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1967-06-15 第55回国会 参議院 農林水産委員会 第15号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十二年六月十五日(木曜日)    午後一時十五分開会     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         野知 浩之君     理 事                 任田 新治君                 山崎  斉君                 川村 清一君                 中村 波男君                 宮崎 正義君     委 員                 青田源太郎君                 小林 篤一君                 櫻井 志郎君                 田村 賢作君                 高橋雄之助君                 温水 三郎君                 森部 隆輔君                 八木 一郎君                 和田 鶴一君                 武内 五郎君                 達田 龍彦君                 村田 秀三君                 渡辺 勘吉君                 北條 雋八君    国務大臣        農 林 大 臣  倉石 忠雄君    政府委員        農林政務次官   久保 勘一君        農林省農林経済        局長       大和田啓気君    事務局側        常任委員会専門        員        宮出 秀雄君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○農業共済基金法の一部を改正する法律案(内閣  提出、衆議院送付)     —————————————
  2. 野知浩之

    委員長野知浩之君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  農業共済基金法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案に対し質疑のある方は、順次御発言願います。
  3. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 質問の前に、この前の委員会で要求した資料について後ほどお尋ねをする便宜上、きょう出された資料について修正をしたものを試算をしておいていただきたい。それが出次第この資料についてお尋ねをしたいということでお願いします。  それは、一の「六億円増資の場合の農業共済基金収支見込み積算基礎について」という資料ですが、無利息欄が四十五年から多少減額になっておりますが、これは政府としてはいろいろな積算の経過があるでしょうが、それはあとでお伺いするとして、これをずっと四十五年から五十一年まで二十四億六千七百万そのものとした場合の計算がどうなるのか、収支にどう影響するのかということを、全部直したものでなくていいですから、収支差引のところでどう変化するか、それだけでけっこうです。またはね返って自己資金にもこれは影響するわけですが、そういう内訳は一切要りませんが、結果的に無利息欄を二十四億六千七百万そのものとして、五十一年度まで不変のものとこの数字を置きかえた場合に、収支差引が四十五年度以降どう変わるかという計算を一応やっていただきたい。  それから同じく積算基礎資料収入欄貸付利息、D掛ける五分五厘という欄がありますが、これは後ほどいろいろ質疑の際にも私が中心的に伺う問題の一つですが、これをかりに三分五厘とした場合、それから二分とした場合が一体どうなるのか、それによって収支にどう響くのか。  こういう積算基礎資料の三つを変えた場合の収支差引に及ぼす影響が年度別にどう変わるかということを計算しておいていただきたい。これは一時間足らずでできますね。
  4. 大和田啓気

    政府委員大和田啓気君) 御指摘の第一点の四十五年以降無利息貸付金部分を減らさない計算は、すでにいたしております。  それから収入のところの貸付利息を三分五厘にする場合と二分にする場合は、まだ計算はしてございません。これからさっそく計算いたします。
  5. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 まず、農林大臣お尋ねをいたしますが、ちょうどことしは農業災害補償法が公布されてから二十年を迎えるわけであります。今年度においては、この事業も、国の予算額が約三百二十億、それに農家掛け金なりあるいは賦課金を合わせると、実に総額五百億をこえる膨大な規模に達しており、世界でも類例のない、全体額としては誇示するに足るものだと確信をいたすわけであります。したがって、わが国農業災害補償制度は、災害対策として農業経営の安定に大きく寄与しておることは、これはひとしく認むるにやぶさかではありません。  ところで、この事業規模が年々増大するとともに、農業生産基盤なりあるいは耕種技術改善等が進行し、生産部門の構造なり経営農家変貌等のために、被害地域の差が拡大をしておる。そういう情勢の中で、災害発生態様変貌逐げつつある。また、一方には、本院における意思を反映して新種共済制度が逐次政府施策の中に取り入れられてきておる等々、農業災害事業をめぐる諸情勢進展には著しいものがあるのでありますが、政府は、こうした客観的なあるいは主体的な条件変化にいかに今後対応し、その対処策をどう考えているかという基本的な方針について、大臣見解をまず伺いたいのであります。
  6. 倉石忠雄

    国務大臣倉石忠雄君) 渡辺さん御指摘のように、わが国農業災害保険につきましては、ある程度以上に農業生産を確保する意味において役立っておりますし、また、日本農政の中では誇ることのできる一つ施策であると存じております。この農業保険につきましては、私どもといたしましても、非常にむずかしいときになっております日本農業を、さらに生産意欲を高め、農業の地位を産業の中で確保していく上においては、これは非常に重要な仕事ではないだろうか、こういうふうに実は考えておる次第でございます。  そこで、いまお話のございましたように、最近の傾向は、いろいろ受益者状態等においても変化がまいっておるわけでございますが、現行農業災害補償制度対象でございます農作、家畜等の各部門にわたりまして、著しい条件変化が見られることは、いまお話しのとおりであります。さらに、それに伴って新しい新種共済、そういうものを要望する声もまた高くなっておることを私どもはよく存じておるわけであります。このような現状にかんがみまして、政府といたしましては、常に制度を時勢に対応したようなものとして農業経営の安定と農業生産力の向上に資することのできるように検討を続けてまいっておる次第でありますが、さしあたり現在まで措置を講じておりますものは、御承知のように、三十八年度においては、最近における農作物災害発生態様変化等に対応いたしまして、組合段階実質的手持ち責任拡大、それから画一的強制加入方式緩和などを内容とする農作物共済制度に関する制度改正をはかりましたことは、御承知のとおりでございます。その結果、従来、掛け金の掛け捨てが多いというようなこと、共済金支払い額損害額に比して少なかったことなどの理由から、何と申しますか、地方によっては農業共済組合解散運動などというものも見られておったのでありますが、こういうものは漸次終息するようになってまいっておる現状でございます。また、制度改正前におきましてはおくれがちでありました掛け金の徴収も相当改善されるようになりましたし、また、低被害地帯において特に低かった共済金額も漸次高額に切りかえられるようになってまいっております。このような状況からも見られますとおり、改正制度はほぼ所期の成果をおさめているものではないだろうかと、私どもはこのように見ております。  もう一つは、四十一年度においては、乳牛を中心とする多頭飼育化進展に対応いたしまして、包括加入制度の創設、それから掛け金国庫負担方式改善損害防止事業強化等内容とする家畜共済制度改正を行ないまして、四十二年度からその実施を見ておるわけであります。  それからまた、わが国農業における果樹農業の占める比重の増大してまいる傾向にかんがみまして、果樹につきましても保険制度適用の当否を検討することを目的といたしまして、相当広範囲にわたって試験的に事業実施するために、政府の再保険措置等内容とする果樹保険臨時措置法案を今国会に提出いたしました次第でございます。  それからまた、畑作肉豚養鶏等の諸部門に対する共済制度適用の可否につきましては、従来からいろいろ調査研究をいたしていることは御承知のとおりでございますが、これらを共済制度として仕組みますためには、保険数理に基づいて収支の均衡がはかられるように具体的に料率等を算定する必要がございますので、資料整備のまま発足することは事柄の性格上まことに困難でございます。したがって、なお十分これらは検討の上、可能なものにつきましては逐次実施に移すように努力をいたしてまいりたいと考えておるわけであります。  それから農業共済基金につきましては、二十七年発足以来、事業量拡大にもかかわらず、当初出資額が三十億円に固定されてまいりましたが、四十年当初におきまして行ないました赤字連合会に対するたな上げ措置に関して、農業共済基金融資能力を広げまして事業運営円滑化をはかるため、このほど六億円の増資措置を講ずることといたしましたことは、すでに提案理由においても御説明申し上げましたとおりでございます。  また、右のほか、事業の健全なる運営を期するためには、最近における一般的人件費高騰に即応いたしまして、農家負担増高を来たすことなく、事業のにない手となる農業共済団体職員の給与の充実をはかる必要がある、このような見地に立ちまして、政府といたしましては、農業共済団体事務費国庫負担金につきまして、四十二年度予算におきまして、連合会職員のベースアップ、それから連合会組合を通じて、職員の期末・勤勉手当の大幅な増額をはかる等、相当な改善をはかりましたが、今後もなお一そうその所要額の確保に私ども努力いたしてまいるつもりであります。  なお、また、従来、農家に対する共済金支払いがとかくおくれがちであったという批判を受けてまいりましたが、農作物共済制度につきましては、三十八年度改正を契機といたしまして、農林省はもとより、農業共済団体役職員努力の結果、昭和三十九年産水稲につきましては、北海道において、四十年産、四十一年産水稲については、北海道のみならず、東北、北陸等早場米地帯一道九県において、年度内支払いを完了する成果をあげることができるようになってまいりました。それで、なお、その他の事業につきましても、事務処理過程簡素化等によって共済金早期支払いの要望にこたえてまいることのできるようにいたしたいと思っております。  ただいま申し上げましたような措置でとどまるわけではありませんで、政府は、なお、農業事情変貌に即応して、制度をほんとうに農業経営の安定に資するものたらしめるために、さらに今後もこの精神を徹底してまいることに引き続き努力をしてまいりたい、このように考えておる次第であります。
  7. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 ただいまの総括的なお尋ねに対する大臣の御答弁で、政府の今後の対処策のおおよそが明らかになったわけでありますが、ただいまの大臣答弁の中からもう少し具体的に二、三の点にしぼってお尋ねをいたしたいのであります。  たとえば、いま大臣の触れられました新種共済の問題の中でもあったわけでありますが、これは午前の商品取引所法連合審査の際にも、川村委員からアズキについて具体的な例示があったことでもありますが、現行農業災害補償制度中心水稲中心とする農作物共済にあることは、政府から提出された資料によっても明らかであります。しかしながら、畑作について見ますならば、これは何と申しましても麦あるいは陸稲に限られておる現状からいたしまして、畑作物災害に対する政府の保護的な扱いというものがきわめてすみに置き忘れられておる感が深いわけであります。したがって、四十一年六月二十七日に本院で農業災害補償法の一部改正案が成立する際の付帯決議にもありましたように、特に「調査を完了した果樹共済については、昭和四十一年度中に成案を得るよう措置すること。」ということで、これが今国会に具体的な法案となって出たこともまあ了解するわけでありますが、しかし、そのほかの、たとえば葉タバコにいたしましても、去年の附帯決議には、肉豚とともに、「早期調査を完了し、制度確立を期すること。」という意思表示全会一致政府要請をして、附帯決議早期に実行するように申し入れをしておるわけであります。ただいまの大臣答弁では、何か隔靴掻痒の感なきにしもあらずで、また、衆議院における葉タバコ共済に対する質疑速記録で見ましても、従来の損失補償共済制度の上に任意共済というような構想がちらっと局長のほうから答弁に漏れている程度で、早期に客観的な調査を完了して制度確立を期すという本院の意思表示に対しては、かまえ方がきわめてどうも緩慢過ぎる感じを受け取るわけであります。もっと積極的にこの問題に取っ組んで、単に水稲に限らず、主作目である畑作物についても同様に制度対象にしてその被害から共済の実をあげるということがなければ、いつまでたっても水稲重点農政がまかり通る。そういうことを考えましても、もっと積極的に畑作物の、これはすべてを申し上げるつもりはありませんが、いま取り上げたような主作目については、より積極的な姿勢で取っ組むべきではないかということを私は考えるのでありますが、これは議案になっております農業共済基金からは多少それることでありますから、いずれ果樹共済の審議の際にとくと内容に触れてお尋ねをしますが、関連する問題でもありますので、もっと納得のいく大臣の大所高所からの心がまえというものを大胆に国民の前に示してほしいと思うのであります。
  8. 倉石忠雄

