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1967-05-31 第55回国会 参議院 本会議 第13号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十二年五月三十一日(水曜日)    午後一時九分開議     ━━━━━━━━━━━━━議事日程 第十三号   昭和四十二年五月三十一日    午後一時開議  第一 日本国アルゼンティン共和国との間の   友好通商航海条約締結について承認を求め   るの件(衆議院送付)  第二 日本国における経済協力開発機構特権   及び免除に関する日本国政府経済協力開発   機構との間の協定締結について承認を求め   るの件  第三 在外公館名称及び位置を定める法律及   び在外公館に勤務する外務公務員給与に関   する法律の一部を改正する法律案内閣提   出、衆議院送付)  第四 裁判所職員定員法の一部を改正する法律   案(内閣提出衆議院送付)  第五 地方税法等の一部を改正する法律案(内   閣提出衆議院送付)  第六 国有資産等所在市町村交付金及び納付金   に関する法律の一部を改正する法律案内閣   提出衆議院送付)  第七 中小企業近代化促進法の一部を改正する   法律案内閣提出衆議院送付)  第八 外務省設置法の一部を改正する法律案   (内閣提出衆議院送付)  第九 通商産業省設置法の一部を改正する法律   案(内閣提出衆議院送付)  第一〇 文部省設置法の一部を改正する法律案    (内閣提出衆議院送付)  第一一 国立学校設置法及び国立養護教諭養成    所設置法の一部を改正する法律案内閣提    出、衆議院送付)     ━━━━━━━━━━━━━ ○本日の会議に付した案件  日程第一より第一一まで  一、所得税法の一部を改正する法律案内閣提   出、衆議院送付)  一、法人税法の一部を改正する法律案内閣提   出、衆議院送付)  一、相続税法の一部を改正する法律案内閣提   出、衆議院送付)  一、租税特別措置法の一部を改正する法律案   (内閣提出衆議院送付)  一、印紙税法案内閣提出衆議院送付)  一、臨時石炭鉱害復旧法の一部を改正する法律   案(内閣提出衆議院送付)     —————————————
  2. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 諸般の報告は、朗読を省略いたします。      ——————————
  3. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) これより本日の会議を開きます。  日程第一、日本国アルゼンティン共和国との間の友好通商航海条約締結について承認を求めるの件(衆議院送付)。  日程第二、日本国における経済協力開発機構特権及び免除に関する日本国政府経済協力開発機構との間の協定締結について承認を求めるの件。  日程第三、在外公館名称及び位置を定める法律及び在外公館に勤務する外務公務員給与に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)。  以上三件を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。  まず、委員長報告を求めます。外務委員長赤間文三君。    〔赤間文三登壇拍手
  5. 赤間文三

    赤間文三君 ただいま議題となりました条約二件及び法律案一件につきまして、外務委員会における審査経過と結果を一括して御報告を申し上げます。  まず、「日本国アルゼンティン共和国との間の友好通商航海条約」について申し上げます。  わが国アルゼンチンとの間には、現在、戦前に締結をされました修好通商航海条約が存在をしておりまするが、今回の条約は、これにかわりまして、待避保障拡充、特に内国民待遇の拡大を目的とするものでございまして、両国間の平和及び友好関係規定するほか、入国、滞在、身体及び財産保護事業及び職業活動、関税、為替管理輸出入制限海運等に関する待遇保障を定めたものでございます。  なお、この条約は、昭和三十七年の第四十回国会に提出をせられたものでございまするが、当時アルゼンチンにおきましてクーデターが発生をいたしまして、先方の批准の見通しが立たなくなったために、わがほうの審議も中止せられまして、今回あらためて提出せられたものでございます。     —————————————  次に、「日本国における経済協力開発機構特権及び免除に関する日本国政府経済協力開発機構との間の協定」は、昭和三十九年四月、わが国が加入いたしました経済協力開発機構条約規定に基づきまして、作成、署名されたものでございまして、機構機構職員及び機構加盟国代表者が、わが国において所定の特権及び免除を享有することを定めております。また、この協定に関連いたしまして公文が交換せられておりまするが、その内容は、機構所得に対する課税免除わが国機構への加入時にさかのぼって認めること、並びに、自国民に支払われまする給与及び手当に対しては、わが国課税権を留保することを規定したものでございます。     —————————————  最後に、「在外公館名称及び位置を定める法律及び在外公館に勤務する外務公務員給与に関する法律の一部を改正する法律案」は、外交活動充実強化するために、在外公館新設及び昇格等を行なおうとするものでございまして、新設するものは、バルバドス大使館ほか四大使館、バンコック総領事館ほか三総領事館、及びオークランド領事館でございます。昇格するものは、ホンジュラス及びアイスランド各公使館を大使館とし、ウィニペッグ領事館及びデュッセルドルフ総領事館分館をそれぞれ総領事館とするものであります。  また、これら新設及び昇格せられまする在外公館に勤務する外務公務員在勤俸の額を定めております。  委員会は、以上三件につきまして慎重審議を行ないましたが、詳細は会議録によって御承知を願います。  五月三十日、質疑を終えまして、討論採決の結果、条約二件はいずれも全会一致をもって承認すべきものと決定し、法律案全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。  以上御報告を申し上げます。(拍手
  6. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  まず、日本国アルゼンティン共和国との間の友好通商航海条約締結について承認を求めるの件を問題に供します。本件承認することに賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  7. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 総員起立と認めます。よって、本件全会一致をもって承認することに決しました。      ——————————
  8. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 次に、日本国における経済協力開発機構特権及び免除に関する日本国政府経済協力開発機構との間の協定締結について承認を求めるの件を問題に供します。本件承認することに賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  9. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって、本件承認することに決しました。      ——————————
  10. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 次に、在外公館名称及び位置を定める法律及び在外公館に勤務する外務公務員給与に関する法律の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  11. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって、本案は可決せられました。      ——————————
  12. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 日程第四、裁判所職員定員法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長報告を求めます。法務委員長浅井亨君。     —————————————    〔浅井亨登壇拍手
  13. 浅井亨

