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1967-07-21 第55回国会 参議院 大蔵委員会 第31号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十二年七月二十一日(金曜日)    午後九時二十一分開会     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         竹中 恒夫君     理 事                 青柳 秀夫君                 藤田 正明君                 柴谷  要君                 中尾 辰義君     委 員                 青木 一男君                 伊藤 五郎君                 大竹平八郎君                 大谷 贇雄君                 小林  章君                 西郷吉之助君                 塩見 俊二君                 徳永 正利君                 西田 信一君                 日高 広為君                 山下 春江君                 木村禧八郎君                 田中寿美子君                 戸田 菊雄君                 野上  元君                 野溝  勝君                 瓜生  清君                 須藤 五郎君    衆議院議員        大蔵委員長代理  村山 達雄君    国務大臣        国 務 大 臣  塚原 俊郎君    政府委員        内閣総理大臣官        房臨時在外財産        問題調査室長   栗山 廉平君        大蔵政務次官   米田 正文君        大蔵省主計局次        長        岩尾  一君        大蔵省証券局長  加治木俊道君        厚生省援護局長  実本 博次君    事務局側        常任委員会専門        員        坂入長太郎君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○引揚者等に対する特別交付金支給に関する法  律案内閣提出衆議院送付) ○計理士の名称の使用に関する法律案衆議院提  出) ○ガソリン税軽油引取税軽減に関する請願  (第一二号) ○商品券に対する印紙税引下げ反対に関する請願  (第一三号) ○事業用乗用自動車物品税免除に関する請願  (第一四号) ○たばこ耕作による減収対策に関する請願(第四  七号) ○音楽、舞踊、演劇映画等入場税撤廃に関す  る請願(第五八号)(第五九号)(第六〇号)(第六  一号)(第六二号)(第六三号)(第六四号)(第六五  号)(第六六号)(第六七号)(第六八号)(第六九  号)(第七〇号)(第七一号)(第七二号)(第七三  号)(第七四号)(第七五号)(第七六号)(第七七  号)(第七八号)(第七九号)(第八〇号)(第八一  号)(第八二号)(第八三号)(第八四号)(第八五  号)(第八六号)(第八七号)(第八八号)(第八九  号)(第九〇号)(第九一号)(第九二号)(第一〇九  号)(第一一〇号)(第一一一号)(第六〇六号)(第  六七八号)(第六七九号)(第六八〇号)(第六八一  号)(第六八二号)(第六八三号)(第六八四号)(第  六八五号)(第六八六号)(第六八七号)(第六九四  号)(第六九五号)(第七一八号)(第七一九号)(第  七二〇号)(第七二一号)(第七二二号)(第七二三  号)(第七二四号)(第七八九号)(第七九〇号)(第  七九一号)(第七九二号)(第七九三号)(第七九四  号)(第七九五号)(第八二一号)(第一五六九号)  (第一五七〇号)(第二三五〇号) ○バナナの輸入関税すえ置に関する請願(第一一  四号)(第二三一号)(第四九一号)(第五一一号)  (第五一二号)(第五三二号)(第五三五号)(第五  三六号)(第五五九号)(第六二八号)(第六三九  号)(第七六六号)(第九〇六号) ○燃料関係税増税等反対に関する請願(第一二  八号)(第一九五号)(第二二〇号)(第二二一号)  (第三一〇号)(第九三四号) ○支那事変賜金国庫債券償還に関する請願(第三  〇九号) ○源泉徴収に係る所得税大幅減税に関する請願  (第三四七号) ○金し勲章賜金者公債即時支払のための特別措  置に関する請願(第五二四号) ○公認会計士特例試験制度期限延長に関する請  願(第七一七号)(第七四七号)(第七五六号)(第  七五七号)(第七五八号)(第七五九号)(第七六〇  号)(第七六一号)(第七六五号)(第七七一号)(第  七七二号)(第七七三号)(第七七四号)(第七七五  号)(第七七六号)(第七七七号)(第七七八号)(第  七七九号)(第七八〇号)(第七八一号)(第七八二  号)(第八〇四号) ○入場税撤廃に関する請願(第八二六号) ○協同組合等の行なう共済事業の育成に関する請  願(第八七四号) ○音楽演劇等入場税免除に関する請願(第一  〇〇一号) ○公衆浴場業にかかる所得税適正化等に関する  請願(第一〇五〇号) ○阿波丸撃沈に対する賠償請求権放棄に伴う代償  措置実施に関する請願(第一〇五五号) ○社会福祉事業に対する免税措置に関する請願  (第一〇六〇号) ○北海道夕張税務署存続に関する請願(第一二七  三号) ○指定自動車教習所において使用する揮発油の税  減免等に関する請願(第一四〇九号)(第二四四  一号)(第二四六一号)(第二六二二号)(第二九〇  六号)(第二九三八号)(第二九三九号)(第二九四  〇号)(第三〇三五号)(第三〇三六号)(第三一五  一号)(第三一九四号)(第三三二九号)(第三四一  三号)(第三四一四号)(第三六二〇号)(第三六二  一号)(第三六四〇号)(第三六四一号)(第三六四  二号)(第三六五五号)(第三六五六号)(第三六五  七号)(第三六八五号)(第三六八六号)(第三六八  七号)(第三七五六号)(第三七五七号)(第三七八  九号)(第三七九〇号)(第三八三六号)(第三八三  七号)(第四〇二八号)(第四〇二九号)(第四〇三  〇号)(第四〇三一号)(第四〇九九号)(第四一〇  〇号)(第四一五〇号) ○国民金融公庫の行なう戦傷病者傷病恩給等担  保融資額引上げに関する請願(第一四四五号) ○医療法人に対する課税軽減に関する請願(第一  四八八号) ○建設労働者等に対する重税反対等に関する請願  (第二六八四号)(第二九三一号)(第二九三二号)  (第三〇三四号)(第三一四九号)(第三一九五号)  (第三一九六号)(第三四九九号)(第三六二三号)  (第三六五四号)(第三七五一号)(第三九〇五号)  (第三九〇六号)(第四一四九号) ○自動車損害賠償責任保険及び自動車保険保険  料を所得税控除対象とするの請願(第三〇三  三号)(第三二一七号) ○継続審査要求に関する件 ○継続調査要求に関する件     —————————————
  2. 竹中恒夫

    委員長竹中恒夫君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。  引揚者等に対する特別交付金支給に関する法律案を議題として、質疑を行ないます。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  3. 柴谷要

    柴谷要君 いよいよ時間が切迫いたしまして、長い質問もできませんので、要約して政府に二、三点伺いたいと思うのでありますが、まず第一に、引き揚げ者等に交付いたしまするこの交付金内容が、私ども農地補償法審議いたします際に、外地引き揚げ者あるいはその他まだ戦争後の処理のできない問題がたくさんある、こういう問題について政府は一体どう考えておるのか、こういうことで質問をいたしたのでありますが、順次時を経るに従って政府としても善処をしていきたい、こういう答弁をなされておることは確実であります。しかし、まあこの段階でくどいことは申し上げませんが、引き揚げ者としても今回の処置には満足をしていないのではないかと、かく私は考える。と申し上げますのは、支給される内容というものが非常に段階的であり、内容が非常に貧弱である、こういう点について不満があるのではないかと思うのでありますが、政府はこの引き揚げ者の問題に対するいわゆる特別交付金の問題はこれでこと足れり、十分だ、以後はこういうことはもう絶対しないのだ、これで打ち切りだと、こういうことで政府提案をされているのでありますが、その考え方に変わりはないかどうか。特に関係大臣でありまする総理府総務長官から御回答を願いたいと思います。
  4. 塚原俊郎