    国務大臣倉石忠雄君) 先ほど基本的な私どもの考え方を申し上げました中にも、新種共済については積極的にやってまいりたいと申し上げておるわけでありますが、御承知のように、米麦蚕繭等、逐次やってまいりまして、今回はまた果樹共済につきまして試験的に実施をいたす。そのように、政府といたしましては、冒頭に私が申し上げましたように、低生産性部門といわれておる農作物について、農作物の供給を確保するということが前提に必要なのでありますから、そのためには、共済制度を逐次各種目にできるだけ拡大いたしてまいりたいと、こういうことで検討を続けて、漸次やってまいっておるわけでありますが、いまお話しのような点につきましても、なおいわゆる前向きの姿勢で私ども調査研究をいたして取り組んでまいりたいと、こう思っております。
  9. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 まあものごとうしろ向きということはあり得ないわけですから、当然前向きなんですが、ただ、前を向いたって、歩かなきゃどうにもならぬ。もっと堂々とその所信に向かって、すみやかにそれが具体化するように、これは強くこの機会要請をいたしておきます。  それから先ほどの大臣の総合的な施策にも触れるのでありますが、これからこの農業共済基金法の一部を改正する法律案を審議するにあたっての前提として一応伺っておきたいことは、さきに三十八年にこの制度の大幅な改正が行なわれたのでありますが、その際に改善すべき事項としてあげられた項目の中に、農家負担に比べて掛け捨てが多くて、無事戻しの実効があがっていないということが第一点、それから共済金支払い額が実損に比べて低過ぎるという問題、第三点は共済掛け金率被害実態に必ずしも即応していないという問題、第四点としては病虫害防除技術進歩発達に伴って病虫害事故対象とすることには問題がすでに出ているという問題が大幅改正の際に提起されておったと思うのでありますが、これが制度改正の背景となった問題点でもあったわけであります。したがって、それがまた改正のねらいでもあったわけでありますが、その後大幅改正をして今日に至る間にどのような——私はいろいろな問題のうち四点にしぼったわけでありますが、このあげました四つの課題について、どのような実効をあげ、また、今日なお問題として残されておるというようなことについて、まず総括的な実態を明らかにしていただきたいのであります。
  10. 倉石忠雄

    国務大臣倉石忠雄君) ただいま御指摘のような諸点につきまして、それに対応するのが三十八年の改正趣旨であったわけでございますが、その後の様子を見ておりますというと、大体この改正趣旨に沿って成果はあがっておると私どもは思っておるわけであります。  第一の無事戻しの実効があがっていなかったということにつきましては、制度改正の際に、無事戻しの限度額が従来農家負担共済掛け金の六分の一でございましたのを、三分の一に引き上げました。また、無事戻しの機会が従来三年に一回でございましたのを、その額が小さければ毎年無事戻しを受けることができるようにいたしました等、農家ごとの無事戻しの範囲を拡大いたしましたことは、御承知のとおりでございます。それから組合等実質的共済責任を拡充いたしまして、剰余金の生ずる余地を拡大させる。そうしてまた、剰余金一定割合不足金補てんに充てるための準備金として無制限に積み立てをさせていたのに対しまして、この準備金の額に限度を設けて、これに達した後は余剰金をすべて無事戻し財源に充てることができることといたすなど、無事戻し財源の拡充をはかった次第であります。それから制度改正後の無事戻しは順調に拡充されておりますし、現在のところ大体問題はないのではないか、このように考えております。  それから共済金支払い金が実損実額に比べて小さかったという御指摘でございますが、従来、最高の金額選択いたしましても、全損の場合には金額の四九%しか補てんされなかったことと、それから従来制度に対する農家不満から共済金額として低い金額選択されておりましたことなどによるものであったと考えております。そこで、制度改正におきましては、選択限度を六三%に引き上げましたほか、ただいま御指摘のようなほかの諸点について改善を加えまして、制度に対する農家不満の解消をはかった次第でございます。それから制度改正後、選択共済金額は、基準米価上昇もございましたけれども、それ以上に急速な上昇が見られまして、これに伴って一戸当たりの共済金支払い額上昇いたしまして、補てん充実が期されておると存じます。  それからもう一つ共済掛け金率が各地域実態に即応していなかったということでございますが、従来、都道府県単位被害率基礎として標準率を算定いたしまして、ある程度地域別被害状況を加味いたしまして基準共済掛け金率を定めることといたしたために、実態に即応しないという批判があったことは、私ども承知いたしておりますが、これは、三十八年の改正によりまして、直接農業共済組合または市町村事業区域単位被害率基礎として基準共済掛け金率を算定することといたしました。さらに、細分化が必要な場合には、末端において自主的にこれらの区域を区分いたしまして共済掛け金率を定めることができることといたしました次第であります。したがって、現在は、共済掛け金率はおおむね各地域実態に即応したものとなっていると考えております。  それから最後に、病虫害防除技術発達等によりまして、水稲病虫害共済事故とすることに問題があるというお話でございますが、これは、三十八年の改正によりまして、水稲病虫害防除が適正に行なわれる見込みがある地域には、これを共済事故から除外いたしまして、国庫補助によって病虫害防除を行なう方途が開かれました。これに基づきまして、水稲病虫害共済事故としない農業共済組合及び市町村が漸次増加いたしてまいっておることも、御承知のとおりでございます。水稲病虫害共済事故といたさない地域は、全体から見まするというと、まだ決して多くはございませんけれども、一応この問題の矛盾の大きかった地域は指定いたしまして事故除外制度適用いたしておりますし、今後、さらに防除技術の普及、施設の整備等病虫害防除の徹底を期しながらこの制度の活用をはかってまいりたい、こういうふうに思っております。
  11. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 次に伺いたいのは、やはり三十八年の大幅改正によって、農業共済団体事業運営というものは、その後逐次安定性を増してきているといわれております。しかしながら、一方、客観的には、経済高度成長、それによる非農業部門への労働力の特に若年層の流出なり、一方、兼業農家の増大、あるいは作目の構成変化なり、農村の都市化等々によりまして、農業の様相の急速な変化のために、都市近郊地帯等中心として、農業共済団体存立基盤にも大きな変化を生じておることは、また明らかな事実であります。  他面、農業共済団体に従事する職員人件費高騰をしております。しかしながら、これは提出された資料によりましても明らかなように、同じ——私がまとめた資料で、必ずしもそれは横に機械的に比較はできませんけれども、県の共済連合会職員県職員との待遇の問題、あるいは組合職員市町村職員との待遇比較に見ましても、明らかに大きなアンバランスが出てきておる。むしろこのアンバランス拡大する方向にあるのではないかと思いますが、その傾向拡大ではなくて縮小にあるのかどうか、これも後ほど具体的に政府委員のほうからお伺いをいたす問題でありますが、そのために優秀な職員が他に転出するということのために、この仕事を適正に運営していくことに大きな問題がまた組織の内部で発生しているのではないかという問題が出てきておるわけであります。あるいは共済目的の減少の問題なり、組合相互間の地域差拡大等によるアンバランスの問題等々によって、組合運営が一そう困難性を増大してきておることも、これは見のがすわけにはいかない現実の問題であると考えます。  そこで、組合運営の実情なり、その実情の上から来る市町村移譲の動向の問題なり、あるいは広域合併等の動きの実態は、一体、どう大臣は把握されておるのか。総括的にこれらの組合の内外における動態の中でどう現状を把握し、その現状把握の上においてどう対処されようとするのかを、大臣から見解を承っておきたいのであります。
  12. 倉石忠雄

