検討をいたす予定でおりました。規制法案の提出が若干延びましたので、その間の時間に事務当局といたしましては現在の指定品目について全面的に再検討するという予定で現在作業に着手いたしております。できるだけ早い機会に現在指定になっております医薬品、化粧品を中心といたします指定品目全部につきまして再検討を終わりたいというふうに考えております。
  60. 中谷鉄也

    中谷委員 いつごろまでにその御検討を終わられますか。そうしていわゆる洗い直し、要するに取り消し、そういうことで特に力点を置いて御調査になっておられる商品はどういうものでしょうか、御答弁をいただきたいと思います。
  61. 柿沼幸一郎

    柿沼説明員 時期といたしましては、次の法案提出までの期間を作業予定の期間といたしております。それで現在指定になっております品目は、品種といたしまして一番多いのは医薬品、化粧品でございます。ただカメラにつきましては最近の指定になっておりますので、それ以外の品目全体につきまして、この指定の時期が約十年くらい前になっておりまして、それ以後医薬品等につきましては関係法規の改正等もございますので、全面的に洗い直してみたいというふうに考えておるわけでございます。
  62. 中谷鉄也

    中谷委員 どうも長いこと委員会をやりませんでしたので質問がうまくいきませんが、事務局長一つだけお尋ねをしておきます。  委員長から御答弁がありましたけれども、再販法案は次の通常国会に提案するということは常識になっておると思うのです。いま事務局長の御答弁では次の国会に再販法案が提案されるその時期をめどとして調査をしたいということですけれども、次の通常国会は十二月ですから、次の通常国会の初めに提案をしますとかなんとかいうことが前提になってその日がさまらなければ、調査のスケジュールというのもおよそきまってこないわけでございますね。委員長の御答弁では、拙速はあまり好まないのだということですが、そういうことになれば、非常に理屈っぽいことをいえば、調査の期間、目標、めど、日数というのも不確定ということに相なってくる。したがいまして、事務局長としては、事務局長段階として、一体この法案を、次の通常国会の近い時期に提案をいたしたい、その間調査をしたいというふうにお考えになっているのかどうか。この点いかがですか。
  63. 柿沼幸一郎

    柿沼説明員 これは事務当局としての作業日程のような関係でございますが、法律は一応通常国会ということを目途としていろいろな調査を進めておるわけでございます。実際問題といたしまして、国会に入りますと、その関係の事務もいろいろございますので、現在の指定品目の再検討ということの事務予定といたしましては、通常国会が始まるまでに一わたりの再検討はしたいというプログラムを考えておるわけでございます。
  64. 中谷鉄也

    中谷委員 次に、方針に関しては委員長のほうから、具体的な問題については事務局長のほうから御答弁をいただきたいと思いますが、現在公正取引委員会に係属している審判事件というのは、粉ミルクの事件、それと金沢の市場の事件、それから同じく魚市場、それからテレビの価格協定事件、その他牛乳の関係、相当件数があると思うのです。   〔委員長退席、中川(俊)委員長代理着席〕 ところが現在、審査部の職員の数というのは、たしか七十人に足らない。審査官が二十人少しだ。こういうふうな状態の中で、はたして公正取引委員会としての機能が十分に発揮できるというふうに、御就任になって委員長、お考えになっておるのかどうか。審査官の方は非常に熱心に、また非常にベテランであるということは別として、この点がひとつ御答弁いただきたい点。  それからいま一つ局長は何といっても公取の関係ではもう専門家なんですが、新聞などでいわれている要するに摘発、別のことばで言えば捜査、調査ですね。その審査官と、それから立ち会いの、審査官と分離をしたらどうだろうかというふうな一つ考え方があるわけでございますね。これはやはり私は、審理の促進にそのことが役立つのではないかと思うのだけれども、これの具体的な作業といいますか、そういう実務的な事務分配がどの程度進んでいるかどうかということを、ひとつこの機会にお答えをいただきたいと思います。  質問を続けます。現在、私、本日審決書を持ってまいりましたけれども、一つの審判事件について、審決に至るまで平均どの程度の日数がかかっているのだろうか。難易あるいは複雑さというようなことによって違いますけれども、その点についてもひとつお答えをいただきたい。さらにまた、開廷数でございますね。どのくらい審理の日を入れているのだろうかというようなことについても、ひとつお答えをいただきたい。  一体、業者が何か最近では公取の審判を受けて立とうじゃないかというふうな一つの雰囲気にあると私は思うのです。私はそのこと自体は決して悪いことでもないし、むしろそのこと自体を責めるわけにいかないと思うけれども、そのことによって公正取引委員会の審決が遅延したり、あるいは機能が麻痺したりというようなことがあれば、国民の期待に公取がこたえられないんじゃないかということを私は心配をいたします。  それから、これは全く私の思いつきであって、こういうふうなことを申し上げることは非常におかしいのですけれども、こういうことも考えられないだろうかということを、ひとつこの機会にお聞きをしておきたいと思うのです。  要するに、公正取引委員会の審決の上級審は東京高等裁判所でございますね。その東京高等裁判所におけるところの審理というのは、たしか三人の裁判官でございましたか。(「五名」と呼ぶ者あり)五人でございますか。そういうことになると、公正取引委員会についても全員が御出席になる、そうでございますね。
  65. 山田精一

    山田説明員 そうではございません。
  66. 中谷鉄也

    中谷委員 全員が御出席になって、全員の署名のもとに審決をおやりになりますね。
  67. 山田精一

    山田説明員 いいえ、ちょっと違うのでございます。御説明申し上げます。規定では二段がまえになっておりまして、委員会自体が審判をいたす場合と、委員会が審判官に命じまして審判をいたさせる場合と二つございます。過去におきまして委員会自体が審判をいたしましたケースは、件数ははっきり記憶いたしませんが、二、三件かあるいは一、二件かございますけれども、原則といたしましては、特に法律によって五人の定員が設けられております審判官というものがございます。その審判官に委員会が命じまして審判をいたさせます。審判いたします場合には、審判官が三名、主任の審判官と、それを補佐する二名、三名の審判官が審判をいたしまして、何回かの審判を重ねました結果、審決案をつくりまして、これを委員会に提示をいたします。委員会はその審決案を審議いたしまして、賛成をいたしました場合には賛成、少数意見がございます場合には少数意見を付記いたしまして、記名捺印をいたしまして、これが正規の、正式の審判になるわけでございます。常時三名の審判官であります。
  68. 中谷鉄也

    中谷委員 私お聞きしておるのは、その点なんです。要するに、審決書は、必ず五人の委員の方の合議によらなければいかぬわけです。そうでございますね。そういう状態の中の五人の方の合議によらなければ、審決書がともかく書けない。審決書が書けないことによる遅延というのもかなりあるのではないか。どうしても公正取引委員会の五人の方の合議ということがこの種の事件の公正を確保する上での絶対必要欠くことのできない要件だろうかどうか。逆に言うと、五人の委員がおられるのだから、これを三人ずつでもできるように——四人というのはいけませんですね。二人というのもいけませんですね。しかし三人、ずつでできるのだということになれば、審理の促進上かなりスピードアップするのではないかというようなことについて、全くこれは思いつきなんですけれども、こういうようなことについてお考えになったことはありませんかという質問なんです。
  69. 山田精一

    山田説明員 ただいまの最後の点につきまして、まずお答え申し上げます。ただいま五人の委員がおりますけれども、委員会が成立いたします定足数は五人ではございませんで、委員長及び委員二名以上が出席いたしますと、委員会は成立いたします。したがいまして、五名署名いたしておる場合が大体原則ではございますが、最少三名の署名で足りるわけでございます。もし、その合議の結果、可否同数になりました場合には委員長の決するところによる。また、ただいま申し上げました委員長が事故あるときには、委員長代理があらかじめ定められておりますので、委員長代理及びそれ以外の委員二名、最少三名で委員会は成立いたすことになっております。  それから前の御質問につきましてもお答え申し上げますが、審査官その他関係職員が手不足ではないかという御質問でございましたが、まことにそのとおりでございまして、率直に申しまして、ただいま手不足に苦しんでおります。しかし幸いにして、第五十五国会の独禁法の改正法の附帯決議、本院において付せられました附帯決議で人員も増強するようにという御決議もいただきましたので、それをうしろだてといたしまして、ただいま増員の予算を提出いたしておるところでございます。できるだけ早く十分な人員を充足いたしまして御要請にこたえたい、かように考えております。  それから審査官、実際の調査をいたします審査官と立ち会い審査官とを分離いたしたらどうかというお尋ねでございましたが、なるほど、そういう案がございまして検討もいたしております。ただ、これは全く、まだ委員会で正規の会議に付したわけではございませんから、委員会意見ではございません、私個人の意見ではございますが、人手が充足できます限りにおきましては、実際に担当いたしました審査官が審判の席に列しまして、その実情に応じた意見を発表いたしますほうが、審判のより公正な結果が得られるのではないか。できれば、やはり立ち会い審査官は実際に手がけました審査官をもって充てたい、かように個人といたしましては考えておる次第でございます。  それから審判の日数は平均何日かかるかというお尋ねでございましたが、残念ながらまだ百日裁判というわけにはまいりませんで、平均で幾日になりますか、私ただいまちょっと手元に資料を持っておりませんが、かなりの日数、一年近い日数のかかるものが大多数でございます。これはできるだけ審判の促進を職員にも常に申しておるのではございますが、私どもの委員会側の事情による場合も多少はございますけれども、主として審判を受けます被審人側の都合によりまして、大体において被審人は出廷いたしませんで、弁護士さんが代理人として出てくるわけでございます。そして参考人、証人等の申請が相当多数にのぼるわけでございます。一つの問題を証明いたしますために数十名の参考人あるいは証人の申し立てがなされるケースもございます。これはできるだけ常識的な人数に話し合いの上で制限をいたしておりますけれども、これをあまり制限いたしますと、人権の尊重に欠けるところがありましてはいけませんので、やはりある程度は参考人の尋問をいたしております。そのようか関係で日数がとかく延びがちでございます。私どもといたしましては、できるだけこれを促進いたすことを心がけておる次第でございます。
  70. 中谷鉄也

    中谷委員 そこで、問題を私どもで整理をいたします。  委員が三名で合議体としては成立をする。しかも現在事件が非常に遅延をして、多数係属をしているということなら、公正取引委員会のいわゆる事実上の事務のやり方として、三名で合議体が成立をするのだから、その三名でとにかくやっていくということになれば、合議体が二つあることに結局なるじゃないか。とにかく私のほうは、審理がこんなに遅延しているということについては、国民の立場からどう考えても納得がいかない。この点が一つなんです。  それからいま一つ委員長の個人的な御意見として御答弁をいただいたのですが、なるほどそういうふうな審査官についての、立ち合い審査官と調査の審査官を分けていいかどうかについての御見解は、これは従来からあるわけなんです。ただ証人尋問などということについてのいわゆる特殊な技術というのは、実態を知っているからといって、その技術が水準以上にいくということとはこれは別個の問題なんでございますね。だから一般の裁判においても調査——捜査と申しますが、それといわゆる法廷と別の人にやらしたほうがスピードアップするのだというような考え方もあるし、現にそれをやっている役所もあるわけなんです。ですからその点については、実態を知っているからという理由だけで分けないことについて必ずしも合理的な根拠にはならないと思うので、いま一度御検討いただきたいと思いますが、もう一度お尋ねいたします。非常に不自然な、あるいはまっとうでないことですけれども、いわゆる公正取引委員会委員さんは三人で合議体が構成できるなら、スピードアップという観点から、そういうことで審決書を書いてもらっても法律的には問題はないなら、そのくらいの意気込みでひとつスピードアップをしてもらうために、そういうふうなことについても御検討いただけないかどうか、この点についてはいかがでございましょうか。
  71. 山田精一

    山田説明員 ただいまたいへん御親切な御忠告をいただきまして、まことにありがとうございます。委員会を二つに割ってやったらどうかというお尋ねでございましたが、これは、委員会のほうに案件が多くて審決がおくれるということは現在のところ全然ございません。すなわち、審判官が審判をいたしまして、審判手続を結了いたしまして、審決案をこしらえて委員会に提出する、それまでの日数がたいへんかかるというのが実情でございまして、これは極力促進いたすように努めております。  それから立ち会い審査官の問題は、ただいま申し上げましたのは全く私個人の意見でございますから、十分引き続き検討させていただきたいと存じます。ただ、一般の司法裁判の場合と違いまして、公正取引委員会の人手は全般的に不足をいたしておりますものでございますから、片方で余っております人間を持ってきて立ち会い審査官にする、こういうわけにはまいりません事情をひとつ御了解いただきたいと存じます。
  72. 中谷鉄也

    中谷委員 そこでいよいよ私がきょうお尋ねしたい点の質問に入るわけですが、ナショナルに対する審判でございますね。すでに係属をいたしております三洋電機株式会社ほか五社に対する御審理は現在どういうことに相なっておりますか。さらにまた今度はナショナルに対する御審理が始まっているわけですけれども、いわゆる昭和四十一年の六号事件、これは現在どういうふうに相なっているのかについて御答弁をいただきたいと思います。
  73. 山田精一

    山田説明員 お答え申し上げます。ただいま御指摘のございました前のほうのケース、すなわちテレビについての価格協定の事件でございますが、ただいま第十八回の審判を結了いたしまして、遠からず審決案ができるものと存じております。かなり多数の参考人の意見聴取を終了いたしておりますので、これ以上そう期間がかかることはなかろうと思っております。  それから、次の松下電器に関する件でございますが、これは九月に入りましてから第一回の審判が開かれまして、先方の代理人からこちらの冒頭陳述について質疑の申し出がございました。こちらの審査官側からその質疑に対して答弁を送っております。近く第二回の審判が開かれるものと存じております。
  74. 中谷鉄也

    中谷委員 最初の松下電器を含む五社に対する事案、これは私前にもこの委員会で若干お尋ねをしたことがありますけれども、われわれのようなしろうとが見た場合、とにかく非常に簡単な法律的な判断、要するに「遂行する」ということばがどこにかかるのか、「又は」ということであの条文がなっているのにというふうな、非常に簡単な法律的な判断だけで審決をいただける事案だと、私は国民の一人としてそういうことを期待していたわけです。もちろん実態の調査という観点から、多数の参考人、証人をお調べになったことについては敬意を表します。十八回おやりになったことについても、私はずいぶん御苦労さまであったと思います。しかし、そうすると、今度の松下電器に対するケースは、いまのところ、まだその審理の入り口のところですから、見通しは必ずしも明確ではありませんけれども、相当長い期間、いわゆるこの種と同じ程度の期間がかかるということが予想できるのではないかと私は思う。さらに、結局参考人、証人等も多数お調べになるということが私予想できると思うけれども、この点については、御審理の内容判断についてお尋ねするのじゃないわけです。御審理の方向について私お尋ねしているわけですから、ひとつ御答弁をいただきたいと思います。
  75. 山田精一

    山田説明員 松下電器に対しまする審判事件は、ただいまおっしゃいましたとおり、まだごく初めの入り口でございまして、先方の松下側の代理人が抗弁をいたします論点がまだほとんど出ておらないわけでございます。全然出ておらないと申し上げましても過言ではないわけでございまして、ただいまのところ全面的な否認をいたしております。これから、こちらの説明に基づきまして、どういう点を容認し、どういう点を否認いたしてくるかわかりませんので、何とも申し上げかねるのでございますが、やはりある程度の日数はかかるであろう。ある程度の日数はかかりましても公正な判断をいたしたい、かように考えておる次第でございます。
  76. 中谷鉄也

