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1967-11-11 第56回国会 衆議院 災害対策特別委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十二年十一月十一日(土曜日)    午前十時三十一分開議  出席委員    委員長 田原 春次君    理事 天野 光晴君 理事 池田 清志君    理事 稻葉  修君 理事 細田 吉藏君    理事 渡辺 栄一君 理事 山本弥之助君       小澤 太郎君    熊谷 義雄君       倉成  正君    高橋 英吉君       中川 一郎君    毛利 松平君       渡辺  肇君    阿部 助哉君       井手 以誠君    石田 宥全君       工藤 良平君    佐野 憲治君       華山 親義君    細谷 治嘉君       八木  昇君    稲富 稜人君       小沢 貞孝君  委員外出席者         総理府総務副長         官       上村千一郎君         内閣総理大臣官         房参事官    森 宏太郎君         内閣総理大臣官         房参事官    上田 伯雄君         大蔵省主計局主         計官      嶋崎  均君         国税庁直税部審         理課長     大塚 俊二君         厚生省環境衛生         局水道課長   大橋 文雄君         厚生省社会局長 今村  譲君         厚生省社会局施         設課長     飯原 久弥君         農林大臣官房参         事官      太田 康二君         農林省農林経済         局保険管理課長 福島 量一君         農林省農林経済         局保険業務課長 松永 正隆君         農林省農地局参         事官      佐々木四郎君         農林省農地局建         設部災害復旧課         長       松井 芳明君         農林省園芸局長 八塚 陽介君         食糧庁業務第一         部長      馬場 二葉君         食糧庁業務第一         部買課長   南日 禄郎君         林野庁指導部長 木村 晴吉君         林野庁指導部造         林保護課長   大塚 武行君         水産庁漁港部建         設課長     矢野 照重君         建設政務次官  澁谷 直藏君         建 設 技 監 古賀雷四郎君         建設省計画局宅         地部宅地開発課         長       福地  稔君         建設省河川局防         災課長     坂井 秀正君         建設省住宅局住         宅総務課長   角田 正経君         自治省行政局振         興課長     遠藤 文夫君         自治借財政局財         政課長     首藤  堯君     ————————————— 十月十一日  委員佐藤文生君、白浜仁吉君及び西岡武夫君辞  任につき、その補欠として中馬辰猪君、吉田重  延君及び小澤太郎君が議長指名委員に選任  された。 同月十三日  委員中馬辰猪君及び吉田重延辞任につき、そ  の補欠として佐藤文生君及び白浜仁吉君が議長  の指名委員に選任された。 同月三十日  委員倉成正辞任につき、その補欠として、正  示啓次郎君が議長指名委員に選任された。 十一月十一日  委員安倍晋太郎君、相川勝六君、佐藤文生君、  小松幹君、村山喜一君及び渡辺芳男辞任につ  き、その補欠として倉成正君、渡辺肇君、中川  一郎君、八木昇君、華山親義君及び石田宥全君  が議長指名委員に選任された。 同日  委員華山親義君及び八木昇辞任につき、その  補欠として村山喜一君及び小松幹君が議長の指  名で委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  昭和四十二年七月以降の干ばつによる災害対策  新潟山形地方集中豪雨による災害対策      ————◇—————
  2. 田原春次

    田原委員長 これより会議を開きます。  災害対策に関する件について調査を進めます。  本日は昭和四十二年七月以降の干ばつによる災害対策、及び新潟山形地方集中豪雨による災害対策について調査を進めてまいりたいと思います。  まず昭和四十二年七月以降の干ばにによる災害対策について、農林省当局から説明を聴取いたします。太田参事官
  3. 太田康二

    太田説明員 先生方のお手元にお配りしてございます資料に基づきまして、昭和四十二年七月以降の干ばつ状況並びに措置概要につきまして御説明申し上げたいと思います。  御承知のとおり、本年七月中旬以降、九州四国中国等、西日本の各地は天候が多照寡雨に経過いたしまして、このため特に九州及び瀬戸内沿岸におきまして、農林産物に著しい干ばつ被害が発生いたしたのでございます。  被害調査は、御承知のとおり、干ばつ進行過程でもございまして、非常に技術的にむずかしい問題があったのでございますが、やはり措置を講ずるためには、その前提といたしまして、統計調査事務所被害概要をつかまえなければなりませんので、異例の措置といたしまして、一応九月二十五日現在を押えまして、十二の県につきまして中間調査をいたしたのでございます。その結果によりますと、総被害面積が四十二万五千ヘクタール、一応試算の被害金額が約五百三十三億という見込みになったのでございます。さらにこれ以外に果樹等の枯死及び落葉等による樹体被害というものも約百六十九億円、そのほかシイタケあるいはそのほだ木、さらに苗圃造林地にも相当の被害が発生いたしたのでございまして、これらの被害につきましては、県報告による数字によりますと、被害金額は約三十三億ということに相なっておるのでございます。  なお十月末以降降雨がございまして、中国四国農政局あるいは九州農政局がそれぞれ関係県当局とも協議したのでございますが、その結果によりますと、一応十一月五日をもって干ばつは終息したというふうに判断されるのでございます。  そこでこの干ばつに対しまして、各県におきましてとりました応急対策事業でございますが、県報告によりますと、水路の掘さく約八百二十二万メートル、井戸の掘さくが約二万一千二百カ所、揚水機等設置が約十七万二千台、こういった事業が実施されたのでございまして、これらに要した経費といたしまして、約百七億円ということになっておるのでございます。  農林省といたしましては、干ばつに対処するため、中央及び関係地方農政局にそれぞれ災害対策本部設置いたしまして対策の万全を期したのでございますが、特に九月中旬に両政務次官を長とする現地調査団を編成いたしまして、これを現地に派遣いたしまして、被害の現況の把握及び応急対策事業推進指導に当たらせたのでございますが、さらに十月の二十九日、三十日の両日農林大臣みずから干ばつ地帯現地視察を行なったのでございます。  そこで、とりました措置概要でございますが、まず第一に資金関係といたしまして、融資共済金の問題があるわけでございます。米麦及び夏秋蚕繭に関する共済金あるいは保険金仮渡しの実施につきましては、九月二十日付で経済局長名をもって通達をいたしまして、十一月中に仮渡しができるよう指導通達をいたしたのでございます。  天災融資法が発動するまでは、御承知のとおり若干の時間がかかりますので、その間のつなぎ資金貸し付けあるいは既応貸し付け金の償還猶予等条件緩和につきましては、やはりこれまた九月二十五日、経済局長名をもちまして関係金融機関依頼通達を出したのでございます。  天災融資法適用政令及びこの干ばつ被害激甚法対象にするかどうかということにつきましては、それぞれ十月二十三日に適用政令並びに激甚法第八条の指定政令を公布いたしたのであります。その概要を申し上げますと、天災融資法融資総額は百十億円、三分資金適用のある県、いわゆる特別被害県でございますが、農業関係では、そこに書いてございますように、兵庫以下鹿児島まで十三県、林業関係では愛媛、熊本、宮崎鹿児島の四県で、この十三県につきましては激甚災害法適用になるわけでございます。天災融資法内容につきましては、御承知のとおり、通常の場合の貸し付け限度額は二十万円、激甚災害適用県にありましては二十五万円、果樹栽培者等については五十万円、激甚災害法適用県につきましては六十万円、さらに重複被害農家の場合は五万円が加算されます。償還期限被害程度により、通常の場合が三年ないし六年ということになっておりますが、激甚災害法適用県につきましては四年ないし七年、貸し付けの金利は特別被害者が年三分、開拓者年五分五厘、その他一般被害者が六分五厘ということになっております。そしてこの金融措置に伴う取り扱いにつきましては、これまた十月三十日付で農林事務次官の依名通達で遺憾のないよう取り計らってもらいたいという通達関係県知事に出したのでございます。それから、開拓農家天災融資法による経営資金貸し付けを受けることが困難と認められる被害農家の方に対しましては、開拓者資金融通特別会計の中に災害対策資金がございまして、現在は、そこに書いてございますが、この災害対策資金貸し付けを行なうことを考慮いたしているのでございます。  それから、自作農維持資金でございますが、これは貸し付けワクといたしまして四十七億五千万円というのを設定いたしたのでありまして、現在各県別貸し付け適格認定目標額の設定及び早急なる配分等について、これまた十一月八日、農林事務次官名の依名通達関係農政局長通達をいたしたのでございます。またその際、貸し出しにあたっては、人的担保——保証人で足りる、物的担保は必ずしも必要としない、また保証人の資格につきましても、同一市町村内の居住者に特定しない取り扱いを考慮するということで、これまた十一月八日の口に経済局長名をもちまして農林漁業金融公庫総裁あて、こういうふうに取り扱うことになったから遺憾のないようにしてもらいたいという通達をいたしたのでございます。  以上が融資関係並びに共済金関係でございます。  次に干害応急対策でございますが、今回の干ばつ規模、あるいは被害程度というものが非常に激甚でございましたので、従来実施した対策参考とし、次のような内容要綱を定めまして、これまた十一月八日付で関係県に事務次官名をもって通達をいたしたのでございますが、まず助成対象期間といたしまして、水田と畑につきましては四月一日から十月二十日までに行なわれた事業樹園地につきましては一応四月一日から十一月三十日までということにいたしたのでございますが、先ほど申し上げましたように、十一月五日をもって終息したということになりますので、この点につきましては要綱の一部改正をいたさなければならぬだろうというふうに考えております。それから補助対象規模でございますが、これは従来の例に準じまして、団地ごと工事費または機械費が五万円以上のものということにいたしております。それから、補助対象になります事業なり機械等でございますが、そこに書いてございますように、水路の掘さく井戸の掘さく動力線の架設、送水管設置及びその他用水確保のための工事並びに揚水機、これは付属部品を含むわけでございますが、それと原動機等購入、これには借り入れ等も含んでおるのでございます。そして、やはり従来も申し上げてまいったわけでございますが、応急対策工事といいましても、一応将来ともある程度使用し得る施設ないし機械ということでございますので、今後の干害に備えて引き続き利用できるものということにいたしております。それから、これも申し上げておったのでございますが、共同施行の場合には、十アール当たり水田、畑につきましては千二百円、樹園地につきましては千五百円をこえる部分について補助対象とする、いわゆる足切りをいたしておるのでございます。それから、補助率は、そこに書いてございますように、工事費機械費とがあるわけでございますが、水田、畑、それぞれ一般の場合、激甚の場合、これは従来の例と全く同様でございます。カッコに書いてございますのは、共同施行の場合でございます。それから、樹園地につきましては、これも先生方の強い要望があったわけでございますが、農家負担が実質的に稲作均衡がとれるよう措置するということでございまして、激甚県におきまして、地方公共団体が五〇%負担する場合、国はこの表でもおわかりいただけるように四割の補助をいたすわけでございますが、差額につきましては特別交付税にて措置するということにいたしのでございます。  それから、燃料費電力費、車の借り上げ等農業用水応急確保のために要した経費でございますが、これにつきまして市町村産業振興助成した分につきましては、特例的に市町村実態に応じて特別交付税措置する、これが今回の干ばつの新しい措置の一つになっておるのでございます。  それから、第三に干害応急対策として飲用水施設事業を実施した開拓者あるいは開拓農協に対しましては、予算措置によりまして、従来実施した対策参考として措置を講ずるということにいたしております。  それから、次に災害復旧事業でございますが、今回の干ばつによりまして亀裂の入ったため池とか、水路水田、これを農地農業用施設災害復旧暫定法によりまして定められております基準に該当するものにつきましては、災害復旧事業としてこれを採択いたしまして、早急に補修を行ないまして、あわせて地元の就労機会をこれによって講じてまいりたいというふうに考えております。  それから第四に救農対策でございますが、いま申し上げました災害復旧事業を実施いたしますとともに、できるだけ農林省で所管をいたしております土地改良事業あるいは林道事業漁港整備事業等公共事業被災地域におきまして実施いたしまして、被災農民就労機会をできる限り与えてまいり、あわせて被災農民の所得を確保するということのために、道路あるいはため池改修等、従来の一般公共事業対象とならない小規模事業を、地方公共団体起債等によって行なうことができるよう措置を講ずるということにいたしまして、現在この点につきましては一応各県からの要望の取りまとめができましたので自治省に話をつないで折衝いたしておる段階でございます。  それから第五に恒久対策といたしまして、やはりこの経験にかんがみまして、できる限りダムの建設等の大規模水源確保水資源開発を一そう促進する、さらにため池等の小規模水源整備事業につきましても、その重点的、効果的な推進について検討するということにいたしまして、明年度予算要求等におきましては、ため池等につきまして従来の採択基準引き下げ等大蔵省に現在要請をいたしている段階でございます。  それから次に食糧対策でございますが、予約米の出荷ができなくなった者に対しましては、予約概算金の国への納期までの加算利子については、被害程度によって減免措置を講ずる、あるいは生産者予約概算金返納ができなくなった者につきましては、指定集荷業者が代位弁済するというような措置を講じておるのでございます。  それから、等外米規格外米政府買い入れの道は、たしか新潟の水害の際だと思いましたが、道を開きまして、そこに書いてございますように、九月二十一日付の農林省告示によりまして全国的にこういった措置を講じたのでございます。  第三に、例年完全保有農家であった方で、災害のため保有米穀に著しく不足を生じた、こういった方に対しましては、一部保有農家に対する配給に準じて一般配給を行ないます。また被害が大きくかつ広範で、一般配給だけでは再生産に支障があると認められる農家の方に対しましては、一般配給のほかに一カ月一人当たり五キログラムの加配を行なうということにいたしたのでございます。  次に、種苗とえさの対策でございますが、被災農家の次年度用種もみ種イモあっせんにつきましては、被害状況必要種もみ数量等調査の上善処するということにいたしておるのでございますが、措置内容が相当な額になりますれば、従来の災害の例に準じまして助成措置も講じてまいりたい。  それから、果樹と桑の改植用の苗木でございますが、これまた現在被害実態につきまして把握につとめておるのでございまして、必要に応じまして、共同育苗経費につきましても従来の例に準じて助成措置を講ずる。  それから、酪農地帯飼料対策でございますが、政府所有輸入ふすまの売り渡しということを考えておりまして、現に広島山口、大分、鹿児島宮崎県から、要望が最近出ておりますので、これは政府手持ちの輸入ふすまの売り渡しをやろう、それからビートパルプ等あっせんをいたしておるのでございます。  最後に、マツクイムシ等森林病害虫の問題でございますが、これは森林病害虫防除法に基づきます駆除措置の万全を期するということにいたしておりまして、発生量に応じまして補助金保留額重点配分等措置を講ずることにいたしておるのでございます。  以上が今回の干ばつの概況並びにこれに対してとりました措置概要でございます。
  4. 田原春次

