運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1967-08-01 第56回国会 衆議院 運輸委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    国会召集日昭和四十二年七月二十七日)(木 曜日)(午前零時現在)における本委員は、次の 通りである。    委員長 内藤  隆君    理事 大久保武雄君 理事 進藤 一馬君    理事 福井  勇君 理事 古川 丈吉君    理事 細田 吉藏君 理事 井岡 大治君    理事 久保 三郎君 理事 河村  勝君       阿部 喜元君    小渕 恵三君       大竹 太郎君    木部 佳昭君       徳安 實藏君    中川 一郎君       原 健三郎君    福家 俊一君       堀川 恭平君    水野  清君       山村新治郎君    板川 正吾君       小川 三男君    神門至馬夫君       内藤 良平君    野間千代三君       米田 東吾君    渡辺 芳男君       山下 榮二君    石田幸四郎君       松本 忠助————————————————————— 昭和四十二年八月一日(火曜日)    午前十時三十三分開議  出席委員    委員長 内藤  隆君    理事 進藤 一馬君 理事 福井  勇君    理事 古川 丈吉君 理事 細田 吉藏君    理事 井岡 大治君 理事 久保 三郎君       阿部 喜元君    小渕 恵三君       徳安 實藏君    中川 一郎君       福家 俊一君    堀川 恭平君       小川 三男君    神門至馬夫君       米田 東吾君    山下 榮二君       石田幸四郎君    鈴切 康雄君       松本 忠助君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 大橋 武夫君  出席政府委員         運輸省鉄道監督         局長      増川 遼三君         運輸省航空局長 澤  雄次君         自治省財政局長 細郷 道一君  委員外出席者         運輸省港湾局長 佐藤  肇君         運輸省自動車局         業務部長    蜂須賀国雄君         建設省道路局次         長       吉兼 三郎君         専  門  員 小西 真一君     ————————————— 八月一日  委員石田幸四郎君辞任につき、その補欠として  鈴切康雄君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  国政調査承認要求に関する件  陸運に関する件(南海電鉄列車衝突事故及び都  市交通に関する問題)  航空に関する件(新東京国際空港に関する問  題)  港湾に関する件(はしけ運送事業に関する問  題)      ————◇—————
  2. 内藤隆

    内藤委員長 これより会議を開きます。  国政調査承認要求に関する件についておはかりいたします。  運輸行政の実情を調査し、その合理化及び振興に関する対策を樹立するため、  一、陸運に関する事項  一、海運に関する事項  一、航空に関する事項  一、日本国有鉄道経営に関する事項  一、港湾に関する事項  一、海上保安に関する事項  一、観光に関する事項  一、気象に関する事項 について、本会期調査をいたしたいと存じます。  つきましては、衆議院規則第九十四条により、議長承認を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 内藤隆

    内藤委員長 御異議なしと認め、よって、さよう決しました。  なお、議長に提出すべき国政調査承認要求書作成及び手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御了承願います。  それでは直ちに手続をとらせていただきます。      ————◇—————
  4. 内藤隆

    内藤委員長 陸運に関する件につき調査を進めます。  去る七月二十四日の南海電鉄列車衝突事故概要について説明を聴取します。増川鉄道監督局長
  5. 増川遼三

    増川政府委員 資料を配付申し上げておりますので、それをごらんになりながらお聞き願いたいと存じます。  七月二十四日、南海本線箱作駅構内発生いたしました列車衝突事故の概況につきまして、御説明申し上げます。  当日十九時二十五分和歌山始発堺行き第八〇二二貨物列車が、箱作駅三番線に三分延の二十時二分に到着いたしました。同駅構内で入れかえ作業中、難波十九時二十二分発和歌山行き急行第一九〇三列車が同駅に進入してまいりました。そうして衝突したのでございます。急行列車前部運転台を大破いたしまして、前部二両が全軸脱線貨物列車電気機関車及び有蓋貨車も全軸脱線いたしました。  この事故によりまして重傷六名、軽傷八十九名、微傷四十三名、合計百三十八名の負傷者を生じましたが、直ちに負傷者の救急につとめ、全員もよりの病院で手当てを加え、現在三十二名が入院加療中でございます。また現地は翌二十五日朝四時十分に、上下線とも開通をいたしました。  本事故原因は、急行列車信号無視と判断をされますが、目下詳細調査をなお進めておる次第でございます。  この事故に対しまする措置といたしましては、事故発生後直ちに陸運局現地調査を命ずるとともに、本省からも事故調査担当官を派遣いたしまして、事故原因の究明に当たらせております。また陸運局長に対しまして、運転関係従事員の再訓練ATS設置促進等につきまして徹底するよう通達いたしますとともに、南海電鉄に対しましては、二十七日から特別監査実施いたしました。  南海電鉄に対しましては、当省の運転車両課長を長といたします特別監査班を派遣いたしまして、特別監査実施したわけでございますが、主要な点を申し上げますると、次の六項目につきましてとりあえず改善するよう指示いたしました。なお詳細を検討した上で、もっと詳しい具体的な通達指示する予定でございます。  要点を申し上げますると、第一が服務規律教育訓練徹底。第二は作業基準改善。第三は自動列車停止装置早期完成。第四が停車場配線等の改良。第五は踏切道整備。第六、運転保安工事計画の繰り上げ実施、以上の点につきまして口頭で改善指示をいたした次第でございます。  以上でございます。     —————————————
  6. 内藤隆

    内藤委員長 質疑の通告がありますので、これを許します。井岡大治君。
  7. 井岡大治

    井岡委員 この事故でけがをなさった方々に対して心からお見舞いを申し上げると同時に、南海電車はこの前も事故が起こって、この間もまた同じような事故が起こっておるようです。何かしら弛緩をしたと申しますか、どこか抜けているところがあるのじゃないか、こういうような気がしてならないのです。  そこで一点だけお尋ねをいたしますが、貨物列車がおくれて入ってきた、そうしたら、そのあとに急行列車が来ることがわかっておるわけです。その際に駅の処置はどういう処置をとっておったか。この点をお尋ねいたしたい。
  8. 増川遼三

    増川政府委員 通常の、正規のダイヤどおり列車が到着いたしますれば、次の当該急行列車通過するまでの間に約十分ばかり間があるわけでございますので、その間に入れかえ作業をやるという形になっておるのでございますが、これが貨物列車の三分延ということで、七分の余裕しかなかったわけでございます。したがいまして、通常の入れかえ作業をやっておりますれば約三分ばかりこの作業時間が足りないわけで、その間その作業を続けますれば、急行列車通過支障を来たすような作業ダイヤになっておったわけでございます。その点は駅側におきまして十分注意して作業を進めるようにすべきが当然であったわけでございますが、この点につきまして、当方から派遣いたしました特別監査員調査によりますと、その点につきましては非常に作業面監督あるいは駅長の指示というものが適切を欠いていたのではないかというふうに考えるのでございます。なお、詳細に現在報告書作成中でございます。これによりましてあらためて御報告申し上げたいと思います。
  9. 井岡大治

    井岡委員 局長答弁を聞いていると、何かもたもたして、この列車がおくれたのと少しも変わらぬような答弁のしかたです。十分要するものを三分おくれて七分で作業をやったのかやらないのか、ここが問題だろうと思うのです。できないことがわかっておってやらしたということになると、信号無視という推定をなさっておいでのようですが、駅の処置それ自体に大きなあやまちがあるのじゃないか、こう思うのですが、この点どう思いますか。
  10. 増川遼三

    増川政府委員 貨物が入れかえ作業中で、当時のポイントを見ますと、貨物線のほうにポイントが切りかえてございました。当然、そこに入ってきますれば側線に入るかっこうになっておりますので、したがいまして連動いたしております信号は当然赤になっているはずだったわけでございます。これを急行列車運転士が見誤ったというふうに判断されるわけでございます。その点は多少駅側におきましても、急行電車というものは優先的に通すべきであって、貨物列車はその合い間を縫って作業が十分できるはずと考えられますので、この点につきましては、駅側におきましても入れかえの手順というものを改善すべきではないかというふうに考えるわけでございます。直接の原因といたしましては、急行電車のほうの信号の見誤りということでございますけれども、その前提といたしまして、駅側作業というものにも欠陥があったというふうに見られるわけでございます。
  11. 細田吉藏

    細田委員 ちょっと関連して。先に伺っておきたいのですが、現地へ行かれた人、きょう見えておりますか。
  12. 増川遼三

    増川政府委員 来ておりません。
  13. 細田吉藏

    細田委員 いまの話、もう少し詳しく聞いてもだいじょうぶですか。もしそうでなければ見てきた人でないとぐあいが悪いと思うのですがね。こういうことなんです。信号無視があった。これはもう運転士が悪い。これは大体原因がはっきりしておる。そうであろうと思うのだが、問題は、三分くらい貨物列車がおくれることは、そう非常に大きなおくれであるわけでもない。大体三分おくれたためにこうしたことがあるとすれば、しばしばそういう急行がとまるというような事態が起こっておらなければならぬはずだと思う。あるいは箱作の駅というのはあまり入れかえがないということなら別ですが、ぼくは駅は知りませんが、常時列車の入れかえ作業があるかどうかということも伺わなければならないが、これは駅の作業というか、先ほど監査の結果に基づいていろいろ作業ダイヤ検討その他をやられるというのだが、それはいまおっしゃったことだけが理由であるとするならば、これはほかの駅についても相当怪しいものがあるのじゃなかろうかという感じをわれわれとしては受けざるを得ない。これは、信号無視さえしなければ事故が起こらぬことはよくわかっておるのだが、一つ間違うと急行列車がこういう正面衝突をするというような事態に至るということは、非常な危険な状態が常時ある。ですから、事故のことですから、二重、三重に、要するに安全の見地からいろいろな点が考えられなければならぬと思うのだが、いまの御説明だけですと、しばしば急行列車がとまっておるのかどうか。  それから、いまおっしゃっただけが原因であれば、ほかの駅にも何か私はあるのじゃないかという感じがするのですよ。そこで私はさらに言うと、この入れかえ作業そのものが実は多少もたついたり、いろいろ怪しいのじゃないか。怪しいというといけませんが、やはり何か少し平素の作業と違ったりいろいろしたのじゃなかろうかとさえ実は思われる。常時いまおっしゃっただけのことでやっておるとすると、これは私は非常に根本的に考えなければならぬ問題があると思う。もちろん監査の結果そういうふうにお考えになるのかもしれませんが、こういう点について、もしあまりはっきりしたことが言えなければ、行かれた人からじかにもう少し専門的にお答えいただきたいと思います。ほかの駅にもあり得ると思う、こういう作業ダイヤを組み、こんなあぶないことをしておっては。ということでございますから、御答弁はきょうできる範囲のことでけっこうです。ただ思いつきの答弁や何かは要りません、聞いても同じことですから。やはり専門的にお聞かせをいただきたい。その結果によっては相当重大なる改善を加えないと、これはたいへんなことになるという感じがするものですからお尋ねをいたします。
  14. 久保三郎

    久保委員 ちょっと答弁の前に、あわせて。いまのお話関連して、閉塞というか、そういう方式はどういう方式でこの線はやっておられるのか。  それからもう一つ。いまの御説明もあわせて考えれば、当然隣の駅を急行列車通過なり発車をしたという連絡がその箱作の駅にもあると思うのですが、停車場構内配線あるいは信号機建植位置、こういうものから考えれば、当然本線から貨物線へのポイント定位に直して本線に切りかえるのが定石だと思うのです。隣の駅を急行列車がとにかく出ているのでありますから、出た列車を場外にとめて入れかえが可能なような配線ではないと思うのです。そうだとすれば、当然さっき申し上げたように、定位に直すのが理屈に合うやり方だと思う。そういう点はどうかと思いますので、あわせてお答えをいただきたい。  それからもう一つ監査をしたというのは、この四月の監査のときには、踏切というか、そういうものを重点監査したのだろうと思うのであります。今度はまた、実際の事故原因である運転士の執務なりあるいは訓練というか、そういうものを重点考えておられるようですが、それもたいへんけっこうだと思うのですが、今度の事故原因に直接、間接に関係するものだけを監査の対象にしておるようでは、残念ながら私はうまいことにはいかぬと思うのです。この際全体を監査しなさいと言いたいのです。それから、可動施設であるところの車両点検、あるいは制動装置なりそういうものの必要もあるし、あるいは線路施設もあるだろう。すべてに対して私はこの際点検をしたらどうかと思うのです。
  15. 増川遼三

