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羽生三七君 それではこの問題はこの程度にして、次に、
防衛庁長官に
一つだけお伺いして、その
あと、ちょっとこまかいことでまた
外相にお伺いしたいと思いますが、先日、
日本海での
日米合同演習、という
ことばが悪ければ訓練でよろしいですが、これが問題になったわけです。そのときに、私関連質問で若干の意見を申し述べました。というのは、一朝有事の際に役に立たなければ困るということでいろいろな演習、訓練をやっておるということ、ところがこの場合、私はちょっと質問が長くなりますが、質問といっても、この問題一問だけですけれ
ども、長くなるのを御容赦いただきますが、一体
日本の
安全保障という問題がもう全く一般論で片づけられておる。自分の国を守るということはこれは重要なことではないか、守らないようなことを言うものはこれは
責任のない
政党の言うことだ、こういうことで全く一般的、通俗的に
安全保障、防衛という問題が論ぜられておるわけであります。しかし、私
どもは野党ではありますけれ
ども、祖国の防衛、安全を守るということについては、私は人後に落ちるものではないと
考えております。ただその手段と方法の問題です。この場合にその次元といいますか、どういう条件、どういう事態のもとにおいてどういう
政策をとるかということを
考えない場合には、一般的、抽象的、時間をこした超時間的ないわゆる
安全保障論が出てくるわけです。ですから、そういう場合に私は
日本の周辺にベトナム戦争があり、あるいは中国本土と
台湾の問題があり、南北朝鮮の問題があるというこういう時点で、少なくとも相手を刺激するような状況をとること、そういう
政策というようなものが、それは
日本の祖国の安全ということでおやりになることだと思いますけれ
ども、それがほんとうに安全に役立つのか、あるいは他面
考えてみて、この前申し上げましたように、私
どもが予見し得る近い将来、理由なくして外国が
日本に攻撃、侵略を開始することは、ほとんど近い将来あり得ざることだと思います。永久とか絶対という
ことばは私はもちろん使いません。あり得ざることだと思います。そうなれば、できる限りいろいろな不安定な要素というものは除去するということが必要だと思います。そういうことの一環としてたとえば
日本海における合同演習、合同訓練あるいはベトナムにLSTの乗り組み員をたとえ自由
意思でもそれを送るとか、あるいはいろいろなそのほかの協力など、そういうことをできるだけ避けて、少なくとも現時点において相手側を刺激しないような方法をとることが、この時点における
安全保障の
一つの
問題点だと思う。そんなことを全然別にしてしまって、一般的、抽象的に、国を守るにはどうしたらよいかというような
議論をしておってもこれは
意味がない。問題の重点をそこに置かなければいかぬ。そういう
意味から
考えて、私は何も
日本海でやらなくてもほかでやろうと思えばやれるし、いまのような時期を避けて、半年、一年先へ送ってもいいし、どういうふうにでもできると思う。あるいはベトナム問題についても、できるだけ刺激的なことを避けて、いういう努力を通じて、一面にはまだ残念なことに千島問題がからんでソ連とは平和
条約が結べないけれ
ども、平和
条約を結んで、不可侵
条約を結ぶとか、あるいは中国に対しても、すみやかに世界軍縮
会議なり、国連に参加する期待を持つとか、いまの中国の内政は別ですよ、文化革命をどう評価するかということは全然別です、それぞれ意見を持っておりますから、それはそれとして批判はあっても、国と国との関係を阻害してはならぬ、そういう
立場でもっと基本的にこの時点に即した外交というものを
考えるべきではないか。そういう配慮があまりにも欠けているのではないか。そうして第三次防衛計画、第四次と、だんだん伸びていくわけです。これでは国民から見ると、知らない人は、そんなに不安全なら三次防、四次防要るかという人も、中にはいるかもしれません。しかし、私
どもは第三次防、第四次防と引き続きその防衛計画をやっていくということよりも、むしろ当面の
国際情勢に対して十分なる配慮を行なうことにもっと重点を置かなければいかぬのじゃないか。それは防衛外交ともからんだ問題です。これはひとつ増田長官から見解をただしておきたい。