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1967-07-19 第55回国会 参議院 物価等対策特別委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十二年七月十九日(水曜日)    午後一時二十二分開会     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         櫻井 志郎君     理 事                 木村 睦男君                 高橋  衛君                 渡辺 勘吉君                 田代富士男君     委 員                 大竹平八郎君                 岡本  悟君                 任田 新治君                 山本  杉君                 吉江 勝保君                 木村美智男君                 田中寿美子君                 村田 秀三君                 中沢伊登子君    国務大臣        国 務 大 臣  宮澤 喜一君    政府委員        公正取引委員会        委員長      北島 武雄君        経済企画庁国民        生活局長     中西 一郎君        厚生省薬務局長  坂元貞一郎君        通商産業省企業        局長       熊谷 典文君    事務局側        常任委員会専門        員        坂入長太郎君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○当面の物価等対策樹立に関する調査  (公正取引委員会物価対策に関する件) ○物価抑制に関する請願(第三五二号) ○継続調査要求に関する件 ○閉会中の委員派遣承認要求に関する件     —————————————
  2. 櫻井志郎

    委員長櫻井志郎君) ただいまから物価等対策特別委員会を開会いたします。  まず、当面の物価等対策樹立に関する調査中、公正取引委員会物価対策に関する件を議題とし、前回に引き続き質疑を行ないます。  質疑のある方は順次御発言を願います。木村君。
  3. 木村美智男

    木村美智男君 この前の続きになると思うんですが、大体会期末になりまして締めくくりの段階六来ましたんで、特にこの会期中一番重点を置いて本委員会がやってきたのは再販制度の問題であるというふうに言えるぐらいに時間をかけてやってきましたので、多少、そういう意味から、もう少し、前回、前々回の委員会で十分聞けなかったことを少しお伺いしたいと思います。  この前、十二日の委員会は、その前の委員会の際に厚生省なり通産省再販に対する考え方というもの、規制のやり方をどういうふうにしていくかということについて聞いたのですが、私たちとしては、少しばらばらであるような気がしたので、できれば各省集まってひとつ統一見解を示して、何というか、まとめて答えてほしいというのが実は趣旨だったわけなんです。十二日の委員会には、統一見解ではなくて、各省がいままで持っておった意見をそのまま集約的に答えられたと、こういうことに実はなっておるものですから、そこで、多少そこら辺もおさらいをして、そして、これからの再販問題について少し方向づけをしていくような意味合いをかねてお伺いをしたいと思う。  で、企画庁長官が時間の関係上というお話もありますんで、なるたけそういうことにやっていくために、簡単に、まず厚生省のほうからお伺いをしたいわけですが、厚生省は、この間の御答弁では、まあ厚生省の場合は特に医薬品関係が深いのですが、再販売価格維持制度規制を強化することについては全く賛成だというふうにこの問答えられた。ただ、その実施にあたって、いわゆるおとり廉売に対する適切な対抗措置法律上認められるかどうかという、その点を法律の中に書いてもらえるかどうかということで実は意見を出しておったのだということでありますから、そうすると、前回の他の委員質問に対して北島公取委員長が、一切がっさいこの対抗措置を禁止するのではない、ものによってはそういう対抗措置をとることも差しつかえないのだという意味答弁をしているので、したがって、私は厚生省に関する限りは、原則的にこの再販規制を強化する法案をつくるということについては、まず問題がないのじゃないかというふうに実は最終的に思いながら——質問と御答弁を聞きながらですね、伺っているわけなんですが、そういうことでよろしいかどうか。それをまず伺いたい。
  4. 坂元貞一郎

    政府委員坂元貞一郎君) ただいま仰せのとおり、私どものほうで今回の法律案について公正取引委員会当局といろいろ事務段階で話をいたしました最大のポイントは、いわゆるおとり廉売対抗措置というものが何らかの形において法文化できないかどうかという一点にしぼられたわけでございます。もちろん、私どもも、おとり廉売対抗措置というものについての趣旨は、まあ、公取のほうにおいてもよく御理解願ったと思っておりますが、これを法文化する立法技術上の問題があるわけでございますので、そういう立法技術上の問題はもう少し時間をかけて詰めていくべきであろう、こういうような考え方で五月、六月段階を過ごしてまいったわけであります。したがいまして、ただいま仰せのように、私どものほうに関しましては、このおとり廉売の一点だけが、今回の法律案作成段階において公取当局お話し合いを進めたということでございます。
  5. 木村美智男

    木村美智男君 そういうことであれば、私これ以上厚生省のほうへは質問をしなくてもよろしいのじゃないかと思うのですが、ただ、少しこれは先々の問題になりますが、おとり廉売という問題については私は多分に観念的なものが先行しているような感じがする。日本の場合にはね。この前、四十一年ですか、二月ごろに、たとえば雑誌、キャラメル、これは再販が実際上やられていなかったのだからという——かりにそういうことになったにしても、取り消した結果、いわゆるおとり廉売、乱売というような事態が発生してきていない、こういう面も多少は考えてみて、もう少しやはりいま再販の問題をめぐって一番問題なのは何かということを考えてみれば、これはやはり少し消費者保護の力点が欠けているのじゃないかというところに重点を置いて考えて、多少ゆとりをもって、もしおとり廉売一つ出てきたら直ちにこれをつかまえてそれに対抗措置を考えるくらいの気持ちを持って私は厚生省にも法案作成に協力してもらうというくらいの気持ちを実は望みたいと思うのです。これは質問じゃなくて、考え方ですから、それはよろしいのですが、一応厚生省の言われている点は大体原則的に私が了解しているような筋と同じようなものですから、これ以上けっこうでございます。  ところで、通産省に次いで伺うのですが、通産省のほうは、この前は栗原さんが来られて、やはり再販規制についてはこれは賛成だということを前置きをして、ただ、何というのですか、賛成だけれども、そして、公取通産省との考え方は違っていないと思いますが、これを法律にどう盛るかという点についてまだ煮詰まっていないのだ、こういうことでありました。ただこの中で、通産省消費者保護に対しまして積極的であるということについては少しも変わらないという力強い答弁も実はされている。通産省の場合には、この前の前のときには、きょうおいでの下山さんが答えられたわけですが、生産財については独禁法の場合もものを言っていないのじゃないか、要するに古くから商慣習として認められているものについてはこれはいわゆる独禁法としての対象ではないのじゃないかという意味で、言いかえれば消費財についての問題なんで、生産財ははずしてほしいといったような答えだったわけですね。そこで私は、この間の答弁は少し簡潔過ぎるので、そこら辺のことは、その後いろいろと討議をされた結果、七月の五日に下山次長答えられたような点がある程度方向としてやはり通産省としては消費者保護ということについて熱心に取り組んでいくのだという姿勢の中で消化をされたのかどうかということが、多少この間の答弁を読んだ限りではちょっと気になったものだから、そこらはどうだろうかということで、通産省のほうにぜひひとりお伺いしたい。
  6. 熊谷典文

