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説明員(
安積健次郎君)
お答えいたします。電子航法では、大体やらなければならないことといいますのは、
航空機や船舶に関する電子航法の評価
試験ということが
一つございます。これは民間なり大学なりその他で開発されつつあるいろいろな電子
施設について、その研究をさらに進める上に確かめるということで、飛行機や船舶を使って
試験をするということがあります。それからもう
一つは、今度の
航空機
事故を契機といたしまして、みずからも開発研究をやらなければならない。もう
一つは、人工衛星の応用航法の研究をやる。そういう大きな
仕事が三本ございますが、それをやりますためには、
施設は、先ほど御指摘ございましたように、非常に現在は貧弱でございますが、まずさしあたって人間である。これは現在研究員が二十八名、それから管理
要員三名でございます。それで、普通でしたら大体研究
要員の三割ぐらいは管理
要員がおりますから、大体五十名ぐらいの研究所とお
考えになってよろしいかと思います。その程度の研究所ですと、国立の研究機関もたくさんございます。まだスタートしたばかりで、これからだんだんと拡充していきたい。ことに、いま一番困っておりますことは、実験用の飛行機などはすでに持っておりますけれ
ども、まず建家なんであります。これはいまからもう五年も前に、
定員が七名のときにつけていただきました建家があるだけでございまして、非常に狭くて、十分な実験ができない、こういう
現状にございます。まず建家がほしい。それからその次には、調布
飛行場に私たちの
試験用の
航空機が置いてございますが、その入れる格納庫もない、屋外係留になっておりまして、少しさびがついている。買ってからわずか二年しかたっておりませんけれ
ども、そういう状態でございます。そうい建家と格納庫、それから先ほどから話が出ました
航空交通管制の自動化ということが、現在
航空路の管制について
東京航空交通管制部、あそこの自動化が進められておりますが、それにしたがっていろいろな
施設が出てまいります。それから機械もできております。そういうできたものを、いきなりなまの現実の管制に使うということはとうていできないわけでございます。その前にいろいろ
試験をしなければなりません。その
試験をするのが私たちの役目でございます。そのためには、ほんとうにたくさんの飛行機を飛ばしてやるということは不可能でございますから、電子計算機を主体にしたシミュレーション
——模擬
試験ということをやらなければならない。そのシミュレーターが現在
中央の計算機だけが設備されておりまして、周辺の装置は何もございません。それをできるだけ早く
整備したい。これまた多額の金を要しますので、年次
計画で進めていきたいと思っております。
それから衛星航法
関係、これはいま宇宙衛星開発の一元化という問題でやかましくなっておりますが、何か一元化機関でそういうロケットを開発し人工衛星を上げてもらってそれで管理していただきますと、あと私たちはそれを使わしてもらいたい。それを利用して船舶や
航空機の航法、そういうことの研究をやっていかなければいけない。これは当然そのあとは
運輸省の主管
業務となる予定でございますから、この研究をみずからやらなければならない。そのためにはあまりにもその
人員が少ない。現在の
計画ではわずか二研究室、一部、総員七名という世帯でございますが、こういうものも拡張していかなければならない。大体いままで郵政省その他でおやりになったのを見ますと、大体十数名の研究者は最低必要であると言われておりますので、そういうこともやっていかなければいけない。大体大きいところはそういうものでございます。