    浅井亨君 ただいま議題となりました裁判所職員定員法の一部を改正する法律案について、法務委員会における審議経過と結果を報告いたします。  本法律案は、借地法改正による事件増加に備えて、判事四名、簡易裁判所判事三名を増員するほか、裁判所における事件の適正迅速な処理をはかる等のため、裁判官以外の裁判所職員を四十七名増員しようとするものであります。  委員会においては、裁判官充員計画定員配置の基準と状況、待遇改善方針定員増加概算要求と予算との関係職員過労防止職業病対策等について、熱心な質疑が行なわれましたが、詳細は会議録によって御承知を願います。  質疑を終わり、討論には別に発言もなく、次いで採決の結果、全会一致をもって、本法律案は原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  以上御報告いたします。(拍手
  14. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  本案全部を問題に供します。本案賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  15. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって、本案は可決せられました。      ——————————
  16. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 日程第五、地方税法等の一部を改正する法律案。  日程第六、国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案。   (いずれも内閣提出衆議院送付)  以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  17. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。  まず、委員長報告を求めます。地方行政委員長仲原善一君。    〔仲原善一登壇拍手
  18. 仲原善一

    仲原善一君 ただいま議題となりました二法律案につきまして、地方行政委員会における審査経過及び結果を御報告申し上げます。  まず、地方税法等の一部を改正する法律案について申し上げます。  本案は、地方税負担軽減及び合理化をはかるため、個人住民税事業専従者控除額並びに個人事業税事業主控除額及び事業専従者控除額引き上げガスにかかわる電気ガス税免税点引き上げ不動産取得税固定資産税軽油引取税等についての所要改正を行なうほか、法人住民税均等割り税率調整たばこ消費税税率引き上げ、その他、地方税申告手続簡素化など、規定整備をしようとするものであります。  委員会におきましては、住民税負担軽減地方税源充実強化等につき、熱心に審査いたしましたが、その詳細は会議録によって御承知を願いたいと存じます。  質疑を終局いたしまして、討論に入りましたところ、公明党を代表して原田委員より、日本社会党を代表して鈴木委員より、それぞれ理由を付して本案に反対する旨の意見が述べられました。採決の結果、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本案に対し、各派共同により、住民税課税最低限を大幅に引き上げること、地方税源充実をはかるため、税源の再配分と非課税規定整備をはかること、都市、特に指定都市税源充実をはかることを内容とする附帯決議を付することに決定いたしました。     —————————————  次に、国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。  本案は、地方公共団体が所有する水道施設及び工業用水道施設の用に供する土地について、水道施設等所有者である地方公共団体から、土地所在市町村に対し、市町村交付金を交付するとともに、日本国有鉄道常業路線を開業するために敷設した鉄道線路設備等にかかわる納付金算定標準額について、新たに特例措置を設けようとするものであります。  委員会におきましては慎重に審査いたしましたが、その詳細は会議録によって御承知を願いたいと存じます。  質疑を終局し、討論に入りましたところ、別に発言もなく、本案全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上御報告申し上げます。(拍手
  19. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  まず、地方税法等の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  20. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって、本案は可決せられました。      ——————————
  21. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 次に、国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  22. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって、本案は可決せられました。      ——————————
  23. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 日程第七、中小企業近代化促進法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長報告を求めます。商工委員長鹿島俊雄君。     —————————————     〔鹿島俊雄登壇拍手
  24. 鹿島俊雄