    政府委員熊谷典文君) 基本的には、栗原政務次官答弁申し上げたとおりでございます。通産省も、消費者保護行政については前向きに考えてまいりたいと、こういうように考えております。したがいまして、結論としては、法文化の問題でございますが、通産省が申し上げているのは、厚生省と同様に、おとり廉売の場合がはっきり法文の中に入らないだろうかという点が一つ。これは、私の感じを申し上げますと、そういう規定を入れていただいても、誤解をなくするようにしていただいても、消費者保護とはそう矛盾をしてこない、かように考えております。  それから第二点の問題は、再販価格をいろいろきめます場合に、問題は、私どもの認識では、それを維持させるためにいろいろな拘束をするというところに問題があるのではなかろうか、ところが、これは法文書き方がむずかしいと思いますが、この価格で売っていただきたいというような場合がどうなるかというのが非常に疑問点でございまして、そういうところまですべて規制対象とするのは少し行き過ぎじゃないか。先般の委員会でも公取側から、推奨価格とか希望価格というものまで問題にしているのではないというお話がございました。そういうことならば、われわれのほうはその実体でございますのでけっこうだと思います。ただ、それをできるだけ法文で明らかにしていただきたい、こういうことを申し上げているわけでございます。したがいまして、結論から申し上げますと、法文化の過程の、つくる場合の問題でございまして、実体的には、再販規制をやり、消費者行政をやるということについては異存はございませんし、また大いに前向きに通産省としても取り組むべきである、かように考えておる次第でございます。
  7. 木村美智男

    木村美智男君 いまのお答えで、おとり廉売の問題、それから希望価格なり推奨価格というのが適当かどうかわかりませんが、そういったようなことが、ある程度法文作成の技術的な問題として多少あるようですが、それは私らがここでどうこうすべき問題じゃないから、今後の法案作成にあたってそれはお互いに十分相談をしていただけばいいのだというふうに考えます。したがって、何か、言われているように、従来から新聞その他で盛んに言われたように、通産省が、あるいは厚生省が、業界をバックにしてたいへんな抵抗力になっているといったような事柄については、少なくとも原則的には私はないものと了解をし——今日まではあったかもしれませんよ、それは。しかし、これからの法案作成にあたって、少なくともそういう障害は、原則的には、何というか、その法案をつくっていくのに従来よりもスムーズに運び得る条件が大体出てきている、こういうふうに了解をしたいと思う。したがって、この点、いま私が申し上げたようなうち、それは理解のしかたが間違いだというなら特に発言をしていただいてもけっこうですが、そうでなければ、ひとつそういうことで前向きで、厚生省通産省のほうも進めていただきたいというふうに、これは質問につけ加えて要望しておきたい。  そこで、宮澤長官経済企画庁に実はお伺いをするのですが、どうもこの間も一生懸命書き取っておったんですが、長官答えの別にことばじりをつかまえるわけじゃないのですがね。物価の総元締めである企画庁長官のこの問題についての取り組み方、心がまえというものは、これは率直に言って、多少不満ですね。あなたの答えは、まあもっとほかに意図があるのかもしれませんけれどもね。たとえば、「現状より何らかの改善があるならば」といったような、それだけを聞いていれば、どうも、第三者、評論家みたいなものの言い方だね、これは。それから最後のほうに、「公取委員長も、これから何というか、品目を洗い直してそうして最善の運営をしていきたいということを言っているのだから、したがって、企画庁としてはそういう方針でお願いを申し上げているところであります」といったような——これじゃ何としても、企画庁長官物価元締めという立場から考えると——それはまあ、あのときだけをもって宮澤長官がそうだと言っているのじゃないのですよ。しかしね、この間の答弁の限りにおいては、これはきわめて私ども不満なんです。これは、宮澤長官から、ひとつ、もっと物価庁的な、あるいは物価問題についての意欲的な、やはり根本姿勢を聞かしてもらいたい。この間の答弁じゃ何とも納得できないので、それが長官の本意ではないと、こういうふうに私は思うものですから、そこをひとつお伺いをしたいと思います。
  8. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) 先日、現状より何がしか改善があるとすれば現状よりは望ましいという意味のことを申し上げましたのは、多少実はそういういきさつがありましたのであのように申し上げたわけでございます。と申しますのは、公正取引委員会でつくられました原案について、経済企画庁事務当局といたしましては、できるならばもう少し強いと申しますか、再販価格維持契約というものの本質について、もう少しきびしい考え方をしていただくわけにいかないものかといったような希望意見事務当局にあったわけでございます。で、私は、その意見そのものは別に悪いとは思いませんでしたけれども公正取引委員会の案について各方面からいろいろな注文と申しますか、希望があっちこっちから出て、結局法案が書けないということになってはこれは一番好ましくない事態だ、したがって、言いたいこともいろいろ事務当局としてはありますけれどもあまり欲ばるなと、むしろ法案成立に協力すべきではないか、法案作成に協力すべきではないか、こう申しました経緯があったのでございます。それで、あのように、ベストではないかもしれないがいまよりベターではないか、こういう表現をして申し上げたわけでございます。したがって、経済企画庁としては、そういう意見は中途で公取へ申し上げることをやめまして、ともかく公取が考えておられる原案法律案になるという立場をとった、そういう経緯があったわけでございます。
  9. 木村美智男

    木村美智男君 大体言われることはわかるような気がするのですけれどもね。そうすると、何がしか改善という意味を少しこれは長官伺いたいわけですよ。私なりに考えると、この独占禁止法関係からいけば、要するに、公取で言われておるこの原案の中に「不公正な取引方法」といったような問題がある。しかし、これは私は、ある意味では、現行法運用を強化することによってこの点は、そうやれるならば、新法それ自体をあらためてつくらなければならぬという根拠としては多少薄弱なような気がする。そういう意味で、たとえば物懇が提案をしたリベート、マージンといったような、こういうことを登録、公開といったような筋が、それが少なくとも新しい法案の中に首を出しておるというようなことで、そういう意味も含めて、ほかに何か企画庁としては、単にこれが法案をつくるのにじゃまになっちゃってはいかぬという遠慮だけじゃなしに、私はやっぱりこれは、よりりっぱな再販制度をつくるという意味で、ぼくたちも勉強中だけれども企画庁長官いい意見があるならという意味も含めて伺っているわけですがね。何かひとつ、そういう何がしかの前進あるいは改善と考えた根っこは何か、それをひとつ話してみてくれませんか。
  10. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) 本来、物価という観点だけから申しますと、再販価格維持契約というのは、どっちかといえば物価を下げないほうの役割りをしておると考えておるわけであります。ですから、その観点だけから言えば、こういう契約というものは本則として認めないということであれば、物価という観点だけならば、それが一番望ましいかと思います。しかし、そうはいきませんので、先ほど関係各省にお尋ねのように、各省の持っておられる疑問なり希望なりにももっともなところがございますし、また、現に公正取引委員会では再販価格維持契約というのは例外的には認めておられるわけでございます。そこで、新しく法律案をつくられるのであれば、原則としては好ましくないことであるが例外的にはかくかくの場合には認めることができると、一定の条件のもとにおいて、その際も、原則と、それから認める場合の例外、ごく限られた場合の例外、それによって保護される利益は何であるか、こういったようなことについて、もう少し実は立ち入って考えることはできないのか、こういう感じ一つ持っておったわけでございます。この点は現行法でも同じ問題がございますわけですが、法律を新たに書かれるとすればその点も検討願えないか、こう思っておったわけであります。ところで、しかし先般から公取委員長が言っておられますように、この法律案法律案として起案できませんでしたけれどもしかし、現行法現実にいままで認められておる再販価格維持契約について、それが現時点でもなお従来どおり、すべての業種について、すべての品目について必要であるかどうかということについては公正取引委員長があらためてもう一ぺんレビューしてみよう、そういう御意向であるように聞いておりますので、もし行政的にそういうことをやっていただければ、法案起案の際に私どもが持っておりました多少の疑問なり希望というものは現実行政の上でかなえられることになるのではないか、そういうふうにいま思っておるわけでございます。
  11. 木村美智男