    国務大臣塚原俊郎君) お答えいたします。  今回の立法措置、御審議を願っておるこの法律案をもって在外財産問題に対する処理はピリオドを打ちたい。いろいろ御批判はあるかもしれませんが、審議会の答申に従いまして、われわれは、繰り返すようでありまするが、国民全部が戦争犠牲者であるという考え方で世論の納得のいくあり方、それから国家財政とのにらみ合わせ、戦後処理の諸問題との関連、こういうものからいま御審議を願っておる法案が一番適当であるという考えのもとに提出いたしたわけでありまして、繰り返すようでありまするが、これをもって終わりといたす考えでございます。
  5. 柴谷要

    柴谷要君 それで明確になりましたが、次には、引き揚げ者の方の中には生活保護を受けておられる人もおられると思うのです。ここにわずかな金額を支給されることによって、生活保護の面を削除される、いわゆる軽減をされる、こういうような場面になりますというと、この特別交付金制度をとってみても、何ら引き揚げ者困窮者に対する対策にはならぬと思いますが、この点についてはどうお考えになっておるか、御答弁を願いたいと思います。
  6. 栗山廉平

    政府委員栗山廉平君) 生活保護を受けている方に対する認定の問題を御質問なすったと存じます。この点につきましては、所管は厚生省でございまするけれども、たびたび厚生省のほうからもお答えがございましたが、生活保護を受けておるお方がこの国債によって償還金を手に入れられた場合に、生活保護関係におきましては、それを生業として用いる場合に認定しないということが従来のあれにも例もございまするので、その線でぜひ実現したいというふうにせっかく協議中でございます。
  7. 柴谷要

    柴谷要君 やはり同じような質問になりますけれども生活困窮者が交付される国債を、年々支給されるというのを待っておられることなくして、売り渡したり、こういうような処置もときによっては起きるのではないか。こういう処置ができるような方法を政府自体考えられておるかどうか、この点もひとつお答えを願いたいと思います。
  8. 栗山廉平

    政府委員栗山廉平君) ただいま御質問国債の国による買い上げの問題でございますが、御質問のとおり、生活困窮者に対しましては、国債買い上げ償還、国による買い上げということの実現のために、この前と同じ例によりましてそれが実現するようにいま折衝中でございます。
  9. 柴谷要

    柴谷要君 聞くところによるというと、沖繩の島民の方々の中にもこの支給を受ける方がかなり人数的には多いということを聞いておるのです。ところが、これらの方々手続をして交付金を受けようとするためには、内地まで来て手続をしなければならぬ、こういうことになろうかと思うのです。そういう点を考慮されて、沖繩における金融機関等代行機関とする、あるいは委託をするというような形をとって便宜をはかってやると、こういうような考え方を持ち合わしておるかどうか、この点を伺っておきたい。
  10. 岩尾一

    政府委員岩尾一君) 沖繩の方に国債を渡す場合の金の支給の問題と、それから先般御質問のございましたのは、実際に日本国内の方でありますと、国民金融公庫担保にいたしまして金をある限度まで貸すという制度があるわけでございます。それが沖繩ではやれるかどうかという二つの考えがあると思います。前者のほうは、大体、御質疑がありましたように、新しくこの法律では沖繩の方にお渡しできるように配慮をいたしております。それから、後者の問題につきましては、これは私から先般御説明いたしましたように、現在施政権の問題で沖繩日本との国際上の立場がございまして、たとえば沖繩の人が日本にやってきて、日本国民金融公庫に持ってくれば、これは可能でございますけれども沖繩でどこかの銀行にそれを委託するということは、これは現在の法制上はできないわけでございます。したがって、まあ外交上の折衝の問題になるかと思いますが、沖繩の適当な金融機関、たとえば大衆国民金庫でございますとか、そういう公庫で担保貸し付けができるように向こうが了承をし、さらに総理府のほうで、この条文にございます担保譲渡はできないという規定の中で特に政令で定める場合は別であると書いてある、その政令の中に、沖繩の人ははずすという手を講じましたならば、可能になるのではないか、かように考えます。
  11. 柴谷要

    柴谷要君 特にこの問題は沖繩にお住まいになっておりまする引き揚げ者の皆さんには重大な問題だと思うので、その答弁の線に沿ってひとつ政府としては努力をしてもらいたい。特に要望しておきます。  それから、最後の問題は、実は政府はこれをもって戦後処理は全部終われりと、こういうような見解を示されているようでありますが、われわれはまだまだ戦争犠牲者というものはたくさんあると思う。でありまするから、公平な扱いをまあわれわれとしては要求をしていくわけでありますが、特に広島あるいは長崎等における原爆被災者、これらの方々がいまだに入院あるいは通院等によって健康回復のために努力されておるという数多くの人たちがおられるわけです。これらの方々に対する医療手当というものが非常に僅少なんです。これを何とか政府としてもこの際引き上げると、こういう見解をお持ちになっておられるか、努力をするという約束ができるかどうか、この点をひとつこの機会に承っておきたいと思います。
  12. 岩尾一

    政府委員岩尾一君) 大蔵省財政当局でございまして、各省から予算要求を受ける立場でございます。さらに予算につきまして、補正予算でございますとか来年度予算についてどうこうということをお約束することはできない立場にあるわけでございまするが、先ほどから総務長官がお話しになりましたような、これをもって戦後処理おしまいにしたいという意味をどういうふうにわれわれが解しておるか。そこで、その意味の上から、実際上そういった御要求がもしあった場合にはどういう態度をわれわれはとるかということをお話しいたしまして、御了承を得たいと思うのですが、戦後処理につきましては、総務長官のおっしゃっております意味は、敗戦によりまして多かれ少なかれすべての国民被害をこうむったわけでございますが、その戦争による被害負担調整としての措置はこれをもっておしまいといたしたいと、こういうことを言っておられるのでございまして、その他の不幸な方につきましての処置は、いわゆる社会保障の前進の中で取り扱っていきたい、こういうことを言っておられるわけでございます。  原爆被爆者の方につきましては、いろいろと御要求がございますが、中にはなくなった方に交付金を出せとか、あるいは年寄りの方に生活保障の金を出せとか、そういった御要求もございますし、まあ現在の医療についてのいろんな手当を出せというような御要求もございます。私たちは先ほど申しましたような趣旨から、戦争負担調整という趣旨から申しますと、原爆でなくなられた方も一般の空襲でなくなられた方も、なくなられた点については同じでございますので、この点は戦後処理といたしまして新しく交付金その他の措置を講ずることはこれはなかなか社会保障としてはできにくいと思います。しかし、医療につきましては、特殊なまあ白血病という病気のために非常にお困りになっておるという点は、現在そういった医療の点でいろんなハンディキャップのある面を社会保障の中で解決をいたしておりますので、そういう意味合いで医療の面についての援助といいますか、そういう点につきましては、もし関係官庁の御要求がございますならば十分配慮をしていきたい、かように考えます。
  13. 柴谷要