    田原委員長 これにて説明は終了いたしました。
  5. 田原春次

    田原委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。池田清志君。
  6. 池田清志

    池田(清)委員 太田参事官から重ねて御報告のありました干ばつの問題につきましては、わが災害対策特別委員会におきまして、十月の六日、七日の両日にわたり慎重審議をいたし、政府施策をその席上明らかにされたわけであります。その後、政府におかれましては、天災融資法適用激甚地指定自作農維持資金拡大等をはじめといたしまして、それぞれの施策を進めていただいておりますることは御同慶にたえません。その後、私は鹿児島県下におきまする干ばつ激甚といわれておりまする出水郡市及び川薩地区を一回りいたしまして、実情を調査するとともに、政府施策が末端においていかに行き届いておるか、徹底しておるかということを頭に貫いて、一巡いたしてまいりました。そのことを上台といたしまして、干ばつに対しまするところの対策の締めくくりとでも言いましょうか、そういう気持ちで二、三の項目についてお尋ねをいたしたいと思います。  太田参事官のただいまの報告によりますと、干ばつは十一月五日で終了した、こう報告がありました。干ばつという気象現象はあるいは終息したのかもしれませんけれども、被害そのものは継続しておる、私はこう考える。田畑の単年作物についてはあるいは、干ばつの影響は終わったかもしれませんが、そうでない果樹園桑園苗圃等については、樹勢が低下したという一点を取り上げましても、その回復に二、三年はかかると常識的にいわれておるのでありまするから、これつまり被害は継続しておる、こういうことが言えると思うのであります。この点につきまして、農林当局はどういう考え、どういう配慮をされておるか、お尋ねを申し上げます。
  7. 太田康二

    太田説明員 御承知のとおり、助成対策要綱でいつからいつまで実施した応急対策事業助成対象にするかということをきめなければなりませんので、その期限といたしまして、先ほど申し上げましたように、水田、畑につきましては十月二十日まで、それから果樹園につきましては十一月三十日までということにいたしたのでございますが、県当局現地における農政局との協議の結果、十一月五日で一応終息したと考えてよろしかろう、それまでに実施いたしました応急対策事業助成対象にしようということにいたしたのでございまして、先生がおっしゃいますとおり、まさに果樹園等につきましては被害が後年度に残るということもわれわれ十分承知いたしておるのでございまして、一応助成対象としての期間という意味におきまして十一月五日という日にちに切った、こういうふうに御理解をいただきたいと思います。
  8. 池田清志

    池田(清)委員 果樹園桑園苗圃等に対しまする被害というものは残っておるということはいまお認めになりました。その被害回復のために農家はいろいろと苦労するのであります、努力をするのであります。これに対しまして、政府の考えておられまする助成等措置はいかがでございますか。
  9. 太田康二

    太田説明員 先ほども御説明を申し上げたのでございますが、今回の助成対策要綱によりまして、やはり用水確保のために実施いたしました工事並びに機械等購入等につきましては、その工事費並びに機械費等につきまして桑園並びに苗圃等につきましては畑の例に準じて助成をする。それから樹園地につきましては、先ほども申し上げたのでございますが、補助の率は、水田、畑に比べますと従来とも低くなっておりますが、農家負担が実質的に稲作均衡がとれるように措置するということにいたしまして、先ほども申し上げましたように、差額分につきましての特別交付税による措置ということも講じまして、農家負担が過重にならないようにいたすということにいたしたのでございます。それ以外に、新しい交付税による措置とございますが、燃料費電力費、車の借り上げ等農業用水確保のために要した経費につきましても、一定の条件に該当いたしますときにはこれを特別交付税措置するということにもいたしたのでございまして、これによって当面の干ばつ応急対策に対する措置というものを講じたのでございます。
  10. 小澤太郎

    小澤(太)委員 関連で若干御質問を申し上げたいと思います。  私は、主として、いまお話のありました樹園地果樹に対しての対策でございますが、参事官の御説明では、田に対するのと果樹園に対するのと、補助率差額特別交付税でもってこの際は見ようということでございました。私はその措置はまあやむを得ないものだと思いますが、特別交付税交付にあたりましては、それがほかと混淆されないように、十分の配慮政府のほうで持っていただきたい、これが第一点であります。  それから、第二点としまして、離島、ことに私どもの山口県、広島県あたりでは、瀬戸内海にあります小さな島々が、今度の干ばつを受けております。この島々は、ほかに農作物の適当なものがございませんので、いまミカンを奨励いたしております。また、盛んにやっておりまして、これが島の農民たち生命線になっておるわけであります。それが今回の干ばつで甚大な打撃を受けまして、ただいま池田委員からのお話にありましたように、今後の措置について非常に苦慮いたしておるのでございます。先般の文字どおりの慈雨でやや愁眉を開きましたけれども、今後この樹勢の衰えたミカンの木をどうして維持していくか、枯れたものをどうして植え直していくか、今後の問題についていろいろ心配しております。いろいろの対策はありましょうけれども、現地を私見てまいりまして感じましたのは、離島の特別の事情といたしまして、水源が十分にないわけであります。あちらこちらの小さな谷に小さなため池をたくさんつくって、それをたよりにしておったような状況でございます。したがいまして、これからかんがい排水をやるにいたしましても、いままでの団体営でやるとしまして採択基準適用しまするならば、ほとんど当たらない。したがって、いままではそのようなことを十分配慮せずにやっておりましたが、今回のような干ばつは将来必ずあるということがやはり予想されますので、これに対しまして、農民の大部分人たちが、何とか自分たち水源確保をいたしたい、こういうような希望に燃えております。この時期でありますから、政府施策によりまして果樹園のいままで忘れがちでありましたかんがい排水の問題を解決していただきたい、いろいろな対策に先立ってやはり水の問題を解決していただきたい、私はこう思っておるのであります。先ほど申し上げましたような離島の事情からいたしまして、団体営等の採択基準では当てはまらない。そこで特段の措置を講じてもらいたい、こう思うのであります。採択基準をうんと引き下げてやるということも一つの方法だと思います。あるいはまた、いままでにない、渓流から水をあげまして、タンクをつくってそれにためておいて、有事の際に使うというような措置団体営として認めるというようなこと、これはいままでの採択基準の中には入りません。そのほかに、いろいろ小さいため池をたくさんつくって、受益面積全体としては大きいのですけれども、一つの施設としての受益面積は離島の五ヘクタールに足らない、こういうような事情をなくするために、一案といたしまして、樹園地に対するところのかんがい施設としては、全体を総合的に見まして、小さなものを取りまとめて金額でこれを縛って、いわゆる総括した補助対策をとることができないか。一括しまして、金額十万円以上のものについては補助する、こういうことにするとか、これは十万円でも五万円でもあるいは二十万円でもよろしゅうございますが、そういういままでの採択基準とは別な一括補助の制度を考えておられるかどうか、またそれをぜひやってもらいたいと思いますので、これについての答弁をお願いしたいと思います。
  11. 佐々木四郎

    ○佐々木説明員 ただいまのお話の、主として島嶼部にございますところの樹園地、これは水源設備が非常に貧弱なために、今回の大きな干ばつ被害を受けたわけでございますが、いまお話しのようなことにつきましては、なおよく研究を重ね、検討いたしたいと思いますけれども、一つの方法といたしましては、すでに設置されております小さなため池等の、老朽ため池と称しておりますが、こういうため池の改修、補強、増強、こういうようなことをはかってまいりたい。これにつきましては、従来ある一定の基準以上のものについてだけ助成をするという方式でございましたけれども、これをさらに小さな規模のものについても該当させるような方法はどうかということが一つございます。それから、なお、そういうため池施設もございませんで、何ら水源設備のないような場所に果樹等が植わっておる、こういうところにつきましては、現行法では団体営土地改良ということで、畑地かんがい、樹園地かんがいの制度はございますけれども、これも今回のような干ばつを受けた経験からいたしまして、できるならば、さらにその基準を引き下げる方向でどうであろうか。なおいま先生お話しの、幾つかの小さな団地をくくりまして、それを一つのセットにしての助成対象はどうかということでございますが、これは技術的にいろいろまだ検討の余地もあるかと思いますので、実はそういう方法も考えられないことはないと思いますから、なお検討を加えまして、技術的な問題等も解決できるならばそういう方向のことも考えていきたい、かように思っております。
  12. 小澤太郎

    小澤(太)委員 大体において私の希望することを実現したいという意欲はうかがわれました。ただ、最後のお話の技術的にということがございましたが、私は技術の問題ではないと思います。小さいのを一括してやれば一定の基準になりますので、いままでのような採択基準で、一施設についてのため池の高さだとか、あるいは容量だとか、末端の受益面積というようなことを言っておったのでは問題になりませんので、ものさしを全部変えまして、新しく金額で一括補助をする、こういうようなことを考えるということでございますから、技術の問題じゃないと思います。そういうことをやるかやらぬかのあなた方の腹の問題、考えの問題、それを実行する意思の問題だと思います。したがいまして、これはいまから研究するのではなしに、もう予算も概算要求もしておられるし、予算の折衝にもそろそろ入られるのでありますから、予算上何らかの措置を必要とするならば、ぜひそれをやっていただきたい。またこれはおそらく行政措置でできることだと思いますので、政府部内でそういうことを真剣にひとつ計画していただきたい。何らかの効果があがるようなことをぜひお願いしたいと思います。
  13. 佐々木四郎

    ○佐々木説明員 いま技術的と申し上げたことをもう少しふえんして御説明申し上げるならば、こういうかんがい施設は、御承知と思いますけれども、かなり経費のかかるものでございまして、特に地形、傾斜等複雑なところにおきましては、かんがい施設に要する経費がかさむ傾向が強いのであります。これは一面では、そのはね返りが農家負担にもかかるということもございますので、幾つかの団地をつくってやるということが、不当に過大な事業費、工事費等がかかることでもある。それをなるべくそういうことにならないように、そういう計画をするということが非常に重要ではないか。そういう意味におきまして技術的に解決が必要であるということを申し上げたのであります。
  14. 池田清志

    池田(清)委員 鹿児島県出水市の離島の長島、ここに参りますと、干ばつで川が干上がってしまって、いわゆる清水の漁業というものが全滅しておる、こういうわけでございます。これに対しまする助成あるいは保護の道いかん。簡単にひとつイエスかノーかでお答え願いたい。
  15. 矢野照重

    ○矢野説明員 現在一部に、干ばつによる水量減のために、水産物に被害が出ているのではないかというような県からの話もございます。ただ原因が直接それであるのか、あるいは他のたとえば高温とかそういうものによるのかということも多少疑問の点がございまして、その点について現在調査しております。
  16. 池田清志

    池田(清)委員 同じような問題が海についても起こっております。鹿児島県で干ばつ地先の海に赤潮が流れてきて、養殖の真珠、ハマチ、ノリ、こういうものがもう全滅した。こういうわけでございますが、これに対しまする海洋漁業保護の立場からの、右に申し上げましたような助成とか保護とかの対策いかん、これについてお尋ねいたします。
  17. 矢野照重

    ○矢野説明員 その点につきましても現在生物科学の面において検討中でございます。
  18. 池田清志

    池田(清)委員 山に植林したところの杉、ヒノキ、これが一面に枯れてしまっておる。これは水が足らないということであることは言うまでもないのですが、この問題に対する助成保護の対策いかん。
  19. 木村晴吉

    ○木村説明員 杉の植林でありますが、造林地被害につきましては、災害対策の造林の助成事業といたしまして、一般の再造林費の補助率よりも若干かさ上げした補助率で、早期の造林振興に、対策を現在進めておる段階でございます。
  20. 池田清志

    池田(清)委員 干ばつ地罹災農家の方々が働いて給与を得る、こういうためには働く場所を与えなければなりません。これすなわち救農土木事業であります。これについて当局施策説明がございました。ところが現地に行ってまいりますと、まだその趣旨が徹底していないということを私はうらみに思ったのであります。たとえば、市町村にしてみると、自治省方面から干ばつ対策についての何らの示達も来ておらぬ、救農土木事業を起こすにいたしましても、補助が何ぼになるのやら、起債を幾らしてくださるのやら、そういうことがいまだにはっきりいたしませんから、なかなか積極的に積み上げてまいるわけにいかない、こういう答えをするのがおりますが、この点についてどうでございますか。
  21. 太田康二

    太田説明員 先ほど救農対策事業につきましての御説明を申し上げたわけですが、これは起債等によって措置するということになっておりまして、実はまさにいま先生がおっしゃったように、どれだけの事業があるかということを市町村からずっと積み上げてこなければならぬのでございます。しかも実際にそういった事業をやるといたしましても、市町村の地方財政の能力ということにも限界があるわけでございますので、私のほうで積み上げてきた数字を現在自治省のほうに持ち込みまして、こういった考え方でわれわれは起債事業としてまとめ上げてきたので、また自治省としても当然大蔵省なんかと話し合いをしなければいかぬと思いますが、これでひとつやってもらいたいという話を持ち込んだところでございまして、確かにそういった意味でおくれているじゃないかというおしかりを受けるかもしれませんが、やはり市町村から全部積み上げてまいりました結果、多少時間的におくれてしまったきらいがあったかと思いますが、そういった段階で、いま仕事を進めておるところでございます。
  22. 池田清志

    池田(清)委員 いまの御方針はよくわかりましたから、それを迅速に現地現地に徹底し実行されるように、この上とも御努力をお願いするわけです。  お米の共済金、蚕の保険金の仮払いをするということを政府は答弁しておりますが、これまた末端の被害農家について見ると、まだ行なわれていない、こういうわけですが、この点についてはどんなものですか。
  23. 太田康二

    太田説明員 先ほど、九月二十日付で農林経済局長名におきまして指導いたしましたと申し上げたわけですが、仮渡し及び概算払いの実施の状況を申し上げますと、すでに仮渡しあるいは概算払いを実施いたしました県が、熊本県、長崎県におきまして、概算払いを熊本県の場合には十月三十日、長崎県の場合には十一月十日、それから仮渡しを熊本県の場合には十一月上句、長崎県の場合には十一月十五日ということで、金額にいたしまして、熊本県の場合、水稲が概算払い九千三百万、仮渡し一億一千百万円、陸稲が概算払い三千四百万、仮渡し五千九百万、長崎県の場合には水稲の概算払いが三億一千三百万、仮渡しが三億一千六百万。今後、山口、愛媛、福岡、大分、佐賀、宮崎鹿児島等につきまして、右として水稲につきまして実施をいたすことにいたしておりますが、最もおそいもので、佐賀県が十二月中旬、大部分は十一月中旬ないし末までには実施できるというふうに考えております。
  24. 池田清志

    池田(清)委員 仮払いの問題もその促進をお願いしておきます。  租税の減免はやる、こういう方針で進んでまいっております。国税の減免、国税庁関係で系統機関を通じまして、末端に指示してある、こういう答弁でありましたが、これまた現地に行ってみると、罹災農家はまだあずかり知らない。もちろん、国税でありますと、予定の納期が十一月の末日であり、来年三月にならなければ納税告知の期間になりませんのですから、徹底していないのかもしれませんが、こういう趣旨であるということくらいは罹災農家に周知せしめるべきであると思うのですが、この点はどういうふうに運んでおりますか。
  25. 大塚俊二

