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1967-05-24 第55回国会 参議院 予算委員会 第18号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十二年五月二十四日(水曜日)    午後五時二十三分開会     —————————————    委員の異動  五月二十二日     辞任         補欠選任      矢山 有作君     柳岡 秋夫君      中沢伊登子君     瓜生  清君      春日 正一君     岩間 正男君      山高しげり君     石本  茂君  五月二十三日     辞任         補欠選任      植竹 春彦君     西郷吉之助君      吉田忠三郎君     成瀬 幡治君      柳岡 秋夫君     矢山 有作君      小柳  勇君     戸田 菊雄君      岩間 正男君     須藤 五郎君  五月二十四日     辞任         補欠選任      占部 秀男君     鈴木  力君      成瀬 幡治君     稲葉 誠一君      岡田 宗司君     小柳  勇君      須藤 五郎君     春日 正一君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         新谷寅三郎君     理 事                 白井  勇君                 日高 広為君                 平高 敏夫君                 八木 一郎君                 小林  武君                 鈴木 一弘君     委 員                 井川 伊平君                 大谷 贇雄君                 梶原 茂嘉君                 熊谷太三郎君                 小林  章君                 小山邦太郎君                 西郷吉之助君                 任田 新治君                 内藤誉三郎君                 二木 謙吾君                 船田  譲君                 宮崎 正雄君                 吉武 恵市君                 北村  暢君                 小柳  勇君                 鈴木  強君                 瀬谷 英行君                 矢山 有作君                 山本伊三郎君                 小平 芳平君                 多田 省吾君                 瓜生  清君                 石本  茂君    国務大臣        大 蔵 大 臣  水田三喜男君    政府委員        大蔵省主計局長  村上孝太郎君    事務局側        常任委員会専門        員        水谷 国一君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○昭和四十二年度一般会計予算内閣提出衆議  院送付) ○昭和四十二年度特別会計予算内閣提出衆議  院送付) ○昭和四十二年度政府関係機関予算内閣提出、  衆議院送付) ○主査報告     —————————————
  2. 新谷寅三郎

    委員長新谷寅三郎君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  昭和四十二年度一般会計予算昭和四十二年度特別会計予算昭和四十二年度政府関係機関予算、  以上三案を一括して議題といたします。  本日は、各分科会における審査経過について、主査の方から御報告を行なうことにいたしたいと存じます。  それでは、便宜第一分科会主査二木謙吾君からお願いいたします。二木君。
  3. 二木謙吾

    二木謙吾君 第一分科会における審査経過を御報告申し上げます。  当分科会担当は、昭和四十二年度予算三案中、皇室費国会裁判所、会計検査院、内閣総理府防衛庁経済企画庁、科学技術庁を除く)及び法務省所管並びに他分科会所管外事項であり、五月二十二日、二十三日及び本二十四日の三日間にわたり、関係大臣及び政府委員から説明を聴取した後、慎重に審議を行ないました。以下それらの質疑のうち、おもなものについてその要旨を御報告申し上げます。  