    木村美智男君 もう少し具体的なことになってから、もう一度長官意見伺いたいと思うのです。ただ、いまの法案作成準備公取でやられておる。これは政府機関の一部ですから、公取独占禁止法運用立場から当然準備をされておるのだろうと思うのですが、佐藤総理自身が、とにかく衆議院の物価対策委員会で、今回は出さなかったけれども、ぜひ法案化したい、そうして次の国会には提出できるようにしたい、こういう意見を述べた段階では、私はこの際長官に、いま言われているような考え方について、あとでもうちょっと突っ込んで伺いたいと思うのですが、やはり法案作成にあたって、企画庁意見も入った、そして厚生省通産省意見も、先ほどやった関係があるのですが、それらを十分ふまえて、そうして微動だもしないというやつを今度はひとつ出してもらいたいという気持ちを持っているわけです。そういう意味で伺ったわけですが、公正取引委員会見解との関連で、もう少し伺いたいと思うので、一たん長官のほうはやめて、この程度にしておきたいと思います。  そこで、公取委員長に少しお伺いをします。  この前の委員会の際にああいうことで——ああいうことと言ったのは、わかっている人ばかりですから言ったのですが、規制法案が流産になった。そこで一体どうするのだということで、告示はどうするのですかという質問をこの前伺ったわけです。そうしたら、洗い直す、こう言われたわけですね。つい三、四日前に、新聞の第一面にでかでかと、五業種三十一品目について公正取引委員会再販継続ということを認めない方針検討に入るのだというような——新聞書き方だから何ですけれども、いずれにしても、そういう記事が大々的に報道されたわけですね。そこで、これは指定をしてからいずれにしても十年からたっているのですから、洗い直すということは原則的にはたいへんけっこうなことだし、また、そうなければならぬだろう、こう思うのですが、五業種三十一品目というけれども、三十一品目という品目はないのですね。正確には、これはいわゆる中区分であって、三十一品目というけれども品目なら五品目かもしれぬですね。新聞を見ると三十一品目しかないように考えられていますが、医薬品だけでも二千からこえているわけで、全体では四千五、六百、五千近くあるのじゃないかと思うのです。そこで、委員長伺いたいのは、五千近いやつを、これを全部一つ一つ洗い直すのかどうかということ。三十一だけなら簡単だから、これは私もできると思っていたのですが、実際は三十一品目ではなくて、とにかく何千というやつ、これを全部洗い直すのかどうかということが一つ。  それから、これは公取委員長を激励する意味で伺うのですよ。新聞印象だと、もうすでに大々的に指定取り消しが始まったような印象をあの新聞からは受けるわけです。しかし、現実事態はどうかといったら、これはまだ一歩も前進していない。前進していないどころか、あのつくろうとしたやつが流産しちゃった。それで、消費者がガクンときているというところだから、多少元気をつけなければならぬという思惑があったかどうかわかりませんよ。しかし、新聞にああいうふうに出たけれども現実には事態は少しも今日変わっていない。そこで私心配なのは、ああいうふうなことをやるときには、私はむしろ公取は黙って指定品目の再検討をしたほうがよかったのじゃないかということ、これが一つ。それがなぜああいうふうにでかいことが出たのかということが一つですよ。  それからああいうのが出ると、当然心配になるのは、規制法一つつくろうと思ったって、あっちからこっちから足を引っ張られる。そうしてつぶされてしまう。今度は大々的にこれだけのものをひとつ洗おうとしたって、もう事前に発表しちゃったんだし、広げちゃったわけだから、今度はあそこの議員、ここの議員にあっちこっちたのんで、業界がみんな寄ってたかって、この洗い直すやつをできるだけ洗い直させないような動きが出てこやせぬか、こういう心配なんです。そのときに公取委員長はき然たる態度でこれを洗っていくという、今日そういう自信と確信があるのかどうか、その決意をひとつ聞かせてもらいたい。
  12. 北島武雄

    政府委員北島武雄君) 先日の新聞記事は、私は実は朝自分で見まして、おやおやと思ったのです。これは明らかに五業種三十一品目が全部取り消しになるような表題になっております。中をよく見ますと、廃止の方向で再検討する品目は次のとおりだということで、現在やっておる品目がほとんど全部あがっている。これに写真機をつけ加え、さらに法律上当然許されているところの著作物を加えれば全品目になるわけです。見出し内容と非常に違うので、一般われわれ読者は見出しだけでもって判断することが多いものですから、私自身も実はびっくりしたわけであります。中身をよく読んでみますと、細部の点で多少誤解されるような書き方がございますけれども、あれは検討さるべき五業種現行品目全部があげられているわけでありまして、私どもあの品目全部を取り消すということは毛頭考えておらないわけであります。今後当面の問題といたしましては、現在指定しておる品目について、はたしてそれが自由な競争が行なわれているかどうかということを判断いたしまして、適当でないものは取り消す処置をとりたいということだけを申し上げておるわけでありまして、あらかじめどういう品目はあぶないとかなんとかということを私ども言うことは非常に弊害があることだと思っております。したがいまして、国会でたとえばいまこの品目はどの程度シェアがあるかということを聞かれましても、うかつに言っては予断を与えますので、御遠慮申し上げておるような次第でございますけれども、あの記事は非常にまあショッキングな記事でございまして、内容は、いままで私が国会で申し上げていることだけをそのまま新聞記事にいたして、多少強めに書いてあるということで、ただ表題だけ見ると全部取り消すように書いてあるということであります。ああいうことが事前に漏れますと非常に支障があります。私どもこれから作業をするについて支障があるわけでありますが、作業はひとつ地道にじっくり続けてまいりまして、そうして私どもの判断からいきまして適当でないものはどしどし取り消す措置を講じたい、こういうことを考えております。  しかし、新法をつくる際においても、そういうことを頭に置いておったわけであります。これも誤解記事でありますが、現在やっておる品目をそのまま認めるのだ、これはあま過ぎるというような言い方がよくおもてに出ておりますけれども、それはそういうことではございません。法施行の日に指定品目についてはそのまま新法に移行を認めるということでありまして、法の成立と施行との間には数ヵ月の日子を置きまして、その間に現行品目の洗い直しを行なって、不適当と思われるものは取り消して、その上で残ったものだけを新法のほうに移行する、そういう態度でおったわけであります。その点は現在においても変わらない。新法はもちろん成立いたしませんでしたけれども、かねて懸案になっておりました指定品目の再検討ということをこれから始めるわけであります。こういうことを申し上げたわけであります。
  13. 木村美智男

    木村美智男君 まあ、それは特に公正取引委員会の責任でああいうふうに出たとかなんとかいう意味で私は言っておるわけでないんです。いろいろ心配意味も含めて聞いたんだからいいんですが、それで委員長、この前からも何十回となく、洗い直すとか、あるいはやった結果適当でないものは取り消すとか言われる問題だが、結局は、洗い直す、取り消すと言ってもこれはいいけれども、これは悪いんだ、これはだめなんだ、という一つの基準といったもの、ものさしがなければちょっとうまくないんじゃないかという気持ちを私どもは持っている。それをいまここで言ってしまうと、うまくないということがもしあれば別だが、そうでないなら、これはぜひ聞かしてもらいたいわけです。しかし、それをやったら手品の種あかしみたいになってしまうというなら、これは別途また方法もあると思うんですが、これはいかがでしょう。
  14. 北島武雄

    政府委員北島武雄君) この独禁法二十四条の二に、指定商品についての要件が掲げてあります。そこには、商品について自由な競争が行なわれているということが要件なんでございます。したがいまして、現在指定している商品につきまして、もうすでに相当の年を経ていることでございますから、指定した当初と事情も違いますので、洗い直してみました結果、もしこの要件に当てはまらないということならば、これはむしろ取り消さざるを得ないということになるわけでございます。それから昨年三品目取り消しましたが、これは実際上あまり行なわれていないという品目取り消しましたが、そういうようなものの見方もあるわけでございます。今後においても、それはあり得ることでございます。  それから、あるいはまた、一般消費者によって日常使用せられる商品であるということが、やっぱり一つの要件になっております。これも、指定した当時はそう思っておったが、はたしてそれでいいんだろうかどうだろうかという問題の向きも私はないではないどいう気もいたします。こういう点も私は判断の基準になろうかと思います。
  15. 木村美智男

