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木村(武)
委員 その
降雪期なんですが、十二月になったらだめなんです。十一月になってもだめです。十月の末には雪が降ってしまいまして、そして
交通が途絶する危険のある場所なんです。それですから、私はそれをおそれるのです。そこのところは十二分に——私は
小国に出入りすること五十年、電灯のつかない時代から、汽車の通らない時代から
小国には出入りしておりますから、
小国の地理的条件というのは私が一番よく承知しております。国鉄がどうおっしゃいましても、建設省がどうおっしゃいましても、私くらい知っておる者はおりません。そうでありますから、十月の末になりましたならば雪が降りまして、どうにもならないような
小国になってしまう。それをどうか考慮に入れて
鉄道工事というものをやってもらいたい。それからかりに
小国の町まで汽車が通ったといたしましても、
小国郷は細々ながら食うことはできますけれ
ども、いまの
小国は壊滅してしまうのです。それは東芝電興の工場経営がもてないのであります。東芝電興の工場経営が確保できないということになってまいりますと、
小国というものは、四十年前の昔のほんとうの山間僻村に返ってしまうのであります。それもどうか考慮してください。こういうことであります。
そうでありますから、私はこの際特に運輸省にお願い申し上げたいのは、
鉄道は思い切ってどうか十月一ぱいまでに完成してもらいたい。
小国まで完成するようにしてもらいたい。そのようなことができない国鉄じゃないはずなんです。あれだけのりっぱな国鉄であって、全国に組織を持っておる国鉄であって、あそこも動員した、ここも動員したとおっしゃいますけれ
ども、その程度の動員で、そして行政が全うしたと言うことができますかどうか。そんなことではないのです。どうか雪が降るまでの間に、十月一ぱいまでに国鉄は
小国にまで通るようにしてもらいたい、こういうことなんであります。
それから建設省にお願いしたいのは、かりに国鉄が
小国まで通りましても、残念ながら三十年かかって建設いたしました
小国というものは壊滅してしまうのであります。やはり
道路もこの際は確保しておく必要がある。冬の期間、
道路も通るという状態をつくっておってもらう必要がある。そうでないと、せっかく
山形県が全知全能を集めて建設いたしました
小国郷がつぶれてしまう。それだけでなく、
山形県全体の希望がそれでこわれるのです。
小国郷を見習え、農村地帯に工場をつくれば
山形県全体というものが発展できるのだという、その大きな希望というものがこわれてしまうのでありますから、どうか
小国郷の建設には
全力を尽くしてもらいたい、こういうことを私はお願いしたいのであります。
道路も確保してもらいたいということなんであります。
鉄道はどうか十月一ぱいまでにやってもらいたい、
道路も確保してもらいたい、これをお願いしたいのであります。幸いにも今度の工事は国の直轄工事でしてくださるそうであります。ありがたいことなんであります。とても県じゃできません。県ではできませんから、国でやってもらいたいのであります。
それからもう一つなんでありますが、
最上川が御承知のようにはんらんしてしまいました。上流がめちゃくちゃになってしまいました。日本の三大急流の一つであった
最上川がああいうようにあれしてみると、もう昔の
置賜地方を置賜の住民が思い出してしまって、お先まっ暗になってしまったのであります。もう一ぺん希望を持たしてもらいたい。それには急速に
最上川の堤防は融雪期までにつくってもらいたいのであります。建設大臣がおいでになりました
関係上、堤防の工事などは翌日七カ所も施工に入りまして、例年にないような働きぶりで、この点は感謝いたしておりますけれ
ども、まだまだ足りないのではないかという飢持ちがするのであります。私はその点で非常に心配いたしますのは、これから農繁期に入るもんでありますから、
地方で人夫を集めるということが困難になってきはしないか。その農繁期が終わりますと、出かせぎの時期に入ってしまうのであります。特にこういうような状態になりますと、出かせぎに行って金を持ってくるという切なる気持ちのほうが家族的にみんな強くなってまいります。さて仕事をしようといたしましても、人手不定になる危険が多分にある、そして融雪時を迎えて、そのためにまた洪水、こういうことになってまいりますと、もう
地域的にはめちゃくちゃになってしまいますから、それに対する
対策は、非常手段でお臨みにならないと私はできないような気がするのであります。尋常一様の在来ありきたりの手段であったならば、その
対策はできないような気がするのであります。非常手段でもやってみるのだという御決心を建設大臣がお持ちになっておりますかどうか、お聞きしたい。