○
横川正市君
大臣の
答弁でも、新味というもの、実は奇想天外なものがあって、こうすればいいじゃないかという、そういうものがないということは、これは私も、そういう
悩みを、
質問しながら持っておるわけなんです。ところが、そういう
悩みを持ちながらでも、これならばできるではないかという問題というものを幾つか私考えてみたわけですね。たとえば、
民保の中の
生保協会が、
生命保険外務員の
専門課程による
試験を実施をされて、それによって
職員のいろいろな質の問題を考えておる、こういう点があげられておるわけです。これをそのまま
簡易保険の中に持ってこられては、これはたいへんだと私は一面思っているわけです。こういう
かっこうのものがもしとられるようなことになれば、ただ
現状の
郵便貯金、
保険等のこういう
業務、業種の中にある
人たちの問題を本質的に何か
改善する
考え方というものは
郵政省が考えていいのではないだろうか。この点を実は私は私なりに考えてみました。
そして一番に思ったのは、たとえば、
郵便の
外務者が
保険とか
貯金に行きたいというのは
一体何なんだ、これは端的にいえば、社会的な
一つの何といいますか、外見の問題もある、それから、いろいろな収入の問題もある、それから
仕事に対するところのいわば重
労働あるいは軽
労働という問題もある。しかし、そういうものがあるけれ
ども、
郵政省としては、
保険も
貯金も
郵便も同じ
種類であって、同じ給与であって、同じような
待遇をしておる、同じような
服装をさせるというふうに、同一な
待遇その他というものをやっておるわけなんですが、たとえば、警察官はなぜ
共済組合十五年か、あるいは自衛隊はなぜ十五年なのかというふうに、
共済組合の
審議をしたときに一番問題なのは、いわゆる
労働力としての活動の
一つの限界といいますか、そういったものが全体としていわゆる
事務系統その他と比べてみて、これは長続きしない職種だということが、もう
最大の
原因になっている。
共済の
受給権利を十五年というふうにして、一般の
職員は二十年にしたんだ、こういういわば
種類の分け方をしているわけです。そういう
種類の分け方も一面取り入れていいのではないか。
それから実際上、いま
大臣ちょっと触れられたように、
保険のほうがいいからみんな行きたがるんだと言うけれ
ども、
保険というのは
特殊能力を必要とするわけなんです。年齢がある程度いったら
保険に適しているということでもないわけです。それから長年勤続したら
保険に適しているということでもないわけです。いわば、これは若くても、年とっていても、特殊的な
能力を持っている、そういう場所へ
三つの
事業部門から、ただプールで、それぞれそのときの、いわば何といいますか、裁量といいますか、あれはよかろうとか、これはどうだろうかということだけのことで
人事の
異動をさせているという
形態、これは私は実際には、
事業そのもののマンネリ化という
最大の
原因がそこにあるのだというように思うわけです。どういうふうにしてやるかといえば、やはり
保険の場合には、
保険の
能力をどう持つかということをいろいろな面から検討して
人事ということを考えていく必要があるのであって、それが全然なされておらない。ある局に行きますと、
年間の暦年で割り当てられた割り当てが消化できない、消化できないので、
職場に入ってみますと、
課長と
職員とが毎月にらみ
合いっこをやっているわけですね。どういうにらみ
合いっこをしているのかというと、何を毎日出ていってぼさぼさしているのだと、こういう
目つきで見ている。片っ方のほうは、そんなこと言ったって、とれないものはしかたがないというような
かっこうで、
課長との間に冷たい
関係というものが持たれているというふうに、これは相当外勤の
職場にそういう
空気というのは多いのじゃないかというように思うわけですね。それがいわば
上局では、
数字の面で大体
年間の
目標額は達成された、その中には、きわめて優秀な
成績をあげてくれる者がいる、それには表彰もしよう、出張もさせよう、そういうことでやっているが、
事業全体としては、非常に私は不安な、あるいは
職場の中だけが非常に沈滞した
空気というものになり下がっているのではないか、これをどう
改善していくかという、その点が必要なことだと私は思っているわけなんですよ。これの
解決策は、それは急には私
どももありません。この間、
郵務局に私
どもが
質問したときは、
郵務の
人たちがどうして
保険に行きたがるのか、そうすると、
保険へ優秀だからとられれば、
郵便の
仕事をする者はみんな優秀でなくなってしまう、
郵政省の
基幹事業である
郵便が、そういう
人的構成で行なわれるということは重大問題ではないかという
質問をするわけです。
保険の場合には、その特殊的な事情もありますから、人的な
構成というものはどうしたらいいのか、その点が私は、日常の
業務の中に
三つの
事業があるわけですが、それぞれに備わった適切な、いわば
前任者がやっておったから
後任者もそのとおりやれば間違いがないのだというような退嬰的な態度ではなしに、もっと
斬新策というものを
事業の中に出したらどうか、人的なものとしては、そういうように私は考えるわけです。
それからもう
一つは、この間もちょっと問題を提起をいたしましたけれ
ども、たとえば
物価の
動向等を見ますと、大体十年ぐらいの間に
日本の円の
価値というのは、一九五五年の百円が、一九六五年、十年の間には六十九円に下がっているというふうに、これは国会から出ている「レファレンス」の中に、各国の
