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伊藤顕道君 この領空侵犯に対する
措置については、
自衛隊法八十四条に明確に出ているわけですね。これはそういう領空侵犯の場合云々ということであるわけです。ところが
先ほど来お伺いしておるように、この領空侵犯
措置ということは八十四条に基づいてやっておると思うのですけれ
ども、領空とか領海は国際法上はたしか海岸から現在は五・五キロでしたか、間違っていたら御訂正いただいて、そういうことであろうかと思う。そうだとすると、領空侵犯というそういう名前、そういう名目で二百キロも海の向こうにいるのに飛び立っていくということはどうもおかしいと思うんですが、特に、かりにソ連機とした場合に、日本とソ連とは宗谷海峡で一衣帯水で接近しておる。そういう情勢の中で二百キロ向こうからレーダーに入ってきたらすぐ二機が飛び出す、北海道の千歳の
航空団の戦闘機二機がすぐ飛び上がるでしょう。そういうことになると、もしかりにいままであなたの御説明でも千九百何がしという回数があったということは、相当いままでそういう
事例が多かったということを
意味するわけですね。幸いにいままでそういうあやまちはなかったわけですけれ
ども、こういう多くの回数を重ねている間に間違いということはあり得るわけですね。もし、たとえば間違いにもいろいろございましょうけれ
ども、両機が衝突するというような場合もあり得るわけです。いままではなかった、いままでなかったから心配ないということは言えないと思う。いままで全然なくても、今後あるかもしれない、今後ないかもしれない、そういうことははかり知れないわけですね。で、ここでお伺いしたいのは、そういうひんぱんな回数が繰り返されておる中に、もしかりにあやまちがあったらどうするのか、たとえば衝突するようなことがあったら、一体どう
措置するのか、その点が一点と、いま申し上げましたように、国際法上のいわゆる領空、領海は五・五キロというのに、二百キロ先からレーダーに入ったらすぐ二機が飛び立っていくということ、千歳の
航空団の戦闘機が二機飛び立つということになると、これは行き過ぎではないかという感じが当然出てくるわけですね、しかも、この
自衛隊法八十四条は領空侵犯に対する
措置ですね。二百キロ先からレーダーに入ったものを、こちらがすぐ千歳の
航空団から戦闘機二機が飛び立つということになると、もしそういうことになりまして、かりにソ連機であると領空内に入らないで退避していってしまう、領空内に入った場合、この領空侵犯に対する
措置であろうと思うんですね。そうでしょう、領空侵犯に対する
措置とあるわけです、この八十四条は。そうでしょう。そういうことになると、二百キロ先からレーダーに入ったら、すぐまた飛び立つ、そうすると、これは領空侵犯に対する
措置ではないんじゃないですか。領空に侵犯があったら、この第八十四条が適用されるんであって、二百キロ先からすでに、レーダーに入ってきたから、すぐ飛び立つ、こういうことを繰り返しておるわけでしょう、そういう必要はないんではないかという当然な
考え方が出てくるわけです。そこで繰り返しお伺いするように、お伺いしたい点は二点あるわけです。もしかりに二千回に近く多発的にそういうことが繰り返されている間には、たとえば二機がいわば衝突するということも理論上成り立つわけですね。そういう場合は一体どう
措置なさるのか。それからいまの二百キロ先の云々とこの第八十四条に関連して、領空侵犯でないのに——向こうは領空侵犯の目的で来るのかもしれません、しかし、領空侵犯としてこの五・五キロ内に入ってきた場合もあるんですか。そういう場合に初めてこの八十四条が適用されるわけです。その二千回返いそのつど、そのつど領空侵犯ではないと思うんですね、そうだとすると、この第八十四条に照らして、これは合法的ではないんではないか、この点を明らかにしていただきたいと思います。