    柴谷要君 最後に一間、私はこれ要望なのでございますけれども、過日青木委員からかつての阿波丸の事件を取り上げて質疑をされました。この内容は、私ども社会党の主張する点と全く一致しておるわけであります。特に社会党発言すべきところでありましたが、青木委員発言がございましたので、重複することを避けて質問をはずしたわけでありますが、阿波丸遺族等に対する手当等についても非常にまあ不公平な処置が行なわれておるわけです。こういう問題を、政府はこの不公平を直すと、こういうことを前向きの姿勢で検討する用意があるかどうか。ないとするならば、ぜひ再検討をしてほしいということをこの際に要望しておきたいと思うのです。この点についての答弁をですね、ぜひ大臣からお答えを願って、私の質問を終わりたいと思いますが、まあ色よい返事を願いたい、こういうふうに思うわけであります。
  14. 塚原俊郎

    国務大臣塚原俊郎君) 先般青木委員からこの問題についての御質問があり、私も初めてお聞きした点が多分にあったわけであります。また、阿波丸についてはよその方からもいろいろお話も承りまして、私は私なりの立場で検討いたしたのでございますが、今度のこの法案との関連においてはきわめて薄いものがある、この法案とは一緒にして考えるべきものではないというふうに私は考えております。しかし、いろいろと問題の点もあるようでありまするから、まあ外務省が今日まで中心になってやったようでありまするから、外務省並びに関係各省にこの意向を伝えまして、御相談いたしたい、このように考えております。
  15. 竹中恒夫

    委員長竹中恒夫君) 他に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  16. 竹中恒夫

    委員長竹中恒夫君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
  17. 須藤五郎

    須藤五郎君 私は、日本共産党を代表して、本法案に反対します。  今次太平洋戦争及びそれに至る日本帝国主義侵略戦争は、天皇制、軍閥、財閥、地主など、反動勢力が企て、推し進めてきたのであります。したがって、引き揚げ者はもちろん、原爆被爆者戦災者など、この侵略戦争犠牲となって苦しんでいるすべての人々に対して、国が必要な措置をとるべき責任を負っているのは当然であります。そして戦争犠牲者の救済は総合的社会保障一環として完全に行なうべきである、これがわが党と人民要求であります。  しかるに、政府は、これらの多くの戦争犠牲者を放置しておきながら、今回引き揚げ者だけを特別扱いにし、二千億円に近い人民の血税をつぎ込んで在外財産補償をやろうとしているのであります。これはいかなる点から見ても不当なものであります。  まず第一に、政府は、今回引き揚げ者特別交付金支給する理由として、引き揚げ者が外地にあって生活ささえを一切失ったことが他の戦争犠牲者と異なる特異性であると盛んに強調しております。しかしながら、生活ささえを失ったという点では、国内にあった戦争犠牲者も事情は全く同じであります。原爆被災者や、財産を失い、親や子、夫を失い、一瞬にして一切の生活の基盤を失った人々はそれこそ無数にいるのであって、政府の言い分は全くの言いのがれであります。  第二に、一口に引き揚げ者といっても、旧高級軍人特権官僚、満鉄など在外独占企業の幹部や諜報機関要員、右翼の首脳などは、圧倒的多数の勤労人民とは全くその性格を異にするものであります。すなわち、前者は明らかに侵略戦争の先兵であり、決して犠牲者ではありません。これに対して後者、すなわち圧倒的多数の引き揚げ者は、天皇制政府植民地略奪政策によって積極的に海外にかり出されたものであり、犠牲者であります。この法案はこの重要な区別をなくし、圧倒的多数の引き揚げ者とともに引き揚げ者の一部である反動的侵略分子さえも戦争犠牲者に仕立て上げて補償しようとするものであって、全く不当であります。これは佐藤内閣自民党侵略戦争犠牲になり苦しんでいる多くの引き揚げ者の声を利用して、旧軍人特権官僚など侵略戦争加担者にも財産補償を与えることによって、引き揚げ者の中に反動的侵略的勢力を温存し、激励して、佐藤内閣自民党が進めている軍国主義復活推進者に育成しようとしていることを示すものであります。  最後に、この法案は、現実に生活困窮にあえいでおり、実際に援護を必要としている多くの引き揚げ者要求にこたえるものではないということであります。たとえば、引き揚げ当時四十歳の人は、長期在住特別加算金を加えても十年間で十一万円、月額にすればわずか千円にも満たないものであります。これでは全く話になりません。引き揚げ者の中には、老齢に達しながらもたよる者もなく、劣悪な条件のもとでの労働を余儀なくされている人や、あるいは生活保護にたよらなければ生活できない人たちが少なくありません。政府はこれらの人々が安心して生活できるよう十分な措置をとるべきであります。  さらに、特に重視しなければならないのは、この法律案とともに在外財産基金法案提出されていることであります。すなわち、在外財産基金法案によれば、引き揚げ者に交付される国債は、在外財産資本金としてプールされることが予定されております。これでは、在外財産基金をつくることを前提としてこの特別交付金支給されるものと考えざるを得ません。このような基金が結局一部の人々によって私物化される結果となり、それはやがて汚職、腐敗につながることは明らかであります。引き揚げ者に報いるなどというきれいなことばのかげでは、こういうことがたくらまれているのであります。まさにこれは引き揚げ者を食いものにするものと言わねばなりません。  したがって、この特別交付金支給法案は、決して広範な引き揚げ者要求にこたえるものではありません。  以上、この引き揚げ者に対する特別交付金支給法案は、さきに行なわれた農地報償法紀元節復活、金鵄勲章などと全く同じ性格であります。すなわち、これは明らかに佐藤内閣自民党が進めている軍国主義復活対外侵略政策一環にほかなりません。  わが党は、引き揚げ者はもちろん、原爆被爆者戦災者戦争未亡人など、大多数の戦争犠牲者要求を真に実現するために今後とも戦っていくことを明らかにして、私の反対討論を終わります。
  18. 竹中恒夫

    委員長竹中恒夫君) 他に御意見もないようでございますから、討論は尽きたものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  19. 竹中恒夫

    委員長竹中恒夫君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。引揚者等に対する特別交付金支給に関する法律案を問題に供します。本案賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手
  20. 竹中恒夫

    委員長竹中恒夫君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  附帯決議案提出藤田君。
  21. 藤田正明

    藤田正明君 私は、自由民主党、日本社会党、公明党、民主社会党、以上四党の共同提案として、ただいま可決されました引揚者等に対する特別交付金支給に関する法律案に対し次の附帯決議案提出いたします。  附帯決議案を朗読いたします。   政府は、本法実施にあたっては、特に次の  事項について配慮するよう要望する。  一、生活保護を受けている者に支給する特別交   付金は、実情に応じて収入として認定しない   よう措置すること。  二、生活困窮者に対しては、買上償還等措置   を講ずること。  三、本法第七条第四項の規定による担保権設定   についての政令を制定する場合には、特別交   付金支給趣旨にそうよう善処すること。    なお、原爆被爆者等の医療手当について   は、特段の配慮をするよう要望する。    右決議する。  何とぞ御賛成くださるよう、お願いいたします。
  22. 竹中恒夫

    委員長竹中恒夫君) ただいまの藤田提出附帯決議案を議題といたします。  御意見のある方は順次御発言を願います。  別に御発言もなければ、採決いたします。藤田提出附帯決議案賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手
  23. 竹中恒夫

    委員長竹中恒夫君) 全会一致と認めます。よって、藤田提出附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対して、塚原総理府総務長官から発言を求められておりますので、この際これを許可いたします。
  24. 塚原俊郎

    国務大臣塚原俊郎君) ただいまの御決議に対しましては、政府といたしましては、よく検討し、その趣旨に沿って努力いたしたいと存じます。
  25. 竹中恒夫

    委員長竹中恒夫君) なお、議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じまするが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  26. 竹中恒夫