    増川政府委員 このたび派遣いたしました監査におきましては、当該事故地点のみならず他の各駅、操車場等につきましても相当手広く視察をさせて監査に当たらせたわけでございます。この点の報告によりますと、単に当該駅だけではなくて、他の駅あるいは現場等におきましても、やはり服務規律あるいは教育訓練徹底を欠いておるというような点が相当見受けられたとのことでございました。したがいまして、これは根本的に会社全体についての注意を喚起し、改善方徹底する必要があろうかと考えておるのでございます。すなわち服務規律教育訓練につきましては、運転関係従事員服務規律徹底教育訓練の強化に足りない面がやはり相当見受けられるようでございます。社内の各教育関係部署を密接に連携させる必要がある。それぞればらばらな教育訓練というような形になっておりまして、それを一つ指揮権のもとに統合した、連携を保ったものである必要があろうかと考えております。  それから作業基準につきましては、列車区及び駅の作業内規作業基準内容等が順序立っていない点が見受けられたのでございます。また各種の内規基準等表現方法にもあいまいな点が見受けられまして、これの解釈の相違によって現場の実作業徹底を欠いておるというものも見受けられた次第でございます。  それから停車場配線等につきましては、到着列車本線引き上げを必要とするような停車場、それから貨物列車発着線貨物積みおろし場との本線路をまたがった両側に分岐しておるというような形の停車場もあるわけでございます。こういったものがありますと、本線通過に非常に支障を来たすということはダイヤ上明白でございますし、事故を起こしやすい形になっておるということでございます。こういう点につきまして、配線列車等運転取り扱い等につきましても、改善すべき点が多々見受けられております。  また、ついでに踏切道整備に関しましても見させてきたのでございますが、四月に事故がありました踏切道につきましては、通行規制という点と、それから踏切道自体の簡易舗装的な作業というものは実施してございましたが、当該踏切道路はかつて町道でありましたものを県道に引き上げまして……(久保委員質問したことに要点だけ答えてくださればよいのです。」と呼ぶ)そういうような措置をやっていったのでございます。なお今後とも急速に整備する必要があるように思います。  大体以上のようなことで、後日詳細なる御報告をさしていただきたいと思います。
  16. 井岡大治

    井岡委員 四日の日にこの問題でほかの委員諸君から詳しい質問があるはずでございますけれども、私はいまの答弁を聞いておると、何かしらどうも言いわけをしておるような気がしてならないのです。そこできょうはこの質問はやめますけれども、この駅の略図をひとつかいて、次の機会に出していただきたい。と申しますのは、いま同僚の細田君なり久保君から質問がありましたように、信号位置あるいは停車の前の駅で急行発車をしている、このことはわかっておるはずです。そういたしますと、ここまで何分で来るということ、これ自体ダイヤではわかっているわけです。そこで三分というものがいかに重要かということはわかるはずです。それに対して何らの処置が講ぜられていなかったとするならば、これは単に運転手信号無視の問題だけでなくて、私はかなり大きな問題があると思うのです。したがってこれらの問題については、もう少し監査をされました詳細の報告をいただくと同時に、これについて略図を出していただきたい。私は、これは単に箱作の駅だけではなくて、ほかにもこういう個所があるのではないかというような気がしてならないのです。そういたしますと、箱作だけを責めてみてもこれは何にもならないことになりますから、十分この点を参考にいたしたいと思いますので、ぜひ出していただきたい。このことをお願いしておきます。
  17. 細田吉藏

    細田委員 関連でございますから簡単にいたしますが、先ほど私がお尋ねしたようなことは四日の日に、これはなるべく行かれて見てこられたような人、監査された人からいろいろ伺うことにしたいと思いますが、全般の問題として私ども非常に心配しなければならぬことは、こういう点じゃなかろうかと思うのです。  私鉄貨物をやっておる、こういうところですね。これはやはり相当警戒を要すると思う。なぜかといえば、これは旅客電車の本数がふえる、スピードアップをされる、全体としてそういう傾向にあるわけだ。ところが貨物を併用しておる私鉄におきまして、おそらく南海もそうだと思いますし、東武なんかもそうだと思いますが、非常に旅客電車がふえ、スピードアップしておる。しかし設備は旧態依然である。そういうところで、いろんな方面に無理がかかってきているのじゃないか、こういう心配が当然あるだろうと思う。これはもちろん監督局としてお気づきだろうと思う。そういう見地からよほどこれは根本的な対策を、大きく言えば箱作だけではなく、南海電鉄だけではなくて、客貨併用私鉄についてはよほど考えてもらわないと、事故が再発をする傾向がある。この点ひとつ十分御考慮になって、次回までにそういう見地からいろいろな対策を、当然のことですが、ひとつ明らかにしていただきたい。この点に関連しましては、私あらためて御質問を、皆さん方監査報告なり何なりに基づいていたしたいと思いますが、そういう方向でひとつ考えていただきたい。信号無視信号無視と言わないで、それから教育訓練ももちろん必要です。規律を厳守することも必要ですが、しかしやはり物的な設備なりそういう問題についてよほど考えませんと困るので、あわせてひとつお考えいただきたい。これは一応御答弁を願っておきましょう。それで詳細はまたそういうことで、ぜひひとつこの事故の教訓をほんとうに生かしていただくということにお願いしたい、かように思うわけです。
  18. 増川遼三

    増川政府委員 御指摘の点につきましては、当局といたしましても非常に関心を持って監査をやらしておりました。この点につきまして、十分なる対策を立てるべく準備をいたしております。次回に詳細の報告をさしていただきたいと思います。
  19. 久保三郎

    久保委員 関連。  大臣が見えられないから局長——そのうち委員会が終わるまでにはおいでになると思うのですが、大臣が来られれば大臣に申し上げますけれども、何といっても当面の実際の業務を扱うのはあなたでありますから、あなたに申し上げておきます。  事は南海電鉄ひとりの問題ではないと私は思うのですよ。だからこの際は、国鉄を含めて鉄道全体に対し安全輸送に関して、この事故にかんがみて、役所でありますから、もちろん通達はすぐ出すのですね、出したと思うのですが、私は通達で事足りる事態ではないと思うのです。言うならば、各陸運局にはそれぞれの部署もあるだろう。もちろん人数は少ないと思うのだけれども、それを督励して私鉄——特に設備の悪いようなのはいままででもわかっていると思うのです。そういうものを重点に、全国私鉄というよりは、鉄監局監督している全国鉄道なり軌道あるいは索道、そういうものを含めて一ぺん点検する必要があると私は思う。おやりになる御意思がございますか。たいへんな努力が必要です。これは特に夏向きのロープウエー、そういうものを含めてやる時期だと思うのです。どうですか、これはおやりになりますか。
  20. 増川遼三

    増川政府委員 私鉄等につきましては、定期監査計画的に実施しておりますが、最近の事故傾向にかんがみまして、今回も特別監査を命じたわけでございますが、なお特に事故発生の危険のある個所を選びまして、特別監査を本年度中極力早期に繰り上げて実施したいと考えております。
  21. 久保三郎

    久保委員 特別監査を繰り上げてということなんですが、いまのお話だと、ことし一ぱいかかるやつなんだが、暮れごろまでにはみんな一ぺんやりたいというようなお話にとれるのですよ。私は少なくとも八月一ぱいぐらいに、一応の点検というか監査というか、そういうものを実施される意気込みはないかどうか。いろいろ仕事もたくさんあって、現有の人員では、なかなかわれわれが言ってもすぐにはできないとは考えることでありますが、しかし事はそういう要員の問題というようなことじゃなしに、あるいは予算という問題じゃなくて、これはそれ以前のいわゆる鉄監局のやらねばならぬ最低の第一条件——鉄道監督局ですから、監督は何をするかといったら、経営がいいとか悪いとかの監督よりは、安全輸送ができるかどうかの監督が第一番目に取り上げられるべき問題でありますから、すべてを犠牲といってはたいへん語弊がありますけれども、すべてに優先して総点検をおやりになる御意思があるかどうかと聞いている。少なくとも八月一ぱいにはどうですか、こう言っている。
  22. 増川遼三

    増川政府委員 とりあえず運転取り扱いの厳正をはかるための再教育につきましては、八月の五日までに具体的な計画陸運局に提出させまして、審査の上適当であればそれを直ちに実行に移させる、八月中ぐらいには全部の計画を実行させるという考えでございます。また、これにつきましては、陸運局はもとより本省からも適時調査をいたすつもりでございます。  また、作業要領につきましての再検討につきましては、列車の運行の高密度化高速度化に伴います入れかえ作業作業手順所要時分構内作業実施要領につきまして再検討させまして、十分な安全確保の配慮を指示したところでございまして、こういった点を陸運局を主体にいたしまして指導の上、八月中に実施させました上で、本省からも適時この監査実施する考えでございます。
  23. 久保三郎

    久保委員 ちょっと短時間にお話し申し上げてもと思ったのだが、私が聞いておるというか要望しておるのは、そんなことだけではないのです。むしろそういう安全に対するそれぞれの具体的な会社やり方は、おまえのところはどういうふうにして安全対策をやるかという諮問というか、そういうことは当然おやりになってけっこうでありますが、私は、全体としてそんな書面をとってやるということだけではなくて、むしろ現場に臨んで適切な指導を含めた監査をしなさい、そういう意気込みがございますか、こういう話をいましておる。八月一ばいでは非常に無理だと思うけれども、精一ぱいやってみたらどうか、そうしないと、南海だけやっておるうちに今度は別なほうに別なケースの事故が出てくるというようなことがあるわけです。  大臣おいでになりましたけれども、話が中途ですが、いま南海事故についてお話し申し上げておるのです。われわれのほうは四日の委員会で別な委員から本格的にお尋ねをする段取りになっておりますが、さしあたりいま御報告がございましたので、要望を一つだけ最後に申し上げたのです。その要望は、言うならば南海電鉄を当然含めて、全国のそういう私鉄というか軌道というかあるいは索道もありましょう、そういうもの全体に対して八月一ぱいくらいに一通りの特別監査というか安全監査をしてみることはできないか、ぜひやってもらいたいものだ、こういうことを申し上げておるのでありますが、どうも何だか特別監査を繰り上げてやろうなんというので、もうちょっと——人間の問題もわかりますよ。だけれども、やろうという気がまえがちょっとも見えないんだな。だからどうでしょうか、これは真剣になって取り組んでもらいたいと思うのですが、いかがでしょう、大臣
  24. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 仰せのとおり、八月一ぱい全国大手私鉄特別監査をやる計画でございます。
  25. 井岡大治