    大塚説明員 いま御質問のございました、まず第一点の予定納税の関係でございますが、十一月三十日が納期になりますので、これにつきましては、被害を受けられた農家の非常に多い地域につきましては、個別の減額承認申請を省略いたしまして、免税額の大きな方とか、それから、一万五千円未満の方、これは予定納税の義務がございませんので、そういう方々については連名で出していただければ、予定納税義務がないという措置をいたしております。  それから三月十五日になりまして確定いたします確定税額でございますが、これにつきましても、対象になっておられる農家の方々の所得は、一般的に大体農業所得標準で所得計算をしているというのが実情でございますけれども、標準計算につきまして、中には赤字を生ずる農家、損失を生ずる農家も出てまいろうかと思います。損失分につきましては、今後三年間の繰り越し控除もございますので、その標準の作成につきまして、今月の中ごろ、近畿以西の国税局の担当者を集めまして、打ち合わせをいたしまして、周知徹底をはかりたい、かように予定いたしております。
  26. 池田清志

    池田(清)委員 地方税の減免もやらなければなりません。これはやると政府は公言しております。ところで、やることは、罹災農家干ばつ農家にとりましてはけっこうなことです。しかしながら、これは国税の減免と違って地方団体に影響するところが大きい。地方団体の財源がそれだけ赤字になる。これではいけませんので、その財源措置を中央で講じていかなければなりませんが、この問題はどういうふうに進めておりますか。
  27. 首藤堯

    ○首藤説明員 地方税の減免につきましては御指摘のとおりでございまして、一定の基準に基づいた減税をやっていただいていくように指示をしているところでございます。この歳入欠陥に対します補てんにつきましては、災害対策基本法の第百二条に該当します分につきてましては、歳入欠陥の補てん債が発行できるおけであります。これの適用がありますかどうか、個別の段階についての検討は必要かと思います。もし、そのようなものに該当しない段階で歳入欠陥がかなり大きな影響をもたらす、こういうものでございます場合は、特別交付税の算定等におきまして、県からも十分報告を徴しまして、適宜に処置を講じていきたいと考えております。
  28. 池田清志

    池田(清)委員 干ばつで飲料水がなくなったというところが鹿児島県でもあるわけです。鹿児島県といたしましては、東町とか阿久根市とか、そういうところには飲料水のない部落がございます。これに対しまして、町及び市といたしましては、でん粉工場の水を買って、それを各罹災農家に配水しているというわけです。このことは今日もなお続いているのでございますが、この飲料水確保のために、当局といたしまして十分な措置をとり、さらに進んでは災害救助法等の発動等にもいくべきである、こういうことを主張するのでありますが、これらの点についてどういうふうにお考えでございますか。
  29. 大橋文雄

    ○大橋説明員 干ばつによりまして飲料水がなくなる、その場合に給水車等によりまして給水するという措置につきましては、できるだけ近くでということになりますけれども、場合によっては相当遠くなりますが、飲料水を確保するということになります。そのことにつきましては、良質の飲料水を確保するよう保健所その他におきまして十分水質検査その他を行ないました上でやるように指導しております。
  30. 池田清志

    池田(清)委員 その飲料水の水質検査をする水もないのですよ。だから町や市が運んでいって配る、こういうわけですが、それに対して、いわゆる行政府立場において厚生省はどう措置しているか、こういうことを重ねてお尋ねいたします。
  31. 大橋文雄

    ○大橋説明員 お答え申し上げます。  近くに求められないという場合には遠くまで単でそれを求めるということでございますが、それによってもなおできないというようなケースがあるとすれば、井戸をボーリングして飲料水を確保するということも行なわれているわけであります。
  32. 池田清志

    池田(清)委員 ボーリングをやっても水が出ないのです。出る水がないのです。だから町や市が苦労して水を運んでいくのです。これに対して積極的に行政的措置をとるように強く要求いたします。答弁は要りません。  畑作振興においては、水というものがいかに大事であるかということは、干ばつになって初めて明らかになるところであります。笠野原に国立のかんがい排水事業がありますが、その広い高原において非常によく茂っておる畑は、この事業に賛成した者の畑である。その隣に枯れ野原がある。これはこの事業に反対した者の畑である。こういう明暗両相が明らかになっております。この茂っておるというのは水を引っぱってきて、用水でもって、スプリンクラーで水をまくからそういうふうに茂っておるということであります。こういうように、一例として申し上げましたが、水がいかに大事かということを畑作において最も強調せらるべきであります。そこで、畑作振興の立場から、畑作関係において水をつくるということを進めてもらいたいと思うのです。たとえばかんきつ園にいたしましても、薬をまくための用水はちょっとある。しかし、それだけでは足らない。あるいはみかんの木の作付に給水するとか、一般にスプリンクラーでまくとか、そういうようなことをやるほうが畑の収穫にずいぶんプラスになってまいることは言うまでもございませんから、今後におきまして水をつくるということを進めてもらいたいわけです。私が去る十月十一日の建設委員会で水をつくれというテーマでやかましく論じたのでありますが、その一環として、農林省関係においては、いわゆるため池という問題が出てくるわけです。太田参事官から先刻も全国のため池の問題について報告がありました。それは臨時的なことでありますが、恒久的なため池対策としてもこれを取り上げて積極的に進めていただきたいということを主張いたします。私どものこの委員会においてもこれを取り上げて、要すれば法律までつくろうということまで進みつつあるということは御理解いただきたいと思うのであります。  果樹園の共済、みかんの共済、これは来年度から任意加入で始まるということになるわけでありますが、干ばつを受けましたところのことしといたしましては、その加入を促進するに最も適当な年である、こう思いますが、これに対しまして当局はいわゆる加入促進の問題についてどうお考えでありますか。
  33. 福島量一

    ○福島説明員 お答え申し上げます。  ただいま果樹保険につきましては、来年四月から試験実施の形で始まるわけでございますが、現段階ではそれに基づきます政省令の制定準備、それから末端におきまする事務処理要領、取り扱い要領の整備、さらには各府県ごとに共済連合会が保険を行なうわけでございますが、各地ごとの保険料率の決定等の作業を進めておりまして、今月の下旬から各地方ブロックにおきましてその内容説明に入ります。その上で各地の事情に即しまして実施県の選定に入るという段取りになっております。
  34. 池田清志

    池田(清)委員 政府の進めております干ばつ対策各項目については、それぞれ災害対策費及び予備金等を使用いたしまして進んでおるものと考えております。一体それだけで足りておるのかどうか、足らないとすればこれは補正予算に取り入れるべきであると思いますが、その準備はどうなっているか、明らかにしていただきたいと思います。
  35. 上村千一郎

    ○上村説明員 いまの池田先生の御質問の件についての補正予算に組んであるかどうかということは、いまつまびらかにいたしておりませんが、御趣旨に沿うようによく大蔵省のほうへもお伝えしておきたいと思います。
  36. 稻葉修

    ○稻葉委員 関連して。農林省太田参事官にお伺いいたしますが、あなたの報告書の五ページ、「食糧対策」というところがありますね。「予約米の出荷できなくなった者に対しては、(1)予約概算金の国への納期までの加算利子については、被害程度によって減免措置を講ずる。」こうある。われわれは去年七・一七の水害でこれを強く要望した。ところが、延納は認めますけれども、利子の減免措置は、いままでやった例がございませんから、だめでございますという。初め私は、その問題について農林省は解決しているというからうまくいっておると思って、地方へ行って利子の減免措置もやるそうだ、こう言ったら、そうではなくて、大蔵省との間で話を詰めた結果、大蔵省農林省に納得せしめました、解決済みでありますという。どう解決済みかというと、農林省も納得して、利子の減免はしなくてもよろしいということに納得しておりますからと、こういう話です。はなはだこれはけしからぬことになったなと思ったのです。それで、今年八・二八水害につきましてもこの点については関係議員と強く要望したけれども、いままでそういう例がなくて、延納措置はいろいろ弾力的に考えます、連年災害についても二年も延期してあげます、こういうことだけれども、利子はまかりならぬということであります。今度はいとも簡単に——けっこうな話ですよ。けっこうな話で、これをやってもらいたいのだが、どうしてそういうふうにあっちとこっちと違うのか。干ばつのほうは関係代議士がたくさんおって圧力が強いからか。そういうふうにひがむわけではないけれども、取り扱いが違っては困る。御答弁を願います。
  37. 南日禄郎

    南日説明員 概算金の加算利子につきましては、売買条件に設定をいたしておりまして、そしてその被害程度によりまして減免することになっております。したがいまして、毎年その被害の結果がはっきりいたしますれば、それによっての条件がととのいますれば加算利子の減免はやっております。
  38. 稻葉修

    ○稻葉委員 そうすると、これは違うのだね。ことし予約した、ところが災害でだめになって納められない。したがって、十二月納められないから来年の十二月、とり秋まで延ばしてもらう。その利子ではないんだね。
  39. 南日禄郎

    南日説明員 その延ばす分の利子ではありません。納期までの利子であります。たとえば内地米自体につきましては十二月末までの、納期までの加算利子でございます。
  40. 稻葉修

    ○稻葉委員 そうすると、延納してもらって来年納めるまでのその金の利子は、やはりこの干ばつについてもまからないのだね。減免措置じゃない。——私の問うているのとあなたの答えているのと別な事項であると話になりませんから、私の問うている事項は、干ばつでことしとれなかった、予約したけれども。したがって、来年まで延期してもらいたい。それはよろしい。その延期する金の利子を取るのか取らないのか。
  41. 南日禄郎

    南日説明員 国に対する納期まで概算金が生産者として納められなかった場合におきましては、集荷業者が代位弁済をすることにいたしております。それで、その集荷業者が代位弁済をしておりますから、生産者はそれに対する利子を当然払わなければならないという問題があります。ただ従来やっておりますことは、相当大きな被害等につきましては、予算措置を講じまして、その利子の一部分を補給をいたしております。
  42. 稻葉修

    ○稻葉委員 代位弁済の点は抜きにしてもいいんだ、利子の問題からは。とにかく、ことし干ばつで納められなかった、延期してもらいたい、延期はよろしゅうございます、一年延期してあげます、こういう場合に、その一年延期する金が百万円なら百万円、五十万円なら五十万円として、その利子を取るのか取らないのかということを聞いている。われわれのときは取ったんだし、今度は取らないということになったのか。この意味はそういう意味なのか。
  43. 南日禄郎

    南日説明員 ここに書いてあります加算利子は、先ほど申し上げましたように、国に対する納期までの加算利子でございまして、これについての減免措置をやるということを申しておるのであります。
  44. 稻葉修

    ○稻葉委員 それじゃこれは別なことだですね、私の聞いていることは別の話だ。
  45. 南日禄郎

    南日説明員 そうです。
  46. 稻葉修

    ○稻葉委員 それじゃ、私の聞いていることについて、今度の措置と去年の七・一七新潟水害の場合の措置とは変わっていないね。つまり、今後の干ばつでとれなくなった、それで延納してもらった。その利子はやはり、代位弁済の点は別にして、農民から結局取ることなんだな、今度の干ばつにおいても、減免してないね。
  47. 南日禄郎

    南日説明員 納期を過ぎたあとのものですか。
  48. 稻葉修

    ○稻葉委員 来年までのものです。
  49. 南日禄郎

    南日説明員 国に対しましては、その納期まで本人が可能であれば当然生産者が納めますし、それができなかった場合には集荷業者がかわって納めるわけでございますから、したがいまして、国としてはそれまでの元金なり利子は当然入ってくるわけでございますから、納められなくて、かりに集荷団体が代位弁済等をいたしました場合には、その利子は集荷団体において代位弁済したほうに納めるわけでございます。
  50. 稻葉修

    ○稻葉委員 国は……。まあ、いいです。
  51. 田原春次

    田原委員長 稲富君。
  52. 稲富稜人

    ○稲富委員 大体、私がお尋ねしようと思うことは、池田委員から御質問がありましたので、時間がありませんから、四点だけ簡略に質問いたしますので、結論だけ御答弁願いたいと思います。  まず最初にお尋ねいたしたいことは、これは私前回も質問したのでございますが、天災融資法の第一条の目的の中に干害が入っておりません。これは考えようによりますと、干害を従来天災において軽視しているんだというような感じも受けるのであります。今回天災融資法適用されたことは、この第一条の目的の中の「降ひょう等の天災によって」の「等」の中で結局処理されたと思いますが、これはやはり、干害というものはこれほど大きな天災であるという立場から申し上げましても、当然法の中に、将来干害というものを対象としてはっきり挿入することが必要であると考えます。今回この干害を取り扱われました政府として、これはどういうふうにお考えになりますか。その点、機会がありましたら法の改正をする必要があるのではないかと思いますので、お伺いしたいと思います。
  53. 上村千一郎

    ○上村説明員 いま先生がおっしゃるとおりでございまして、法の制定当時におきましては、干害というものにつきましては、大体天災融資法関係、あるいは激甚の場合におきましても、干ばつのほうは、どうしても被害範囲といいますか、単純であるかのごとく考えられておったわけでございますが、今回のこの実に異常な干ばつによりまして、この災害は、先生のおっしゃるとおり、非常に大きな影響を持つということで、政府としましても関係閣僚会議をつくりまして、そして重要な検討をして、他の災害と同じような立場で検討いたしておる、こういう実情でございます。
  54. 稲富稜人

    ○稲富委員 もちろん取り扱い方は、いまおっしゃいますように、干害というものをほかの災害と一緒に取り扱われたことは十分承知しております。ただ問題は、天災融資法というこの目的の条項の中に、やはり対象として干害というものをはっきりうたっておく必要が今後干害というものを大きく取り扱う上に必要ではないか、こういう点から当然これは法の改正を時期を見てやるべきではないか、こういう点から私は政府のほうに御希望を申し上げたいと思います。
  55. 上村千一郎

    ○上村説明員 この点は、私どもは、先年と同じような考えを持っておると思いますが、所管が農林省になっておりますので、農林当局から答弁をいたすことにいたします。
  56. 太田康二

    太田説明員 実は天災融資法につきまして、制定後法の改正をいたしておるのでございますが、最近の農家経済の実情等から見まして、実は自民党の中に農林部会の金融小委員会がございまして、そこで天災融資法につきまして検討をいたしておる段階でございます。そのことに合わせて検討をいたしてまいりたい、かように考えております。
  57. 稲富稜人

    ○稲富委員 政府委員が、自民党の中で検討されておるから検討してみたいというのは、政府の答弁じゃないじゃないか。それは政府としては、自民党の御検討なさるのはけっこうである、各党とも検討いたします、しかしそれをもって政府の責任のように御答弁なさるということは、これは筋違いであると思うのでございますが、いかがですか。
  58. 太田康二