まず、皇室費につきましては、宮殿新営に関し、当初計画が変更され、経費も八十八億円が百三十億円に増額されているが、その原因は何か、との質疑に対し、瓜生宮内庁次長から、宮殿新営は建築様式等が他に例のない工事である関係上、設計等予想外の時間を要したこと、経費の増加は、工事内容改善したことと、木材、労務費等物価値上がり影響を受けたこと、工事完成は約一年半程度おくれたが、昭和四十三年十月に竣工する予定であるが、完全な使用は翌四十四年に入る見込みである、との答弁がありました。  また、新東京国際空港の造成に関連する三里塚御料牧場の移転の時期、新御料牧場取得方法等に関する質疑に対し、昭和四十四年の秋ごろまでには移転できる見込みであり、敷地取得は、歳出二十二億円を限度として、現在の三里塚御料牧場敷地とほぼ等価で交換取得することとなる、との答弁がありました。  次に、国会につきましては、国会職員給与改善級別定数及び衛視増員等に関して、具体的な質疑がありましたが、これらに対して関係当局から、現在実態調査を実施中であるが、それぞれ職員の処遇を改善することに十分努力し、関係方面ともよく協議して、運営面で実現できるものについては、早急に実行するよう措置したい、との答弁がありました。  また、国会図書館拡張計画等に関する質疑に対しては、河野国会図書館長から、完成の時期は昭和四十三年八月であり、蔵書収納能力は約四百五十万冊となるが、十四、五年先には限界をこえるので、さらに別館を新設する等の必要がある旨の答弁がありました。  次に、内閣及び総理府につきましては、まず、交通安全対策に関する質疑がありました。交通安全対策強化推進は、全国民あげての要望であり、政府重点施策として強調しているが、その内容及び予算的裏づけはどうか、との質疑に対し、塚原総務長官及び政府委員から、交通安全対策は、道路交通環境整備強化充実交通秩序の確立、交通安全運動推進及び被害者救済策充実の四本の柱を中心として、その徹底を期している。予算的裏づけとしては、昨年度の八四%増の二百六十九億円を計上している。なお、別途に踏切改善のため三百四十億円、道路立体交差のため百七十億円が予定されている、との答弁がありました。また、自動車のスピードを自動的に制御する方法を開発する等、事故発生を予防する面の対策強化する必要があるのではないかとの質疑に対しては、道路建設を科学的に検討する問題も含めて、科学的に予防対策推進していく旨の答弁がありました。  さらに、行政機構の簡素、合理化について、特に公社公団等特殊法人新設抑制及び統廃合の問題に関して、臨時行政調査会答申の取り扱いはどうか。環境衛生公庫等新設答申に違反しないか。また、愛知用水公団北海道地下資源開発株式会社はどのように措置するか、との質疑に対して、松平行政管理庁長官及び二階堂北海道開発庁長官等から、経済社会の進展に対処して、効率的な行政機構に改めることは必要であるが、答申はこれを尊重して、世論の期待にこたえたい、愛知用水公団については、目下実態調査中であり、北海道地下資源開発株式会社答申の線にのっとり赤字解消につとめさせたい、との答弁がありました。  また、沖繩問題については、沖繩援助はどの程度まで増額するのか、その場合米国プライス法との関係はどうか、との質疑に対し、塚原総務長官から沖繩に対する援助施政権者たる米国と協調して実施すべきものと考えるが、これは沖繩県民に対する同胞愛に基づき、格差の是正、解消を目ざすものであるから、もちろん積極的に増額していきたい、との答弁があり、また、義務教育関係格差わが国援助により、どの程度是正されたか、今後五カ年間に格差解消するには大幅な援助が必要と思われるがどうか、との質疑に対しては、教育援助本格化昭和四十一年度からであり、教職員給与半額負担を行なったが、その結果、教科書は全額負担となり、学級編制基準引き上げ不足教室解消等が具体化してきた。五カ年計画については、琉球政府計画を、日米両国協力して達成するよう十分努力する旨の答弁がありました。  次に、裁判所につきましては、訴訟の渋滞、遅延に関して、適正、迅速な裁判要求する世論にこたえる方策はどうか、特にいわゆる百日裁判の実現のための裁判所人的構成現状でよいのか、との質疑に対して、関係事務当局から訴訟遅延については、十分反省している。裁判所訴訟指揮もよく検討するが、何よりも検察弁護側、双方の当事者協力が必要である。裁判官の人員は必ずしも満足なものとはいえないが、当事者協力を得て、適正、迅速な裁判を行なうよう万全の措置をとるつもりであるとの答弁がありました。  最後に、法務省につきましては、現在法制審議会で検討中である刑法改正のおもなる理由改正主眼点について質疑がありました。これに対して田中法務大臣及び政府委員から、現行刑法は制定以来、約六十年経過しており、この間社会情勢国民感情の変遷、憲法を頂点とする法制の改変、学説、判例の積み重ね等理由により、刑法総則規定改正保安処分不定期刑等の導入、法定刑の均衡及び表現等現代化改正主眼点としている旨の答弁がありました。また、裁判遅延防止には、検察側協力が必要と考えられるが、現状で円滑な業務遂行が可能であるかとの質疑に対しては、必ずしも十分ということはできず、窮屈ではあるが、職員の研修その他万全の措置を講じて要請にこたえる努力をする旨の答弁がありました。また、不動産に関する登記事務を、戸籍に関する事務と同様に、市町村に委託する考えはないかとの質疑に対しては、法務局出張所統廃合措置と関連もあるが、慎重に検討したいとの答弁がありました。  このほかにも各所管事項にわたり、熱心なる質疑が行なわれたのでありますが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。  以上御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  4. 新谷寅三郎