    委員長竹中恒夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  27. 竹中恒夫

    委員長竹中恒夫君) 次に、計理士の名称の使用に関する法律案を議題といたします。  質疑を行ないます。質疑のある方は御発言を願います。野溝君。
  28. 野溝勝

    ○野溝勝君 提案者は同僚議員でありますから、私はすわって質問することをお許しを願い、また答弁をする提案者の方も、そのままでお答えを願ってけっこうでございます。  私は、まず第一に、この計理士の名称の使用に関する法律案趣旨を先般お聞きし、実に不快でならぬのであります。というのは、昭和三十九年六月二十九日に公認会計士特例法案が出ましたが、それまでにたびたび問題になり、その特例法をもってこれに終止符を打ちたい、こういう答弁がございました。これは理財局長も、田中大蔵大臣も言明しております。ところが、今回の提案者の説明によりますと、それは制度の問題であって、今回のは名称に関する問題である、制度復活などの問題ではないから、その点は誤解のないようにというお話でございました。ところが、この問題に関しては、名称だけと言いますけれども、簡単にそれだけのものとは言えないのであります。公認会計士特例法の施行により、制度上の職業会計人は公認会計士に統一され、計理士制度は廃止されたわけです。そこへ来るまでには本院において長い間審議を続けてきたわけなんです。このように統一をされた今日、また名称使用と称して問題をかもすようなことを許すということは、私は了解ができません。せっかく院におきまして長い間審議をしてきて、それでせっかくまとまったものを、なぜ一体さような名称というものを使わなきゃならぬか。それを法律案にしてさような名称を残そうというのはおかしいじゃないか。今日では計理士の名称を使っていかぬということはない。計理士の名称を使いたければ、それは自由なんです。一般的にこれを法で規制することは不適当である。しかし、自由ではあるけれども、法的職業会計人といたしましては、実際問題として、やたらに計理士の名称を使ってみても、社会ではこれをそれとして入れるほど甘くはないでしょう。そこに問題があると思うのです。そこに問題があるから、名称を残したいということであると私は思っております。  特に、提案者の村山君は、大蔵省の主税局長といたしまして、この法案を立案、審議するときには、同じ大蔵省関係者として参加しておったと思うんです。私は感情で言うのじゃないのです。そしてわれわれはほんとうにとうといところの国民の代表機関であるこの委員会におきまして、慎重審議してきたはずなんです。そこで、私は国会の権威に関すると思いまして、いま質問いたしております。どうか、そういう意味において、委員各位におかれてもお聞き取りを願いたい。そんなわけで、村山君はその当時、この制度の問題については、ずいぶん主張もされたと思うのです。ところが、提案者によりますると、制度を変えるのじゃありません、名前を使うだけで、計理士という名称の使用を認めることを規定するだけである、こういうことを言われております。そこで、いま申したようなことを申し上げましたところ、こういうことを提案者は言われる。いまはなくなっている旧計理士が計理士という名前を使うところに問題がある。さらに、もし一般に計理士の名称を自由に使うということになったならば、旧計理士が非常に利益を侵されると言うのです。それはどういうわけかと聞きますると、どこの会社でも会計事務などをやる者がたくさんいる。これが自由に計理士という名前を使うということになれば、使っても差しつかえないということになれば、いま言われたとおり、旧計理士というものは非常に脅かされる、だからそれを制肘するために、予防するためにこの法律案が必要なんだ、こう言われるのです。しかし、それは私、問題の材料があったら示してもらいたい。しかし、三十九年の特例法制定の際に政府大蔵省は、公認会計士並びに計理士制度の問題につきましては、ここで統一して、将来政治情勢などが出てきても再び問題とするようなことはないように留意いたしますということを言明しているのです。でありますから、さような問題が起こった場合には、大蔵省としては、これに制肘を加えることができると思います。行政措置でもできると思います。私は村山君に言うけれども制度を復活するとかの問題でなくても、これは裏腹の問題であって、重大な疑義を起こすようなことはすべきものではない。村山君は名称だけの問題だというふうに言われておりますけれども、さようなことをお互い委員諸君として理解できますか。  私は質問というより、意見を加えて長くしゃべります。こういう時間の切迫しておるときでございますから、一問一答の形ではいたしません。そこで続けますが、かような法案が、まだ予算関係した裏づけ法案が約四割しか上がっておらないときに、なぜ緊急に審議しなければならないのでございますか。この法案は四党で賛成をされたといいますけれども、私は、幾ら四党で賛成された法案でも、重大な疑義を持っています。この国会でつい先年きめたばかりの法律趣旨と国会の意思を曲げるものです。この法案制度の復活とか改正とかに関係はないといいますが、かような疑義の多いものをなぜいま取り上げなければならぬのでございましょうか。こういう点で私は国会の権威と責任を明らかにし、守らなければならないと思う。心から委員諸君に訴えたい。私は義憤をさえ感じています。提案者にこの点をお聞きする。さらに、委員各位の公正にして賢明なる御判断を願いたいと思います。  以上をもって私は提案者に質問かたがた意見を述べたのでございます。
  29. 村山達雄