    井岡委員 先ほどからいろいろ出ておりましたから、この問題は先ほど申し上げましたように、もう少し資料が整った上で御質問なり、そして今後こういうことのないようにお互いが考え、研究する必要があると思いますので、この問題はこれで一応打ち切ります。  そこで次にお尋ねをいたしたいのは、都市交通の問題でございます。都市交通の問題と一口に申し上げましても、これはかなりたくさんございますから、私は特に公営の問題を中心にお尋ねをいたしたいと思うのです。  外国の公営企業の沿革というのは、一応私鉄経営をしておって、そうしてどうにもいかなくなって公営が買収してこれを経営する、それでいかなくなって地下鉄に切りかえていく、これが外国の都市における公営事業の実態です。ところが日本の場合は、ほとんどがそのさかさまなんです。最初から公営でやっていて、やりにくくなってきた、その結果地下鉄なり高速度鉄道にかえていく、しかしそれはとうていいけないから民間会社に移管したらどうなんだ、こういう議論が盛んに出ておるわけです。私はここにやはり都市交通のいまの問題が残っておると思うわけです。こういうように人口が過密になってまいりますと、特に都市交通というのはいわゆる通勤通学が主とした業務内容になりますし、営業内容になるわけですから、赤字が出るのは当然なんです。そこでこの問題に対して政府が今日までややサボっておった。こういう表現をすると非常に失礼な言い分ですが、サボっておったと思うのです。ということは、昭和三十年に都市交通審議会をこしらえたときに、十年後には現在の公営事業というものは赤字ができますよ、動かなくなりますよ、いまからそれに対する考え方というものを明らかにしておかないと大きな問題が起こります、こういうことを私は何回かにわたって申し上げたのです。そのときに政府の答弁は、そういうことはありませんという答弁でした。しかし現実には、三十五年から赤字が出てきておるわけです。それに対して何らの処置を講じてない。これが今日東京をはじめ六大都市、あるいは六大都市でなくて公営をやっている都市はどこでも同じ状態を示している、こういう原因だろうと思うのです。そこで自治省は再建整備を要求いたしておりますが、再建整備をやりましても私は当面だけの話だと思います。いわゆる現在の赤字を何らか解決をするだけであって、その次に赤字が出ないかといえばやはり赤字が出る、こう言って私は差しつかえないと思うのです。  そこで、この際私はお伺いをしたいのでございますが、まず第一に自治省の局長おいでになりますから、再建整備について将来これで絶対にやり得る自信があるのかどうか、そういうように指導しておるのかどうか、この点をお尋ねします。
  26. 細郷道一

    細郷政府委員 今回公営企業法の改正によりまして、公営企業の再建をいまやっておる最中でございます。再建の内容はそれぞれの都市によって違っております。したがいまして都市によっては、今回の再建によって将来も安泰になっていくというところもございましょうし、また都市によっては再建の内容がまだ十分徹底していないというところもございますので、必ずしもいま出ております再建計画だけで将来末長く再建確実であるということは、なかなか一律には言いがたいと思います。そこで私どもといたしましては、やはり公営企業の公共性と同時に企業性を加味した独立採算のたてまえに立ちまして、将来とも再建によって健全な運営、経営ができるようにという意味でいろいろと指導をしてまいりたい、かように考えておるのでございます。
  27. 井岡大治

    井岡委員 私、次にお尋ねをしようと思っていたら先に御答弁をいただきましたので、ではその問題をお尋ねをいたしますが、公営企業法は企業の健全な独立採算をやると同時に、一方において住民の福祉を要求しているわけです。そういたしますと、お説のとおり都市によっておのおの違います。違うけれども、私は一面の問題は、単に企業という既定の位置づけだけでは問題が解決をしないのではないか、こういうように考えます。たとえば新しく合併をしたそこの住民は、市民税は中央の住民と同じように取られる、けれども市の恩恵というものは何ら受けておらない。そういうために、バスなりあるいは電車なり地下鉄を敷いてくれ。敷きますと、当然それは採算がとれないはずだ。通勤だけですから、昼間のお客さんがないわけですから、とれない。そうなってまいりますと、これは独立採算という採算面からきたものだけでなくて、行政の一部を負担をしておると解釈せざるを得ないのです。したがって、公共団体は当然行政の立場からこれを見なければならないし、一方交通を営んでおる企業体のほうは営業の立場から見る。ここから問題が出てくるわけです。これらについて自治省はどういう考え方に立っておいでになるのか、この点を明らかにしていただきたいと思う。
  28. 細郷道一

    細郷政府委員 確かに公営企業は一般私企業とは違って、公共性を企業性と同時に並べて考えていかなければならないという点があろうと思います。ただいろいろケースによって、一路線だけの問題になりますと、いまお話のような問題も起こってまいりましょうが、やはり大きな都市地域になってまいりますと、系統と申しますか経営の範囲といったような問題もございましょうし、それからまた交通事業の種類がいろいろございますわけですが、それらの組み合わせといったような問題もあろうと思うのでございまして、やはりそういった面での企業的な努力も公営企業としては考えていかなければならぬのじゃないか、こういうふうに私は思っております。
  29. 井岡大治

    井岡委員 問題を一つにまとめてしまうのはいかないことだと思う。私はまとめてないのです。単に一路線の問題ではないのです。このように都市が過密化してくると、全部住民は外に出ていっておるわけです。都市の近郷あるいは周辺に行っておるわけです。そういたしますと、職場が周辺にあるのでなくて、職場というものは中央にあるわけです。そうすると、いやがおうでもそこに持っていかなければ、その人たちは中央に通うことができない、帰ることができない。これが今日都市交通が混乱しておる一番大きな問題なんです。ですから問題は、単にバスならバスの路線だけでなくて、言われるように、バスも電車も地下鉄も総合的にこれを検討しなければ、問題の採算あるいは奉仕ということはできないわけです。ところが経営は都市都市によって違うわけです。たとえば東京の場合はおよそ古びた、昭和十七年に出した交通事業調整法、旧都市だけをやって外の都市は野放しにしておる。ところが住民は外のほうに行っておる。そしてその人たちのために何らかの処置を講じてやらなければいけない。ここに大きな都市交通の混乱がきておるわけです。これらの問題を総合的に自治省なり運輸省がほんとうに真剣に考えたことがあるだろうか、これがどうしても私には理解ができない。ですから先ほど申し上げたように、いろいろあろうけれども、行政の一部としてわれわれは解釈しない限りこの問題の解決はあり得ない、こういうように考えるのです。この点をもう一度お伺いをいたします。
  30. 細郷道一

    細郷政府委員 おっしゃるとおり、都市交通の問題は非常に広範な問題を含んでおります。特にいまの時点におきまして日本の大都市の交通事情を見てまいりますと、突き詰めていきますと、やはり地下鉄をどうしていくかという問題が一番大きな問題になるのではなかろうか、こういうふうに考えまして、公営企業自体経営の健全性を確保することはもとよりのことでございますが、やはり地下鉄の将来ということを考えて、私どもも地下鉄についてはいま少しく国においても、都市交通という立場から応援をしていくべきではなかろうか、かような考え方を持ったのでございます。したがいまして、御承知かと思いますが、昨年と申しますか、四十二年度の予算にあたりましても、私どものほうでは地下鉄に対する国の助成をすることを主張いたし、運輸当局とも相談いたしました。結果において、御承知のような措置が今年とられたわけでございます。これなどはやはりそういった面での政府側としての努力のあらわれであろう、かように考えておるものでございます。
  31. 井岡大治

    井岡委員 私は、全然考えてないとは言いませんけれども、あれで地下鉄を政府がやったとは考えないのです。ですから初めに言っているのです。たとえば外国は、どうしても路面電車が行き詰まっていかなくなってしまった、ですから、坑道だけは政府が掘ってやる、そしてその営業をその都市にまかす、こういうやり方。あるいはまた路面電車を撤去することによって、ある意味において道路整備することになるわけです。御承知のとおり、都電が走っているためにどれだけ自動車が停滞をしているか、交通が停滞をしているか、これがなくなることによってどれだけうまくいくか、こういうことから、いわゆる道路整備の立場から、ガソリン税の一部を地下鉄の建設のための補助金として回している、こういうのが外国の例なんです。ところがわが国の地下鉄に対する補助というのは、非常にむずかしい計算をして——工事に要する費用に対する利子補給というならまだ話はわかるのですが、これをややこしく、しちめんどうくさい計算をして、そしてこれをちょっぴり出す。これでもって政府はやったのだ。私は、やらないよりはましだということはいえますけれども、これでやったとは思われないのです。少なくとも都市を預かっておる自治省としては、なぜこれを都市計画の中に——第一条の中に「交通」ということを書いているわけです。読んでみましょうか。「本法ニ於テ都市計画ト称スルハ交通、衛生、保安、防空、経済等ニ関シ永久ニ公共ノ安寧ヲ維持シ又ハ福利ヲ増進スル為ノ重要施設」云々と書いてある。ところが都市交通というものに関する限り、この都市計画法の何項にも入ってないわけです。ここにいままで自治省のとってきた都市交通対策のいわゆる欠陥というものが露呈をして、今日こうなってきている。これは建設省にもあとでお尋ねしますが、建設省も同様なんです。都市計画とは何をさして都市計画というのか。この点についてもう一度私はここに書いてある都市計画法の第一条「交通」というのは何をさしているのか、一ぺんお聞きしたいと思います。
  32. 細郷道一

    細郷政府委員 おっしゃるとおり都市計画上交通というのは、広く交通という意味でございますから、特定の交通機関をさすのではもちろんない。広く道路でありますとか、あるいは物を運ぶ、あるいは人を運ぶ機関、そういうものについていっているものと考えております。
  33. 井岡大治

    井岡委員 きょうは財政局長ですから、ほかのことを聞いてもわかりませんが、このくらいはおわかりだろうと思う。それでは都市計画審議会に都市交通の問題、いわゆる公営企業の問題をおかけになった例はありますか。
  34. 細郷道一

    細郷政府委員 御承知のように、路線の決定等についてははかっておるわけでございます。
  35. 井岡大治

    井岡委員 路線の決定をはかります。そうすると それに対して政府は補助金を出さなければいかないことになる。いわゆる都市計画事業というのは出さなければいかない。出したことはありますか。
  36. 細郷道一

    細郷政府委員 いわゆる従来いわれております都市計画事業、これについては御承知のように補助金が出ておるわけでございますから、交通機関——先ほど出ておりました交通というのと交通機関の整備ということは、いままでは扱いが別になっております。それについては特別なものは行なわれておりません。
  37. 井岡大治

    井岡委員 ですから私は、交通というのは何をさしておるのですかとこう聞いておる。あなた方はいわゆる道路のことを交通と称しているのでしょう。交通とは単に道路だけじゃないのです。あなたがいま言われたように、お客を運ぶものが交通なんです。交通じゃないですか。もう一度お伺いします。
  38. 細郷道一

    細郷政府委員 一般に交通というときは、そういうものを含んでおります。
  39. 井岡大治

    井岡委員 じゃ一般にいう場合と一般にいわない場合と、どんなに違うのです。特に一般という表現を使われるからには、どう違うのです。
  40. 細郷道一

    細郷政府委員 先ほど来お話に出ております交通という場合には、そういう表現を使うことによって、交通機関なりあるいは交通の用具になるようなもの全体をいう、こういうふうに考えております。都市計画等で申しております場合には、これはもういわゆる交通とか文化とか、あるいは教育とか、いろいろな観点から総合的に都市計画はつくっていくという意味で、都市計画法ではそういう表現を使っているもの、こういうふうに私は解しております。
  41. 井岡大治

    井岡委員 どうも何とかして言い抜けようという答弁ですね。あなたは私が尋ねたときに、都市計画審議会に路線の問題について審議にかけたことがありますかとこう言ったら、路線についてかけました、こう言うのです。かけております。こう言う。そうすると路線においてかけたのなら、都市計画事業というものはこれは国が補助をしなければいけないものです。その補助の対象にしたことがありますか、こう聞いている。そうしたらあなたは、そういうことはありません。そうして交通が今度は一般的に、特に、とこういうように変わってくるわけです。ですから私はそこのところが非常にあいまいだ、こう言っている。少なくとも都市交通を一般として考えていっても、これは行政の一部だということについては、都市計画の審議会で路線を審議をするという限りにおいては、当然これは行政の一部だ、こういうように理解すべきだ、こう思うのです。こういうように思いませんか。
  42. 細郷道一