    委員長新谷寅三郎君) 次に、第二分科会主査熊谷太三郎君からお願いいたします。熊谷君。
  5. 熊谷太三郎

    熊谷太三郎君 第三分科会における審査経過を御報告申し上げます。  当分科会は、総理府のうち防衛庁経済企画庁並び外務省大蔵省及び通商産業省の各所管に属する昭和四十二年度予算担当いたしました。  審査は五月二十二日に通産省経企庁、二十三日に防衛庁外務省、二十四日に大蔵省の各所管について担当大臣より説明を聴取し、各委員より熱心な質疑を行なってまいりました。以下、質疑及び政府説明中おもなものについて、その概要を御報告申し上げます。  まず、通産省所管につきましては、資本自由化に対する基本的な考え方、また進め方について二分類案、三分類案など伝えられているがどのような案に固まっているか、持ち株会社各種形態についてただしたのに対し、通産大臣は、自由化世界の大勢であり、わが国産業に重大な影響を持っているものであるから積極、消極両面から慎重に前向きの姿勢で対処していく考えであり、自由化進め方については、各業種に当たって研究中であるが、まだいずれの案も固まっているわけではない、持ち株会社形態についても同様である、近く行なわれる外資審議会産業構造審議会答申を待って、おそくとも六月中旬までに結論を出したいとの答弁がありました。  設備投資見通しについて各種の違った計算があり、特に通産省発表政府経済見通しの数字に差異あるのは何ゆえか、また、普気過熱の心配がないかとの質疑に対し、政府側からそれば調査対象範囲やベースのとり方などによる相違であって、概して実績は計画の九〇%程度と見込まれるし、また、現に業界の自主調整も行なわれているので、大体政府見通しの線に落ち着くものと見られるとの答弁があり、現在の設備投資シェア拡大のための競争投資というよりも、国際競争力増強のための設備近代化投資中心であって、過熱の徴候はまだ認められない、しかし、十分注意して成り行きを慎重に見守るとの答弁がありました。  資本自由化と関連して独禁法、開銀法などの改正問題、流通機構及び中小企業への影響とその対策巨大企業卸売り物価引き下げの問題などについても論議が行なわれ、また、参考人として出席した佐久中小企業金融公庫総裁との間に融資残高回収不能融資内容などについて活発な質疑応答がありました。  次に、経済企画庁所管につきましては、さきに妥結いたしましたケネディ・ラウンドは日本にとってどのような意義を持つか、その得失、問題点はどこにあるかとの質疑に対し、経済企画庁長官より、かりに妥結しなかった場合、米国中心とした保護貿易主義がかなり急速に表面化するおそれがあったが、それを封ずる意味でこの妥結の意義は非常に大きいこと、わが国のようなテンポの速い高度成長国であって原材料の輸入と製品輸出に依存するところ大なる国にとって、大幅の関税引き下げが合意されたことは将来の大きな利益であることなどの答弁がありました。また、低開発国に対する経済援助についてわが国独自の主張が通ったことはけっこうなことであるが、財政負担になることは変わりがない旨の答弁がありました。なお、わが国は現在すでに低開発諸国各種援助を行なっているが、これはこの協定のワク内に認められるかとの質疑に対し、経企庁長官は、今度の会議ではそこまで話が出なかったが、今後わが国負担分五%分の範囲についてガット当局と相談して納得できる範囲をきめたいとの答弁がございました。さらに今後の問題点として、南北問題とともに東西貿易問題か重要視されるとの補足説明がありました。  国際収支設備投資など経済見通しを修正する必要はないかとの質疑に対しては、民間企業が思うとおりの行動を野放しにとれば政府見通しを上回る可能性があるが、そうあってはならない程度の自覚は民間にもあり、良識ある自主調整も期待できるし、また、場合によっては何らかの形で政府の介入も考えられるから、現在、政府見通しを修正する必要があるとは考えていない。国際収支については、七−九月期の輸出動向で大体の判断ができるだろう、との答弁がありました。  このほか、経済社会発展計画土地価格対策、都市開発問題、流通機構、特に中央卸売市場のあり方などについて、経企庁長官及び公正取引委員会委員長よりそれぞれ事情説明答弁がありました。  次に、防衛庁及び外務省所管については、日米安全保障条約について期限解釈はどうなっているか。十年というのは一応期限と見るべきではないか。自動延長固定延長かという議論期限があると見なければ成り立たない。