    国務大臣倉石忠雄君) ただいまの御指摘のことは、農業全般について私どもがたいへん頭を悩ましておる問題でありますが、具体的な御指摘がございました。そこで、三十八年度における制度改正におきまして、組合等実質的手持ち責任拡大することによりまして、農家が負担する掛け金の大部分組合段階に留保されることといたしましたほか、無事戻しの強化をはかったことは、先ほど申し上げたとおりでございますが、この結果、共済金額高額選択掛け金早期納入にも見られるように、農家積極的事業参加によりまして、組合事業運営基盤は著しく強化されたと存じております。  しかしながら、ただいまお話のございましたように、地域において非常にアンバランスになっている。都市近郊地帯それから山間僻地においては、共済目的改廃等によりまして、事業運営基盤脆弱化を生じておりますことも、また否定し得ない事実でございます。このような地帯につきまして、農林省といたしましては、大体次のような方針で対処してまいりたいと思っております。  まず、第一に、大都市近傍地帯におきましては、もはやいかなる意味においても事業実施の意義の乏しい地帯がございます。そういう地帯においては、三十八年度制度改正におきます画一的強制加入方式緩和精神にのっとりまして、農家の総意に基づく限り、一部の事業廃止等措置がとられることを認めてまいる所存でございます。  それから第二は、ただいま申し上げましたような状態にまでは立ち至らないけれども事業運営の困難な組合等につきましては、農協に対しまする事務委託等を活用せしめますほか、一般にこれらの組合が法に定められました市町村区域以下の規模の零細組合である実積にかんがみまして、積極的に市町村区域に一致するように合併を促進してまいりたい、こう思っております。  それからさらにまた、いま申し上げましたいずれの措置によりましてもなお運営の立ち行かない組合につきましては、市町村に対する事業の移譲、あるいは市町村区域を越えたいわゆる広域合併を認めることといたしております。この場合、市町村移譲と広域合併といずれの方途を選ぶかにつきましては、地域ごとの農業事情それから事業運営状況に相当な差異の存在する現状にかんがみまして、それぞれ地域の実情に応じた方法を選ぶように都道府県知事をして指導せしめているわけでございます。  それから以上のような指導方針に基づきまして指導してまいった結果、事業実施主体の現況は、大体次に申し上げるようなことだと思います。組合及び事業実施市町村数は総計約三千六百でございますが、三十三年当時と比較いたしますというと、約千二百減少を見ております。行政上の市町村数三千四百とほぼ一致いたしているわけであります。そこで、また、事業実施市町村は、全体の約三分の一を占めております。これは年々増高傾向にございまして、一般的に共済目的の減少が著しいと見られる大都市及びその近傍都道府県、たとえば、神奈川、東京、和歌山、兵庫、これらの地方において移譲がたいそう進んでいるものと見ております。  ただいまの御指摘の中にございました職員の問題でございますが、私どもは、大事な共済をやっておられる職員待遇改善につきましては、極力待遇改善をはかることによって、優秀な人員をこの事業にとどまってもらえるように今後も努力を続けてまいりたい、こう思っております。
  13. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 非常にあたたかみのある御答弁で、ありがたいと思うのですが、ただ、実態はあまりにかけ離れておるということを私は遺憾に思うのであります。大臣もなかなか守備範囲が広範だから、一々共済職員だけに具体的に頭を突っ込むひまもないと思いますので、この機会に、私は、具体的に資料中心として、大臣がこの実態に対してどう対処されるかということをお伺いしたいわけであります。  私が資料として提出を願いましたものがあるわけです。大臣、これをひとつ見てください。これを見ますと、四十一年度だけについて見ましょう。四十一年度における農業共済組合連合会職員の給与は、最高が五万二百五十二円で、最低が三万二千百二十六円、平均で三万九千五百四十一円になっております。平均年齢は三十九歳であります。せめてまあ県の職員並みにというのがささやかな連合会職員の願望なわけであります。そこで、資料として、地方公務員給与の県職員の場合を政府から提出をお願いしたのでありますが、これを見ますと、平均年齢で三十六歳でありますから、これを三十九歳に直せば、もっと高くなるわけであります。どれだけ三歳の開きが平均給与を修正するかはこの資料ではわかりませんので、三歳の開きがあるということを前提として機械的に見ますと、三万九千五百四十一円に対して四万一千五円というのが県職員の平均給与である、こういう実態であります。しかも、連合会なり組合に従事する職員に対する人件費補助は、これは政府の全額補助なんです。ところが、その予算単価を見ますと、四十一年度の県の農業共済組合連合会職員に対する一人当たりの予算単価は、二万五千三十八円になっております。そうしますと、まあ決算的に見るわけでありますから、そこにも無理は多少あるでありましょう。あるけれども、三万九千五百四十一円に対して全額補助するというたてまえの予算単価は、実績のわずか六三%にすぎない。こういうことで、大臣がいま答弁されたような、国の農政の基幹的な仕事に従事する職員に、安んじてその職責を担当させることができると思いますか。少なくとも、予算単価は、昨年の実績を勘案して、現実に近いものを決定すべきものではないか。従来も、事務当局としては、予算単価は必ずしもこういう現実とかけ離れた低いものを計算はしていないけれども、最後の予算査定でいつも削減のうき目を見ており、これはかかってやはり大臣折衝の段階で決定すべき重要課題の一つであるわけであります。  私は、倉石農政はいろいろな課題をひっさげておられるでしょうが、こういうじみであるがしかしながら全国におけるこれらの事業に従事する職員に、あたたかくその職責を完遂させるためには、勇気をもって現実に即応する予算を確保する決意をもって四十三年度予算は対応すべきものだと思うのでありますが、予算を控えて農林大臣の決意のほどをこの際明らかにしていただきたい。
  14. 倉石忠雄

    国務大臣倉石忠雄君) この資料でもよくわかりますように、私どもも、この点についてはさらに努力をいたさなければならないと思いますし、また、じみな農業の、しかもその中のさらに非常に大事ではあるけれども仕事がきわめてじみである共済というようなものを扱っていただく職員待遇につきましては、この資料にもございますように、逐次努力はいたしておりますけれども、なお予算の編成にあたりましては努力をいたしまして、このようなじみな仕事を誇りと情熱を持ってやっていただけるような待遇にすべく努力を続けてまいりたいと思っております。
  15. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 これは、単に農業共済団体職員の問題だけではないわけであります。他の場合も共通してある問題でありますが、すべて予算単価が現実より低いために、末端でこのしわ寄せをもろにかぶっておるわけであります。その結果どうなるかといえば、みずから生きていくためには、いろいろな副業もしなければならないでしょう。そのために、主客転倒する場合もあり得るでしょう。私は、そのことは、この仕事をまっしぐらに進めていく上において、大きな阻害要件であると思う。その他の付帯事業をやることは、これはまた別個の問題であります。それはそれなりにまた別個な独立した収支計算であるべきであります。これはこれでやはり本来のたてまえで、よそからいろいろな副業収入を仰がずして、十分政府の配慮さえ行き届いていれば、本来の職責が完遂できるという態勢に持っていけるわけでありますから、これは末端における農業共済組合職員についても同じことが言えるわけであります。当然、これは共済団体だけのことではなしに、こういう点から改めて、もっと現実に即した、看板に偽りのないような措置を、特に大蔵大臣に大きくものの言える農林大臣を迎えているのですから、この機会に、単なるこの場の答弁としてではなしに、実効ある成果を期待するわけであります。  こんなことばかり伺っていると、農共基金法の質疑の本論に入れませんから、具体的な問題に入ってまた関連する点を逐一伺うことにいたします。  まず、農業共済組合連合会事業収支のあらましを先に伺いたいのでありますが、いただきました資料等を見ますと、農業共済基金制度が発足をしてから、連合会事業不足金が多い上に、赤字連合会が設立当初は大部分を占めておった。昭和二十七年には、連合会のうち四十二が赤字連合会、二十八年は四十四、二十九年は四十二という状態であったのでありますが、その後一時小康状態を示したあと、三十四、五年ころから事業不足金が再び増加し始めて、他面、赤字連合会の数は順次減少を来たしておる。四十年の統計でみると、赤字連合会が二十六で、黒字連合会が二十となっております。このことは、連合会事業収支なり資金の実情の上に格差を発生していることを示すものであると理解します。  そこで、まず二十七年にこの基金制度がスタートをしてから以降の連合会事業収支なりあるいは財務状況実態なり特徴というものを総括的にその傾向というものを伺いたいのであります。どういう傾向を示してきたのか。特に、特徴的な場合は、県別に、あるいは三つの勘定別に分類してみた場合にどういうふうにいままでの動向を把握しておられるのか。また、この基金制度が発足してからの基金融資の利用関係が、発足以来今日までにどういう利用関係に変化が生じてきているのか。そういう傾向をまず伺った上で今度の法改正内容というものを理解いたしたい、そう思うのであります。
  16. 大和田啓気