    木村美智男君 そうすると、たとえば、この前の委員会でもだいぶ問題になっておりました、端的に言って活性ビタミンB1剤、こんなのは一体指定品目として妥当なのかどうかということをちょっと聞きたい。これはなぜかと言いますと、たとえば武田のアリナミン、この前出たでしょう。三共のビオタミンゴールド、それから藤沢のノイビタ、田辺のハイ・ベストン、これは、私の見る限りでは、ここら辺の品物というやつは相当独占的なもの——独占とは言いませんよ、独占的なものであることだけは、いろいろの面から、シェアの状態、価格の状態、あるいは何というんでしょうか、自由競争が行なわれにくい状態にあることや、そういう観点をいろいろと見ると、委員長のいま言ったような、自由競争が行なわれている、日常使用されるもの、こういうところからは、これは妥当性を消すか消さぬか、これからの問題なんです。いわゆる指定品目として今日妥当なものであるかどうかということについて、委員長どういうふうに考えていますか。
  16. 北島武雄

    政府委員北島武雄君) あまり、どういう品目に手をつけるかということは言わないほうがいいというお話でございますので、私もそういうことをここで申し上げるのは非常に影響が多いので、これはひとつ控えさしていただきたい。そういうことは今後みなで衆知を集めて検討して、その上で、合議体である委員会において決定するというたてまえでございます。何とぞ、本日申し上げることは控えさせていただきたいと思います。
  17. 木村美智男

    木村美智男君 私は、純粋にそういうことだと言うなら、それはわかるような気もしますよ。しかし、そうじゃなくて、どうも公正取引委員会の、ほんとうのところを言うと、日常使用されるとか、あるいは自由な競争とかいうようなことだが、なかなか実際問題としては、法律運用という場合には、やはりある程度基準というものが、法律か、あるいは政令か、あるいは内規みたいな形で、一つのきちっとしたものがないと問題だという意味で私はいまのことを聞こうとしたのですよ。だから、もし言われているように、これ直ちに、こうなるともう消したも同然ということになる、消したということを宣伝したことに通ずることになる、という、それだけのことで、いま言うのはちょっとかんべんしてくれと言うなら、これ以上のことは、事情わかる気もしますからこれはやめますが、私はやはり、一つは、独禁法の少なくとも番人、と言っちゃ語弊があるかもしれないが、総元締めとしての公取としては、法律運用立場から、何か北島委員長がかわって、だれが来ようが、あるいはおたくの担当者がだれがかわって来ようが、このものさしで判断する、というものができてなければいかぬじゃないか。この点は、これは委員長どうですか。いますぐつくれとかなんとかじゃなくて、これからの運用として、私はそういうものをきちっとすべきだ、こういう意見を持っているのですが、この点はいかがでしょう。
  18. 北島武雄

    政府委員北島武雄君) 一個人の意見でもって左右されるようなものであっては、私は基準はいけないと思います。そういうことは、独占禁止法を二十年守ってまいりました公正取引委員会の事務局の職員が一番よく存じている。委員ももちろんよく知っている。そういういままでの伝統を通じて、やはりおのずから答えが出てくるのであって、そういう基準の上に立って正しい基準をとりたい、こう考えております。
  19. 木村美智男

    木村美智男君 さっき具体的な会社と品物の名前をあげたから、どうも委員長答えられぬから、今度は少しそういうかっこうじゃなしに聞いてみたいと思うのですよ。再販の現在の品目の中で、たとえばクリームでもいいですよ。クリームも、下は二百円、三百円、ここら辺から最高五千円くらいである。そうすると、たとえば委員長の言う日常使用されるものという、こういう概念からいくと、栄養クリームなんというのは五千円くらいするわけです。これは一体日常使われるものなのかどうか。こういうやつを一律に再販指定をしていること自体については、ちょっとやはり問題じゃないかと、こう思うものだから伺っているわけなんです。この辺はいかがですか。
  20. 北島武雄

    政府委員北島武雄君) これは一つの御意見として今後の研究の材料にさしていただきたいと思います。
  21. 木村美智男

    木村美智男君 それじゃ、また角度を変えましょう。委員長、こういうのがあるのですよ。最近のやつでは、チェーン店制度、とれと各店販売が結合したやつね、これはまた例を言うとしゃべらなくなっちゃうから、あまり例を言えぬので困るのだが、とにかく市場支配的な、と言ったらいいでしょうね。シェア四〇、五〇、六〇というような、こういう有力メーカーが、チェーン店制度によって販売店というものを自分で選んで、相当厳格に選んでつくっている。そうして、かりにそこで何とかして、品物がいい、あるいは評判がいいからひとつ自分も売らしてもらおうかと思っても、しかしそれはもう全然、言ってみれば新規さんには許さない。系列に入っていなかったら、よそ者は絶対だめ、平家にあらずんば人にあらずというわけです。こういう関係が今日出てきて、これはどこだなんと言うと、また神経とがらせるので、現実にあるということだけは、これは委員長十分承知をしてもらいたい。そうして値段についてはどうかといったら、もう一銭も引かないことによってそいつがますます信用が高まっているという、これは七不思議みたいなものですよ。世の中の不思議のうちの一つみたいに、一銭も引かないので実は信用が高くなってきている、こういう関係が今日できてきている。ところが、そういうような状態のところほど、いわば独占的な性格を持っているから、なんぼ良心的なメーカーが何とかしてそれに似たようなブランド・イメージをつくろうと思って競争しようと思ったっても、もう宣伝力じゃ太刀打ちできない。こういう関係になっておるという場合に、これは一体自由競争が行なわれていると委員長は判断ができるか。
  22. 北島武雄

    政府委員北島武雄君) 適法に再販価格維持契約が認められている商品につきまして、さて実際に再販価格維持契約をしようという場合に、お話のように小売り組織を固めることが第一でございますから、やはりチェーン組織をつくるのは再販価格維持のためにする有力な手段でございまして、その行為をもって違法ということは言えない。むしろ、そういうことをやってもいいというのが二十四条の二の精神であります。維持のためにする正当な行為はいいということであります。ただ、それがあまり行き過ぎますと、われわれ新法で考えておりますような再販売事業者の利益を不当に害することになるという場合もあり得ますけれども現行法では、まあまあその程度のことは差しつかえない。ただ、自由競争が行なわれておるかどうかということは、その一つの銘柄についての問題ではなくて、同じ化粧品なら化粧品について他のメーカーとの間の自由な競争が行なわれておるかどうかという問題であります。再販売維持価格をあるメーカーがやりますと、その商品については自由な競争は行なわれないのです。というのは、卸売り、小売りを通じて値段を指定しまして、それから下では売ってはならぬとして指定するわけですから、それを認める制度が再販価格維持契約ですから、それによって、ことに末端の小売店におけるところのその商品による自由な競争が行なわれぬわけであります。そこにまた再販価格維持契約の大きな問題点があるわけであります。ただ法律上言っております「自由な競争が行われていること。」ということは、メーカー間の自由な競争が行なわれているということであって、そういう制度を認めましても、有力なメーカーがたくさんあって自由な競争を行なっておるならば、そういう再販価格維持契約というものを認めても、メーカーが不当に高い値段で小売り価格をきめることはできないであろう。したがって、それは一般消費者の利益を不当に害することにはならないのじゃないかという議論があるわけですから、そこで、自由な競争が行なわれておる商品についてはいいということを言ってるわけで、再販価格維持契約が行なわれれば、高い商品については自由な競争が行なわれる。したがいまして、そういう行為は法律で認めておるものに限るというのが私ども考え方です。そういったものを法律の二十四条の二で認めておるわけで、公正取引委員会指定する商品以外は認められないのだというのが私どもの考えで、これは現行法でもそう解釈しておるのです。したがって、それはたとえ生産財であろうと何であろうと、二十四条の二によって特別に認められておるもの以外はだめだと、これが私どもの考えでございます。
  23. 木村美智男

