○村山(喜)
委員 そこで、きのう熊本の寺本知事のほうからこの
委員会において感謝の
ことばがございました。それは厚生省が、特定の地域を限ったところではあるけれ
ども、いわゆる給水をしなければならないような離島については特別の配慮をすることによりまして
災害救助法を適用していただくことになりましたことについてはまことに感謝にたえません、こういう
ことばがございました。そこで私、厚生省の担当課長にお伺いをいたしたのでございますが、それは離島であり、しかもそこの島に水がなくて本土なりあるいは遠方から船舶によって給水をする場合には、これをいわゆる
災害救助法の適用対象として取り上げようということでございます。ところが現実に私が現場を見て回りますと、もう河床はもちろん水はからからでございますから、かれ果てて水たまり
一つも残っていないような地域がたくさんあるのであります。その回りに井戸を掘りましてその飲料水を保健所に調べてもらったら、飲料不適という検査の結果が出たのであります。しかし、初めには自衛隊の給水隊がまいりまして、
災害援助をしてくれました。これも引き揚げました。その次には県知事の要請によりまして、鹿児島市の消防車が応援に来てくれました。これも一定の
期間、一カ月
程度おってくれたのでありますが、これも引き揚げました。そうなってまいりますと、結局その
地区の住民としては、その町村が配給をしてまいります水にたよって生きていく以外にないのであります。したがいまして、東町という町においては、今日までその水運搬のために三百万の経費を投入しております。これはトラックによって輸送をしているのであります。民間のトラックを無理やりに徴用いたしまして、そして給水をさしているのであります。こういうような
状態が出てきているのに対しましては、なるほどその島の中に一カ所だけ水が出るところがございます。そこから時間にして一時間もあるいは二時間もかかるようなところに給水をして回るのであります。船舶によって給水して回ってはおりません。しかしながら、それは離島であり、そのような水を配給して回らなければ生活ができないような実態というものがあるがゆえに、住民を殺すわけにはまいらないのでありますから、そのような応急
措置をとらざるを得ません。そして試みに水があるらしいというところを掘ってみたらこれは飲料不適、私も井戸をのぞいてみました。その掘った井戸を見てみたら、濁って上のほうに油が浮いている。その油が浮いている水を飲まなければならない
人たちがおるのであります。その場合に、その水は飲料不適だから飲んじゃいけませんよといっても、飲まなければ生きていけないので、その役場の給水にたよるかその水を飲むか、この二つ以外にはないのであります。七十日も雨が降らないのでありますから、そういうような実態になるのはやむを得ない。このときに厚生省としては、やはり同じ離島の、しかも牛深という隣の町、これは天草半島に属しますが、ここは同じような土質であり、同じような
条件であるけれ
ども、本土から水を購入したということによって
災害救助の対象になる。こちらのほうは離島であるけれ
ども、島の中に水が出て、それをトラックで運んだからそれについては
災害救助法の対象とはしない。この点については、私は、問題があり過ぎるのではなかろうかと思うのでありますが、これをどういうふうにされるか、前向きの形で私はお考えを願いたいと思いますが、御
答弁を願いたいのであります。
それと、ここには文部省
関係の力もお見えでございますが、今日まで触れられていない問題であります。現にそういうような島々におきましては、学校給食は行なうことができません。水がないからであります。かろうじてミルクの給食を行なっているところも二、三はありますが、ほとんど大部分のところはその学校の水さえもございませんから、結局子供たちは水筒を背負って学校に出てまいります。そしてからになった水筒を帰りには背負って帰るのであります。こういうところにおいては運動会ももちろんできません。あるいは私が見てみたら学校の井戸は水が一滴もありませんから、川底を掘りまして、川底に水を見つけまして——そこは一ぺん水が来たら完全に水没するのであります。しかしながら、水をくみ上げて飲まなければならないという子供たちの生命の訴えに対しまして、PTAが三十五万円ほど金を出して川底に井戸を掘り、そこからポンプアップをして学校の子供たちが飲んでおります。こういうような問題に対しましては、これは
災害対策全般の問題として教育上起こっている問題であります。高等学校の授業料については、県のほうでそういうような
災害を受けた者に対しては免除いたしております。しかしながら、小中学校についてはそのような
措置をとりながら、子供たちの健康を守っているこういうようなものに対しましては、今日の国民の生活と子供たちの命を守るという立場から、厚生省なり文部省というものがもっと積極的に手助けをしてもらわなければならないのではないか、こう思うのでありますが、これに対しましては、ほとんど
