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1967-06-06 第55回国会 参議院 文教委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十二年六月六日(火曜日)    午前十時三十三分開会     —————————————    委員異動  六月五日     辞任         補欠選任      黒柳  明君     北條  浩君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         大谷藤之助君     理 事                 楠  正俊君                 中野 文門君                 秋山 長造君                 鈴木  力君     委 員                 北畠 教真君                 近藤 鶴代君                 玉置 和郎君                 内藤誉三郎君                 二木 謙吾君                 小野  明君                 小林  武君                 柏原 ヤス君                 林   塩君    国務大臣        文 部 大 臣  剱木 亨弘君    政府委員        文部大臣官房長  岩間英太郎君        文部省体育局長  赤石 清悦君    事務局側        常任委員会専門        員        渡辺  猛君    参考人        札幌オリンピッ        ク冬季大会組織        委員会事務総長  佐藤 朝生君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○参考人出席要求に関する件 ○札幌オリンピック冬季大会準備等のために必  要な特別措置に関する法律案内閣提出)     —————————————
  2. 大谷藤之助

    委員長大谷藤之助君) ただいまから文教委員会を開会いたします。  委員異動について報告いたします。昨五日、黒柳明君が委員を辞任され、その補欠として北條浩君が選任されました。     —————————————
  3. 大谷藤之助

    委員長大谷藤之助君) 参考人出席要求に関する件についておはかりいたします。  札幌オリンピック冬季大会準備等のために必要な特別措置に関する法律案の審査のため、本日、参考人として、札幌オリンピック冬季大会組織委員会事務総長佐藤朝生君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 大谷藤之助

    委員長大谷藤之助君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  5. 大谷藤之助

    委員長大谷藤之助君) 札幌オリンピック冬季大会準備等のために必要な特別措置に関する法律案を議題といたします。  本案につきましては、すでに提案理由説明を聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言を願います。  なお、政府側より剱木文部大臣赤石体育局長出席いたしております。
  6. 小林武

    小林武君 大体、私の質問することはこの法律の第一条に関連することが多いと思います。大会準備、ですから、その内容としては、施設その他いろいろな準備、それから選手競技技術向上、そういう二つの点であります。  先に経費のことで質問いたしますが、これは前の東京オリンピック関係とは、冬季冬季でない東京オリンピックでありますから多少差はあるとは思いますけれども、大体の準備その他については共通のものがあるようであります。そこで、きょうは札幌オリンピック組織委員会から佐藤事務総長がおいでですから、あわせていろいろなことをお尋ねしたいわけでありますが、東京オリンピックの場合は直接事業と間接事業合わせて約九千九百億円、そのぐらいの規模になっておるというのでありますが、札幌の場合、政府関係準備対策事業費というものは総額にして一体どのぐらいに考えているのか、文部大臣お尋ねをいたしたいと思います。
  7. 剱木亨弘

    国務大臣剱木亨弘君) ただいま組織委員会におきまして、いろいろな施設計画調査とか、また、関連いたしております公共事業等関係等がまだ調査段階にございまして、ごく正確な結論は出ていないのでございますが、まあ大体におきまして東京オリンピックの約三分の一ぐらいな経費は必要とするであろうと予想されております。その内容につきましては、まだ準備段階でございますから詳しくは申し上げかねる次第でございます。
  8. 小林武

    小林武君 佐藤事務総長お尋ねいたしますが、これは五年後になるとは申せ、大体において札幌現地等では、あらましの考え方というのは、私ども前に、去年でしたか、予算委員会での視察のときに札幌市の関係者から説明をしていただきました。で、会場その他を主にして考えましても、大体これは動かないという場合なんですね。それからまた、われわれ説明で聞いたところでは、きわめて大きな都市でいままでなかなか開催されたことはない。人口約百万に近い都市のすぐそばでやられるということではあるけれども、交通の便その他を考えると、必ずしも札幌の市内の中で行なわれるとか何とかいっても、それほど便利でもない。したがって、いろいろな直接間接の費用というものは、準備というものは必要であると、大体こういう説明を受けたと思っております。そういたしますと、実はこれから先の話でございますけれども、もう大体大ざっぱな考え方というのは、組織委員会ではめどは大体おつけになったと私は思うのでありますが、これはもちろんまだ政府に申し入れる段階にきておらないと思いますけれども、いまの大臣のあれですというと、約三分の一というのですが、そんなものでございますか。
  9. 佐藤朝生

    参考人佐藤朝生君) 私からお答えいたしますが、組織委員会は昨年の七月二十六日に発足いたしまして、現地並びに政府御当局といろいろお打ち合わせをして準備を進めておるわけでございます。昨年からやりましたことといたしましては、いま小林先生からお話のございましたとおり、競技場の位置をきめることがまっ先の条件でございまして、昨年から競技及び施設専門委員会を設置いたしまして、大体の競技場場所を昨年から本年にかけまして定めまして、大体スキー、スケ−ト、ボッブスレー、リュージュ、バイアスロンの各競技の主たる競技場場所を定めた状態でございます。ただいま御質問のございました経費につきましては、組織委員会といたしまして、いろいろと競技場建設費につきましては、招致時代札幌市あるいは北海道庁等が集まりまして試算いたしました数字がございまして、それをただいま検討しておりますところでございますが、いろいろ地元で計算しましたのをわれわれが検討いたしましたところによりますと、競技場経費といたしまして百億内外の金がかかるというめどだけついております。ただ、その数字につきましては、まだ内容をこれから検討いたさなくてはなりませんし、これから十分検討いたしまして、またお話もございますでしょうと思いますけれども、なるべく早くつくらなければいけませんので、来年度の予算からお願いいたしたいと存じている次第でございます。
  10. 小林武

    小林武君 文部大臣お尋ねいたしますが、東京オリンピックの場合に、政府対策事業費年度別推移数を大体言いますというと、三十九年の実施の時期までに——昭和三十三年から始めているんですね。そして各年次において一体何パーセントぐらいずつ投資していったかも明らかになっている。これはもうそういう経験があるわけですね。そういたしますと、私はまあ三十三年からやって、そうして大体三十五年あたりまでは全体として一〇%ちょっとを上回るぐらいの金の使い方ですけれども、今度の場合を考えますと、三十三年というようなことから三十九年、四十年までと終わったあとを考えましても それほどではないにしても、札幌という、北海道という特殊な地域のことを考えると、必ずしもそんなにのんきにしておられないような気持ちもするんですよ、実際問題として。まあこの法律が出てきたんですから、法律が出てから着々とやるといたしましても、大体のめどというものがなかったら、やはり準備その他ではちょっと東京とは違ってあれですから、困るんじゃないかと思うんですけれども、ここらで約三分の一と言うが、その三分の一というのは一体大体どういうあれなんですかね。何と言うか、たとえばいま競技場設備その他に百億なら百億の金が要るとか、大づかみにあれをやってみて、そうして出た数字ですか。何とはなしに三分の一と出たんですか、そこら辺どうもぼくははっきりしない。
  11. 赤石清悦