    政府委員大和田啓気君) 大数観察として申し上げますと、私ども連合会の赤字につきまして非常に大きな問題として考えましたことは、制度改正にあたりまして一体この連合会不足金がどうなるであろうかということでございました。それは、お配りいたしました資料の三十八年度末の全体としての連合会の赤字が約四十七億ほどになっておるわけでございますが、農業保険の本来のたてまえから申し上げますと、これは、二十年といいますか、相当長期にわたって収支が均衡いたすはずのものでございますけれども、三十八年度で相当多額にのぼりました連合会不足金の中身を分析いたしますと、一つは、昭和二十年代に農業生産がはなはだ不規則に動きました、また、生産力が十分回復しておりませんでした当時の不足金が相当ございましたことと、それから三十八年の制度改正によりまして、連合会共済掛け金の保有の割合が相当減りましたことから、本来長期的には均衡するはずの連合会不足金が、なかなかそうはまいらないではないかという判断から、約二十五億程度のたな上げをいたしたわけでございます。  それを連合会別に申し上げますと、赤字は主として農作物の勘定に集中をいたしております。そうして、農作物の勘定に集中いたしておりますそのおもな赤字の原因は、台風その他の災害がありましたことが一番大きな原因でございます。当時におきましては、連合会の負担すべき責任の割合が相当大きいわけでございましたから、しばしば災害を受けますと、それだけ連合会事業不足金が累積するということでございます。  また、たとえば東北地方を例にとりますと、東北地方におきましては、各県に各勘定をならしましますと、決して事業不足金が四十年度なり四十一年度なりにあるわけではございませんけれども、たまたま青森県のごときをとってみますと、これはほかの県と違いまして、四十一年度におきましては一億七千九百万円程度の事業赤字が見込まれる状態でございます。そうして、たな上げ額が四十年四月一日にやりましたものが一億四千八百万というものでございますが、これは青森県の特殊な事情といたしまして、家畜共済勘定に赤字が大きいわけでございます。四十一年度末の見込みで申し上げましても、全体としての必須共済不足金が一億七千九百万円でございますが、そのうちで家畜共済勘定の不足金が一億七千七百万ということで、その大部分をなしておるものでございますが、これは、青森県におきまして、かつて馬が相当おりまして、そうして伝染性の病気によって被害率が非常に高かったという問題がございます。まあその後馬の頭数が減りましたこともありまして、馬の伝染病による死亡に基づく事業不足金がなかなか解消できないのに対して、その後伸びました乳牛につきましての加入率が青森ではなはだよくないということがからまりまして、青森においてほかの東北地方に見られないような事業不足金があるということでございます。  四十六県の連合会でございますし、事業不足金があるのがそのうちの二十をこえるわけでございますから、一つ一つ詳細に申し述べることもいかがかと思いますが、大体においては、農作物共済事業不足金を生じたが、たまたま青森県のごときは家畜共済事業不足金を生じたという特殊な例でございます。
  17. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 だんだんこまかいのを質問しますが、質問する前にいろいろお教えをいただきたい点も多々あるのですが、私が承ったのは、もう少し総体的に伺った上でこまかく伺うつもりだったのですが、青森県の例が出たりなんかして、その他はまあ農作物共済ということで、大体傾向としてはそれでそういうものかというふうに理解をいたします。  そこで、いよいよこの基金の機能に触れる点を伺うのでありますが、三十八年の制度改正は、連合会の手持ち保険料を減少させて、そうして基金貸し付けの償還財源に大きな影響を来たしておる。他面、このことは、直ちに償還困難を来たしておる。そうして、事業不足金が三十八年度末で四十七億余円が出ておる。この大きさというものは連合会の財務に非常に大きな圧力になってきたということで、二十五億程度のたな上げ措置を四十年四月一日から政府がとらせた。こういう経過があるようでありますが、この制度改正前と改正後において、これを事業別に見た場合に、どういう変化を及ぼしたかということをまずこの際明らかにしていただきたい。
  18. 大和田啓気

    政府委員大和田啓気君) 四十年の四月一日に二十四億六千七百万円をたな上げをいたしまして、連合会が基金から借ります利子は日歩一銭五厘でございますから、その金利負担分は約一億四千万でございます。一億四千万の利子の負担が、農作物勘定、蚕繭共済勘定、家畜共済勘定というものにそれぞれ不足金の額に応じまして配分をされるわけでございます。したがいまして、ほかの事情が全く同じでございましても、たな上げをいたしました連合会について、一億四千万円の財政上あるいは経理上のプラスがあるわけでございます。  それからその次に申し上げますことは、農作物共済勘定で、これも当初差し上げました資料に詳細ございますけれども連合会の保険の責任が、割合にしてほとんど半分くらいに新しい制度のもとで変わりまして、このことは、もしも災害がありましても、それだけ事業の不足を来たす大きさが減るということ、同時にまた、これは、利益がありましても、その利益の幅が前に比べて低いということのうらはらでございますが、そういう変化がございます。  それから家畜共済でございますが、先ほど青森の例で申し上げましたが、どうも乳牛が全体としてそれほど加入率もよくございませんでしたけれども、幸いに昨年法律の改正ができまして、家畜共済につきまして一頭当たりの家畜共済にかえて、五頭、十頭持っている人が全体としての家畜共済を結ぶことができるようになりましたし、また、国庫の掛け金の負担の合理化も行なわれ、さらに、家畜の集団検診といいますか、損害防止事業のために私ども一億八千万円程度の交付金を計上いたすことができましたことによって、四十二年度におきましては、家畜関係が相当——相当と言うとちょっとことばは強いと思いますけれども、よくなる見込みがあるわけでございます。  これはどうもお天気次第の問題でございまして、農作物共済勘定でも、これは実は基金の今後十年間でどういうふうにプラス、マイナスが動くかということに関連いたしますが、私ども、当初、想像といいますか、想定いたしました計算によりますと、昭和二十四年から四十年にかけまして大数観察をいたしますと、連合会不足金が大体年八千二百万円程度増加するという趨勢にあるわけでございます。したがいまして、六億なぜ出資が心要かということに関連して差し上げました書類にもそうなっておるわけでございますが、最近の集計によりますと、これはお手元に最近差し上げましたけれども、ほとんど十億近く事業不足金が減っておるわけでございます。これは、災害がわりあいひどくなかったということで、私どもとしては予想としては若干事業不足金がふえるつもりでおりましたのに、幸いにしてこのたび事業不足金が相当大幅に減ったという事情がございます。  制度的に申し上げますと、農作物共済勘定あるいは家畜共済勘定を通じて、三十八年あるいは四十一年の改正によって、連合会の経理は、悪くなる方向ではなくて、むしろよくなる方向にある、ここ天候の条件が加わりますと、四十一年度のように相当大幅に不足金が減るという可能性も出てきたというように考えるわけであります。
  19. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 それでこの資料を見ますと、たな上げ措置については、各連合会ごとにそれぞれ手持ち保険料の一年分を控除した残額を対象として実施したと、こう当時の団体等の要請資料その他にもあるわけであります。連合会の手持ち保険料の割合は、全体の中で、改正前の四五%から、改正後は半分以下の二〇・五%に減っていますね。こうした状態の中で、四十年度までに連合会事業不足金が消えたのは、全国の中で佐賀県ただ一つである。一方、たな上げをしない部分は、たな上げ当時約二十三億あったものが、四十年度末で約十九億円に減少したと言いますけれども連合会の数で見ますと、かえってこれは二十二連合会から二十五連合会と三つふえており、赤字連合会においても、私が資料としてお願いをいたしました県別を見ましても、香川県なり、京都、大阪、兵庫といったような県は、対応する不足金は逆に増加をしておる。地域的な片寄りというものを、争えない事実としてこの資料の中に読み取らざるを得ないわけであります。  これで、一体、三十八年度末の非たな上げ部分と今後の不足金を減少方向に歩ませ、健全な事業運営が期せられるかどうかについての見通しをこの際明らかにしてほしいのであります。
  20. 大和田啓気

    政府委員大和田啓気君) お手元に差し上げました資料によりましても、まだ見込みでございますが、四十一年度の事業不足金は三十四億四千万円で、それが四十年度末におきましては四十三億三千万円で、大体九億近くの不足金が減っておるわけでございます。それで、四十年度におきましては、不足金のありますものが二十六でございましたが、赤字が減少した連合会の数は二十一、赤字が増加した連合会の数は、いま御指摘のように三、赤字から黒字に転化したものが二つということでございます。四十年度に事業不足金を持っておりました二十六の連合会のうちで、とにかく赤字が黒字に変わったのは二つで、赤字が減少した連合会の数は二十一ということで、赤字が増加したものは三県。この三県は、三県なりにそれぞれ被害の態様によりまして不幸にしてそういう事態が参りましたわけでございます。  しかし、これはまあ共済事業で四十六県地域の差がありますことは、御指摘のとおりでございますが、私ども、赤字を持っております県におきましても、なぜいまのように九億程度の不足金が減少したかということを詰めて考えてみますと、一つは、共済金額が相当上がったということがございます。それからもう一つは、被害率が四十年に比べまして下がったということもございます。それで、香川等々三つの県におきまして不幸にして赤字がふえましたけれども、それは被害の発生の赤字がふえたわけでございますけれども、それは被害の態様としてそういうことにたまたまなったわけで、今後におきましてもそういうふうに赤字が増大する傾向にあるというふうには実は考えておらないわけでございます。
  21. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 まあ全体的な私の予備知識は以上で終わることにしまして、これから少しこまかい点を伺うことにいたします。  まず、この基金制度発足にさかのぼってお尋ねをするのでありますが、当時の記録、あるいは関係者の話等を総合いたしますと、この基金の機能から見て、出資金は三十億で足りるということでスタートしたものでなかったはずですね。幾らでやったわけですか。
  22. 大和田啓気