貨幣価値の問題が載っているわけです。この
数字によって見ますと、
日本はもう二十八番目なんですね、その
貨幣価値の下落の
状態というものは。そういうふうに
貨幣価値に
変動があるということ、これを今度具体的にいいますと、
労校保険−
学校に行くための
保険というやつを
加入者にすすめますね、そうすると、その実際上の二、三年くらいの
学費のかかり
ぐあいは一体どのぐらいかかっているかといいますと、三年くらい前と比べてみますと、国立で一六%以上、私立になると二三%以上というような、そういう
学校経費というものが増大をいたしているわけです。そうすると、今日納めた千円という
保険料は、その子供が成人して高校、大学というふうに行くときには、今日のままいくかどうか、
経済の
動向ですからわかりませんけれ
ども、少なくとも千円としての値がないものを
学費として蓄積しておるという結果になるわけです。これは私は、
国一営保険の場合は、そういうような場合にはどういうふうにしますというような、何か保証があって、これは
特色ということになるのではないか。
〔
委員長退席、
理事森勝治君着席〕
もちろん、
企業経営でありますから、その
経営の面で
利益があがった場合と、あがらない場合と、いろいろあると思うのでありますけれ
ども、しかし、国のやっている
保険だから、
戦前は
戦争協力のための貯蓄であり、戦後は
公共投資、いわゆる
財政投資のための原資であるということに、あまりにも束縛を受けておったんでは、私
たち、実はそういう面で、
加入者に対する
利益の
還元というものは、もう全然見込みのないものになってくるのではないか。そういう点を資料の面から出しながら、
一つ一つ私
どもは、今日の
国営保険としこの
特色というものをその面から出していったらどうだろうか。
それからもう
一つ、同じ問題でありますけれ
ども、たとえば、
昭和四十年四月の相続税に対する非課税なんかが、
保険の場合に、五十万円が百万円になりました。それから、いまの
物価その他からいきますと、資料の中に出ておりますけれ
ども、税制上の恩典といいますか、これは、
物価の上昇度合いというものはどのくらいに見るか、それぞれ資料のとり方によると思うのでありますけれ
ども、これはたしか企画庁の資料だと思いますが、大体今日では、戦後の
物価上昇率について四百四十三・一倍になっているんだと、そういうまあ、当時は二百円の大体控除率があったので、その倍率をすれば、八万八千六百二十円に該当する、今日の税制からいきますと、最高額は三万七千五百円しか控除率として生命
保険の控除はされておらない。
募集のときには、控除をいたします、これは税金の控除になりますと、こう言っているけれ
ども、
数字の面からいきますと、これは全然問題にならない、半数以下の控除率にしかなっておらない。しかも、この金は長期の
積み立て金で、それがしかも、国の国策に相当大きな貢献度合いを持っている、こういうことになれば、当然私は、所得控除などというものは、全額所得控除をやったらどうかという面があるのです。
〔
理事森勝治君退席、
委員長着席〕
ですから、私は、総括的に
大臣にお聞きをしているのですが、
国営保険の
特徴というものは、これは単に無診査でございまして、あるいは
窓口がたくさんあります、あるいは集金は各戸ごとに行なっております、こういうことでのものの
考え方というものは、非常に古過ぎるのではないか、もっと近代的な
企業の
経営のあり方としてはこういう
特色がありますというやつを、いわゆる
加入者に対する
還元利点として羅列していくことが、
企業のあり方ではないかと思うわけなんですが、もちろん、
民保と
国営企業との競合がありまして、
民保が
サービスを増強すれば、
国営企業がブレーキをかけるということもありますけれ
ども、事実、
民保は多種多様な運用をいたしまして相当な
利益をあげまして、そうして、どこの町に行きましても、
民間保険の会社などというものは、こんなりっぱなものが必要かと思われるような高層ビルを建てて、それでもなおかつ収益をあげているという
企業形態をやっております。それならば、
国営企業の
特徴というのは、二万以上
窓口があって、それには全く
事業費としては金がかかりませんし、しかし、そのかからないかわり、
加入者に対してはこういう
還元を行なうのですというやつを私は
企業の中に
特色として出すのが
ほんとうなのじゃないだろうかというふうに思うわけですが、その点どうでしょうか。
それからもう
一つ、これは前の
保険局長のときにも私は申し上げたのでありますけれ
ども、少なくとも健康管理のための施策というものについては、い、ずれの部面よりかもすぐれているというような施設を持ったらどうか。健康診断をするための自動車が大体広域地域に対して運転されているとか、あるいは、ある個所については、相当そろった診療機関というものを持っているとか、いわゆる
加入者に対する保護というものをそういう面から強化していったらどうなのか。いまの
企業ではそんな
サービスはできませんと、
保険年金
事業団のせめて老人ホームとかセンターくらいしかできませんというのではなしに、私は、それだけのことをやるように
企業としては
努力すべきなんではないかという、こういう点を考えているわけなのですが、これは奇想天外な
考え方なのか、
企業努力としてできることなのか、これはぜひひとつ
大臣考えてみていただきたい、こう私は思うのです。