    細郷政府委員 御承知のように都市計画は、都市の地域内にどういういろいろな施設を配置するか、そういうことを頭に置いてつくられるものでございます。したがいまして、ここに交通の路線をしくのだということを入れることも、都市計画の内容の一部ではあるわけでございます。しかしそうだからといって、すぐそれが、その交通路線のために国が補助をするということにはならないわけでございまして、あたかもこの地帯には学校を置くのだという場合に、それが都市計画法にいう補助の対象になるのではなくて、学校については別個に学校という立場で補助になる、ここには文化施設を置く、こういう意味で実は私申し上げておるつもりでございます。
  43. 井岡大治

    井岡委員 そうすると第五条第六条について「主務大臣特別ノ必要アリト認ムルトキハ政令ノ定ムル所ニ依リ行政庁ニ非サル者ヲシテ其ノ出願ニ依リ都市計画事業ノ一部ヲ執行セシムルコトヲ得」こう書いてある。これは第五条の第二項です。行政庁にあらざる者をしてその出願により都市計画事業を行わしめる、これはどういう問題をさすのです。
  44. 細郷道一

    細郷政府委員 私もこの法律の主管でございませんから正確なことは承知をいたしておりませんが、いままで聞いておりますところでは、第五条によりますと、これは都市計画事業というものは公共団体のやることであって、これを特許的に民間のものにやらせるというのが第五条である、こう思っております。
  45. 井岡大治

    井岡委員 そうすると「第六条ノ二」の国の負担の項のところで、「行政庁ノ行フ重要ナル都市計画及都市計画事業ニ要スル費用ハ政令ノ定ムル所ニ依リ国ニ於テ其ノ二分ノ一ヲ負担ス」こう書いてある。これはどういうことなんですか。
  46. 細郷道一

    細郷政府委員 「六条ノ二」に、「政令ノ定ムル所ニ依リ国ニ於テ其ノ二分ノ一ヲ負担ス」こうなっておりますが、御承知のように現在まだ政令が定められていません。
  47. 井岡大治

    井岡委員 五条に続いているんですよ。この法律はいつからできた法律なんです。大正八年からできている。道路局次長、これはいままで何をしていたのですか。
  48. 吉兼三郎

    ○吉兼説明員 私のほうの省の所管には間違いありません。私、道路局でございますので、これは都市局が所管でございますが、私の知っております範囲において申し上げます。  お尋ねの六条、六条ノ二の関係、六条は都市計画事業を実施する場合におきまして、実施主体において費用は負担するんだ、国がやる場合は国、地方がやる場合は地方、こういう原則を書いてございまして、六条の二は、それを受けまして公共団体が実施いたしますところの都市計画事業に対しては国が二分の一を負担する、こうあるわけでございますが、御指摘のとおりに、六条ノ二の政令はいまだ制定されておりません。この経過につきましては、詳しいことは私理解いたしておりませんが、都市計画というものは、先ほど財政局長から申し上げましたように、施設計画それと土地の利用計画、この二つからなっておると思います。個々の施設につきましては、都市計画法施行前後以来、個々の施設の管理法規が整備されてまいっております。道路でありますれば道路法、下水でありますれば下水道法、そういった個々の施設管理の法規におきまして、そういう事業についての補助態様、そういうものが確立されてまいっております。したがいまして、六条ノ二の関係の政令は、そういう施設に着目いたしますならば、現在のところ公共団体等が実施いたしますものにつきましては、いまのところは何とか処理されてまいっておる、こういうことではないかというふうに私は理解をいたしております。
  49. 井岡大治

    井岡委員 個々の問題で論議をするのはこの次にいたしますが、それじゃいませっかく立たれたのですから、道路局次長にお伺いします。  いま六大都市の財政再建で、路面電車の撤去をやかましく自治省は勧奨しておいでになる。これは勧奨してない、こう言われても、勧奨しておいでになる。そこで、その敷地なんです。そのほとんど——全部が全部とは言いません。私一番よく知っておりますから、大阪の例をとります。東京にもありますが、大阪の軌道敷地、これは大阪市交通局の私有地です。財産の原簿に載っております。総額千六百億です。平米十万円にいたしますと、千六百億円の額になります。撤去したら、これは黙ってとってしまうわけだ。あれはどういうことなんですか。阪神の国道線、これを撤去した場合において国は負担をするということを、都市交通審議会の大阪部会の答申にはっきり書いてある。ところが大阪の場合あるいは東京の都電が撤去した敷地は私有財産、この私有財産について、何らの処置を講じてない。いままではもっとひどかった。原形復帰などといって、きれいな道路にしない限りけしからぬ、こういうことを言っている。この点はいまようやく市のほう、あるいは道路管理者のほうがやるようになったですが、私有地を没収するという、そういうのがあるのですか。この点どうなんです。
  50. 吉兼三郎

    ○吉兼説明員 本件に関しましては、昨年でございましたか、井岡先生から御指摘がありました大阪市の問題、その後私どもいろいろ調査をいたしたのでございます。  御承知の路面電車につきましては、軌道法が適用されるわけでありますが、大阪市の路面電車につきましては、軌道法の施行、つまり大正十年以前の軌道条例でもって特許されております。そこで軌道条例の昔のいろいろな資料をひっくり返しまして調べたのでございますが、軌道条例では、道路敷に路面軌道が敷設されましたときには、それは道路区域に編入になることになっております。と同時に、その敷地は国、公共団体の有に帰属するというふうな扱いにされることになっております。したがいまして、大阪市の路面軌道敷につきましては、大阪市道の関係の分につきましては、これはすでに大阪市の財産になっているわけでありまして、大阪市の一般財産。ところが国道につきましては国、府道につきましては府というふうな扱いになっているわけでありまして、したがいまして、すでに市の財産になっているものを同じ市の道路管理者が買い取るとか買い取らないとかいうふうな議論をするということは、どうも軌道法の関係ではなかなか立てにくいというふうに私どもは考えているわけでございます。  以上でございます。
  51. 古川丈吉

    古川(丈)委員 ちょっと関連質問。  いま、たまたま井岡君から都会地における路面電車の撤廃並びにその撤廃したあとを道路として使う問題について議論がありましたが、御承知のように、都会地においては路面電車があまり十分働きをしない、しかも交通需要が非常にあるので、一方においてはそれが地下にもぐって地下鉄になっている。それについて各都市の地下鉄が経営が困難であって、地下鉄の建設にたいへんな金がかかる、こういうことで、これが自治体の公共事業としても非常な大きな問題で、昨年来関係各省に集まってもらいまして、地下鉄に対する考え方について政府としての方針を立ててもらったわけでありますが、それによりまして地下鉄の将来の経営がうまくいくように、こういうことで各省の考えを一応まとめてもらったようなわけですが、ただ路面電車の場合、いま井岡君から言われたのに少し私からつけ足すような質問になりますが、そういう地下鉄の問題は別としましても、路面電車のあとがやはり道路として利用される、これは道路局次長が話をしたように、大阪市道になる場合、東京都道になる場合が多いと思いますが、都道あるいは市道をつくる場合には国の助成がある。しかしながらこの場合はそのまま道路にするだけであって、交通局が非常に困難であるから、その場合には道路を新しくつくる考え方でひとつ国が補助してやったらどうか、こういう考え方もあろうかと思うのです。運輸大臣もちょうど見えておられますから、軌道が交通運輸機関として十分働きをしないで、しかもやはり旧態依然として走っておるような電車が相当あるわけでありますが、そういう問題は、それを撤去して道路としたほうが、りっぱに交通機関として発達するような例が全国にたくさんある。それに対しては、やはり国が道路を建設する側、むしろ建設省側のことですけれども、道路として十分これを活用するために国が幾ぶんか道路という考え方で助成をする、運輸省のほうでもそれに相呼応して片棒をかついでもらうというような考え方でいけば、全国でそういうような鉄道としてはあまり働きをしないが、これを道路にすれば非常によくなるというところがたくさんある。こういう例があるということをひとつ——私は去年も地下鉄の問題で各省御相談願ったわけですが、ことしはぜひともそういう問題で関係各省の上層部で相談をしてもらいたい。こういう問題があるということを、運輸大臣ひとつ十分御承知を願いたいと思います。
  52. 井岡大治

    井岡委員 条例はそうですか、条例以後における軌道法によって軌道を敷設をしているわけです。このほうが大多数なんです。その場合、依然として先に軌道を買って、それから道路がはたについていっているわけです。私は、どこの線といえば、大阪の線のことならみんな言えます。東京のことは二つ三つは知っておりますが、それは言おうとは思いません。これはどこでも同じことなんです。いま古川お話しになったように、撤去することによって純然たる道路になるわけです。したがって、これは道路として当然の処置を講ずることが私は望ましいと思うのです。そうしないと、撤去撤去と簡単に言うけれども、なかなか撤去できるものじゃないんです。結局撤去するということは、経営が成り立たないから撤去するだけであって、これを切りかえていくということはできない。これは現にあなたが御存じのとおりです。大阪の場合は軌道法で地下鉄を掘っておりますけれども、名古屋の場合は地方鉄道法で掘っている。そのときに、あなた方はどう言ってがんばったか。名古屋駅とつなぐのに、道路の下もおれとこの管理権だから、掘らすわけにいかぬと言ってがんばったんじゃないですか。ここで建設大臣、運輸大臣、全部来て、そういうことは全くわけがわからぬ話だ、こう言って、ようやく政治的に解決します言って、ようやく政治的に解決した。ここに問題がある。あなた方は、いわゆる下まで道路であると言う。それだったら、下まで持っている権利を、私有財産を、あなた方かってに取り上げるわけにいかないでしょう。どうなんです、その点。
  53. 吉兼三郎

    ○吉兼説明員 私どものほうで調査をいたしたところによりますと、大阪市の軌道は現在のところ、三十四万二千三百坪ばかりでございますが、旧軌道条例当時に敷設されましたものが約二十四万であります。残りの十万が新軌道法によって敷設されたもの、こういうふうに資料では出てきております。  それから、先ほど申し落としましたが、新しい軌道法によりましても、道路に敷設されました軌道敷地は無償で道路敷地としてこれが使用できるというふうな規定があるわけでございます。   〔委員長退席、細田委員長代理着席〕 これはどういう経緯でそうなったかという議論はあろうかと思いますが、法律制定当時のいきさつからいきますれば、やはり路面軌道でございますから、道路の一部を使うんだ。だから、その維持管理は道路側でひとつ全面的にやらなければならないという面もあるといたしますので、やはり敷地は一体として道路で管理するというのが適当であろう、こういうふうな考え方からそういうふうなことになったというふうに私どもは理解いたしております。
  54. 井岡大治

    井岡委員 それも最近でしょう。ここ四、五年前からでしょう。いままでは軌道の敷地は、こわれても全部企業体がやっておったのでしょう。あなたの言うように、これは道路としてやっておったというのであれば、いわゆる破損をする、欠損をする、それをなぜ道路としておやりにならないのか。それはここ近々四、五年前からじゃないですか。へ理屈を言っちゃいかないですよ。片一方のときは、おまえとこの私有財産だからおまえのところが直しなさい、こう言っている。とるときには、これはこういうようになっているからこうなんだ。そういうへ理屈を言ってはだめですよ。そうでしょう。その辺はどうなんです。
  55. 吉兼三郎

    ○吉兼説明員 御指摘のとおり、完全に道路側が全面的に維持管理を責任を持って法律制定時代からやっておったという点は、私はことばが過ぎたと思います。というのは、道路整備も、御承知のとおり、最近十年になってから、十年このかたやっと本格的に整備が始まったというふうな状況でございます。昨今はそういう点は道路側のほうにおきまして、維持管理をかなり積極的に進めている。それから……(井岡委員「まだ足らぬよ」と呼ぶ)足らぬ点もあると思うのでありますが、そういうふうな方向で私どもは行政指導いたしておるつもりであります。
  56. 井岡大治

