○
河野(正)
委員 いま
大臣が御
答弁になったことは当然のことであって、要は私
どもは
国民の
生命なり健康というものをどう守っていくかという
立場からこの問題を取り上げておるわけですから、そういう疑念のありますことは、非常に私
ども残念に思うわけでございます。特にこのヤクルトをつくります場合にクロレラを投入いたしますと、乳酸菌の発育というものが非常に活発になる。ところがいろいろ研究者の発表によりますと、クロレラの中には乳酸菌の発育を促進する二つの物質がある。
一つはペプタイドという物質であり、
一つはマンガンである。そこで、マンガンがあれば乳酸菌が非常に発育するんだということで、今度はマンガンだけを混入するというような経過のようでございます。そうしますと、大体培養にいたしましても、七日間で行なわれますのが三日でできる。価格も大体十分の一くらいででき上がる。そういうコストの面から、有害であり、また
食品衛生法では禁止されておりながら、このマンガンが混入された、投入されたというような経緯のようでございます。
そこで、これはもう十数年前になるわけですが、森永の砒素混入事件というなまなましい事件がございました。ところが、この森永の砒素混入ミルクというのは、原料に対しまする不注意から起こった
事故でございますが、しかし、不注意とはいいながら非常に
社会の大きな非難をこうむっておりましたことは御承知のとおりであります。今度の場合は、故意にマンガン
——これは先ほど
局長言ったように法律で禁止されておる。禁止されておるものを投入すれば、安上がりで、七日のものが三日に短縮される、タンクも小さくて済む、原料も十分の一で済むというようなことでこれがやられたということは、非常に重大な問題があると思うのです。そういう
意味で私
どもはこの問題を非常に重要視いたしておるところでございます。特に私は、先ほど
厚生省に問い合わせた一件であるとか、あるいは熊本の
業者会議において発表された
意見であるとか、あるいはまた保健新聞の事例であるとか申し上げましたが、このように問題が問題であるゆえんは、故意にかつ長期に、計画的に、継続的に、有害物質でありながら一企業の私利私欲のためにマンガンの混入が実施されてきたというところに非常に大きな問題があろうと思うのです。
そこで、これらについては、その事実を明らかにしたいと申し入れておられる方も数人おられるようでございます。これは当時の社長と、それから常務取締役あるいはまた業務担当者、製造主任、それらの方々で、その事実を明らかにしたいという
意見もございます。私
どもは、いま御承知のように、
国民の健康を守っていく、それが逆に保健飲料、予防医学のためといわれながら、有害と知りながら法律で禁止されたマンガンが混入されておる、これは非常に大きな問題だと思うのです。そういう
意味で私
どもは、この問題をさらに
国民の健康と
生命を守るために徹底的にひとつ明らかにしていかなければならぬと思っておるわけですが、これは
大臣にお答え願ったように、そういう事実があればそれはひとつ厳重に
処置するということは当然のことである。ところが
昭和三十四年当時からその研究がやられておる。そして具体的な事例がいろいろわかっておるわけですが、秘密裏に始められたということであるとするならば、それなら一体今日まで飲んできたものについてはどうなるかというような問題もあろうと思うのです。そういう
意味で私は、
厚生省の
食品添加物というものが、
国民の健康と
生命を守るために非常に重大な意義を持っている、そういう
立場から、この際ひとつ
食品添加物に対しまする、また
国民の
食生活に対しまする
関心というものを一そう深めていただかなければならぬというような
意味で、特に格段の注意を喚起いたしておきたい、こういうふうに考えるわけでございます。
そこで、いずれいま申し上げましたような点については、
厚生省も立ち入り検査ということで
調査されるということでございますから、その上で御報告承って、
問題点があればさらにひとつ明らかにしていただきたい、こういうふうに考えるわけでございますが・その点について、いま大体経過についてお聞き願ったわけですが、いま立ち入り検査をし、さらに
調査を進めてあらためて御報告を願うということについては、ひとつあらためて
大臣からも御見解をお聞きしておきたいと思います。