    中谷委員 昭和四十二年判第四号、すなわちナショナルに対する審判事件の答弁書でございますが、私はこの答弁書を読みまして、端的に申しまして非常に不愉快だったです。これは訴訟技術上の問題として引き延ばしをはかっているとしか私には考えられない。法律の専門家で、しかも私の先輩の方に当たるのだろうと思いますから、そういうことは言いたくありませんけれども、この答弁書は何を書いてあるのですか。全部否認する、審査官の釈明を得た上で答弁をする、こういうふうなことであるならば、開廷をしても、全然からの開廷となって意味がない。実質的な審理に入れないのです。いうてみれば、ナショナルの態度というのは、事実の真相と問題点を明確にするということに名をかりて審理の遅廷をはかっておるという以外に私には考えられない。したがって、私が指摘したいのは、今後、訴訟代理人等の協力も得て、準備手続等の努力もして、相当事前の打ち合わせをして、形式的ななおざりの答弁書が出た中で、からの開廷、実質的な審理に入れないということでなく、私は堂々の論議をやっていただきたいと思うのです。その入り口のところの、いわゆる法律技術的な、訴訟技術的な、訴訟遅延を国民の立場から見ればねらっているような、そういうふうな答弁書を出さないように、大きな企業に対する責任として——これが中小企業であるとか理髪屋さんの事件なら私はそういうことは言いません。大松下なんですから、そういうことを公正取引委員会としても十分に要望をしてもらいたい。公正取引委員会がお書きになったところの審判開始決定書が、私必ずしも名文であり論理的にりっぱなものだ、いわゆる満点のものだとは思いませんけれども、だからといって、こんな答弁書で木で鼻をくくったようにされなければならないほどのものではないと思うのです。こういう点はわれわれの立場からもナショナルに要望いたしたいと思うけれども、審理の促進ということを私は特に公正取引委員会お願いしたい。期日は大体どの程度の割合で入れていかれるおつもりですか。百日裁判というわけにはまいりませんとおっしゃいましたが、国民の立場からいいますと、三日に一ぺんずつ入れていただく、あるいは集中審理をやっていただく、二週間くらいぶつ通しで審理をやっていただくというふうなことを希望しているだろうと思うのです。ひとつ審理に対するお心がまえとして、審理促進ということを徹底的に強化するということについて御答弁をいただきたいと思います。
  77. 山田精一

    山田説明員 十分御趣旨を尊重いたしまして、できるだけ促進をいたしてまいりたい、かように考えます。ただいま中谷先生がおっしゃいましたような先方の答弁書に対するいろいろの感想もございますけれども、私どもといたしましては、感情を差しはさまずに、できるだけ迅速で公正な判断をいたしたい、かように考えております。
  78. 中谷鉄也

    中谷委員 実務的な問題として、これは中小企業が相手じゃないのですから、真相をはっきりする、これは国民生活に影響することなんですから、たとえば公正取引委員会の御都合もあるでしょうけれども、一体どの程度の期日の入れ方をするというふうなことを要望しておられるのか。またどの程度の期日の入れ方をしていくことをお考えになっているのか。あるいはまた、集中審理といいまして、二週間ぶっ通しでやるというようなことについてもお考えになっておられるのかどうか、この点について御答弁をいただきたいと思うのです。  そこで、その次に私がこの機会にお尋ねをしておきたいのは、要するに、ある程度たったらナショナルほか五社の事件についても審決の見通しだということだけれども、その間国民は指をくわえてじっと審決の結果を待っている以外にない。今度のナショナルの問題についてもそうです。結局、公正取引委員会に公正な審決ということで非常に御努力はいただいているけれども、結果としてはずいぶん長い期間をかけての御審理の状態で、それを忍従し、それに耐え忍んでいるというのが国民の姿なんです。こういう問題について、公正取引委員会として審判開始の決定をおやりになった以上は、自信があっておやりになった。そうすると、いわゆる独禁法の六十七条の問題、国民の立場から考えてまいりますと、とにかくいつまでも慎重な公平な御審理を待っているわけにはいかない。当然裁判所の緊急停止命令等をお求めになるというふうなことをお考えいただいてもいいのではないかと私は思う。この点についてはすでにもう委員長十分お調べをいただいていると思いますけれども、公正取引委員会の審決集の七でございますか、すでにそういうふうな例が何件かございます。東京高等裁判所も、このような緊急性があるということで、六十七条の、申し立てによって要するに十九条の違反がある当該行為を一時ストップするということについて、それほど難色をお示しにならないと私は思う。そこで私が疑問に思い、国民の立場から非常に公正取引委員会お願いをいたしたいのは、公正かつ慎重な御審理ということはけっこうだけれども、こういうふうな再販問題について、大きな企業が国民に対して迷惑をかけているということが、裁判所に対して緊急の必要があるとして緊急停止命令を求める対象にならないのかどうか。むしろ私はこんな場合においてこそこの六十七条の活用をすべきじゃないかということを考えるわけなんです。もちろん審理が十分に煮詰まらない段階において強権を発動すべきじゃないという考え方はあるでしょうけれども、これに対してはまた別の条文によって被審人側における救済の方法もあるという点から、ナショナルの問題を含んで、高等裁判所においてとりあえず審理終結に相当かかるという見通しで、その間国民が黙って指をくわえて見ておるということは私は納得ができない。高等裁判所の決定を求められる意思がないかどうか、というよりも、ぜひ決定を求めるという措置をおとりいただきたい。このことを私は申し上げて御答弁をいただきたいと思います。
  79. 山田精一

    山田説明員 ただいま御指摘のございました中のまず第一点、松下に関する事件の期日の入れ方でございますが、これは極力促進をいたすつもりでございます。前に御指摘のございましたテレビ事件のごときは、週に二、三回連続的に開いたこともございました。大体において先方の陳述の論点がまとまってまいりますと、参考人の意見聴取などはお説のように連日でも続けてまいりたいと思っております。まだ論点がはっきりと両方ぶつかるところまでいっておりませんものですから、やや日にちを要しておるわけであります。  それから、次に緊急停止命令のお話でございます。いままでにたしか緊急停止命令の発動を要請いたしましたことが四回ほどございます。これは事案の性質によって緊急停止命令がきわめて的確にききます場合と、しからざる場合とがあるように存ずるのでございます。いままで四回発動を要請いたしましたケースというのは、被審人側が事実は争いませんで、そういう事実があったということは認めておるのでございますが、それが違法か違法でないかという点を争っておるケース、たとえばある新聞社が大阪方面で非常に大きな景品の当たる福引き券を読者に配布をいたした、これが法律に触れるかどうかという審判のケース、これは配ったという事実は否定いたしておりません。これを放置いたしますと福引きが行なわれるわけでございますから、緊急停止命令を要請いたしまして、福引き券の配布をとめたわけでございます。それからさらに、ある県とある県と新聞紙の購読料を違えておりますような場合差別対価を実行いたしておりますようなケースにつきましても、緊急停止命令の発動を要請したのでございますが、最近起こっておりますケースは、その事実自身を争っておるのでございまして、これに対しまして緊急停止命令を発動いたすということは、十分的確にその効果を発揮し得ないように存ずる次第でございます。したがいまして、公正取引委員会といたしましては、有効適切にこの緊急停止命令を発動いたしてまいりたい。決して人権尊重だけで慎重第一というわけではございませんことを申し上げましてお答えといたしたいと思います。
  80. 中谷鉄也

    中谷委員 国民の立場から申しますと、事実を争っているか争っていないかは問題じゃないわけなんです。どろぼうがどろぼうをしていないと言ったからといっても、どろぼうはどろぼうです。そうでございますね。要するに六十七条のたてまえだってそうなっていると思うのです。事実がはっきりしておるときに限って、そしてそれが違法であるときに限って緊急停止命令の申し立てをなさいよとはどこにも書いてないと思うのです。要するに問題はそのような法違反の——本件の場合は十九条でございますね、疑いがあるかどうか。その疑いの程度というのは、委員長の御判断の中では相当な疑いで、疑いがあるかないかわからぬけれども審判にかけてみたというようなものじゃないと私は思うのです。これは完全な自信と確信を持って審判開始決定をおやりになったのだ。そうでなければ、公正取引委員会公正取引委員会ファッショになります。だから確実な自信と、そうしてその見通しのもとに審判開始決定をおやりになった。これで私は公正取引委員会国民は信頼していると思う。そうすると、公正取引委員会のお立場から申しますると、疑いがあるということははっきりいたしておる。問題は、要するに緊急性があるかどうか、この問題だと思うのです。とにかくこういうふうな状態のもとにおいて、松下の内容についてはすでに審判開始決定の中において詳しくお書きいただいております。こんな行為が野放しの状態で放置され、そのことによって国民が不利益を受けている。これを差しとめないで何が一体緊急性があるか。こういうものこそ差しとめていただくことが大事なんで、審決の終結まで待てませんよ。国民の立場になってひとつ考えていただきたい。ですから、争っているというふうなことは、逆に言うと、東京高等裁判所へ申し立てをしても停止決定がとれないような感じで、自信がないとでもおっしゃるなら、これはまたずいぶん残念なことだと私は思いますけれども、ずいぶん資料を集めておられるのですから、疎明をつけてとにかく停止命令がとれないはずはないケースだと思う。それをなぜ申し立てをされないのか、この点について私は非常に疑問がある。申し立てをして緊急停止命令が出た、そのことによって国民がかりに実益、実利をそれほど受けないとしても、そのような公正取引委員会のこれら問題に対する取り組みの姿勢というものに対しては国民は支持するだろうし、またそのことが物価問題の解決の糸口にもなるだろうし、あるいは独禁法を守る、法を守るという、大きな企業を含む各企業者の心がまえを正すことにもなるだろうと私は思うのです。私はもう一度お尋ねします。申し立てについて御検討になったというふうなことも聞いたことがありますけれども、申し立てをされないのか、されるのか。されないとするならば、一体その理由というのは、いまのような理由では私は国民は納得しないと思うのです。いかがでございましょうか。
  81. 山田精一

    山田説明員 緊急停止命令の発動を要請いたしません理由といたしまして、自信がないのではないかというようなおことばがございましたが、完全に私どもは自信を持って仕事をいたしております。さようなことは毛頭ございません。それから緊急性がないという判断をしておるのではないかというようなおことばがございましたが、これは緊急性がないとは決して思っておりません。ただ、緊急停止命令には、私、法律の専門家ではございませんけれども、緊急性のほかにもう一つ適格性、緊急停止命令に適格な要件というものがあるように考えておるわけでございます。ただいま中谷先生どろぼうの例をお引きになりましたが、たとえばこの物品をある人間が、AがBから持ってきてここに所持をいたしておりますという場合に、もしもAが、この灰ざらを所持しておることは否認しないけれども、これはBから自分が正当な権限に基づいて持ってきたものであると抗弁をしております場合には、緊急停止命令によって、ともかく判決のいかんにかかわらず、この灰ざらはAからBに返しなさいということが緊急停止命令の本旨であると存ずるのでございますが、かりにAが、Bの持っておりました灰ざらを自分は盗んでいない、自分は持っていないのだ、どこに現在灰ざらがあるか知らないけれども自分は持っておらないのだと否認しております場合には、緊急停止命令を出しましても、これはどうにも処しようがないように思うのでございます。さような見地から、私どもはいまの当面の案件につきましては、緊急停止命令を出すのに適格な事件だとは考えておらないのでございます。
  82. 中谷鉄也

    中谷委員 違いますと思います。じゃ六十七条の考え方からいきましょうか。問題になるのは、委員長は緊急性があるとおっしゃるんでしょう、もう断固としておっしゃった。非常にりっぱだと思うのです。私もまさにそのとおりでなければならぬと思いますが、疑いがあるのだ、そうでございますね。疑いのある行為をしているのだ、その点については自信があるということでございますね。そうするとお尋ねをいたしますが、六十七条は「公正取引委員会の申立により、」とこうなっていますね。そこで、そんな場合に、国民の立場からいうと、この六十七条の要件を備えている場合には、公正取引委員会はそのような申し立てをしなければならない義務を持っているのじゃないか。これは法律的な意味じゃなしに、国民に対して道義的なそういう義務を持っているのじゃないか。この条文があるからまああのときは使ってみよう、まあこのときは使うまいというふうなものではない。そういう疑いがあり、そしてしかも緊急の必要があるとみたときには、公正取引委員会としては申し立てをしなければならない責任があり、義務があると私は思う。逆に言うと、もう少しきついことを言わしていただいたら、おやりにならないのは義務の不履行。たまたま私ここに正田さんの本を持ってまいりましたけれども、この要件にはいろいろなことをいっていますよ。私も最近独禁法を勉強し始めたばかりだが、いろんなことをいっていますよ。しかし委員長がおっしゃったような要件は、何も六十七条の最終の緊急命令を得るところの要件ではないと思うのです。二つを兼ね備え、二つの疎明ができれば緊急命令は出せるのです。そこで実効がないということをおっしゃった。そんなことを言い出せば、本人が逃げてしまったら逮捕状をとらないのかということになりますよ。そうでございますね。つかまえられないのだったら逮捕状をとらないのかということになりますよ。それはやはり法の権威を守るためには、逮捕状をとりますよ。事件を捜査してもだめだから捜査をしないのかといったら、捜査をしますよ。それが法というものだと思うのです。公正取引委員会自身は、とにかく相手ががんばっている、私の理解のしかたはそういうふうにしか聞こえません。否認しているということはがんばっているということです、私にいわせれば。相手ががんばっている、だから緊急命令を出したって実効がないだろう、あきらめムードですよ。それだったら、公正取引委員会自身がそうしてあきらめられて一体国民はどこへたよるのですか。ですから、そんなことをしてもむだだと言わんばかりのお話というふうなことは、私はどうしても納得がいきません。聞かなければ聞かないで相手が悪い、被審人が悪いのです。重ねて申し上げますけれども、緊急停止命令の申し立てをするという公正取引委員会の、法の権威を守り、国民の生活を守り、独禁法を守るというその姿勢が大事だし、私は、公正取引委員会がそんなに賢くなってもらいたくないと思う。六十七条というのは「公正取引委員会の申立により、」となっている。もちろん、だから法律的には公正取引委員会の御判断、裁量によるものでしょうけれども、私は国民に対する義務があると思います。一年も一年半も公正取引委員会が疑いがあるといっているようなそんな状態で、隠しナンバーをつけている、そして廉売しちゃいかぬというふうなことをいって拘束している、そんな品物を買うことをなぜ国民は甘受しなければならないのですか。相手がそういう事情がないということは、私はよくわかっていますよ。そのことと命令とは別じゃないですか。命令を聞かなかったら過料だ。これはほんのわずかの過料でございますね。しかしそんなことは私は関係ないと思うのです。私は、公正取引委員会委員長御就任のことばも十分に新聞で拝見をいたしました。委員長の今後の活躍に私は期待しておりますけれども、いまの緊急停止命令の申し立てをしないという委員長の御説明については納得がいかないし、公正取引委員会の姿勢としては、私は国民はそれではたよりにするものがないじゃないかという気持ちになるのではないかと思う。この点は、私に実務的な点についての誤解があってもいけません。法律問題について私自身詳しくありませんから、独禁法もやっと勉強し始めたばかりで、よくわかりません。しかし、しろうととしてそう思う。ひとつ委員長からも御答弁いただき、同時に局長さんのほうからもこの点について——ナショナルは喜びますよ、きょうの委員会で緊急停止命令は申し立てしないのだ、そうして結局そのことによってそれは実効はないのだということになれば、私は喜ぶと思うんですよ。そういうふうな答弁を公正取引委員会のおことばとしていただくのは、私は国民が失望するだろうと思う。しかし、私が申し上げていることで法律的な問題についての誤解や実務的な私の理解の不足があってはいかぬから、委員長の御答弁をいただくと同時に局長の御答弁をいただきたい、こういうふうに思います。
  83. 山田精一

    山田説明員 私のことばが足りませんで、中谷先生に、何か先方ががんばっているから、実効がないからやらないというような御印象を与えたかと思いますが、これは私のことばが足りなかったので、まことに相すまなく存じております。私は決してさようなつもりは持っておりません。私が申し上げようといたしましたのは、先ほどこの灰ざらを盗んだケースで申し上げましたが、私も法律のしろうとでございますから、どうも的確には申しあらわせないかもしれませんが、被審人がある積極的な状態をここに新規につくり出しておる、それを排除いたすのが緊急停止命令の本旨であろうと思います。これは私は適格性ということばを使って御説明申し上げたのでございます。灰ざらを盗んだ、とにかく所持をしておる、積極的に所持をしているという事態が発生しておる、これを所持しなかった以前の状態に戻せというのが緊急停止命令であろうと存じます。先ほど申し上げました福引き券を配った、それからある県に対しては新聞の購読料を安くした、こういうはっきりした事実がございますと、これは緊急停止命令を発動いたすのにいささかもちゅうちょするものではございません。ただ積極的な事態がつくり出されておらない場合にこれを発動することはいかがか、こういうことを申し上げました次第でございます。
  84. 柿沼幸一郎