    太田説明員 私のことばが足りなくて申しわけなかったのでございますが、党で検討いたしておりまして、その検討の結果を待ちまして当然政府として措置すべきところはするということでございます。
  59. 稲富稜人

    ○稲富委員 それではその問題はその程度にしまして、次に参事官お尋ねしたいと思いますことは、この特別被害県の中に、林業関係において愛媛、熊本、岩崎、鹿児島各県というふうに、特別被害県の中に指定されております。これは私たち現地を見ました場合、福岡あるいは大分等におきましても、林業関係被害は相当甚大であったというふうに考えます。特に福岡県におきましては苗木の産地でありまして、苗に対する被害というものが非常に大きいということも御承知であると思うのでございます。これを特別被害県から除外されたのは、被害がなかったから除外されたのであるか、その被害の事実をどのくらい御認識になっているのか、これを除外された理由を承りたい。
  60. 太田康二

    太田説明員 御承知のとおり、林業被害につきましては、私のほうの統計調査部が調査をいたしておりませんので、県報告によって被害の実情を把握いたしておるのでございます。今回の干ばつにつきましては、農政局あるいは林野庁を通じて県報告をとったのでございます。その場合の特別被害の数が少なくて、実は特別被害指定基準がございますが、その基準に達しなかったということでございますので、特別被害農林業者々指定する県の中に入らなかった、こういうことでございます。
  61. 稲富稜人

    ○稲富委員 もちろんこれは山林の問題もありますが、林業関係には畑地の苗があるのです。この被害も相当大きかった。これを林業関係として当然取り扱わなくちゃいけないと思うのでございますが、これは農林省と管轄が違うとするならば、林野庁の関係ではどこが御調査になっているか、承りたい。
  62. 木村晴吉

    ○木村説明員 いま参事官もお答えいたしましたように、本質的には一つの県内における百戸以上という一つの基準に該当しなければならないのでございますが、林業者といたしまして年間の所得が五〇%以上、それを把握する上につきまして、県の実態をつかむ体制なりは、私らのほうとの関連におきましても若干不備もございまして、今後の災害についても十分ひとつ対処していきたいと思っております。
  63. 稲富稜人

    ○稲富委員 ただいまの御答弁によりますと、それじゃ実際被害があったものに対して指定から除外されておるけれども、被害実態に即して何とか処置をとっていこう、こういうようなお考えはあるということなんでございますか。
  64. 木村晴吉

    ○木村説明員 率直に申し上げまして、被害の出た報告の時期も非常におくれておったことも事実でございます。しかし、被害実態そのものは存しておりますので、今後それに対しての分に対しては十分運営上対処していきたいというふうに考えております。
  65. 稲富稜人

    ○稲富委員 さらに、今回の干害に対する応急対策としてはここにいろいろ並べてあります。こういうような応急対質としての対策は樹立されておりますけれども、末端まではこれがなかなか流れていない。末端にはまだこういうようなことが実施されることを十分知らないで、不安な状態に置かれているというのが現状でございますので、このせっかく計画されております応急対策に対しましては、先刻池田委員も希望しておったのでありますが、直ちに末端のほうにこれが徹底するような処置をとっていくことが必要である、かように考えますので、この点は強く私も要望いたしておきます。  さらに恒久対策についてお尋ねいたしたいと思いますが、恒久対策としては、五の項で十分述べられております。これに対しましては、私は先般来災害対策のときの質問の中でも政府要望いたしておったのでありますが、ため池等をつくると同時に、樹園地等に対しては用水池をつくって、そして常時設備をやるような方法をとっておく必要があるのじゃないか、こういうことを申し上げたのでありますが、「水源整備事業についてもその重点的効果的な推進について検討する。」と書いてあります。どうもお役所は検討されますけれども、実施はなかなかおくれるのでございます。単に検討だけではわれわれは不十分でございまして、検討すると同時に恒久対策を樹立する、こういう心がまえをしていただきたいし、検討するだけでなくて、そういう対策を具体化するのだという、これに対する政府の腹のあるところをひとつ承りたいと思います。
  66. 佐々木四郎

    ○佐々木説明員 ただいまの恒久対策でございますが、先ほども申し上げましたように、畑地帯、特に樹園地につきましては、水源にかまわずに、水源なしに樹園地が広がり、畑が広がっていくというのがいままでの現状でございますから、これからはできるだけ地形的にため池等でカバーできるところ、あるいはため池だけではございませんで、ポンプ、谷川の水、あらゆる水源を動員してそういうものを整備していこう。実はこれにつきましては、なお、いろいろ問題もございますので、経費の面等いろいろございますから、それを効果的に推進する方法を検討するということでございまして、もちろん御指摘のように検討するだけで終わるものじゃございませんで、こういう対策が実現する方向で現在検討を進めているわけでございます。
  67. 稲富稜人

    ○稲富委員 それから園芸関係お尋ねしたいと思います。  今回の災害がいままでかつて見なかったような干害という中で、ミカン等の樹園に対する対策の指導というものが、非常に未経験からきたものが多かったと思います。たとえば、その対策として、ミカンを取ってしまったほうがいいと言う者、取らぬがいいというような意見が地方地方でまちまちであるし、先般来農林省としては、地元の実情に応じてやらしたというような、これはあまりにも指導者としての、国としての信念がなさ過ぎると私は思う。今回こういう干害がありましたのでずいぶん検討をされたと思いますが、こういうような干害に対してはいかなる処置をとるべきかということを、すみやかに指示できるような指導体制をこの際樹立する必要があると思うのでございますが、これに対する対策はお考えになっているかどうか、伺いたい。
  68. 八塚陽介

    ○八塚説明員 確かにただいま稲富先生の御指摘になりましたように、一般的に果樹の従来の指導のいき方は、どちらかというと雨の少ないことを望みまして、干ばつに対しては、これが深根性であるということで、比較的配慮が少なかったということは、私どもいまさらながら反省をいたすわけでございます。今回のような干ばつが今後ともそう起こるとは考えられませんけれども、しかしながら気象庁のお話では、今後も寡雨の状態が続くであろうというようなお話もございましたので、私ども農地局等ともお話をいたしまして、今後の干ばつに備えていかなければならないというふうに考えております。  さらに具体的に御指摘になりました、いよいよ干ばつがある程度進行いたしまして、実を取るか取らないかというような議論が各地元であって、それに対して国のほうが適切な指導をしなかったというお話があったわけでございます。私ども、一般的にはこれは取ってはいけないということは、比較的はっきりいたしておるわけでございますが、ただ木の状態なり時期なりによりまして、必ずしもそういう原則だけでいかない場合もあり得るわけでございます。そういう点につきましては、実は、私ども愛媛県に参りましたときに、愛媛県の技術者の方たちは非常にはっきりと御指導になっておったのを見ておりました関係上、やはりこれは現地ごとの具体的な状態を知悉した上での指導が必要であろう、のみならず、一般的な干ばつのときのいわば木の整備と申しますか、そういうことについては、大体私どもの見ております限りでは、福岡等にもちゃんとした技術者がおられるというようなことで、いわばこちらのほうからあまり指図をするということを今回は差し控えたわけでございます。なお、そういう点につきましては、今後中央地方連携をとりまして、さらにそういう点についての意思の統一と申しますか、思想の統一をして、体制を整えていくという方向で努力をいたしたいと思っております。
  69. 稲富稜人

    ○稲富委員 最後に一点だけ、これは厚生省関係でございます。先刻池田委員も質問しておりましたが、今回飲料水に非常に困りまして、その飲料水確保のために相当の経費がかかっております。ところが、今日の農林省報告を見ましても、農業用水応急対策のためには、その費やした経費等に対しまして、特別交付金等でやるとはっきりうたっております。ところが先刻話を聞いておりましても、飲料水のために相当に経費を使っておる、この問題に対してどうするんだということを承っていないのでございます。この飲料水のためには運搬費その他いろいろな費用が要るだろうと思うのでありますが、これに対してはいかなる処置をとるのか、経費の負担をなさろうという御意思があるのであるか、この点を承りたいと思います。
  70. 今村譲

    ○今村説明員 お答えいたします。  原則論といたしましては、町村の財政規模にもいろいろあると思いますが、交付税交付金ということで県の総務部、民生部のほうにも話をし、自治省のほうにも話をしてやってもらうということになっております。ただ離島で、ほとんど全町民が全部給水を受けなければならない。しかも船を一日十万円とか二十万円出して雇わなければならぬというようなことで、当該市町村ではどうしても財政力を持ち切れないというものにつきましては、しかもこれは人心の不安、いつどうなるかわからぬというような心配があるような事態につきましては、災害救助法発動ということで、それが発動いたしますと、市町村は一銭も経費を持ちません。全部県知事へ参ります。それで経費程度によりまして、五割から九割まで、災害救助法に基づく補助の発動がある。残りの部分は、これはまた当然交付税交付金というものがある。こういうことでございまして、それで、若干の、数市町村離島だけにつきましては全村の水がないというようなところがありましたが、それ以外につきましては交付税交付金でやってもらうということで、県と話をつけております。
  71. 稲富稜人

    ○稲富委員 天災融資法が発動になった場合、地元負担があるものだから、いろいろな問題が起こってくるのです。こういう問題に対して、財政的に困窮しているという、こういう実態のところに対しては、特別な方法を国として講ずべきじゃないか。あるいは天災融資法でも、時期が非常に長くなる、こういう場合には、再度これを交付するとか、何かそういうふうな便宜な処置をとって国として積極的に取り組んでいかなければいかぬ、こういうような考えを持つわけですが、こういうことに対しても何か考慮されておるのか、伺いたい。
  72. 今村譲

    ○今村説明員 お答え申し上げます。  実は災害救助法で全部こういう市町村の財政負担を持つということは、交付を予想してない事態だと思います。ただ、先ほど申し上げましたように、全町村全部水がなくなったというような事態が、生命、身体に危険があるというふうなかっこうの場合には発動はできると思っておりますが、それ以外に、町村の財政負担という問題になりますならば、これは二つございまして、そういう事態に何か特別の制度をつくるか、あるいは現在のままにおきましては、特別交付税交付金というものが、そのためにあるのでございます。それのルールはある程度確立いたしております。むしろそっちのほうの線で交付すべきではないか、こういうふうに考えます。
  73. 稲富稜人

    ○稲富委員 私はその点を言っているんです。今度の場合、そういうことで、飲料水に非常に困った町村、こういうものに対しては特別な方法をとろうという御意見があるのか、また、そういう指示をされておるのかどうか、結論はこの点を伺いたいのです。
  74. 今村譲

    ○今村説明員 現在までのところ、厚生省としてはこういう考え方を持っております。全町村の住民の五割以上くらいがほんとうに水がない。したがって水を運ぶためのトラックの借り上げというふうなことが市町村では手に負えない。したがって県知事が災害救助法の発動で、物資徴用——徴用令といってはおかしいのですが、車を出せとか水を出せとかというような命令を出さなければ、どうにもならないというような事態には、災害救助法を発動する、それ以外については特交でみていただく、こういうことで自治省にも話をしたりしております。
  75. 田原春次

    田原委員長 小沢貞孝君。
  76. 小沢貞孝

    小澤(貞)委員 時間がないようだから、私のほうで質問をしたことにイエスかノーか、そういう答弁をしていただきたいと思います。  先ほどいただいた、「昭和四十二年七月以降の干ばつについて」という資料の三ページの終わりから六行目「(二)干害応急対策」、ここ以降は四月以降の干害対策になっているんだが、そういうことですね。
  77. 太田康二

    太田説明員 ここの説明は、実は四月ではなしに、七月以降の干害のことが書いてあるわけですが、当然十一月八日の事務次官通達要綱を指示いたしたのでございます。その対象といたしましては、前々から申し上げておりますように、四月から六月までの田植え期の干ばつも含めて、年間を通じての干ばつ対策要綱になっておるわけでございます。
  78. 小沢貞孝

    小澤(貞)委員 わかりました。四、五、六と三カ月だけまま子扱いをしたのはたいへん不満があるのだけれども、とにかく三ページのいま申し上げた「(二)」から四ページの「(三)」の前までがその四、五、六の三カ月の分に相当するわけですか。四ページの終わりの「(三)」からはまた表題に戻って七月以降、こういうことになるわけですか。
  79. 太田康二

    太田説明員 ここに書きましたのは、内容的には本年の干害応急対策助成要綱に書いてございます内容を書いたわけでございまして、四月以降から全部入っているわけでございます。
  80. 小沢貞孝

    小澤(貞)委員 場所はどこですか、最初から終わりまでですか。そうじゃないでしょう、ちょっとおかしいから。三ページの終わりから六行目「(二)」から四ページの終わりから五行目、ここまでだけが四月以降であって、その他のところはみな七月以降、こういうことになっておるわけですか。
  81. 太田康二

    太田説明員 十一月八日付の農林事務次官名をもちまして昭和四十二年干害応急対策事業助成要綱というものをきめております。これで当然助成対象となるものは水田、畑にかかるものにあっては、昭和四十二年四月一日から同年十月二十日の間において生じた干害樹園地におきましては、先ほど説明申し上げましたように四月一日から十一月三十日までの干害、この助成要綱にうたわれているおもな項目を書きまして、ここにとりました措置概要として載せたのでございまして、すべて今回の干ばつ助成内容がここに書かれておる、こういうことでございます。
  82. 田原春次

  83. 石田宥全

    石田(宥)委員 副長官がお急ぎのようでありますから、一問だけ伺いたいと思います。  災害対策は総理府所管ということになっておりますが、御承知のように、災害基本法を中心とするこの法体系は、防災並びに復旧というところにほぼ限定されると考えるのであります。したがって、先ほど黒川村長が陳情されましたように、今度部落の集団移転というような問題になりますと、少なくとも一市十九カ町村にまたがって五百十九戸、こういうようないまだかってない集団移転というようなものは、単なる災害復旧という範疇に属するとも考えられない一つの建設的なものだ。そうなりますと、建設省の所管、農林省の所管、あるいは地方自治体に対しては自治省の所管というように、まだいろいろあると思います。水道については厚生省もある、あるいは文教施設については文部省もあるというように、それぞれまたがっております。そういたしますと、やはりそれぞれ各省、各省にまたがって、そこで、いろいろな計画立案、工事の実施、こういうことになりますと、総理府が取りまとめをやる一つの扇のかなめのような役割りを果たすというようなことにはなると思いますけれども、何となくたよりないという感じを受けるのです。  そこで、今後この部落の集団移転という問題を進めるにあたりまして、この推進の機構あるいはいまの総理府の中においてはどこが中心になるか、各省庁に関係してやはり相当の推進力を持つような機関、機構というものが必要になると考えられるのでありまして、この点についていかようにお考えになっているか、この点をお伺いしたいと思います。
  84. 上村千一郎