    政府委員赤石清悦君) 三分の一という荒っぽい数字は、われわれ関係者が見当をつける意味において、常平生言っていることばでございますので、私から便宜説明させていただきますが、まあ大体私どもの常識といたしまして、競技種目の数、それから参加選手の数、こういった直接競技に必要とする施設とか人員とか、こういったようなもの、これはまあ実を言えば直接経費のほうだと思うのです。こういったようなことを基礎にいたしまして、まあ三分の一程度だなあと、こういったきわめて荒っぽい言い方をしていることを、便宜大臣に申し上げたと、こういうことでございます。
  12. 小林武

    小林武君 実際まあこの法律案をながめてみますというと、大体金の問題です。国の補助をどうするか、それからそれに対する財源の問題等を大体言っているわけです。ですから、私ども札幌大会というものはなるたけ成功させなきゃいかぬが、成功させるとすれば東京オリンピックと違った、やっぱりひとつの地域的なおくれがありますから、だから、これについては相当計画的に大会準備をしなければならぬと思ったんですけれども、大体いまのお話を聞くと、競技種目だとか、参加人員というのが大体めどになっておる。それ以上のことは予算のことはちょっといま入れませんから、それじゃ予算のあれはこの次にひとつもう少し現地のほうとの御連絡などもいただいて、もう少し、何といいますかな、こちらの聞きたいようなことに答えられるような準備をしてもらいたいと私は思います。そこで、これは文部省関係がありますから、選手の問題で、大体、体育局長お尋ねいたしますが、これは五年後ですね、大体五年後。そういたしますと、これはもうあなたのほうは専門だからよくわかると思うのですけれども、その選手強化ということにあまり目の色を変えてやれば、参加すればいいというオリンピックの精神とはずれるように聞こえるかもしれないけれども、あまりもたもたしたようなオリンピック大会では、やはりみんな失望するだろうと私は思う。勝ち負けをあまり言ってもいけないけれども、堂々と戦うだけのやはり準備はしなければならない。選手強化というものはその意味で非常に私は重要な意味を持つと思う。まず文部省に一番関係のある問題を申し上げますと、都合上お尋ねいたしますが、この選手強化をやるという場合に、冬季競技においてどうですか、いまどのくらいの年齢の者から一体育てていくというか、たとえばジャンプの例をとれば、ジャンプ選手というものは、いま最高の記録を出しておる者は、年齢的にいえば間に合わないと思うのです。私は率直に言ってまず間に合わない。そうすると、ちょっと考えてみると、中学上級生ぐらいから高校の生徒、まあ大学の入りかけの学生であればちょうど間に合うかというようなことから、ちょっとわれわれしろうと考えでするわけですけれども、そういうような選手強化ということを考えると、中学から大学のきわめて学年の低いところまでをずっと考える。これはどうですか、大体そういうふうに考えてよろしいですか。
  13. 赤石清悦

    政府委員赤石清悦君) 選手育成強化につきましては、いま小林先生の御指摘のとおり、現在第一線に活躍している者は、五年先、はたしていまのレベルを持続できるか、これは非常に疑問である。むしろ、それは将来の後輩の指導者になるべきであって、この冬季オリンピックのとき日本を代表して出る選手は、種目によって違うようでございますが、大体いまの高校生、まあものによっては大学生、ものによっては中学生、たとえばフィギュアのごときになりますと、いまの小学生、こういったものから将来選手が出るであろうということが、一般に言われております。したがいまして、いわゆる選手強化だけでは選手強化という普通のことばは、いま大体選手であるものを直ちにそれをさらにレベルをあげるというような意味選手強化では、これは間に合わない。むしろ選手を育て育成してこれを強化していく。こういう長い目に立つ養成をしなければなるまい。したがって、現在の学校に学んでおる、したがって、また学校教育段階との関連で十分検討しなければならぬじゃないか、こういうふうに一般に言われております。
  14. 小林武

    小林武君 事務総長お尋ねいたしますが、この選手強化の問題は、これはどこが責任を負って計画しておるわけですか。
  15. 佐藤朝生

    参考人佐藤朝生君) 組織委員会大会の開催並びにその準備をやるところでございますので、選手強化と申しますか、選手強化につきましても全然関心を持ってないわけではございませんけれども、その日の丸があがるとか、日本選手がいい成績をおさめるということは、オリンピック・ムードを非常に高めますので、非常に関心を持っております。それをやりますところは体育協会であり、また競技団体であると考えております。
  16. 小林武

    小林武君 そこで、これは文部省に尋ねることは、その場合に、たとえば選手強化の問題で、小学校からということになると、冬季競技の場合には小学校あるいは中学上級生も参加する者があるかもわからない、そういうことはぼくらも考えられるんです。高校が、これはとにかくその当時になれば第一線に出る選手が多いんじゃないかとわれわれ考えるわけですけれども小学校とか中学校選手からも養成していくということになると、文部省としては、一体、これは前のオリンピックのときも水泳関係だとか、いろんな関係方面といろいろ話し合いをした、あのときの関係はどういうふうに取り扱っているか、たとえば試合の問題だとか、これを文部省では何かゆるめたような話も聞いているわけですけれども、どういう扱いを今後していくつもりであるか。その前にぼくは自分の意見を述べておきますと、私は文部省のいままでとってきた態度というのは悪いとはあまり思っておらぬです。それは学校体育というものを考えた場合に、文部省のとっている態度はきわめてがんこで、けしからぬとばかり私は言えないと思う。しかし、あまりがんこ考えるとぐあいの悪い点も出てくることはよくわかっておりますけれども、すべて競技というものは選手養成するというところに重点を置いた場合には、いろいろなやはり問題が起こることは、これはもうわれわれもひとつの経験を持っているわけでありますけれども、そういう配慮文部省のいままでとったような配慮というものがまるきり悪いとは私は思っておらぬという立場ですけれども、ある程度はやはり冬季オリンピック大会ばかりでなく、その他とにかくいろんな諸競技をこれから盛んにしていくということになれば、何とか調和点というものがもう少しあってもいいんじゃないかと思いますが、これについては一体どういう態度をとっているかちょっとお伺いしたい。
  17. 剱木亨弘