    柿沼説明員 お答えいたします。従来、公正取引委員会といたしまして緊急停止命令を適用した事例は、非常に限られておるように了解しております。独占禁止法の規定全般も非常に広範にわたっておりまして、どの部分をどういうふうに活用していくかという問題につきましては、公正取引委員会としても勉強していかなくちゃならない問題が多々あると思うのでございますが、緊急停止命令につきましても、やはりただいまの御質問のような趣旨で勉強していかなくちゃならない問題を多々含んでおる条項であるように存じております。前の事務局長もそういう趣旨でそういう答弁をいたしたことがあると思いますが、事務局内部におきまして、現在、緊急停止命令の活用方法につきまして、せっかく勉強中でございます。従来のこれの使用のしかたといたしましては、委員長の答弁のとおりだと思いますが、なおその点につきましては検討させていただきたいというふうに考えております。
  85. 中谷鉄也

    中谷委員 そこで、じゃこの点はどうなんでしょうか。私、何もナショナルにどうこうというわけじゃないんですけれども、国民の立場に立って納得がいかない。新聞に大きく報道されて、あれよあれよというような感じを受けたいわゆる隠しナンバーの問題でございますね。この問題については、すでに国会においても大蔵委員会で問題になっておるし、そうして公正取引委員会委員長の御答弁もいただいているわけです。委員長の御答弁を読み上げてみますと、「一応わかりやすいところに通しナンバーをつけますことは、商品のアフターサービスの必要とか、あるいは流通過程において傷がついたとかいうことを発見いたします上から申して、メーカーとしては当然必要な措置と考えておりまするけれども、ただいま先生御指摘のごとく、安売りを防ぐ目的をもって特にわかりにくい場所に番号を付するということは違法性を濃くいたす一要素ではないか、これはしんしゃくをして考えてみたい、かように思います。」こういうふうに御答弁になっておられるわけです。まあ品質管理だとかなんとか言っておりますけれども、私は隠しナンバーなんということばをナショナルがつけたかどうかは別として、国民が直観的にあれば隠しナンバーだと思った点に私はこの問題の真相があると思うのですが、公正取引委員会は審理、審判をしている立場なんですけれども、少なくともこんな問題について何らかの措置を早急におとりになる、権限的な問題はありますけれども、希望は少なくともお持ちになっているだろうと思う。これはもう国民も納得しませんですから、こういうような点についてひとつ御所見をこの機会に承っておきたいと思います。  これで私の質問を終わります。委員長、おそれ入りますけれども、ほかの委員の御質問があったあと、万博についてお尋ねをさせていただきたいと思います。
  86. 山田精一

    山田説明員 ただいまお話のございました隠しナンバーにつきましては、先般大蔵委員会において御答弁申し上げました、ただいまお読み上げになりましたのと全く同じ感想を現在持っております。先方は、それこそいわゆる隠しナンバーでございますから、そういう番号を打っておることは当然否認いたすと思いますけれども、これは十分研究いたしまして所要の措置を講じたいと思っております。
  87. 中川俊思

    ○中川(俊)委員長代理 中村重光君。
  88. 中村重光

    ○中村(重)委員 山田委員長にいろいろお尋ねしたいと思いましたが、きょうは時間の関係がありますから省略いたします。ただ激励というのか、要望というのか、申し上げておきたいのですが、北島前委員長が御承知のとおり名委員長として情熱を傾けてがんばっておられた。もちろんあなたも委員の一人として十分努力されたということを多としております。  御承知のとおり、いま中谷君からいろいろ質問いたしましたナショナルの問題でございますが、赤新聞は北島委員長が松下電器から打ち取られたというようなことを盛んに書き立てたことは御承知のとおりと思います。主婦連等は北島委員長辞任をするということに対して非常に不可解な不満をぶちまけていることは、あなたも御承知のとおり。竹中事務局長がやめたいきさつについても、いろいろと取りざたされているわけです。私たちはそうした赤新聞の報道というものを信頼はいたしておりません。だがしかし、公取に対して財界の圧力がかかってくるということは当然であります。どうかひとつ、いま御答弁になった強い決意を持って対処していただきたい。私ども委員会といたしましても十分バックアップしてまいる決意でありますから、その点に対して御要望申し上げ、質問はいずれ他日に譲りたいと思っております。  化学工業局長かあるいはどなたかお見えになっておりますか。——御承知のとおり、液化石油ガス保安の確保及び取引の適正化に関する法律案が継続審議になっている。それに関連いたしまして、液化石油ガス保安の確保及び取引の適正化に関する件という特別決議を当委員会は行なったわけです。その内容は、「一般家庭等の消費における保安の確保及び取引の適正化を図る措置が緊急を要することにかんがみ、現行諸法令の適切な運用により、この措置の万全を期するとともに、」云々という決議になっておることは、あなたも御承知のとおりであると思います。これに基づきまして、特に通産省といたしまして、通産局に対し、あるいはその他の関係方面に対して、保安確保に対してどのような措置をおとりになったのかと申しますのは、このプロパンガスによる事故が非常に多いわけです。町の声といたしましては、いわゆる消費者保護の三法案というものが一つも成立をしなかったというような、十分な認識を持っていただいていないということに関連もするでありましょう。いずれにいたしましても、消費者が非常な不安を持っているということは事実であります。だからこの決議に対して、あなたのほうとして当然対処されたであろうと思いますから、最近の事故の状況はどうなっているか、またただいま私が申し上げましたことに対する措置をどのようにおとりになっているか、それらの点に対して一応ひとつ報告をかねてお考え方をお聞かせいただきたいと思います。
  89. 矢野俊比古

    ○矢野説明員 先般の国会におきまして、この委員会で特別決議をいただきました。いわゆる新法というものを前提として、現行法令のできるだけ弾力的な運用ということの御指示もございました。準備体制も進めるようにということでございます。私どもといたしましては、この決議に基づきまして、現在いわゆる新法に伴います政省令の準備を進めさしていただいております。現実的には、この十六日に臨時に全国の担当官会議を現在招集しております。その上で政省令案のいわゆる化学工業局案でございますけれども、これをおはかりして意見を聞くと同時に、来月の中旬におきまして全国の都道府県の担当課長会議を招集してございます。ここにおいても、この趣旨についての体制を整えるということでございます。  それから現行法令の運用の問題でございますが、私どもとしましては、全国担当官会議を開きました際に、こういう経過を説明いたしまして、いわゆる新法に即した体制で、現在の許認可の問題につきましても同様な考えで慎重に取り扱うようという指示もいたしております。  それからまた事故の防止につきましては、今年十月二十三日から一週間、危害予防週間を設定いたしまして、各府県でそれぞれ実情に応じました対策、たとえばすでに東京都はこの一週間を一カ月に延期いたしまして、十月一日から危害予防週間といたしましてのいわゆる講習会の徹底あるいはポスターの配布というような行事を行なわれております。地方からも、これに基づきますそういった行事についての内容を逐次終わりますと報告がある、そういうような体制で進めてまいっております。
  90. 中村重光

    ○中村(重)委員 いろいろ最近のプロパンガスの事故の内容等に対しましてお尋ねをしたいし、また意見を申し上げたいと思うのですが、委員長の時間の制約があるようであります。また、各省から私の質問に関連をいたしまして御出席を願っておりますので、そのほうへ移りますが、質問の前に御要望申し上げておきますが、質問も簡略にいたしますが、答弁もそのおつもりで、時間の関係もありますから、ひとつお願いをいたしたいと思います。  先般、当委員会の現地調査を実はいたしましたのですが、その際に、長崎県の諫早市における勝川クローム工場の廃液に伴って公害が発生をいたしておるわけです。その詳細にわたっては、通産局が調査をいたしておりますし、かつまた厚生省からも担当技官が現地に参りまして、それぞれの調査をいたしておることでございましょうから、私からその内容にわたって申し上げる必要はないと思います。ところが、当諫早市、並びに被害を受けた農民は、衆議院の現地視察が行なわれ、これに対して積極的な取り組みを政府もいたしておることであるから、この公害に対する適切な措置が行なわれるであろうという期待を持っておるようであります。また私のほうにも手紙等をもって、その後の経過はどうなったのか、われわれに対する補償というものはやってくれるのであろうと期待をしておるが、どうなのかといったようなことが、農民からの手紙によって、その気持ちも実はわかっておるわけであります。ところが当の諫早市におきましては、このクローム廃液の浸透によって、栄田というところの水源地が使用不能におちいった。新しい水源地をつくらなければならない。六千八百万円程度の費用を要するんだそうでありますが、いまのところこれに対する政府の方針もまだはっきりしていない等々で、最近この西日本地帯におけるところの干害の問題と関連をいたしまして、非常な不安を市民も持っておるというようなことでありますので、これらの点に対しまして、その後どのような御調査をされたのか、またこれらの問題に対してどのように対処していこうとされておるのか、一応通産省並びに厚生省、自治省、御出席でございましょうから、それぞれの立場から経過を含めて、ひとつ考え方を明らかにしていただきたいと思います。
  91. 矢島嗣郎

    ○矢島説明員 それではお答えいたします。とりあえずの問題といたしましては、通産局で実情を調査いたしまして、さらに、とりあえず、こういう問題が起こらないように次の四つの点を会社に対して指示いたしまして、それは会社が承知いたしております。それは、メッキの溶液の循環使用施設を整備する。要するに途中でもってこぼれて廃液が出ないようにする。それから第二番目に、現在の脱クローム施設に不十分な点があるので、それを拡充して全部処理できるようにする。第三番目に、廃水中のクローム量を定期的に測定する。それから従業員に対するこの種の廃液管理の方法の徹底。この四点を指摘いたしまして、会社は承知いたしております。この点は当面の処置として問題ないと思います。  次に、先生御指摘の補償の問題に関連するわけですが、それを分けますと、三つあると思いますが、第一は、諫早市がとりあえずの措置として廃水処理のためにかんがい排水路に沿ってビニール・パイプをつくった。約八十万円になるわけであります。  第二番目には、同じく現在の栄田水源地をとりやめて、とりあえずの給水措置として、天満という水源からとるわけですが、その応急処置のためにがかった費用は四百十三万円ということであります。これが第二番目であります。  それから第三には、根本的な措置といたしまして、現在計画しておる全般的な諫早市の水道計画を、この事態にかんがみて変更する措置、これのための追加投資が三千七、八百万円かかるというふうに聞いております。そこで第一のビニール・パイプを設置した費用の八十万円につきましては、これは会社のほうもその必要性を当然認められておる。いわば諫早市が立てかえてやったようなものですから、会社が払うことはまず問題ないと思います。  第二番目の点につきましては、これは先生御指摘のとおり、若干まだ詰めが足りないので、諫早市と会社のほうとで折衝中でございまして、当然の話として、三十年から三十九年の間にわたって、ため池に廃水を流したものが、その当時はよかったのですけれども、だいぶ地下水にまぎれて、水源のほうに近づいて、たまたま本年の渇水のために、こちらの川のほうからくる伏流水がなくなったために、水源地のほうに入ったのではないかと思われる。この点は会社のほうの責任は十分あるものだと思いますが、ただ水源地ができたのは三十七年でございまして、すでに三十年から本件工場が操業して、もう七、八年たってからできたという観点から、市のほうも、会社がそういうことをやっておるということを前提にして、そういうことがあり得るということもある程度知っておってやったという事情もありまして、その辺なかなかむずかしいという点もあります。現地の通産局に十分両方の事情を聞きまして、様子を見まして、いずれは何らかの事実上の仲介措置をとらざるを得ない、かように考えております。  第二の現在の全般的な水道計画につきましても、これはことしもありますが、起債その他の申請があった場合においてはやっていただかなければならぬと思いますし、われわれ通産省のほうもこれに対して協力いたしたいと思います。大体以上のとおりでございます。
  92. 大橋文雄

    ○大橋説明員 お答え申し上げます。諫早市の上水道汚染問題につきまして、クローム廃液というものであるということでございまして、私のほうは公害関係及び水道関係から、担当官がすでに現地を調査しております。これに対します対策といたしましては、上水道の現在の汚染されております水源の場所を変更いたしまして、上流側に新たに井戸を求めて、それを送るという計画で、すでにその水源の変更計画が樹立されまして、認可済みでございます。これに基づきましてその建設費、工事費といたしまして、事業費のうち約三千七百万円程度を地元の市から起債の要望がありまして、私のほうはそれを受けまして、本年度も追加起債ということで目下財政当局でございます自治省、大蔵省のほうにその実現を期するように交渉中でございます。
  93. 亀谷礼次

    ○亀谷説明員 通産、厚生からそれぞれお答えがございましたように、私ども地方債の申請につきましても、当初の全体計画一億八千三百万円の水道の拡張整備事業を市のほうにおいて変更されまして、現在総事業二億二千八百万円ということで、約四千五百万円の増額の変更につながる四十二年度の起債の申請が最近出てまいりました。私のほうは、新規の事業につきましては、起債の総量の問題もございますので、一応ルールで初年度分ということで一千万円の起債の内示を最近行ないましたけれども、個々の実情にのっとりまして、どうしても本年度必要とします事業最の超過につきましては、今後の追加の配分の中で十二分に考慮してきめたいと思い、関係の省とも協議を進めたいと思っております。
  94. 中村重光

    ○中村(重)委員 いろいろその後の経過について、また現在取り組んでおられることについての御説明を伺ったわけですが、私は、矢島部長の御答弁は、これから問題になるから、なるべくむずかしい問題にならないようにという気持ちも働いているのではないかと思うのですが、勝川工場の操業、それから諫早市の栄田水源地をつくった時期等について、これはやはり市のほうにミスがあったというような考え方を持っておられるように感じるのですが、それは問題だと思うのですよ。昭和十九年から勝川工場が操業を開始したのですね。戦時中しばらく休んでおったのかしりませんが、いずれにいたしましても、そうした毒性の混入しているところの廃液というものを、何の設備もしないで放流させておったということに問題があるのですよ。あなたのほうはどういう調査をしてこられたかということに問題があります。水源地でなくても当然井戸があるわけですよ。井戸には、そのまま放流しているのですから、ずっとそれが浸透すると入ってくるわけでしょう。そうすると井戸は使えない。知らないで飲んでいると、当然人体に大きな異常状態というものが起こってくることは間違いないわけでしょう。だからして、そのことを問わないで、諫早市が水源地をあとでつくったということは、あたかもこれはけしからぬことだ、諫早市のミスなんだというようなことで、現在補償問題が起こっておるのに、その補償というようなものを勝川工場がやることを現在拒んでおる。八十万とおっしゃるんだけれども、実際には四百三十万。そういうことに対して、むしろあなたのほうではそういう答弁をなさると、問題の解決に対してかえって障害になってくると私は思うのです。通産省は少なくともみずからの今日までどういうような設備をしておるのか。この事件が起こるまで全然知らなかったのか。あなたのほうへどういう報告が来ておるか知らないんだけれども、黒部局長は——私どもが現地に参りまして調査をし、そこで県側は副知事以下それぞれの関係者、当該諫早市長、助役その他の関係者、それから工場側、被害を受けた農民その他の関係者が出てきて、十分われわれとしては報告を聞いておるし、また勝川工場としても、このクローム廃液が水源地が全然使用できなくなった原因であるということを、はっきりこれは認めた。そして黒部局長は、全くこういうことは知らなかったんだ、今度初めて知ったんだということを認めたんですよ。通産省としても、みずからの責任ということをもっとお感じになって、この問題をどうするかということについて解決策に積極的に乗り出していくという態度でなければならないんじゃありませんか。企業局長、どうですか。
  95. 熊谷典文

    ○熊谷説明員 立地部長からは問題点を御説明申し上げたわけでございます。この諫早の問題は、一つの例としてこういう問題が出てきたわけでありまして、われわれもこういうものを事前にキャッチできなかったということは非常に残念でございます。問題は、こういう例がまだ出てくるんじゃないかということでございまして、先ほどおしかりを受けたわけでございますが、通産行政といたしましては、事前に水銀とかクローム、こういう毒物につきましては、これがどういうように処理されているかということをもう少し計画的、全国的に調査をし、問題を前向きにつかんでいく必要があると思っております。そういう努力をまずいたしてみたいということを申し上げておきたいと思います。  それから第二の御指摘の点で、市と工場との関係でございますが、私の気持ちを率直に申し上げさしていただきますと、責任のなすり合いをいたしておりますと問題は解決しない、迷惑をこうむるのは市民である、こういう感じを持っております。したがいまして、お互いの言い分はあろうと思いますが、話し合えば問題は解決する問題である、しかも御指摘のように従来どういういきさつになっておるにしろ、ある程度水に影響のあるものが出ていたということは事実でございます。その事実はやはり工場も率直に認めていただきたい。その上で工場の今後の経営問題もあろうかと思います。そういう問題につきましては、資金が必要ならば資金のめんどうを見るというような積極的なことも考えまして、両当事者で話ができるだけ早くつくようにわれわれも努力してみたいと思います。通産局も入りまして前向きに短時間でできるだけ早く解決するようにせっかく努力しておりますので、工場自体から悪いものが出てくるということ自体は早急にとめたわけでございますが、その他の過去の費用をどうするかという問題はもうしばらく時間をかしていただきたい、必ず前向きに解決したい、かように考えておる次第でございます。
  96. 中村重光