    鹿島俊雄君 ただいま議題となりました中小企業近代化促進法の一部を改正する法律案について、商工委員会における審査経過と結果を御報告申し上げます。  本法律案は、合併共同出資等の場合における課税特例割り増し償却適用を受ける対象を拡大し、本法にいう中小企業者のすべてに適用しようとするものであります。  本委員会におきましては、本改正によって特典を受ける企業者の範囲、資本自由化中小企業への影響、指定業種の追加、割り増し償却の活用の事例、零細企業対策等について、熱心なる質疑応答が行なわれましたが、詳細は会議録に譲ることといたします。  質疑を終わり、討論に入りましたが、別に発言もなく、次いで採決いたしましたところ、本法律案全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  右御報告申し上げます。(拍手
  25. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  本案全部を問題に供します。本案賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  26. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって、本案は可決せられました。      ——————————
  27. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 日程第八、外務省設置法の一部を改正する法律案。  日程第九、通商産業省設置法の一部を改正する法偉業。  日程第十、文部省設置法の一部を改正する法律案。   (いずれも内閣提出衆議院送付)  以上三案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  28. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。  まず、委員長報告を求めます。内閣委員長豊田雅孝君。    〔豊田雅孝登壇拍手
  29. 豊田雅孝

    豊田雅孝君 ただいま議題となりました三法律案について、内閣委員会における審査経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、三法律案改正点について申し上げます。  外務省設置法の一部を改正する法律案改正点は、第一に、重要な外交案件について外務大臣を補佐せしめるため、外務審議官一人を増置すること、第二に、海外における邦人の保護関係身分関係旅券関係査証関係事務を一体的に大臣官房において処理することとすること、第三に、外務省定員を、特別職四人、一般職四十八人、計五十二人増員すること等であります。  次に、通商産業省設置法の一部を改正する法律案改正点は、第一に、企業局産業立地部を、行政内容の変化に即応させるため、立地公害部名称を改めること、第二に、特許及び実用新案調査に関する事務の増大に対処するため、特許庁審査第五部を新設すること、第三に、重油ボイラー規制審議会を廃止すること、第四に、通商産業省定員を、本名十六人、特許庁六十七人、計八十三人増員すること等であります。  最後に、文部省設置法の一部を改正する法律案改正点は、第一に、国立近代美術館京都分館を独立の附属機関とすること、第二に、学術奨励審議会名称及び目的を改めること、第三に、文部省定員を三千三百九十九人増員することであります。  当委員会におきましては、以上三法律案について熱心な質疑が行なわれましたが、その詳細は会議録に譲りたいと存じます。  三法律案とも、質疑を終わり、別に討論もなく、それぞれ採決の結果、いずれも全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上御報告申し上げます。(拍手
  30. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  三案全部を問題に供します。三案に賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  31. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって、三案は可決せられました。      ——————————
  32. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 日程第十一、国立学校設置法及び国立養護教諭養成所設置法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長報告を求めます。文教委員長大谷藤之助君。    〔大谷藤之助登壇拍手
  33. 大谷藤之助

    大谷藤之助君 ただいま議題となりました国立学校設置法及び国立養護教諭養成所設置法の一部を改正する法律案について、文教委員会における審議経過と結果を御報告申し上げます。  本法律案は、北海道大学ほか十大学に九つの学部三つ大学院、二つの附置研究所をそれぞれ設置し、大阪大学医療技術短期大学部、木更津工業高専、五つの国立商船高専及び三つ国立養護教諭養成所新設し、昭和四十三年度から九州芸術工科大学新設するとともに、学芸大学及び学芸学部並びに附置研究所名称変更等を行なうものであります。  なお、衆議院において、修業年限五年半の商船高等専門学校を置く旨の学校教育法改正する修正が行なわれました。  委員会におきましては、大学生急増対策大学入試学芸大学及び学芸学部名称変更文理学部等の改組、九州芸術工科大学新設大学の格差の是正、研究費の増額、教官の待遇改善等教育研究体制整備充実に関する問題、国立商船高専新設国立電波高校高専への転換の問題、インターン、無給副手制度その他の医学教育及び医療技術短大制度等看護教育のあり方に関する問題、並びに養護教諭養成確保に関する問題等について、きわめて熱心に質疑が行なわれましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。  質疑を終了し、別に討論もなく、採決の結果、本法律案は、衆議院送付案のとおり、全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。  次いで、鈴木委員より、養護教諭養成及び充足、並びに国立電波高校高専への転換をすみやかに検討すべき旨の附帯決議案提出され、全会一致をもってこれを委員会決議とすることに決定いたしました。  以上御報告申し上げます。(拍手
  34. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  本案全部を問題に供します。本案賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  35. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって、本案は可決せられました。  これにて休憩いたします。   午後一時三十四分休憩      ——————————    午後三時十二分開議
  36. 河野謙三

    ○副議長河野謙三君) 休憩前に引き続き、これより会議を開きます。  参事報告させます。   〔参事朗読
  37. 河野謙三

    ○副議長河野謙三君) この際、日程に追加して、  所得税法の一部を改正する法律案。  法人税法の一部を改正する法律案。  相続税法の一部を改正する法律案。  租税特別措置法の一部を改正する法律案。  印紙税法案。   (いずれも内閣提出衆議院送付)  以上五案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  38. 河野謙三