    衆議院議員(村山達雄君) ただいま野溝先生のお話でございますが、問題は制度をどう理解するかという問題にかかると思いますので、ごく簡単にいままでの経緯を御説明申し上げたいと思います。  昭和二年に計理士法ができまして、計理士は会計に関する業務を一切計理士の名前においてできることになっているのでございます。で、その当時は計理士以外の人は、もちろんすべての会計業務はできるわけでございますけれども、計理士の名前を使って業務を行なうことは違反になります。そういうことで昭和二年以来ずっと職業会計人の規定は動いてまいったのでございます。  終戦後昭和二十三年に、占領軍の治下でございましたけれども、わが国に公認会計士法の制度が設けられました。ここで非常に進歩的な公認会計士法が樹立されました。それによりますと、公認会計士は一つの試験制度をとりまして、公認会計士に合格した者だけが会計業秘のうち監査、証明に関する業務、これだけを公認会計士でなければできないということが昭和二十三年にきまったのでございます。  したがって、その規定をそのまま実施いたしますと、計理士は、従来自由にできました業務のうち、監査、証明業務ができなくなりました。それ以外の業務、言ってみますと、財務書類の調製、あるいは財務に関する調査、立案、財務に関する相談に応ずること、これだけが公認会計士法の規定がそのまま実施になったとすればできたのでございます。しかし、何分にも職業に関する規定でございましたものですから、公認会計士法のほうはその監査、証明に関する専業規定を一時停止いたしまして、順次延ばしてまいったわけでございます。そうしていろいろ変遷がございましたけれども、本年の三月三十一日まで計理士はその名において監査、証明業務を含んであらゆることができる。公認会計士は同時にまた公認会計士の名前におきまして監査、証明業務、その他の会計業務一切ができるというのが、この計理士法の廃止になる時点までの経緯であったのでございます。  一方、この公認会計士制度がつくられましてから、何とかして従来の計理士が公認会計士に円滑に、しかも能力のある人が移行する措置がないものか、こういう努力が行なわれまして、特別試験を一方において実施いたしたのでございます。昭和二十四年から二十九年まで、この六年間で十一回の試験が行なわれたのでございます。その後十年間特例試験ができません。それで、いつかは監査、証明業務が公認会計士の専業になるということで、何らかもう一回試験をやってやる必要があるのじゃないかというようなことが問題になりまして、昭和三十九年に、それじゃもう三年間五回の特例試験をやってやろうということになりまして、本年三月まで五回の試験が実施になったわけでございます。  で、試験の成績をいいますと、特別試験、前の六年間十一回の試験で約千人の方が公認会計士に合格いたしました。次の昭和三十九年から今年の三月までの五回の試験で千二百人くらいの方が合格されたのでございます。  三十九年のときに、今度特例試験をやる条件といたしまして、本年三月三十一日で計理士制度を廃止する、同時に、いままでのような特例試験は絶対にやらないということをきめました。本年三月ちょうど期限が来たものですから、そこですべての計理士制度は自動的に消滅になってしまったわけでございます。制度と申しますのは、先ほど申しましたように、従来計理士は監査、証明業務を含んでその他会計業務をその名においてできたのでございます。  第二点は、計理士はやはり一定の資格に基づきまして試験に合格した人、あるいは学校におきまして簿記、会計を修めたという積極的な資格を持っている人でございます。昭和二年以来四十年間職業会計人としてそれなりの役割りを果たしてまいった人たちでございます。そこで、今度法律が切れた時点で考えますと、監査、証明業務は一切できないのでございます。もとより自由業務でございますその他の会計業務はできることは当然でございます。そうしてまた、実際を見ますと、その人たちは許された自由業務でありますその他の会計業務でおそらく今後生涯を過ごすと思います。おそらく転業はできないと思います。しかし、一方、名称はどうかと申しますと、計理士制度をそのまま廃止いたしますと、今度は計理士という名前で監査、証明業務ができないことは当然でございます。公認会計士の名称を用いられないことも当然でございます。ただ自由業務をやれるわけでございます。ただ、この時点で考えますと、従来計理士でなかった一般の人も計理士という看板をあげて業務をやることは、これは自由になるわけでございます。  今日会計人全体を考えてみますと、税理士が一万六千人おります。公認会計士が約四千人おるわけでございます。計理士は二千五百人、そのうち専業計理士、つまり公認会計士になれなかった人は千五百人おるわけでございます。それらの人たちは多くの事務員を雇っておるのでございます。いままで職業会計士制度は、独立の資格がある人だけにそれぞれ資格を設け、あるいは名称を付与してきたわけでございますが、このままこの法律が切れますと、いままで何の資格もなかった人が、この計理士という名称が開放されたことを機会にいたしまして、そして計理士の名前を自由に使うことができるのでございますし、また現在の会計職業人員の実情から申しますと、それらの人が容易に、従来昭和二年以来築かれました、この計理士という名前に付加されました社会的信用を利用いたしまして、これを使うというおそれは十分にあるわけでございます。  制度の廃止はもとより国会の約束したことでございますので、これは再び延長すべきでもなければ復活すべきでもないと思います。また、特例試験を再び延長するがごときことは、これまた国会の意思に反しますので、これはもとよりいたさないわけでございますが、廃止の時点で考えますと、計理士の名称が開放されたということによって、そこに何の利害関係のない人たちがその名称を使うことによって、ことばは少し語弊があるかもしらぬが、少し話がうま過ぎやせぬだろうか。従来の計理士は、それだけ自分たちの社会的信用というものがそれらの人たちによって中和されてくる。また第三者から考えますれば、計理士という名前はある意味では公認会計士よりも習熟している名前でございます。したがって、計理士といえばずいぶん長いこと職業会計人として、とにかく公認会計士の試験はパスしなかったけれども、それがゆえに経験を積んでいると社会の人は見ておると思うのでございます。  そういう点を考えますと、この際名称につきまして従来計理士であった者だけに計理士という名前を許す。これからはほんとうに独立しようという方はみずからの力で新しい、たとえば「けいり」という名前を使いましても、経理という名前を使うのであれば、これはちっとも差しつかえないわけでございます。みずからの力によって新しい名称のもとに新しい会計人として、そして独立に業務を営むことはちっとも禁止されていないところでございますので、われわれが提案しておりますのは、別に法律を復活するわけでもございませんし、制度は、提案理由にも言っておりますように、最終的に三十九年の国会の意図をはっきりいたしまして再び取り上げない。ただ、名称については、みずからが築いた信用であるから、その人たちにだけ許すという法律でいいんじゃないだろうか。  ただ、自由業務でございますので、もし違反があったときに罰則をかけるというわけにはいかぬと思うのでございます。したがいまして、まあ過料というごく形式的な一種の制裁規定にとどめざるを得ない。  こういうわけでございますので、われわれは制度の復活とはちっとも考えておりませんし、むしろ制度の廃止を前提にした事後調整と申しますか、あとに残されました職業人相互間の利害の調整並びに第三者が誤認することのないようにという最小限度の規定を設けたつもりでございます。
  30. 野溝勝

    ○野溝勝君 私は提案者に、この点をどういうふうに考えるのか、ひとつお聞きしたいと思う。あなたは公認会計士特例法案をつくるときに、その省議にも関係しておる。公認会計士特例法案をつくるときは、当局の言明では、公認会計士協会からも計理士協会からも十分意見を聞いていたという。そのときになぜあなたは、そういうことを感じておったなら、これを提案し、内容に織り込むことを考えなかったか。私はいまここであまり追及したくありませんが、あなたがそれほど御熱心ならば、すでに主税局長をやっておるときにこういうものを主張すべきものであると思う。旧計理士は最後の第五回特例試験以後、公認会計士として、職業会計人になれなかったもので、残った旧計理士はお気の毒だと思う。しかし、そういう気の毒な点といいますならば、今日職業会計人を希望して各大学にいる十万人近い人たちの未来の希望をどうするのですか。私はあなたのような知性の高い人は、その点も十分配慮するならば、いま申し上げたようなことがおわかりになると思う。こういう点はどういうように考えておられるのですか。
  31. 村山達雄

    衆議院議員(村山達雄君) 野溝先生少しお記憶が間違いでございますが、昭和三十九年、私はもうすでに代議士に出ておりまして、すでに大蔵省を離れたのでございます。私は自民党の一議員といたしまして、財政部会の中にありまして、三十九年のあの特例法案賛成した一人でございます。ただ、まあいまでも、もし私が、これは所管は証券局でございますので主税局ではございませんけれども、かりに私が証券局のところにおりますれば、そこまで知恵がついたかわかりませんけれども、もし私が立案するのであったら、やはり名称だけは残しただろうと思います。  それから、もう一つ、いま残っている大学生の人たちをどうするかという問題、われわれはまさにそのゆえにこそ、ほんとうを申しますと、その職業会計人の制度を一本にしたい。計理士という制度は、これは過去のいわば日本の職業会計人が発達した一つの歴史的な過程にすぎないのでございます。私は公認会計士法一本にすべきだという理論でございます。いま大いに勉強されている大学の方々は、むずかしい試験ではございますけれども、公認会計士の試験を通り、あるいは公認会計士になって、そういうことによって初めて私は日本の職業会計人の法律の権威を保ち、またそれでいいのだと思うのでございます。  過去におきます従来の名称に関する利害の調整だけでございまして、これは制度を廃止するということが前提であり、また一本化することに賛成でございます。ただ、残された、過去にあった事実は事実として、どういうふうに利害を調整するかという点について、われわれはこういうことが適当じゃないかというので立案しているわけでございます。
  32. 野溝勝

