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政府委員(
大和田啓気君) 御
指摘のように、
共済組合の責任が三十八年度の
制度改正によってふえまして、したがって、
掛け金の保有額も多くなったわけでありますが、これはただ責任がふえたということだけではございませんで、実は
保険数理上の問題として責任の持ち方が変わったわけでございます。それ以前は、異常部を含めて一〇%
組合が持っておりましたが、今度は異常分というのは
政府の再保険に相当行きまして、
組合の手持ち
掛け金としては通常の
被害のところだけを持つということになったわけでございます。したがいまして、三十八年の
制度改正前は削減ということが通常のことでございまして、大きな
災害があれば必ずと言っていいくらい削減せざるを得なかった。ところが、いま申し上げましたように、手持ちの
掛け金がふえたばかりでなしに、最悪の場合でありましても、
組合が持ち切れないで削減するというその削減の額の幅が非常に狭くなったわけでございます。そのことが、急いで御提出いたしました「
水稲共済金削減払の
実施状況」というところにも詳しく出ておるわけでございますが、
組合の数に対して三十九年が六・八%、四十年が一〇・八%でございます。削減払
実施組合等の
共済金に対する削減額の割合は、三十九年が二・四%、四十年が二・二%でございます。したがいまして、四十年で申し上げますと、
共済金を
組合が払います場合に、払うべき
共済金のわずか
——と言うと多少語弊がございますけれ
ども、二・二%の削減だけで、あとはちゃんと払っておるという
状態でございます。その額は、平均で申し上げますと、削減を
実施いたしました
組合当たり削減額は四十年で二十七万円、これらの削減額の総体は、全体の
共済金に対しまして、三十九年が〇・二%、千分の二でございます。四十年が〇・五%、千分の五ということでございます。
私は、この間も申し上げたのですけれ
ども、削減というと、いかにも聞こえが悪くて、私
どもできれば削減をしなくて済むように、
連合会と同じように足らないところがあれば基金が融資をするということが筋としてはいいというふうに思っております。しかし、ここにございますように、削減は筋としてはいいことではないけれ
ども、三十八年度の
制度改正によりまして、削減といっても、決して
農家の経営を脅かすような大きいものではございません、ごくわずかな削減でございますから。そしてまた、
組合が積立金をやっておりますれば、そこの積立金を取りくずして削減をしないで済むということもございますから、私は、いまのところは、
連合会と違って、
組合に基金から融資をして削減をなくすということまではいかなくていいのではないか。これはもう少し私は様子を見たい。様子を見たいといいますことは、基金としてもっと
出資額がふえたりあるいは積立金がふえたりいたしませんと、
組合の数はとにかく多いわけでございますから、なかなか
貸付金に回す金が出ないということもございますけれ
ども、また、その出資の場合には、先ほど先生がお触れになりましたが、これは国と
連合会がどういうふうに持つかということはこれは大問題でございますが、
組合に金を貸すということになりますと、
組合からも出資をするということにもなりますし、そういうことで、削減ということは、いわば抽象的に申しますとたいへん悪いといいますか、おもしろくないことのようであり、それはできるならば直したいところでございますけれ
ども、実際問題として削減の
意味はそれほど大きなものではない、しばらく様子を見たいというふうに考えております。