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政府委員(
海原治君)
特定の兵器が攻撃的なものか防御的なものかということにつきましては、従来しばしば衆参両院の
関係委員会で御
質問がございまして、そのとき御
説明していることでございます。現在もその考え方は変わっておりません。ただ具体的にいま御
質問がございますので、例をあげて申しますと、たとえば地対空のミサイル、今度三次防で私
どもが持とうとしておりますナイキハーキュリーズというものは、これは核と非核との両用でございまして、これは高射砲の進歩したものでございますから、入ってくる敵機を落とすということにつきましてはすべての方が認められるわけです。この地対空のミサイルは、かりに核弾頭をつけましても、それは防御的兵器であるということが言えるかと思います。しかし、同じようなものでございましても、
日本は採用いたしませんでしたが、
アメリカで現に配置いたしましたボマーク、このボマークにつきましては当時
防衛庁側にも会社のほうからいろいろとその効用等を
説明した
文書が来ておりますけれ
ども、このボマークは飛行機にも使えるし、相当な距離が飛べますので、地対地ミサイルとしても使える。こういうことが
説明されております。こうなりますというと、兵器自体としては防御的な面と攻撃的な面と両方持っている。しかし、そのときには使う人の
意思によってこれは地対地に使わなければそれは防御的兵器になる、こういうことになると思います。一般的に申しまして、はっきり客観的にその兵器自体の性能等から完全に防御的兵器と認められるものと、そのいずれとも認められるものと、疑わしいもの、こういうものがございます。その場合には、結局は
稲葉委員が御
質問になりましたような、保持者の意図、主観によってきまるということになろうかと思います。以上が従来の考えでございます。