    ○野溝勝君 あのね、村山君、君、ぼくのところへあいさつに来たことを忘れちゃいかぬよ。私も、君がこの特例法を出したときの代議士であったくらいのことは知っています。ぼくは君が主税局長をやめて立候補するというときから、ちゃんと知っているのだよ。あなたが大蔵省にいたときに公認会計士と計理士は何かと問題になっておりまして、私は公認会計士への一本化、職業会計人の統一ということを考えておりました。そういうことをあなたは言われる。だから、それと前後してものをしゃべっているのだから、あなたがその当時議員であったか局長であったか、そういうことはそれに関連をしておるから私は申し上げたのです。そういうことは答弁の中へ入れないほうがあなたはいいのだ。いいかね。  そこで、まあ時間がなくなりましてまことに申しわけないが、これは重大な問題ですから、私はここでひとつ申し上げたいと思うのです。  ここに三十九年六月の特例法案審議の際の速記録を持ってきましたけれども、あなたはこの問題について、これは制度関係はないと言いますけれども、この速記録にこういうことが言われております。当時の吉岡理財局長が、各議員の質問に対して答えている。それは、こういう制度はたびたび問題になるが、今後こういう制度関連を持つような、誤解を起こすようなことを一体しないかどうかという質問に対して、「従来の例から申しますと、何回かこういうことを繰り返してきたわけでございまして、今回の法律改正につきましても、その点衆議院でも非常に問題にされまして、今度こそこれで終止符を打つようにという強い御要望がございました。大臣も衆議院におきまして、非常に明確に、政府といたしましてはこの制度で終止符を打つということを言明いたしております。」、こう答弁しておる。当時の大蔵大臣の田中君も同じようなことを申されております。これは制度の問題でありますが、各委員がこれほど心配をしたのでございます。これと今度の問題ですね、名称の問題がどう問題なのかということについて、委員各位の間にも、これは問題であるという大きな疑問があると思うのです。それは全部党議できめたことと言われればそれまでであるけれども、そういう点についてもまだ十分に審議されておらない。  それから、あなたのところから渡されました資料を見ましても、私はいまくどくそのことは申しませんが、十分検討しなければならないものです。特にここで言っておきたい。この法案審議ではないが、計理士問題について、過般衆議院におきまして質疑がなされました。その中の答弁はどういう答弁でありましたか。当局は全く委員の質問意見にがえんじていません。そこで、この法案の国会提出についてですが、もちろん政府がする、議員が提案する、これはどちらでもいいことだ。けれども、少なくとも公認会計士特例法案を出すときには政府提案です。そこで、その政府提案を議会では採択したわけです。ところが、この法案については、前に触れた衆議院での質疑答弁にあるように、政府当局は検討するというような態度であり、当然政府としては提案などできない問題だ。事実、大臣からは検討するという程度のことばしかなかった。立法府では、法案提案することもできれば、否決することもできる。ところで、この法案、旧計理士の処遇に関しては、政府が検討さしてくださいと言っていたにもかかわらず、この法案を議員立法で強行しなければならぬというところに、私は国会の権威上真偽をたださなければならぬと思うのです。  こういう点についてくどく村山提案者にお聞きするのでございますけれども、ほんとうに私は真実に考えて、そんな緊急を要すべきものでもなければ、また階級的に相互で対立しているなどという問題でもないこういう問題を、今国会でやらなければならぬのですか。この点、政府との関係においてどういう回答を得ておるか、あなたから答弁できなければ、ここに証券局長も来ておりますので、まず第一に証券局長から政府見解を先にお聞きしておきたい。
  33. 加治木俊道

    政府委員加治木俊道君) 特例試験法の趣旨及び国会審議の過程で明らかにされました国会の意思及び政府のこれに対する答弁等は、すでに御指摘のとおりでございます。この法律案は、ただいま提案者のほうから御説明がありましたように、名称の使用特権といいますか、逆にいいますならば、旧計理士の資格を持っていなかった人がこの名称を乱用することにより第三者に不測の損害を与えるおそれがある、そういうことを防げる、それが反射的に旧計理士の名称使用としての特権となるわけでございますけれども、そういう点にあるわけでございます。したがって、制度の本旨に直接関連はないようでありますし、また提案の際もその点は明らかにされておるのでございますけれども、若干、従来の経緯から考えますと、われわれとしては何か割り切れない感じがあることも事実でございます。  しかし、かりにこの法案が通りましたならば、われわれは、これは国会で決するところでございますけれども、この法案提案趣旨をよく徹底させまして、かりにもこの特例試験の再開あるいは計理士制度の復活、まあこういったことには絶対にならないという点を十分徹底させますし、またわれわれもそういう方向に努力しまして、できるだけ業界に無用の混乱を来たすことのないように善処いたしたいと思います。まあこれは、かりにもこの法案が通りました場合のことであります。
  34. 村山達雄

    衆議院議員(村山達雄君) 先ほど野溝先生から、衆議院におきましてこの計理士法が三月三十一日の期限で廃止になるときに、衆議院でいろいろな質問が行なわれた、それに合わせてこの法律が出たようなお考えを持っておられると思うのでございますが、実は違うのでございます。正直申しますと……、
  35. 野溝勝

    ○野溝勝君 そんなこと言いやしないじゃないか。
  36. 村山達雄

    衆議院議員(村山達雄君) もしそうでなければ、この提案、少し立ち入ったことを申し上げますが、三月三十一日に期限が切れるときに、あまりにも気の毒ではないか、したがって特例試験の附則で三月三十一日をもってこの制度を廃止するというその規定を削除すべきではなかろうかという、一部にそういう話があったのは事実でございます。しかし、そうやりますと、制度は再び継続するわけでございます。私はそういう案には賛成しがたいのでございまして、またそういう案は三十九年の国会の意思に反すると思うのでございます。したがいまして、それは制度としては最終的に廃止するのだと。先ほども申しましたように、ただ、計理士制度というものがあったことは事実でございます、四十年間。で、廃止になった時点でいかに利害を調整するか、公平にやるかというのがこの法案でございます。  なぜいまこんな忙しいときにやるかというお尋ねでございますが、もしこの法律が切れましてから期間を過ごしますと、私は計理士の名前を第三者で使う人が多数出てくると思いますので、出てきてからこの法律を通そうと思いましても、今度は一ぺん既得権として——この名称を使うことが自由でございますから、今度禁止するといっても、これは今度はいわば既得権として与えたものを制限するという意味で、逆の意味でこれは法律上の問題が非常にあれしてくるので、そのおそれはあります。けれども、まだ出ていないこのときであれば、何もそれほど第三者の利益を不当に押えたということもないだろう、だからいまの時点をおいては私はこの法律は成り立たぬと思うのでございまして、そういう意味で、ほんとうに計理士と、公認会計士とか税理士ではございません、一般の第三者との間における名称の付与に関する非常にささやかな利害調整法案でございますけれども、時点としてはいまが一番いいのではないか、こういうことでお出ししたわけでございます。
  37. 野溝勝

