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木村美智男君 そこでちょっと、これは、
大臣、あなたのほうに聞くのです。いまの説明を聞きまして、とにかく八十五万頭というのですから、大体あれでしょう、日本の豚が総数約六百万頭ですからね、これは相当なものですよ。一四、五%になるのじゃないか。それがいま冷蔵庫に眠っているという話ですよね。冷蔵についても、いまのところ思ったよりは良質だと、こう答えておるのですが、現に、もうさっき私が言ったように百五十トンの不良肉が出て、これは処分をしたんですね、この間。去年の三月から買い入れをやっているわけですから、腐ったとなったら、半分くらいはこれは腐ってしまうわけですから、そういう
関係にずっとあるわけでしょう。そのことが
一つは考えられるし、それからこの三万四千トンの中の二千トンの放出では、これは全然問題になりません。半分くらい放出してしまうなら、これはなるほどたいへんはけたということになるから心配はないのですが、このままだと、どうもこれはいかぬので、これは少し
大臣、
政府がやはり直接手を入れる必要があるのではないか。手を入れると言うか、手を貸す必要があるのではないかということが、実は私の言いたい点です、まず第一に。これはおかしいんだね。国内で肉を余しておいて、輸入をどんどんいまあれでしょう、野放しでやらしているでしょう。言ってみれば、まず馬肉、マトン、これは去年より輸入がふえていますね。数字を一々申し上げなくてもおわかりだと思います。これはどう考えたって、おかしなことです。日本の国内では肉がとにかくゴマンと冷蔵庫に眠っておって、そして外国からどんどん輸入している。これはどうあっても、
政府の責任問題だと、ある
意味では、場合によってはなりますよ。だから、この輸入の問題について
政府はまず
規制をすべきであるというのが私の
考え方であり、質問なのです。なぜかと言うと、ハムとかソーセージというのは本来豚肉をもってやるべきものが、外国から安いマトンが入ってくるから、マトンをハム、ソーセージの加工用に回している。だから加工の需要がちっともふえない。ここに私はいま豚肉がさっぱり消化をされない原因があると思う。
農林省のほうは、畜産局のほうは、一生懸命になっていま小売り
業者や加工
業者にと言っているが、これはやはり輸入をある程度とめるか
規制をしない限り、こんなものはあまり期待できませんよ。そういう
意味で、まず第一に、この肉の輸入について
政府の
方針がやはりきちっとしてもらわなければいかぬということが
一つ。
それから二つ目には、まあ豚というのは、私が言わぬでもわかると思うけれ
ども、牛は年に一回しか分娩しない。豚は二回ですよね。しかも、牛は一回に一匹だけ、豚は大体一ダースが常識なのだから、そうすると二十四対一というのが牛と豚の効率の問題ですよ。きょうは、ほんとうは、足りないほうの牛の問題を少し聞きたいのだけれ
ども、時間がわずかだから、いま豚をあれしているんですけれ
ども、その豚のほうも、最近はどうかというと、ヨークシャーとかバークシャーとか(笑声)というような問題……。いやほんとうの話。そういうものは最近はだめで、もうランドレースですか、こういう非常に何と言いますか、早くふとる豚、そういうものをどんどん外国から輸入しているわけですよ。そこで、肉は何ぼ買い上げたって、それはもう子供はどんどん生む、育ちは早いときているのだから、回転が早いのですから、これは買い上げたって間に合わない。したがってこの問題についても、私はやっぱりこの外国豚の種豚の輸入について
政府は手をつけなければいかぬじゃないか。そいつをどうするかというのは、あなたら知恵があるのだから、それはひとつ
対策を考えてもらうということで、まずマトン、馬肉の輸入の
規制と、それから外国種豚の輸入の問題も
政府が直接やってもらう必要がある。
それから、もう
一つの問題は、要するに海外からの飼料ですね、大量にこれは入れているでしょう。結局、畜産というのは、本来、日本ではあれでしょう、農業をやりながらできたイモやあるいは穀物の
関係の悪いやつを食べさして、そしてやって、きたということなんですが、最近はそうではなくて、どんどん外国からの飼料を多く入れているという、こういう
