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横川正市君 それで、これはアメリカのファースト・ナショナル・シティー銀行の経済月報、一九六六年の七月に発表されたものなんですが、これによると、貨幣の
価値指数というのが、日本の場合には、一九五五年を一〇〇にいたしますと、一九六五年、二年前は、貨幣
価値の指数というのが六九になっているのです。百円が六十九円になっているのですね。これは普通
民間の
保険その他の場合には、私は、不動産とか株だとか、自由に
投資その他ができますから、いわゆるその
運用の妙味で、ある
程度のものはカバーできるから、実際上、これは私、調べていませんから、数学の上で何%かということはあげられませんけれ
ども、たとえば愛児成長
保険なんかにおける満期配当金——配当金というやつは明確に出て、そうして、その業績によって配当金を出しているという宣伝をいたしているわけですが、それにかわる還付金の場合に、これは当然
募集者のためには、明確にこういうふうになりますというやつを付加することが、これは一番
募集しやすいのです、実際には。というのは、何年で満期になりますと満期のときにはかくかくにいたしますという
金額は、これはもう
加入者がすぐそろばんがはじけるわけですね。
募集者にしてみれば、あなたがあす死んでも幾らお金を上げますなどと言って、死ぬことを当てにして
保険の
募集をするなどということは、これはよほど
保険の好きな人でなければ、なかなか
保険の
募集などというものはできないわけですよ。貯金よりは悪いとか、あるいは
民間と比較すればこうだとか、対照物を出されてやる場合に、当然、この配当金その他の問題で、
民保の場合には説明をしているのだろうと思うのです。ところが、郵政のこの
簡易保険に関しては、いわゆる還付金というものについて、昔は、この表の——いまもあるのですか、何年たったら幾らというやつ。一時、なかったですね。いまはついているわけですね。この額を計算の中に入れて、そうして計算した結果、何だ、これは貯金よりも悪いというのは、これは
保険の持っている
性格上しかたがありませんので、という説明に変えてやっているわけなんです。私はこの
関係からいくと、実はこういう表がほしかったのです。たとえば大学までの卒業年次というものを計算して、そうして、そのときに
保険なら
保険に
加入して、そうして幾らかかるかというときには幾らかけておけばいい、というような説明ですね、そういう説明をかりにしても、一九五五年から六五年までの十年の間に、日本の貨幣
価値というのは、五五年に一〇〇の貨幣
価値が、六五年には六九%に下がっておりますよと、これは実は致命的なことなんですよ、実際に言えば。インフレ下におけるところの
保険の
募集という
使命を負っている者にとって、そう説明されると。それをどうカバーして説明をしていくのか。私は、もっと
運用の妙を発揮して、そうして還付金なら還付金に、これらの貨幣
価値の下落についてどうカバーいたしておりますという説明書が付加されるならば、非常にこれは有益だと思うのですがね。衆議院の中井さんの質問の中に、スライドというような話がありますけれ
ども、スライドというのはむずかしいと思うのです。そこで、
努力の
方法としては、逆用にどれだけの
努力をするか、いわゆる
運用の拡大をどうはかるか、それから零細な
加入者に対する補償ですか、
還元方式といいますか、これは金持ちが引っくり返って死んだら何千万円払いますという
意味の金ではなしに、これは非常に血の出るような金だから、これについては実は、貨幣
価値の下落についてこれだけの補償がありますとか、いわゆる
国営事業としての
簡易保険については、そんなところに妙味を持たしていいのではないかというふうに思うわけなんだが、この点はどうですかね。国がやっているのだから信用がありますよということだけで
保険事業の命をつないでいくということだけではなしに、もっと積極的に
加入者に対する
還元方式として、金の面ではっきりと
数字を出していくという、そういう
方法はとられないものかどうでしょうか。こんなに貨幣
価値が下がっているということを私はこの
資料を見てびっくりしたわけなんだけれ
ども、しかも、それは毎日毎月もらう給料じゃないのですよ。何年も先から積み立てていく金であって、最初の積み立てた金が何年後にこれだけ下落をいたしますという、それに対してはどう補償していくか。資本主義の経済の中ですから、私は補償することができると考えておるのですけれ
ども、どうなんですか。