    井岡委員 あなた方がやっているのは、あなたは最近は全部やっているようなことを言うけれども、五分の一じゃないですか。あとは全部その企業体がやっているじゃないですか。そういううそを言っちゃいかないですよ。ですから、この問題は私は、将来の道路計画としてもっと真剣に考えるべきだと思います。同時に、今後地方鉄道法でやっても、あなたのところは文句言いませんか。これは将来起こり得るのは、札幌が起こりますよ。横浜が起こりますよ。京都が起こります。神戸が起こりますよ。あなた方必ずその下はおれとこの専有物だと言ってがんばるはずですよ。そんなことはやりませんか。
  57. 吉兼三郎

    ○吉兼説明員 軌道法、地方鉄道法の扱いにつきましては、いろいろ従前のいきさつがあるようでございますが、私どもはできるだけこの両法律の適用につきましては、運輸当局と十分意見交換、調整を行ないながら、実態に即応したような行政運用をとってまいりたいと思います。個々の事案につきましてケース・バイ・ケースで処理してまいりたい、かように考えております。
  58. 井岡大治

    井岡委員 都市交通の問題を将来解決するためには、いわゆる高速度鉄道以外に方法がないのですよ。いかに路面電車をバスに切りかえようとも、バスだけでは大量輸送はできない。最近のように、お客さんが周辺部にみんな行ってしまうと、どうしても通勤のためにそれをやらなければいかない。その場合、ケース・バイ・ケースでなくて、私自身は——これは運輸省のほうにもやはり少し考えていただきたいと思うのは、軌道法でやると、いわゆる自分たちの権限というのが非常に薄いというので、相談に来たら必ず、鉄道法でやりなさいと、こういうことを言っている。そしてそれをやっていくと今度は、道路管理者である建設省はおれとこの道路だと言ってがんばる。およそばかげた話だと思うのです。ここらに私は、いわゆる都市交通の混乱があると思う。たとえば東京の場合でもそうでしょう。営団のほうは軌道法でやっておるけれども、東京都の場合は地方鉄道法でおやりになっているでしょう。相談に行ったはずです。そのときに運輸省は、鉄道法でやりなさいと、こう言った。片一方のほうは軌道法でやりなさい、こう言っている。こんなばかげたことがいつまでもやられておったのでは、都市交通の問題は解決しません。ですから、この際大臣に、これらの問題について抜本的ないわゆる都市交通に対する特別な処置を講ずる、こういうことに対してお考えを承りたいと思うのです。
  59. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 御趣旨はよく承りました。今後道路管轄機関と十分協議いたしまして、はっきりした線を打ち出したいと思います。
  60. 井岡大治

    井岡委員 まだあとがありますから私はきょうはやめますが、いずれにいたしましても、東京の路面電車の撤去に伴って、問題は代替輸送ということが考えられるわけです。この場合、東京都としては当然路線を考えなければいけない。その場合、バスの免許を新たにまたとらなければいけないわけですね。こういう場合に対する自動車局としての考え方をひとつ聞かしていただきたいと思います。
  61. 蜂須賀国雄

    ○蜂須賀説明員 路面電車の撤去に伴う代替輸送としてのバスの問題でございますが、これにつきましては運輸省としては、旅客の流動に即応した輸送力の確保という点につきまして重点を置いております。したがって、この運行につきまして旅客の利便がそこなわれないように、免許等につきましても考えてまいりたいと思います。
  62. 井岡大治

    井岡委員 旅客の面はそうなのですが、いわゆる再建をするために直ちに運転手をそこに配置するということはできないでしょうけれども、これらの問題について当然考えられなければいけないことは、いわゆる働いておる従業員を配置転換をしていかなければいけないわけですね。そのためにはどうしたって、その路線というものが必要なんです。運転それ自体については別ですよ。これは大臣の所管ではありませんけれども、きょう最後に大臣にお願いをしたいと思っておりますが、当然そういう立場から、それに路線を渡してやるということにしないと、なかなか配置転換等はできないわけですね。そこから配置転換、いわゆる再建が非常におくれてくる、こういうことになりはしないか、こう思うのです。この点は自治省のほうはよく御存じのはずだと思う。早くやれば早くやるだけうまくいくわけですが、これがおくれればおくれるだけ、それだけ再建がおくれる、こういうことになると思う。そういう点から、やはり代替輸送というものは既設路線を持っておった方向に主として考えてやるようにしないといけないのじゃないか、私はこういうように思うのです。この点はどうですかと聞いている。
  63. 蜂須賀国雄

    ○蜂須賀説明員 路面電車に並行しまして、バスが現在あるわけでございますが、その場合に、東京都営の場合ですとこれは問題ございませんけれども、民営が走っているというような場合だと思いますが、この場合には当然民営と都営との調整という問題が起きると思います。したがいまして、都電のほうでいままで運んでおりました実績等十分考慮いたしまして、その調整をしてまいりたいと考えております。
  64. 井岡大治

    井岡委員 最後に一つお願いしておきます。いずれまたこの問題はあらためてお伺いしますが、大臣お聞きになられたように、問題は、都市交通の地下鉄建設というのは、これは国々によって違いますけれども、日本の場合はいままで比較的冷淡だったわけですね。ということは、初めに行き詰まっておらなかったからなんです。外国は全部私営がやっておって、そして行き詰まって、地方公共団体がこれを買い上げて、そうして行き詰まったから今度は国の立場から、いわゆる産業経済全体の立場から、通勤通学輸送という立場から考える。そういう立場から、これは掘るのは国が掘ってやる。あるいは道路の一部として考えて、いわゆるガソリン税の一部をその地下鉄建設のために注ぎ込んでやる、こういう措置をとってきたわけです。ところが日本の場合はそういうことをやっておりませんから、今度でも東京は地下鉄建設を再建から除外をしている。これは幾ら除外をしてみても、片方がなくなったって、片方がふくれていくばかりです。こういう点から考えると、社会党がこの前に出しました、掘るのは掘ってやる、あとの経営その他についてはこれをその公共企業体に譲り渡す、そうしてそれは何年か長い期間で回収をする、こういう方法もあるわけです。こういう点等から考えて、予算編成ももうこれから始まるわけですから、地下鉄建設には特段の措置を講じていただきたい。このことを大臣に一点申し上げます。  もう一つの問題は、いまも申し上げましたように、これは去年どうしてもできなかったわけですが、路面電車の若い運転手の諸君、車掌の諸君の中で、この際自動車の運転にかわりたい、こういう人があるわけです。ところが、いま大型自動車を運転するためには特別な条件がついているわけです。そこでそれをはずすために、東京都なら東京都が自動車学校をつくる、あるいは神戸なら神戸が自動車学校をつくる、横浜が自動車学校をつくるというように、公営の自動車学校をつくる。そうしてそこに何カ月か通わす。もちろんそれは単に東京都の職員だけでなくて、会社でも同様です。その学校に行く。たとえばAの会社が、自分のところは自動車の運転手がほしいけれども、いまの自動車の運転手をよそから雇ってきたのではいかぬから、運転手として採用し、午前中は学校にやる。そして午後は自分のところの仕事をやらせる。二年なら二年その運転手をやる。そうすることによってやはり、事故というものが非常に少なくなるのじゃないか。一面またいま申し上げたように、配置転換等が非常にうまくいくのじゃないか。こういう点から考え——これは警察庁がどうしても承知しません。自動車運転手の現在のような認可というのですか、警察庁の認可の学校をこしらえるということについて、どうしても承知しない。そこで公営の自動車学校をこしらえる。このことは私は事故防止の一助になると思うので、この際ぜひひとつ考えていただきたい、こういうように考えるのです。大臣、この点についてひとつお伺いをしておきたいと思います。
  65. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 御趣旨のあるところは、一応公安委員会によく伝えて研究させたいと思います。
  66. 井岡大治

    井岡委員 これでいいです。      ————◇—————
  67. 細田吉藏

    細田委員長代理 次に、航空に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。小川三男君。
  68. 小川三男

    小川(三)委員 最初に運輸大臣に伺いますが、空港建設推進本部長はあなたがお引き受けになられておりますね。そしてその実施本部員の中に、新聞の報道によれば千葉県県警本部長が入っている。これは事実ですか。
  69. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 御承知のように、新東京国際空港の建設には、ばく大な量の建設資材が必要と相なりまして、工事最盛期を予想いたしますと、年間約六百万トンの砂、砕石、セメントなどの搬入が必要となるのでございます。これらの大量の資材輸送を無秩序に行なわせますことは、一般の交通を著しく阻害するばかりでなく、交通安全の見地からはなはだ好ましくないと考えられますので、千葉県における道路交通取り締まりの責任機関であります県警本部長を本部員とすることにして、この間の調整の事務を取り扱わせることにいたしております。
  70. 小川三男

    小川(三)委員 それは、県警本部長が交通業務を所管するのは当然です。畠中さんは警視庁の警備部長の出身です。これは交通のほうの専門じゃなくて、警備の専門なんです。警備の専門家を県警本部長に据えて、それを直ちに本部の部員に据えているということは、どういうわけですか。交通以外の問題に関与しないということじゃないでしょう。
  71. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 千葉県における道路取り締まりの責任機関は、千葉県警察本部長でございます。そういう資格において当人を本部員にいたしたのでございます。前歴等を見てやった人事ではございません。これは機構上の問題でございます。これが転任すれば、また次の人が当然なってくるというようなわけでございます。
  72. 小川三男

    小川(三)委員 あなたのほうの趣旨は、そういう表向きの趣旨であなたはお答えなさっておるけれども、事実は警視庁の警備部長を千葉県警本部長に据えて、それを直ちに推進本部員にしているというのは、あなたのほうに一方では、警察権力を使ってもこの問題の遂行をはかろうとする根底があるからじゃないですか。それはどうなんです。
  73. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 警察権力というものが確かに事業の推進に必要だということは否定するわけではございませんが、これは一般の警察の取り締まりというのは交通関係の問題でございまして、あの千葉の港へ船が着きまして、そこで積みかえをいたし、千葉市内の繁華街を抜けて新空港の敷地まで毎日何百台、何千台のトラックが往来する。これについては地元としても交通上非常な迷惑でございます。そこで、地元の交通についての専門的な立場にありまする県警本部の関係機関の総力をあげまして、この交通上の障害をできるだけ最小限度に抑えるように努力してもらいたい、こういう趣旨で機構に加入させてあるわけでございます。
  74. 小川三男

    小川(三)委員 この問題は別に深く追及しませんが、しかしこれはほんとうならば——ここにこういう問題がある。去る二十二日に、成田空港設置万歳という右翼の団体が入ってきてビラをまいております。その中に、国策遂行のために我欲を捨てよ。赤色勢力扇動による反対派は、いやおうなくその生命が危険にさらされる、こういうビラをまいているのです。こういうことこそ取り締まるべき必要があるのです。しかも、天神峰の反対派の事務所へ来て、次回来るまでにこのやぐらを撤去しろ、そうでないならばおれたちがこわしてやる、こう言って挑発しているわけなんです。こういう者の横行を現地に許しておいて、警視庁の警備部長であった、少なくとも警備についての専門家ですよ、専門家がすでに赴任しておるのです。交通だけの問題でなく、こういう問題についてなぜ公正に取り締まらないのか。これは警察庁長官に聞くべきかもしらぬけれども、実施本部の本部員である畠中県警本部長はこの取り締まりに当たらないということはないわけです。こういう点で、一体地元の農民が赤色勢力の扇動によるなどというような事態の問題でないのです。それは皆さんも現地へ行かれたからよく御存じでしょう。しかも、いやおうなくその生命が危機にさらされるというようなビラを配布させておくこと自体が、公正なる立場じゃない。したがって、実施本部長として、畠中氏に、こういう問題についても公正にやるようにということを、運輸大臣、あなたから指示してやってもらいたい。どうですか。
  75. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 右翼分子の現地における活動の取り締まりは、私の権限ではございません。したがって、この実施本部はそれについては何ら関係いたしておりません。これは純然たる警察取り締まりの問題と思います。
  76. 小川三男

