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鈴木市藏君 この
計画の主たる
性格が、やっぱり
東南アジアにおける、つまり、
反共体制の確立という問題に資するための
通信施設であるというところにその問題がある、重要な問題があるというふうに私たちは
考えて質問をしているわけなんで、ここが、これが単なる公衆上の
通信を云々するという、そういうものじゃないんじゃないか。それはどんな場合でも、初めからこれは反共の政治
体制をつくるための
通信施設だと、むき出しに言う者はいませんから、それは表面上のことばを語ることもいいですけれ
ども、しかし、具体的に
計画を追ってみますと、決してそうは言えないわけです。たとえば、先ほど申し上げましたように、
地図を見ますと、まず
グアム島が全体の
中心になっているようです。そうして
東京、
マニラ、バンコクがその拠点になっているということがよくわかります。それで、特に問題とすべきは、緑の点線が
APU計画による
マイクロ回線でありますが、一つは、南
ベトナムのサイゴンからマレーシアのコタバル、さらにシンガポール、インドネシアのジャカルタに至るものがあります。二つ目は、サイゴンからコタバル間にバンコクからの
回線を接続させるのが一つ。三つ目に、
タイの
国内回線を一つはラオスのビエチャンまでもう一つはパクセまでそれぞれ延長して、ビエンチャン
——パクセ間に
マイクロ回線を新設する、こういう具体的な
内容を持っているのでありまして、これが完成すれば、南
ベトナム、ラオス、
タイ、さらにマレーシア、シンガポール、インドネシアが完全に結びつけられ、
マニラを中継にして
グアムに接続される、これが
東京に来る、
地図を見ますと、こういう
関係になっているのでありまして、これらの地域の今日の
軍事的な政治情勢ともにらみ合わして
考えたときに、これがいみじくも、先ほどの
韓国の
代表が述べたような、
アメリカの
東南アジアにおける
軍事的、政治上の
作戦に重大な寄与をなす
通信網の
整備である、
建設計画である、こういうことがこれは私なんか、しろうとですけれ
ども、そのしろうとが見てもはっきりそういうことがうかがわれる性質のものです、これは。したがって、これを
大臣が話を受けて、これは
公衆通信の
整備の一つだと、まだ
政府間の話になっていないが、けっこうなことだと言わんばかりのような
お話をしておられる。私たちはその感覚は非常に危険なものがある、主観的意図はどうであれ、客観的にそれはきわめて危険なものがあるというふうに
考えています。再度この点について、私は具体的ないま
地図の内訳をもって御質問申し上げているわけですから、お答え願いたいと思うのです。知らないわけはないですよ。