    ○中村(重)委員 それでけっこうです。そういう考え方で取り組んで問題を解決する以外に、私も解決方法はないと思う。先ほど矢島さんと雑談で話をしたんだけれども、やはりこうした公式の席上における発言というのは、影響するところが大きいですからね。だから勝川としてもみずからの非を認めて、そして八十万は認めたんですね。実際は四百三十万、その四百三十万も市当局は勝川に全額補償してもらいたいとは言ってないのです。何かここに財産として残るようなものがあるならば、その分はやはり、補償してもらいたいということを言うべきではないか。自分の市に工場があるということはそれなりに市の発展にも役立つことであるから、できるだけ市としても工場育成をしていくという考え方でまいりたい、こう言っているのです。雰囲気は何というのかそう全然解決がつかないというような方向ではないわけです。だがしかし、その懇談会の席上では、八十万円は自分のほうが責任を持ちますが四百二十万については知らないという発言をしたので、市長からずいぶん強いことばでもって非難されるという場面も実はあったわけです。ですから、いま局長が答弁されたようなことで解決のために乗り出していかれる必要があると思う。第一次的には私は長崎県がやるべきだと思うのですよ。やってみて長崎県がどうしてもこれを解決することができないというようなことにもなりましょうから、やはり通産省が最終的には乗り出して解決をするということでないといけないのではないか、こう思うのです。必ずしも工場に対して監督官庁の立場から圧力をかけるというのではなくて、工場自体もそれは非を認めているということが一つと、それから、公害ですから、公害に対するところのいろいろな設備もまた必要になってまいりましょうから、そういうことに対しては特別の低利の融資の道もあるわけですから、別の面から工場に対し育成する措置もあるというようなこと等でこの問題の解決に当たる必要があると思います。  それから、いま局長は、もう工場からそうした毒性の廃液が流れることは一応とめたとおっしゃったけれども、まだ完全にそうなっていないんですよ。そのことは通産局の報告の中にも、設備はやはりこれではいけないのだ、すみやかに改善させなければならぬということを言っておる。不十分であるということは、なおかつそうした廃液がずっと浸透していく危険性があります。それは、私どもも現場に行ってそのことを見てきておりますから、もうこれでだいじょうぶだというような認識をお持ちにならないようにしてもらわなければならぬと思います。  それから、大橋水道課長の御答弁があったんですが、先般公害部長と私もいろいろ考え方を話の中で聞かしてもらったわけですが、千三百億のこの水道起債の中で、公害なんだから優先的に起債を振り向けるようにしなくてはならぬという考え方を明らかにされた。ところが、いまの亀谷課長の御答弁で、初年度であるからということであったんですが、あなたのほうのいままでの取り扱い方からいたしますと、初年度は一応頭出しというようなことだろうと思う。しかしこの場合は、これは公害なんですね。先般諫早に委員会としての調査をいたしましたあとで、干ばつの問題等がありましたので参りまして、その後の経過を実は伺ったわけですが、どうしてもことし六千八百万円必要だということを言っているわけです。いま着手するのには一千万円というので足りるけれども、どうしてもそれだけ見てもらわなければ十分に新しい水源地から給水することはできなてのだというようなことなんですが、これは普通の起債の場合と違い、公害ですから、このことについては特別な配慮がなされなければならない。起債の内容にいたしましても、これはやはり最も有利な政府債を引き当てるというようなことでなければならないと思うのですが、そこいらに対する考え方をひとつ重ねて伺っておきたいと思います。
  97. 亀谷礼次

    ○亀谷説明員 先ほどお答えをいたしましたように、水道起債全般につきましては、初年度の事業につきまして、第一回の内示においては、一応ルールで頭出しと申しますか、配分をいたしておるのが通例でございます。ただ、初年度分というものの頭出しだけではどうしても事情許さない事業もございます。ことに、諫早の公害対策としての水源その他の施設事業はその例になるわけでございますが、第二次追加におきましてできるだけ早く、先ほどお答えいたしましたように、現地の事情も考慮いたしまして、また、関係省とも相談の上で、御要望の線に沿うように、なお資金の条件等も十分考慮して配分をいたしたい、かように考えております。
  98. 中村重光

    ○中村(重)委員 まだいろいろあるわけですが、委員長の時間の関係もありますから、この問題はこれでとどめます。とにかくすみやかに関係者がひとつ話し合いをされてこの公害に対処していく。それから、その水道の問題だけの解決ではほんとうの解決になりません。いわゆる農産物に対する相当な被害が出ておるわけです。これは今後ともその被害が拡大していく可能性があります。この点についても、農民からの補償要求というものが出ておるわけですから、これにも十分ひとつ対処してもらいたいということを要望いたしておきたいと思います。  干害の問題あるいは年末融資の問題等々中小企業庁にお尋ねしたいことがあるのですが、その前に、労働省その他からお見えになっておりますので、そのほうを先にお尋ねをしてみたいと思います。  問題は、長崎県の島原市に宝酒造株式会社というのがあるわけです。その工場は御承知のとおり、かつて通産省が経営をいたしておりましたしょうちゅう製造、これを宝酒造に払い下げをやった。そのときの覚え書きというのを私は持っておるわけです。この売却の条件として、ここで働くところの労働者に対しては不利益な扱いをしないようにというようなこと等いろいろな条件が実はあるわけです。今度の事件がこの覚え書きを無視したというような形として取り扱うのは適当ではないというように思うわけですが、やはりこのことも念頭に置いてもらわなければならないのと、いま一つは、いま通産省が企業の集中合併を進めておられる。そのこととの関連というものが私はあると思う。ということは、宝酒造が実はビールをつくっております。ところが、このビール製造をキリンビールとの話し合いによって、キリンビールが買収という形になったのか、あるいはその分だけの合併という形になったのかよく承知をいたしておりませんが、いずれにしても、キリンビールがこれを吸収することになった。そのため宝酒造はビール部門をやめた。やめたことに伴って、従業員の相当数を整理をやらなければならぬということに実はなった。この整理に伴って、これは全国的にやったと思うのでありますが、問題の島原工場に対しても十六名の希望退職というのを募ったわけです。ところが、希望退職にほとんど応じたのでありますが、最後に塩田定吉という人がこれに応じなかった。ということは、希望退職をなぜに指名をして求めたのかというと、公職にあるからだというわけなんです。ということは、塩田定吉という人はまだ三十代であると思うのですが、若いときから市議会議員として四期いまつとめているわけです。その公職、市議会議員であるからやめてもらうのだということなんですね。もちろん当塩田定吉という人は、希望退職にも応じないし、その後希望退職に応じないからといってやめてもらいたいという勧告に対しても、やめる必要はないということで話がつかなかった。最終的には、これは期日もずっと私はここにメモいたしておりますが、書留でもって退職辞令というものが実は送付されるという結果になって、いま法廷闘争という形に発展をしておるという事件であります。  私は、このことに対して、先般来から話を聞いておりましたので、海部労働政務次官にこの調査を個人的に要請をしたという経過もあるわけですが、そういうことで、労働省もおわかりになっておるでありましょうし、また通産省といたしましても、この企業合併というような場合においては働く労働者に対して不利益な扱いをしないというような基本的な方針もあろうと思いますので、そういう立場から、私が以上申し上げました事件に対して、どのようにお考えになっていらっしゃるのか、通産省、労働省、それぞれの立場からこの点に対する考え方をひとつ明らかにしていただきたいと思います。
  99. 熊谷典文

    ○熊谷説明員 私がお答え申し上げますのは一般的な考え方の面になると思います。と申し上げますのは、先生がいま御指摘になりましたビールの関係は、実は物資別にいいますと大蔵省になっておりまして、どういう理由で合併したかとか、今後どういう政府としては考え方かということは、私から申し上げることは適当ではないと思いますが、一般的に申し上げますと、御承知のように、最近、技術革新あるいはそれに伴います設備の大型化というようなことからいたしまして、いまのままの会社の形態ではそれがやれないという事態にだんだんなりつつあります。そういう経済の進歩に応じまして合併ということが行なわれるようになっております。もちろんそのほかに経営上の問題もあろうと思いますが、通産省が指導しております合併問題というのは、今後の国際競争にうちかてるための合併、こういう趣旨でございます。したがいまして、合併せざるを得ない、場合によっては、というのは自然の勢いでもございますが、問題は、それをいかにスムーズにやるかというやり方の問題だろうと思います。われわれが常に業界に申し上げておりますのは、親同士が合併しても下請がうまくいかないようなことになりますと経営能率はあがらない。したがって、そういう問題を考える場合は、下請を使っておる者は下請の面まで考えて、どうしたらいいかということを考えてもらいたいということを言っておるわけでございます。このことは当然労務面にも同じことがいえると思うのでありまして、労務面でいろいろな摩擦が出る、あるいはかえって能率が低下するようなことになりますと、何のための合併かということになるわけでございます。したがいまして、われわれとしては、ここの、この人をどうこうという問題は、政府はそこまでタッチできませんが、考え方としてはそういう考え方を事業者の方に特にお願い申し上げておる次第でございます。  具体的な問題につきましては、労働省も調査をされておると思いますし、必要があれば私のほうから大蔵省にも、こういう問題があるということを申し上げてみたい、かように考えます。
  100. 藤繩正勝

    藤繩説明員 ただいまの私どものほうの海部政務次官に調査を依頼してあるのだがというお話でございますが、私自身はまだ政務次官からお聞きしておりませんので、これは内部のことでございますが、さっそくに帰りましてよくその辺はお聞きをしたいと思っておりますが、先生の御質問があるということがわかりまして、電話でとりあえず情報は得ております。そこで、ただいま御指摘のような事情は承知いたしておりますが、詳細な点はまだ不十分かと思いますが、一般的に申し上げまして、事業の縮小に伴います解雇ということは、労働者の立場から申しますとまことに困った事態ではございますけれども、しかし現時点におきましてはやむを得ない、解雇というものは労働基準法所定の手続を経て行なわれます限りは、あるいはこれはやむを得ないところがあるというふうに私ども考えるのでありますが、ただいま御指摘になりました方の解雇の場合に市会議員さんである、したがって解雇するのだ、こういうことになりますと、問題は労働基準法第七条の公民権の行使との関係がどうかということであろうかと思います。この問題につきましては、労働基準法第七条は解雇には直接触れておりませんで、御承知のとおり「労働者が労働時間中に、選挙権その他公民としての権利を行使し、又は公の職務を執行するために必要な時間を請求した場合においては、拒んではならない。」これは言うまでもなく第七条の規定でございます。それに触れますれば、民事的にはそういった行為は違法にもなります。また労働基準法違反ということで私どものほうの監督権の発動の問題にもなりますが、ただいま御指摘の問題は解雇の問題であります。そこで解雇につきまして、たとえばいまの市会議員のような場合にそれじゃ解雇が民事的に許されるかという問題になりますと、御承知と思いますが、学説が実は分かれておりまして、それを認めれば結局は第七条の趣旨まで没却してしまうじゃないか、したがってそういう場合には解雇は認められないという学説もございますし、また逆に、第七条は労働時間中に請求した場合に拒んではならぬということであって、非常に市会議員活動が長期にわたるというような場合に、それをしも経営者のほうは解雇できない、刑罰をもって対抗することを禁止されるというような性質ではないんじゃないかというような説もあるわけでございます。いずれにいたしましても、私どもといたしましては、解雇の問題は第七条から直接は出てこない、むしろ解雇が結局そういった精神に合致しない乱用になるかどうかというような問題ではないかと思いますので、その辺につきましては、実情をもう少し調べまして、事実市会議員活動がどの程度会社の業務に支障があったかどうかというようなところがポイントになると思いますので、十分調査をいたしたいというふうに思います。
  101. 中村重光

    ○中村(重)委員 この事件は、どの角度から見ても不当であると私は思うのです。憲法であるとか基準法をずっと調べてみたのです。そしていまここで抜粋をしたのですが、憲法十四条にまず私は抵触をすると思います。それから労働基準法の第七条、第三条ですね。いわゆる均等待遇の問題です。読むまでもないのですが、憲法は「すべて國民は、法の下に平等であって、人種、信條、性別、社會的身分又は門地により、政治的、経濟的又は社會的関係において、差別されない。」ということがはっきりしている。労働基準法の三条、均等待遇は「使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱をしてはならない。」第七条は、いまあなたが言われたとおり、公民権使の保障という問題の中にあるわけですが、この事件は、はっきり公職者であるからということを言っておるのです。工場長も数回にわたって呼び出して、あなたはあまり大ものなんだからわれわれの手の届かないところで処理されておるというようなことを言ったようですね。公職者である、そのためにやめてもらうということになっております。ところが普通この種の問題、いわゆる労働者の整理なんというときには、労働組合がこれをバックアップして会社に対抗するということが常識ですが、この事件は、労働組合側から、あなたは公職者ということでこの整理の第一号に指定されている、だからしてやめてもらわなければならないということになっておるのだというので、まあやむを得ない、むしろそれはやめることがあなたにとってためになるのじゃないかというような、まあやめることを勧奨するというようなことなんですね。どうも私はこれはふしぎに思う。ところがこの塩田という人は、昭和二十七年十一月一日、この宝酒造が通産省からこの工場を引き受けて以来組合の執行部になっている。まあほとんど三役なんですね。私も人物はよく知っているのですが、非常に温厚な人で、それで実によく働くんですね。勤務状態等を見てみましても、会社から通達が出ておるのですが、昭和四十一年十月から四十二年三月までに、本社通達の、公職等の勤務取り扱い要項による、就業時間中四時間以上勤務しなかった日数というのはわずか十日間、四時間以上勤務しなかった日がわずか十日間です。その他は有給休暇等で消化している。市議会に出ましても、出るまで会社に勤務している。そしてまたそれが終わったならば会社に行って働くというような勤務ぶりなんです。それだけでなくして、会社は市会議員なるためにその人を利用して、適当に、この会社のまわりの道路がどうだとか何だとかいってずいぶん働かしてきている。そうなんですよ。大体会社等は、県議会議員であろうと市議会議員であろうと、自分の者がそういう公職にありますと、その人を使っていろいろその会社の役に立つような仕事をやらせる。いままでやらせてきたのです。そして工場長、いわゆる管理者側とも非常に親しいし、うまくいっているんですね。どうしてこうなったんだろうかと思って、私若干引っかかることがありますが、それを言うと、その組合がどういう系統の組合か、それから当の塩田という人物がとういう——何というのか思想的なイデオロギーの問題になるのですが、どちらに近いかというようなこと等が何かあるんじゃないかなというような感じがいたしますが、しかしこれははっきりいたしておりませんから、あんまりうがった言い方をするとまずいから私はその点は触れませんが、いずれにいたしましても、公職者であるということ以外に、この人の勤務状況等から、あるいは年齢の面からいって、やめろというような理由というものが見つからなかったのじゃありませんか。そこで公職者であるからということで希望退職という形に応じなかったものだから、また希望退職を求めたことについても、これは指名解雇みたいな形になると思うのですが、そういう形で、それ以外に何もない。こう一貫しております、そこの組合の幹部が言ったことばも工場長が言ったことも。ですから、その点は事実関係にもなにはないのですよ。ところがこれは完全に引っかかるのですね。憲法上からいっても、労働基準法上からいっても、これは明らかに不当である。だからこの問題は労働省のほうからも注意を促して解決をするということでなければいけないのではないかと思います。いまあなたはこれから調査をしてというようなことでありましたから、重ねてお尋ねをするのもどんなものだろう、同じような答弁になろうと思いますが、学説が分かれているのだ、そういうことでなくして、非常に無理があるから、この点はひとつ会社側にこれを撤回させるという方向へ指導してもらうことのほうがいいのではないかと思いますが、その点どうでしょう。
  102. 藤繩正勝