    政府委員大和田啓気君) 当時この制度を考えましたときには、三十億という数字ではなくて、六十億という数字があったようでございます。これは、二十七年の基金設定当時における料率期間をとりまして、最悪の被害の事態がありました場合に一体幾ら基金が連合会に金を貸す必要があるかということを、アッパーリミットといいますか、最大限を計算いたしますと、大体六十億という数字になったと記憶しております。
  23. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 もとより天候によって資金不足の実態が変わるわけでありますから、結果的にはその設定された係数が適切であったかどうかは、歴史のみがよくこれを正当に判断するわけであります。少なくとも関係者が当時六十億が必要だといったものを三十億でスタートしたことが、私がこの制度の中に生じてきているいろいろな問題点を取り上げざるを得ない要素として出てきておるのではないかというふうに大ざっぱに考えるわけです。資金需要が六十億であれば、もとより共済金額自体も年々上昇をするわけでありますし、そういう最悪な事態まで考慮して万全の措置でこの基金というものはスタートすべきではなかったかというふうに考えるわけです。それでスタートさえすれば、私がこれから取り上げるいろいろな問題も、すべて六十億という基金の中に全体が問題なく内部的に解決されてなお余力があったのではないかというふうに考えるのでありますが、このことがスタートから誤らせた大きな問題であると考えるわけです。これはまあ繰り言になりますから、これ以上過去のことをとやかく言っても始まらぬわけでありますから、設立当初についての六十億というものを取り上げなかったことに対する遺憾の意をこの際表明するにとどめます。  次に、私がお願いをいたしました追加資料の点でありますが、先ほどお願いいたしました修正の数字はどうなっておりますか。
  24. 大和田啓気

    政府委員大和田啓気君) 先ほどもうすでに私ども計算いたしておりますということを申し上げたものから申し上げさせていただきますと、さきに当初お配りいたしました「関係資料」の中で、「別表」として一番最後に「収支不足に損失てん補準備金を充てない場合」というのがございます。これは、私ども、たな上げ分をどうするかということについては、現在まだ何の結論も出しておりませんけれども、一応、試算としては、四十五年以降、たな上げをいたしました連合会剰余金が九千五百万円生ずるという前提のもとに、九千五百万円のうち三分の一に相当する三千二百万円をたな上げ分から落とすという、そういう推定でこの計算をいたして、そうして五十一年度に累計の赤字が九千百万円というふうに出してあるわけでありますが、先ほど御指摘のように、四十五年以降まだ実際きまっておらんわけでございますから、無利息貸付金を減らさないという計算をいたしますと、最後の収支差引のところだけを申し上げさしていただきますと、四十五年が三千五百万、これは赤字でございます。四十六年が四千七百万、四十七年が五千八百万、四十八年が六千九百万、四十九年が八千万、五十年が九千百万、五十一年が一億三百万ということで、無利息のたな上げ分の流動化をいたしません場合には、五十一年の最後が九千百万の赤ではなく、一億三百万円の赤ということになるわけであります。  それから収入としての利息の三分五厘と二分の場合の計算は、いま最後の計算の突き合わせをしておりますが、もうちょっとお待ちをいただきたいと思います。
  25. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 三分五厘と二分の場合は、でき次第教えてくださいね。そのときに……
  26. 大和田啓気

    政府委員大和田啓気君) どうも、検算をする前でございますから、さらに精算をして間違っておりましたら訂正さしていただきますけれども、一応の計算の結果が出てまいりましたので、御報告をいたします。  三・五%の利子といたします場合の赤字は一億五千六百万、それから二分といたしますときの赤字は五十一年度で二億二千八百万、以上はいずれも当初御提出いたしました九千百万円の赤に対応する数字であります。
  27. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 いや、それでけっこうですから、間違っておればあとで直していいわけです。大体を見たかったので伺ったわけです。  それで、そのたな上げ額を四十七億五千万のうち二十四億七千万にした数理的根拠をまず伺っておきます。
  28. 大和田啓気

    政府委員大和田啓気君) ちょっと私うっかりいたしておりましたが、四十年四月一日に無利息たな上げ二十四億六千七百万円とした根拠いかんという御質問でありましたか。
  29. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 そうです。その計算の根拠です。
  30. 大和田啓気

    政府委員大和田啓気君) これは、こういうことでございます。まず連合会の累積事業不足金が三十八年度末に全体で四十七億五千万円ございましたが、そのうちで各連合会の必須事業すなわち農作物共済と蚕繭共済と家畜共済におきます勘定別不足金が当然出ておるわけでございますから、その分から一年分の手持ちの保険料として計算された額を差し引いて得た額というのがたな上げ額でございます。この思想は、一年分の手持ち保険料に見合うところの赤字は、私どものこれは経験則でございますけれども、五年間程度で事業不足金が消えることが努力によってできるのではないかという想定に立っておるわけでございます。  ただ、こまかく申し上げますと、いま申し上げましたそれぞれの勘定分の赤字から一年分の手持ち保険料として計算された額を差し引いた額がたな上げ額でございますけれども事業不足金が五千万円以上の連合会で、しかもたな上げ額の不足金に対する割合が三〇%未満の連合会、これはいろいろ連合会としてのものの考え方もあるのでございますから、こういう連合会につきましては、三〇%に相当する額を基準として定めたわけでございます。これは一年分の手持ち保険料を引っぱるということの一つの例外でございます。
  31. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 これは多少意見を含めてのお尋ねでありますが、私は、結果的に見て、そういう一年分の保険料を控除した——団体側との話し合いもついた上でのことでしょうけれども、しかし、これをより大所高所から見ますならば、出資を六十億にすべきであったというたてまえからいたしましても、たな上げ額は四十七億五千万をすべきではないかという意見で伺うのですが、連合会事業不足金が異常に累増したということは一体何に基因するかということを突き詰めて言うならば、結果的に見てこれは政府の保険設計が甘かったからにほかならないと思うのです。しかも、その生じた不足金の利子というものは、料率改訂時においてどう一体算入されているのか。算入されていない。論理上からいっても、利子相当分は一億四千万ですか、これは国が負担すべきものじゃないか。その上、この提出された政府資料を見ても明らかなように、連合会の自己責任部分は、三十八年の大幅改正によって、ほぼ半減しておる。赤字を消していくということは容易ではない。そういう点から見たならば、これは二十四億六千七百万ではなくて、四十七億五千万まるまる一応たな上げをし、まあ六十億が政府出資であれば、逐次償還をするというたてまえでたな上げをする、逐次また償還をするということに行くべきだと思うが、これが結果的には一年分の保険料を控除して出した限りにおいては、相当長期にわたってたな上げをすべき責任は政府にあるというふうに私は思うのです。一体、いま私が申し上げたことについて、政府はどう考えておるのか。たな上げは、一体、いつまでやるのか。政府が出した資料によれば、四十五年ごろからなしくずしに償還を期待しているようだが、そういうものなのか、そこら辺をもっと明らかにしてほしいのです。
  32. 大和田啓気

    政府委員大和田啓気君) 先ほども申しましたように、私どもの基金の経理の試算では、一応四十五年から赤字連合会剰余金として出されるものの約三分の一を流動化するようにいたしておりますけれども、先ほど申し上げましたように、二十四億六千七百万円という事業不足金のたな上げは、いろいろの経過から出ましたことでございますから、四十五年から流動化するのだというふうに私ども決して申し上げるわけではございません。これはもう少し様子を見て、連合会の経理がうまくいかなければそういうこともできないことでございますし、流動化するといたしましても、五年先がいいのか、十年先がいいのか、二十年先がいいのか、異論のあるところでございますから、いまはしばらくこの問題には触れないというふうにいたしておるわけでございます。  それからちょっとおことばを返すようで恐縮でございますが、なぜ二十七年に六十億やらなかったかということで、六十億が三十億になりましたことにつきましては、これは当然大蔵省との話合いもございますから、三十億に比べてもっと余裕を持っておいたほうがよかったというふうにおっしゃることは、私そのとおりだと思いますけれども、当時の事業不足金は、実は二十七億ないし二十八億であったわけです。したがいまして、六十億基金が積むと、これは当然政府だけが積むというものではございませんから、政府が三十億、連合会が三十億ということになります。当時、連合会から十五億出資をしてもらうためにずいぶん苦心をいたしまして、二十七年から七年がかりでやってしかも、最後の年にはもう連合会が持ち切れなくなって積立金をくずして出資に充てるということもございましたときですから、三十億でなくて六十億ということは、当時の連合会の実力、あるいは組合の実力からは、私はなかなかむずかしかったというふうに思います。したがって、私はここで当時六十億でなくて三十億で絶対よかったのだといってがんばる必要もないわけでございますけれども、とにかく二十七年以来十五年間、これでまあまあもってきたわけで、三十億にしたことがそれほど失敗だった、当時の人たちが目測を誤ったというふうには考えておらないわけであります。  それからたな上げも、二十四億六千七百万円では少なくて、もっと四十数億やるべきだという御意見もございますが、実は、内輪の話を申し上げて恐縮ですけれども連合会の会長の中には、たな上げをしてくれということを言いながら、二十四億六千七百万円たな上げができたときに、よくこれができたというふうに非常に安心したり喜んだりした人が相当多くて、事業不足金の四十数億を全部たな上げできればそれにこしたことはないでしょうけれども、これはなかなかむずかしい。先ほど、計算の根拠として、一応一年の手持ち保険料を除いたものというふうに言いましたけれども、同時に、基金がそれをたな上げして苦しくとも何とかやっていけるという限度がこの数字という表裏の関係もあるわけであります。
  33. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 六十億の話が出ましたから、私も昔のことをいま言ってもしようがないから言いたくもなかったのですが、その五〇・五〇ということに私は問題があると思うんですよ。政府が半分、民間が半分。たとえば、掛け金の割合を見ても、稲作について四十年の実績を見れば、国庫負担が全体の約六四%、農家の負担がその差額、少なくともそれぐらいは政府が当然比重を重くして持つべきものじゃないか。あくまで対等に持たせたところに問題があったのじゃないかというふうに思うんですよ。これは政府事業ですよ。だから、少なくとも六十億であるならば、六十億の七割の部分政府が持つ、民間にはもっと長期で分割して持たせる、そういうもっと親心があれば、あるいは事態はもっと前進したかもしれない。  それからこの当時は、一体、資金不足が、基金以外に農林中央金庫等からの借り入れを予定して三十億がスタートしたのですか、どうですか。
  34. 大和田啓気