    ○副議長河野謙三君) 御異議ないと認めます。  まず、委員長報告を求めます。大蔵委員長竹中恒夫君。     〔竹中恒夫登壇拍手
  39. 竹中恒夫

    竹中恒夫君 ただいま議題となりました、五法律案につきまして、委員会における審査経過及び結果を御報告申し上げます。  まず、所得税法の一部を改正する法律案法人税法の一部を改正する法律案相続税法の一部を改正する法律案、及び、租税特別措置法の一部を改正する法律案について申し上げます。  昭和四十二年度税制改正は、税制調査会の答申を尊重し、国民生活の安定と企業体質強化等をはかることを目的に、初年度千百二億円、平年度千五百五十二億円の減税を行なうとともに、租税特別措置において、初年度八十六億円、平年度二百十三億円の増収を見込む整理合理化を行なっております。  所得税法の一部を改正する法律案のおもなる内容について申し上げます。  第一は、中小所得者負担軽減合理化をはかるための控除額引き上げであります。すなわち、基礎控除額を十四万円から十五万円に引き上げるほか、配偶者控除扶養控除給与所得控除引き上げを行なっております。この改正により、夫婦及び子三人の標準家族給与所得者の場合で、所得税が課せられない限度額は、現在の約六十三万円から約七十四万円に引き上げられております。なお、退職者の老後の生活安定のため、永年勤続者退職金課税最低限を五百万円程度に引げ上ることを目途に、特別控除について、勤続年数に応じ、一年ごとに乗ずる額を五万円ないし三十万円に改めております。  第二に、青色事業専従者給与必要経費算入制度については、昭和四十三年分から限度の法定を廃止し、専従者の受けるべき給与の実態に即するよう青色申告制度整備改善を行なうほか、少額貯蓄非課税制度適用要件を緩和し、障害者控除等税額控除所得控除に改める等、所要規定整備合理化をはかっております。     —————————————  法人税法の一部を改正する法律案のおもなる内容について申し上げます。  第一は、清算所得に対する法人税課税についての改正であります。すなわち、解散、合併の場合には、清算に伴って生ずる法人所得についてのみ法人税課税することとし、清算分配金は、これを受け取る株主の段階において配当所得として課税する等、清算所得課税の仕組みの合理化をはかっております。  第二に、その他、課税所得計算に関する基本的な考え方を明確にする規定を設けるほか、課税所得計算方法申告手続について、その簡素化をはかる等、所要規定整備を行なっております。     —————————————  相続税法の一部を改正する法律案のおもなる内容について申し上げます。  第一に、配偶者に対する相続税減税であります。現在、配偶者につきましては、遺産額三千万円までの相続分は半額課税となる制度でありますが、夫婦間における財産形成及び相続実情等を考慮して、これを全額免税に改めております。これにより、夫婦間の相続は、ごく限られた高額財産階層を除いて、課税されないことになります。  第二に、その他、相続人の取得する生命保険金及び死亡退職金非課税限度額並び相続税額計算簡易合理化をはかっております。     —————————————  租税特別措置法の一部を改正する法律案のおもなる内容について申し上げます。  第一に、当面の政策上の要請にこたえて、新たに税制上の特別措置を講ずるものとしては、企業体質改善に資するため、試験研究費にかかる税額控除制度及び特定織布業構造改善準備金制度等新設輸出振興措置として輸出割増償却制度及び技術等海外取引特別控除制度拡充合理化社会開発促進等をはかるため、公害防止施設特別償却制度新設収用等の場合の譲渡所得軽減合理化等を行なうほか、景気調整対策のための延納利子税率特例制度新設等を行なっております。  第二に、既存の特別措置関係では、適用期限の到来する利子配当所得について特例税率をそれぞれ五%引き上げて、その適用期限昭和四十五年三月末日まで延長し、交際費の損金不算入制度について、交際費支出額の増減に応じて、否認対象額を増減し得るよう合理化するほか、適用期限の到来するその他の特別措置について、一部廃止するものを除いて、その適用期限を延長することとしております。  なお、本案につきましては、衆議院において、農業協同組合等適用されている留保所得特別控除制度適用対象に、新たに消費生活協同組合、同連合会を加える修正を行なっております。  以上四案の委員会審議におきましては、自然増収減税額の割合、租税負担率と納税人員の増加、直接税と間接税との比率のあり方、売り上げ税創設の是非、課税最低限百万円の実施時期、基準生計費、課税最低限と物価との関係、政治献金に対する優遇及び政治家の必要経費、法人課税の基本的仕組み、租税特別措置の減収額とその基本的あり方、利子・配当の優遇措置の存続理由、税務行政に関する諸問題等について質疑がありましたが、詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。  質疑を終了し、所得税法の一部を改正する法律案法人税法の一部を改正する法律案租税特別措置法の一部を改正する法律案の三案を一括して討論に入りましたところ、日本社会党を代表し柴谷委員より反対意見が、自由民主党を代表し植木委員より賛成意見が、公明党を代表し中尾委員より反対意見が、民主社会党を代表し瓜生委員より、所得税法租税特別措置法改正案に対して反対意見が、日本共産党を代表して須藤委員より反対意見が、それぞれ述べられました。  討論を終了し、四案についてそれぞれ採決の結果、いずれも多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。     —————————————  次に、印紙税法案について申し上げます。  本案は、今次税制改正の一環として、印紙税の税負担が最近における所得及び物価水準に適合するものとなるよう、その税率及び免税点について、定額税率を原則として現行の二倍とし、階級定額税率について、その適用範囲を若干拡大し、階級区分の組みかえによる税率調整を行ない、免税点については原則として二倍ないし三倍に引き上げ、また、課税対象の明確化に資するため、課税文書の限定列挙方式の採用等、課税範囲の整備合理化をはかるほか、制度全般にわたって合理化をはかるため、現行の印紙税法の全文を改正しようとするものであります。  委員会審議におきましては、税率引き上げ所得・物価水準上昇との関係課税物件としての委任状の課税範囲等について質疑がありましたが、詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。  質疑を終了し、採決の結果、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上御報告申し上げます。(拍手
  40. 河野謙三