    藤繩説明員 十分調査いたしまして、かりにも労働基準法の精神に反するようなことのないように善処いたしたいと思います。
  103. 中村重光

    ○中村(重)委員 企業局長に要望いたしておきますが、ともかく国際競争力を強化するとか、完全開放体制に入ったとかいう形で、通産省としても企業合同という方向に指導しておられるのですから、少なくとも企業合同といったようなことが労働者に対するところの不当な扱いということになっては企業合同の真の意義は発揮できない。やはり労働者に対してだけは不当な扱いということがないような指導というものを強力にされる必要がある。この点に対して、いまひとつこれからの指導方針についてあなたの考え方を明らかにしていただきたい。これで私の質問はこの点に対しては終わりたいと思います。
  104. 熊谷典文

    ○熊谷説明員 今後の開放経済に対処いたしまして、やはり外国に太刀打ちできるのは、技術もありますし、資本の問題もありますが、根本は人であろうかと思います。そこで外国に対抗していくという以外にはないと思います。経営者が労務の関係でそごを来たしますと結局目的は達せられない、そういう意味からいたしまして、今後の構造改善については労務面を重要視してまいりたいとわれわれは考えております。そういう意味合いにおきまして、今後の進め方については、通産省、労働省の首脳が定期的に集まりまして、お互いに理解し合っていくという姿勢を現在取りつつあります。御指摘の点はわれわれも十分注意してまいりたい、こう思っています。
  105. 中村重光

    ○中村(重)委員 乙竹中小企業局長が生まれたわけですが、大いに期待をしておりますから、がんばってもらわなければならぬと思います。  今度は西日本各地に御承知のとおり約一千億にのぼる干害が発生をいたした。このことは中小企業に対する間接被害という形になると思う。一千億なんという膨大な被害額に達しない場合におきましても、集中豪雨等の際は、中小企業に対しては間接被害として金融面その他適切な助成が行なわれるが、この干害に対してはあまりそうした動きも見えない。どのような調査をしておられ、またこの間接被害に対してはこの後どのような対策を持ってお臨みになっておるのか伺いたい。
  106. 乙竹虔三

    乙竹説明員 まだ就任まぎわで、まことに至っておりませんが、よろしくお願いいたします。  ただいまの先生の御質問でございますが、目下通産局及び関係府県に依頼をいたしまして調査を進めております。なお間接被害につきましては、これは激甚災害法の一応対象外になっておるという解釈のようでございまするけれども、その辺がどうでございますか、被害いかんによりましては、政府系の金融機関等を通じまして、適当な手を打つ必要があるのじゃないかと考えております。
  107. 中村重光

    ○中村(重)委員 長官がそういう答弁をされると、けしからぬじゃないかという形で追及しにくいのだけれども、いずれにしても、実際問題として一千億以上の農産物を中心にしての被害が起こっておる。畑作農家は九〇%から九五%の被害です。水稲の場合におきましても五割から八割くらいの被害なんです。水稲の場合、残ったものだけでも供出等をいたしますと、それだけ現金収入がございましょう。畑作農家はもう壊滅に近いという形になってまいりますと、現金収入の道は絶えるでしょう。カンショがだめです、バレイショもだめです、ショウガもだめなんです。かんきつ、これも完全にいかれております。これも一〇〇%とは申しませんが、かちかちになってむけるものじゃありません。ところが、かんきつは永年作ですから、ことし一年じゃないのです。三年間くらいこれはだめなんです。そういう具体的なことは災害対策委員会なり農林水産委員会なりでやりますけれども、ともかくそういうことで農民の所得というものが絶えるのです。物を買うったって買う金がないじゃありませんか。農業所得が少ないからといって出かせぎに行き、それによって現金収入を求めて生活をしておった人たちが、今度は水を揚げなければならぬでしょう。水を揚げるために出かせぎに行くことができなくなる。そういう出かせぎ、日雇いの収入によって生活をしておった人たちが、生活の道が絶たれるのです。だから現実に中小企業の人たちは困るのだから、この中小企業の人たちに対してやはり何らかの金融上の適切な措置というものが考えられなければならぬと私は思う。それから天災融資法が発動されるのは二十日ごろというのです。それに基づいて激甚災害の指定というものも実はあるわけです。だからどうしても中小企業の場合におきましても、その関連の中においていろいろな措置というものが考えられなければならぬと私は思う。またあなたも、あのひどい干害ということをお聞きになって、まずどういうことがあるのか、どうしなければならぬのかということで、いろいろと構想をめぐらせ、適切な措置をおとりになっていらっしゃるのではないか、こう思ったのでお尋ねをしたわけです。いまからでもおそくはない。どのようなお取り組みをなさいますか。
  108. 乙竹虔三

    乙竹説明員 問題は、現地の被害、災害の状況でございます。特に私の守備範囲から申しますと、今回の空前の干害がどういうふうに現地の中小業者、特に商業者を含めまして、この中小業者に被害が及んでいるか、ということであろうと思います。ただ一面では、史上空前の豊作というふうなことも言われておるわけでございますが、しかし、局地的には非常に大きな被害が出ておる。したがって、局地的に一つの地帯ぐるみの中に入っております中小業者が、非常に大きな被害を受けておるのではないかと思いますが、この辺は十二分に調査をいたしまして、そして特に年末も控えておりますので、この金融関係等につきましては、私たちとして十二分に手を打ってまいりたいというふうに思います。
  109. 中村重光

    ○中村(重)委員 史上最高の豊作、東北方面その他、天候が続いたのですから、そういうところはいいでしょう。しかし、西日本の干害というものがどういう程度のものかということは、あなたは新聞をお読みになっておわかりでしょうから、私は中小企業者に対して直接の被害があるとは言わない。先ほどから申し上げたとおり、間接被害。集中豪雨の場合におきましても間接被害としての扱いをやった。たとえば中小企業金融公庫は、間接被害に対しては普通は融資はしないのだけれども、やったのです。そういうように、農村が疲弊すると中小企業の商品が売れないのだから、年末を控えてその深刻さというものは大体常識的に判断がつくんじゃありませんか。ならば、やはりできるだけ西日本に対して繰り上げて資金を回していくとか、いろいろな方法があるんじゃないでしょうか。そういうことをおやりになるようにひとつ配慮される必要がある、こう申し上げたのだから、そう十二分に調査をしてといって、力こぶをそういうところに入れて、なるべくならやりたくないけれども、十二分に調査をしてみて、しかたなければやりましょう、そういう消極的なことでは、まず乙竹さん中小企業庁長官になられて、あなたに対する期待は大きくはずれることになりますよ。中小企業者は失望しますよ。常識で判断なさいよ。そうでしょう。労働者や農民のふところぐあいがさみしくなり、ひもじくなれば、商売人の品物が売れなくなるのは常識じゃありませんか。それだけの被害があるということは、農民のふところに金が入ってこないのだから、農村における中小企業者にどのくらい深刻な間接被害があるかということは、何も十二分に調査をなさらなくたって、常識的にあなたの頭の中に生まれてくるでしょう。そうじゃありませんか。私は無理を言っておりますか。
  110. 乙竹虔三

    乙竹説明員 私のことばが若干どうも足りなかったようでございますが、十二分に調査をいたしましてと申しますのは、たとえば金融三機関を使います場合におきましても、どこの支店に特に重点を置くべきか、どこの出張所に特に重点を置くべきか、こういう点を十二分に考えなければいけないという意味におきまして、十二分に調査をするということを申し上げたのでございますが、先生御指摘のとおり、特に年末も迫っておりますので、至急手配をいたしたいと存じております。
  111. 中村重光

    ○中村(重)委員 四十三年度の予算要求の中において一番中心的な問題を二、三点だけお尋ねをして、私の質問を終わりますが、国民金融公庫はいままで大体三百万円中小企業に対して融資をしておったですね。上限は大体三百万円で押さえておった。ところが、もういまはそういう時期ではないと思います。もうこの三百万円で押えておったというのは十数年前のことなんです。少なくとも一千万円まで私は上限を拡大をしなければならぬと思います。零細中小企業者というのは国民金融公庫にすがる以外にはありません。したがって、来年度の予算要求の中において国民金融公庫の融資の上限をどこまで拡大をさせるか、どのような折衝をしようとお考えになっていらっしゃいますか。
  112. 乙竹虔三

    乙竹説明員 御指摘のとおりでございまするが、中小企業者に対します金融は、これは先生のほうがお詳しいのでございますが、比較的大きなものは中小企業金融公庫におきまして、そうして零細なものは国民金融公庫においてというふうに分担をさせておるわけでございます。このどの辺に線を引くかということでございまするけれども、さしあたりわれわれといたしましては、来年度の予算要求の中におきましては、現行の三百万円という線で、来年度はそのまままいりたい、ただ、資金量は極力ふやしてもらうという線で、量において確保していくという努力をしたいと思います。
  113. 中村重光

    ○中村(重)委員 前影山中小企業庁長官の答弁あるいは菅野通産大臣の答弁も、これを拡大をしなければならないと考えます、そういう方向で対処してまいりますと、環衛公庫の融資と関連をいたしまして私の質問に答えております。あなたは御就任になったばかりですから、あなたにあまり注文することは無理でございますから、無理は避けますが、環衛公庫は一千万円まで拡大をいたしました。環衛業者に劣らない、より重要な中小企業者というものが私はあろうと思います。また資金的に困っていらっしゃる中小企業者が私は多いと思うのであります。環衛業者に対して、一千万円まで貸し付けの上限が拡大をされたのでありますから、少なくとも中小企業者に対しましては五百万ないし六百万までは拡大をする、そういうことで予算要求をなさらなければ、資金だけをたくさん確保するように努力をいたしましょう、貸し付けの上限は三百万円以上を要求しようとは考えておりませんというのでは、現実的ではありません。また私の質問に対する通産大臣なりあるいは前任の影山長官の答弁と食い違ってまいりますから、それではいけないと思います。どうしますか。環衛公庫は環衛業者に一千万円ですよ。これは突破口として考えてきたのですよ。
  114. 乙竹虔三

    乙竹説明員 一応前任者からも十二分に引き継いでおるわけでございますし、できますならば上限を拡大していくということは必要だと思います。ただ、さしあたり資金量にも限度がございまするし、もし上のほうを広くいたしまして下のほうに対して手が薄くなるということでは困るということで、来年度の要求を、私の引き継ぎました予算要求におきましては、限度は従来どおりというふうにいたしております。ただ環衛公庫におきまして、これは代理業務ということで従来やっておりました、その線を引き継いでおるというふうに承知をいたしております。
  115. 中村重光

    ○中村(重)委員 いま環衛公庫に対して代理業務ということをおっしゃったが、意味がどういうことか私はわからないのですが、今度環衛公庫ができた。そうして政府関係中小企業金融機関並びに一般の民間の金融機関に対して委託をして融資をすることになるのです。しかし、四十二年度は政府関係三機関に対してのみ委託をして融資をするということに実はなるわけです。これに対して上限を拡大をしたわけです。だから一般プロパーの中小企業に対しても上限を拡大するということが必要なのです。そのことが下に対して金融の圧力になるということにはなりません。上限を拡大するということは、中小企業金融公庫に対するところの融資ワクをさらに拡大をすることに通じてまいります。それは常識なんです。融資総額というものを拡大をしないでただ上限の貸し付けワクだけを拡大をするということは、常識的に考えられないじゃありませんか。上限を拡大するということは、あなたのほうで予算折衝することについての大きな積極的な条件になってまいります。だから最終的にはわかりませんが、環衛公庫の場合におきましても、来年は一千三百億の予算要求をすることになっておる。だから三百万を拡大をしないというような考え方であってはならぬと思います。十数年前に一人当たりの上限が三百万円ですね。それが今日そのまま据え置かれておるということは、明らかにこれは現実的ではないということになるではありませんか。これを五百万ないし六百万までに拡大をするということは常識です。少しもちゅうちょするところはございません。また環衛公庫において六分五厘あるいは七分七厘という特利の道も開かれたわけです。一般中小企業の場合におきましても、特別の設備に対しましては、六分五厘なり七分七厘なりの特利を要求されるということが私は適当であろうと思う。そういうことも検討なさらなければだめなんです。あなたはいま御就任になったばかりですから、あなたにあまりそういう具体的な問題に対しまして私はお答えを聞こうとは思いませんが、経験豊かな関係課長がおることでありますから、十分ひとつ話し合いをされて、これから適切な予算要求をするという方向で進んでもらいたいと思います。  なお経営指導員の身分の問題であるとか、あるいは経営指導員はいまの三万ないし三万数千円の手当に対して期末手当がついておりません。したがって、これを十五で割っております。一カ月の報酬は二万数千円にしかなりません。身分は保障されておらないから不安定であります。講習会費であるとか事務費であるとか、その他の補助金も非常に不足でありますから、活動が鈍っております。だから当然期末手当というものも支給しなければならぬと思う。そういう形の予算要求をする必要があると思いますが、これら経営指導員並びに補助員に対する待遇というようなものをどのようにお考えになっていらっしゃるのか、あるいは講習会費、事務費等これらの事業費に対しまして、予算要求はどのようにお考えになっていらっしゃるのか、一応明らかにしていただきたいと思います。
  116. 乙竹虔三

    乙竹説明員 だんだん企業の格差が開いてまいってきております。特に小規模零細企業者の格差が開いておりまするし、倒産も非常にふえてきておる。したがいまして、特に小規模事業に対します手厚い処置が必要であるというふうに存じております。したがいまして、小規模事業対策では本年度の予算は二十五億二千九百万でございまするが、来年度はこれを三十二億三千五百万、約七億の増にして要求をいたしております。要求の中身をなしております重点は、いま御指摘の、問題は人でございますので、経営指導員、補助員等の経営指導に実際に当たる人、この人たちが安心して職務に専念できるようにということで、このべースアップを考え、相当見込んで要求をいたしております。一例を申し上げますと、経営指導員の三万六千円を四万一千円というふうにしております。それからいま御指摘の手当の関係でございますが、これは寒冷地手当はすでに四十二年度から算定いたしたわけでございます。来年度は離島手当を政府の要求の中に入れてございます。それから問題の期末手当でございまするが、これは実は相当な金額にのぼります。算定いたしますと六億余の金になりますので、一応事務的ベースの要求には遺憾ながら入れることができませんでしたが、予算折衝の過程におきまして、できるだけこの手当の実現方を努力してまいりたいというふうに考えております。
  117. 中村重光

    ○中村(重)委員 ともかく十五カ月で割ると、かりに四万円になりましても、非常に少なくなりますから、期末手当を支給するということは常識ですよ。これは農林省であると、あるいは農業経営指導員それから漁業関係等もありましょう。関係各省とも連絡をとって期末手当の支給、それから中小企業の経営指導員は、そうした農林省関係指導員と比較いたしますと、いろいろな面においてまた非常な差別扱いにされております。そういうことがないように対処してもらわなければならぬと思う。給与関係で、これ以外にもたくさんあるのでありますけれども、一点だけ申し上げておきますが、雇用促進事業団が労働者向けの住宅を建設をするというための融資をいたしておりますね。ところが土地をみずからの所有にしなければ貸さないのです。借りた土地ではだめだ。中小企業者はなかなかそういう何百坪というような土地の所有というようなことができない。借りた土地だったら、建物はこれは建物保護法によって保証されるのだから、借地だって貸していいと思う。全然それならばないのかというと、大企業でブリヂストンタイヤというのがある。それには借地でもって金を貸したという事実がある。自分で労働者のための住宅を建てることのできない中小企業者に対しては、そうした借地であってはならない。あるいは一件かもしれませんし、例外であったにしても、大企業に対しては借地でよろしい、そういうような扱いは明らかにこれは不当であります。だから中小企業者のための労働対策、いわゆる雇用対策としての住宅政策ということをお考えになる以上は、その土地がたとえ借り地であったにしても、雇用促進事業団あるいはその他の住宅融資というものが行なわれるようにやる必要があると思います。その点は注意を喚起いたしておきますから、十分対処してもらいたいと思います。  これで終わります。      ————◇—————
  118. 中川俊思

    ○中川(俊)委員長代理 この際、おはかりいたします。  本国会の閉会中に行ないました委員派遣の、派遣委員から報告書が提出されておりますので、これを会議録に参考のため掲載することに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  119. 中川俊思

    ○中川(俊)委員長代理 異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————   〔報告書は本号末尾に掲載〕      ————◇—————
  120. 中川俊思

