○
北村暢君 私は、これは
運輸省で
研究されておるというんですが、どの程度
研究が進んでいるかどうかわかりませんけれども、民間では、大体ほぼ完全なものが完成しているようですね。そういうものが、利害はこれもわからないわけじゃない。六十キロなら六十キロの
速度制限のところを、六十キロ以上絶対出ない機械——その場合に、七十キロ出したほうが
事故を防げる場合ももちろんあると思うんです。したがって、そういう意味では完全なというふうにはいかないかもしれないけれども、とにかく
警察の関係の安全標識というものが正しく守られる、自動的に守られる、こうなるというと、私は
警察の
取り締まりの上において非常に楽になるんじゃないかと思うんですがね。あの標識は置くんですけれども、実際はどのくらい守られているかということですね。これは
スピードだけじゃないと思うんですね。あらゆる
安全対策としての
スピードはもちろん、それから学校の児童の通るあの標識ですね。ああいうようなもの、それから
踏切の一時停止、こういうものに対して自動的に操作ができるという機械ができてきているわけです。そういうものができてくると、これは私は、やはり
交通安全対策については非常に革命的なものになるんじゃないか。しかも、それが試験段階で完成品に近いようなものができている、民間で。これ、やっているわけですね、民間で。それは、特許の問題その他あるようでございますが、それができてきている。それで、
研究の結果、これが害だけなのか有益なのかという問題は確かにあるわけです。あるのですが、これはやはり国として早急に試験をやって、益のほうが大きければこれは取り入れていいものじゃないかと、こう思うのです。でありますから、これが完成するというと、
月光部隊などという、
スピード違反を追いかけるようなものは要らないわけですね。自動的に
スピード制限されるわけですから、そういうものについて私ども聞いている範囲によるというと、理想はそういうふうでいいけれども、とてもそれは金がかかり過ぎてだめなんだ、こういう
意見を聞くのですけれども、私の聞いている範囲では、そう金をかけないでできる、自動装置の
自動車に据えつけるものについては約二万程度でできるのじゃないか、それから
スピードの標識から電波を出すわけですから、その電波を出す装置については約十万でできるということです。そうして、これが三キロくらい電波が有効だということのようですから、そうしますと、全国の国道に三キロ電波の出るものを据えつける——
スピードだけにしますと、たいした
予算じゃないです。べらぼうにかかるように感じられるけれども、五、六十億かなにかあればできる計算になるようです。主要国道、それから地方道の主要なところには設置ができるという計算も、ある程度試算でありますけれども、しているようです。これはもっと精密に専門家がやらなければならないでしょうけれども、そうしますと、最初私がお伺いした、
交通安全対策に相当な
予算を割いているわけでありますけれども、
予算がなくてできないというなら、とりあえず、大都市周辺あるいは主要国道というものにこういうものを採用するということを検討する価値があるのじゃないかと思う。
私、実際に
研究者から
説明をいろいろ聞きましたけれども、私も初め、電波で操作するというので、どうやって電波で操作するのかと思っておったんですけれども、電波というのは四方八方に全部出すものもできるし、
一つの方向なら
一つの方向だけに出すこともできる、こういうことなんですね。それをうまく利用して操作ができる。こういうことのようです。したがって、四十キロの
スピード制限のところから六十キロの
スピード制限のところに移ったときには、自動的に
運転者が頭を使わずにちゃんと電波を受けて自動的に変わっている。六十キロ以上は出ない。六十キロ以内は操作できると思うのですが、六十キロ以上は絶対出ない。そういう装置なんですね。これは、個人の企業なり何なりということでは、やはり周波数の関係がございますから、
政府として……。電波の数だけ信号があればいいということなんです。したがって、
スピード制限四十キロ、五十キロ、六十キロ、八十キロですか、そういう数の電波、そのほか一時停止だとか、あらゆる標識ですね。
道路安全対策の標識、これを全部盛り込めるわけです。実際にその車に乗ってみましたけれども、電波が出ない場合には手でもできるわけです、手動でもできる。何ら乗っていて不自由を感じないようであります。実際に、ある
自動車会社では、一部これを取りつけてやるということも始まっているようでございます。
そういう点、もっと
交通安全対策というものを私は科学的に検討する必要があるのではないか。起こった
事故に対して
被害者の補償はどうするとか、
取り締まりはどうするとか、みんな起こってくるのは起こりっぱなし、そういう形で
取り締まりを何ぼやってもだめだと思う。もうこれを
死者一万三千なりなんなりとなると、日露戦争当時の二個師団全滅したのと同じですから、これはたいへんなことです。ですから、私は、五十億や百億かけても、そういう科学的な、
自動車そのものに安全を守らせる、自動的に守らせることですから、そういうものができるということについて、相当思い切って
政府が
研究もし、金もかける価値のあるものではないかと、このように思うのです。でありますから、そういうことについて、先ほど
研究されているような話もあるようですけれども、そこまで突っ込んだ
研究というものはいってないのではないかと思うのです。