    国務大臣剱木亨弘君) 冬季オリンピックに対しまする文部省考え方といたしましては、第一段階といたしまして、直接に選手強化ということをいまからやるということでなしに、実は冬季オリンピックがございますのを契機といたしまして、いわゆる中学校小学校も中に入ると思いますが、高等学校等におきまして学校体育の中で冬季競技というものを相当——体育の中で、選手対象としないで、一般体育ということでこれを取り上げまして冬季競技に習熟させる、こういう形をとりあえずとっていく、そのためには、まずさしあたりとしましては、学校体育の中で冬季競技を行ないますに対しまする指導者文部省としてはまず第一に養成していく、そして、これが相当広い底辺と申しますか、冬季競技に対しまする底辺を広げていくということが第一段階仕事ではないかと思うのでございます。そこで、それからだんだん育ててまいりまして、優秀な選手対象になるようなものが出てまいりましたときに、それを対象としまして選手強化ということを体育協会なり何なりと協力してやっていくと、こういうことになると思います。そこで、いま小林委員お尋ねでございました小中学校、いわゆる義務教育学校におきまする対外試合、これらに対しまして、今日、学校教育の面から相当きつい線で次官通牒でしておるのでございますが、これに対しまして相当緩和要望がいろいろの種目について要望されておるのでございます。しかし、この点は私どもとしては、やはり義務教育におきまして、あくまで教育的見地義務教育を守っていかなければならぬのはもちろんでございまして、そういう意味で、対外競技ということの要望があるから、これを無制限に拡大していくということは、やはり教育に対してある程度阻害されることが考えられます。そこで、今日の段階におきましては、特に対外競技等次官通牒を緩和するものはどの程度にいたしたらいいかということを、これは近く保健体育審議会とも相談いたしまして、その範囲をきめてまいりたい。いまのとおりに、かたくなに守っていくつもりはございませんけれども、その範囲を無制限に広げるということも避けなければならぬ。そこのところ、非常にむずかしい点がございますので、保健体育審議会とも十分相談をいたしまして、その種目なり方法等について協議して決定はいたしたい、早急にそれはやりたいと思っております。
  18. 小林武

    小林武君 まあ学校体育立場からとか、広い意味体育という立場から考えて、文部省がいまのような基本的な考えを持たれるということについては、ぼくは別に異議はないんです。それでよろしいと思いますけれども、やはり選手養成するということの中にも、たいへんやはり体育向上の上から見れば意味もあると思いますから、これは全く別個の問題でないのだから、ある程度文部省のいままでの方針というようなものを、学校体育をゆがめない程度においてある程度考慮するべきではないかと思っておるわけであります。その点はそういう線に沿ってひとつ大いにやっていただきたいと思うんです。特に冬季競技関係するというと、これは冬季競技をやるような場所小中学校冬季間の体育というものは、これはちょっとこちらでは想像できないわけです。非常に寒冷地であるために、スケートとかスキーというようなものを主体にしてやらないというと、実際の上において冬季体育というものはなかなかできない、寒さが激しいとか何とかいう意味で。ですから、私はそういう点に大いに配慮をして、いまのような試合のこともそうですけれども、金をかけてもらいたいという気持ちがしているわけです。それで、前の問題のことをまた取り上げますけれども、この競技技術向上国民体育振興に関する経費というようなものは、もう昭和三十四年、五年、六年、七年と、だんだん三十九年の目標に向かって増加してきて、三十九年を最大に盛り上げるところから、とにかく三十九年の場合には三十八年というものが一つの大きな山になっておる。そういうことを考えると、ちょっとまだこの面についても、大体、予算はどうしているのかということの心配があるわけです。ただ、これは体育協会にまかした問題であるから、体育協会が独自にやっているんだろうということなのか、それともどのくらいの金を使って、どういう一体強化仕事をやっているのかというようなことを、もうそろそろ具体化されていなければならぬと思うんですけれども、その点がどうもはっきりしないとすれば、ちょっとぼくは手おくれのような気がするんですけれども、どうでしょうか。
  19. 赤石清悦

    政府委員赤石清悦君) 御指摘のように、選手育成強化は即刻に実施しなければならない問題でございますので、この点につきましては、体育協会文部省も同感でございまして、本年の予算からすでに実行に移しているわけでございます。簡単に申しますと、競技施設整備は、昭和四十二年度予算では正式にまだ出発いたしておりませんが、選手養成関係につきましては、金額はそれほどでないにいたしましても、文部省教育委員会に対しまして、この冬季競技指導者養成講習会のために三百万円、それから日本体育協会に対しまして各関係競技団体選手養成強化費といたしまして二千万円、そのほかに冬季競技はやはり外国のいろいろな選手との交流等をはかることが非常に大きな要請でございますので、来年、グルノーブルで行なわれます冬季オリンピックに対しまして選手派遣に要する費用、それからユニバーシアードの冬季大会、インスブルックでございますが、それへの選手団派遣、こういったものを計上いたしております。さらに、東京オリンピック時にはなかったとわれわれは考えておりますが、単に競技団体もしくは指導者に対して講習会を開くだけでは十分でございませんで、どうしても施設日本の現状におきましては十分でございませんので、この施設につきましても一億一千万円ほど冬季競技特別施設整備費補助金といたしまして計上いたしたわけでございます。もっともこの一億一千万円の中身の大半は、苫小牧スピードスケート競技場整備費補助金でございますが、これへの補助金も、実を申せば、これがオリンピック施設予備会場として正式に採用される以前といえども、どうしてもその種のものが日本になければならない、苫小牧の熱意もございますので、これをとりあえず選手養成選手育成という観点から九千万円の補助を出したのであります。その他国際級ジャンプ台小型シャンツェといったような、日本の将来努力しなければならない方面への施設整備費を計上いたしてございます。こういたしまして選手育成強化対策費といたしまして、私ども昭和四十二年度予算に一億五千万円ほど計上させていただいたと、こういうふうに考えております。この点は東京オリンピックよりも、冬季オリンピックの場合は若干努力しているように考えている次第でございます。
  20. 小林武

    小林武君 体育協会の一九七二年冬季オリンピック大会選手強化費予算というのは、これは体育協会から出されただけで、まだ認めているということにはならないのですか。これはぼくのほうでもらった資料ですけれども、これは収入五億六千万ですか、国庫補助金、それから財団受け入れ金競技団体負担金というようなものの合計、昭和四十六年度——一九七一年までに五億六千万円の収入を見込んでいる。そうして、それを競技力研修費コーチ力強化費国際交流費スポーツ強化費施設借り上げ料強化本部費等、こういうような予算が出ているのですが、これはどうなんです。
  21. 赤石清悦