関係が出てきていますから、当然負担が重くなるので、多少やはり規模を拡大するという、こういう
関係になって、
生産が畜産全体では五・九%ですか、去年ね。ところが、豚は三三%ですからね。もう畜産の中でも圧倒的にというか、抜群に
生産率というものは上がっているわけです。そういうことから考えると、これもやっぱり飼料の輸入を一時ストップさせるぐらいの英断は私はとる必要がある。そうして、いま倉庫に入れている手持ちの飼料を放出をするか、できるだけ自家飼料をもってこれに代替をしていくというようなことを思い切ってやはりいまの輸入問題と並行してやっていかなければ、いまの豚肉問題は解消しない。
これは、
大臣、豚の頭数とトン数だけ言ったからわからぬけれ
ども、銭の話をすればすぐわかる。大体百六十億円冷蔵庫に眠っているのですから、いまに腐ったなんという話になってきたときには、これはたいへんな問題なんで、そういう
意味で、それでは
一体市価ではどうなのかというと、六十五円という豚肉そのままになっている。腐らせるなら、むしろ三十円で売ったって、そのほうが償却は国のほうにとってはいいのですから、私は、最後の
段階には、それはある場合は英断をもってやらなければならぬのじゃないかと思いますよ。そこまでいく前に、いまのことをぜひやってもらいたい。
そうして、去年なんかは
生産者はそれではどうなのかというと、三百二十円の標準
価格をこえた場合であっても、全国平均キロ当たりの手取りが幾らかというと、農家は百八十円から百九十円ぐらいしか手取りもらっていない。もらっていないということは、要するに中間における流通問題にやはり問題があるということでしょう。そうだとすれば、
農林省は、この点については、ある程度中間における畜殺商とか、いろいろ介在するものがあるわけですから、それを、やはり農協なら農協を軌道に乗っけて、そうして共同出荷なり、そういうルートに乗っけるということも、これはひとつ非常に大事だ。そうしてやっぱり一面ではそういう流通
機構をそういう方向にやることによって、
生産者の所得というものをふやす。肉の値段は下がっても
生産者のふところぐあいは決して悪くならないという
関係がここから具体的な
対策として手は打てるはずですよ。そこら辺のことを、この際、何というのですか、本腰を入れて、
物価対策の
立場からこれは
経済企画庁長官にも実は申し上げて、
関係の
農林省なり、ほかにどこが
関係するかわかりませんけれ
ども、さっき言ったいわゆる
物価安定推進会議の構想からいけば、やはり各
行政庁間のコントロールというものをはかるという
立場からきわめてこれはいい問題なんで、ぜひひとつ、いま私が申し上げたような筋で解決をはかるべきだ。
以上は、まあ質問というよりも、むしろきょうは、この問題に関しては与党議員といったようなつもりで一生懸命言っているわけですよ。これは、ほんとうに百六十億も冷蔵庫に眠っているのがむだになるということなら、私はもう半値にしたって、売れてどんどんはけていくというやつをとるか、それはもう少し将来を見通した場合の問題なんだというならば、さっき言った外国からの輸入の問題、それからさっき言った中間
段階における流通
機構の問題を、農協等の共同出荷というような形を通して
生産者も救い、なおかつ
消費者にも安く売れる、こういう
関係で、しかも肉を腐らさない、こういうことを、この際やっぱり
関係する
部門を全部集めて、
経済企画庁が
中心になってやってもらってもいいし、それが適当でなければ、それは
農林省かどこかわかりませんが、この際早急にそういう
対策をとってもらいたい。これはまあ一カ月もあればできることだと思いますから、一カ月ぐらいたったら
委員会でその
実行経過を聞きますから、きょうはそういう
提言をして、この次は質問をやりますからね。そのことについてどうなったか。やっぱりそういうことをほんとうに
一つ一つやっていくことが具体的な
物価対策じゃないかと、私はこういうふうに思うものですから、
大臣にひとつその
考え方を聞かせていただいて、そうしてできれば、いま言ったようなことも、別に私の案でも何でもないのですから、ぜひ参考にして、早急にこの豚肉問題について手を打っていただきたいということで、
大臣も
あとで答えてください。