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鈴木強君
大臣の御発言は、非常に私たちの気持ちにさわる点が幾つもありまして、それが、いわゆるラジオ受信料の全免の問題と同じようなあなたが
考え方を持っておられるということは、よくわかりました。
それで、やはり立法論として
考えた場合に、明確になっているのです、これは。
NHKの収支
予算、事業計画というものは、
経営委員会がこれを決定する
権限がある。
経営委員会が決定したものを、
法律第三十七条に基づいて
郵政大臣に協会が
提出いたしますね。そうしますと、「
郵政大臣が前項の収支
予算、事業計画及び資金計画を受理したときは、これを検討して
意見を附し、
内閣を経て
国会に
提出し、その
承認を受けなければならない。」ですから、立法上はもう明らかなんです。
ただわれわれも、一面あなたが言われているような、
経営委員会で決定する前に、たとえばことしFM
放送四十局を新設したい。ただし、その周波数が
NHKに割り当てられるかどうかということもあるでしょう。ですから、そういう問題について、全然
郵政省とノータッチで何も相談しないということはないのです、実際の
運営上においては。ですからいろいろな意味において、あなたのところまで一々いかぬかもしれないけれ
ども、やはりそういった長い間の慣習というものが、——われわれも十一年やっておりますけれ
ども、この問題は、
法律上やらなくてもいいのです。やらなくてもいいが、やはりそういう接触をしなければ、実際に
NHKのすべての事業計画というものは決定できない部面があるのですから、私は、実際行為としてはそれをやっていると思う。
管理局長もおりますから、もし違っておれば答えてもらいたい。
そういうことをやりながら、きまったものが
国会に出る。そうしてあなたが検討して、
意見書を付する
権限がある。ですから、この点はこうなっているが、これはまずい、こうしたほうがいいという
意見を付するのは自由なんですから、その
意見を出して、これを
国会で
審議して、確かに
修正権というものはない。
承認するか、否決するか、どちらかなんですから、どうしてもだめな場合には、否決してもう一回やり直せといえばいいのです、
国会の行為は。ですから、あなたの
意見書というものはかなり重要視されて、従来も毎年
大臣は検討されて、
意見書を付して
国会に出しておるわけですから、私は、立法上の精神に基づいて、
郵政大臣というものはただ機械的に
国会に出すとは思っていないのですよ。これはやっぱり、歴代
大臣は歴代
大臣として、
法律に基づくそれぞれの
立場から、指導できる点は指導をし、そうして
予算を組み、そしてこの
国会に出してきて
審議しているわけですからね。どうもあなたが、立法上ちょっと問題があると、だからそれをおれはこうしたいのだ、これはわかりますよ。もしあなたがそういう
考え方であれば——われわれは反対ですけれ
どもね、反対だけれ
ども、あなたがそういう
考えを持っておるならば、
法律改正として別に
考えることはできるけれ
ども、さっきの発言を見ると、そうじゃなくて、少なくとも今度は、
郵政省の手で
予算編成を通じ
行政指導したいということですからね。その辺の、
行政指導したいということがぼくにはわからぬので、確かに、
承認を求めることについてのいまの手続上法上こういう点をこうしたらいいというような
考え方をあなたが持って、それをまた検討されるということは、これはあなたの自由ですからね、
国会に出すまでは。だから、いいですけれ
ども、そうでなくて、やはり
予算編成を通じて
行政指導したいということですから、
行政指導を通じてそういうことをやるということは、やっぱりそれはいろいろの問題が出てくると思う。それじゃその指導によって、出てきた
予算をあなたの手で
修正できるかというと、できやしません、
法律上。ただ
意見書をつけて出せばいいわけです。だから、そんな形式論よりも、実際にあなたが
監督権を持っているのですから、いろいろな意味において、
NHK当局とも、
経営委員会できめる場合にも、およその
意見を聞かしてくれということを言うのもけっこうですし、また、大所高所からして、協会がやろうとするその計画が円満に行なわれるような形に立っての、私は、陰になりひなたになってのあなたの
考え方というものを会長に伝えてもらうということを、私は、それは
放送法上に示された
NHKの自主権を侵害しない範囲においては、これはやり得ることだと思うのですよ。その辺を、明確に、現在の立法上やっていることについてまずい点があるならば、
法律改正の問題としてこうするのだというならばいいのですけれ
ども、どうもみそもくそも一緒にしたようなやり方でやられておる。われわれの受け取るのは、
放送法の問題もそうですけれ
ども、何か
放送法ではそういうことができないにかかわらず、できるのだというふうにわれわれとるのですよ。そういうような
法律ですからね。聞いてみると、いやそうじゃなくて、そういうことはどうも直したほうがいいのだというふうに私は思うのだとあなたは言っているのですが、その辺にギャップが実際にある。それが随所に出てきているような気がするのです。私はもう、立法上はいまやっている
NHKについて何も問題ないし、過去においても、失礼ですけれ
どもね、前の
大臣が機械的に判こ押して出しているとは思わない。かなり
意見書を付して
国会に提案されているわけですから、何かそれ以上に、あなたが実際
大臣に就任されてみて、具体的にこういうことがまずかったという点があったら聞かしてもらいたいというのが
質問の趣旨だったのです。そういうこといかがですか。