    政府委員赤石清悦君) この大体の計画は私どもも承知いたしております。ただ、私ども立場から申せば、これは国庫補助金関係で幾ら見積もるということを将来まで約束したかと、こういうことになりますれば、これはちょっとそう申し上げられないのでございますが、したがって、昭和四十三年度以降の国庫補助金にこれこれを見込むと、この数字まで政府が約束したとおりいただくと、これはちょっと違っておりますが、しかし、昭和四十二年度に二千万円ほど国庫補助金資金財団からも二千万円、こういったあたりをベースにいたしましてずっと展開しております。この計画はかなり体協としても各競技団体の強い希望なり、またこれを実現するための国庫助成金なり、資金財団あるいはその他からの受け入れ金等の現実的な受け入れ金額を予定いたしまして、かなり実行可能性のある計画として立てているものと私ども考えております。したがいまして、この計画につきましては、このとおり政府として約束できるかどうかということは第二といたしましても、この案自体については政府も十分尊重しなければならないものと、こういうように考えております。
  22. 小林武

    小林武君 これはもちろんそうですがね、それはわかるけれども、大体あなたのおっしゃること、用心しておっしゃるということよくわかります。わかりますけれども、やはり五億六千万という金は、選手強化費として使うめどが一応立たなければ、それはやはり選手強化を担当する日本体育協会としても力が入らぬでしょう、金がどうなるかわからぬということでは。だから、ある種の案がすでにできておるとみて私はよろしいのではないかと思うのです。先ほどの事務総長お話にも、ちょっとさっぱり見当のつかないようなお話ですけれども、ある程度計画と金のめどというものは、これはあってやられておるように思うのですけれども、これはあれでしょう、やはりこれでもってやるということについては、国としても異議ないわけでしょう、文部大臣どうですか、これは。この方針でやらなければ選手強化できないのですか。
  23. 剱木亨弘

    国務大臣剱木亨弘君) いま体育局長が申しましたように、この計画は私どものほうはやはりタッチをいたしまして、体育協会の希望もある程度現実な程度にまで圧縮してやはり計上しておると思います。でございますから、本年度におきましても、予定どおりの二千万を体育協会にはやっているわけですが、今後におきましても、この程度の国庫補助はぜひ責任をもって出していきたい、ただ、問題になりますのは財団からの受け入れでございますが、これに対して予定どおりいくかどうかということは見込みがまだ立っておりませんけれども、しかしそのほうもできるだけ予定の線に乗せまして努力はいたしますが、この程度選手強化費はぜひ出したいと、かように現在考えております。
  24. 小林武

    小林武君 事務総長お尋ねいたしますが、この財団の受け入れ金というのは、組織委員会が責任をもって集めるというか、そういうあれですか。
  25. 佐藤朝生

    参考人佐藤朝生君) 組織委員会大会の運営だけやりまして、選手強化は体協がやるわけでございますが、前の東京大会のときは、初めは資金調達も組織委員会でやろうとしたこともございますけれども、当時いろいろな問題がございまして、資金財団が一本でやるということになりました。このたびも資金財団オリンピック札幌大会の運営費については組織委員会補助する、また、選手強化については資金財団そのものが金を集めまして体育協会にやる、そういうたてまえで今回進んでおります。
  26. 小林武

    小林武君 そうすると、資金財団受け入れ金について、大体、資金財団としてもこの金額については、固い約束がなかったら妙なことになるのですが、大体の見通しというものはお立てになっていると考えてよろしいですか。
  27. 佐藤朝生

    参考人佐藤朝生君) 私、資金財団の責任者でございませんけれども、私からお答えいたしますが、今回提案されておりますような措置法等によりましていろいろな財源を得まして、資金財団としては極力努力して、この額に達するようにするように存じております。
  28. 小林武

    小林武君 もちろん金のことでございますから、いろいろ努力をして集まらないということもあるわけですけれども、やはり資金財団としては、これだけの金が集まるということのめどがなければ、これは容易じゃないことになりますし、国庫の負担金、補助金にいたしましても、同様なことが言えるわけであります。そうでなければできないわけですから、われわれここで議論しているのは、そのときに出なかったらどうするとか、将来どうなるとか、そういう手続の上でやかましい予算の討論をやっているわけじゃありません。結局、めどとして、こういう行き方で行けるということがはっきりしないと、当面、その仕事に携わる者は不安でたまらないということになると思うのです。ですから、そういう点でお尋ねをしておるわけであります。  なお、先ほど東京オリンピック施設についての問題についてお話がございましたが、一体どういう施設をいまのところ予定しているのか。たとえば残るものがありますね、建物等、その他施設。これについては、いま大きく言ってどういうものがあるのか。ちょっと、その点で文部省のほうから御説明をいただきたい。
  29. 赤石清悦

    政府委員赤石清悦君) 若干の違いがあるかもしれませんが、それは佐藤事務総長からさらに正していただきたいと思いますけれども、私ども伺っておりますのは、スキージャンプが大倉山でございます。これは九十メートルジャンプ競技と七十メートルジャンプ競技場です。それから距離競争、クロスカントリーは真駒内に予定いたしております。以上がノルディックでございますが、アルペンのほうになりますと、スラローム、回転は手稲山でございます。男子、女子ともそこでございます。それから大回転がやはり手稲山でございます。それから一番長い滑降競技は恵庭岳につくる予定になっております。それから近代二種、バイアスロンは真駒内につくる予定になっております。それからスケートスケートはスピードスケーティングは真駒内を予定いたしております。それから先ほどちょっと申しました練習場は苫小牧に予定いたしております。フィギュアは真駒内の屋内スケート競技場、練習場といたしましては真駒内に予定いたしております。それから、アイスホッケーは月寒に屋内アイスホッケー競技場をつくります。それからもう一つ美香保に屋内アイスホッケー競技場をつくります。それからボッブスレー、これは手稲山に予定いたしております。リュージュも手稲山に予定いたしております。で、リュージュの場合は予備会場をもう一つ必要といたします。これは札幌の藤ノ沢に予定いたしております。大体、競技場施設といたしましては出そろったようでございます。
  30. 小林武

    小林武君 それではその資料を——質問者に来ていないから。
  31. 秋山長造

    ○秋山長造君 資料で、関連。佐藤事務総長にちょっとお伺いしますが、昨年の秋、私ども現地を見せてもらったんですが、あのときの話では、恵庭の滑降競技場、とれの建設については厚生省所管の国立公園、これと抵触するために何か困っておるんだという話があったわけですが、それは、その後うまくいったのですか。
  32. 佐藤朝生