また、継続する場合はどんな手続が必要か、との質疑に対し、外務大臣から、条約の第十条をすなおに読めば期限がついていないと判断するのが正しい。二つの議論政策論の立場からの論議であって、条約法的解釈の問題ではない。また、継続の場合は何ら新たな意思表示を必要としない旨の答弁がありました。  ベトナム戦争については、最近における米軍の非武装地帯侵入ジュネーブ協定違反ではないか。米軍のさらに北進の可能性があると思うが、この際わが国米国に対して何らかの意思表示をする考えはないか。平和解決にどんな具体的努力を払っているか等の質疑がありましたが、これに対して外務大臣から、ジュネーブ協定が成立した当時と現在では事情が変わっているし、北からの浸透が事実である以上、一方的に米軍協定違反と断定することはできない。米軍地上部隊をもって北進しないことを希望している。ベトナム和平については、あらゆる機会、可能性をとらえて努力しているのは事実であるが、その具体的内容を公表することは有益でない旨の答弁がありました。  沖繩及び小笠原諸島返還、竹島及び北方領土問題についても質疑が行なわれましたが、外務大臣から、沖繩返還日米会談でも必ず出る問題だから、極東情勢考え、いろいろな可能性を研究している。小笠原諸島については、軍事施設の地位が沖繩とは異なると思うから、まず墓参から旧島民の帰島を促進して返還に持っていきたい。領土問題は早急な解決はむずかしいが、日韓日ソともきわめて友好的な関係にあるから、時間をかけて解決していきたいとの答弁がありました。  防衛問題については、通常兵器による自衛隊増強には必ず限界がくると思うがどうか。世界軍縮会議の際、自衛隊はその対象になるか等の質疑があり、そのほか、日本海における日米海軍合同訓練中に起きたソ連艦との接触事故富士山頂気象レーダー設備米空軍に使用させる問題、日米合同委員会運営内容自衛隊員海外旅行などについて、それぞれ活発な論議が行なわれました。  次に、大蔵省所管については、公債依存政策はいつ、どんな形で脱却できるか。その転機となるときの主たる条件は、税収規模ウエートが置かれるのか、公共事業縮小ウエートが置かれるのか。公債依存度をだんだん下げていくというが、予算編成前提条件として少なくとも毎年度引き下げ率を原則的にきめられないか、との質疑がありました。これに対し大蔵大臣から、各国とも経済計画は大体五カ年を範囲としているようだが、公債政策も大体そのくらいを目途に運営していき、そのあとの情勢を考慮して前進していく。また、社会資本の立ちおくれを取り戻すには財政における公共投資の割合を急激に下げるわけにいかないので、結局税収をふやすこと、公共事業費縮小両面に期待するよりしかたがない、自然増収が多ければ公債発行額を減らしていく原則に変わりはないが、依存率はそのときの情勢に左右されるところが大きいので、あらかじめきめておくことはできない、との答弁がありました。その他公債問題については、国債償還期間六十年の意味金融情勢市中消化の問題、国際価格の低落、外債の問題などについてそれぞれ質疑応答がありました。その他、東京銀行の債権切り捨て問題、粉飾決算在外資産仲裁裁定が出た場合の財源措置などについても質疑がありました。税制問題につきまして、景気調整策としての法人税延納利子及び特別償却税運用効果はどうか、利潤税売り上げ税を創設する考えがあるのか、直接税と間接税の比率の問題、所得税課税最低限引き上げ住民税の引き下げ問題、税務、税関行政などの諸点について質疑がありましたが、大蔵大臣及び政府委員よりそれぞれ事情説明並びに答弁がありました。このほかにも、多方面にわたる熱心な質疑が行なわれたのでありますが、その詳細は、会議録によって御承知願いたいと存じます。  以上をもちまして、第二分科会担当予算の全部の審査を終了した次第であります。御報告を申し上げます。(拍手)     —————————————
  6. 新谷寅三郎

    委員長新谷寅三郎君) 次に、第三分科会主査鈴木強君からお願いします。鈴木君。
  7. 鈴木強

    鈴木強君 第三分科会における審査経過を御報告申し上げます。  第三分科会担当は、昭和四十二年度予算三案中、農林、運輸、郵政、建設の四省所管にかかるものであります。  分科会におきましては、二十二日から本日まで、運輸省郵政省農林省建設省の順に、関係大臣から提案理由説明を聴取し、質疑を行なってまいりました。  以下、質疑のおもなものについてその要旨を御報告申し上げます。  まず、運輸省所管におきましては、新東京国際空港の問題について、「今日のような混乱を引き起こしたのは地元との間に対話がなかったことに最大原因があるのではないか、反対派を含め地元との話し合いが済むまで測量をしないことを約束できるか、成田空港大型機発着等遠い将来を考えると問題があるので、白紙に返して対策を立て直すべきではないか」などの質疑がありましたが、これに対して政府側から、「いままでは選挙等関係で十分な話し合いはできなかったが、今後は出向いて話し合う、測量については、期限があるので、全部の話し合いがつかないと始められないとは考えないが、今後は公団、県、運輸省最大の連絡をとりつつ進める考えで、御意見は十分考慮に入れて努力する、成田空港白紙に返す考えはない」との答弁がありました。  