対策が立てられていないように私は思うのでありますが、どういうふうにしておられるのか。
時間がございませんので、そのほかの問題にもちょっと触れておきます。これはまだだれも触れておらない問題であります。
救農土木事業の中において、私はため池の改修も必要だろうと思います。そして新しくつくってやるということも必要だろうと思います。しかし、さしあたって出稼ぎに行かなくても、何とかしてその土地で農業生産を守りながらやれる
状態に持っていくというのが救農
対策であろうと思うのであります。その立場から考えるならば、今度の干害によって、雨が降らないのでありますから、松の樹勢が衰えました。樹脂が出ません。マツクイムシにやられた穴を防ぐ力もない。そこにから台風の二十二号が吹いてまいりました。だから海岸ばたの松はほとんどマツクイムシによって赤くなっております。ところが、いままではこれが放置されてきました。農林省の補助単価は一日にわずか六百円であります。六百円では人が集まりませんから、今度県のほうで三百円ほどつぎ足しまして、九百円で仕事をやらしております。九百円の賃金収入が得られるというので、農民たちはその仕事に毎日のように出ております。ところがマツクイムシは鹿児島県だけでも五億円の
被害を与えておりまして、各地に広がっておる。こういうものに対するところのいわゆる生活
資金的なものを考えてやるというのが、私は救農土木事業の第一歩でなければならない、こういうふうに考えております。そういうふうな立場から対処を願いたいと思うのでありますが、いかがでありましょう。耕して天に至る、山の上に木がない、水源病毒林がない。下のほうにミカンをつくってみても、ミカンが干害にあうのはあたりまえであります。私は、今度干害
地区を回りましたときに、全町あげて構造改善事業をやる、三十七億の仕事をやるという地帯に行ってみました。ここも水稲がやられております。あなたの町は今度の干害によって、このミカンの造成地については薬剤を散布するだけの水槽だけでなしに、かんがい用の水槽まで考えて設計をしておりますかと聞いてみましたら、残念ながらそこまでは計画をされておりませんということであります。これではせっかくの干害の教訓というものが、今後の構造改善事業に生かされていないという証拠になる。だから、この問題を今後皆さん方が構造改善事業として新しい構造政策基本方針に基づいて仕事をやられる立場をとられるならば、当然そのような立場から営農指導というものをやってもらわなければならないかと思うのでありますが、この点については
意見として申し上げておきます。
最後に、私は
一つの農協の例を申し上げますと、出水郡地方という西五カ町のその地帯におきます干害で、農作物の
被害の半数四八%がやられておりますから、そこにおいては信用、購買、販売の三つの部門において、農協の経営は全く暗礁に乗り上げました。農協の従業員の賃金を切り下げるか、あるいは首切りをする以外にないという事態が生まれているのであります。私も島の実態を調べてみましたら、島は小さな農協でございますから、自己
資金が五千万円しかない。制度
資金として借りているのが四千九百万、その中において三千四百万円を営農
資金として
貸し付けているけれ
ども、それが回収もできないし、いわゆる購買の上においては未収になる掛け売りだけが増大をしていく、販売の面においては米は収穫は九〇%ゼロ、イモも八〇%はゼロという事態でありますから、何らの収益がない。信用
貸しという信用部門においては、転貸
資金を中心にして
運営をしなければなりませんから、利ざやというものはほとんどありません。こういう中においては当然
運営資金という問題について考えてもらわなければならない事態が生まれていると思うのであります。ところがこれについての要望というものはいまだ聞いたことがない、商工会についてもそうであります。そういう激甚災を受けるような地帯においては、農民が購買力を失いますから、商工会の経営
資金というものは払底をしているのであります。私が島に参りまして、島の商工会長と会いましたら、営農
資金が干害
資金として六千万円
程度は必要である、この
運転資金を五年間ほど借してもらわなければ、私たちはやっていけませんという深刻な話を聞いております。こういうような問題についても、やはり干害
対策の波及的な
影響として出てきている問題である。このことをやはり十分考えて、総合的な政策というものを立ててもらわなければ、ただ農林省の施策だけで問題を解消しようというだけでは、今度の干害
対策の解決はできないと思うのであります。そのような意味において、私
意見とともに質疑を申し上げたわけでございますが、先ほどのそれぞれの質問に対する御回答を承りまして、私の質問を終わらしていただきます次第であります。答えてください。