    参考人佐藤朝生君) 昨年、われわれが競技場の滑降競技を恵庭岳にきめまして、あと厚生省の自然公園審議会からいろいろの意見が出まして、自然公園審議会とよくお話し合いをいたしまして、景観を害しないように、あそこをつくる。そして、オリンピックが済んだらそれを取りはずしてほしいというお話がございまして、われわれとしまして、競技施設特別専門委員会等で検討いたしまして、仮設のものをつくる。それで、オリンピックが済みましたら、これは取りはずしまして、国立公園の景観を害しないようにするということで、大体了解がついたわけでございます。そういたしますと、永久的施設をつくれなくなりますから、組織委員会として、仮設としていろいろな施設をするということで大体きめておるわけでございます。
  33. 小林武

    小林武君 これらの施設というようなものは、たとえば苫小牧スピードスケート競技場というのがありますね。それから屋内のスピードスケート、真駒内屋内スケート競技場スピードスケート競技場に隣接してやるというのは——フィギュアとか、それからホッケーだとか、これらは終わったあとはどうなるわけですか。
  34. 佐藤朝生

    参考人佐藤朝生君) ただいま御指摘の真駒内あるいは苫小牧のスケ−ト場につきましては、これは永久的施設でつくっていただく、私どものほうでつくるわけではございませんが、国または市、道等でつくっていただく計画でございます。終わってからあとも、また体育振興のために使えるような施設にしていただきたいと思っております。ただ、真駒内につくります練習場のみは仮設のものをつくりたい。これはオリンピックだけに使える小さなやつを一つつくりたい、こういうことでございます。
  35. 小林武

    小林武君 この点は文部省はどういうふうに考えているのですかね。たとえば、これはこの間出した法律案の中にもありましたが、オリンピックの記念ですか、ああいう建物を、たとえばオリンピック村なんかができるとすれば、そういうものはどうするというのは、いまはめどはつけておらないわけですか。
  36. 赤石清悦

    政府委員赤石清悦君) 文部省としてまだ正式に最終的にきまった段階ではございませんので、個々について申し上げられないかと思いますが、私ども考え方の基本といたしましては、やはり、どうしてもこの冬季オリンピックを前の東京オリンピックに劣らないように成功させたい、そのために政府としてもできるだけ協力したい、と同時に、やはり将来、せっかくつくった施設がどのように使われるかということについても重大な関心を持たざるを得ない。したがって、それがうまく使われるような状態であればいいが、もし、それがそれほど使われないようなもの、それは全部もしくは一部についてでございますが、そういうものについてはできるだけ財政効果を高める意味においてむだを省く、こういう意味において、たとえば仮設で間に合うあうものは仮設でやってもらうとか、そういったようないろいろな財政上の要求もあわせ御検討を願わなければなるまい、こういうような基本的な考え方でございます。個々にそれにつきましては、いまお話がございましたような、やはり将来残るものと残らないものについては一応、組織委員会のほうの御案があるようでございますので、いま私のほうとしては十分これを検討さしていただきたいと考えておる次第でございます。
  37. 小林武

    小林武君 まあ、どうせ終わればどうするかという問題が起こるわけです。これが冬季競技場の場合は建物以外のものならば、維持さえしっかりしていけばジャンプ場も使える、ジャンプ台も使える。これはいろいろ使えるでしょう。それから建物であればどうするかという問題があるわけですが、これはオリンピック経験があることですから、いまからやはり十分御検討をいただいていい問題じゃないかと思うのです。  それで、いまずっとお伺いしているというと、たとえば、これは準備対策事業員の概要というようなものは大体出てきているわけです。先ほどからまだめどがさっぱり立っておらないという話でしたが、これは東京オリンピックで言えば、準備対策事業費の概要という、準備対策事業費関係するものですよ。そうすると、この総額は一体どのくらいに見込んでいるのですか。
  38. 佐藤朝生

    参考人佐藤朝生君) ただいまの御質問に当たるかどうか存じませんけれども組織委員会自身の準備運営に関する費用だけは大体のめどをつけておりまして、大体、大会開催の年まで五十六億くらいの費用を現在考えております。東京大会のときが大体のところ九十何億、百億くらい、それの約半額、物価高とか、いろんな関係もございまして、それからまた札幌という特殊な地域にありますもので、それからまた冬に行なわれますので、除雪等の経費がかかりますので、東京大会の、先ほど三分の一というお話がございましたけれども、三分の一では運営費のほうはとてもいきませんので、組織委員会自身の大会準備運営経費は、前年度予算といたしましてこれから一九七二年までの経費として五十六億円くらいの一応の概算を立てております。これはまたこれからの検討によりまして増減いたすかもしれませんが、現在の見当としてはこれくらいのところでございます。
  39. 小林武

    小林武君 そうすると、これらの予算については五十六億くらいの予算である。それから、この地図の中にもございますが、札幌の場合には、やはりいまのお話にも出ましたが、除雪の問題もある、それから競技場から競技場に移る道路の問題もあるということになるのですが、その間のことは、一体、道とか、あるいは政府関係の官庁との間にどういう程度の話し合いがついているわけですか。
  40. 佐藤朝生

    参考人佐藤朝生君) その点につきましては、組織委員会の中に関連施設専門委員会というものをつくりまして、今度のオリンピックに関連いたします施設につきまして、いろいろな計画を立てなければならないというわけで、昨年の暮から関連施設専門委員会というものを発足いたしまして今日まで及んでおるわけでございますが、現在のところ道路につきましてのみ一応の計画を、計画と申しますか、一応抽象的な計画でございますが、具体的な計画までは競技場のまだ決定がありませんときにつくりましたので、できておりませんが、一応の抽象的な計画はできておりまして、これに基づいて、これを北海道開発庁、あるいは北海道、あるいは札幌市にお願いいたしまして、これに基づいて具体的計画をつくっていただくようにお願いいたしまして、現在、具体的計画を練り、またこの関連施設専門委員会で検討するような段取りで進めつつございます。
  41. 小林武

    小林武君 そうすると、関連施設についてはまだ具体的なものはできてないということですね。
  42. 佐藤朝生

    参考人佐藤朝生君) 私どもの関連施設専門委員会は、ただいま申し上げましたとおり、組織委員会、あるいは道、市、開発庁一緒になりまして計画しておりまして、具体的に幾らかかるか、何百億かかるというところまではまだできておりません。
  43. 小林武