国鉄関係については、「四十二年度予算編成にあたって、九百億円の政府出資要求したが、単に資金調達ができればよいというだけでなく、コスト等から考えビジョンが必要なのではないか、特別債は千二百三十億円も計上されているが、いまの金融情勢下では消化は困難なのではないか、また、運輸収入は確保できるか」などの質疑がありましたが、これに対し国鉄側から、「九百億円の出資要求通勤輸送対策のためであり、これまで七千億円も公共負担をしている国鉄としては、この程度要求はしてもよいと考えて行なった、今後の大蔵省との折衝にあたっては長期のビジョンのもとに行なう、特別債については、八方努力しているが、消化見通しは困難である、運輸収入については、年度開始後日が浅く、はっきり言えないが、旅客収入については最大限の努力が必要と思う」等の答弁がありました。  また、海運対策については、「昭和四十四年度以降外航海運に対する助成措置が切れるが、その対策考えないでよいのか、必要とすれば方針はいつきめるのか」との質疑がありましたが、これに対し政府側から、「海運の再建は進んでおり、利子支払い猶予等助成措置は四十四年度で一応終了することになっているが、整備期間終了後も、国際競争力強化と国民経済的な要請から相当な対策を必要と考えており、今国会終了ごろまでには結論を出したい」との答弁がありました。  次に、郵政省所管におきましては、郵便事業について、「料金改訂の結果、郵便事業収入の状況はどうなっているか、寄付金をつけた特殊切手発行をやめる考えはないか、また、僻地等毎日配達の行なわれない地域解消計画はどのようになっているか」などの質疑がありましたが、これに対して政府側から、「四十一年度郵便事業収入は、予定額に対し二十八億円の増収になっている、寄付金をつけた特殊切手の廃止問題は、約束の形になっているものが札幌オリンピック、万国博と二件ほどあるが、なるべくは出したくないと考えている、また、毎日配達のできないいわゆる郵便法八十五条適用地域は現在約四千五百くらいあるので、これが解消にあたっては、請負人の利用と、利用者との費用分担により中間地に受け箱を設置することを考えている」等の答弁がありました。  また、NHKのラジオ受信料廃止問題については、「当初の考えのように、法律改正を行なってもやろうという決意に変わりはないか、実施する場合は受信料でまかなっているNHK経営基盤がくずれないように配意すること、また、受信者実態を十分調査した上で行なうこと等に配慮してもらいたい」との質疑がありましたが、これに対して政府側から、「ラジオの受信料撤廃にあたっては、御指摘のような点に十分配慮し、改正案を今月中に提出したい」との答弁がありました。  電電公社関係としては、「市町村合併の結果、電話局加入区域がもとのままになっているため、市外通話の扱いを受けて住民は不便を感じているので、早急に改善する考えはないか」との質疑がありました。これに対し政府側から、「電電公社としては、住民にできるだけ協力する考えのもとに、六キロ以内のものはこれまで千億円の経費をかけて加入区域の統一を行なってきたが、六キロ以上のものを統一するとすれば三千数百億円の経費が必要なので、料金自体についても考えねばならない、しかしやらなければならないと考えている」旨の答弁がありました。  次に、農林省所管におきましては、食管会計について、「昭和四十二年度の国内産米の政府買い入れ数量の七百七十五万トンは、過去の実績等から考えても不当に低い数量であるが、これは財政事情及び消費者米価値上げを考慮した結果ではないか、このように当初予算において当然計上しておくべき買い入れ数量をことさら低く計上したことは、財政法二十九条の補正予算の規定の精神に反するのではないか」との質疑がありました。これに対し政府側から、七百七十五万トンの買い入れ数量については、前年度の特別な事情、ブロック別の積み上げ計算等を勘案して算出したもので、妥当なものと考えており、財政事情等によるものではない、また、補正については、弾力条項もあるので、現段階では問題にはならない」旨の答弁がありました。  次に、北洋漁業の問題について、「安全操業問題の近況はどうなっているか、ソ連は領海十二海里を主張し、日本は三海里を主張しているが、漁民に対してはどのような指導をしているか、領海に対する考え方の不統一から起こる問題について、政府は今後どのように対処しようとしているのか」などの質疑がありました。これに対し政府側から、「拿捕の件数は、四十二年度現在で九隻四十八名で、件数としては減ってきているが、領海に対する考え方が違っている以上、十二海里をこえれば拿捕の問題が起こるので、実際問題としてはその線で指導している、先般赤城試案により歯舞、色丹周辺の安全操業について話し合いを申し入れたが、日本への寄港問題との関連で留保になっている、しかし機会を見て話し合いを進める考えである、領海に対する考えの違う点については、それぞれの国の特殊な立場を認めつつ、ねばり強く解決努力したい」旨の答弁がありました。  