    小川(三)委員 いや、いいですか、それはもちろん警察本部の仕事ですよ。けれども実施本部長としてのあなたの本部員の中に畠中県警本部長がいるのですから、こういう問題についても県警本部長の立場で公正に取り締まることをあなたから注意されたらどうですか、そういう権限が全然ない——これは権限の問題ではないでしょう。
  77. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 権限としては私には全くございませんので、さような注意をすべき立場にないわけでございますが、せっかく小川委員からのお話でございますので、次回会いました際には、おことばの趣旨をよく伝えておきましょう。
  78. 小川三男

    小川(三)委員 ではこの間問題になった、この「新東京国際空港の補償について」という運輸省で出しておる資料と公団との交渉の関係について、公団は公団独自の交渉をするのか、運輸省で出しておるこういうものについては、だれが責任を持って補償をするのか、その点明確にしてもらいたい。
  79. 澤雄次

    ○澤政府委員 新東京国際空港補償についての運輸省が出版いたしましたこの冊子につきましては、政府として責任を持ちます。公団といたしましても、この趣旨に基づいて折衝いたしております。
  80. 小川三男

    小川(三)委員 そうしますと、農業補償というものがこの中に出ておりますが、現地では農地の買収費が高いので、したがって農地の買収費の中にこの農業補償は含まれているので、別に農業補償というものはしないのだ、こういうことを言っています。その点はどうなんですか。
  81. 澤雄次

    ○澤政府委員 公団から聞きましたところによりますと、公団で現地との折衝に際しまして、この農業補償の問題は土地価格の決定に際し考慮する、こういうことで土地所有者の方と折衝をしているという報告を受けております。
  82. 小川三男

    小川(三)委員 そうすると、土地価格とは別に農業補償はするんだという解釈でよろしいわけですね。農地の売買の中には農業補償は含まれていない。したがって農業補償は別のものであるというぐあいに理解してよろしいんですか。
  83. 澤雄次

    ○澤政府委員 土地価格の決定に際し農業補償のことも十分に考える、こういう折衝をいたしております。
  84. 小川三男

    小川(三)委員 十分に考える、それは具体的にどういうことなんですか。補償するのかしないのかでいいんですよ。農業補償はする、あるいは農業補償はしない、土地価格の中に含まれているんだというぐあいにするのか、その点明確にしておいてもらいたい。
  85. 澤雄次

    ○澤政府委員 申し上げましたように、土地価格の決定に際し、農業補償のことも十分に考慮して土地価格を決定します、こういうことを申しておるわけでございます。
  86. 小川三男

    小川(三)委員 そうすると土地価格の決定に際して、農業補償をも含めた土地価格を決定するということですね。農業補償というものは別には出さないということですか。
  87. 澤雄次

    ○澤政府委員 この土地価格の決定に関しましては、単に反幾らということではございませんで、移転補償の問題、立木補償の問題、その他万般の問題がございます。それからさらに御承知のように、代替地の取得の関係の問題もございます。それから先生御指摘の農業補償の関係もございます。これらを総合的に考慮いたしまして、土地価格の決定に際し農業補償の問題も十分に考えたい、こういうお約束を公団のほうではいたしておるわけでございます。
  88. 小川三男

    小川(三)委員 最初出してある価格は、六十万から百十万円という価格を出している。その中に立木の補償や農業補償や、そういうものが含まれているのですか。
  89. 澤雄次

    ○澤政府委員 六十万ないし百十万というのは、先生よく御承知のように、あの周辺で、あの当時他の関連公共事業で土地を購入した際の価格が六十万ないし百十万であった、それで新空港の敷地も、その他の公共事業と同じような条件のところにあるものについては、その値段が一応の目安となるであろう、こういうことでございます。したがいまして、立木補償、移転補償等の問題は別に考えてしかるべきものである、このように考えております。
  90. 小川三男

    小川(三)委員 それでは別に伺いますが、一月十日に開かれた公聴会——これは公団で出した資料です。この中に佐古四千郎氏、これは帝国石油会社の代表者です。これは賛成の立場から、「帝国石油の取締役をしています。私の会社では新空港建設予定地に鉱業権をもち、そこに可燃性ガスが二十二億立方メートル埋蔵されています。この事業をはじめれば毎年二億円収益が上がるものと思われます。新空港建設によって鉱業権が失われ、損害額は推定五億九千万円となりますが、新空港建設は必要と思われますので、この補償をしてくれることを条件に賛成いたします。」こういう場合に、これはどうしますか、あなたは。
  91. 澤雄次

    ○澤政府委員 公聴会の際に、先生御指摘のような供述をされたことは事実ございます。この件につきましては、公団で目下実態をよく調査いたしております。これがもし鉱業権あるいはこれに準ずる何らかの権利を持っているものであれば、この補償の対象になるか、かように考えます。目下公団で実態を調査中でございます。
  92. 小川三男

    小川(三)委員 鉱業権が設置されているということは、これは鉱区の台帳を調べればすぐわかることです。かりに二十二億立方メートルも埋蔵されているという向こうの推定量に対して、これはどういう機関をもって調査をするのか。しかもこれが事業化されれば、少なくとも毎年二億円の収益が上げられる。これは販売高じゃないですよ、収益です。そういう形で出してくる。これはどういう機関で、どういう形で調査されるのか。
  93. 澤雄次

    ○澤政府委員 鉱業関係の試験所、研究所もございますし、鉱業関係の専門の鑑定人もございますので、私いま公団がどこに調査を依頼しているか、ちょっと資料を持ち合わせておりませんが、そのような公の権威のある第三者に鑑定なり調査を依頼する、このように相なると思います。
  94. 小川三男

    小川(三)委員 地元で今度言われていることばをあなたのほうにお伝えしますが、もし大資本の事業であるがゆえにこういうものを公団が補償するなら、丸ビルのような建物を建てて、そこで養鶏をやったり養豚をやったら——これは推定でなく明確に出てきますよ。何メートルについて幾らの収容をしたときに、こういうふうに収益が出てきますよと、そういうものを計画した者があったとすれば、どうしますか。それは架空だから、そんなものはもちろん対象ではないとあなたのほうは答えられるだろうが、これの埋蔵量にしても、そのとおりです。これを科学的に立証できる根拠がありますか。
  95. 澤雄次

    ○澤政府委員 ただいまの先生の御質問の養鶏場をやるという計画というのは、この新空港の告示後でございますか。告示後にそういう新しい計画をした、こういうことでございますか。
  96. 小川三男

    小川(三)委員 そういう資料を十分に用意して、これは何年前にこういう計画をすでに私たちはやってあるのだというもので出されたら、あなた、これと同じでしょう。こういうことを現に言われているということです。どうなんですか。
  97. 澤雄次

    ○澤政府委員 これは鉱業権あるいは鉱業権に準ずるいろいろな資源の登記、登録は、登記簿で明確になるかと思います。先生のただいま御指摘の、こういう計画があるということは、これはどういうことで証明するのかという問題もございます。たとえば問題になっておりますシルク・コンビナートのような場合には、これは計画も非常に明確でございます。ある程度県の指示に基づいて実施したというようなことで、シルク・コンビナートのような場合には明確に補償の対象になる、このように考えております。
  98. 小川三男

    小川(三)委員 その問題は別にして、運輸大臣、あなたのほうで現地測量の期間というか、現地測量の見通しについて、いつごろからどうするかという点についての見通しを承りたい。
  99. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 いま土地所有者と交渉中でございますので、この交渉が妥結いたし、幸いにして用地測量について当事者の了解が得られましたならば、その後において立ち入りを実施したいと思っております。
  100. 小川三男

    小川(三)委員 そうすると、現地の者の了解が前提であって、了解がない場合には立ち入り測量はやらないということですか。
  101. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 了解を得てからやりたいということでございます。
  102. 小川三男

    小川(三)委員 そうすると、いまの段階ではまだ見通しは持っていないということですね。
  103. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 正確に言えば、そういうことでございます。
  104. 小川三男

    小川(三)委員 運輸大臣、あなたのほうへ現地でいろいろの訴えを出しておりますが、この間日本通運が出している「えきすぷれす」の七月号に、日本航空の松尾社長と日本通運の福島社長との対談が出ていたが、この中で松尾社長は、現在のジェット機ならまだしも、SSTやジャンボになると、この程度では追いつきません、特にSSTは音速の壁を破るときにたいへんな音がします、だから、すぐにでも海洋に出られるところが必要なわけです、こう答えております。つまりジャンボとかSSTは非常な騒音を持つものであるということを指摘しているわけですが、これはぼくは正しいと思うのです。その点は御承認なさるでしょうね。
  105. 澤雄次

    ○澤政府委員 御指摘のうちジャンボにつきましては、これはボーイングの747と思いますが、747は、これは現在のDC8型の62シリーズというのと大体同じ騒音に、同じ音にするように、こういうアメリカの航空局、FAAの指示に基づいてそのような準備をいま進めておりますので、DC8型とたいして変わらないのじゃないかと思います。  それからSSTにつきましては、これは目下まだ計画中でございまして、どれだけの騒音になるかということはわからないのでございます。これにつきましても、いわゆるファンジェットを非常に開発することによりましてその騒音をでき得る限り押えろという指令が出ております。  それから、先ほどお読みになりました松尾社長の話のうちの、音速の壁を破る場合に非常なブームが起きる——いわゆるソニックブームのことであるかと思いますが、成田新空港の場合には、海岸線から成田に入りますときには非常にスピードを落としております。いわゆる超音速でソニックブームの起こる状態は大体海上で起こってきて、そしてあの海岸線から成田に入るときにはもうソニックブームは起こらないのではないかということで、これもいま公団のほうで研究いたしております。現在までのところ内陸ではソニックブームは起こらない、このような一応の判断をいたしております。
  106. 小川三男

    小川(三)委員 いや、それは騒音ですよ。騒音は防止できないということは、あなたのほうで、防止できないからこの間の防止法案もやっているわけです。ところが現地で公団は、騒音は全く問題にならないんだという。パンフレットをいまもって配布しているんです。ああいうことは誠意あることじゃないですよ。
  107. 澤雄次

    ○澤政府委員 いつか当委員会小川先生から御指摘がありましたあと、そういう資料は配布してないかと思いますが、この騒音は、先生おっしゃいますように、どうしてもこれは避けられないものでございまして、先般御審議いただきました騒音防止法で、でき得る限りこの騒音の障害を軽減するという努力はしてまいりたいと思います。騒音を問題にならなくするまで——問題にならないということはないということは、これは先生のおっしゃるとおりでございます。
  108. 小川三男

    小川(三)委員 問題にならないということはないのです。問題になるのです。したがって、問題にならないというようなああいう資料を配布させておくこと自体が、しかも成田総裁の署名を入れてああいうものを配布していること自体が重大な責任です。ごまかしですよ、ああいうことは。ですから、一方では警視庁の警備部長を県警本部長へ持っていって、そして推進本部員にしておいて、そして一方では、騒音は否定できないにもかかわらず、騒音は問題になりません、問題になりませんというようなことを言って歩いていること自体、一方ではごまかし、一方では権力をもって屈服させようとするのだというふうに現地の者が受け取るのは当然です。ですから、ああいうものを配布させること自体撤回させるべきだと思いますが、どうですか。
  109. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 間違ったことを書いてあるとすれば、当然撤回しなければいかぬと思います。
  110. 小川三男

    小川(三)委員 間違いだ。明瞭にそう書いてあるのですから。これは成田さんをこの前参考人として呼んだときも、資料を見せたら、これは間違いないですと言った。しかもそういうものをいまもって配布しっぱなし、配布しておること自体がおかしい。やめさせるべきですよ、ああいうことは。  それからもう一つは、いま工事認可はおりていますね。事業認可についてはどういう段階になっていますか。
  111. 澤雄次