    小林武君 これはたとえば東京オリンピックの場合には三十九年の実施の場合に、三十六年には相当手を入れていますわね。これは予算面から見ればちゃんとその点ははっきりする。三十七年、三十八年とかけて、とにかく関連の公共設備というようなものは大体整備しているわけです。これは満足にいったとはわれわれ考えておりませんけれども、まだまだやればやることがたくさんあったと思いますけれども、それでも大体そういう大きなめどでやっておった。ところが北海道の場合どうでしょう。道路についても二、三われわれ現地に行って見たのですけれども東京の場合と比較してやりやすいのですか。そういまからあわてなくても十分やれるということなんでしょうか、これは。
  44. 佐藤朝生

    参考人佐藤朝生君) その点につきましては、御承知のとおり北海道は冬季には工事ができませんので、工事期間が非常に限られております。また、北海道あるいは札幌市等の財政力も薄弱でございますので、国が非常に力を入れてやっていただかなくてはできないことでございます。東京オリンピックのとき以上に、この関連施設を早く始めなければいけないと思います。そのためにも来年からさっそくこの関連施設の工事を始めていただくような計画を立てていただくよう、いま関係官庁にいろいろお願いいたしております。
  45. 小林武

    小林武君 来年からおやりになることでありますればできるのだと思いますけれども、われわれは札幌という町は相当知っているわけです。道路の悪いことはこれは天下に相当聞こえているのです。これは人間の通るところでも相当悪いということは皆さん御存じのとおりです。下水その他を考えましても、相当やはりオリンピックまでには努力しなければならぬと思います。そういう環境の問題も一つありますけれども、特に競技場を中心にした、やはり相当膨大な地域にわたってそうなんですね。たとえば手稲山、恵庭に出るところいろいろ考えましても、それがどの程度の道路にするのかよくわかりませんけれども、舗装してほんとうに完全に輸送が十分にいく、冬季間においてはまたどんな雪が降りましてもやれるというようなことにするには、工事上いろいろ支障があるでしょうけれども東京は一応土台のようなものがあるわけですが、札幌の場合はなかなかそうはいかぬし、それに、御承知のように札幌周辺はどっちかというと全くのいなかですから困難だと思いますが、これは全然心配ない状況なんでしょうか。
  46. 佐藤朝生

    参考人佐藤朝生君) ただいま小林先生お話のとおりで、いろいろ心配ごとがございますが、これからこの心配ごとを克服しましていくように、関係各官庁に強くお願いしたいと思っております。
  47. 小林武

    小林武君 文部省お尋ねいたしますが、文部省としては、これはオリンピック関係したことはすべて文部省の所管、文部大臣がいわば冬季オリンピック担当大臣ということになるわけですか、どういうことになりますか。
  48. 剱木亨弘

    国務大臣剱木亨弘君) ただいまオリンピックの協力体制といたしましては、冬季大会準備対策協議会というのを各省庁の関係であれしております、次官クラスで結成をいたしまして。その担当しております大臣を、一応、北海道開発庁長官にきめておるのでございます。北海道開発庁長官のほうで各競技施設でございますとか、あるいはまた関連施設につきまして、ここで政府が協力します問題について決定をしてまいるということになっておりまして、一応、政府部内におきましては、北海道開発庁長官が担任をいたしておるわけでございますが、ただ、オリンピックの担当大臣ということにはまだきめていないわけでございます。担当大臣としてきめますのはまだ時期が少し早いのではないか、もう少し進捗いたしてから、これを閣内において決定するということになると思います。
  49. 小林武

    小林武君 そうすると、担当大臣は、後ほど大会の開催時期に近くなればできる、こういうことでよろしいですか。
  50. 剱木亨弘

    国務大臣剱木亨弘君) この前のオリンピックのときもちょうど開催時から二年四カ月前にきまったのでございます。それで、二年四カ月間近かにならなければきめぬというわけではございませんが、しかし、適当の時期を見て、これは決定しなければならぬと思っております。
  51. 小林武

    小林武君 そうすると、各省庁がそれぞれ協力する体制になっているわけでございますが、そうすると、結局、法律案を提案した文部省の果たす役目というのはどういうことになりますか。
  52. 剱木亨弘

    国務大臣剱木亨弘君) 一番直接的なもの、第一番の選手強化の問題は、体育協会と関連しまして文部省が協力してやらなければならぬと思いますが、その二は、この各競技場の工事施行につきまして、国がやるのか、あるいはまた地方がやるのかという工事分担の区分は早急にきめなきゃならぬ問題だと思います。工事そのものは建設省に依頼することはありましても、やはり工事をやる場合は文部省が責任を持つ。ただ、いまきめなければなりませんのは、先ほど小林委員からも御質問ございましたように、この四十三年度の予算で実際上の競技場施設にもかからなければ、四十六年のプレ・オリンピックまでに完成するということは非常に危ぶまれますので、私どもとしては、この予算編成期までに政府部内及び地方におきまして組織委員会から原案を出していただけると思いますが、それに沿いまして工事施行分担の区分を明確にする、それに対しまして、たとえば文部省が、いわゆる北海道庁がやるとか、市がやるとかいうことがきまりましても、それに対して国がどれくらい見るかという、大体、負担の額くらいなものは決定をいたしまして、四十三年度の予算編成に当たりたい。この数カ月でぜひきめていかなきゃならぬと思っております。  それから関連施設におきましても、先ほど事務総長からお話がございましたように、これはやはり早く着手をいたさなければなりませんので、これも関係各省庁とも相談いたしまして、早急に道路なりその他の関連施設を決定いたしまして、その施行区分も決定して、四十三年度の予算からこれを計上していくということに詰めてまいりたい。ですから、結局四十三年の予算編成を目途にいたしまして、大体懸案のものを決定いたしたい、こう考えておる次第でございます。
  53. 小林武

    小林武君 各省のそれぞれの協力のもとに政府がやるわけでありますけれども、当面、文部省が主体になっていることだけはもう間違いない。これについては責任がきわめて重いと思うのでありますが、そこで、ひとつお尋ねいたしたいのは、文部省に担当する室があるのですか、オリンピック担当のそういうものがあるわけですか。
  54. 赤石清悦

    政府委員赤石清悦君) 体育局の中にオリンピック準備室というのを便宜いまつくっております。これは正式に設置法もしくは政令に基づく組織となるとなかなか現在の情勢で困難でございますので、便宜大臣決定で昨年の八月一日から置いております。オリンピック等でございますから、等があればユニバーシアード等も入る、こういうふうに考えております。
  55. 小林武