また、農薬の問題について、「水銀農薬の被害はなかなか減らないが、非水銀農薬に切りかえる計画見通しはどうなっているか、名古屋の学会で問題になった、米の中に含まれる水銀剤で肝臓障害を起こす問題については、早急に対策を立て、国民に安心感を与えるべきではないか」等の質疑がありましたが、これに対し政府側から、「農薬の被害をなくすためには、低毒性農薬の研究と非水銀農薬への切りかえが必要なので、四十三年度までに全部切りかえるよう計画をしている、切りかえ状況は、四十一年度が四〇%、四十二年度が六〇ないし七〇%の予定で指導している、また、水銀剤が人体へ蓄積されて害を起こす点については、厚生、農林両省の連絡を密にしつつ研究の結論を急ぐよう努力する」との答弁がありました。  最後に、建設省所管におきましては、治水事業について、「四十年度、四十一年度は、予算額は伸びているといっても、労務費の値上がりにより、事業量としては五カ年計画で予想した進捗を示していないのではないか、また、全体としての計画は進んでいるとしても、人口密集地帯である都市の治水事業はおくれているのではないか、今後どのように努力するかとの質疑がありましたが、これに対し政府側から、「五カ年計画は三十九年価格できめてあるので、三十九年度を一〇〇とすると、四十年度は一〇五、四十一年度は一一五となり、金額は上回っている、しかし物価の上昇により事業量としては不足するので、四十三、四十四年度については投資額の確保に努力したい、また、都市の治水事業については、用地買収の関係で思うように進まなかったが、今後は一そう努力したい」との答弁がありました。  このほか、都市計画とごみ焼却場の設置問題、近畿圏の水、道路の問題本州——四国間の架橋問題、国土縦貫自動車道等の問題について質疑がありましたが、その内容会議録に譲らせていただきたいと存じます。  なお、このほか、分科会担当の各予算につきまして、あらゆる観点から熱心な質疑が行なわれましたが、その詳細は会議録により御承知を願いたいと存じます。  以上をもちまして第三分科会担当予算全部の審査を終了した次第であります。  以上、御報告申し上げます。 (拍手)     —————————————
  8. 新谷寅三郎

    委員長新谷寅三郎君) 次に、第四分科会主査多田省吾君からお願いいたします。多田君。
  9. 多田省吾

    ○多田省吾君 第四分科会審査経過を御報告申し上げます。  本分科会担当は、昭和四十二年度予算三案中、科学技術庁、文部省、厚生省、労働省及び自治省の各省庁所管に属する予算でありまして、去る二十二日、二十三日と本日の三日間にわたり、関係大臣並びに政府委員からそれぞれ説明を求め、慎重審議を行ないました。以下、質疑のおもなるものについてその要旨を御報告いたします。  まず、労働省所管におきましては、最低賃金制の問題につき、先般中央最低賃金審議会から答申が出ているが、この答申は三者構成であるべき審議会が、総評側委員の欠席のままきめたもので納得できない。ことに総評では、かねて現行の業者間協定方式による最賃制には反対で、全国全産業一律最賃制をとれと主張しているが、この総評の一律方式については、すでに大橋労働大臣当時から、これを前向きの姿勢で検討するということになっていたのに、最近は何か後退したように見られるが真意はどうなのかとの質疑がありました。これに対し、早川労働大臣並びに政府委員から、答申は有沢会長のもとで労使、公益三者の出席委員で決定した。全国一律最賃制は理想であるが、しかし、同じ日本国内でも、生活条件その他で地域的に格差のあることは争えない現実であるから、そうした点と、さらに現行の最賃制がはたしてILO二十六号条約の精神に適合するかどうかという点も含めてこのたびの答申となったものである。なおまた、総評の主張する全国全産業一律制については、今後引き続き検討すべき課題ということで審議会の意見が一致していることを申し添えておきたいとの答弁がありました。  さらに、定年制の問題について、労働大臣は、民間企業の定年制を延長すべしとの意見のようだが、定年制を云々する以上は、現在の日本の賃金体系がこのままでいいのかということも問題だし、また、教職員などは、勧奨という形で事実上退職をしいられているわけだが、労働大臣は一体どうしようと考えているのかとの質疑がありました。これに対し早川労働大臣は、五十五歳以後の余命年数が四、五年延びている現在、ことに中高年齢層の労働力の活用がやかましくいわれている際に、民間企業の五十五歳定年制を昔のままにしておくことは、国の利益にもならぬと考えて勧告している。しかし、それには、従来の年功序列型賃金制度の是正に加えて。職務給、能率給の導入をあわせ考える必要がある。また、教員など公務員の定年制については、五十五、六歳で勧奨退職などというやり方をやめ、そのまま老齢年金支給開始年につながるようにすることを考えたい旨の答弁がありました。  