    ○野溝勝君 提案者の村山君にお聞きをするというより、私、意見を申し上げて、あなたの参考にしたいと思います。  その話は先般やはりお聞きをしました。その際に私は言いました。計理士が歴史的に信用を持っている。それはそれでよろしいけれども、公認会計士特例法案を出すときに、計理士協会はそれでよろしいと言ったんじゃないですか。ですから、もしかりに一歩譲って、計理士の名前を使うことが自由になるというと、計理士事務所にいた多くの事務員あるいは会社の会計人、そういうものまでも計理士の名を使って旧計理士の利益がそこなわれる、まことに困る、そういうことだとしても、大蔵省は当然この制度をつくるときの責任があるのであるから、行政措置として政府がこれに対する手を打つことができるじゃないか、私はこういうことを述べた。しかし、野溝先生、それではおそいと、こう言われますから、それならば旧計理士が困るという具体的な材料で国会の審議をしなければならぬから、その材料を示してもらいたい、こう申したところが、先生、それではおそいと、こういうことを繰り返して言われました。そこで、私は国会の皆さんに十分検討してもらいたいと思うのです。それではおそいと言ったって、材料を示さないから資料がここにないのです。かりにもしそういうことをやった者があるといたしましても、少なくともまじめな健全なる事業家というものは、そんな不安定な人を受け付けませんし、社会がこれに対して自主的に制裁をしていくと私は思います。これは私と村山氏の論争の中で解決しない点でございまして、私はなぜいまこの名称に関するこの法律案がそれほど切迫しているのか、全く疑問に思う。  先般の公認会計士特例試験法も、われわれが何回も検討し審議をして、ようやくできたことなんです。それと別だと言いますけれども、それとうらはらの問題で、重大な疑義のあるものは、慎重にたださなければならぬ。それが国会だと思います。賢明なる委員の方々におきましては、すでに長い間この問題については検討されてきておるのでございますから、御検討を願いたい。  私は時間切れになるというときに、時間を引き延ばすように思われてもいかぬので、これ以上くどくは申しませんが、私はしいて言うならば、ここで計理士の名称に関する法律案がかつての公認会計士特例試験法制定のときの趣旨や事情と全く矛盾しないか、問題もないかということについて証言を得るために、元政府当局でありましてこれについて言明したところの田中角榮君、元大蔵大臣、それから吉岡理財局長、これらの方々を証人なり参考人なり、あるいは説明員として委員長が招致されまして、十分それらの諸君の意見も聞く必要があると言いたい。しかし、いま申したとおり、時間切れになるということでございますから、私はこれ以上申しません。論議をせんがために論議をするわけではございませんから。私は議員としての自分の最後の歴史を飾りたいと思っています。そういう意味質疑しました。  最後に、重ねて委員各位の十分なる御検討をお願いいたします。慎重審議、ほんとうにお互い議員の責任において検討されんことをお願いいたしまして、私の質疑を終わるものでございます。
  38. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 二点伺いたいのですが、これは証券局長に伺いたいのですが、最後に先ほど提案者の村山君も言われたのですが、この計理士法、計理士制度をやめるその意味は、職業会計人を将来一本化するというところから来ていますね。そういうところから、過渡的措置としまして、まずこの計理士を公認会計士に吸収するという措置をいままでとってきたわけです。そうして吸収し切れなかった人は今度は税理士のほうに吸収する、そういう措置をとってきたわけですね。最後に、税理士になれないという人も出てくると思うのです。公認会計士にもなれない、計理士制度はなくなってしまう。それで、これまでの分で最後に残った人、税理士にもなれなかった、公認会計士にもなれなかった、そういう人が幾人が残ったのか、そうして幾人のための救済措置なのか。それが第一点。  もう一つは、前に廃案になりました税理士法の一部改正法律案がありましたね。成立しなかったのですけれども、その第二条の第二、項に、税理士の付随業務として、税理士の名称を用いて、他人の求めに応じ、財務書類を作成し財務に関する相談に応ずることができる。ただし、他の法律においてその事務を行なうことが制限されている事項についてはこの限りではない、こういう条項があったのです。これは成立しなかったのですけれども、これは御承知ですね。ところで、他人の求めに応じて財務書類を作成したり、財務に関する相談に応じたり、その他財務に関する事務を行なうことは、だれでもできるわけですね。だれでもできますね。ただ、計理士のこの法律が通りますと、計理士という名前を用いて、財務の書類を作成したり、相談にあずかったりしてはいけないということになるのですね。そういうことになりますね。そうなると、もちろん監査、証明業務はできないとしましても、職業会計人を一本化する方向からは逆行するわけでしょう。この法律が通れば、だれでも財務書類を作成したり、財務に関する相談に応じたり、財務に関する事務を行なうことができるわけなんだけれども、計理士という名称を用いてやれば、罰金ではないけれども、軽い罰則があるわけです。そうすると、これはやはり計理士制度というものをそこで温存する。単なる名称じゃありませんよ。単なる名称のあれだと言うのですけれども、それによって、ほかの人はそれはできない。排除規定になるでしょう。そうでしょう。そうすると、将来の職業会計人の一本化ということと反してくるのじゃありませんか。いつまでこれを続けるのか、その点、証券局長に聞いているのですが、その二つについて答えてください。
  39. 加治木俊道

    政府委員加治木俊道君) 初め数字でございますが、四十二年三月三十一日現在で旧計理士登録者は二千五百八十六名でございます。そのうち公認会計士の資格を特例試験によって得た者が千三十名。差し引き千五百五十六名が公認会計士の資格を持たない旧計理士でございます。その中で、二百二十一名が税理士の登録を持っていない人でございます。逆にいいますと、税理士の登録を受けている者が千三百三十五名。  それから、これはお尋ねになかったのですが、なお念のために申しますが、第三次試験を受ける資格を特に与えた経過もあるのでございます。これは認定で与え、また試験で与えたものがあります。そういう意味で、この税理士の資格もない、それから第三次試験の受験資格もない、また公認会計士でもない旧計理士は百五名でございます。
  40. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 百五名……。
  41. 加治木俊道

    政府委員加治木俊道君) はい、百五名が全く公認会計士でもない、それから税理士資格も持ってないし、それから第三次公認会計士の第三次受験資格というのを途中で与えたこともあるのでございますが、その資格もない、そういう意味で税理士及び職業会計人への道を閉ざされている人が百五名、こういうことでございます。これは第一次試験からずっと受けていけば、もちろん公認会計士への道は開かれているのでございますけれども、第三次試験の受験資格もない、税理士資格もない、また公認会計士の資格もない人が二千五百八十六名中百五名。  それから、この名称と制度の問題でございますが、これは議論をすればどういう議論もできようかと思うのでありますけれども、まあ職業会計人制度は、特別な資格を持っての職業人としての会計士業務というものは公認会計士制度に一本化しよう、こういうことでございます。したがいまして、このかつての旧計理士業務ですね、このうち監査、証明業務を除いた部分は全くの自由な、だれでもできる業務だったわけでございます。ただし、それに名称使用特権が与えられますと、職業会計人制度一本化の趣旨からいいまして、まぎらわしい点があるという点は、これは認めざるを得ないのじゃないかという感じがいたします。
  42. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それで、問題は、その税理士にも吸収されない、公認会計士にもなれないで、もしこの法律が通らなければ路頭に迷うという人があるのですか。生活に困るような人、路頭に迷うような人が。もしそうなら、これは重大問題ですね。計理士制度がなくなって、いままでのそういう資格がなくなる、そのために生活に困るという……。税理士と計理士と両方持った人もあったと思うのですがね、多く。あるいはまた、公認会計士とダブっている場合がだいぶあったと思うのですよ。われわれはこれはしろうとで、もしこういうことが必要であるとするなら、それは経過措置として——一ぺんにこれをやめちゃった場合、公認会計士にもなれない、税理士にも吸収されなかったということで、生活に困る人があれば、それは経過措置として考えなければならぬでしょう、そういう措置はね。  しかし、実際問題として、その財務に関係することはだれでもできるのですから、いままでずっとやってきているならできるはずですよ。そうでしょう。その人もできるのですよ。名称を使えなくたって、できるのです。できなくなるのじゃないのですよ。そこがわれわれがわからぬところなんです。できるのです。だから、いままでずっとやっているのはお得意さんを持っているわけですから、お得意さん持っていれば、名称がなくたって信用があれば、できるのですよ。やっちゃいけないわけじゃないのでしょう。ただ、計理士という名前を使っちゃいけないのだけれどもね。いや、名前を使っても今度はいいんだ。だけれども、ほかの人を排除するということですね。そうですね。それはだれでもできるのですから、差しつかえないと思うのですよ。すぐ生活に困るわけでもない、こう思うのですがね。
  43. 村山達雄