    小林武君 そこでやる、室でやることはどういうことでしょう。私は文部省がかなり責任を持って所管するという立場から聞いているわけです。室でやる仕事、これはどういうことをおもにやっているわけですか。
  56. 赤石清悦

    政府委員赤石清悦君) 大体このように解しております。実際もやっております。先ほど大臣からお話ありましたように、政府部内の連絡ということがきわめて大事な仕事でございます。この連絡のはっきりした責任は北海道開発庁長官ということになっておりますが、さらにその下請けの庶務的な仕事をするところがなければなりません。本来言えば、これは総理府であるわけでございますが、御承知のように、総理府は非常に仕事が多うございますので、便宜、総理府で行ないますような事務段階における連絡事務をこのオリンピック準備室でやります。それから、組織委員会がせっかくいろいろな御計画を立てていらっしゃいますので、いろいろそういった組織委員会等への連絡をもはかってまいりたい、こう思っております。それで、一番大事なことは、文部省として、予算編成、あるいはまた法案の提出、こういった文部省として当然なさなければならぬ仕事がございます。そのオリンピック関係仕事をやる室と、こういうふうになっております。
  57. 小林武

    小林武君 わかりましたが、その文部省が当然すべき仕事というのは一体どういうことですか、もっと具体的に話をすればどういうことになりますか。
  58. 赤石清悦

    政府委員赤石清悦君) 選手養成強化選手強化となりますと体育協会でございますが、それに国がどの程度援助するか、もしくは、また学校体育においてどの程度冬季スポーツを普及するかといったような選手養成強化仕事があろうかと思います。それから、ただいま問題になっております直接的な競技施設整備につきまして政府がどの程度援助すべきか、あるいはまた、政府がどの施設を直接分担して施行すべきか、それに基づいて予算編成をどの程度すべきかといったような仕事があろうかと思います。それから、組織委員会とか、資金財団がそれぞれ大会準備、運営にいろいろ骨折っておられます、その骨折りが非常にスムーズに効果的に展開するためには、政府として応援しなければならない仕事がございます。その法案が今回提案させていただきましたこの必要な特別措置に関する法律案、こういったような政府としての援助体制を確立する仕事があろうかと思います。その他、いろいろ事実上の政府の窓口と申しますか、当分、連絡役としていろいろな雑務がございます。そうした事務段階における雑務と、一応、文部省オリンピック準備室で引き受けさせていただく、こういうふうになっております。
  59. 小林武

    小林武君 ちょっと理解がいかないのは、これだけのことをやっていれば、文部省が主になって、文部大臣が主たる責任をとってやるということになれば、一番仕事の取り運びからいえば便利なような気がしますね。北海道開発庁長官というのは、いろいろ開発庁長官としての仕事がたくさん協力体制としてやられるのだと思うのだが、その点はちょっと理解がいきませんけれども、それは政府部内のことですから別として、そのことは抜きにして一つお尋ねいたしますが、私はやはり文部省で一番力を入れておやりになると思うし、それからまた、この室で非常に重点的におやりになっていることの選手養成学校体育との関係、協力体制としての学校体育の問題、これらは、いま局長のお話のように、学校体育をどういうふうに取り入れるとか、そういう問題もあるでしょう。これは具体的に一体どういう仕事をやられているんですか。具体的にどういう仕事、たとえば、五年後を目ざして、学校体育の中で冬季競技関係のあるような地域の一体冬季間の学校体育というのはどうあるべきかというような、そういうことを指導をしているのか、あるいは選手養成についてはどういう態度学校体育というものはやっていくのか、どういうふうに指導しているのか、その辺あたりはどうですか。
  60. 赤石清悦

    政府委員赤石清悦君) 政府みずから、最終的に大会に出ます選手を直接強化するという仕事政府みずからが分担していないことは先ほど来の御説明でおわかりいただけたと思いますが、ただ問題は、そうしたすばらしい選手も将来出てくるであろうことを期待しつつ、これを契機に日本にウインター・スポーツを体力の向上体育の振興という観点から普及する、こういう面でございますので、最終的にこういう選手をこの程度つくるのだというようなところまで学校体育計画的にやるということは困難でございまして、体育協会のほうで、各競技団体のほうでさような御要望はございましょうが、それとの関連を十分考慮を払いつつ、現状においては、スキーでもスケートでも、特にボッブスレー、リュージュといったような新規の種目につきましては非常に普及がおくれておりますので、特に北海道等、雪の降る地域、氷の張る地域、日本の地域においてできるだけこの冬季競技が広く小学校中学校高校生に行き渡るように、また、その行き渡るために必要な指導力を持たせるようにと、こういうことをとりあえずのねらいとして、たいへん抽象的かもしれませんが、講習会とか、PRとか、いろいろな会合で指導を加えたい、こういうことでございます。
  61. 小林武

    小林武君 それは局長、ぼくらある程度経験を持っているから、そういうような話だというとさっぱりわからぬのですね。それは、たとえば帯広なら帯広というところで、スピードスケート選手が出るということになれば、それはもちろん帯広のスケート協会とか何とかというものもありましょう。その協力もあると思いますが、やはり中心になるのは何かといったら帯広の高校ですわ。高校体育の中にスピード競技というのは一体どの程度取り入れられ、フィギュアがどの程度入っているかとかね。そうすると、その周辺もたくさんあるんですよ。あるんですけれども、帯広を一つ例にとれば、その中で冬季競技に対して一体どういう指導をやるとか、どういう態度をとって実際の授業に当たるとか、あるいは、たとえばその教師の冬季競技に関する指導力を増加するためにどういう講習をやるとか、あるいは再教育をやるとか、あるいは強化合宿を教師を集めて講習をやるとか、そういういろいろなものがなければ、何とはなしにそんなことを言っているのでは、ぼくはあれにならないと思うのですよ、率直に言って。それは大学でも同じだと思いますわ。それは日本体育協会は、中央においてはそういう体育協会というものは非常に強力な働きをするけれども、末端の小さい雪深いところとか、あるいは寒冷地の寒いところにいったら、そんな体育協会より学校中心にいかなければいかぬのですよ。それからどう考えてみたって、今度の、五年後の選手強化するということになれば、何といってもいまの高校上級生というものが一番の対象になるんじゃないですか。そういう場合に、体育協会どうぞといったところで、羽幌とか、倶知安だとかというようなところを見た場合に、体育協会だけではいかぬですわ。学校がどうやるかという問題があるわけですから、それらも具体的なあれがないということはないと思うんです、ぼくらのときはすでにあったのですから。たとえばその当時は道庁の中の教育部なら教育部の中の体育担当の人がやっておったんですよ。これは指導力を大いに発揮したものです。そういうことを文部省は、いまの制度の中ですから昔とは違うでしょうけれども、何とかやはりあるでしょう、具体的にどうやるかということは。それがなかったら室というものは一体何をしているかということになるわけですからね。そういうものは特にないのですか。
  62. 赤石清悦