    木村美智男君 しかし、委員長、その二十四条の二で認めているものであっても、今日の時点の中では問題が出てきているということを私指摘します。それはなぜかといったら、そのメーカー相互間で競争が行なわれているような錯覚を起こすようにはなっていますよ。しかし、実際には競争が行なわれていない。何がやられているかといったら、ブランド・イメージを売るだけになっておって、ほんとうの話、それはさっき申し上げたような品物のその頭のほうで、自由な価格競争をやってるかといったら、これは全然やっていませんよ。一生懸命テレビなんかで宣伝を盛んにやっているけれども、この間の競争は全くやられていないという事態に今日なっているかち、二十四条の二以外については、委員長の言うとおり類似行為としてどんどん取り締まればいい。二十四条の二に入っているものであっても、問題のことがいま起こってきているということを私は強く言っているわけですよ。だから、そういう点で、さっき言ったような関係について考えていかなければならぬじゃないか。  ところが、ここにもう一つ問題なのは、今度は取り消す、取り消さぬの関連の話だから、具体的に言いますよ。委員長は、どうも取り消しの話になり、具体的な例を出すと、口をつぐんで、タコつぼに入ったタコみたいに、ものを言わないからだめだ。(笑声)それで、資生堂にクリームP白というのがある。これは小売り定価が六百円です。これはさんざんあれしたので、品物もよく知っている。仕入れ価格は八〇%。そうすると、大体四百八十円くらいだね。ほかにリベートが仕入れ価格の一%から一五%、その売り上げのいかんによって一から一五の幅がある。そうすると、大体五十五円から七十円くらい、こういったようなことですね。さっき言った武田のアリナミンA25、三共のせきどめルル、あれもテレビで盛んに宣伝しているが、これはやり方こそ違うが、同じようにこういう方式ですわ。そうすると、そのときに四百八十円という仕入れ値段と六百円との間のところあたりを——これ、再販をやっている限りは別ですよ。ですけれども、今日の消費者は、何とかこの六百円というのを少しくずして中間あたりにならないかというのが、今日国民大衆、消費者の素朴な気持ちですよ。ところが、いまの再販制度というものがあるがために、とにかくこの六百円は、断固としてこれは一銭も値引きはせぬということになっておるわけです。そのかわり、ここでは六百円が四百八十円だから、一個について百二十円の少なくともマージンを出しているということになるわけです。そうでしょう。そうすると、それだけじゃない。その上にさらに五十五円から七十円のリベートを出している。そうすると、確かに再販制度というものが、おとり廉売や乱売から商標品を保護するというのだということで出発したのかもしれませんけれども、いまは少なくともそういう使命というものはなくなってしまって、こういう具体的なものをあげていけば数限りないけれども、メーカーがもつばら利潤追求というか、シェア確保のためになっている、こういうふうに言われてもしょうがないというのが、今日の再販制度というものの持つ問題点だ、こういうふうに実は考えておるわけです。この点はこれは認識の問題として、委員長はどういうふうに思っておられるのか。これも、いや君の言っているのは違うというなら違うで……。私は、今日メーカーは少なくとも再販を、新聞でもいわれておるように、隠れみのにして巨大な利潤をあげでいることは間違いない。株式要覧やあるいはなにか、いろいろここにあるのですが、具体的にそういうことを言うのは時間ももったいないから申し上げませんけれども、とにかく相当な利潤をあげていることだけは間違いない。そこの会社を見ると、そのメーカーの取り扱い数量の八〇%が再販指定品目に当たっている。そういうことで年間二十数億の利潤をあげられたんでは、日本国じゅうの女性が一生懸命千円、千五百円のクリームや化粧水を買って資生堂を太らせているという奇妙な現象が再販制度によって起こっている。ものの言い方が適当かどうか知りませんけれども、だからそういう制度がある以上、資生堂が悪いとかなんとかという問題じゃないと思う。そういう制度なり機構というものをもう一回考え直さなければならぬ時点に、今日公正取引委員会が、経済企画庁が、物価対策特別委員会が、そういう役割り立場に立たされているのじゃないかということを、いま言わんとしているのです。そこをやはり私は考えていく必要があると思うのです。公正取引委員長、こういった点については一体どういうふうにお考えですか。
  24. 北島武雄

    政府委員北島武雄君) 再販売価格維持制度の存在理由の一つは、確かにメーカーの保護なんです。実際はそれだけじゃないところに問題のむずかしさがあるわけです。あと一つは何かというと、小売り店の保護なんです。実は、再販価格維持契約によりまして、ある商品について値引きをしてはならぬということになりますと、小売り店においては値引き競争をする必要はないわけです。そこで、この再販価格維持契約というものの問題の取り扱い方がむずかしくなる。メーカーだけの問題ですと、また処理しやすい。それとともに、一方、零細な中小企業者の正常な営業活動を場合によっては阻害するようなおとり廉売から救われるという利益があるわけです。それと、独禁法上の自由な競争を維持促進するという政策との調和をどこに求めるかということが、これはなかなかむずかしい問題です。そこが簡単にいかない点であります。しかし、当面、このような物価事情の問題であるときでございますので、やはり消費者の利益をまず先に考えなければならぬじゃないか、それと、こういった中小企業者との利益の調和をどう考えるかといった点に、やはり私ども法案を考えるときにむずかしさがあるのです。そこで、あるいは経済企画庁事務当局の方のもの足りないといった点も、そこにありそうな感じがいたします。もっとも、やり方はいろいろあるのですが、そういった現実を踏まえての上で私どもは一応立案したつもりだったのです。再販価格維持契約制度というのは、そういった二つの点を持っておる。それと、いまの当面における物価問題の調和をどう考えるか、それにつきましては、従来公正取引委員会は残念ながらきわめて少数の人数でありまして、再販価格維持契約に対する規制をほとんどしておらなかった状態なんです。これはひとつ法律をつくって、規制をがっちりやってみる、その上で、どうしても再販価格維持契約というのが現在の物価問題で大きな害をなすということになれば、これは全部やめなければならない、そういった程度気持ちで立案に当たったのが、私どものほんとうのところでございます。ただいまのメーカーのほう、確かに一面メーカーの信用の維持ということもございますが、やはり零細な中小企業者の問題というような大きな問題も、そこにあると思います。これは世界各国も同様でありまして、アメリカにしろ、ヨーロッパにいたしましても、起こった原因はどちらかというと、むしろ中小企業者団体の突き上げによってメーカーがやったような例が非常に多いのであります。ここに問題のむずかしさがあるということを申し上げておきたいと思います。
  25. 木村美智男

