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岡本(隆)
委員 その
委員の顔ぶれは学識経験者や産業界の代表者だ、こういうことでございますが、これは阪神の産業界の人が多くて、
京都の人が入っておりましても、きわめて少数であると思います。
京都の人を中心にした
委員会、
審議会というふうなことなら、それは公正さを欠くと言えばそれは言い得るかもしれませんが、しかしながら、水をきれいにしてもらいたいという側の、阪神側の人たちが相当入っておられる
審議会、とすれば、これは公正な立場をおとりになるのが当然の成り行きであると思います。しかしながら、そういうことになれば、財政力の貧弱な、早くから下水道
事業をどんどんやりたくても、どうにも財政難で困っておるという京
都市にとっては、きわめてシビアーな
結論、こういうことになってくるのもやむを得ないと思うのです。だから、いまおっしゃるような
方針が出てまいったのでございますが、それに対して
京都の産業界並びに京
都市から、それではどうにもやっていけません、こういう声が出てまいりまして、何回かあなたのほうへも陳情に行っているはずだと思うのです。それで、いま日量百トンとおっしゃいますが、百トンといえば、ちょっとした染めもの工場だったら、洗うのにはどうしても要るのですね。いま一番対処に困るのは染めもの業なんです。
京都は、御
承知のように染色が相当大きな産業の比重を占めておる。その染色業がみな中小企業ないしは零細企業ですね。そうして従来から小さな規模のところでやっておる。それが相当の色のついたのりを出すわけでありますから、相当水の使用量を高くするわけであります。したがって、これは染色業にとって大きな死活の問題である、こういうように騒がれております。ことにあなたは、既設の工場でも
——それはいわゆる整備区域のなにであればようございますが、整備区域外の既設工場で百トンまでは認めているのだ、こう言われますが、しかしながら、染色はずいぶん洗うのに水を使うのですから、百トンぐらいそれは簡単に使うのですね。しかもいまの整備区域でない
地域、それは桂川
沿岸——桂川
沿岸は整備区域外なんです。ところが、桂川
沿岸にたくさん染色業者がおるのです。昔から桂川で染めものを洗っている写真が雑誌なんかにも出ておりましたが、桂川の
沿岸区域、右京の方面にそういう染色業者が相当おる。しかも、そういう
地域は、今度近畿圏整備法によるところの近郊整備区域ですか、工場をそこへ誘導していくわけですね。だから、市内の込んでいるところからそういうところへ工場を持っていかなければならぬ
地域である。そうすると、それは新増設になるのですね。それがまたきびしい制限を受けるということになると、近畿圏整備法によるところの工場の疎開もやれない、こういうことになってまいりまして、京
都市としても非常に困っておる。だから、この点についてはもう少し京
都市の要望を
取り入れたものにしてもらわぬと困るということをやかましく言ってきております。明日ですか明後日あたりに京
都市の産業界の代表が出てまいりまして、議員会館で相談してまた陳情に行きたいというふうなことも申しておる模様でございますが、これはいまの学識経験者がきめたのだから、産業界の代表がきめたのだからというが、それは京阪神の代表であって、京
都市の立場というよりも、むしろ水をもらう側の
——もらうというと語弊がありますが、下で受け取る側の人のほうで、水をきれいにしてもらいたいという人が大ぜい入っておる、そういう
審議会で出た
結論が京
都市にとっては相当シビアーなものであることは間違いないと思うのです。だから、それについてあなたのほうで何かもう少し緩和するか、救済措置を考えるか、あるいは、これは
都市局長のほうにお願いすべきことですが、京
都市にうんと下水道の補助率を高くしてもらって、しかも補助
対象も広げて、京
都市全域にわたるところの早急な下水道の完成をやらせる。そのためには、たとえて言えば、いま
計画区域だけについて五カ年
計画が立っておりますね。しかしながら、その
計画区域でなしに、京
都市全域について五カ年とか七カ年とかいう
計画を早急に樹立させる。こういう二つに一つの
方法をとっていただかなければならぬと思うのであります。
これは
都市局長にお伺いしますが、そんなに早く京
都市全域に下水道を完備させるということは国のなにとしても困難なんでしょうか。