    ○中川(俊)委員長代理 引き続き通商産業基本施策に関する件について質疑を続行いたします。近江巳記夫君。
  121. 近江巳記夫

    ○近江委員 時間もあまりないようでございますので、問題をしぼりまして、万博の問題についてお聞きをしたいと思います。   〔中川(俊)委員長代理退席、中村(重)委員長代理着席〕  以前に本委員会におきまして、私が万博の件につきまして質問いたしました。覚えていらっしゃると思いますが、一つは地元負担の問題、あと地利用の問題、関連事業の問題、それから協会の運営、またその責任の明確化、こういった点についてお聞きしたわけでございますが、以下そういった項目に関連をいたしまして数点お聞きしたいと思います。  まず地元負担の問題でありますが、この問題について、負担率の問題について非常に地元が紛糾しておるわけであります。暫定的に大阪府が七割、大阪市が二割五分、ほかの府県で五分、こういった状況になっておるようでございますが、特に福井とか三重あるいは滋賀、特に福井などは祝儀程度ならやらしてもらいたい、こういった非常に消極的な態度をしておるわけであります。こういう点で大阪府、大阪市とも、なぜ大阪だけがこれだけ負担しなければいけないかというような声も非常に強いわけです。またさらにこの万博の問題を考えていきますと、これは当然国家の事業として強力に推進をしなければならない。ところが、あれだけの膨大な万博費用の三分の一を地元が負担をしなければならない。しかもそのほとんどが大阪府、大阪市である。したがって、当然ほかにもまた関連事業も出てまいりますし、要するにやりたいことがほかにあっても手が回らない。これから数年間はたいへんなことになる。私は前にも申し上げたとおり、あくまでもこの地元負担という問題が住民の福祉に重大な影響を与えるものであってはならない、このことを申し上げたのでありますが、そのときの答弁でも、一応考えてみましょうというような含みもあるようなことも聞いたわけでありますが、この負担率という問題についてどのようにその後政府として対処なさったか、この点についてお聞きしたいと思います。
  122. 橋本徳男

    ○橋本説明員 地元負担の問題につきましてその後の模様を御説明いたしますが、御承知のように、三分の二は国が負担する、三分の一は地方で負担するということで、この地方という点につきましては、従来から御説明いたしておりましたが、この博覧会を最初誘致をする経緯もございまして、近畿二府六県でこれを負担していただくという考え方を出しておりました。先般、九月の初めかと思いましたが、近畿二府六県の知事会が催されまして、その席でこの問題をいろいろ検討されたわけでございます。知事といたしましては、従来の経緯もあり、またこれを地元に誘致することによって近畿の発展が将来期待される非常に大きな契機にもなることにかんがみまして、お互いに持とうじゃないかという考え方に実はなったわけでございます。持つということにつき、三分の一を地元において負担しようという考え方になったが、いろいろ各府県によりまして、財政力、それから府県の経済力といったようなものに相違がありますので、そういった問題について事務当局で十分その辺を詰めてはしいというような要望も出されまして、今日の段階におきましては、先生おっしゃいましたように、とりあえず現在は大阪府、市におきまして、その地元負担の十割に相当する程度のものを持ってはどうであろうかということが一案として出ておりますが、この点につきまして、さらに他の府県等と現在協議中でございまして、できるだけ早急に出したいと思っておりますが、各府県の財政力、それから全体資金計画といったようなものをにらみ合わせながらこれをきめていくというたてまえにしておりますので、若干の日にちは要するかというふうには考えております。
  123. 近江巳記夫

    ○近江委員 そこで、この万博の資金計画についても、これは何回も訂正がなされておる。そこでこのような計画をしたいというような案が出たならば、当然予算措置が伴ってきますが、ところが地元が三分の一負担しなければならない。地元としてはもう負担の能力がない。そういう点で、要するに総額においてもこれ以上の頭を出せない。そういうような悩みもあろうかと思いますが、地元がいまだに、あと九百日しか残しておらないのに、まだそういう問題が解決しない。これはやはり重大な問題だと私は思うのです。私は、そういう地元の自主性を尊重するという態度は確かに好ましいと思います。しかしながら、ただそれだけでほうっておいていいか。政府はさらにそういう点において、それでは補助金を出そうとか、あるいはまたその問題は関連事業にもなりますが、起債を認めようとか、積極的な何らかのそういう手を打っていかなければ、この問題はなかなか解決しない。積極的なそういう対策を一体どのように計画なさっているか、この点についてお聞きしたいと思う。
  124. 橋本徳男

    ○橋本説明員 全体の資金計画につきましては、昨年の十一月に五百四十七億という数字が出たわけでございますが、これはまだ諸般の計画が非常に抽象的でございましたので、その後検討いたしまして、中間段階で五百八十八億という一応の協会案が出ました。その後いろいろ検討し、先生のおっしゃいますように地方負担等もございますので、むしろできるだけ地元の住民の税負担を軽減しながらりっぱなものをやっていきたいということで、新たに施設の参加一般に求めるというような考え方で、昨年はこういう考え方はなかったんでございますが、現在の段階では五十数億以上のものを施設参加として集めたいというふうなことで、内々そのほうも個別に当たって、いろいろ検討をしておるような次第、でございます。
  125. 近江巳記夫

    ○近江委員 なるほどお聞きすれば若干動いておられるように思うわけでありますが、しかし、いまここで答弁なさっておることと地元の考え方とは違うのですね。この間の質問でもいたしましたが、最終的には政府が一切責任を持つ。そういう点において、要するにそうした項目について真剣なまとめをやっていく方向にやらなければ、これはいつまでたっても解決しないと思うのです。そういう点において、政府のやっておることについて非常にじれったがっております。もう少し何とか積極的にその中をとっていろいろとやってほしい、そういう声が非常に強いわけです。ですから、こういう点において今後さらに強力なといいますか、積極的な態度でひとつこういったごたごたを早くなくしてやってもらいたいと思う。特に要望としましては、国三分の二、地元一二分の一というのは、これでいいという考えは地元の二府六県においては毛頭持っておらぬわけです。もっともっと政府が負担して、全額負担してもらいたい、この要望については変わりはないわけです。ですから、ただ三分の二、三分の一はこれはもう決定的なものだ、そういう考え方ではなくして、要するに万博を効果あらしめるために、政府がさらに何とかしましょう、そういう検討をさらにしていく考えがあるかどうか、この点をひとつお聞きしたいと思うのです。
  126. 橋本徳男

    ○橋本説明員 実はこの三分の一、三分の二がきまります際には、たとえばカナダあたりにおきましても国は二分の一、それから地元二分の一というふうな考え方でできたわけでございます。ところが日本の場合には、カナダに比べて地方の財政力等にも問題があるというふうなことで、いろいろな補助の例としましては最高の補助率である三分の二を国として決定したわけでございます。したがいまして、今後といたしましては、むしろその三分の二、三分の一というものは、これは現在の段階としまして国の補助率としては最高でございます。したがいまして、全体のいわゆる資金規模はどういうふうにこれをやることが最も合理的であるか。これは国も努力し地方も努力し、それから協会自体においても努力をしてもらうというふうな立場において、できるだけ地方財政に負担の軽減されるような考え方をとっていきたい。  さらに国といたしましては、これ以外に、国独自で出展をいたしますいわゆる政府館といいますか、こういったようなものをかかえておりまして、これもやはり主催国として諸外国に恥ずかしくない形をとっていきたいということを考えますと、実質的にははるかに三分の二を上回るような形になると思うのでございます。
  127. 近江巳記夫

    ○近江委員 これは各国それぞれその事情が違うわけですよ。日本の事情についてはもう御承知のとおりでありますが、要するに三割自治といわれておりますが、実際はそれ以上にもっとひどい。ほんとうに地方のそういう自主的な面については、憲法でも規定してあるわけでありますが、実際の運営についてはほんとうにひもつきのそれがあまりにも多過ぎる。したがって、外国とは全然事情が違うわけです。実際に自分の持っている財源なんというのはほとんどない。もうその日その日、たとえば道路一つにしても、穴があいたところを埋める程度にしか実際にはできない。そういう事情は違うというその点を強く認識してもらわなければ、カナダにおいてはこうだった、そういう外国の例だけを引き合いに出されたら困ると思うのです。ですから、それでいいというその頭をもう少しやわらかくして、外国とは事情が違うんだ、こういう点についてさらに強力に推進していきたい、私はこういう考えに立たなければいけないと思うのです。そういう点についてはどうですか。
  128. 熊谷典文

    ○熊谷説明員 政府の補助金と地元負担の問題につきましていろいろ御意見を伺っておるわけでありますが、私どもが本年度三分の二、三分の一ときめましたときも、御指摘のような事情がございますので、地方の財政事情、これは外国と違うということをるる申し上げまして、事務当局といたしましてはそこへ持っていったわけなんです。御指摘のように、地方の財政事情というのは非常に苦しいわけでございますので、いろいろな面でそれが成り立つように今後配慮していかなくてはならぬということは当然のことだと思います。そういう意味で、後ほどあるいは御意見があろうかと思いますが、今後われわれが考えなければならぬあと地利用の問題とか、あるいは政府館の問題、あるいは施設参加というような問題につきましては、積極的に考えまして、できるだけ地元負担といいますか、そういうものとの摩擦が出ないよう、しかもそれが一部の住民生活を犠牲にするという形になるような誤解のないようにつとめてまいりたいと思います。  なお、先ほど御指摘がございました、ある程度説明はつくかもしらぬが、全体にそういう認識がないじゃないか、中央で考えていることと地方で考えていることについて非常にズレがあるという御指摘でございます。私はそういう点が多々あろうかと思います。しかし、これは万博が全国民万博である以上は理解を得なければいかぬ。いままでそういう点で不十分でございましたのは、残念ながら全体の資金計画というのがまだきまっておりません。今回私どもとしては、全体の資金計画をできるだけ早急にきめたい、そういうはっきりしためどで、万博まで九百日しかございませんので、めどを立てた上でそれを促進してまいりたい。その過程においては、その間の事情を十分地元にも、あるいは国民全体にも浸透させまして努力してまいりたい、かように考えております。私ども事務当局として十分努力の気持ちはございますが、片一方財政事情もございますので、なかなか御希望に沿えないわけでございますが、できるだけの努力はわれわれもしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
  129. 近江巳記夫

    ○近江委員 それからずっと関連するわけでありますが、この関連事業の決定はできたわけですか。
  130. 橋本徳男

    ○橋本説明員 関連事業につきましては、昨年地元から要望が出されまして、これを各省間でいろいろ検討いたしまして、九月の十五日ごろかと思いましたが、閣僚協議会で一応関連事業というものを六千三百億というふうなことできめた次第でございます。なお、その後、地元といたしましては、今回きめましたものに若干漏れている点もございまして、そういった点で千百億の要求を現在受けておるような次第でございます。
  131. 近江巳記夫

    ○近江委員 九月の中旬に決定といま言われたわけでありますが、私の質問のときには、八月中に決定します、あと地の利用の問題については、たしか六月だったと思いますが、決定します、こう答弁されたわけです。それはなかなか言うとおりにはいかないということは私もわかります。しかし、そういう点において、言われたことはひとつ実行してもらいたい、このように思うのです。  それから、この関連事業の問題について、先ほどもちょっと触れたわけでありますが、要するに、地元としてはほんとうに三分の一を負担しなければならぬ。そういう点において、これは府下の市町村についても、非常に大きな財源を確保しなければならない。その点で非常に苦しんでおるわけです。こういう点において起債あるいは補助金、この問題を大幅に政府として考えていらっしゃるかどうか、この点をお聞きしたいと思います。
  132. 橋本徳男

    ○橋本説明員 関連公共事業につきましては、特に地方財政の問題との関連が強うございますので、自治省におきましても、万博関係の起債というものを特別に認めたいというふうなことで、いまそういうことに臨んでおります。
  133. 近江巳記夫

    ○近江委員 万博の計画を進めていかれるのは当然でありますし、さらにもっと拍車をかけてやっていかなければならぬわけでありますが、しかし、自分だけが独走して、要するにほかの影響を考えない、これは私は非常によくないと思うのです。たとえば、この間襲ったあのつゆどきの台風のときには、特に大阪府下の中小河川のはんらんというのはひどかった。それは確かに集中豪雨ということはあります。しかし、雨量においては、いままでの記録を見れば、そんなことはしょっちゅうあることなんです。また、大阪府下全域を見ても、ほかにももっと雨が降っているわけです。しかし、そのような被害がなかった。ところが、万博千里ニュータウンの周辺の豊中なり茨木あるいは吹田、あの辺は非常に膨大な被害を受けている。これについては、万博の造成をやったからこうなったのだというので、もう住民は非常な怒りを覚えているわけです。河川については全然補修してない。当然そういう木を切ったときには、これはもう一時に流れるのはわかっている。ところが、肝心の水の問題について全然考えていない。ただ被害といっても、これは要するに人命に関するわけですよ。また今度雨が降ったり台風が来たらどうなるだろうか、年じゅう住民は不安におののいているわけです。要するにこの河川の改修については、関連事業とか、そんなものじゃない。これはもう万博の、政府の責任ですよ。ですから、こういうことについて、従来のそういうありきたりの方法でもってはならぬと私は思うのです。これだけの不安におとしいれておる。また、事実それだけの被害を受けておる。それに対して弁償しなければいかぬ。これについては、特にこの中小河川の改修について、政府としてほんとうに申しわけないという気持ちから出発して、どういうように考えていらっしゃるのか。
  134. 橋本徳男

    ○橋本説明員 先般の豪雨につきまして、あの地方に水が出たこともよく存じておりますが、その前に、ああいう森林の伐採をいたしますと、当然そういった問題が起こる可能性がございましたので、協会といたしましても、会場内に、とりあえずため池となるべきものをつくるというふうなことで、これをほかの事業に先行して、大阪府としてもやっていただいておったわけでございます。  それからさらに、中小河川のはんらんの問題につきましては、特に公共事業等につきましての予算の繰り延べという問題が一般にあるわけでございますが、実はこの万博の関連の、特に中小の河川につきましては、端的な例としまして、たとえば大正川、こういったようなものにつきましては、全然そういった繰り延べを考えないで、むしろ先行投資的な意味におきまして現在これに着手してもらっておるというようなことで、そういう周辺の問題につきまして優先的な扱いで現在やってもらっております。特にそういった先般の降雨等からの経験によりまして、周辺の河川につきましては特段の努力を現在払っておるような次第でございます。
  135. 近江巳記夫

    ○近江委員 格段の努力を払っておると言いながら、被害が出ておるわけですよ。確かにため池があることは私も知っていますが、あのため池がもしも決壊すれば茨木市は全滅だ。住民は非常に不安になっているわけです。確かに堤防だってほんとうに薄いようた感じがある。一部の技術屋も言っておるわけです。さらにこれからも予想以上の雨が降るかもわからないし、さらには予想以下の雨でありながら現実にそのため池で何の処理もできなかった。要するに、計画を立てても、それがほんとうに有効に生きてなければ、何ぼこのようにやりましたと言ってもしかたがないわけですよ。現実にそういう結果が出ておるわけです。ですから、そのため池でどうしても処理できないなら、さらにまた人造湖等も計画の中にあるわけですから、そういった点を生かして雨水を処理するとか、また河川の問題についても、いま大正川を出されましたけれども、千里川の問題にしても二十三カ所もはんらんしている。ひどい被害を受けているわけですよ。ですから、こういう工事の進捗についてはいつもおくれがちなんです。早いことやっていますと言っても、それは普通程度なんです。そういう点において、いまのような状態であってはまた二度、三度の繰り返しになってしまう。ですから私は手ぬるいと思う。さらに拍車をかけてこの中小河川の改修に臨むかどうか、政府としての強い決意をひとつお聞きしたいと思う。
  136. 橋本徳男

    ○橋本説明員 おっしゃるとおりでございまして、こういう問題につきましては、さらに一段とわれわれは努力をいたしまして、また技術的等の面においてさらに問題があるようならば、これを強化していくというふうな方向で、実際問題としてそういった問題につきましてはわれわれも再検討したいというふうに、強い決意で臨みたいと思っております。
  137. 近江巳記夫

    ○近江委員 それは言うだけでは納得できないわけです。なぜならば、先ほどの乙竹さんの答弁にもありましたが、先ほど中村さんの質問に対して、中小企業の金融の問題でも、要するに三百万円まで、ところが前長官は一千万なんと言っておるわけです。そのように、要するに政府の首脳者がかわるたびにそういう内容が違う。すべてのことは全部予算措置をしなければできないことなんです。私は別にあなたが近々おやめになるとは思いませんよ。しかしながら、答弁したことが実行されなくて、かわるたびにそういうような答弁をされて、その場だけで、ああそうですかと言うているわけに私はいかぬと思う。こういう点について、早急に中小河川の調査をして、これはいついつまでにやります、予算はこれぐらいとりましたという計画書を提出してもらいたいと私は思う。その計画書に基づいて私はチェックして皆さん方のそういう要望にこたえていきたい、このように思います。   〔中村(重)委員長代理退席、田中(武)委員長代理着席〕 それを出す用意があるかどうか。
  138. 橋本徳男