    政府委員大和田啓気君) 正直申し上げて、当時の事情を私十分承知いたしておりませんけれども、当然、事業不足金が増大をする傾向があったわけでございますから、資金不足の分は中金から融資を仰ぐということだったろうと思います。
  35. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 まあそれはそれでそういうものかというふうに私も理解をします。その四十七億は、私がいま言うても、すでに二十四億でやっておるんですから、これを大いに団体から感謝をされているのに、団体が頼みもしないことを私が言うても、あるいは全く妙な問題の提起だと思うかもしれないが、私は、団体が言うているから言うとか、団体が言わぬから言わぬとか、そんなけちな立場で問題を提起しているんじゃない。団体が希望しようがすまいが、あくまでもここは少なくともより客観的な立場でものを審議をする場だと思うから言うているので、そういう点からいったならば、これはやはり蓄積されたそれらの四十数億というものが無利息になってしかるべきで、であれば、いつこれを黒字に転向し、連合会になしくずしに別途勘定に凍結をしておったものを返させるかということはいま明らかにできないという次元の高い表現の答弁を受けないで、もっとこれはそれなりに返せるものは返させたらいい。返せないものはずっとたな上げをさせる。ケース・バイ・ケースでもっと割り切っていいんじゃないかというような気がするんで、まあ意見を申し上げながらお尋ねをしておるわけであります。  それで、私は、さきにいただいた資料ときょういただいた資料で奇異に感じましたのは、無利息の欄がいつとはなしに二十四億が二十二億になっておる。十年後に二億二千四百万償還することになっておる。だから、この表を質問するということは、政府がその態度を明らかにするとしないとにかかわらず、何とはなしにこういうことをもう確認したようなことになってはたいへんだと思うので、二十四億六千七百万を四十二年から今後十年に置きかえた場合の試算を要求したのも、あえてそういう考え方に基づいてまあ資料の提出を求めたつもりであります。そういう点からこの表を見直しますと、五十一年度では九百万という差引不足額というものは消えない。一億をこえるということがこれだけでも明らかになっておる。一億差引不足額が十年後においても消えないということは、今度の少なくとも自己資本の増資の六億というものが、この表をすんなり見る限りにおいては、やはり実態からいえば少な過ぎる、六億では低過ぎるということになるんじゃないか。これはまあ計算した政府委員じゃなくて、農林政務次官から率直な見解を聞きたいんです。あなたも農業共済の県の会長をしておるはずだ。こういう無利息というものは、今後期限も明らかにされないほど政治的なやっぱり要素を持っておる。当分たな上げをすべきものだ、私から言えば。それは十年後であるか二十年後であるかというかなり含みのある答弁もいま局長からありましたね。  そこで、そういうかなりニュアンスのある問題なんだから、それを途中から計数的にその数字を減らして首尾を合わせるというこの表は、私は納得しません。あくまでもすんなりと無利息二十四億六千七百万は十年間そのままの表にしてみた場合には、これだけでも収支差引が、九百万ではなくて、一億三百万の赤字になるのだから、したがって、これから見ても、今回の政府三億・民間三億は低きに失する。しかし、今後十年の将来ですから、天候が幸いにして毎日好天続きで災害がなければ、こんなことはもうけし飛んでしまう。しかし、そういうことを考えないで、従来の不足金の実績の中からCというものを出しておるわけですから、一〇二という指数を掛けて年間の積算を出しておるのだから、そういう従来の実績の上に立って作為なしに計算をしたこれらの資金の内容から見たならば、一億じゃ足りない。足りなければ、それを補う自己資本が不足である、こういうことにならぬでしょうかね。政務次官、どうでしょう。
  36. 久保勘一

    政府委員(久保勘一君) お答えいたします。  先ほど局長よりも意見を申し上げておりますように、たな上げいたしております二十四億六千七百万につきましては、現在の段階におきましては、御説明申し上げましたように、特別勘定に凍結をいたしておりますので、これをどの時点で償還をさせるというふうなことについては、全く現在のところ政府としては考えておりません。また、たな上げを受けておりまするそれぞれの連合会におきましても、そのような理解をいたしておると私どもは考えておるわけでございます。したがいまして、先ほど試算的に計算をいたしました数字については、単にこういうことをすればこうなるという試算をいたしたにすぎないと御理解いただきたいと思うわけでございます。
  37. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 それはわかりました。単に試算をいじくってみたと。結果が九百万の赤字だというのじゃなくて、この試算は取り消して、凍結なんだから、凍結の数字をすなおに出して計算すればですよ。二十四億六千七百万は凍結ですから、政務次官がおっしゃったように。関係者もそうすなおに理解しているのだから、それを突如として四十五年から剰余金の三分の一をどうのこうのなんということでこうやりくりをしないで、凍結したままの表としてこれを受け取る。これは修正をしてもらう。そうするとですよ、差し引き十年後には一億三百万の赤字になるので、これでは自己資金が不足なんですよ。この自己資金のAというものを充当しなければこれが解消できない。それでは今度の政府が出した三億、民間に要請する三億は不足ではないか。しかし、私は、ここで三億をさらに修正をして四億五千万にしなさいの何のということを言うつもりじゃない。三億は三億で発足をしなさいよ。いま私がここで何やかんや言うたって、もうそういう段階じゃないから。ただ、近い将来にこの不足を、法律改正もあるのだから、農林大臣が承認をして、不足と思われる額をさらに追加をする、来年なり再来年に。そういう措置をとれるように前向きの答弁を大所高所から政務次官はなされるであろうと期待してお尋ねしている。
  38. 久保勘一

    政府委員(久保勘一君) 先ほどお答えをいたしました趣旨のとおりでございますが、もう一度繰り返します。試算をいたしましてお示ししました数字をたいへん問題になさっておられるようでありますが、先ほど申し上げましたように、その数字は単に試算をいたしてみたにすぎませんので、意味はございませんということを重ねて申し上げておきます。  なお、今後の資金につきましては、現在のところ、御提案申し上げております六億で収支は健全に償っていくものと考えておりますけれども、将来運営をいたしました暁に、いろいろな事情によりましてなおかつこれで足りないという時点におきましては、さらにその時点で検討いたさなければならぬと考えるわけであります。
  39. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 まあせいぜいそういう程度しか答弁いただけないものでしょうな。  それで、私、なお試算でお願いした点を意見を含めてお尋ねをするのでありますが、貸付金利についてであります。これは、業務方法書で日歩一銭八厘以内となっておったのを一銭五厘に下げた、これはそれなりにまあ前向きな措置をとられたと思います。私は、どうもこの不足金というのは、やっぱり政府の保険料率設定後に必要悪から生じたやむを得ざる貸し付け制度だと思います。いまの料率運営からいって、連合会で生ずる当然の不足金に対するやむを得ざる機能発揮のための必要悪としての貸し付けによるものです。であるとすれば、これはむしろ金融という角度で見るべきものじゃない。これは私の意見です。金融じゃない、政策として大所高所から融資すべきものであるという見解を私は堅持するわけです。これも、団体がこういう点を政府に対して要請しているかどうか、私は知りませんよ、聞いたこともないし。しかし、これは、要請があろうがなかろうが、そういう観点からいえば、少なくともこれを取り扱う事務費、実費を徴収するにとどめるべきである。事務費、実費というのは、私の経験からいえば、年利率二分であります。少なくとも扱いの事務実費を徴収してこの不足額に対する機能を果たすべきである。したがって、年利率五分五厘程度は、これはまだそういう目的からいえば高過ぎる、こういう見解を持つのですが、これは賢明な局長はどうお考えになるか。
  40. 大和田啓気

    政府委員大和田啓気君) 私も、連合会が基金から借りる金は、ある意味では安いほうがいいとは思いますけれども、一銭五厘の金利というのは、いまの金利体系で決して高い金利ではございません。しかも、中金から足りない分は二銭二厘で借りておるものを一銭五厘で回すわけでございますから、私は一銭五厘というのはそんな無理な金利ではないと思います。しかも、この基金の収入は、もし余剰があれば積み立て金のほうに回して、全体として農業共済事業強化に役立つわけでございまして、まず、いまのところ、金利体系がよほど変われば別でございますけれども、一銭五厘というのはまあいいところではないかというふうに思っております。
  41. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 局長、ことばを返すようですけれども、私は金利体系の上から言うているのじゃないんです。政策として言うている。それじゃ、ことばを返して言いますが、金利体系から見ましたならば、制度金融の最低の三分五厘をなぜとらぬのですか、最低の。
  42. 大和田啓気