    木村美智男君 私は、この再販問題でこれからやっていく上において、中小企業のことを十分考えていかなければならぬという立場に立ちながら実はものを言っているわけですよ。だから、決して小売り店の関係について問題がないと言っていない。しかし、小売り店が困まるのだということに籍口しているきらいが今日ないかという問題を実は掘り下げて考えてみぬければいかぬのじゃないか。さっきのおとり廉売じゃないけれども、おとり廉売あるいは乱売がやられるからこれは廃止あるいは原則的にというか禁止できないのだというのと同じような意味で、やはり小売りがほんとうに困るかどうかというところまで突っ込んで実はやってみて、そうしてその結果、小売り店のほうが実際どうにもならなくなるから、こいつはここ以上はちょっと規制強化はできないのだという、そういうところまでやっぱりいかないと、どうもこれは食い足らぬかっこうになるので、そういう意味で、いまのお答えはお答えで私もよくわかるわけですが、しかし、いま私が申し上げたのは、一つの資生堂の例だけれども、今日再販を実施しているいわば有力な市場支配的なメーカーの中には、メーカーの多くがほとんどそういう状態なんです。だから、言われるように、小売り価格の拘束価格というものも、言ってみれば、再販あるいは類似といわれるものの関係でどのくらいのものかといったら、大体二兆円くらいになるだろうという話が出てくるのも、私はやっぱりそこにあると思う。  そこで、公取委員長にひとつ、ここは今度、何というのですか、具体的な行政上の責任じゃなくて、これは多少見解になるのですが、どうもいまやりとりした関係の中で私が感じるのは、公正取引委員会再販という問題についてのとらえどころ、観点が、ちょっと私、やっぱり問題があるのじゃないかという気がするのです。それは、いま言ったように、何というか、公正取引委員会は、メーカーによる、流通業者、たとえば卸しなり小売りなり、こういつたものに対する拘束という観点かち見て、そうして不公正な取引方法だという、実はそういうとらえ方をしている。だけれども、私は、独占禁止法全体の法律構成を見ると、私的独占の禁止でしょう、それから不当な取引制限、そうして不公正な取引方法でしょう、そうするとだね、いわゆる不当な取引制限の中では、要するに、カルテル行為として合理化なり不況なりの別はありますよ。しかし、これを除いて、一般的なカルテル問題についてはやっているけれども、私は、今日の再販という問題は、さっきから資生堂の例を出しておりましたけれども、何も資生堂に限らず、メーカーと卸しと小売りと、これがとにかく本になって、そうして広告費から宣伝費からリベートから全部ひっくるめたものを小売り価格の中にぶち込んで、そうしてこれを一般の消費者に売りつける、と言っちゃ語弊があるけれども、それを一つ価格として消費者に押しつけている。したがって、そこには少なくとも自由競争はない、価格競争を制限している、こういう関係に今日そういう状態をつくり上げているという立場から、言ってみれば、私はこれは縦のカルテルだという考え方を持つのがこれは正しいのじゃないか、正しいという言い方はどうかと思うのですが、そういう見方をしなければ、ほんとうの二兆円からの今日の問題をとらえて処理をしていくということができないのじゃないかと、まあ多少最近かじってきてみて、そういうふうに感じているのですが、この点について公取委員長はどうお考えですか。
  26. 北島武雄

    政府委員北島武雄君) まことに、お話は正確な問題のとらえ方をなさっていらっしゃると私は思います。これは独占禁止法上の不当な取引制限とカルテルの規定には入らないわけですが、俗に縦のカルテルと言われております。それはそれだけの意味があります。これはまた、縦のカルテルだけでなくて、実際上においては、当該商品について小売り価格を守らせることによって、当該商品についての横の実質上のカルテルができておるわけです。むしろ普通のカルテルより強いことになる。これは独禁法上非常に競争制限的な行為になる。そこに大きな問題があるわけであります。いまの縦のカルテルということばはまことに正確なとらえ方であります。ただ、法律的にはいまの不当な取引制限にあてはまらない卸売り業者があって小売り業者の値段を拘束する、あるいは小売り業者が消費者の値段を拘束する、守らせることが、不公正な取引方法として現在取り上げられております。問題のとらえ方は法律的にそうせざるを得ないのでありますが、ただ、縦のカルテルという考え方は昔からあるわけであります。それは正しい問題の取り上げ方だと私は思っております。
  27. 木村美智男

    木村美智男君 そこで、そこから先を少し答えてもらいたかった。つまり、現行の法律は、それは不当な取引制限行為だとは言えないわけです。そうでしょう。だから、それがいまの横のカルテルというか、一般的に今日まで言われてきたカルテルと同じように、やはり縦のカルテルも不当な取引制限だという、そういう考え方で、実は流産になって幸か不幸かわからぬけれども、ぼくは少なくとも今度つくるときにそういう考え方をひとつこの法律の中へぶち込んでいく気は、委員長ないかどうかということを実は聞きたかったんです。これは、ここで返事をしたらどう、返事をしなきゃどうということは思いませんで、ただ今日の再販制度をほんとうにとらえて、やはり何とか消費者行政を強化しようということになるならば、そこまで進んで法改正まで至らなければいかぬのじゃないかという実は強い気持ちを、私の場合持っているのです。特に公取の言われている不公正な取引方法の禁止という関係では、残念ながらこれは罰則がございませんよね。いわゆる刑事法規としての罰則規定がない。こういう弱さも持っているわけですよ。まあ、じゃ私的独占と不当な取引制限のほうは罰則はどうかというと、これだって微々たるものだ、もっともっとでっかい、強い罰則をつけなきゃ私はほんものじゃないと思いますよ。思いますけれども、不公正な取引に至っては、全然これは罰則規定がないんだから、そこら辺ですね。事業者間の取引さえ公正になれば、もうそれでちゃらにしてやるといったような性質のものだから、そこら辺にやはり今日の問題が出てきているし、あるいは今度の法案をつくるにあたっても、いろいろと他の省庁から問題が出されてきているといったようなこともあるので、そこで先ほど私は企画庁長官に、この際、何というか、現状よりは多少改善されるという意味でなんていう他人ごとみたいなことを言ってないで、この際経済企画庁はどうなんだ、本腰を入れて——それは公正取引委員会と、むしろぼくは一体になったっていいと思うのだ、事務局は。体になってその新法をつくるというようなひとつ積極性を持たぬのかどうか。だから、さっき公取委員長意見を聞いたわけですが、経済企画庁長官は、言ってみれば、いわゆる縦のカルテルというとらえ方についてどう考えるか。もしあなたがそのことについてこう考える、お前の言うようなことに大体同じような考え方だと言うんなら、もっと積極的に、あなたやはりこの新法をつくるために……。公取に、なんか預けて、おれは知りませんというようなことでは、物価庁としての経済企画庁はつとまらぬからね、これ。そういうことで、これは何も委員会なんていうのは、でっかい声を張り上げておこるのが能じゃなくて、要は、物価が下がって、国民のための消費者行政としてうまくいって喜んでもらえばいいわけなんだから、だからこれは、祈るような気持ちで、経済企画庁長官どうだね、ひとつほんとうに本腰を入れてやろうという気になって、腰を上げてみてもらえぬだろうか。
  28. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) ただいままでのお尋ねを伺っておりますと、私が、ベストではないがまあまあ現状よりはいい云々と申し上げたことの意味は、たいへんによく実は御存じでお尋ねになておられるということがわかってきたわけであります。実は、その辺のところが一番問題のところなんでして、つまり、再販価格維持契約というのはやはり例外的には認めなければならない、認めたほうが社会全体としていいのだというようなもので実際にあるのか、あるいは、それは何がしかの利益はあるだろうけれども、それから起こってくる弊害のほうがもう圧倒的に大きくて、むしろ禁止すべきものではないかと、先ほどお話のあった例は私は非常に問題のあるところだと思います。いま何らの効益を持っていないのだというふうにはなかなか断じ切れませんけれどもしかしいかにも弊害——害のほうが大きいという、かりにそういうことであれば、むしろ問題をもとから考え直すべきなのかもしれない。しかし、それはそうでないのかもしれない。少なくとも公取委員長の御判断で今度法律を出そうとされましたのは、まことに例外的にはこれは認めなければならないものだという、いまの独禁法や、そういうたてまえに立っておられると思うわけでありますが、今度不幸にして起案ができないことになりましたので、もう一度いま御指摘のような点についても、私どもの役所でも、再販価格維持契約というものは比較的新しい概念でございますけれども、これは一体どういうものなんだということをやはりもう一ぺん考え直してみる必要があると思います。その場合には、再び、冒頭にお尋ねになりました関係各省の持っておるいろいろな疑問なり何なりというものと、さらに鋭く問題は対決することになるかもしれない、そうなりますと、またそれは現実法律案をつくっていく上での障害になるといったようなこともありますから、ぺんもとへ返って、再販価格維持契約というのは一体最低どういう場合にどういう理由で必要なんだということから研究して私どもとしては見直したい、こう思っております。
  29. 木村美智男