    ○橋本説明員 こういった周辺の中小河川につきましては、すでに関連公共事業として四十二年度以降実際にこの工事をやるというふうなことの予算もついておりますので、これをスケジュールとしてわれわれは提出したいというふうに思っております。
  139. 近江巳記夫

    ○近江委員 それでは、その河川の問題については特に強く要望しておきます。後日提出してください。  それから大阪は非常に交通事故が多い。しかも交通事故の内容を見てみますと、特に府下が多くなってきておる。府下から大阪市に乗り入れのそういう周辺部に非常に多いわけです。これは当然工事を進めていく上において資材の搬入という問題がこれから非常に大きな問題になってくる。道路はまだできていない。道路ができていないところへ持ってきて万博の工事を急げということで、ミキサー車はじめ、これはもう小型じゃないです。大型がこれからどんどん入ってくる。これから少々の警備体制をとるにしても間に合わない。根本的に道路の問題を早くやらなければ、これはもうほんとうにぬかにくぎだと私は思うのです。こういう問題についてそれぞれ計画を練っていらっしゃると思いますが、そういう道路の問題についてどういう対策をいまとっていらっしゃるのか、それについて聞かしてください。
  140. 橋本徳男

    ○橋本説明員 道路につきまして、こういう資材運搬並びに観客輸送ということで、一応とにかく関連道路といたしまして予算措置を講じましたが、さらに、そろそろ各陳列館の建設の段階に入ってまいりますので、そういった面から特に資材輸送道路というふうなものを最優先的に取り上げたいということで、現在大阪府にお願いいたしまして、資材輸送に欠くことのできない道路を観客輸送道路に優先してやってほしいというふうなことで、現在府としてはその方面からの着手をすることに実はなってございまして、来年の七月以降現実問題として各般の資材輸送が行なわれるわけでございますので、それまでにはできるだけ整備もし、かつまた現在大阪府警とも連絡をとりまして、そういった万博関係の輸送につきましては特別の交通整理をやっていただきたいというふうなことで実はお願いしておるわけで、両面から十分事故の起きないように措置してまいりたいというふうなことで措置をやっている次第でございます。
  141. 近江巳記夫

    ○近江委員 いまおっしゃった点はわかりますが、要するにそれを強力に、ほんとうに真剣にやるかどうかという問題なんです。ですからいまの状態では非常に手ぬるい。もうこれはベトナム戦以上の多くの死者を出しているわけです。もう一万人をこえていることは御存じのとおりです。特に大阪府はひどいわけです。こういう点において、人命に関することですから、この点については強力な今後の推進を要望します。  それから清掃の問題ですけれども、万博の期間中に一日にごみがどのくらい出るのですか。
  142. 橋本徳男

    ○橋本説明員 ちょっといま具体的な数字は覚えていないのでございますが、調べまして御返事申し上げたいと思います。
  143. 近江巳記夫

    ○近江委員 大体万博のことを聞くと言うておるのですから、資料ぐらい持ってきてほしいと思います。  それでは概略的でいいと思うのですが、そのごみ処理はどのように考えているのですか。
  144. 橋本徳男

    ○橋本説明員 ごみ処理の問題につきましては、当初の段階といたしまして、周辺の都市のごみ焼却施設によってこれをまかなえないかどうかというふうなことを実は検討してまいったわけでございますが、それではとうてい処置ができないということがわかりましたので、最近では会場の敷地に、実際の開会中にそれがおかしくならないような場所を選定いたしまして、そこにごみ焼却施設を設置してはどうかというふうなことで、具体的なその場所を現地においていま検討中でございまして、おそらくは、一部は周辺市町村にお願いするかと思いますが、大部分はそういう形において焼却施設を設置するというふうなことになるであろうというふうに考えております。
  145. 近江巳記夫

    ○近江委員 それは考えが甘いですよ。周囲の市町村はどう言っているか。万博はごみだけを持ってきて焼かすとはとんでもない、自分の能力だけでもう精一ぱいだ、一体どういう考えでおるのか。さらに、基本計画の中にごみ焼却場のそういう設置なんか全然入ってない。あなたはどこか周辺の市町村に頼めばいい、こう思っておるかしれませんが、住民は全部反対ですよ。いまのような空気だったら、いまからではもう少々スタートがおそいと私は思う。ほんとうに周辺の市町村にそれを負担してもらうなら、それじゃさらに補助金でも出して、もっと前から市町村にさらに大きな能力を持った焼却炉をつくるとか、そういう積極的な努力なくして、会場だけぼんぼんつくって、あとのそういう問題を全然考えてない。一つはニュータウンのところに焼却炉をつくる、これだって、われわれはいい空気を求めてここに来たんだ、そんなものをつくってもらっては困ると猛反対ですよ。私はそういうところばかりつついて言っているのではない、心配するから言っているのだ。それは少ないスタッフでそれだけ手が回らないといえばそうかもしれないけれども、しかし根本的なそういう問題に対してあまりにも姿勢が弱いと思う。これはほんとうに真剣に考えなければたいへんですよ。何とかいまごろ会場をさがしてもというが、どこなんですか、その予定地は。
  146. 橋本徳男

    ○橋本説明員 実はこの問題、ごみ処理の問題につきましては、大阪府におきまして、当初の段階としまして、関係の市町村と実は話し合っておりまして、ある程度の見通しがつけられるというふうなところまでいったのでございますが、その後先生おっしゃいますように、その話が十分まとまらなかったというふうなことで、ごく最近になりまして、その会場の周辺の一部をさいてこれをつくるということで、それは結局、その風向き等から開催中に観客に不快な感を与えないような場所の選定を現在やっておりまして、それが会場の地形等からおかしくないというふうなところがありますれば、おおむねその会場の敷地の一部にごみ処理場をつくりたいというふうなことで考えております。
  147. 近江巳記夫

    ○近江委員 それは確かにごみ焼却のにおいが、幾ら近代的な設備ができて無臭でいけるといっても、やはりにおいは漏れる。確かにこれは重大な問題だと思うのですよ。最も近代的な万博においてごみのにおいがするというのは重大問題です。風向き等の問題まで考慮して置くとなった場合に、その会場のどまん中がいいとなった場合はどないするのですか。そういう問題だけでは片がつかぬと私は思うのです。ですからこの問題について、あなたがいまおっしゃった周辺の市町村、あるいはまた会場につくるとか、そういう問題を、さらにこまかいデータの上に立った真剣な討議がなければ、ほんとうにこのままでいったのでは問題が大きくなりますよ。計画がもうあなたどんどん進んでいるじゃないですか。どまん中に焼却炉をぽんとつくったらどうなるのですか。そういう点からいって、私は計画のずさんさを——計画だって何回もやり直しになっているし、資金計画だってほんとうに何回かやり直しになってまだ決定ができてない。焼却炉の問題について、ほんとうにこれは真剣に取っ組まなければたいへんなことになる。心配するから言うのです。この点について今後どのようにやっていくか、その決意を聞かしてください。
  148. 橋本徳男

    ○橋本説明員 おっしゃるように、ごみ処理の問題につきましては、こういういろいろな問題のあることを実は存じておりまして、協会といたしましても、従来大阪府と共同いたしまして、周辺都市にという考え方を持っておりましたが、最近ではそれが話がむずかしいということから、会場のどまん中ということはあり得ないと思いますが、天候あるいは風向弐等を十分考えてつくるというふうな考え方に実はなって、その場所、規模、施設等につきまして検討をしておりまして、近くそういう解決はつけられるものと私は考えております。
  149. 近江巳記夫

    ○近江委員 それでは焼却炉は万博会場の中につくるわけですね。しかし考えねばならぬ問題が非常に多いと思う。慎重に周辺の人たちの福祉面からも考慮して今後進めてもらいたいと思います。  それから、私は先ほど地元負担の問題についてなぜやかましく言ったかというと、結局負担金だけの問題ではない。たとえばいまは建設関係の労務者がすでにものすごく足らぬわけですよ。値段だって東京よりもぐんぐんはね上がってきておる。そうしますと、要するに一般の民間に非常に重大な影響が出ている。たとえば豊中の西豊島小学校、これは増設工事、五千万の工事ですけれども、十人が入札したけれども、結局全部それから抜けてしまった。途中でやめさしてほしいという。なぜかならば、支払いが一年間延びる、このままでいったのではもうすでにこれは非常に値上がりしておる、労賃なんか二〇%上がっておる、資材では八%上がっておる。それで先に見込みがあるかといえば、まだまだ不足が考えられる。一年あとで金なんかもらったのではとても引き合わない。したがって、そういう学校とか、そういう公共のことも手がつけられない、こういう重大な状況を招いておるわけです。そういうようなことを私は心配しておった。ですからこういった問題について、補助金あるいは起債等の問題について真剣にこの点は考えてもらわなければいけない、このことを言っていたわけです。そういう種々の弊害に伴う補助金あるいは起債等、そういう別の面からさらに考えておられるかどうか、それをお聞きしたいと思う。   〔田中(武)委員長代理退席、中村(重)委員長代理着席〕
  150. 橋本徳男

    ○橋本説明員 この万博事業につきましては、一つ一つの問題といいますよりも、全般を通じまして、確かに各方面にいろんなおっしゃいますような問題があると思います。したがいまして、先ほど御説明いたしましたように、全般を通じまして、とにかくこれで地方はどの程度の負担をすることになり、どの程度の問題があるかというふうな点で、たとえば起債等の面におきましてもちろんその辺は考えていくように、現在自治省でも考えておりますし、私たちも自治省と相談をしながら、ほかにそういった穴があかないような形をつくっていきたいというふうなことで努力しております。特に労務の問題等につきましても、先般の閣僚協議会で、そういった面から特にこの万博が他の業種に対して特別な負担をかけないようにというふうなことで、特別の労務対策の考え方を打ち出しまして、今日労働省を中心に地元並びに関係各省寄って、その労務対策に努力しておる次第でございます。
  151. 近江巳記夫

    ○近江委員 私の聞いておるたとえば労務対策にしても、A区というのが三千名、B区が三千名、C区が四千名、こういう計画で四十三年までにやります。ところが、それでは労務者村をどこにつくるのか、これについても隣接の市町村は全部反対している。そういう問題について、どれだけ真剣に、計画はやっておりますといったって、現実にはそこまで動いていない。それでは絵にかいたもちですよ。地元も、何も労務者ばかりをいやがっているわけではない。ただ現実に千里ニュータウンのようなところで婦女暴行が三件も出ている。あれは何も労務者の人とは言いませんけれども、そういうような点で、ほんとうに危険をひしひしと感じているわけです。そういうような問題、いろいろな問題の発生が考えられる。それに対して、警察さらに労働省、さらにあなたのほうと、どういう連携を持って真剣に取っ組んでいるか、重大問題だと思うのです。ですから、先ほどの犯罪の問題も出たわけでありますが、この点について、要するに警察庁としてどういう今後の保安上の対策をとるか。さらに労務対策について、いま計画ができておるけれども、どのように今後積極的にやっていくか。この二点についてお聞かせください。
  152. 橋本徳男

    ○橋本説明員 労働省との関係におきましても、たとえば、大阪に臨時の職業安定所をつくり、そこで需給をバランスさせ、かつまた将来の労働の問題も考えながら、他の業種にできるだけ波及を押えつつ労務者の確保をやっていくというふうなことで、この職業安定所につきましては大体十二月ごろに労働省としても設置をするような形で、現在もうすでに準備を進めておるというふうな状況にもなっておりますし、これ以外に労務者の住宅問題という面につきましても、明年度予算におきましては、従来のそういった労務者関係住宅予算にプラスしてこれを考えていくというふうなことで、予算の措置も今後とる方向で進んでおります。かつまた、先ほどの御質問の治安の問題でございますが、この点につきましては実は二つございまして、一つ会場周辺におきまするいろいろな労務者の治安問題、それ以外に例の関連公共事業の関係の治安があるかと思いますが、特に会場周辺の治安問題につきましては、博覧会協会におきましても機構を拡充いたしまして、会場部というのを設けまして、会場部といいますれば、現実にはそういった建設途上からの治安の問題を中心に、とにかく府警と連絡をとりながらやっていくというふうな業務を持つわけでございまして、そういった形において建設途上から生ずるようなそういった諸般の社会的な問題の防止をできるだけ進めていくというふうな考え方でやっておりますし、かつまた、現在大阪府警におきましては万博のための特別の組織を持っておりまして、これは関連事業等も含めまして、そういう治安の対策に現在当たっていただいておるような次第でございます。
  153. 近江巳記夫

    ○近江委員 時間がないらしいので、項目的に申し上げますから、できるだけ簡潔に答えてください。  それから、あと地利用の問題についてはできましたか、どうですか。
  154. 橋本徳男

    ○橋本説明員 このあと地の問題につきましては、実は大阪府から一案提出されております。しかし、それと同時に、御承知のように大阪府の提案の中にはいろいろな条件がついております。したがってその条件の、将来どうするかという問題につきましては、たまたま財政の硬直化の是正問題等もありまして、終局的な結論はついておりません。ただしかし、基本的に一番中心になりまするまん中の三十八万坪の展示ゾーンにつきましては、将来これを公園にするのだというふうなことはすでに都市計画法で決定をされたわけでございます。したがいまして、中心部分は公園というふうなことで決定になっております。
  155. 近江巳記夫

    ○近江委員 時間がありませんので要望だけしておきます。  要するに、あと地がはっきりきまらなければ設計できぬわけですよ。ですから全体の計画がおくれておる。根本的な問題を政府は早く解決せずして、それは変更になるのはあたりまえですよ。このあと地の問題だって、六月中に決定します、私の質問に対してそうあなたは答えた。いまだにそういうようなごたつきがきておる。こういう一事を見ても、あと九百日で絶対にみごとなものをつくり上げますと言ったって、不安しか残らないですよ。さらにあと地の問題について、早急に有効に価値あるあと地ができるように、それを早く決定をしてもらいたいと思う。これを要望しておきます。  それから協会の運営についても前にお聞きしたわけですが、私が当たった工事関係者に現況報告をいろいろ聞いたわけですが、計画がたびたび変わるので、しっかりした青写真をつくってほしい、こういうことが再々漏れてきた。確かにそんな計画がぼんぼん変わっていくようなことでは、それはやっているほうだって、また一生懸命やったって変更になるのと違うかということで力が入りませんよ。そういう点においてもっと自信を持った、はっきりとした確定したものを出してあげる。計画は非常に動いておる、こういう実情にかんがみて、その問題についてどう考えておられますか。
  156. 橋本徳男

    ○橋本説明員 協会の計画につきましては、基本的な問題というのは、実際問題としまして協会自体におきましていろいろな角度から検討しておりまして、その検討の過程におきましていろいろな問題が起きておるのが大部分でございまして、周辺事情がきまらないから直ちにきめられないのだという問題は比較的少ないのだというふうに考えております。
  157. 近江巳記夫

    ○近江委員 そういう根本的な計画の点においてひとつあまり変わらない確固としたものを早くつくってもらいたい、これを要望しておきます。  それから、いろいろとまだ解決をしなければならない問題が山積をしておるわけですが、特に用地買収の問題で非常に難航しております。これはもうおたくのほうは困っておられるのだからよくわかっておられると思います。先ほども話が出たと思いますが、この問題について都市計画法を適用する、こういう話もあるわけですが、非常に納得のできないそういうやり方をやっていいかどうかという問題が出るわけです。要するにあと地を公園にする。公園という名前であるならば、昭和四十五年までに公園ができればいい。したがって四十四年に収用すればそれで間に合うわけです。そうした法の適用という問題においてこれは該当しない。それを強引に隠していく、こういうやり方は非常にまずいわけです。その点についてはいろいろと努力なさっておると思いますが、この土地収用の問題について、先ほど話が出たわけでありますけれども、その態度に変わりがないかどうか、その点についてお聞きしたい。
  158. 橋本徳男