    政府委員大和田啓気君) 基金は、政府連合会——といいましても、もとをさかのぼれば農家ということになるわけですが、そこで共同の出資をしておるものでございます。それで、自己資金で相当泳いで、自己資金が足らない分を中金から借りて、二銭二厘で借りて、そうして貸すということでございますから、制度金融三分五厘で貸して、まあこれは将来の問題として自己資金の額がふえたり、あるいは出資金がふえたり、積立金がふえたりして、基金の経理状況がよくなった場合は、これは必ずしも一銭五厘にこだわるわけではございません。けれども、いまの基金の状態、あるいは出資の事情からいえば、五分五厘、日歩一銭五厘、年利五分五厘を三分五厘に下げることはむずかしいのではないかというふうに思います。
  43. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 これは、これ以上お尋ねをしても、平行線をたどるだけだと思いますから、これ以上は申し上げませんが、これも一つの意見として出たということだけはひとつはっきりと受けとめておいてほしいと思うのであります。  繰り返しますが、これらは制度の中から生まれてきたやむを得ざる措置であって、何としても避けることのできない不足金の融資でありますから、一般の常識的な金融というようなもので措置すべきものではない。もっと高度に政策的な点からその不足を補うために政府としてはより低利の融資ができるような措置を講じて、それによって生ずる全体の資金のバランスがとれない財源の不足は増資にまつ。今後増資にまつという場合は、先ほど申しましたような、あるいは無利息の今後の長期据え置きと、あるいは今後不幸にして異常災害等がかなり累年起こったような場合にも備えて、赤字が累増して自己資本の蓄積がむしろ切りくずしにあうというような場合に増資が必要という場合は、従来の民間の十八億を頭打ちにして、全体として少なくともいま水稲共済掛け金の負担で国庫負担と農家負担の割合程度に政府増資に仰いで、全体の自己資金増資するという比率を今後の増資の場合には考えてほしいと、これは意見として申し上げますから、そういう意見があったと、今後そういう必要な場合にはその意見をひとつ十分勘案していただきたいと思う。  それからもう一つ、私は全体の積算基礎で伺いたいのは、いずれ十年後のことでありますから、もちろんこの積算基礎にはなかなか計算しにくいことだとは思いますけれども、新規共済というものが、たとえば果樹共済でも試験的にも実施すると、こういうものについてのやはり積算の要素というものも出てくるでしょうし、試験の五ヵ年の経過を経れば、全体的な一つ実施段階にも入るでしょう。また、過般の農林大臣の私の質問に対する答弁にもありましたように、葉タバコの問題、あるいは養豚、養鶏の家畜共済の範囲拡大の問題等々を勘案いたしますと、この六億の増資では、不足こそすれ、これで今後十年十分だということはとうてい考えられないのではないか。こういう点は一体いかように政府ではお考えになっておるか。新規共済を踏まえて今回の三億政府出資は、それらを対象にしてもなお十分だとすれば、これは新規共済に対する考え方が私は非常に形式的であるというふうに受け取らざるを得ないのでありますが、その点を納得のできるようにひとつ具体的に御答弁を願います。
  44. 大和田啓気

    政府委員大和田啓気君) 新規共済の問題は、ただいま大臣からお話がありましたように、果樹共済が相当大規模に試験実施をやりますことを四十三年から踏み切るわけでございますが、果樹共済あるいは今後予想されます肉豚共済等々につきましては、実は、お示しいたしました資金繰りの表の中にも入っておりません。これは正直に申し上げてまだいわば未確定のことでございますから、入っておりません。しかし、先ほども政務次官が言われましたように、私ども、この六億の増資でしばらく泳げるというふうに思いますけれども農作物共済あるいは家畜共済等の事業不足金なり剰余金なりの動き、それから今後行なう新規共済の必要等々から、資金がほんとうに不足になりますれば、そのときは再び増資ということも当然考えるべきだというふうに思っております。
  45. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 次に、これはもとより不足金の生ずる連合会の場合が対象運営されておるわけでありますが、組合の場合は不足金というものは出てこない、たてまえは。従来から、組合等は、自己責任部分支払いについては、財源に不足を生ずる場合は削減をするという措置をとることになっておる。しかし、三十八年の制度改正組合が保有する自己責任部分が大幅に増加をしたわけで、たとえば、水稲について見ますと、全国平均で従来一〇%であったものが、三十八年の改正でこれが三七・四%になっておりますね。したがって、異常災害が発生した場合に組合の削減額は従来より増加することになるわけで、衆議院の会議録を見ますと、平均的に見て組合等の削減額の最高は一組合当たり四十万円と局長答弁をしておる。しかし、論理上、基金から組合に融資する道を開くことがこれらの経過からいって必要だと思われる。現に、そういう要望もあるやに聞くのでありますが、一体この点について政府はどういう考え方を持っておられるのか、この機会に……。
  46. 大和田啓気

    政府委員大和田啓気君) 御指摘のように、共済組合の責任が三十八年度の制度改正によってふえまして、したがって、掛け金の保有額も多くなったわけでありますが、これはただ責任がふえたということだけではございませんで、実は保険数理上の問題として責任の持ち方が変わったわけでございます。それ以前は、異常部を含めて一〇%組合が持っておりましたが、今度は異常分というのは政府の再保険に相当行きまして、組合の手持ち掛け金としては通常の被害のところだけを持つということになったわけでございます。したがいまして、三十八年の制度改正前は削減ということが通常のことでございまして、大きな災害があれば必ずと言っていいくらい削減せざるを得なかった。ところが、いま申し上げましたように、手持ちの掛け金がふえたばかりでなしに、最悪の場合でありましても、組合が持ち切れないで削減するというその削減の額の幅が非常に狭くなったわけでございます。そのことが、急いで御提出いたしました「水稲共済金削減払の実施状況」というところにも詳しく出ておるわけでございますが、組合の数に対して三十九年が六・八%、四十年が一〇・八%でございます。削減払実施組合等共済金に対する削減額の割合は、三十九年が二・四%、四十年が二・二%でございます。したがいまして、四十年で申し上げますと、共済金組合が払います場合に、払うべき共済金のわずか——と言うと多少語弊がございますけれども、二・二%の削減だけで、あとはちゃんと払っておるという状態でございます。その額は、平均で申し上げますと、削減を実施いたしました組合当たり削減額は四十年で二十七万円、これらの削減額の総体は、全体の共済金に対しまして、三十九年が〇・二%、千分の二でございます。四十年が〇・五%、千分の五ということでございます。  私は、この間も申し上げたのですけれども、削減というと、いかにも聞こえが悪くて、私どもできれば削減をしなくて済むように、連合会と同じように足らないところがあれば基金が融資をするということが筋としてはいいというふうに思っております。しかし、ここにございますように、削減は筋としてはいいことではないけれども、三十八年度の制度改正によりまして、削減といっても、決して農家の経営を脅かすような大きいものではございません、ごくわずかな削減でございますから。そしてまた、組合が積立金をやっておりますれば、そこの積立金を取りくずして削減をしないで済むということもございますから、私は、いまのところは、連合会と違って、組合に基金から融資をして削減をなくすということまではいかなくていいのではないか。これはもう少し私は様子を見たい。様子を見たいといいますことは、基金としてもっと出資額がふえたりあるいは積立金がふえたりいたしませんと、組合の数はとにかく多いわけでございますから、なかなか貸付金に回す金が出ないということもございますけれども、また、その出資の場合には、先ほど先生がお触れになりましたが、これは国と連合会がどういうふうに持つかということはこれは大問題でございますが、組合に金を貸すということになりますと、組合からも出資をするということにもなりますし、そういうことで、削減ということは、いわば抽象的に申しますとたいへん悪いといいますか、おもしろくないことのようであり、それはできるならば直したいところでございますけれども、実際問題として削減の意味はそれほど大きなものではない、しばらく様子を見たいというふうに考えております。
  47. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 政府から出してもらった「削減払の実施状況」では、現段階でまとめた表ですから、組合ごとの削減の実態というものはわからぬわけです。たとえば、新潟県の欄を見ますと、支払い共済金九千五百万円に対して、削減が八百万円で、八%になっていますね。だから、これで見ても、組合の中にはかなりの率になるものがあるんじゃないかと思うんですが、その実態はどうなんですか、これだけではわからぬが、新潟の例からいいましても八%程度の削減率というものが出ておる。全体では、備考欄にあるように実態もつぶさにわかっておるが。
  48. 大和田啓気

    政府委員大和田啓気君) 新潟の具体的な例について申し上げますと、削減の組合が十二でございます。それから共済金支払いました農家の数は一万四千五百四十五戸でございます。削減額が、八百万円、正確には八百二十三万円でございます。八百二十三万円で一万四千戸でございますから、一戸当たりの平均の削減額というのは五百七十円というのが実態でございます。
  49. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 それでは、角度を変えまして、共済金早期支払いということを去年の農水の附帯決議でもくどく決議をしているのです。早期支払いについて若干お尋ねをしますが、災害農家にとっては、これはきわめて重要なことでありますが、最近の早期支払いの実績は一体どうなっておりますか。
  50. 大和田啓気