    ○上村説明員 実は、石田先生の御提案になることでございますが、私もこの関係につきましてはきわめて重要なことであるとともに、きわめて必要なことだと思っておるわけでございます。それで、過般新潟県の知事さんあるいはその他の御関係の自治団体の長の方が総理府にお越しになりまして、この集団移転対策について、いま御指摘になりましたように、建設省、農林省あるいは自治省、厚生省その他文部省、各省にいろいろと意見を申し上げておるのだが、どうも遅々として進まない、この点について総理府としては総合調整の使命もあるのだから、中心になって推進をしてほしいというお話がございました。私のほうは、さっそく、まだこの災害対策本部もあるわけでございますが、それとは別に、この災害対策の室があるわけでございますので、このほうへ話しまして、直ちに会合を開きまして、そして第一回の会合を建設、農林、自治、厚生というような方々の御参集を賜わりまして、いま進めて検討をいたしております。と申しますのは、この前の災害対策につきまして危険な個所を摘示して対策を進めるようにという委員会の御意向もございまして、その方針で災害対策本部も考えておりますし、各省も考えております。御案内のように、新潟県の河川関係につきましても、危険の個所というものが指定されておる。しかも、この前御不幸のありました佐藤参議院議員はその危険個所といわれておる地区に該当しておる、こういうような点を考えますと、しかもそのランクというものが三十何番だということになれば、その上位の危険個所が新潟県に非常にたくさんある。これを官庁が指定しただけで対策を講じないということは、はなはだ申しわけないことである。そうすると、集団移転対策というものはきわめて重要な案件である、こういうふうに考えておりまして、そしてこれが対策にいま取っ組んだわけでございますが、いよいよ取っ組みますと、非常にむずかしい問題が各省から提示をされております。それで、いま私どものほうとしましては、新潟県の県御当局の実施計画というものをお示し賜わりまして、そしてそれに基づきまして、直ちに関係各省寄りまして、対策を検討していこう、そして現行法でまかなえる問題はもちろんやりますが、まかなえないという問題については、あるいは立法的なことも考えなければならない、こういう腹がまえで進んでおるわけでございます。実は、総理府としましては、総合調整をいたしておる関係でございますが、いつもそのなまぬるさにつきまして御指摘を賜わっております。これは予算が縦割り予算になっておりまして、総合調整の施策は私どものほうでありますけれども、予算措置が全部各省にまたがっておる関係もございまして、そこに非常になまぬるさがあるわけでございますが、四十二年度予算のときでも、各省にまたがっておっても、総理府その他総合調整をしたものにつきましては、私どものほうから大蔵省のほうへお話をいたしまして、そして各省の総合調整した施策につきまする予算措置というものにつきましては、バックアップをしながら措置をいたしていく、これがいま現行法のたてまえとしましてはぎりぎりの関係になっておりますが、とにかく御指摘の不備の点につきましては何とかいろいろくふういたしまして努力したい。そしてどうしてもできない場合には立法措置ということに踏み切らざるを得ぬと思います。そんなわけで、いま先生の御指摘の点は非常に重要な問題である、またこれはどうしても解決しておかなければならぬ。危険な個所を指摘しっぱなしで、そしてそれに対して何ら措置しないということは、これはほんとうに申しわけない。出てきておりますいまの黒川村の場合その他の現状はこれはもちろん措置しなければなりませんが、将来、危険の地区を指定してそのままになっておる点がございますので、それに対する今後の対策というものは、当然政府としまして考えなければならぬというわけで、いまこれに取っ組んでおるというのが事実でございますが、現実の問題は、新潟県の実施計画の御提出を賜わりまして検討していく、こういうようなことでございます。
  85. 石田宥全

    石田(宥)委員 たいへん率直に御答弁をいただきまして、私も実はその点を心配をいたしておったわけでありますが、御承知のように、調整機関としては経済企画庁のような機関もございますが、やはり相当の予算を持っております。ところが、総理府ではそういう調整費というものがほとんどないにひとしいということは問題であって、これは副長官、大いにことしは新年度予算では考えたいということでございますからよろしいわけでありますが、やはり各省庁の連絡協議会というようなものだけでは何ともどうもまとまりにくいのではないか。そこで、私は、特に部落集団移転というようなものについては、別個の機関をつくるなり、あるいはまた担当を新たに総理府の中に置くなり、こういう措置が必要ではないだろうかということでございまして、ぜひそれをひとつ実現さしていただきたい、こう思うわけです。
  86. 上村千一郎

    ○上村説明員 石田先生のおっしゃるとおりだと思うでありまして、あるいはそういうふうに進んでいくかもわかりませんが、いまの段階としましては、もう会合を開いておりますが、新潟県の御当局のとりあえず実施計画なりそういうものを御提示賜わり、そうして具体的に各省が寄り合って、解決ができるか、あるいはできない場合にはどうするかということに相なるかと思います。そういう際におきまして、相当の機関というものの構想もできてくるかと存ずるわけでございます。
  87. 石田宥全

    石田(宥)委員 そこで委員長にちょっと一言……。  先ほど非公式の会談で、稲葉委員から、部落の集団移転については立法措置等も必要であろうから、これは災害対策特別委員会の中で小委員会を設置して、その問題についてだけこれを掘り下げてやってはどうかという発言がございまして、皆さん御同意のようでございました。これは非公式の会合でございましたが、委員長にその御意思があるかどうかということを承っておきたいと思います。
  88. 田原春次

    田原委員長 至急理事会を開きまして、御要望に応ずるように御協力申し上げたいと思います。  小澤君、継続願います。
  89. 小沢貞孝

    小澤(貞)委員 助成要綱について従来災害対策委員会で質問した場合に、畑地についてかんがい対策を新規にやった場合には助成対象になるかならないか、こういう点が問題であったと思います。今度のは、明確に畑地についても新規にやった場合でもよろしい、というのは、従来は畑地については、既設のかんがい施設があってそれにポンプを増設したとか水路を掘さくしたとかいうような場合には畑地についてもかんがい対策事業として助成しておったが、新規についてはまだ明確でありません、こういうようにことしの六、七月ごろの委員会で答弁されておりました。今度の要綱は、新規についてもよろしいわけですか、その点だけ……。
  90. 佐々木四郎

    ○佐々木説明員 お答えいたします。  干ばつ応急対策で行ないました工事に対する助成の原則は、この応急工事をやりましたもとがかんがい施設でなければならない、こういう原則があるわけです。かんがい施設がなしに干ばつを受けるということ自体が、かんがい設備があるかないかということによってきまるのではなしに、かんがい設備があって、水が足らない、施設が弱い、そういうことがその助成の原則かと思います。ただ従来そういう方向ではおりましたけれども、今回の干ばつは未曾有の大干ばつでございまして、そういう方向で対処すべきではあるけれども、特に西日本についての干ばつはいままで前例がない。しかも被害が非常に大きいということから、今回に限ってそういう畑、田地であって、いままでかんがい設備がなくても何らかの形でかんがいをやるための応急工事をやったものに対しては助成をすべきであるという考え方にしたわけでございます。
  91. 小沢貞孝

    小澤(貞)委員 わかりました。要するに一言で言えば、ことしは新規にやった畑地のかんがいの応急事業費に対して補助金を出す。こういうことでいいわけですね。
  92. 佐々木四郎

    ○佐々木説明員 さようであります。
  93. 小沢貞孝

    小澤(貞)委員 それを西日本を特につけたものだから私ひっかかってしまうのだが、昭和四十二年干害応急対策補助要綱というのが、先ほど説明があったように四月一日以降となっているから、本年についてはと、こう理解してよろしゅうございますか。
  94. 佐々木四郎

    ○佐々木説明員 ことしの四月以降の干ばつについてはそれを認めるということであります。
  95. 小沢貞孝

    小澤(貞)委員 わかりました。ついては、さっき稲富先生からも御発言がありましたが、山林、種苗、苗畑、これは一体畑地なのかどうか。そういうところにかんがい施設をやったものについては、この補助要綱適用されるかどうか。
  96. 木村晴吉

    ○木村説明員 今回初めて苗畑が耕作する土地という解釈で畑地と同じような取り扱いになったわけでございます。したがって、その取り扱いのすべても畑地と同じように取り扱いをいたすのであります。
  97. 小沢貞孝

    小澤(貞)委員 ありがとうございました。  それでは次に五万円以下の場合にはだめだ、こうあるが、その中にちょっとひっかかる点があるわけです。「団地ごと工事費又は機械費が五万円以上」こうなっていますから、工事費が三万円で機械を借りてやったか買ってやったかして二万円の場合にはだめですか。
  98. 佐々木四郎

    ○佐々木説明員 それはだめであります。
  99. 小沢貞孝

    小澤(貞)委員 だめだとはたいへんなことだ。どうしてだめだと言ってもおかしいのですが、なぜだめですか。そこの工事費にみな入るじゃないですか。工事費が三万円で機械を買ってくるのが二万五千円だというと、あそこの全体の工事費というのは五万五千円じゃないですか。
  100. 佐々木四郎

    ○佐々木説明員 この問題は、実は過去の干ばつにおきましては、こういうやり方をしておったわけでございますが、この干害応急対策はその前のページにもございますように、従来実施してきておる対策参考としてやるたてまえをとっておりまして、その個所ごとの問題にまでこれを下げるかどうか、この点を変えるかどうかということは、今回の干ばつ実態からいたしまして、一カ所一団地、工事費または機械費が五万円以上ということであれば、このその他の補助対象の問題、補助率の問題、あるいは燃料費電力費等の問題等がいままでの干ばつとはかなり変わっておりまして、助成の幅を大幅に広げておりますので、そういう点で救われるという考え方で、この点については従来どおり工事費または機械費が五万円以上ということにしたわけでございます。
  101. 小沢貞孝

    小澤(貞)委員 まだその点、私納得したわけではないのですが、時間がないので、また次会にでもやらしていただきたいと思います。  それではいまお配りいただいたこの四ページの終わりのほうから十センチばかりのところに「2」というのがあります。「燃料費電力費、車の借上げ等農業用水応急確保のために要した経費については、市町村産業振興助成した分については特例的に市町村実態に応じて特別交付税措置する。」この特例的というところがまことに意味深長な、深い意味がありそうに私は感ずるわけです。そこで私お尋ねしますが、この五万円以下で工事費は三万円だった。機械を借りたのが三万円でこれは対象にならないというものに町村がそれに対して補助を出すというようなことをやった場合に、この項に該当するように感じますが、それはいいですね。
  102. 太田康二

    太田説明員 先生お尋ねの五万円以下の事業費は国庫補助対象にならない、しからばこの特別交付税対象になるかどうかというお尋ねでございますが、私のほうはそういうことで自治省にお願いをいたしております。
  103. 小沢貞孝

    小澤(貞)委員 お願いされた自治省は、こういうところにちゃんと書いてある、国会に発表されたが、どういうようにやっていただけますか。
  104. 首藤堯

    ○首藤説明員 「特例的に」と書いておりますことは、従前は干害対策に要しました、この項にあがっておりますようなもろもろの経費につきましては、原則といたしまして農林災害被害額の市町村が〇・五%、それから都道府県が〇・五%、合わせまして一%ほどの額を基準といたしまして、特別交付税交付をしたわけでございます。今回は非常にたいへんな干害でございますので、この率を引き上げて所要額の特別交付税措置をいたしたい、このように考えております。その意味で、今回のひどい干害に対しまして「特例的に」と、こう申し上げたわけでございます。  なお、その率をどの程度にするかということにつきましては、現在これらに要しました費用のうち、地方公共団体が支出をしました額について調査の最中でございます。その実態等を勘案いたしまして、その率の引き上げ等の処置をいたしたいと思っております。したがいまして、個別の市町村につきましては、そのような総体的な特別交付税の額を都道府県単位に交付をいたしまして、県内でその実情に応じた配分を行なってもらう、このような措置をとりたいと考えておるわけでございます。
  105. 小沢貞孝

    小澤(貞)委員 これは早々と説明されたので、私は頭が悪くてよくわからないのだが、従来は、特交というものは、その被害の額の〇・五%ずつ県及び市町村にそれぞれやっておった、それを今度は率を引き上げよう、こういうお話のようです。引き上げの率はまだわからないわけですか。
  106. 首藤堯

    ○首藤説明員 ただいま申し上げましたとおり、いま検討中でございます。
  107. 小沢貞孝

    小澤(貞)委員 それからいま一つ、いまの説明お尋ねしたいが、都道府県にやって、都道府県が市町村にまた別個にやる、こういう意味のことを申されたが、助成金と同じようにそうされるわけですか、この「特例的に」という意味は。
  108. 首藤堯

    ○首藤説明員 特交の性格上、助成金ではございません。都道府県を通じてやるという意味じゃございませんで、各都道府県内の市町村分を総括をいたしまして、都道府県のワクを設定する。その実際の市町村の配分は、都道府県が実情を一番よく知っておると思いますので、それの意見を開陳をしてもらって、それできめる、こういうことでございます。
  109. 小沢貞孝

    小澤(貞)委員 それじゃ従来の特交の計算方法と変わらないということですね。——わかりました。そうすると、「特例的に」という意味はどこに出てくるのてすか。ただ率を引き上げただけだ、こういうことなんですか。たとえばある村で燃料費が五十万円、それから電力費が二十万円かかった。そういうものを具体的にちゃんと町村でもらいましたということがわかるような方法にはなっておらぬわけです。そこでここに「特例的に」とうまいように書かれておるけれども、実際的には特例的でも何でもない。いままでの通常の場合と同じで、特例ということでごまかされそうになる、こういうふうに理解せざるを得ないわけですが、どうてすか。
  110. 首藤堯

    ○首藤説明員 ただいまの御指摘のようなことではございませんで、干害対策分のこのようなもろもろの経費に充てる経費として、つまり具体的に申し上げますと、燃料費で幾ら、電力費で幾らと、こういうことではございませんで、燃料費の所要額幾ら、電力費の所要額幾ら、あるいは車の借り上げの所要額幾ら、その総体をひっくるめまして、干害に要しましたもろもろの経費分幾ら、こういうことになります。  それからもう一つは、先ほど申しましたような、従前は〇・五%を基準として算定をいたしておりましたものを率を引き上げるということになりますので、両方合わせて特例的と申してもよろしいのではないかと思います。
  111. 小沢貞孝

    小澤(貞)委員 特例的でごまかされさえしなければ、私は納得するのだけれども、どうも自治省のそれはごまかされそうで納得できないから、特例的にやることを具体的に、この次の災害対策委員会でけっこうですから、ここに銘打ってでかでかと「特例的に」とこうありますから——いまの率を引き上げることは確かに特例的です。しかし、こういうふうに項目をあげてあるものは確かにもらえるのだということが市町村までわかるような方法はどういうふうにしたらいいかということについても、ひとつ次の委員会で私は質問をしたいと思いますので、農林省みたいに一つの要綱のようなものなり、説明しやすいものを書いていただいて、ひとつ見せていただきたい。そのときにまた質問をいたしたいと思いますので、きょうはやめたいと思います。
  112. 石田宥全