    ○橋本説明員 都市計画法の適用につきましては、本来あの万博用地の中心部分につきましては、大阪府としましては、府会の議決によりまして公共用地にするのだという考え方を従来からとっております。それで大阪府としては、昨年来、このまん中の部分につきまして、これを公園にしたいというふうな考え方を実はとっております。これは、いよいよ万博の準備もいろいろやっていかなければならない、先ほど申し上げましたようにあと地の問題が今後の工事にいろいろ支障を来たすというふうなことで、現段階におきましては、都市計画法によりまして、都市公園ということで中心部分をやるのだということを決定したわけでございます。したがいまして、都市計画法で公園部分というものは決定しましたけれども、いま直ちにだからといって収用をかけるというのではなくて、大阪府は、これは将来ともに公園というものが市民のために必要であり、かつまたそれが万博のためにも非常に有効に活用できるというふうな観点から公園という考え方をとりましたので、あくまでも話し合いによってこの買収をはかっていきたいという考え方で、直ちに土地収用法という考えを現在とっておるわけではございません。
  159. 近江巳記夫

    ○近江委員 確かに当事者の皆さんの苦労は私はわかります。わからずして言っているのと違います。しかし、そういう疑問点を残したまま強引にやるということは、私は問題だと思う。ですからその点で、あなたがいまおっしゃったそういった方向でひとつ最大の努力を払って、納得のいく解決をやっていただきたいということを要望しておきます。  それから私は、いろいろな計画等において非常にむだが多いと思う。全部ではないですよ。たとえば一例を申し上げると、人造湖がある。これの水源をどうするか。計画では水道を引く。そうしますとこの会期中の使用料というのは、二百六十六万トン、四千八百万円要るわけです。しかもそれを引いてくる送水工事に一億一千万円要るので、一億五千八百万円が必要と私は聞いております。そうしますと、この日本庭園がずっと続く限り、年間三百万トン、五千二百万円の水道料金を将来地元としても払っていかなければならない、こういう問題があるわけです。これはもう継続的なものですから、たいへんな額にのぼります。そうした場合に、一例として勝尾寺川から引いていった場合に、送水工事等もありますが、大体六千五百万くらいかかる。御承知のとおり箕面は国立公園にも指定をされております。非常に水もきれいです。いろいろな方法がありながら、そういう水道という安易な方法にたよっている。ですから、私は、総額それだけの何百億という金を予定はしているけれども、まだまだそこに考えていくならばほんとうに有効に金を使っていける方法がある、こう思うのです。確かに気がつかないといえばそれまでですが、そういった点で、あらゆる点を駆使してひとつ有効な——これは何も政府が金を出すのじゃない、国民の血と涙の血税を使って万博に使用するわけですから、ほんとうに生きた金を使ってもらわなければ困る。こういう点について私はまだまだ漏れがあるという点を御忠告しておきます。ですから、チェックする点はまだまだ多々あろうかと思いますが、そういう点について詳細にまたチェックしてやっていただきたい。このことを申し上げておきます。  それから、出展参加国について非常に低調である、こういう意見もいま聞いております。いま大体何カ国が決定したのですか。
  160. 橋本徳男

    ○橋本説明員 十七カ国と、それから一政庁、全部で十八でございます。ただしかし、低調であるということは一がいに言えないかと思うのでございます。これは外国との比較でございますが、モントリオールの場合に比べまして、大体タイミングとしては現在までのところでは同じようなテンポできておるのです。ただこれからあと、モントリオールの場合には、出展参加国が非常に急速にふえたというふうな実例になっておりますので、われわれはこれからの努力によって急速にふやさなければならないという状況にあるというふうな実態でございます。
  161. 近江巳記夫

    ○近江委員 私はこの九月に、東南アジア、中近東、ヨーロッパと回ってまいりましたが、特にパキスタンとかイラン等についても非常に煮え切らぬ態度を示しておる。大体AA諸国について、全部ではありませんが、当たった範囲では、まだそういうような態度が見られます。要するに名前が万国博なんですから、万国が参加して開く博覧会が最もいいわけです。それぞれ努力なさっておると思いますが、この点について、さらに、やはりそれだけの意義があるわけですから、積極的に多くの参加国を得て、りっぱな万国博を開催してもらいたい。このことを強く要望しておきます。  時間がございませんので、本日はこれで終わらしていただきます。
  162. 中村重光

    ○中村(重)委員長代理 工藤良平君。
  163. 工藤良平

    工藤委員 私は鉱山保安局長に若干質問をいたしたいと思います。  それは、先般大分県の津久見市で石灰石の採鉱所の事故が起こりました。この問題について詳細にお聞きをしたいわけでありますが、時間の関係もありますから、きわめて要約してお尋ねをいたしたいと思います。  この採石の爆破事故につきましてはすでに詳細に御承知と思いますが、十二名の死亡を出しております。さらにその後徳浦石灰の貯積場におきまして、また事故が二週間後に起こっておるという、こういう問題でありますが、特にこの中で事業場の監督不行き届きの点がずいぶんあったんではないだろうか、こういうように考えるわけでありますが、その点に対してまず考え方をお伺いいたしたいと思います。
  164. 西家正起

    ○西家説明員 ただいま先生御指摘のように、九月の五日に大分県の津久見市の米庄鉱山におきましてハッパ災害によります十二名の事故を起こしまして、御心配をおかけいたしまして、まことに申しわけなく存じておる次第でございます。  この事故は、要するに石灰石の斜面に穴をあけましてハッパをいたしまして、これをくずし落とし、これを大ハッパと申しておりますが、落ちたものを今度大きなかたまりの場合には、さらに穴をあけまして、これをもう一回ハッパをいたしまして製品とする。こういうふうな順序にやっておるわけでございますが、このハッパの際に当鉱山におきましては、無資格者にハッパをやらしたようなことでございます。大ハッパをやったあとで、その落ちたものを下のほうで小割りハッパをさせるわけでありますが、小割りハッパをさせる準備中に、無資格者がハッパをいたしまして、大ハッパの岩石がくずれて、これによって災害を発生したということでございます。そういうことで、当鉱山におきましてハッパをいたします者は、これは保安法規上にきめられた有資格者、または係員がハッパをしたくてはいけないということになっておりますが、それを無資格者がやったのでございまして、これは係員が無資格者にやらしたという点がまず第一に悪いかと思います。明らかに法規違反だったと思います。それからまた、無資格者がそういう作業をやってはいけないということが規則にございまして、無資格者がやったということも規則違反だということでございます。さらには、そういう係員あるいは有資格者でない者にやらしたということは、ひいては鉱業権者の責任でもございます。この点につきまして保安局といたしましては、法規違反を追及いたしまして、その法規違反につきまして検察庁のほうに事件を送致いたしたような次第でございます。この事件につきましては、鉱山における鉱山労働者に対する監督については、ただいま申しましたような不十分な点があったかと思います。それからなお、保安局の鉱山に対する監督でございますが、実は当鉱山は、平素から非常に成績がよかったということもございまして、それともう一つは、採掘条件から申しまして、特に危険度の多い鉱山というふうに仕分けをいたしておりませんで、したがいまして、年に一回監督官を派遣するという種別の鉱山にいたしておったわけでございます。当鉱山につきましては、五月、巡回検査を監督局といたしてはやっておるわけであります。そのときには、ただいま災害発生時に起こりましたようなかっこうでの採掘は、まだいたしておりませんでした。したがいまして、採掘場の状況は災害当時とは全然違っておったような次第でございまして、その後監督いたしておりませんので、そういう無資格者がやっておるということにつきましても、監督上発見できなかったような次第でございます。なお後ほどいろいろ調べたところによりますと、平素はやはり係員が、実際に隣鉱区の鉱山等に対して、安全かどうかということを確かめて、もとの位置に帰ってハッパをやっておったようでございますけれども、ただ当日非常に夜おそくなって、暗くなったせいでもございまして、係員がみずから隣の鉱区のほうまでわざわざ回ってまいりまして、そういたしましてサイレンの合図によって無資格者にスイッチを押させる、こういうようなことをやったようでございまして、大体さような状況と、監督局の監督状況につきまして御報告いたしたような次第でございます。
  165. 工藤良平

    工藤委員 いま御報告のように、この事業所は優良事業所として表彰も受けておりますし、また副社長は、かって保安関係の講師をしておった、こういうような話も私どもは事実として聞いておるわけです。ただ残念なことに、私ども現地を見てみますと、いま局長お話しのように、小割りハッパと大ハッパの関係で、音にたよって大ハッパのスイッチを入れなければならなかったという、非常にそこに大きな問題が一つあるということと、それから、当日はすでに夕暮れどきを過ぎており、したがって夜間設備も何もないところで単車のライトを照らして作業をしておったという事実も明らかになっております。  それからもう一つは、特にこの十二名の事故者の中に、二名はクラッシャーの係であるにもかかわらず、採鉱員として仕事しておったし、そのうちのさらに一名はろうあ者であったということを私どもは聞いているわけであります。これは警察当局にも調査を依頼しているわけでありますが、そういう事実があったとするならば、これは非常にこの事業場の責任、それから保安統括者の責任というものを問われなければならないと思っているのであります。その点に対する考え方をもう一ぺんお聞きしたいと思います。
  166. 西家正起

    ○西家説明員 ただいまのお話でございますが、確かに当日選鉱場で働いておりました者の一部がハッパ作業に援助に行っておるようでございます。これらはいずれにいたしましてもハッパの有資格者じゃございません。したがいまして、そういう者にハッパをさそうとしたことにつきましては、これは管理上の責任があるかと思います。  それからろうあ者につきましては、実はろうあ者が一人おられたという点につきましては、私ども監督局の調査においても明らかになっております。特にろうあ者だからいろいろな作業につけないということではないのでございますが、特にハッパにつきましては、これは有資格者でなければいかぬ。いずれにいたしましても、この点は、こういう者にハッパをさせようとしたということにつきましては、管理上の責任があるかというふうに存じます。
  167. 工藤良平

    工藤委員 そこで、いま御存じのように、すでに送検の段階にありますし、保安局のほうとしても調査をしているわけでありますが、私どもは、もちろん無資格者であった作業員がスイッチを押したということ自身も問題がありますけれども、全体から見まして、非常に監督不行き届きの点が濃厚である、こういう立場から、そのスイッチを押した本人だけに責任を転嫁するということではなくて、やはり全体的な責任というものをこの際明らかにしなければいけない、こういうふうに考えるわけで、その点については、ぜひ局としてもそういう態度で臨んでいただきたい、こういうふうに考えるわけでございます。その点について……。
  168. 西家正起

    ○西家説明員 ただいまの点につきましては、先生のおっしゃるとおりと考える次第でございます。
  169. 工藤良平

    工藤委員 時間もありませんから、あと二、三点にしぼります。  そこで、それから以降九月二十三日だったと思いますが、徳浦石灰で貯積場の何といいますか壁が破れて崩壊をして、米庄石灰のトラックが下敷きになり、一名死んだという事件がすぐ直後に起こったわけでありますが、この問題につきまして、私ども現地を見ますと、あの貯積場というのはきわめて危険な状態にすでにあった。石垣を積み上げたものが、大体二尺くらいの石垣をずっと高く積み上げたままで、コンクリーで目張りも何もしていない。ほんとうからいうと、やはり鉄筋でちゃんとつくらなければいけないと思うのですが、そういう崩壊したあとを見ますと、すでに非常に危険な状態は最初建設の段階からあったということが言えるわけであります。この点について、ひとつ監督の観点から御意見を聞きたいと思います。
  170. 西家正起

    ○西家説明員 ただいまの件につきましては、監督局のほうからの調査報告が詳細にまだきていないのでありますが、石灰石の斜面におきましてハッパをかけました岩石をトラックに積みます場合に、ちょっと上にこう積み場をつくりまして、その下に車を入れて、そこで起こった災害かと思うのでございますが、確かにただいま先生のおっしゃいましたように、これはそう簡単にくずれるようでは非常に困る問題でございまして、それをつくらせる場合には今後十分な監督をさせていただきたい。事前にわからなかった点ははなはだ申しわけなかったのでございますが、何ぶんにも年一回といったような監督でございまして、なかなか発見できないというようなこともございますので、今後はやはり鉱山自身で自主的にそういう点をよく認識してもらうような、保安教育といったような点に十分力を入れまして、そうして監督官がときどきこれのサイドチェッカーとして回りまして、悪いところを指摘する、こういうことにいたして、そういう災害がないようにいたしたい、かように考えておるわけでございます。
  171. 工藤良平

    工藤委員 先ほど津久見の事業所には年一回監督局のほうから係官が来ているということですが、私どもは少なくとも月一回ないし十日に一回くらい巡回で来ているだろうというくらいに考えていたのですけれども、年一回ということになりますと、これはたいへん重大な問題だと考えるわけでありまして、そういうようなところから大きな事故が実は発生をしてまいるわけで、特に津久見の場合には、採石が集中的に、しかも中小炭鉱が圧倒的に多いということから、これは常時監督をしていただくということにならなければ、たいへんな事故がさらに次いで起こってくるのではないか、こういうふうに考えるわけでありまして、この点については、特に保安監督の機構について、このような状態でいいのかどうか、考え方をまずお聞きしたい。
  172. 西家正起

    ○西家説明員 私のほうの監督の定員といたしましては、監督官、技官、事務官その他入れまして五百人余りの者が全国におるわけでございます。鉱山の数も石炭、金属鉱山、非金属鉱山、石灰石、石油鉱山と分けまして相当な数がございまして、これらの鉱山につきまして危険度に応じまして種別をいたしておるわけでございます。一番あぶない非常に危険な鉱山の場合には月に一回、それからいろいろランクをつけまして、比較的危険でないと思われる鉱山につきましては年一回ということになってございまして、ただいまの米庄鉱山におきましては年一回回らなければならぬという鉱山にしておったわけでございます。しかしながらいま先生御指摘のように、鉱山に自主保安をやらせるにしろ、年に一回ということになりますと、非常にこれは少ないということはわれわれも考えておりますので、種別変事等につきましていろいろ検討いたしまして、そういう特に問題のありそうなものにはもう少し回数をふやすなり、それから全般的には、来年度予算におきまして監督員の増員あるいは監督検査の旅費、出張費等の充実をはかるつもりでございます。できるだけ監督回数をふやすように努力をいたしたい、かように考えておる次第でございます。
  173. 工藤良平

    工藤委員 最後に、いまそういうような形で努力していただくわけでありますが、特に徳消石灰のようた設備が津久見には至るところにあるわけであります。したがって、この問題については、できれば一斉調査等を実施をいたしまして、対策を早急に施さなければ、また第三の事故が発生するということは当然でありまして、しかも現在採石場が何百メートルという高いところまで一斉に採掘をしておる状況でございますから、津久見に来ていただけばわかります。幾つかの山が、何百メートルという山が一斉に全部採掘されておるわけでありまして、非常に危険度が高まっているわけでありますが、そういう意味から、できることならばやはり駐在員を置くとか、あるいは当面緊急にはやはり一斉にぜひひとつ施設の調査をしていただく、こういうことを何とかひとつ御約束をしていただいて、一番いいことはもちろん駐在員を置いていただくことですが、これは来年度予算において努力していただくとして、緊急にそういう措置を講じていただくようにぜひ考え方を明らかにしておいていただきたいと思います。
  174. 西家正起

    ○西家説明員 先生御指摘のように、積み込み設備というのは、これが非常にあぶない場合には非常に危険なことになりますので、根本的には、私は、採掘法を階段式に切りかえてまいりまして、そういうあぶない積み込み施設をつくらないようた方向に持っていきたいというふうに考えておりますけれども、とりあえず津久見鉱山地区につきましては、そういう鉱山が密集しておりますので、ただいま先生御指摘のように、至急監督官を派遣いたしまして、全部につきまして一斉検査を行ないたい、かように考えておる次第でございます。
  175. 工藤良平

    工藤委員 時間もありませんから、一応これで終わりますが、ぜひひとつそういうことで最大の努力をお願いいたしたい。  なお、家族の救済につきましては、非常に深刻な問題でありますし、調査をしましたところが、労災それから会社側の見舞い金含めまして大体二百四、五十万円程度でありまして、これらの問題につきましても、ぜひ通産省のほうで指導をよろしくお願いいたしたいと思います。こういうことを申し添えまして、私はこれで質問を終わります。
  176. 西家正起

    ○西家説明員 あとの補償その他の問題につきましては、若干他省関係にわたるかと思いますけれども、通産省といたしましても、ただいま先生おっしゃいましたように、できるだけの努力をさしていただきたい、かように思っております。
  177. 中村重光

    ○中村(重)委員長代理 本日は、これにて散会いたします。    午後三時二十二分散会      ————◇—————