    ○副議長河野謙三君) 所得税法の一部を改正する法律案法人税法の一部を改正する法律案及び租税特別措置法の一部を改正する法律案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。田中寿美子君。    〔田中寿美子君登壇拍手
  41. 田中寿美子

    ○田中寿美子君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました所得税法の一部を改正する法律案法人税法の一部を改正する法律案並びに租税特別措置法の一部を改正する法律案に対し、反対の立場から討論をいたしたいと存じます。  まず最初に、私は、これら三法の改正案における政府の基本的姿勢に対して、きびしく批判せざるを得ません。現在の税制は、昭和二十五年シャウプ勧告によって体系づけられて以来、今日まで、資本の蓄積に重点が置かれ、勤労大衆に重く、高額所得着と大資本優遇の方向をたどってまいりましたが、歴代の政府の手で、たびたび、この方向に向かっての改正が行なわれてまいりましたため、税負担の公平は全く破られ、大衆収奪の特徴を著しくしてきたものであります。昭和三十四年税制調査会発足以来、調査会はこの税制の根本的改正の方向として、税負担の公平化、大衆負担軽減税制簡素化合理化を答申してきましたが、それにもかかわらず、時の政府心政策によって実際の税制が左右されてきました。ことに四十二年度税制改正にあたっては、税制調査会の答申は税制簡素化を最大の目標としているにもかかわらず、具体的な改正案では、かえって税制を複雑にし、税体系を混乱させ、ときとして、簡素化の名によって、大衆の負担を増す結果となっております。また、四十一年十二月の長期税制のあり方についての答申では、税負担の公平をはかることによって、健全な家計と企業の育成をはかることが目的とされておりますが、四十二年度の実際の改正案では、むしろ、国民の税負担は、物価の上昇と名目所得の上昇のもとでは相対的に重くなり、家計を圧迫されることが予想されます。また、企業に対しては、資本の自由化などと関連して、政策的な配慮が用いられ、大企業の優遇措置を拡大した反面、小規模事業者、零細企業家には増税となる結果を招くおそれがあります。私は、真に大衆の税負担軽減と、それが有効に役立つ経済、物価政策と、高額所得者、大資本優先の政策を改める姿勢が政府になければ、税制調査会の何次にもわたる答申もむだになり、毎年のいわゆる減税のための法改正も、ほとんど根本的な税制改正に効果をあげないどころか、かけ声だけ減税で、実際に税額はふえていき、納税者大衆は、期待を裏切られた怒りに、納税意欲を失ってしまうであろうということについて、政府の反省を強く促したいと存じます。  以上述べました根本的な批判の上に立って、四十二年度税制改正のうち、右の三法案について、私の反対の意見を述べたいと思います。  第一に、私は、政府が四十二年度合計一千百三億を減税すると称しておりますのが、全く減税の名に値しないどころか、実質的には増税になるという点を指摘したいと思います。  政府は、八千億の国債発行のもとで、昭和四十二年度の租税の自然増収を七千三百五十三億と、大幅に見込んでいるのにもかかわらず、所得税減税は、初年度わずか一千八十億、しかも、そのうちから印紙・登録税の増税、租税特別措置の一部整理による増収三百億を差し引きずれば、実質減税額は八百三億にすぎません。これは自然増収に対して一〇・九%の割合であります。かつて税制調査会は、自然増収の二〇%を減税に充てるべきであるとしていたことからすれば、大幅の後退と言うべきであります。しかも、景気の過熱が一般に懸念されておりますので、自然増収は政府の見込み額をはるかに上回ると予想されますから、今年こそ大幅の減税が必要であり、可能なのであります。所得税自然増収の見積もりは、政府の計算でも、二千二百四十五億円にのぼるのであります。政府は、今年度の物価値上がりを事実上五%と仮定して、名目所得増加による累進税率適用によって三〇%が増税になると計算しております。かりにそのとおりとして見ますと、二千二百四十五億円の所得税自然増収の三〇%、すなわち、六百七十三億円は増税になることになります。つまり、それだけ、四十二年度には予定より、よけいに税金を国民が支払うことになるのであります。実際には、社会党の計算ですと、今年度、物価は六ないし七%上昇の見込みですから、自然増収は三千億にもなるでありましょう。したがって、物価値上がりによる増税分は九百億円に達し、もうこれだけで八百三億円の減税は相殺されてしまいます。政府の資料では、物価調整分については、物価上昇率を四・五%と計算して、わずか三百億ないし、三百八十億と見ておりますが、いかにこのような数字で減税したという幻想を国民に抱かせようとしても、事実は、右に述べたような増税になるのでありまして、実際に自分のふところから税金が多額に出ていくのを、国民は実感としてわかることでありましょう。