次に、厚生省所管について申し上げます。政府は、四十二年度予算に重症心身障害児対策費二十一億円を計上して、年度末までに国及び民間の療養施設のベッド数をそれぞれ倍増して千百二十床にするとうたっているが、それでも、一万七千三百名と推定される重症心身障害児の要収容者数の一割にも満たぬ状況でしかない。しかも、必要な医師や看護要員を充足すると称しているが、ほんとうは、病床ができても収容できないのが実状ではないのか。現にベッドがあいているところが目立つ。しかも、重症障害児の家庭では、子供をざるに入れあるいは柱にくくりつけて仕事に出ているというありさまである。対策を急がねばならぬが、この際厚生当局の所信を聞きたいとの質疑がありました。これに対し坊厚生大臣並びに政府委員は、施設も足らず職員の充足も十分でないのは遺憾であるが、なお努力を重ねながら四十五年度までに八千床に達する計画を進め、その間、在宅の障害児には指導員を派遣して、家庭での訓練、看護方法及び子供の知識指導などを行なうことにしている。現在ベッドに欠員があるのは、障害児が親のもとを離れると一日中泣きじゃくり、それをなだめるのに一人の職員がかかりきりになる。したがって、一度に収容すると手が回りかねるので、慎重な態度をとっているからでもあるが、都道府県側で収容児の選定に手間どっていることも原因になっているとの答弁がありました。  しかし、この答弁に対しては、県などで選定がおくれているのはそれだけ入所の申し込みが多いからであり、同時に、医師も看護婦も足らぬ証拠であるが、この際、炭鉱労務者の主婦を看護職員として採用できないかとの質疑があったのに対し、労働省の政府委員から、現在中高年向きの家事サービス職業訓練所が全国に八カ所あり、その課目の中に看護の補助的業務を習得させることもやっているので、炭鉱主婦の方々がそれらを利用されて、そうした療養所の看護助手として進まれることは可能であり、また、そうなっていただくことを歓迎するとの答弁がありました。  さらに、児童手当研究調査費として前年度に六百九十一万円、今年度九百七十万円を計上しているが、その調査研究はどこまで進んでいるのか。鈴木前厚生大臣は、第三子から始めるなどと言っていたが、いまはどうもあと戻りしたようにも見える。この予算委員会が終われば、やがて明年度予算の概算要求の時期に入るわけだが、佐藤総理が言うように、四十三年度から児童手当を実施するのかどうか、率直な意見を聞きたいとの質疑があったのに対し、厚生大臣並びに政府委員から、児童手当については四十一年度において一応基礎調査を終わり、四十二年度ではその方式をどうするかを研究することにしているが、問題は、わが国の人口問題及び雇用問題、さらには賃金制度のあり方や税制とも関係してくるわけで、実施までにはなおまだ調査を要すると考えている。しかし、その必要性は十分承知しているので、目下具体的構想について鋭意検討中であるとの答弁がありました。  次に、自治省関係について申し上げますと、まず、地方公務員の年金制度の問題をめぐって活発な質疑応答が行なわれました。すなわち、戦後恩給法が廃止され、従来の給与的性格にかわって、新たに社会保障的性格を持った共済年金制度が生まれたが、その短期の共済掛金がほとんど医療給付に使われている点からしても、組合健康保険と同様に国庫補助を考えるべきではないか。また、長期共済では、この十一月から掛け金の改定を行ない三者負担にするというが、それならば補助率を厚生年金と同じ二〇%に引き上げ、利回りも六分に改め、かつ、退職一時金の額も引き上げるべきだと思うがどうかとの質疑がありました。これに対し藤枝自治大臣並びに自治、大蔵両省の担当官から、質疑者の意見は理解できないではないが、地方公務員の共済制度は、ひとしく相互扶助の形をとるとはいえ、組合健保とは違い、横の連帯だけではなく、むしろ縦の連帯を重視している。地方公務員の年金負担を改定するのは今回が初めてのことで、しかも、それは今後の財源問題に重大な関係があるので、引き続き三者負担制をとるかどうかは検討するが、補助率を二〇%に上げることは困難だし、利回りも五分五厘にならざるを得ないと思う。また、退職一時金の額を引き上げることも、今日のところできないが、厚生年金その他との均衡をとって改善する必要があり、十分政府部内で意見をまとめる考えであるとの答弁がありました。  さらに、地方財政現状について、今日三割自治などといわれているが、その原因にはいろいろあり、また、その責任が地方公共団体だけの負うべきものでないことももちろんであるが、捨ててはおけない問題である。自治大臣はこの地方財政の硬直性に対しどう善処する考えか伺いたいとの質疑がありましたが、これに対し藤枝自治大臣から、行政事務の再配分とそれに伴う財源の再配分に努力するとともに、基本的には国の補助事業を減らし、自主財源に振り向け、税外負担の解消、零細補助金の整理もその方向で努力する。要は地方自主財源の強化が第一で、それがない限り、問題の解決はないが、自主財源をどこでどうやって求めるかは、またむずかしい問題で、結局、さしあたりは地方交付税の運用の中で措置するほかないと考えているとの答弁がありました。  