    木村美智男君 長官、私が最後に言っているあたり、ほんとうのところね、おそらく公正取引委員会北島委員長が、何とか物懇の提案にとにかくこたえてこの物価問題をできる限りひとつやっていこうという趣旨で出した、これはいわば今日の再販問題についてはきわめて良心的な考え方だけれども、案としては微温的なものですよね。それすら、各省業界が反対したのだから、それは経済企画庁長官も言うように、これは関係各省猛然と反対してくるかもしれぬですよ、さっき言ったようなことについて。しかし、そのところをやはりおそれておっちゃだめだ、それを乗り越えて、かりにそれがどういう結論が出るか、それくらいの議論をやはり巻き起こさなければ今日の物価問題のガンはなおらないね。佐藤総理大臣は、簡単に、次の国会にはぜひ法制化して提案をしたいと衆議院の特別委員会では答えていますよ。だから、これは総理が約束したのだから出さないわけにはいかない。出さないわけにはいかぬのだから、天下の公約だから、ここら辺でとにかく企画州庁長官は、いままではすわっていたけれども今度は立ち上がりなさいと、こう言っておるわけだからね。立ち上がった以上は、多少の障害はあっても、厚生省という味方がいるわけだ。それで、きょういろいろ伺ったら、通産省厚生省といえども新聞で悪口言われておるほど、何か業界の代表というようなことじゃないということになったんだ、さっきのぼくの質問で。そうしてみれば、佐藤内閣として少なくとも足並みはそろった、かけ足が早いかおそいかは別にして、スタート・ラインに並んだことだけは間違いないのだから、だからひとつここで、多少それは、企画庁長官、障害はあっても、まず議論を巻き起こすということがやはりこういう問題じゃ大事だから、それを高みの見物をしていた今日までの企画庁長官の態度は、まことにもってけしからんとおこりたいところだけれども、これからやるということで、そういうことで一生懸命やってもらう、こういう意味で、いま言ったような障害もあるかもしれぬが、ひとつそこのところを、私は何もさっき述べたような縦のカルテル自体をしゃくし定木でそのまま法案化しろなんということの約束を取りつけようなんて思っておらぬのです。しかし、少なくともそういう考え方は、これは流産したのだから、出直すのだから、そこのところも一枚新しい法律の中に概念として加えていく努力を、この際、内閣、政府全体としてやはり進めてみる、こういう基本的な考え方に立てないかどうか、これが私の質問の要点なんです。ここが。企画庁長官は三時までということですから、どうやらこうやらそこまでにこぎつけなければいかぬと思っで話を持ってきた。そうでなければ三時になっても帰すわけにはいかない。
  30. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) 物価問題懇談会がこれについて勧告をされましたときにも、そのあたりの点はずいぶん実は議論があったわけであります。そこで、勧告ではこういうふうに述べております。「したがって、少なくとも、再販売価格維持制度例外的に認めるにあたっては、消費者の利益が侵害されることのないよう」云々と。そこで、この懇談会でも、再販価格維持契約というものは認める必要がないという結論はついに出せずに、少なくとも「例外的に認めるにあたっては」というところで一つの妥協をしておるわけでございます。今度新しく公正取引委員会を中心に法律案を研究されますときには、やはり原則はいかぬのだけれども例外的には認めるんだ、認めることがあるんだという、なぜ原則的には悪いものが例外的には必要なんだという、いわば基準でございますが、何をもって、どういう理由をもって例外的にはいいのだと考えなければならないのか、その辺をやはりはっきりさせなければならないんじゃないだろうか。そういたしますと、自然に木村委員が御指摘のような問題に続いていくわけでありますし、それから先ほど来いろいろな品物の名前をあげられて、これは維持契約を認めることが必要であるかないか……。公正取引委員長のお立場としては、当然ながら、具体的にお答えはおできにならない。しないほうがいいと、こう言っておられるのですが、しかし、これは認める、これは認めない、というときのやはり判断の基準というものは、これは、なければ私はやっていけないだろうと思うのでございます。それは公正取引委員会の中にはちゃんとおのずからあるのだと、こういうことになるのかと思いますけれども、どうしてそれが、中にあって外に出てはいけないものなのか。個々の場合ですと、非常に千差万別でございましょうから、全部、こういう場合はいい、こういう場合は悪いとは言えないとは思いますけれどもしかし、何か大まかな基準というものがやはりあってしかるべきものじゃないのか、こういう感じもいたします。それは、先ほど申し上げましたように、どういう場合は例外的にいいのだというふうなことの基準の、やっぱりもう一つ具体的なその延長になると思うのでございます。やはり、そういうことをもう一ぺん公取を中心に私ども研究し直す必要がある、こう思っておりますから、そういう努力をいたしたいと思うわけであります。
  31. 木村美智男