    政府委員赤石清悦君) 私、実はその方面専門でなく、また、そういう専門家が来てないものですから、あるいは直接の専門家でありますとたいへんいいアイデアを持っておったんじゃないかと思いますが、ただ、いま申し上げましたのは、そういう地域的に具体性のある計画それ自身を文部省学校体育計画的にやると、そういうふうにはちょっと選手養成ということを、一般体育の振興ということだから、それを旗じるしにすべきではない。ただ、さような一般の要請に対して学校体育がどの程度こたえるべきか、国民体育大会もございますし、高校体育大会もございます。文部省の関与したいろいろなことがございます。そういったこととあわせまして、事実上、選手養成に寄与するためのくふうをこらすということ、これはちょっと私まだ勉強しておりませんので、これはなお御指摘もございますので、今後十分検討させていただきたいと思います。
  63. 小林武

    小林武君 直接の担当なさっている方はおそらくもっと具体的なことをお考えになっているだろうし、それからまた、文部省がいろいろ奥歯に物のはさまったようなことを言わなければならぬのもよくわかるわけですわ。学校体育とあれをごっちゃにしてオリンピックに向かって一切のものをそこに集中せいなんということを言ったら、それはたいへんだと思うから、いろいろ配慮されておっしゃっていると思うのです。しかし、私はそういうことをあまり気使ってばかりいて、表現がいまのようになるということは、あまりいまの段階ではけっこうなことではないと思うのです。文部省が果たす役割というものはやはりあると思うのです、体育関係として。ですから、そのことはやはり選手養成については文部省はこういう方針でいくというようなことが示されて、学校体育もそれをある程度理解してやるというようなことにならなければ、ほんとうの選手強化というのはできないのじゃないかと思うのです。それと体育協会との密接な関係の中で初めてうまくいくのじゃないかと私は思うのです。そういう意味で、まあきょうは直接の担当の方いらっしゃらないですから、後ほどまたお尋ねすることにして、今度のときには、何年後の予算がどうだとか何とかいうことはよくわかりましたが、しかし、大体どういうめど予算というものを組んで札幌大会というものを成功させるいまの政府の意図、それから組織委員会の意図、体育協会の意図というようなものが明らかになるようにやはりしないというと、法律だけはできるけれども、五年後のあとのことはさあどうもあまりはっきりしないというようなことでは、私はまずいと思うのです。それをひとつ今度のときにはお出しをいただきたいと思います。きょうはこれで私の質問を終わります。
  64. 大谷藤之助

    委員長大谷藤之助君) 速記とめて。  〔速記中止〕
  65. 大谷藤之助

    委員長大谷藤之助君) 速記起こして。
  66. 鈴木力

    ○鈴木力君 いま小林委員からの質問がありました点ですね、ちょっときょう質問してお答えをちょうだいしてもなかなかどうも全貌がよくわからぬ。これは勉強が足らないのかもしれないのですが。そこで、資料要求をしたいと思いますが、それはまず一つは、札幌冬季オリンピックが行なわれることが決定してから今日までの準備の具体的な進め方ですね、進んできた経過、それからだんだんと伺っていきますと、関係委員会というものが出てきた。いろいろありますから、一体このオリンピックに取り組んでいる組織というのはどういうことになっているのかですね。それからもう一つは、施設関係につきましてはいろいろ施設関係はまあ伺いましたけれども、地方負担でどれだけやって、どれだけは国がやるのか、そうして何年計画でこの施設をするのか、そういうような計画の全貌を、予算ができなければ、おそらくその計画の中にはある程度の企画もあるでしょうから、そういうこと、あるいは資金関係につきましても、この法律ではいろいろ協力を求めるのがありますけれども、全体としての資金計画はいまのところどういう構想になっているのかですね、そういうような全貌を明らかにするような資料をこの次にはひとつお出しをいただきたいと思います。
  67. 剱木亨弘

    国務大臣剱木亨弘君) ちょっとお断わり申し上げますが、実は最後の施設計画負担区分の問題でございますが、実はこの問題は、一応、組織委員会のほうでは負担区分につきまして、ある程度の結論はいま参考案というようなものをお持ちのようでございますが、これを政府部内におきまして取り上げまして、中央、公共団体、その他資金財団とか、そういったものとの話し合いで最終段階にきめなければならぬのでございますが、まだその段階にまでいっていないのでございます。それからもう一つは、この施設計画でございますが、施設計画もある程度の概算はできておると思いますけれども、これも各省間でまた専門的に再検討いたしまして、そして細部の計画をいたさなければなりませんが、その段階にまでまだ立ち至っておりません。もし提出をいたしますとすると、まあ大体の輪郭でございますか、そういったことになるかと存じますが、正確なものはいま直ちにはちょっと無理でございますので、それを御了承願いたいと思います。
  68. 鈴木力

    ○鈴木力君 今日の段階で、たとえば組織委員会段階で一つの構想がある、それはまだ未決定な段階というなら、それはまあ未決定というふうにしていただけばよろしいわけです。とにかく決定するまでは出してもらいませんと、われわれいまこれを審議しようとしても、どこから何を審議すればいいかわからぬような状態なんです。したがって、今日の状態できっちりできるわけはないわけですし、おそらくこれからまた進行に従って変更があることでございましょうから、それはそれといたしまして、およそ輪郭がわかるということがなければどうもぐあいが悪いものですから……。
  69. 剱木亨弘

    国務大臣剱木亨弘君) 組織委員会には実は私どもも入っておりまして、組織委員会が最終段階で決定いたします場合は、やはり政府とも話を煮詰めまして、大体の話がついたときに最終決定をいたすわけでございますが、現段階におきましては、組織委員会におきましてその準備過程といたしまして計画をされたものがございますから、それは未決定のものではございませんが、これは組織委員会のものを御参考に提出できると思います。それでひとつお許し願いたいと思います。
  70. 大谷藤之助

    委員長大谷藤之助君) 速記とめて。  〔速記中止〕
  71. 大谷藤之助

    委員長大谷藤之助君) 速記起こして。  他に御発言がなければ、本案に対する本日の質疑はこの程度といたします。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時五十三分散会      —————・—————