次に、科学技術庁所管に関する質疑といたしまして、国産衛星はいつごろ打ち上げられる予定か。また、それはやがて人間衛星船の打ち上げにつながるものと思うが、世界の先進国が戦争にかわるものとして、競って宇宙開発の研究、発展につとめている現在、日本としておくれをとらぬためにも、科学技術庁の宇宙開発に対する計画並びに長官の所信を聞きたいとの発言がありました。  これに対し二階堂科学技術庁長官並びに政府委員から、国産衛星の打ち上げ時期は、四十五年度を目途に実現するよう研究を進めているが、現在のところ、人間衛星船までは考えていない。また、今日の科学技術の進歩の陰には、戦争によって研究開発されたという面もあると思うが、しかし、日本においては、宇宙開発の研究にしても、あくまで国民生活の向上発展に資するものとして、平和的利用に限って行なうこととしており、また、その計画としては、四十五年度までを国産衛星の実用実験の期間とし、その後の五年間に実用衛星の完成を目ざし、五十年度以降において人間衛星等の研究に進みたい考えである旨の答弁がありました。  さらに、鹿児島県種子島のロケット実験基地の問題につき、地元の鹿児島、宮崎両県の漁民の間に強い反対運動が起こっているが、その真相はどうかとの質疑がありましたが、これに対し、二階堂長官は、種子島をロケット打ち上げの基地と決定するまでには、新島、青森など候補地の実地調査を行なったが、結局、種子島があらゆる面で最も条件にかなった土地ということで基地の建設にとりかかったわけだが、地元の漁民団体から、漁労の障害になるということで強い反対を受け、私としては就任以来、一番頭を痛める問題になった。しかし、その後、私自身、直接現地におもむいて地元漁民の代表とも懇談、理解と協力を求めた結果、鹿児島県側の漁民との間で八項目の条件つきで和解が成立、文書を取りかわすまでになったが、宮崎県側の漁民は、あくまで生活問題であり、条件闘争ではないという主張を譲らず、まだ了解を得るまでに至っていない。しかし、政府としては、全体の責任をとる立場で極力話し合いを進める決意を固めているので、多少時間はかかると思うが、いずれ円満解決に運ぶものと期待しているとの答弁がありました。  最後に、文部省所管について申し上げます。教育に携わる者のあり方をめぐって、最近、ややもすれば、小中学の教員に対し、教師としての誇りを失っているといった批評が行なわれているようだが、その非難の原因は、文部省が小中学校の教員、特に管理職にある教師に対し、法律的、行政的面からの強制を押しつけるからではないか。たとえば、学校は末端行政の場となって、校長や教頭は電話の番人になったというような陰口さえ聞かれる状況で、その結果、教師としての主体的な研究がおろそかになり、生き生きとした教育が行なわれないような傾向が生じている。今年度予算で、管理職手当が大幅に増額されているのはけっこうだが、そういうことで教育の場が本来の使命を失うことになるのは賛成できない。文部当局はこの現状をどう思うかとの質疑がありました。これに対し剱木文部大臣並びに政府委員からは、学校には、教育の内容を授ける以外に、人的、物的な管理に相当な仕事があり、したがって、これを統合する者の地位を重要視すべきである。もちろん、学校の主たる任務である教育には、校長以下全員が積極的に努力を集中すべきで、教員それぞれが活発に研究に当たることも当然なことと考えるとの答弁がありました。  このほかにも、各所管事項にわたって熱心な質疑が行なわれたのでありますが、その詳細は会議録により御承知願いたいと存じます。  以上をもちまして、第四分科会担当予算全部の審査を終了した次第であります。  右、御報告申し上げます。(拍手
  10. 新谷寅三郎

    委員長新谷寅三郎君) 以上をもちまして、各分科会主査の御報告は全部終了いたしました。     —————————————
  11. 新谷寅三郎

    委員長新谷寅三郎君) 次に、先般来委員長及び理事打合会において、締めくくり総括質疑の取り扱いについて協議を行ないましたので、その要旨について御報告いたします。すなわち、締めくくり総括質疑は、明日及び明後日の二日間とし、質疑総時間は二百五十四分とし、各会派への割り当て時間は、自由民主党及び日本社会党はそれぞれ百分、公明党三十分、民主社会党、日本共産党及び第二院クラブはそれぞれ八分といたしました。  質疑順位は、日本社会党、自由民主党、公明党、日本社会党、自由民主党、民主社会党、日本共産党、第二院クラブ、日本社会党の順とすることといたしました。  以上、御報告いたしましたとおり取り運ぶことに御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 新谷寅三郎

    委員長新谷寅三郎君) 御異議ないと認め、さようとりはからいます。  明日は午前十時開会することといたしまして、本日はこれをもって散会いたします。    午後六時十分散会