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吉田忠三郎君
大臣、ぼくもごく
基本のことだけ聞いたものですから抽象的になったのですが、したがって答えもそういう答えでしょうが、ただ、二つ目の、つまり自動車損害賠償保障法に基づく補償が最高限度額百五十万をたしか五百万にしたらどうか、こう言ったことに対してあなたは、三百万にいま検討中だ、調査研究中だ、これはやや具体化した答えで、あとはみな抽象的です。
そこで、具体的に伺いますが、現存しているものは、国は五〇%を補助する、
地方公共自治団体に。これは、私
たち具体的に七〇%に引き上げなさいと言った
意味は、ここに鉄管
局長もおりますが、鉄管
局長は、この無人踏切の解決の一つの方策として、かなり早い時期に見解を新聞紙上で発表したことがございます。そのことについてひとつとってみても、そうなかなか、この踏切の
関係になってまいりますれば、
地方公共団体のただいまの財政能力では負担しきれないものがあるのですよ。だからですね、国がいま交通戦争などといわれるような大問題になってきただけに、私はやはり冒頭言ったように、国の責任も明らかにすべきだと思うのです。この見地から、つまり二〇%アップしなさい、そうしてその金で無防備の踏切の一掃をはかりなさいと。もう一つは、これは飛行機事故も非常に多いのですね。そういう
関係からこの
空港の計器着陸施設を
中心とする保安施設の
整備というものは必要である。これな
ども、これは市町村自治体でやれといったってできっこない。三十
空港、これは
地方自治団体が
管理しておる、たくさんあるのですからね。できないから、こういうものについても、これは国がその責任を明確にして、これを補助しなさい。そうでなければ安全対策の本部が内閣にありますといったって、何ら具体的にこういうものはやっていないのですから、これは
予算審議したって入っていませんから、そういう金は。ですから、私はそういうことをどんどん、どんどんやるべきだというのですよ。
大臣、あなた、閣僚
会議で在外資産の問題も必要かもしれぬけれ
ども、二千五百億とか、二千億とかばく大な金をいまあなた方が折衝しておる段階のようだけれ
ども、そのことよりも、こういうことは必要じゃないですか。必要でしょう。ですから、こういう点を、ああ対策本部を内閣につくったからというだけではいけないと思うのです、具体的にこういう措置をとらなければね。
それから二番目に申し上げた点もですよ、ただ、私はこの救急医療施設を拡充したらどうかと言った
意味は、少なくともいま
大臣の答えられたように、
交通事故というものはたいてい頭をやられておる、脳を。これが致命的な、死亡いたしておる原因なのでしょう。ですから、そういう
関係も含めまして、少なくとも人口百万くらいを単位にして救急医療センターなどというようなものを具体的につくっていくということにならなければ、安全交通対策には私はならぬと思うのですがね。こういうことを私は含めて申し上げたのです。
それから次に、損害賠償保障法の
関係の三百万もいま勉強中だと、こう言っていますけれ
どもね、冒頭申し上げたように、人の命は金や何かにかえられるものじゃないのですね。ですけれ
ども、そういってみても、
経済社会に生きる限りはそうは参りませんから、あえて申し上げるのですが、アメリカで、この間の例の羽田のときに、カナダか何かの飛行機が落っこったですな、そのときにアメリカ人に対して補償したのは三千万円です。わが国は一体幾らでしたかね。私はアメリカ人と日本人というのは、人間の命には何も差がないと、ですから、必ずしも私は三千万一挙にやれとは言わぬけれ
ども、少なくとも今日のこの常識的な
経済事情の中で、百五十万というのはあまりにも少な過ぎる。あの法律改正のときに、去年でしたか、私
どもは主張したのです、その点をね。ところが、五十万より上げなかった。既存の保険業者だけもうかるような算出のしかたをしてきたんです。多数決であれは通したのですよ。しかし、私はいまの時点に立つと、五百万は最低限度だと思う。最高額でなくて最低限度だと思う。これだって保険制度の中でやられますからね、そう
政府も大した財政的な負担にはなろうはずがない。在外資産の二千億なんというもんじゃないです。
大臣ね、対策本部が
政府にあるとするなら、この点を具体的に、自動車局で試算させるというようなことでなく、私は人命を尊重する見地から、積極的にこれは取り上げていいんじゃないかと、こう思うのです。
それからもう一つは、この事故の問題は、何といたしましても運転者にもこれは
関係が出てくる。そこで私は国の責任において、あるいは
地方公共自治団体の責任において、やはり労働
条件の
改善、それから適性の確保、これはある程度精神病者については今度は診断書が要るとか何とかやっておられますがね、こういう問題ね。それから運行
管理の
改善、これに伴う
施策、具体的にいえば労働時間の、これは
大臣の専門でございますが、時間の短縮、あるいは今日非常に問題になっている歩合給を制限していく、なくしていく。健康
管理の度合いを強めていく、こういうこと等があるのです。こういうことについては、これは自動車局でけっこうですが、どういう
考えを持っているか、いまのところさっぱり、取り締まりの
関係の警察から出てくるいろんな法律改正とか何とか出てきますけれ
ども、
運輸省の肝心な自動車局からはさっぱりそういうものが出ていない。この点で伺っておきます。これは参議院の決議があるのですからね。で、これはもうたびたび指摘をいたしてきたところですが、何らやっていない。しかも、いまだに最低賃金を一万七千円にしなければならぬという当院の決議を何にも実行されてないですから、私は今日のこの
社会事情の中ではこれでも不足していると思うのですけれ
ども、とりあえず最低賃金の一万七千円というものはしなければならぬですよ、自動車
局長の原山さん、こういうことが残っている。それから当面、勤務時間でありますが、一週四十二時間です。将来はやはり四十時間にして、週に二回は完全に週休を与える、こういう制度というものをきちんとやらなければいけない、法制度化をしなければならぬというのが私の持論であった、こういうことが後半に議論されて参議院の
運輸委員会の議決になったわけでしょう、こういうことね。それから歩合給についても、これがいかに今日のこの
交通安全対策ともからんでいるかということをしばしば指摘をしてきたところなんです。本来、近代的なこの
社会において、こんな歩合給なんというものはあり得るはずがない、原則的には。これはやめる。そういう制度をきちんとつくる必要がある。
以上、大体私が申し上げましたが、
大臣と自動車
局長、それぞれ答えてみてください。