○田中
説明員 国内用の米の麻袋の包装につきましては、三十六年から農村の包装の学力
事情等の問題もございまして、その年から硬質米地帯について麻袋の使用を認める、また二年を置きまして軟質米地帯にもその麻袋の使用を認めておるわけでございます。
包装全体について食糧庁の
考え方といたしましては、俵、かますが従来の包装であったわけでございますが、農家の労力
事情の
実態とかあるいは農家の需要の
実態等からいたしまして、この際麻袋もそれから紙袋も認めるべきであるということで、三十六年から踏み切ったわけでございます。その際におきまして食糧庁の基本的な態度といたしましては、実はあくまでも、農家の包装の選定につきましては農家の選択性にゆだねるということでございまして、農家の選択性にゆだねると申しましても、
個々の農家の
要望を取りまとめるのは、いわば農協とか、そういう集荷指定業者がまとめるわけでございまして、そういうところで一応農家の意向をまとめて、そうしてまたどういう包装を使うかというように現在なっておるわけでございます。その場合におきまして、麻袋につきましては、先ほ
ども実は申し上げましたわけでございますが、確かに
先生が御指摘になりましたように、麻袋につきましては、そのやり方につきましていろいろ
関係機関が非常に
関係いたしておるわけであります。たとえば、麻装を使いましてその米を米屋さんに売ります場合に、お米屋でも発生をいたします。また麦を入れて製粉屋に売れば製粉屋でも発生をいたします。その麻袋を現実に使うということになりますると、国内の米麦につきましては一年一作の作物でございますので、その間市場流通がずっとその米屋の段階においては絶えず発生をしておる。それを年間にまとめてでき、秋に、米の時期に、たとえば一、二カ月の間にこれを使用するだけの数量を取りまとめなければならない、こういうことがありますので、やはりそれに携わるところの中間的な
機関、
関係機関が必要になってくるわけであります。もちろん農協とかあるいは全販連を中心として、そういうプール的なことをやればこれは別でございますけれ
ども、何ぶんにも農協系統団体はある時期に、でき秋の前に一括してこれを引き取ってすぐ農家に渡す、こういう仕事が本命になっておるわけでございますので、当然その修理もしなければならぬ、長期にわたって保管もしなければならぬということにつきましては、やはり中間のいろいろな諸
機関がそこに介在するわけであります。
そこで、先ほど私申し上げましたわけでございますけれ
ども、麻袋につきましては、新麻袋一本ですべて割り切りますと、これは一番簡単でよろしいと思います。一度使ったものはもう政府は米麦の包装には使う意思はないのだ、こういうことに踏み切りますと、これは非常に簡単にいくわけでございます。いまの俵、かますと同じになるわけでございますが、何ぶんにも麻袋は包装容器としましては、くどいようでございますけれ
ども、反復使用するということが麻袋の経済効率につながるわけでございます。また、そのこと自体が食管の特別会計にも寄与するということになっておりますので、まず一回使っただけではこれはもったいないということで、また翌年の米麦にも使いたいということを意図して、できるだけできた古麻袋を優先して、先ほ
ども輸入食糧の場合に申し上げましたように、新袋をやっぱり後選的な形にするほうが食管特別会計としては有利になるわけでございます。そこで古麻装の流通についていろいろ各種の
機関が介在するわけでございます。
そういう
意味におきまして、私のほうも単純化が望ましいとは思っておりますけれ
ども、また一面、新麻袋だけで問題を処理することは、古麻袋を使うより食管会計にどうしてもよけいな負担になることがありますので、その辺のかね合いを見ながら、今後実際包装用の麻袋等についてどういうぐあいに持っていったらいいかということは、私
ども実は悩んでいるわけでございますが、現段階においては、食管会計の面から見まして、やはり古麻装を極力経済効率的に使うことが望ましい。そのためのいろいろな各団体間の調整とか、あるいは、農業団体がこれを買い受けるわけでございますので、そういう面においての調整をはかっていくということを
考えているわけであります。
ただ、その場合におきましても、中間の
機関が必要以上にそういう諸
経費を自分のものにするというようなことは、これはもう絶対に避けなければならぬと思っておりますが、何ぶんにも最近包装用麻袋の使用率が非常に逐年増加してきておるわけでございますので、非常にむずかしい問題ではございまするけれ
ども、そういうことについて極力私
どものほうとしましても、同じ古麻袋を使うにいたしましてもその
経費が最小限度に済むように業界の
指導を特に強くやってまいりたい、こういうように
考えております。