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久保委員 いままでの
航空政策というか、たとえば空港中心にものを
考えた場合もあるだろうし、あるいは
航空企業というか、そういうものを中心に
考えた場合もあるわけで、一々短い時間の中でそういう近い過去における歴史をひもといて申し上げる必要はないほど歴然たるものがあって、過去における政府の
航空政策というのは、まさに空、からっぽの政策である、こういうような極端な批評を受けてきたということは事実であります。でありますから、御
答弁になったのは、私の
質問に対して真正面から
答弁されたというふうにはとれないのであります。まず第一にそういうものを厳重に反省することが、
航空政策ではなかろうかと思うのです。
そこで、ひとつ
お尋ねしたいのは、これはきのうあたりの新聞にも出ておりますが、使いものにならぬような空港が実はできていく。しかも多額の国費ももちろん入っているという実態、たとえば最近話題になっております鳥取の空港も、御承知のように、米子の空港があるにもかかわらず—もちろん米子の空港は自衛隊の管理の空港でありまして、しかも
設備としても、その空港のそばに
鉄道線路あるいは
停車場があるというようなことで、交通にとってもあまり上等ではないということは事実であります。ところが、鳥取がきょうからオープンするらしいけれども、新聞によれば、八月
一ぱいだけ、地元自治体である県が先頭を切って毎日お客はかり集めて乗せるからまあひとつということなんです。こういうのは事前にわかっているはずなんでありまして、しかも何がゆえにそういうところに、全体の
航空政策を推進する金があり余っているわけではないのに、どうしてこういうことをするのだろうか。これは最近、この
一つの空港ばかりではありません。御承知の
松本空港は、いまどうなっているのか。模型飛行機でも飛ばす以外にないのじゃないかというので問題になっている。本物の飛行機は飛ばぬというのです。ところが、今度も、ちらっと見るというと、何か東京なり大阪に二時間で主要な土地から全部来られるようにするというのが、この中身の
一つになっている。
松本はどうです。
松本はいまでも二時間じゃ来られない。だから、空港はあのままやっていけるのか。さらにもう
一つは、これは北海道にもあったはずです。北海道には、自衛隊の演習場のまわりを通らなければ行けないというようなこともあったんだが、これは解決しているのかどうか。そういうものを解決しないままに、長期展望の中でいろいろな文句を並べても、ちょっとどうかと私は思うのであります。そういうものの整理はどういうふうに
考えたらいいのか。だから、二つ、具体的に
松本空港と今日話題になっている鳥取空港の
処置はどうするか。
それから、ここで言及している、いわゆるジェット機をローカル線にも飛ばすのだというが、機材の投入についての確たる見通しと経済性について、これは計算してあるのかどうか。この中には計算はないが、おそらくこれもどこかで計算はしただろうと思う。そのために二千メートルに空港をほとんど直すというようなことが、はたして日本全体の国民経済に合うのかどうか。
さらに、もう
一つは、輸送機関としては、御案内のとおり、
道路面では高速自動車道の建設も片方ではある、片方では国鉄を中心にするところの新しい山陽新幹線も着工の運びである。われわれ自身は、山陽新幹線
自体にも多少の疑問なきにしもあらず。いまやらねばならぬところは、運輸省全体としても、政府全体としても、目の前に起きているところの都
市交通の問題をどうにかして処理しなければならぬ。あるいは安全の問題も、先ほど来
お話が出たとおりであります。もちろん長期展望でありますから、将来の展望に乗っておやりになることはけっこうでありますが、単に
航空局独自の
考え方だけでやっていくことはこの際いかがかと思う。これは運輸省全体あるいは政府全体での長期展望として出てきたのか、この点どうですか。