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政府委員(
若林正武君)
森林病害虫等に対します天敵について申し上げますると、まず
マツクイムシの天敵でございまするが、種類といたしましては、アリモドキ、オオコクヌスト以下六種類ほどございます。ただ、まだ
マツクイムシの
防除にまで使えるという段階には至っておりません。
それから二番目の
マツケムシの天敵でございますが、これは、先ほど申し上げましたイザリア菌のほかに、約四種類ございます。現在、その中で
防除のために有力な天敵であるというふうに考えられておりますのが、先生からも
お話のございましたイザリヤ菌とスミシアウイルスでございます。
それからスギタマバエ、
マツバノタマバヱの天敵でございますが三種類ほどございます。
それからマイマイガにつきましても、三種類天敵がございます。これは、いずれも、
駆除にあたって天敵を導入するというところまでまだ至っておりません。
クリタマバチの天敵でございますクリタマオナカコバチ、クリマモリオナガコバチ
——大体コバチの類でございますが、これも数種類ございます。その中で実際
防除に使っておりますのは、クリマモリオナガコバチとクリノタカラモンオナガコバチでございまして、この天敵導入等によりまして、クリタマバチの
被害というものは根絶をしたというようなところまで至っておるのでございます。
スギハダニの天敵は、これはクモ類でございますが、まだ
防除に使うというところまで
技術的にいっておりません。
それからノネズミの天敵でございますが、これはキツネ、イタチ、タヌキ、テン等がございますが、この中で有力な天敵というふうに考えられますのは、キツネとイタチとタヌキとテンでございます。現在、ノネズミの
発生地にイタチ、キツネというものを放獣いたしまして、現実に
防除をやっておるのでございます。それ以外に、野生鳥獣の保護によりまして、
森林病害虫の捕食をする鳥獣を天敵として活用しておるというようなことがございます。