    石田(宥)委員 自治省が先般過密・過疎地域の現状と対策というものをお取りまとめになっておるわけでありますが、文書としては、また企画として私はたいへんこれは有益なものとして拝見いたしたわけであります。今回の部落集団移転というものは全く農山村でございまして、いわゆる過疎地帯と称すべき地点であるということを念頭に渇いて、今後の対策をお願いしたいと思うわけであります。そこで、これは内容について私かれこれ御質問を申し上げようとは存じませんが、せっかくできました過疎地帯対策としては、私は単なる文書に終わることのないように要望を申し上げておきます。そこで、実は時間の関係がございまして、いろいろ用意をいたしてきておるわけでありますけれども、ごく簡単にかいつまんで質問を申し上げたいと思います。  最初に、まず宅地の造成事情でありますが、これは公営住宅の場合と個人住宅の場合とございます。これはいずれにいたしましても一番問題なのは標準建設費が問題でございまして、実情に沿わない。そういたしますと、市町村の超過負担分が非常に増高するわけでありまして、この標準建設費の、これは次官通達でありますから立法措置をする必要はございませんので、これの実情に合うようにすべきではないか。したがって、用地取得の一月当たり二万七千円、用地造成の三万六千円、いずれも変わってこなければならないと思いますが、いかがでしょうか、特に補助率の問題でございますが、三分の二となっておりますが、今度の集団移転というような場合におきましては、当然四分の三、市町村長の諸君が強く要望をされておるような負担率に変えるべきではないか。これはそれぞれの、標準建設費は建設費、補助率は建設省並びに自治省にも関係があると思います。  そこで、自治省に関連いたしまして、超過負担分に対する起債でございますが、これは当然特別な事情のもとに行なわれることでありますから、一〇〇%の起債を認めるべきであろうと思うのでありますが、まず、この二点についてお伺いをしたいと思います。
  113. 角田正経

    ○角田説明員 お答えいたします。  公営住宅の建設、それから宅地のお話がございまして、その標準建設費のお話がございました。これは先生御指摘のとおりでございまして、完全に実情に合ってないわけでございますが、その点につきましては、来年度の予算要求等でも十分実情に合うように努力しているわけでございます。ただ本年度先生のおっしゃるように次官通達だからということには、ちょっと実情はなかなかむずかしいわけでございます。と申しますのは、私どものほうでは、戸数あるいは与えられました宅地造成面積等の事業量も固定しておりまして、それと全体の予算とのかみ合わせできめているわけでございます。できるだけ実情に合うように努力はいたしておりますが、今後これにつきましては、来年度以降の予算要求で努力していきたいということを考えております。  それから補助率アップにつきましては、集団移転の関係、いろいろお話を承りましたが、私ども理解しておりますのは、集団移転といいましても、いままで部落に住んでおられた個所がやや危険でございますので、そこから別の個所に移られるということで、完全にいままでの農耕地その他を放棄されてよそに移られるというふうには実は受け取っておりませんので、従来のような公営住宅の建設とかあるいは公庫の融資とかいうふうな現実に被災者に対しましては援助措置がございますので、私どもは当面はできるだけそれで援助をしていきたいというふうに考えているわけでございます。
  114. 遠藤文夫

    ○遠藤説明員 実は私のほうの所管ではないものですから、正確なお答えはできないのでございますけれども、超過負担の問題はいま建設省からお話がありましたように、財政のほうでもって各省とお話しながら解決に努力しているわけでございます。  起債につきましても、細部の数字は私ども存じませんが、できるだけ充当率を上げるように現在調査をいたしておるところであります。
  115. 石田宥全

    石田(宥)委員 やはりこの宅地造成に関連して、個人住宅の場合、これは融資関係になりますが、災害復興住宅建設資金貸し付けであります。住宅建設の場合には、面積制限それから金額の制限等があるわけでございますが、これは前例もございまして、必ずしも従来の標準にこだわらないということで処理されたわけであります。これはやはり前例に基づいて若干面積等は引き上げをする、金額毛若干引き上げるということについて異存はなかろうと思うのですが、どうでしょう。
  116. 角田正経

    ○角田説明員 面積制限のほうにつきましては、災害の場合は、特例的に従来の既存の面積までは面積制限をはずす、一般的には面積制限がございますが、そういう措置をとっております。  それから貸し付け限度額でございますが、これは昨年の新潟災害で、先生方の非常に強い御希望がございまして、昨年末に実は変えたばかりでございます。それでも非常に足りないという御意見がだいぶございますので、実態に合うようになお検討はしたいと思っております。
  117. 石田宥全

    石田(宥)委員 次に住宅の関係先ほど宅地造成の問題についてあわせて御答弁になったようでありますけれども、簡易耐火構造二階建てにする場合には一定の基準がございますけども、二戸建て以上くらいまで引き下げてひとつお認めを願いたいというのが関係町村農民の強い要望でございますが、この点はいかがでしょう。
  118. 角田正経

    ○角田説明員 御希望を承っておきます。いまの指導方針といたしましては、八戸ないし十数戸というのが一応原則になっておりますけれども、具体的な計画をお出しいただいて、現地の実情と合えば私どももあえてその戸数——これは指導基準でございます——それにはこだわらないということで、県のほうと具体的な計画を詰めます際も実情に合うようには検討したい、こういうことでございます。
  119. 石田宥全

    石田(宥)委員 次に、住宅金融公庫の融資でありますが、これまた先ほど申し上げたと同じように、木造六十七万円、簡耐八十一万円というように一応の基準があるわけですが、これは少なくとも百万円程度までには引き上げてもらわないと実情に即さない、こういうことになるようであります。これの引き上げ並びにその利子が五分五厘になっておりますけれども、これではなかなか部落集団移転をしなければならないほどの激甚被害を受けた農家としては耐えられないわけでありますから、これは三分五厘に引き下げをしていたたきたい、こういうことでありますが、これは行政措置としてどの程度やれるのか、あるいはどの程度のものは立法を必要とするのか、それらの関連をお聞かせを願いたいと思います。
  120. 角田正経

    ○角田説明員 貸し付け限度額の引き上げにつきましては、先ほど説明いたしましたように、昨年改定いたしましたばかりでございまして、これは政令で全部きめておりますので、まあこれが絶対にいいとは思っておりませんが、先ほど申し上げたようないろいろな予算関係がございますので、慎重に検討はしていきたいというふうに考えております。  それから、利率につきましては、これは県のほうからも御要望がございましたが、法律事項でございますので、私ども簡単にちょっとこれをいじるというのは、災害関係、ほかの資金貸し付け等とのバランスもございますので、そういうふうな面を全体考慮いたしまして、制度としてどういうふうにするか、いまこの委員会の小委員会でもいろいろ御指摘がございますので、検討しておる最中でございます。
  121. 石田宥全

    石田(宥)委員 次に、共同施設の問題でございますが、部落全体の集団移転ということでございますから、従来の一団地五十戸以上の場合の共同施設の建設という一つの基準と申しますか、これについては相当緩和すべきではないか、ことに集会所などは百戸以上ということになっておりますが、今度の集団移転の場合は、それ以下の場合もやはりあり得ると想定されます。    〔委員長退席、池田(清)委員長代理着席〕 したがって、この基準もやはり実情に合うような緩和措置が必要であろうと考えておるわけであります。特に山間地、農村の小部落が多いわけでありますから、この制限は実情に即するようにぜひ御配慮を願いたい。  それから、これもまたやはり補助率の問題かと思いますが、従来の二分の一を三分の二に引き上げてもらいたいということ。それから、さらにもう一つ、これは農林省関係もございますが、集会所をつくるような場合に、共同作業場との併存の場合も考慮さるべきであって、むしろ絶好の機会でもあろうかと思うわけでありますので、この点については農林省と建設省の間によく意見調整を行なった上で措置をしてもらいたいと思うわけですが、これらの点について御答弁を願いたいと思います。
  122. 太田康二

    太田説明員 実は激甚被害が出まして部落が移転をするというような事態が、農林省関係で申しますと、過去におきまして狩野川台風で一回、それから伊勢湾台風で一回、それから梅雨前線による集中豪雨激甚災のときに一回、いままで三回実はあったわけでございます。その際、いま先生御指摘の農業の共同作業場等が助成対象になっておるのでございまして、過去いろいろな基準があるわけでございますが、いま御指摘の点等を十分考慮いたしまして、きのうも実は申し上げたわけですが、県から計画が近くあがってまいりますので、その際十分そういった点も考慮いたしまして対処してまいりたい、かように考えております。
  123. 石田宥全

    石田(宥)委員 答弁のない部分は、ひとつ時間の関係を考慮して、別の機会に質問を申し上げることにいたしまして、それでは建設省にお伺いいたします。  今度の集団移転による場合の道路関係ですが、道路は五カ年計画というものがございまして、大体それによって進められておるようでありますけれども、今度新たに移転をする、それに要する道路の建設、これについては特例で特別に五カ年計画並みに配慮すべきである、こうわれわれは考えておるわけですが、ぜひひとつそのようにお願いしたいと思います。どうでしょうか。
  124. 古賀雷四郎

    ○古賀説明員 私、長い間災害対策でたいへん御指導をいただきましてありがとうございました。至らぬ点が多くて、たいへん恐縮に存じます。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。  御質問の趣旨は、今度新潟で集団移転が希望されておりますし、また非常に危険地でございますので、集団移転をしなくちゃいかぬというような状況にあるかと思います。集団移転の総体的なことにつきましては、総理府の副長官からお答えになったとおりでありますが、われわれとしましても、そういう住民の御希望に沿うように、できるだけ努力いたしたいと思います。的確な御返事はできませんけれども、帰りましたら道路局とよく相談してみたいと思います。
  125. 石田宥全

    石田(宥)委員 最後に、これは自治省の関係でありますが、県や市町村に対する特別財政援助の問題であります。現行制度を最大に活用するにいたしましても、なお相当額を一般財源で充当しなければならない実情にあることは、特に羽越災害については連年災という事情もございまして、なかなか地方公共団体は非常に苦しい立場に追い込まれておるわけであります。したがって、先ほどもかんがいの問題で御質疑もありましたが、特別交付税による財源補てんについては、特にやはり連年災というようなことと、さらに集団移転という特殊の事情にかんがみて御配慮を願わなければならない情勢にあるということ、それから先ほどもちょっと触れましたが、起債対象事業については起債充当率を一〇〇%にしていただくほかに、なおこの償還財源の措置についても援助の方法を講ぜられなければならないと考えるわけであります。繰り返しますように、農山村の非常な財政の貧困な市町村が圧倒的でありますから、実情に沿うようにひとつ御配慮願いたいと思うわけでありうす。自治省からひとつ……。
  126. 遠藤文夫

    ○遠藤説明員 私直接の所管ではございませんので、具体的な内容までお答えできませんけれども、お話がございましたように、今回の災害対策、特にある程度、相当戸数がまとまって新しく移転するというような状況につきましては、地方財政というものも当然伴ってまいるわけでございますので、必要な範囲におきましては、御指摘のありましたように、起債あるいは特別交付税というようなものを通じまして、総合的に必要な財政措置を講ずるというように現在検討しております。
  127. 石田宥全

    石田(宥)委員 いろいろ時間の関係等もあって、あまり掘り下げて御質問を申し上げません。しかし関係各省、それぞれ御承知のはずでありますから、あまりくどく申し上げる必要はなかろうと思っておったわけでありますが、一番最初に総理府副長官に申し上げたような事情も考慮されまして、各省とも積極的に、かつ降雪地帯でございますから、それらの点も配慮されまして、早急に措置を願いたいと思いまして、私の希望を申し上げて私の質問を終わります。
  128. 池田清志

    池田(清)委員長代理 華山親義君。
  129. 華山親義

    華山委員 時間もあまり多くないと思いますので簡単に御質問いたしますから、簡明に御答弁をお願いしたいと思います。   〔池田(清)委員長代理退席、委員長着席〕  集団移転のことにつきましては、新潟県のほうからもお話がございましたし、陳情もございましたし、山形県にもございますから、その点新潟に限らないでいただきたい。それで、この点について申し上げますが、過日建設大臣が山形に見えて、この集団移転のことについて県当局から御要望を申し上げたところが、まことに同情のない御答弁があった。そして新聞紙上等におきましても、それがまことに冷酷なものであるというふうに報道されております。そういう点もございまするし、先ほど副長官でございますか、お話もございましたが、とにかく農山村の一番困った生活をしている人々でもございまするし、この人たちの幸福のために、どうぞひとつ同情ある御措置を私はお願いいたしたいと思います。  それから、私は災害地の山形県また新潟県、その地方を回りまして、市町村長等にもお目にかかったのでございますけれども、一番この方々が困っており、また心配をしておりますことは、来年作付のできない農地ができるのではないかということでございますが、農林省からそのお見込みをお聞きいたしたい。
  130. 佐々木四郎

    ○佐々木説明員 お答えいたします。  現在の災害復旧工事の進渉状況を御報告いたしますが、御承知のように、復旧工事に手をつける前に査定をしているわけでございますが、最近の現地からの報告では、十月十日現在で査定が約七三%進んでおりまして、全体の査定が終わるのが十一月二十五日という予定でございます。この査定と並行いたしまして、別に緊急に必要なものにつきましては、すでに工事を進めておりますし、それからまた来年にわたる分についても施越し等によって工事を進めるべく準備をしております。  それで、現在の着工しておる状況は、農地につきましては九十六カ所のうち五十二カ所をすでに着工しておりまするし、それから施設については百六十七カ所のうち五千三カ所を着工しております。ただ農地関係の復旧災害につきましては、関連する災害復旧工事が並行するかあるいは先行していかなければ復旧工事ができない部分もございますので、そういうこととも関連いたしまして、完全に全部来年の作付期までに復旧工事ができるかどうか、多少疑問が残りますが、私どもの見込みでは、来年の植えつけ期までに全体の八割程度は復旧ができる、そういう見込みでいま進めておるわけであります。  なお、来年の植えつけの水の問題等につきましては、植えつけに間に合わせるように応急的な復旧工事もやりまして、そういうことによって当面はしのいでいくという方法もあると思いますので、できる限り来年の植えつけに間に合うように進めているわけであります。
  131. 華山親義

    華山委員 御承知のとおり、このたびの災害の場所はもう雪が降ります。またたく間に何メートルという雪になりますから、工事は不可能になりますし、雪解けがおそいので、雪解けとともに農作は始まらなければなりません。そういうふうな実態、また苗しろをつくる土地さえも十分にできてない、こういうふうな状況でございますので、人力にも限りのあることでありますから、やれといってみたところで、どうしてもできない部分もあるかもしれませんけれども、二割程度は残るであろうということがいまのお答えでわかりました。それで、この点につきまして、大はんらんした地区、これは新潟県にもございますし、山形県にもございますけれども、そのところにおきまして、土砂あるいは大きな石等が流れ込んで荒廃に帰した土地がある。そういうところについては建設省のほうでやはり川幅を広くする、そういうふうなことも必要であろうと思うのでございまして、そのほうの関係ができないと、農林省も手がつけられない、そういうふうなこともいわれております。ただいまの農林省のお答えもそのようなにおいがいたしましたけれども、この点につきまして農林省と建設省の間の協調というものはうまくいっているのでございましょうか、どうなんでしょうか。
  132. 古賀雷四郎