その上、秋には、消費者米価一四・四%の値上げがあります。これによる国民の貧打は千二百億、政府管掌健康保険の赤字補てんのための保険料負担は三百四十億と予想されています。その他の物価上昇を考えあわせますと、八百三億の所得減税では、どうしても納得がいきません。  第二に問題としたいと思いますのは、給与所得者の課税最低限が低過ぎるという点であります。  免税点が独身者で二十六万七千六百二十二円、五人家族で七十一万一千八百九十九円では、以上述べました理由からも、減税の効果をもたらさないことは明らかであります。ベースアップによる税額のふえる分と物価上昇とで、この程度の免税点では、生活費に食い込んで課税されることになります。戦前と比べて現在は、実に重税が大衆に課せられているものでありまして、戦前の昭和九年から十一年の免税点千八百七十五円を物価上昇率で換算いたしますと、現在の免税点は九十万円をこえることになります。このようにして、毎年納税人口は増加し、昭和三十五年千三百八十八万四千人であった納税者が、四十一年で二千三百三十四万九千人と、驚くべきふえ方であります。まさに大衆収奪の税制と言わねばなりません。これは、特に若い独身者への課税最低限が低いことが大きな原因となっております。四十二年度税制でも、大学卒のサラリーマンは一〇〇%、高校卒で七〇%が課税されているのであります。私は、独身者の免税点は思い切って底上げして、若者に生活への希望を与えるべきであると考えます。  次に、毎年問題になりますが、課税最低限をきめるために大蔵省が設定する基準生計費に対しては、世論の強い批判があります。四十二年度基準生計費六十三万七千円のもととなる男子の成人一人一日の食料費二百五円二十四銭による計算は、物価高にあえぐ家計の実情に全く合っておりません。課税最低限合理化するためにこのような計算をすることは、やめたほうがよいと思います。日本社会党は、去る一月の総選挙中、世論の強い要望により、民社党、公明党に呼びかけて、今年度五人世帯の課税最低限百万円を政府に強く申し入れましたが、ついに聞き入れられませんでした。それどころか、税制調査会の答申では、四十二年度五人家族八十三万円を最低限にすべきことが答申されていますのに、それより後退して七十一万円とされたことは、まことに遺憾に存じます。政府はいま、四十五年までには百万円免税点にするということを発表しておりますが、三年先の百万円では現状と変わりません。現在、総理府統計局の数字によっても、人口五万以上の都市の消費支出総額は、四十一年度で、年間四人家族で約六十七万円、五人家族では八十万円で、四十二年度には、九十万円に達すると推定されております。生活費には課税しないという原則からも、日本社会党は、独身者で年収三十六万円まで、五人家族で百二万円まで課税をしないことを主張しております。これを国際的に比較してみますと、日本の一人当たり国民所得が世界で二十一位にありながら、免税点では欧米諸国より一番低いことがわかります。すなわち、独身者の場合の免税点二十六万七千六百円に対し、アメリカ三十二万四千円、英国二十八万五千三百円、西独三十万七千八百円、フランス四十四万九千六百円、五人家族では、免税点が日本では七十一万一千九百円に対し、米百三十三万二千円、英九十二万三千円、西独八十八万円、フランス百十六万九千円であります。日本の場合、特に地方税免税点が現在四十三万円と低いことを考慮に入れると、物価高とともに、大衆が課税によっていかに圧迫されているかは、与野党ともに認識しているところであります。さらに問題なのは、所得税の最低税率を、昨年度の八・五%から九%に引き上げたことで、これは、最低税率対象となるべき比較的低所得者層を苦しめるということになりますので、私ども社会党では反対しております。課税最低限は、すみやかに、独身者三十万円、五人家族百万円に引き上げることを要望いたします。  第三に、法人税改正についてでありますが、法人税改正では、簡素化の名においてむしろ複雑化したきらいがあり、また、特に零細企業に対して冷たくきびしく、大企業を優遇する傾向が、ますます顕著になっていることにつきまして、政府の反省と配慮を要望いたします。  法人税法改正法案二十二条では、課税所得額は一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従って計算されることになっておりますが、公正妥当な会計処理の基準の判定をだれがするかによって、零細な業者にはきびしい記帳義務が課せられたり、また、その結果、実情に即さない徴税が行なわれる心配があります。