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伊藤顕道君 それは
大臣のおっしゃる
意味はわかりますが、どうもまだ一般職の
公務員に対するいわゆる完全実施をしようとする誠意の問題ではないかと思うのです。財源ではないと思う。と申しますのは、昭和三十七年、八年、特に三十八年の場合は、これは池田内閣のときであったわけですが、いわゆる税の増収によって三十八年のごときはまことに余裕のある年であったわけです。にもかかわらず、従来からいってきた政府の
態度を変えるわけにいかないのです。また一般職に対しては完全実施しようとする
考えが大体ないわけです。誠意がないわけです。したがって、どうも税の増収で余裕があるからといって、一回実施してしまうと、今後もやらなければならないという
考えもあったでしょう、実質的には、結局、三十八年あのような余裕のある年であっても、財源がないから、財源が苦しいからということで、実施の時期については値切られておるわけですね。また、公社、現業については三十二年四月から実施になっておりますけれ
ども、最初から公社、現業についても実施になったわけではない、その以前やはり公社、現業についても実施の時期については値切られておる、しかし、先ほ
ども言うように、熱心な交渉の結果、三十二年以来今日まで完全実施されてき続けてきておるわけです。財源ではないです。そこでまた
大臣が国家予算一たんきまったものを途中で変えることは権威がないというような
意味もございましたけれ
ども、方法は幾らでもあろうかと思う、これは財政等の専門家の大蔵
大臣にしろうとのわれわれが言うてもおこがましいことになりますけれ
ども、しろうと
考えとしては幾らでも方法はある。たとえば公社、現業の
実情を見てもわかるわけです。最近の公社、現業は、一体財源に余裕があってやったのかどうか、苦しい中をどのような措置をしてやったのか、こういうことを見れば明確なんです。そういうことがなぜ一般職
公務員についても行なわれないかということを中心にお
伺いしているわけです。たとえば、昭和三十六年度は公社、現業については補正予算で行なっておる、三十七年度については電電公社は四十六億以上にのぼる建設事業費とかの繰り延べを含む
経費の移用、流用によって実施しておるわけですね。それから三十八年度について調べますと、国鉄は五十一億、電電は四十五億、郵政は七億円の建設事業費繰り延べを含む
経費、これも移用、流用です。それから三十九年度から四十一年度までは、ともに
経費の移用、流用によって四百十八億から五百八十億の幅で年々の
給与改定が今日まで完全に実施されてきておるのです。そういうことで、移用、流用等については大蔵
大臣の認可が必要なわけです。こまかい
資料はここにございますが、一々ここであけることは避けたいと思います。そこで、一般職
公務員の
給与の場合には、先ほ
ども申し上げましたように、もうほとんど年々勧告がなされるであろう既定予算ということの性格は明確になっておるわけですから、問題は、順序としては、公社、現業に対して行なっておるように、一般職
公務員に対しても、人事院勧告をまず完全実施するかしないかの問題が当初の問題だと思うのです。いままで長い間政府は、一般職
公務員に対しては完全実施をしようとする少なくとも
考えは毛頭なかった、財源なんか問題はないと思う、財源は問題でないということは、先ほ
ども数をあげて申し上げたわけです。財源ではないです。一般職
公務員に対して完全実施しようかしまいかということでわかる、したがって、まず政府として、一般職
公務員にも、
公務員の公平の原則に基づいて、公社、現業同様、ひとっことしこそ完全実施をしようという、そういう
方針をきめることが先決だと思う、その
方針がきまれば、
あと財源はどうする、これは先ほど
大臣もちょっとおっしゃったように、年度当初に
給与改定費
相当額を計上しとけばいい、それで足りない場合は、次年度の当初予算に不足分を計上する、いわゆる
あと払い形式をとればこと足りるわけです。あるいはまた、災害対策費のごときは、どの
程度災害対策費がかかるか、あらかじめ額をきめかねるので、これは予備費から
経費を支出しておろうかと思うのです。こういうふうにわれわれしろうとが
考えても、ほんとうに政府が実施しようという誠意があるならば、
考えがあるならば必ず実施できる問題だ、何もむずかしい問題はないわけです。にもかかわらず、先ほ
ども申し上げたように、三十八年のごときは、余裕が
相当あったにもかかわらず、一度そういうことを、実施すると、将来もやらなければいかぬということもあって、あの年ですら財源がない、財源が苦しいということを言い続けてきた、そこで、過去のことをとやかく言うのではなくして、ひとつことしこそ、こういう方法はあるわけですから、こういう点を検討していただいて、もちろん勧告の時期とか、これは
民間等の
給与は大体四月、五月ごろきまるわけですから、その
民間との
給与の較差、
生計費、
物価の
上昇、こういうものを勘案して、人事院は勧告するのですから、たとえ八月の勧告であっても、問題は、政府に、一般職
公務員に公社、現業同様ひとつ完全実施してやろうという大
方針がきめられれば、財源は第二義的な問題になってくるのです。どうでしょう、いまのように幾つかの方法があるわけです。しろうとが
考えても、こういう方法はあるんだから、財政通の大蔵
大臣でしょう、頭をしぼれば幾らでもある、ただ問題は、出してやろうという
考えがないから、なかなかそこまでいかぬのです。こういうふうに私
ども解釈せざるを得ないです。だから、政府に言えば、お
伺いすれば、検討を要する問題だから検討する、検討検討で、長い間検討を続けてこられた、十数年も検討検討、こういうことではわれわれは納得できぬと思うのです。これは本
法案に直接
関係の分野ではございませんから、これ以上多くのことをお
伺いいたしません。ただ、根本的にその点だけは、大蔵
大臣なかなか
給与法が出ても出てくれませんから、
水田大蔵大臣はそういうことはないと思うが、過去の歴代内閣の大蔵
大臣は、ほとんど
給与法
改定の審議になると出ていないわけです。御多忙はわかりますけれ
ども、ほとんど出てないです。そこで、きょうは絶好の機会だと思って、うっかりこの機会をのがせぬと思って待ちかまえておったわけです。そういうことで、この際ひとつ明確に基本的な
大臣のお
考え、先ほどおっしゃったことも
意味はわかるわけですが、どうもあの
答弁を通してうかがえることは、政府に一般職
公務員に対して完全実施しようとする大
方針がまだまだない。まだ誠意がないということだけはわれわれに感知できたわけです。遺憾ながらそういうふうに受けとめられたわけです。だから財源を第二義として、佐藤内閣は人命尊重という大
方針を具体的に繰り広げる政策の中で、一般職
公務員だけに、公社、現業にあるものが一般職
公務員になぜできないかと、そこを十分お
考えいただいて、ひとつ大
方針をきめていただきたい。財源は第二義です。財源はどのようにしても出るわけです、こうやって。国家予算の当初に組んでもいいし、いわゆる
あと払い形式でもいいし、予備費でもいいし、方法は幾らでもある。この点いかがですか。ひとつ、明快なしかも前向きの御
答弁をいただきたいと思う。