    ○澤政府委員 法律上は工事認可だけでございまして、事業認可の制度はございません。
  112. 小川三男

    小川(三)委員 そうしますと航空法には三十九条、申請の審査で、「運輸大臣は、前条第一項の許可の申請があったときは、その申請が左の各号に適合しているかどうかを審査しなければならない。」そして五項目並べてあって、特に重大なのはこの二の「当該飛行場又は航空保安施設の設置によって、他人の利益を著しく害することとならないものであること。」という点が掲げられているが、いま騒音にしても他人の利益を著しく害するということがあり得るわけです。この三十九条の第二号の問題については、あなたのほうではどういう解釈を下されておるのか。
  113. 澤雄次

    ○澤政府委員 三十九条につきましては、公団についてこれが準用に相なっておりますが、運輸大臣は三十九条を審査の上、工事の認可を出したわけでございます。「飛行場又は航空保安施設の設置によって、他人の利益を著しく害することとならない」、このことにつきましては、飛行場の設置によって関係住民の方で被害を受けられる方が非常に多いわけでございますので、これらの方につきましては政府、公団といたしましてでき得る限りの補償を実施させていただきまして、この国の予算、会計の許す限りの補償その他の福祉厚生施設実施するほか、関連公共事業を実施することによりまして地元の方の福祉の向上に役立たせたい。さらに音響につきましても、先ごろ御承認いただきました騒音防止法によりまして、その障害を軽減していきたい。これらの一連の措置をとることによりまして他人の利益を著しく害することにならない、こういう法律解釈をいたしたわけでございます。
  114. 小川三男

    小川(三)委員 それでは第五号に「飛行場にあっては、申請者が、その敷地について所有権その他の使用の権原を有するか、又はこれを確実に取得することができると認められること。」この条項がありますね。そうすると、確実に取得するというのは法律上どういうことをさすのですか。
  115. 澤雄次

    ○澤政府委員 この件につきましては、法制局長官からたしか予算委員会で政府の公式見解を御説明申し上げておると思いますが、成田の飛行場につきましては国有の農地、県有地がございますし、それから民有地につきましては、その土地所有者に公団あるいは県からでき得る限りのお話し合いをしていけば、土地所有者の御了解を得て土地取得ができる、こういう見通しのもとにこの第五号を解釈いたしたわけでございます。
  116. 小川三男

    小川(三)委員 そうしますと、国有地あるいは県有地を確実に取得することができるという法的な処理はもうすでに済んでいるのかどうか。
  117. 澤雄次

    ○澤政府委員 国有地につきましては、これは代替の牧場を、宮内庁の牧場をいまこれから建設いたそうといたしておりますし、これにつきましては土地取得について、ほぼ予定地の住民の方の御了解を得たわけでございます。それから県有地につきましては、これは国と県との土地を交換する等の措置によりましてこれを国で取得したい、こういうことでございます。それから住民につきましては、現在までのところ、いろいろお話し合いをした結果、約八割の方が、もちろん条件つきでございますが、条件つきで賛成をしておられるというのが実情でございます。
  118. 小川三男

    小川(三)委員 この現地に共有地として、二千名以上の所有者の共有地が設定されている。これらに対するあなたのほうの交渉なり処置なりはどうされていますか。
  119. 澤雄次

    ○澤政府委員 共有地の二千名の方につきましては、まだ公団といたしましても交渉いたしておりません。大部分の土地取得について御了解を得た後、共有者の方についてもお話し合いをしてまいりたいと思っております。
  120. 小川三男

    小川(三)委員 前回参議院での法制局の答えは、大体において、確実に取得し得るというのは三分の一以上という、突き詰めていけば大体そういう答弁であった。そういう点で、三分の一以上、それは面積によるのか所有者の数によるのか、その点はどうなんですか。
  121. 澤雄次

    ○澤政府委員 面積によるのか所有者の数によるのかという御質問は、これはむずかしい問題だと思いますが、実質的に現在空港敷地内の約八割の土地所有者が御賛成になっておりまして、その二千数名の共有者の方につきましても、数は多いのでございますが、登記関係がどうなっているのか、あるいはその共有の実態がどういうふうになっているのか、これらのこともよく調査いたしまして、そして話し合いを申し上げれば、最後には御納得がいただけるもの、このように確信いたしております。
  122. 小川三男

    小川(三)委員 これで私の質問を終わりますが、面積による場合は、国有地、県有地全部合わせてもこれは約三〇%ほどです。したがって、面積の点についても、あなたのほうで三分の一以上取得できるという見通しはない。人員の上においてはなおさらです。したがって、こういう問題についてあなたのほうは、もっと検討しなければならない立場にあるはずです。これは人員によるのか面積によるのか、あなたのほうではどういう点で理解されているのか、その点をちょっと伺っておきます。
  123. 澤雄次

    ○澤政府委員 これは一方的に人員だけによるということもできませんし、また面積だけによるということもできないと思います。この飛行場予定地の実態をよく見まして、人員、面積、総合的に判断して、確実に取得でき得るということになれば、この第五号の条文の要件を充足している、こう解釈するのが至当かと存じます。
  124. 小川三男

    小川(三)委員 では、私は終わります。
  125. 細田吉藏

    細田委員長代理 久保三郎君。
  126. 久保三郎

    久保委員 航空問題で二、三お尋ねしておきたいのでありますが、昨日運輸省で発表なさった「航空の長期展望」、全体について目を通してはいませんが、この長期展望に入る前に、この長期展望は、過去における特に運輸省の航空政策というか、あるいは政策らしきものについての批判というか反省をした上でお立てになっているのかどうか、それが一つであります。いかがでしょう。
  127. 澤雄次

    ○澤政府委員 現在までの民間航空及び国のいろいろな推移状態をこまかに検討いたしまして、そして今後航空がいかにあるべきか、こういう見通しを立てたわけでございます。
  128. 久保三郎

    久保委員 いままでの航空政策というか、たとえば空港中心にものを考えた場合もあるだろうし、あるいは航空企業というか、そういうものを中心に考えた場合もあるわけで、一々短い時間の中でそういう近い過去における歴史をひもといて申し上げる必要はないほど歴然たるものがあって、過去における政府の航空政策というのは、まさに空、からっぽの政策である、こういうような極端な批評を受けてきたということは事実であります。でありますから、御答弁になったのは、私の質問に対して真正面から答弁されたというふうにはとれないのであります。まず第一にそういうものを厳重に反省することが、航空政策ではなかろうかと思うのです。  そこで、ひとつお尋ねしたいのは、これはきのうあたりの新聞にも出ておりますが、使いものにならぬような空港が実はできていく。しかも多額の国費ももちろん入っているという実態、たとえば最近話題になっております鳥取の空港も、御承知のように、米子の空港があるにもかかわらず—もちろん米子の空港は自衛隊の管理の空港でありまして、しかも設備としても、その空港のそばに鉄道線路あるいは停車場があるというようなことで、交通にとってもあまり上等ではないということは事実であります。ところが、鳥取がきょうからオープンするらしいけれども、新聞によれば、八月一ぱいだけ、地元自治体である県が先頭を切って毎日お客はかり集めて乗せるからまあひとつということなんです。こういうのは事前にわかっているはずなんでありまして、しかも何がゆえにそういうところに、全体の航空政策を推進する金があり余っているわけではないのに、どうしてこういうことをするのだろうか。これは最近、この一つの空港ばかりではありません。御承知の松本空港は、いまどうなっているのか。模型飛行機でも飛ばす以外にないのじゃないかというので問題になっている。本物の飛行機は飛ばぬというのです。ところが、今度も、ちらっと見るというと、何か東京なり大阪に二時間で主要な土地から全部来られるようにするというのが、この中身の一つになっている。松本はどうです。松本はいまでも二時間じゃ来られない。だから、空港はあのままやっていけるのか。さらにもう一つは、これは北海道にもあったはずです。北海道には、自衛隊の演習場のまわりを通らなければ行けないというようなこともあったんだが、これは解決しているのかどうか。そういうものを解決しないままに、長期展望の中でいろいろな文句を並べても、ちょっとどうかと私は思うのであります。そういうものの整理はどういうふうに考えたらいいのか。だから、二つ、具体的に松本空港と今日話題になっている鳥取空港の処置はどうするか。  それから、ここで言及している、いわゆるジェット機をローカル線にも飛ばすのだというが、機材の投入についての確たる見通しと経済性について、これは計算してあるのかどうか。この中には計算はないが、おそらくこれもどこかで計算はしただろうと思う。そのために二千メートルに空港をほとんど直すというようなことが、はたして日本全体の国民経済に合うのかどうか。  さらに、もう一つは、輸送機関としては、御案内のとおり、道路面では高速自動車道の建設も片方ではある、片方では国鉄を中心にするところの新しい山陽新幹線も着工の運びである。われわれ自身は、山陽新幹線自体にも多少の疑問なきにしもあらず。いまやらねばならぬところは、運輸省全体としても、政府全体としても、目の前に起きているところの都市交通の問題をどうにかして処理しなければならぬ。あるいは安全の問題も、先ほど来お話が出たとおりであります。もちろん長期展望でありますから、将来の展望に乗っておやりになることはけっこうでありますが、単に航空局独自の考え方だけでやっていくことはこの際いかがかと思う。これは運輸省全体あるいは政府全体での長期展望として出てきたのか、この点どうですか。
  129. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 本件につきましては閣議にも報告いたしておりますが、これは航空審議会において昨年答申が出てまいりまして、それに基づきまして運輸省で作業をいたし、さらに航空審議会の同意を得まして決定に持ち込んだものでございまして、今後の五カ年間の政府の展望であると同時に、この展望を前提といたしまして今後の施策を行なっていきたい、これがいまの政府の基本的な考え方でございます。
  130. 久保三郎

    久保委員 そうしますと、経済社会発展計画とはどういう関係にございますか。
  131. 澤雄次

    ○澤政府委員 将来の旅客の伸びその他につきましては、経済発展計画の国民所得の伸びの数字と関連をいたさせております。
  132. 久保三郎

    久保委員 そうしますと、先ほど来私が申したことをもう一ぺん申すのですが、国内航空の分野で、いわゆる輸送のシェアというものはどういうふうに見てお立てになっているのか。他の輸送機関との関係はどうなっておるのか。これは勘案いたしてこういう結果が出たのかどうか、いかがでしょう。
  133. 澤雄次

    ○澤政府委員 航空運賃を下げていく、これは航空だけでございませんが、すべての輸送機関の目的であると思います。運賃を下げて旅客の利便をはかっていくということが輸送機関の使命であり、また運輸省の使命であるかと思います。航空につきましては、定時性を確保し、いわゆるスケジュールをぴしっと守るようにしていきまして、旅客が航空機になじんでくるということが、この展望に書いてあります一つ要点でございます。  それから第二点は、先ほど先生御指摘のございました国内線でも、遠距離につきましてはジェットを使うほうがターボプロップを使いますよりも、はるかにコストが下がってくるわけでございます。たとえば東京−宮崎を例にとりますと、ターボプロップとジェットのコストでは、ジェットが約六割になります。このように、国内の遠距離の主要なローカル線をジェット化し、定期化して、そして旅客をつけ運賃を下げていくということはまさに運輸省の使命である、こういう観点のもとにこの構想を立てておるわけでございます。
  134. 久保三郎