    政府委員大和田啓気君) 早期支払いで一番問題になりましたのは、早場米地帯水稲掛け金でございます。これは一つの例を申し上げますと、四十一年産水稲北海道に対してだけ共済金が約百億行っておりますが、それが早く来るか来ないかについては、農家が年をうまく越せるかどうかということに関係するわけで、非常に深刻かつ真剣な問題であったわけですが、先ほど大臣から申し上げましたように、四十一年度では私のほうも仕事を迅速にやりましたし、何といいましても、県連と組合がその気になって損害の評価等の実務をやっていきませんと、なかなかうまくいかぬわけですけれども、結果といたしまして、北海道、それから東北、北陸、さらに長野県でございましたが、水稲につきましては、昨年の十二月の二十七日ないし八日くらいまでに農家共済金を受け取ったというふうになっておるわけでございます。  おそ場地帯につきましても、この二、三年よほど早くなりまして、どんなにおそいところでも二月あるいは三月には金が行く。年度を越して金が渡るというようなことは、水稲についてはなくなっております。
  51. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 すると、いま局長も言いましたように、早期支払いというのは、災害農家としては切実な問題なわけですが、これをやるには、何としても、損害評価なり事務の能率化、運営の効率化、あるいは制度整備拡充等が伴う必要が前提として確立されなければならぬと思うのですが、共済事業運営実態やその他からいって、十分政府はその行政上の指導監督が徹底しているかどうかということに多少疑念なきを得ないケースが多少散見されるわけでありますが、その点はどうなんです。
  52. 大和田啓気

    政府委員大和田啓気君) 私どもの相手が四十六連合会で、組合の数にして市町村と合わせて三千をこえますから、国が全部が全部責任を持ってというふうには申し上げるわけにはいきませんけれども、三十八年以前に共済があまり評判がよくなくて、各地で共済組合解散運動がありましたときに、運動の一番大きな項目の一つとして、共済金がとにかく少ない、共済金がなかなか来ない、非常におそくしか来ないということが大きなスローガンの一つでございましたので、私どもも、また連合会組合の担当者も、相当身にしみておる問題でございます。したがって、なお水稲あるいは麦等についての支払いを急がせることについては私どもこれからも努力いたしますけれども、大体相当身にしみて県なりあるいは村なりの運動として浸透をしておるというふうに考えております。
  53. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 災害発生の地域によっては、組合なりあるいは連合会の段階で支払い財源の準備にことを欠く場合には、基金の連合会不足金に対する早期の貸し付けを適切にやらなきゃならぬとともに、再保険金の支払い促進をやっていかなければならぬということで、まあ資料等も出してもらったのですが、これの再保険金の支払い促進その他の実態は一体どうなんですか、その措置をとった内容は。
  54. 大和田啓気

    政府委員大和田啓気君) 国の再保険金の支払いにつきましては、組合連合会から損害の評価が参りまして、それと同時に、統計調査部から統計調査部としての被害調査が参りまして、それを突き合わせて、保険としてこれがのめるかどうかということをきめるわけでございますが、私ども農林省あるいは経済局保険関係の部局だけで実はやり切れない問題があるわけでございますけれども、再保険金の支払いにつきましては、そういった統計調査部にもずいぶん急がせておりますし、県あるいは組合の段階で損害評価も最近は相当早くなっておりますし、そういうものができますれば、私ども、一日も早く再保険金を出すことには、事務手続としても努力いたしておりますから、再保険金の支払いが行って、それからそれをまとめて連合会共済保険金を払い、それに組合の保有している掛け金をプラスして共済金支払いをするというのが一番典型的な姿でありますから、少なくとももとにおいて事務が渋滞しないように私どもずいぶん努力しておるつもりでございます。
  55. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 それで、大きい災害が発生した場合、国が予算補正をしないという間に基金で出すという場合に、一体どういう措置を国がやるのですか。国が再保険の金はまだ出せない、しかし一刻も早く基金で手当せにゃならぬ、そういう場合に、政府はどういうことをやっているのですか、資料もありますけれども
  56. 大和田啓気

    政府委員大和田啓気君) 私ども、昨年も補正予算でたしか六十五億ぐらい再保険金の不足額を一般会計から埋めたわけでございますけれども、普通の場合は、国の歳出金の手当ができないために金が払えないというのじゃなくて、損害評価が進まないために金が払えないという場合が多いわけでございます。しかし、いままでの経験を申し上げますと、補正予算が間に合わないで、払うべきときに再保険金が払えないということで、中金につなぎ融資をしてもらって、連合会支払います一銭五厘の利子については国が利子補給するという例が、たまたま最近におきましても二、三回ございました。
  57. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 局長、その場合に、政府が出せない、中金につなぎを出させる、そうして連合会からは一銭五厘で出させる、政府は一銭五厘を補てんする。おかしいじゃないですか。少なくとも政府の利子負担は、中金から借りるであろう二銭二厘を出さなきゃいかんじゃないですか。
  58. 大和田啓気

    政府委員大和田啓気君) これは基金のサービスだと言うと、あるいは基金におこられるかもわかりませんけれども、しかし、私どもが考えますのは、基金ではなくて、むしろ連合会が現実に支払う金利を国がめんどう見るというのが筋であろうと思います。したがって、連合会が基金に対して一銭五厘支払い、その一銭五厘を政府が全部みるわけでございますから、政府としてはそれでいいのではないか。ただ、基金は、二銭二厘で借りて一銭五厘で貸すわけですから、七厘泣くわけですが、基金の性格から言って、泣いてもらってしかるべきであるというふうに思います。
  59. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 それは小さいことのようだが、大きいと思うんですよ。それは、大和田さん、お役人の考えですよ。連合会に貸す金利を政府が見ればいい、あとは連合会の内部でつなぎ資金を一銭五厘で借りれば、パーだから損害はないだろう、二銭二厘で借りれば七厘は泣けと、こういうものではいかぬですよ。金庫が、政府が出すべき補正予算が出ない間に、基金に立てかえて出すのでしょう、政府のかわりに。そういう場合には、いささかも基金にそういう負担迷惑をかくべきものではないですよ。金額は大したことではないでしょう。私の言うことは、日歩七厘の差額が、一億であったら幾らになるか。金額にしてまあ大した額ではないだろうと。しかし、そういうものではないですよ。少なくともつなぎを金庫から借りて、そうして基金の定める日歩で貸さなければいかぬのですから、その差額というものまで含めて、逆に言えば補正予算がおくれたおわび料までくっつけて出せというんです。極端に言えば二銭五厘くらいまで出せ、そこまでは言わぬけれども、少なくとも二銭二厘でつなぎを借りて一銭五厘で出させることを、やはり政府は全体を見て、政府が本来特別会計として見るべきものを見ない間に政府にかわって出すものを、いささかの損失も与えないで出すということが、これが親心というか、特別会計の本来のあり方です。いままでのことはしようがないとして、これからはひとつもう少し血の通った措置をとっていただきたい。これは、次官、どうですか、無理でしょうか。私は常識的にものを言っているわけです。
  60. 久保勘一

    政府委員(久保勘一君) 私、ただいまこの席で承りますので、そのことにつきましての判断が明確に立ちませんので、御意見のほどは十分に検討させていただきます。
  61. 渡辺勘吉

    渡辺勘吉君 ひとつ、検討とともに、善処の方向で検討していただきたい。それ以上、きょうは無理でしょうね。  それで、こういうことでいったら、いつまでたってもらちがあかないから、少し私も締めくくりをしますが、大臣衆議院のほうへ行かれたから、かわって政務次官にお尋ねをしますが、大臣に伺ったと同じことになりますけれども共済組合職員の補助ですね、これがやはり問題なんですね。予算単価が低い。幸い、四十二年は、予算単価はかなり引き上げられたんですね。四十一年までは非常に低過ぎたのが、連合会職員に対しては、四十二年はかなり農林省当局の努力によって引き上げられた。これは私は認めるにやぶさかではありません。しかし、これでもまだ全体の実行額の割合から見れば七割にもならない。これは、今度は、あまりシーズンになって団体等がやっさもっさ陳情しなくてもいいように、ここにやはり予算のめどを置いて、この問題については前向きに次官も善処をする、事務当局の原案も、そういうように実際の連合会の個々の職員実態に応ずる予算を出し、省議で決定する、そしてそれをいよいよ大蔵と折衝するときにはびた一文譲歩しないという決意のほどを政務次官から伺って、私の質問を終わります。
  62. 久保勘一

    政府委員(久保勘一君) 先ほど来、共済事業に携わりまする職員待遇改善について、たいへん御熱意のある御意見を承わりまして、感謝をいたします。農林省としましては、特に農業共済組合職員待遇が、従来他の類似の団体その他の職員比較しましても必ずしも優遇されておりませんような実情にかんがみまして、この改善については非常に努力をいたしておりますことは、御了承のとおりでございます。昨年もそれぞれベースアップしましたし、期末手当等につきましても措置をいたしました。しかし、御指摘のように、現在のベースをもってしましても決して十分な待遇ではないことを十分に認めます。したがいまして、来年の予算折衝におきましては、お説のような点を十分考慮に入れまして、待遇改善が前進をいたしますように誠意をもって努力いたしますことを申し上げます。
  63. 野知浩之

    委員長野知浩之君) 本案につきましては本日はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後三時三十六分散会      —————・—————