    木村美智男君 まあ、社会党二時間というワクをはめられておりますから、関連の関係もありますので……。  それで、長官が言われた、原則禁止という物懇の提案、これは、最低限ここのところは——縦のカルテルというのはその過程で問題になるにしても、やっぱり原則禁止という立場公取も一応貫いているんだと、こう言っているわけですから、ここはひとつ守ってもらう。しかし、例外というのは、いままで往々にして、例外が五割五分で原則が四割五分というのがたくさんありますから、そういうのは例外とは言えないのだから、ここでは少なくとも例外というのは、まず九割五分は、あるいは九割八分は原則禁止だけれども、というぐらいの意味例外というように、これはきびしく考えてもらわなければいかぬと思う。ただしその場合に、それが一割になったかもしれぬ、一割五分くらいになったかもしれぬが、その場合は、少なくとも長官が言うように、やっぱり例外としてこれはこういうわけだから認めなければならぬのだという、だれが見てもわかるような基準というものをきちっとつくる、これは私もよくその点は了解できる。それから同時に、今度は、さっきの品目を洗い直す問題に関連をして、今度やっぱり運用一つの基準といいますかね、これは当然公のものがなければ、やっぱり法の運用なんだから、北島公取委員長のときは非常にきびしかった、次に来たらぐにゃぐにゃしておって何をやっているのかわからぬというようなことでは困るわけだから、そうなると、ちゃんと判断の基準となるべきもの、公にできるものを、とにかく今度の新法をつくる機会にひとつつくり上げてほしいということは強く私も要望しておきたいと思う。  そういう意味で、大体いままでこの委員会がやってきたことで、再販の問題については一つ方向が何か見えてきたような気がするんです。問題は、これから法案としてどう固めるかという、そういう段階ですけれどもしか長官、これはほんとうに今日の物価問題の中で、最も、何といいますか、名前がややこしいから、実は再販というようなことは一般的普遍的でないように思うけれども、最も国民生活に密着している問題がこの中には多いので、これのやり方いかんによっては、今日の政府は評判がよくもなるし、それから、まるっきり能がないと言われるかもしれぬし、そういう性質のものですよ、これは。だから私は、そういう意味では、それは佐藤内閣であろうが何であろうが、国民のためになるという、そういう立場でこの再販問題をせっかくここまで議論してきたんだから、できればひとつ、閉会が三ヵ月になるのか二ヵ月になるのかわかりませんが、ぜひこれは総力をあげて政府内部の意見を調整して、次の国会ではひとつ新しい規制法案規制法というものをつくって提案ができるように、企画庁長官に特にこれは要望しておきたいと思う。そういうことで、企画庁長官のほうは、ほかのほうで関連があれば別ですが、私、企画庁長官には、以上で質問を終わらしていただきたいと思っています。  そこで、公取委員長にまた伺うわけですが、この間わざわざ、こっちの委員長委員長席からおりて、一生懸命公取委員長に、まあ激励をしておったんですが、私、やっぱりこの間報告を読ましてもらいました。「独占禁止法および不当景品類及び不当表示防止法違反被疑事件処理一覧表」、それから、公正取引委員会の年次報告も、まあだいぶ多いので全部は見ていませんが、大ざっぱにですけれども見せてもらったわけですが、非常に違反行為類型の問題なり、不当景品の関係なり、こういったようなことについては、今日の事態の中では、少なくとも、まあまあ相当やられているというふうに、私はこれは率直に言って、申し上げることができると思うんです。しかし、その肝心かなめの独占禁止法の違反の被疑事件の関係については、日時が七月の五日までということだから、短かったということがあるかもしれませんが、昭和三十八年に事件の処理として勧告が二十四件、それから三十九年は三十二件、四十年は三十一件、こうあったのが、ここの資料にある四十一年は十八件、四十二年三件、だんだん下がってきた。まさか、このことについて、私は公正取引委員会が手を抜いているとは思っておりません。ただ報告等を見ますと、あるいは委員長答弁を聞いてみますと、どうも人手不足が相当やはり問題の処理を遅延さしているような関係もあるし、わかっていながら手をつけられないという問題もあるようでありますから、したがって、この本来の仕事である独禁法の問題に取り組んでもらうという、この一点から、次の予算要求には、率直に言って、要員不増の方針というやつが佐藤内閣の基本方針だということで、あちこちの委員会でぶつかるんですが、こんなものはやはり大事なものなんだから、必要なところに人間を出すということが要員不増の方針のほんとうの中身のようですから、これは私がかってに判断をしているのじゃなくて、そういうことにこの間もある委員会で確認をした。したがって、公正取引委員会で、ぜひいまの新法の立案とあわせて、機構の充実というか、こういう面を考えて、やはり来年度予算の中に要員を十分取っていくということをやってもらって——人をふやしてやっても、ろくな働きをしなかったというときは、次にだいぶきびしくやりますよ。きょうは人が足らないということで、この処理状況についての意見はあれしますが、ぜひひとつ、そういうことで強い要望があるという立場から、予算要求はあまり遠慮せずに、必要な人員をきちっと要求をしていくというくらいのことを、委員長、やはりやって、自信を持ってひとつ取り組んでもらいたい、これは委員長に対する最後のあれです。  もう私も、同じような関係の、いままで質問されたことについて繰り返すことは重複を避けたいと思いますので、いずれにしましても、こういうような、いま申し上げたような、質疑の中で明らかにしたような筋から、もう一回繰り返しますが、長官、あるいは公正取引委員長、ぜひひとつ次の国会までに十分検討をしていただいて、そして各省調整をして、再販規制法案を提案ができるようにがんばってもらいたいということを最後に要望し、でき得ればひとつ、委員長、本委員会としても、この再販規制法案作成を促進する意味で、委員会としてそういう趣旨の決議をしていただきたいということを要望して、私、質問を終わらしていただきたいと思います。
  32. 櫻井志郎

    委員長櫻井志郎君) 本件に関する質疑は、この程度にとどめておきます。     —————————————
  33. 木村睦男

    木村睦男君 私は、各党各派の御了承を得まして、消費者物価対策に関する決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     消費者物価対策に関する決議(案)   本委員会は、国民生活に及ぼす消費者物価の動向につきその安定のため現状の分析並びに政府の施策を中心に真剣に論議を尽くし検討してきたが、今日までの審議の結果にかんがみ差し当り次のことを政府に要望する。  一、政府は、現在の再販価格維持行為の行き過ぎが、消費者保護観点から多くの問題を提供している事実にかんがみ、現行の独占禁止法により承認した再販価格維持契約品目について再検討するとともに適正な独占禁止法運用を図り、再販価格維持行為規制法案についても、消費者保護を目標に各省庁間の意見を調整し、可及的すみやかに成案を得て、次期国会に提案できるよう努力すべきである。  二、政府は、事業者間の公正な自由競争を確保し、消費者保護に万全を期するため公正取引委員会の機能を十分に発揮し活発に活動さす必要があるが、最近における事務量の増大とその役割の重要性にかんがみ要員確保等特段の配慮をすべきである。    右決議する。  以上でございます。何とぞ御賛同の上、御議決されるようお願いいたします。
  34. 櫻井志郎

    委員長櫻井志郎君) ただいま木村君から提出されました決議案を議題といたします。  木村君提出の決議案に賛成の方の挙手をお願いいたします。   〔賛成者挙手〕
  35. 櫻井志郎

    委員長櫻井志郎君) 全会一致と認めます。よって、木村君提出の消費者物価対策に関する決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、宮澤国務大臣及び北島公正取引委員会委員長から発言を求められております。宮澤国務大臣
  36. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) ただいま御決議を拝承いたしました。御決議の趣旨を体しまして善処してまいりたいと存じます。
  37. 櫻井志郎

  38. 北島武雄

    政府委員北島武雄君) ただいまの御決議は、公正取引委員会に対するまことにあふれる御鞭撻のことばと拝承いたします。私ども、できるだけこの御決議の趣旨に沿いまして、今後一そう努力いたしてまいりたいと思います。     —————————————
  39. 櫻井志郎

    委員長櫻井志郎君) 次に、第三五二号、物価抑制に関する請願を議題といたします。  本請願は委員長のもとで整理いたし、委員長理事打ち合わせ会においてその取り扱いを検討いたしましたので、その結果を報告いたします。  速記をとめて。   〔速記中止〕
  40. 櫻井志郎

    委員長櫻井志郎君) 速記を始めて。  それでは、本請願は、ただいま審査いたしましたとおり、議院の会議に付するを要するものにして内閣に送付することを要するものと決定することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  41. 櫻井志郎

    委員長櫻井志郎君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。  なお、報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  42. 櫻井志郎

    委員長櫻井志郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  43. 櫻井志郎

    委員長櫻井志郎君) 次に、継続調査要求についておはかりいたします。  当面の物価等対策樹立に関する調査につきましては閉会中もなお調査継続することとし、本院規則第五十三条により本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  44. 櫻井志郎

    委員長櫻井志郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、要求書の作成及び提出の時期等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  45. 櫻井志郎

    委員長櫻井志郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  46. 櫻井志郎

    委員長櫻井志郎君) 次に、委員派遣承認要求に関する件についておはかりいたします。  当面の物価等対策樹立に関する調査のため、閉会中に委員派遣を行ないたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  47. 櫻井志郎

    委員長櫻井志郎君) 御異議ないと認めます。  つきましては、派遣委員の人選、派遣地、派遣期間等は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  48. 櫻井志郎

    委員長櫻井志郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、本院規則第百八十条の二により議長に提出する委員派遣承認要求書の作成等も、便宜委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  49. 櫻井志郎

    委員長櫻井志郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  別に御発言もなければ、本日はこれをもって散会いたします。    午後三時散会