    久保委員 ぼくが聞いているのは、輸送シェアについてどういうシェアを考えておられるのかということです。他の輸送機関についても勘案されて、その結果としていま御説明のようなことが出てきたのかどうか。あなたの御説明では、運賃を安くするのだ。それはたくさん乗れば安くなるのですよ。しかし、たくさん乗る前の問題がたくさんあるわけですね。だから単に経済性で、消席率を五〇%におく、あるいは五五%において計算した場合、あなたの説明のとおり、東京−宮崎間ではターボよりジェットのほうが安くなるという計算は出ますが、五五%をいかにして確保するかが問題です。時間がありませんし私も全部読んでいませんが、そういうこともあるので、非常に危険な要素がありそうだという予感がしております。けちをつけるわけじゃないですよ。  それからもう一つは、さっき申し上げたように、鳥取とか松本の空港はどうなるのか。そういうものの反省がない上に、どこの空港は二千メーターにするとか、どんどんふやしていく。それでいいのだろうかという、至って常識的な質問をしているのです。反省がない人が同じ筆で同じことを書いているなら、だれだって疑うのはあたりまえですよ。がらっと変わるのなら別です。あんまり変わってない。もっとも航空局長は多少かわっているかもしれないが、中身は変わってない。だからそういう人が書いたものはやはりためつすがめつ見ないと、非常に危険だというふうに私は考えます。時間がありませんから答弁は要りません。  もう一つは、これは答弁が要るけれども、この中を見ると、国際航空会社は日航一社、国内は二つに分けていく。それ以上はつくらぬ。貨物の専用の会社もつくらぬ。それから不定期チャーターも、飛ばすということでありますが、それもつくらぬ。既成会社にやらせる。これは全日空の集約された中でやらせる。国際貨物は日航にやらせる。そういうことに了解してよろしいのかどうか。
  135. 澤雄次

    ○澤政府委員 国内航空につきましては二社にしていくということは、明記いたしております。それから国際航空につきましては、何社にする、あるいは一社しか認めない、そのようなことには触れておりません。
  136. 久保三郎

    久保委員 触れていないのは自信がないから触れていないのか、それとも政治的な含みがあって触れていないのか。この「航空の長期展望」で、何社ができるかわからぬようなものを書いたって意味がありません。そうでしょう。だから私は反省ということを言っている。企業の乱立によるところの今日の航空界の混乱があるわけです。これはあげて運輸省なり政府の責任と言っても過言ではないのですよ。国内航空一つとってもそのとおり。全日空もそのとおり。最近日航はやや上向きになってきたが、過去においてはそういうしわ寄せがあったことは事実だ。そうでしょう。だから長期展望で一番大事なのは、国際一社、国内一社、あとは何にもつくらぬということなのかどうなのか。こんなものははっきりしなければ何にもなりませんよ。
  137. 澤雄次

    ○澤政府委員 国際の定期会社を二社にするというようなことは事務当局も考えてもおりませんでしたので、そのようなことは触れておりません。
  138. 久保三郎

    久保委員 いや、事務当局が出したのじゃないのだろう。最終的には、大臣おっしゃるとおり、政府の方針としてきめたのだ。まさに政治的なんです。これは今日ただいまの問題ではなくて、長期展望なんです。しかも長期展望の中には、機材については、ジャンボの問題もSSTの問題も織り込み済みなんです。そうすれば、まさに航空界における一つの革命なんです。革命の中で取り上げたのは、不定期のチャーターの問題、貨物輸送の問題は今日的課題なんです。そういうものに言及しないで長期展望というのは、これはおよそ鳥取空港、松本空港と同じだと申し上げたいのだが、そうではないですか。
  139. 澤雄次

    ○澤政府委員 私が申し上げましたのは、日本航空は国策会社でございまして、政府の資金が入っておりますので、定期会社として日本航空以外のものを出すということは考えられないであろうということを申し上げたのであります。チャーター会社につきましては、これは世界的な趨勢でございまして、日本が今後、このチャーターについてどういうふうに進んでいくかということを、今日この段階で直ちにきめるより、みんなで、日本航空を中心として今後研究を進めていくべきものである、このように考えておるわけでございます。
  140. 久保三郎

    久保委員 およそ政策というのは、考えることではなくて、こういうふうにしますというのが政策なんだ。それ以前のは、いわゆる情勢分析なんです。そうでしょう。私はそう思っておる。政策というのはきちんとわかっているものだ。あなたのおっしゃることは、いまから検討する——検討するのは政策じゃありませんよ。政策としてはいかにやるかというのが政策なんです。そうでしょう。そうすると、これは論文ですか。あまりよく読んでいないので、申し上げるのもどうかと思うので、この辺にしましょう。しかし、これは徹底しない。やはり、から政策が多少ここに残っておる。松本とか鳥取の問題をこの次には片づけるような方向で、きちんと整理ができるようにやるべきだと私はどうしても思います。  時間もありませんから、この問題はこの程度にしておきます。      ————◇—————
  141. 細田吉藏

    細田委員長代理 次に、港湾に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。久保三郎君。
  142. 久保三郎

    久保委員 時間もありませんので、それぞれ関係の向きにお尋ねをするわけでありますが、これは大臣もあるいは御承知かと思うのでありますが、ついせんだって、私は神戸港に参りまして、いわゆる独航ばしけなるものについて調査をしてまいりました。独航ばしけというのは、言うならば、ひとりではしけを動力によって運航させていく。仕事の内容は、港湾運送事業者の請け負ったところのはしけ運送をやっていく。この港湾運送事業者との関係は、言うならばウェットチャーターのものもある、あるいは運送積みトンによるところの契約もあるようでありまして、いろいろ形態は違うけれども、港湾運送事業の、いわゆる世間的にいう通俗的な下請というか、そういうかっこうでございます。しかし、港湾運送事業法にいうところの下請ではないというのが特徴的であります。  この問題の起きたのは、従来この独航ばしけ、機動ばしけというのは、帆船というか、帆柱を立てて帆を張って動くものであるというような範疇に置いてまいったようでありますが、実態は先ほど申し上げたように、帆柱も帆もございませんので、いわゆるエンジンの力によって航行する船でありますから、当然これは動力船としての扱いになるということで、船舶安全法によるところの検査、それに伴うところのいわゆる運航、操縦するところの職員、いわゆる船舶職員法に基づくところの有資格者を乗り組ませねばならぬというような二つの問題が出てまいりました。経営の実態は、今日ただいまでも、たとえば五十総トンくらいの独航ばしけで、一カ月間よくかせいで大体八万から十万くらいのかせぎだそうであります。そういうかせぎの実態からまいりますれば、船舶安全法に規定する安全の装備をする、あるいは船体の耐航性を一そうつけるというようなことは不可能であるばかりか、先ほど申し上げたような有資格者を何人か乗せねばならぬということにおいては、もはや経営は成り立たぬというのが実態のようであります。  従来、船舶局を中心にして、検査移行について暫定措置としていま延ばしているような実態のようであります。これはそれなりにまた解決するものもあるではあろうが、実際は、最近における港湾運送事業の変転というか、そういうことから参ります問題のほうがさらには多くなってきているようであります。と申し上げますのは、港湾運送事業の集約一元化というか、これが一つある。さらには、先般本院を通過いたしました外貿埠頭公団ができ、コンテナ輸送ができてくる。こうなりますと、総体的にははしけ運送というか、そういうものが減ってくる。もちろんそう簡単に、ストレートに荷物が減るということではなさそうでございますけれども、いずれにしても、そういう中でこれは何らの権利も持っておりません。そういうことでありますから、言うならば、これは自滅をたどる以外にないというような大きな問題があるわけであります。  神戸には大体三百三十そうくらい、独航ばしけなるものがある。大阪にはこれは百五、六十くらいありそうであります。名古屋は、同じ独航ばしけとしてはあるのでありますが、これはどういう関係かわかりませんが、ほとんどが内航の登録を受けて、内航船として、実態ははしけ運送をしている。東京にも多少そういう両方のものが入りまじっているということでありまして、私は、ここで一々御答弁をいただくというよりは、これらをどう整理していく——整理といっては語弊がありますが、これを軌道に乗せていくべきかというのが、今日の大きな問題だろうと思うのであります。ついては、これらに対しての調査はもちろんでありますが、今後に対しての施策というか、そういうものを考えておられるかどうか、お答えをいただきたいと思います。
  143. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 御承知のように、改正内航海運業法により、四十二年四月一日以降内航貸渡業、運送業等にありましては、従来の登録制から許可制に切りかえられたのでございます。現在、内航船腹量の最高限度量が規定されておりますので、船腹量の純増をもたらす新規業者をいま直ちに認めるというわけにはまいりませんが、今後の内航貨物の輸送需要量の伸びを考慮して、その改定を検討中でありますので、いわゆる独航ばしけ業者についても、今後の情勢の推移を見つつ善処いたしたいと思います。  なお、現在港湾運送事業の近代化、集約化についての諸施策の推進をはかっておりますが、これらいわゆる独航ばしけ業者についても、このような施策の推進の過程において仕事を続ける道が見出せるように十分配慮いたしてまいりたいと思っております。
  144. 久保三郎

    久保委員 大臣から御答弁がありまして、内航に転進というか、そういう道もあるいは考えねばならぬものもあろうかと思うのであります。ただ、船の構造自体からいきますと、外洋というか、そういうところへ回るような船でもなさそうにも見えます。ただ、神戸−大阪間というか、そういう区域では、これは当然平水航路というか、それでありますから、やっております。ただ問題は、もう一つ考えていただきたいのは、いまも言及されましたが、港湾運送事業の中に、正規にこれははしけオーナーとしての地位を確立されていったらどうか。それはもちろん一人一人の独航ばしけを扱うのはいかがかと思うので、ある適当な数量にまとめた協業化を片方で推進させるというようなことも考えてしかるべきではないだろうか。そういうものにもどうしてもならぬというものについては、これは転廃業の対策を最後にはとらねばならぬ、こういうふうにも思うわけであります。  これで、時間もありませんから、大臣からもお話がありましたので、私から要望したいことは、これは港湾運送事業のほう、あるいは内航運送の問題、そして船舶安全の問題、たとえば安全にしても、独航ばしけの走る範囲は限定されております。同じトン数でも、外洋に出るものと出ないものでは、この安全性についても、私はしろうとでありますが、違うだろうと思うのです。ところが、いまの規定からまいりますれば、おそらく独航ばしけ特別の安全性の基準というのはないのではなかろうかと思うのです。ついては、そういう外洋に出るものと違った基準において検討を加えることも一つである。  さらにもう一つは、乗り組むべきところの船舶職員についても、これもいまあるところの一般の船と同じような船舶職員法による乗り組みをしなくてもあるいは可能かもわからぬというようなことも、私は検討してみる必要があると思うのです。でありますから、まとめて申し上げますれば、この独航ばしけなるものの実態をお調べをいただくことは当然でありますが、これの実態に応じて、これらが十分安心して自分の業ができるように検討をしてほしい。それはいま申し上げたように、内航の面あるいは港湾運送事業のはしけの問題、あるいは船舶職員の問題、安全性の問題、各般にわたりますが、そういうものを総合的に検討されて、近い将来結論を得られてこの業界を指導していただきたい、こういうふうに考えるわけであります。  ついては、どういう組織で検討されるかわかりませんけれども、運輸省の中だけでできる問題でもあるようでありますから、ひとつ運輸大臣の御指示によって、そういう検討を進める組織というか、そういうものができますればなおけっこうでありますが、組織ができるできないにかかわらず、これを関係個所で詰めていくという作業を始めていただけないだろうか、こういうふうに思いますので、その点だけ大臣からお答えをいただきたいと思います。
  145. 大橋武夫

    ○大橋国務大臣 実は久保先生のこの御質問があるということを聞きまして、昨日急に港湾局のはしけ関係の仕事をやっております者と、内航関係をやっておりまする海運局とで打ち合わせをさしたのでございますが、しかし問題はすこぶる多方面にわたっておりまして、船舶局あるいは船員局等にも関係あるものでございますから、これらの各局から関係者を集めまして、よく連絡をとって検討を加えさした上で、すみやかに具体的な結論を出したいと思います。
  146. 細田吉藏

    細田委員長代理 次会は来たる四日金曜日、午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時二分散会