    ○古賀説明員 今回の新潟県、山形県の被害はきわめて甚大でございます。被害直後から逐次査定を実施いたしておりますが、新潟県においては十二月二日、山形県においては十一月十五日をもって完了する見込みでございます。しかし、御指摘のように、今回の豪雨は非常に大きゅうございまして、このために河川の計画を根本的に改めなくちゃいかぬという個所が非常に多いわけでございます。したがいまして、たとえば新潟県の荒川、山形県の置賜白川という川は、被災の個所の復旧ではとうてい間に合わない状況でございまして、一定計画による根本的改良復旧をやる予定にしております。ただいま各地区のそういった根本的な計画につきまして、財政当局と打ち合わせているところでございまして、打ち合わせを終わり次第逐次関係者に発表する予定にしております。  なお、荒川につきましては、これは被害が非常にひどうございますので、本川十八キロメートルにつきまして十一月四日、現地において堤防法線を発表いたしまして、おおむね地元の御了承を得たものと私は確信いたしております。
  133. 華山親義

    華山委員 私のお聞きしたこととやや答弁の御趣旨がそれているようでございますけれども、とにかく農地は農地、それだけではやはりできない部分があるわけです。建設省の設計計画というものが出てまいりませんと、頭首工もつくれない、水の取り入れ口もつくれない、そういうふうな実態もございますし、それで地方では戸惑っているのが実態でございますので、その点はひとつよく県庁等におきましても両方の担当者が協調のできるような実態にできるだけ早くしていただきたい、こういうことを特に要望をしておきます。  それからこの点、山形県に具体的にあるようでございますが、はんらん地区、いまではもう砂礫と化したはんらん地区がダムの予定地の埋没地区に入っているというところがございます。これらは復旧をしてみたところがまたすぐダムの埋没地帯になる、その際にはまた問題が起きると思います。そういうふうなものにつきまして、できるだけ早くダムの予定地に、埋没地なら埋没地ということで指定されたほうが賢明じゃないのか、私はこういうふうにも考えますが、建設省におきましてそういうふうなことにつきまして御考慮になっておりますかどうか伺いたい。
  134. 古賀雷四郎

    ○古賀説明員 御指摘のダムにつきましては、われわれとしましても早く計画を決定してやりたいということで、来年度財政当局に実施計画調査要望いたしております。ただいま予備調査でございますので、具体的な計画をまだ確定いたしておりません。したがいまして、われわれとしましては、現地の実情を十分考慮しまして、早急に計画を決定したいということで進めたいと思います。  なお、水没農地の問題につきましても、住民の移転の要望も相当ございますので、そういった点を考慮しまして、私どもが従来から九頭竜川の真名川ダムで実施してまいりましたようなことを白川ダム等につきましては実施してまいりたいというふうに考えております。
  135. 華山親義

    華山委員 それで先ほどお話のあったとおり、とにかく二割は来年の作付ができないというふうなこと、これは最小限度のことでございましょうが、そういうふうな場合に、災害で作付ができない、その年のことは別にしまして来年以降もできない、そういう農民に対しましての救済策というものはありますかどうですか。
  136. 佐々木四郎

    ○佐々木説明員 先ほど申し上げましたのは、災害復旧工事といたしまして施行いたしますのが、いまの見通しでは、二割程度作付に間に合わないかもしれないという現状の見通しでございますから、作付期に間に合うように応急的にかんがい、湛水ができる方法を講じて、なるべく作付に一時的にでも水を田んぼにかける、そういう方法を考えておるわけであります。
  137. 華山親義

    華山委員 ただいまのお話は水さえかければできるような、土砂を取り除いてきちんと水さえあれば耕地らしいものにできる、こういうところまでは来年の作付期には間に合うわけでございますか。私はとてもむずかしいのじゃないかと考えておりますが、どうなんですか。
  138. 佐々木四郎

    ○佐々木説明員 いまのところ、おそらく間に合わない部分は他の関連工事——先ほど御指摘のように、たとえば河川関係のほうで相当いろいろ根本的に復旧計画をお立てになるようなも場合もあるわけでございますから、そういうものは短期間の間に完全にできないであろう、そういうもののひっかかりで間に合わないもの、そういうものがおよそ二割見当あるのではないか、こういう意味でございます。
  139. 華山親義

    華山委員 まあ論議いたしませんけれども、実態はそのようではないようであります。とにかく私地方の実情を見ますと、農地関係、建設関係の現場職員は、現在、今日まで一カ月について二百二十時間の超過勤務をしている。実働百八十時間、このような勤務をしている建設省、農林省の御査定もたいへんだろうと思います。もう人力の限界まで来ている。しかし私はできない部分が、いろいろないまの関連的なこと以外にも相当生ずるんじゃないかと思いますが、それはさておいて、取り急いでいただきたいのでございますけれども、先ほどの関連したような問題、その他事実上作付ができなかった農民は、一体来年は何か救済の方法はございますか。
  140. 佐々木四郎

    ○佐々木説明員 万一、そういうようなことで間に合わないというようなことが起こりました場合は、災害復旧工事等がなお行なわれるわけでございますので、就労機会等を与え賃金をもってその被害農民の方々になるべくそういう現金収入の道を与えるというようなことを考えていきいと思います。
  141. 華山親義

    華山委員 農業共済ですね、これは来年作付ができなかった、その場合には、作付しなければこれはできないんでしょう。
  142. 太田康二

    太田説明員 そのとおりでございます。
  143. 華山親義

    華山委員 砂場においても、苗だけ植えてとれなかったということでも、それはないんですか。
  144. 太田康二

    太田委員 御承知のとおり、水稲の共済につきましては、保険契約を結びまして実施いたすのでございまして、具体的にどういうケースになりますか、よく実情がわからないわけでございますが、いずれにしても、正式に保険加入をいたしまして、しかも三割以上の被害がございますれば、保険の事故の対象になるというふうに考えております。
  145. 華山親義

    華山委員 とにかくそれは現在のやり方では、私は意地の悪いことを聞いたようでございまけすれども、農業の共済ということはあり得ない。そして就業の機会でも与えて、作付のできなかったところの農民には救済の手を伸ばす、そういうふうな手しかないわけでございますね、現在は。そうですが。
  146. 太田康二

    太田説明員 作付ができない農家の方につきましては、先ほど佐々木参事官からもお答えいたしたことが一つ考えられるわけでございますが、それ以外にも、そういった被害を受けられた農家の方には、当面の生活資金といたしましては自作農維持資金等がおそらく融通されるんではないかと考えられますので、これは災害対策の一環として考えていいんではないかというふうに考えております。
  147. 華山親義

    華山委員 議論をするわけではございませんけれども、自作農維持資金はことしの被害で来年ができないということから、自作農を維持するための金でございましょう。来年もできなかったときのことを私は聞いておる。そういう農民は一体どうするのかということを聞いておる。具体策がおありにならないようでございますが、真剣にひとつ検討していただきたい。この次にまた私はお聞きする機会があろうかと思います。本人にとってはたいへんな問題だと私は思うわけです。  それから、いま査定をやっておりますけれども、事務的にお伺いいたしますが、これは予備費の支出ということになりましょうが、査定を終わってその査定額でもって大蔵省と交渉をして予備費の額がきまる、こういう順序で農業とか建設のほうはできるわけでございますか、どうなんですか。
  148. 古賀雷四郎

    ○古賀説明員 さような順序で参ります。
  149. 華山親義

    華山委員 それで、厚生省のほうに伺いますけれども、厚生省の罹災者に対する世帯更生資金は、大蔵省との交渉においてはどういう順序を踏まれて決定されるのか、これは予備費で出されるのか、あるいはいままでの経費で出されるのか、予備費で出されるとすればどういう順序を経てこの予備費の支出額というものは決定されるのか、その点を伺っておきたいと思います。
  150. 今村譲

    ○今村説明員 お答え申し上げます。  ざっくばらんに申し上げますと、十二億円、本年度の世帯更生資金の国家資金が予算に計上されております。それは三分の二でありますから、県が三分の一足しますから十八億円、それを予算がきまりますと、四月に大体県のほうに分けます。その場合は、普通の小さなちょこちょこした災害とかあるいは普通の経済変動によるものとかいうものを含めて各県にお配りします。それで、今度のような災害、あるいは室戸台風とかいうような何か大きなものができますと、そのと寺には関係府県に、追加資金要求があるならば至急いつ幾日までに出してくれということを申します。それで県のほうとしては、管下の市町村要望を全部取りまとめまして、知事名で、これこれの追加資金をもらいたい、たとえば三千万ほしい、したがって三分の二でありますから、二千万国庫負担をしてくれ、こういう要求書が出てまいります。私のほうでそれの内容を見まして、大体過去の経験によりまして、どのくらいの規模ならばどのくらい借りたいという人がふえるという実例やなんかいろいろありますので、その辺で加除修正いろいろやりまして、それは予備費要求という形で大蔵省へ持ち込みます。そして大蔵省と話し合いがつきましたところで——もちろんその間に二回、三回の復活折衝をやります。きまったところで、知事に対して、これこれの予備費を支出するというふうな通知をいたします。さようなことになっております。
  151. 華山親義

    華山委員 大蔵省との折衝が終わって、もうその額がきまったのですか。
  152. 今村譲

    ○今村説明員 これは、山形県及び新潟県につきましては、県から知事名の申請書をとって、その間に大蔵省とやりまして、すでに通告をいたしてございます。
  153. 華山親義

    華山委員 現地においては現在査定中でございましょう。現地においては、各市町村等を通じて出てきたところのこの世帯更生資金というものを各世帯ごとにいまきめつつある。そういうふうなものがまとまって初めて予備金支出額というものが決定するのじゃないか、それが財政として当然のことであり、予備費の出方だと私は思うのです。初めからきめておいてこれでやりなさいというのは、私は一般予算と性質が違うと思う。そして現在におきまして——私は、代議士としてそういうことをやっていいのかどうかわかりませんけれども、厚生省のほうにもよくお願いをしておきましたところが、現実には、山形県に関しては、すでにお示しになった額では足りないという実態が出ている。建設なりそれから農業の関係については、全部査定を済まして、そして金が出てくる。こういうことではなしに、あらかじめ何らかのいままでの経験等によって総額をきめてしまって、それを気の毒な人々に分ける、こういうやり方は、私は間違いだと思います。大蔵省当局の御見解を伺いたい。
  154. 今村譲

    ○今村説明員 大蔵省から来ておりませんので、私から申し上げます。  これはいわゆる堤防がこわれたとかなんとかという場合には、建設省なり農林省なり、いろいろ現実の査定ということはございます。しかしこの世帯更生資金あるいは災害援護資金といいますのは一種の融資でございまして、これは個々の家庭について一軒一軒御希望を全部とるということでは非常な時間を食いますので、県には——山形県について申し上げますと、これは二十九年から始まった制度で、すでに貸し付け原資が二、三億——ちょっと追加の数字はわかりません、もう少し多いかもしれませんが、ございます。年々償還する部分が、本年度分につきましては約四千八百万円償還してくる。前年度繰り越しが約四、五百万ある。それから当初に国庫補助千八百万円、予備費約四千万円を含めて、新規貸し付け原資は一律二千七百万円ある。それも踏まえました上で、県の民生部が緊急に関係の各市町村に、どのくらいのものが要るかということで、これは一軒一軒の要望を積み上げたものが出てくるということではございません、借りるか借りないかは個人のいろんな家庭の事情がございますので、県知事のところでその辺の要望を取りまとめまして、厚生省に、山形県はこれだけくれといって持ち込むわけでございます。したがいまして、田畑や堤防の災害の査定問題とちょっと違った融資の問題でございますので、しかもそれは一々積み上げておったのでは非常な時間のロスになって間に合わないということでございますので、従来とも県の民生部長が至急に管下町村のやつをまとめまして、こっちへ推定で持ち込んでくる、その上で大蔵省と話をつける、こういうことになっております。御了承いただきたいと思います。
  155. 華山親義

    華山委員 私は厚生省を責める気持ちはございません。大蔵省のやり方が悪いと思うのでございますが、自分の県のことを言っちゃおかしいのですけれども、おっしゃるとおり、県のほうで各市町村からまとめた数字を持ってきたとおりに出したというならば、これは県のほうなり市町村なりに責任がありましょうが、そうじゃない、これを削っている。そして現実には貸せない、そういう実態が生じている。そういうものでないのではないか。急ぐ急ぐとおっしゃいますが、そのとおりでございますけれども、急げば間違いだって起きる。少なく見込むところもある。要するに正直にやっているところは損をするということだ。厚生省は自分でおまとめになるわけでもない。できるだけきちっとしたもので、少なく出せば損するということじゃないですか。なるほどこれは公正にやらなければいけない、便乗するようなことを排除していかなければいけない、しかし、それを取りまとめた結果が、その県に対して送られたものよりもオーバーしたという場合は、それに伴う当然の施策があっていいと思うのでございますけれども、どうなんですか。もう何ともならないものですか。何ともならないということであれば、罹災者は金の借り方が少なくなるか借りられない人が出てくる、こういうことでございます。どうなりますか。
  156. 今村譲

    ○今村説明員 お答え申し上げます。  私ごとで恐縮でございますが、実は私、山形県の米沢生まれでありまして、水害地のまっただ中でございます。これにつきましては、民生部長に、十分に世帯更生資金のやつは積み上げて持ってきてくれということは事前に連絡してございます。それで端的に申し上げますと、山形県から知事名で要請がありましたのは、貸し付け資金総額は六千六百万くれということでありまして、最終的にきまりましたのは五千九百九万円、したがいまして、約一〇%くらい切れております。新潟県とかあるいは長崎の例なんか申しますと、六千六百万持ち込んできて半分の三千五百万できまった……(華山委員「私、山形県の陳情をしているわけじゃないですから。」と呼ぶ)そういう例があります。それはやはりどのくらい借り受け者がおるであろうという推定が非常にオーバーであったり、あるいはいろいろな希望条件がたくさんあり過ぎているというふうなことがありますので、大蔵省が冷酷むざんに切ったということではございません。  それからもう一つは、県自身でも、山形県でこの災害以外の部分につきましても、約八千万円というものが、新規追加原資とそれから償還部分とについて一般に貸し出し得るものがあるものですから、それもかみ合わせて、さらに追加が今度六千六百万円の要求に対して五千九百万円ということで、合計一億三千七百八十かという本年の貸し付け原資を、要するに一挙に倍にするというかっこうでございますので、その中での融資をやりくりをしてもらいたい、こういうことでいま県と話をしておるわけです。したがって、査定が一切まかりならぬと仰せられましても、これは県の態度とかなんとかいろいろ希望的な観測がありますので、その点ひとつ御了承いただきたいと思います。
  157. 華山親義