概して、小規模事業者は不況のしわ寄せを一番受けやすいものであることについて、税務当局の徴税が、彼らにもっとあたたかく、実情をくみ取ったやり方をされることを要望します。私は、一番苦しい立場にある小規模の個人業者にも、法人並みの事業主控除を認めるべきではないかと考えております。  この際、私はむしろ、大法人交際費、寄付金の課税をもっと厳重にすべきであると考えます。これが政治献金のもととなり、政治腐敗を引き起こすものであります。資本金の千分の二・五、所得の百分の二・五を合わせて半分までの寄付を非課税にしておりますが、資本金十億以上の法人は九百をこえております。政治資金規正法の穴もここにあるかと思われます。現在の税制では、法人擬制説に立ち、法人は株主の集まりにすぎず、法人税は利益の分配を受ける株主の所得額の前取りにすぎないとしておりますけれども、日本社会党は、この考えを根本的に改革して、法人実在説の立場に立って、大企業の超過利潤には累進税率適用することを主張しております。  最後に、租税特別措置法について、今回の改正について、二、三反対の意見を述べたいと思います。  この法律は、あくまで臨時の特例法でありまして、日本社会党は、租税特別措置法の縮少整理、そして、できるだけ早くこれを廃止することを、これまで主張してきました。この法律は、資本蓄積の名のもとに、何よりも大資本擁護、資産所得者擁護を行なってきましたもので、昭和二十五年から四十一年までの間に、大企業中心に一兆七千億の多額にのぼる免税をしてきているものであります。税制調査会の中山会長みずから、この法律は「税不公平の最大のものであり、最も評判の悪いものである」と述べております。税制調査会も、絶えずその縮小整理を答申してきましたが、政府は、かえって利子所得及び配当所得に対する特別措置の期限を三年延長させ、交際費課税を二年延長するなど、うしろ向きの姿勢をとっております。水田蔵相は参議院大蔵委員会におきまして、時の政策によって租税特別措置法の拡大もあり得るといった趣旨の答弁すらされました。今回の改正でも少々の整理はありますが、全体として縮少どころか、むしろ項目を新設し、拡大しています。しかも政府は、これらは主として中小企業対策のためであると説明し、幾らかの項目を中小企業向けに新設しました。しかし、実際に一々各項目を検討してみますと、中小企業が受ける恩恵は少なく、零細企業に至ってはほとんど無関係であるという実情を指摘したいと思います。たとえば、租税特別措置の約八割が、全会社数の一%しかない資本金一億円以上の法人に利用されております。また、たとえば、今回の改正中小企業特別措置と銘打って拡大した貸し倒れ引き当て金の利用は、資本金一億円以上の会社や銀行で八〇・五%、五千万円から一億円のところで三・五%、五千万円未満一六%という状態で、同様の例は幾らもあります。中小企業が比較的利用しているものでさえ、こういう実情であります。こうして租税特別措置法は、大資本の納めるべき税金を控除するために、大きな特典を与えている一方、国の歳入に対しては、大きな減収をもたらしていることになります。四十二年度は平年度二千四百十九億円が減収に見込まれております。社会福祉や社会開発の予算の不足を口にする政府当局は、このようにして、一方に財源を取りのがしていることに対し、私たちは反対いたします。  特に私は、利子配当の優遇措置を三年間延長したことについて、強く反対いたします。昭和二十八年以降、貯蓄奨励、資本蓄積の名目で、利子配当所得は分離課税となっております。これらは全く高額所得者を優遇するもので、政府はすみやかに廃止の方向に努力する旨、これまで答弁してこられたものですが、今回三年の延長でさらに逆行させようとしております。およそ、これほど不公平な課税はありません。株の配当所得、五人家族で二百二十六万円まで無税、また、預貯金の分散では、世帯主百万円、妻子四人を四十万円ずつ百六十万円、合計二百六十万円まで非課税の扱いを受けます。これを給与所得者で見れば、年収二百二十六万円に対して所得税二十八万三千円、事業所得者の場合の所得税は二十八万九千円、これは専従者控除二十四万円としての計算ですが、かかることになります。その上、地方税を加えますと、税負担は非常に大きくなります。このように租税負担の不公平は最も不当なものであって、勤労大衆の納税意欲をそぐものであり、これが納税のモラルを低下させるものであると、税制調査会の答申でも指摘しております。租税特別措置法は、あくまで臨時の措置であり、時限立法であるはずであります。すみやかにこれを廃止し、その中で恒久性を必要とするものは、税の本法に組み入れることによって、税体系を簡素化合理化し、大衆の負担軽減の方向をとるべきであると考えます。  以上、政府の反省を求めまして、私の討論を終わります。(拍手)     —————————————
  42. 河野謙三

    ○副議長河野謙三君) 青柳秀夫君。    〔青柳秀夫君登壇拍手
  43. 青柳秀夫

    ○青柳秀夫君 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となっております租税三法案に対し、賛成の意を表するものであります。  今回の改正は、税制調査会の答申に基づいて、国民生活の安定と企業の体質強化を目的として行なわれるものでありますが、これによる減税額は、所得税を中心に、平年度一千五百五十二億円にのぼっておるのであります。わが自由民主党並びに政府は、従来、一貫して、中小所得者を中心とする所得税減税に最重点を置く減税政策を実施してまいりましたが、できるだけ早い機会に、課税最低限百万円の実現を期することは、わが党の公約であり、租税政策の最大目標であります。この目標への第一歩として、今回最低限を七十四万円程度に引き上げられましたが、物価の値上げも十分配慮せられておるのであります。退職金につきましては、課税最低限を大幅に引き上げ、特に、永年勤続者の老後の安定をはかっております。法人税におきましては、納税者が納得して納税し得るよう、きめこまかい措置が講ぜられております。  次に、租税特別措置法についてでございますが、野党各派は、特別措置に対し、強い批判を加えておられるのでございまするが、わが党の特別措置に対する基本的な考え方は、経済政策と税制とをいかに調和させるかにあるのでありまして、わが国経済の実情と対応して適切な措置をとりますことは、必要かつ妥当なことと思うのであります。特に、現在のごとく、資本の自由化に関連して、国際競争が一そう激化の趨勢にありますとき、税制面より、これに対応して適切なる方途を講じますることは、国策上当然のことと言わなければなりません。(拍手)かような見地からいたしまして、改正案の内容を見ますると、当面の政策上の要請にこたえまして、新たに特別措置を講ずるとともに、既存の特別措置に対し、実情に即した整理合理化を行なわんとしておるのでありますが、一々これについて述べることは省略いたしまするが、いずれも時宜に適した、適切なる措置でございます。要するに、今回の改正は、直面せる内外の情勢に対応してとられた、きわめて適切なる措置として、高く評価せらるべきものと思うのであります。  わが党・政府は、昨年、公債発行による財政政策を断行し、困難なる不況を克服し、景気はいまや順調なる上昇をたどりつつありますが、今回の税制改正国民生活の安定に、また、企業体質の強化に一段と光彩を加えるものであり、三法案に対し心から賛意を表して、討論を終わります。(拍手
  44. 河野謙三

    ○副議長河野謙三君) これにて討論の通告者の発言は全部終了いたしました。討論は終局したものと認めます。  これより採決をいたします。  まず、所得税法の一部を改正する法律案租税特別措置法の一部を改正する法律案、及び印紙税法案全部を問題に供します。三案に賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  45. 河野謙三

    ○副議長河野謙三君) 過半数と認めます。よって、三案は可決せられました。      ——————————
  46. 河野謙三

    ○副議長河野謙三君) 次に、法人税法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  47. 河野謙三

    ○副議長河野謙三君) 過半数と認めます。よって、本案は可決せられました。      ——————————
  48. 河野謙三

    ○副議長河野謙三君) 次に、相続税法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  49. 河野謙三

    ○副議長河野謙三君) 過半数と認めます。よって、本案は可決せられました。      ——————————
  50. 河野謙三

    ○副議長河野謙三君) この際、日程に追加して、  臨時石炭鉱害復旧法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  51. 河野謙三

    ○副議長河野謙三君) 御異議ないと認めます。  まず、委員長報告を求めます。石炭対策特別委員長鈴木壽君。    〔鈴木壽君登壇拍手
  52. 鈴木壽

    ○鈴木壽君 ただいま議題となりました臨時石炭鉱害復旧法の一部を改正する法律案について、石炭対策特別委員会における審査経過及び結果を御報告いたします。  本法律案は、石炭対策特別会計が新設されるに伴いまして、従来、関係各省に分割して計上されていた鉱害復旧事業費予算についても、一括してこの特別会計に計上することになりましたので、鉱害復旧事業のための国からの補助金の交付方式についても、これを鉱害復旧事業団に一括交付し、事業団が復旧工事の施工者に対し復旧事業費を負担することとし、その他、主務大臣の工事完了に関する通知、産炭地域公共事業に対する地方債の利子補給、負担割合の特別措置等に支障のないよう、所要規定を設けようとするものであります。  委員会におきましては、鉱害復旧の長期計画、鉱害復旧事業団の全国統一等、答申内容の実現方針をはじめ、残存鉱害量と、そのすみやかなる復旧及びこれが原資の問題等、鉱害復旧の基本問題全般について質疑が行なわれましたが、その詳細は会議録に譲ることといたします。  質疑を終わり、討論なく、直ちに採決の結果、本法律案全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上報告を終わります。(拍手
  53. 河野謙三

    ○副議長河野謙三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  本案全部を問題に供します。本案賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  54. 河野謙三

    ○副議長河野謙三君) 総員起立と認めます。よって、本案全会一致をもって可決せられました。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時五十分散会