    華山委員 いま申しましたが、私、山形児の陳情をしているのではございませんから、ひとつ御了承願いたいと思うのですが、そういうふうなことで、私また山形県のことを言うことになりますけれども、県のほうはやむを得ず県の金をかわりに貸そうとしている。罹災者に対しまして国の配慮が足りないからといってほっておくわけにい九ない。やむを得ないから、山形県が単独で金を出して、そしてそれを返してもらう、こういうことを考えているわけです。そういうことの起きるのは山形県ばかりでは私はないと思うのです。しかし、そういう前例を私は山形県につくらせたくない。全国における例になる。それだから私は言うのです。足りなければ足りないで、大蔵省にもう一ぺん交渉して金を出すということがどうしてできないのですか。その間の事情を伺いたい。あなたは私の後輩のようですけれども、まことに失礼なことを申し上げて何ですけれども、大蔵省に弱いんで、大蔵省に一ぺん言ったから、一ぺん言ったことをまたもう一ぺん言うとおこられるという気持ちじゃないですか。どうですか。
  158. 今村譲

    ○今村説明員 そういう気持ちではつゆさらございません。ただ、最初の六千六n万のものが、五千九百幾らということできまりましたとまにも、そのほかにもいわゆる県の自由に動かし得る七千八百万という新規追加投資の財源がありますので、それも合わせてとにかく運用してくれということで、来年の二月、三月に貸し付けて——一般のものもたくさんありますから、その辺の状況も見て、来年度予算は来年度予算でその辺の埋め合わせをつけることも考えなければならぬかもしれぬと思います。  ということは、災害部分についてのある程度の選別といってはおかしいのですけれども、必要性の確認、それから一般に世帯更生資金は少額でありますから、不要不急というものは決してございませんけれども、どうしても災害が優先するのなら、そっちのほうにワクを振り向けるというような内部の努力をしてみてくれ、こういう話で民生部のほうとしても了承いたしまして、大蔵省なり正式の手を打ったわけでございますから、その後にまた追加要求が出てきた、したがってまた千万円、二千万円ふやしてくれということにつきましては、もうしばらく情勢を見てみないと、私どもとしては一億三千万の融資原資があるわけですから、これは全部災害に回るわけではございませんので、その辺の運用を見ていただきたい、こういうふうに考えます。
  159. 華山親義

    華山委員 もうくどいからやめますけれども、私はそういうふうな罹災者、ことにこのたびの災害地は普通の災害地と違って、先ほどから話が出ていますように、出かせぎに行きます出かせぎ地の本場なんです。たいへんな農山村地帯なんです。一般の従来の経験によってしか律することができなかった、その点におきまして、私は、厚生省のほうも、従来の経験でこのくらいならいいだろうというふうなことで削ったということにも間違いがあったのじゃないかという気もいたしますし、私はどうも、県がそういうふうな前例をとらざるを得ないということは、山形県でこういうことをやったじゃないかというふうなことになって、大蔵省が厚生省の言うことを聞かなくなることをおそれている。そこでもう一度大蔵省にがんばってもらいたい。このことをがんばってくださるかどうか、私は様子を見ておりますから、ひとつお願いいたします。  質問を終わります。
  160. 石田宥全

    石田(宥)委員 華山委員の質疑の問題に関連しまして、先ほど年度の農地の災害が、二〇%程度は明年度の植えつけに間に合わないであろうという答弁があったわけです。新潟県の一部、山形県の一部のように激甚被害地は私はやむを得ないところがあるであろうと考えます。それでそのことについてかれこれ申し上げるわけではございませんけれども、新潟県、山形県いずれもそうでありますが、農地の災害復旧はもちろん、その他の土木関係、建設省関係の緊急工事でありますが、その賃金が一般の賃金より著しく安い。男が九百五十円、女が七百円、こういうことでは、自分のたんぼの復旧であるけれども、とうてい耐えがたいからというので、災害地帯の農民がどんどんと出かせぎに行ってしまう。こういうことであっては、努力をすれば、労働力があれば復旧ができ、植えつけが可能であるところも植えつけが不可能になる。一体この基準農林省大蔵省で指導をしておるのかどうか。ほかの地域と賃金がバランスしなければどこにでも逃げ出しますよ。私はこれは非常に問題があろうと思う。そうして春になって、もう植えつけの時期が来ると、完了しないうちに農地の場合は農民に引き渡す。こういう事情がありますが、その賃金のいわゆる計画設計の段階における指導は本省がやっておるのか、県にまかせておるのか、査定は一体どういうふうに行なわれるのか、私はこの査定にもやはり問題があると思うのですが、実情を聞かせてもらいたい。
  161. 佐々木四郎

    ○佐々木説明員 この災害復旧工事の賃金につきましては、各省協定いたしまして、地域別に定められておるはずでありますし、それによって設計ができておりますから、多くの場合工事は請負工事で行なわれておる、そういうルートで実際の就労者に賃金が入っていくのだろうと思いますが、その協定された金額そのものが、いまお話しのようなことでの数字であるかどうか、私ここに資料を持ち合わせませんのでわかりませんが、その点につきましては、実際の査定で賃金を査定するということはあり得なくて、災害復旧工事の設計そのものについては査定いたしますけれども、賃金を査定するというようなことはないと思います。
  162. 古賀雷四郎

    ○古賀説明員 建設省も農林省と同様、労働省の調査に基づきまして、二月に決定された各省の標準単価を使っております。しかし一時的に、災害地の現状に応じまして特殊な、賃金が上がるとかいろいろな問題があれば、実施の段階において二割五分の範囲内においては各県で処理させております。
  163. 石田宥全

    石田(宥)委員 もう一つ太田参事官に聞きたいと思うのですが、先ほど実は私は非常に時間を気にしておって、さっとなでたばかりにしておりましたけれども、さっき答弁の中で伊勢湾台風その他で部落の集団移転をやったことがあるというお話でしたが、今度の部落集団移転の場合に、農地の復旧の可能なところもあるけれども、たとえば安田町の都辺田部落のように一部落が全滅してしまって、大きな岩石が累々としておって、これはもうとうてい復旧の見込みがないというところもあるわけです。そういう場合に、その農地の復旧費の最高限度額に見合う程度のものを、集団移転をする農家に何らかの形で援助をするというか交付をする、そういう前例もあるやに承っておるわけでありますが、どうですか。
  164. 太田康二

    太田説明員 昭和三十六年の六月の梅雨前線豪雨によりまして、長野県の伊那谷が壊滅的な打撃を受けたことがあるわけであります。この際、当初は農地の復旧というようなことも考えたのでございますが、この地域の住民を集団的に移住させることのほうが人命、財産の保護、そういう見地から適当であるということになりまして、昭和三十七年自治省から集団移住についての予算要求がなされたのでございます。そこで、このための措置といたしまして、農林省のほうに計上いたしておりました農地の復旧が廃工となりましたので、この災害復旧費を移用するということによって処置した例があるのでございます。
  165. 石田宥全

    石田(宥)委員 どうも長くなって恐縮でした。終わります。
  166. 華山親義

    華山委員 ちょっとお聞きするのを漏らしたことがございますのでお伺いいたしますが、先ほどのように川幅を広くする場合、従来はそれが農地、田畑であった。いまでは荒蕪地に化しておるわけです。そういうところを買い上げる場合には、荒蕪地の値段で買い上げるのですか、前からの田畑の値段で買い上げるのですか。
  167. 古賀雷四郎

    ○古賀説明員 被災農地が荒蕪化しているという場合につきましては、原則としましては買収時点における現況で評価の上で買うわけでございますが、実際そこで農地復旧等の作業が行なわれることもございますし、そういった問題を十分考慮して買うようにいたしております。
  168. 華山親義

    華山委員 それから、その堤防の中はそれで解決するわけですけれども、堤防の外でもう何とも農地にならないというふうなところにつきましては、これはほとんど救済の道はないのですね。農地に回復することのできない、そんなことをやっていたのでは採算に間に合わないそういうふうな土地は、もう農民の一生の災害としてあきらめるほかに方法はないものですか。できるならば川幅をうんと広くする意味で買ってしまって、そして川幅でも広くしてやって、水でも遊ぶところにしておいたほうがいいと思うのですが、どうなんですか。
  169. 古賀雷四郎

    ○古賀説明員 河川工事に必要のない土地は、できるだけ土地としての利用価値を高める意味におきまして、われわれとしては買わない方針でございます。ただそれをいたずらに買うことがいいのかどうかちょっと疑問でございますので。
  170. 華山親義

    華山委員 その点は、そういう土地に非常にはんらんが——特に私は新潟県の荒川地区を見たのでございますけれども、もう一望に砂漠のような状態を現出しておる。あの農地を復旧してやるというふうなことはほとんど不可能なのじゃないかという印象を私は受けた。そうすればあそこの農民人たちはこれから何をして暮らしていくのか、流浪するほかに方法がないのじゃないか。あるいはそこを非常にばく大な金をかけて、国が農民の負担なく復旧するという制度でもあるならばこれはいいのですけれども、そういう制度はないように思う。どうですか農林省、そういう制度はありますか。川原になったようなところも国のほうで金をかけて農地に返すということが国の経費でできるのですか。
  171. 佐々木四郎

    ○佐々木説明員 いまお話しのような例では、その災害を受けた土地そのものを復旧することよりも、もしかわりの土地があるならばそういう土地を災害復旧として復旧する、そういうことはできるわけでございまして、いまお話しのような山形県の例で、もし川原になりまして、そういうところがもうとてもなり得ないというならば、その被害農家がそういう希望を出されるならばそういうこともやり得る、こういうことであります。
  172. 華山親義

    華山委員 やり得るといったって金がかかるでしょう。国は農地をただでくれるのですか。
  173. 佐々木四郎

    ○佐々木説明員 これは暫定法の定められたとおりの補助、それから地元負担がある程度かかることはもちろんであります。
  174. 華山親義

    華山委員 その際に困りますことは、その荒蕪地が何の金にもならないということなんです。その土地が金になって、その金でもって国からもいろいろな援助でも受けてよその農地が買えるなら別だが、何にもならない。そういうところの土地というものは国でも買わない。そういうふうなことにつきましてひとつ、私はいまここで御回答を求めることはとても得られそうにありませんけれども、考えていただきたいと思うのです。それは私は山形県のことを言いましたけれども、新潟県の荒川の沿岸はもっとひどいと思うのですよ。その点につきまして、国のほうといたしましても何らかのことをひとつ考えていただきたい。  ちょっと伺いますが、建設省のほうには、私はよく昔から聞くのでございますけれども、遊水地という何か制度がございますか。そういうものが制度といたしまして何かありますか。
  175. 古賀雷四郎

    ○古賀説明員 河川計画上洪水を調節しあるいは遊水すべき土地は国で買収しまして、必要な措置を講ずる予定でございます。従来の河川の形態といたしまして自然に遊水していたというところにつきましては、それが河川工事で必要である土地につきましては買収しますが、それ以外の土地はわれわれとしましてはただいま買い上げの対象にはいたしておりません。
  176. 華山親義

    華山委員 買い上げなくとも災害のあった場合には何かそこについては国のほうが補償してやる、ここはどうしても国の政策として必要なんだから無堤防の地、堤防をつくらない場所にしておこう、ただし災害があった場合には国のほうでめんどうを見ますよ、こういう制度はないのですか。
  177. 古賀雷四郎

    ○古賀説明員 そのような問題は峡谷地帯のたんぼ等において非常に多いわけです。実際河川工事をやればほとんど土地がなくなるといったような土地がございまして、われわれとしましてもその処置に非常に困っているわけです。これも再三大蔵省と協議しまして、むしろ河川工事をやる費用の範囲内で十分安く買収ができればそれでもいいじゃないかというようなことをいっておるわけでございますけれども、現実に予算の総則によりまして工事に必要な土地を買うことになっておりますので、それらの問題も含めてわれわれとしましては十分検討してまいりたいと思っております。
  178. 華山親義

    華山委員 とにかく洪水の出ない土地もありますが、洪水の出る土地、洪水が出れば必ず水びたしになるところがある。なぜ堤防をつくらないのかということを建設省に聞きますと、ここに堤防をつくるとあっちに影響する、こっちに影響する、したがってここには堤防はつくれないのだという。そうするならば、もう被害が予想されている地区なんです。被害のない土地はいいですけれども、被害のあった場合には補償をするから、とにかく堤防なしでもしばらくがまんをしてもらいたい、こういう制度があってしかるべきだと私は思うのです。現在は御研究もないのですね。
  179. 古賀雷四郎

    ○古賀説明員 さような自然遊水地的な大きな土地につきましては、これは堤防で守っていくということにしまして安全な土地にするということで進めておりますが、ただ河川計画上は河川の工事の実施の進捗状況に応じて処置していかなければならぬ問題がございます。その間やむを得ない場合もあり得るわけでございますが、特に私が先ほど申し上げましたのは、山間の狭隘地帯で堤防もできないというところが数多くございます。十町歩のところとかあるいは五町歩の田とか、そういったところがどうしても堤防をやると全部堤防敷地になる。これは買収してしまったほうがかえって安いという土地が多々あるわけでございます。そういった問題につきましては従来から検討を進めて、大蔵省と再三これらの取り扱いにつきましては協議いたしておるわけであります。御指摘もございましたので、さらに一そう検討を進めてまいりたいと思っております。
  180. 華山親義

    華山委員 私の言いましたのはそういう山間じゃないのですよ。もう毎年毎年水にひたるわけです。国で改修なすっている大きな最上川の堤防。その堤防がない。毎年水にひたるわけですね、間もなく引いてきますけれども。それが続いておりますので、そういうところは堤防がつくれないならつくれないで、何らかの救済の措置があっていいのじゃないかと思うわけです。これは間違えて聞いておるかもしれませんが、お話をいたしますが、この間西村建設大臣がおいでになって、県のほうから、遊水地帯としての取り扱いでもしていただきたい、こういうことを申しましたところが、そんなものはないよということで全く一言ではねつけられたそうでありますから、ここで私は伺ったわけです。私のようなものの考え方がないならば、建設大臣のおっしゃったことはもっともなわけですけれども、ないで済まされる問題じゃないと思いますので、新しい制度として、やり方として御考究を願いたい。
  181. 古賀雷四郎

    ○古賀説明員 最上川につきましては、たとえば御承知かと思いますが、大久保地区ですか、そういったところは、われわれとしましては遊水地としまして買収したいというふうに考えておるわけでございます。これで洪水も調節いたしますし、さような措置をしたいが、なかなか地元との具体的な了解が得られないで現在まで至っているわけでございます。決して遊水地構想がないわけではございません。われわれとしましても必要なところには必要な措置を講じてまいりたいというふうに考えております。
  182. 田原春次

    田原委員長 次会は、来たる二十二日十時理事会、十時三十分委員会を開催することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時三十分散会