    衆議院議員(村山達雄君) ちょっと、提案趣旨……
  44. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 いや、証券局長に聞いてから、答弁してください。
  45. 村山達雄

    衆議院議員(村山達雄君) こういうことです。いまのを端的に答えますと、これは生活問題のためにやっているわけじゃない。
  46. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 おかしい。あなたに質問しているのでない、証券局長に質問しているのですから。それが終わったら、あなたが答弁してください。
  47. 加治木俊道

    政府委員加治木俊道君) その点はおっしゃるとおりでございます。この名称使用の法律に関しても全く同じでございます。
  48. 村山達雄

    衆議院議員(村山達雄君) 簡潔に申しますと、税理士の業務とそれから職業会計の業務は違います。片方は税務に関する問題でありまして、もちろん会計がわからなければだめでございますが。独立して会計業務は十分成り立っております。それから、業務のうちどちらが中心かと申しますと、監査、証明よりも、一般に自由職業でありますいまの残されている分野、自由業務のほうが、大体、生活でいいますと大部分を占めておるのでございます。これをほうっておきますと、この法律が出なければ、公認会計士は公認会計士の名前において自由業務ができます。税理士は税理士の名前において自由業務ができます。それ以外の者も自由業務はできます。ただ、計理士とそうでない一般の人がこの自由業務をやるときに、一般の人が計理士の名前を使うことができるというだけでございます。だから、税理士は税理士の名前、公認会計士は公認会計士の名前、従来の計理士はやはり計理士の名前を自由業務に使って、ほかの方々は御遠慮願いたい、ほかに適当の名前を考えてください、こういうことでございます。生活問題とは別にこれは関係ございません。
  49. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 計理士をいままでやっていた人が、やっぱり財務に通暁し信用がなければなかなかできないし、いままで長い間そういう信用で自分の地位を得てきたと思うのですよ。だから、しろうとがこれから計理士という名前を使ってやっても、そう簡単に、いままで計理士やっていた人、それを押しのけてどんどんやれるというものでもないと思うし、もし実際にほかの人が計理士の名前を使って財務のこともやることによって、いままで計理士であっていろいろな仕事をしていた人の生活を脅かさない、その心配がないというなら、何もこういう——せっかく計理士制度をやめて、さっきの証券局長もまぎらわしいことは事実であると言われているのですから、そんなめんどくさいことをしなくてもいいと思うのですよ。どこにねらいがあるのかよくわからぬですよ。実際問題として生活に困らなければいいじゃないですか。
  50. 村山達雄

    衆議院議員(村山達雄君) 生活に困るというのは、いまこれを使わなければ、やらなければあすにも困るという意味ではないのでございますが、ただ計理士という名称は四十年間の歴史を持っておりますし、やっておりますので、相当の信用もついておるわけでございます。そうして今後も、この法律がなくても使えるわけでございますが、一般の方もまた使えるわけでございます。そうして一般の方が使いますと、第三者はやはり名称でもっていくわけでございます。計理士制度がどうなったとかそういうことでなくて、その名称で、この人はちゃんとした簿記、会計を修めた人で、相当経験のある人だ、こういう誤認をするわけでございますので、反射的に、計理士の制度の廃止はしんぼうするとしましても、その名称までほかの人に使われるというのはあまりにも気の毒じゃないか。また、従来であってもこの人たちは使えなかったわけでございますから、少しそれは利害の調整としては行き過ぎじゃないか、こういうことでございます。
  51. 柴谷要

    柴谷要君 答弁を聞いていると、やはり私どもがこの問題を今日まで延ばしてきた理由の一端が正しかったという認識をするわけです。これはその道の専門家であるあなたの答弁を聞いておると、最初の答弁とだんだん最後答弁のほうはちょっとおかしくなってきた。これは御自身はまあ必死になっておやりになっておるかと思いますが、冷静に聞いておるとそんなことだ。  ですから、議員立法なるものは私は慎重にやってもらいたいと思う。ただ同僚が出したから義理のために賛成しなければならぬということで、衆議院で出したから衆議院の全体、これは自民党さんも共産党さんも賛成したはずなんです。しかし、同僚議員が出したんだからという義理立てで賛成をして、参議院送りなんということは、今後慎重にやってもらいたいと思う。私は今日までこの内容については検討してきました。それは各方面からいろいろな意見があるのです。それは、この法律案を通すために力説されたあなたの御意思はわかります。わかりますけれども、またそれに反論した逆論というものが相当多くある。そういう点もひとつ御反省をいただきたい。これは今後の議員立法等については慎重にやっていただきたい、こう思うわけです。時間がございませんし、本会議もありますから、これ以上のことは申し上げませんけれども、どうかひとつ、議員立法を衆議院でやられる場合、もちろん参議院でも議員立法などやる場合には慎重にいたしますけれども、とにかく今度の問題については、いろいろ各方面から意見が相当に出ておるということをひとつ銘記せられまして、これらの方々の声もやはり聞いてやる必要がある、こう考えます。時間がありませんから申し上げませんが、公認会計士さんは公認会計士さんの立場、税理士さんは税理士さんの立場意見があります。ありますけれども、これは時間がありませんから申し上げませんが、どうか議員立法をなさる場合には、ひとつ慎重にやっていただきますように、この機会にお願いしておきたいと思います。
  52. 竹中恒夫

    委員長竹中恒夫君) 他に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  53. 竹中恒夫

    委員長竹中恒夫君) 御異議がないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もないようですから、討論はないものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  54. 竹中恒夫

    委員長竹中恒夫君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。計理士の名称の使用に関する法律案を問題に供します。本案賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手
  55. 竹中恒夫

    委員長竹中恒夫君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じまするが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  56. 竹中恒夫

    委員長竹中恒夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  57. 竹中恒夫

    委員長竹中恒夫君) 次に、第一二号ガソリン税軽油引取税軽減に関する請願外百八十件の請願を一括して議題といたします。  速記をとめてください。   〔速記中止〕
  58. 竹中恒夫

    委員長竹中恒夫君) 速記を始めて。  源泉徴収に係る所得税大幅減税に関する請願外五件の請願は、議院の会議に付するを要するものにして、内閣に送付するを要するものと決定することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  59. 竹中恒夫

    委員長竹中恒夫君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。  なお、報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  60. 竹中恒夫

    委員長竹中恒夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  61. 竹中恒夫

    委員長竹中恒夫君) 次に、継続審査要求についておはかりいたします。  国債整理基金特別会計法の一部を改正する法律案につきましては、閉会中もなお審査を継続することとし、本院規則第五十三条により本案継続審査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  62. 竹中恒夫

    委員長竹中恒夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  63. 竹中恒夫

    委員長竹中恒夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  64. 竹中恒夫

    委員長竹中恒夫君) 次に、継続調査要求につきましておはかりいたします。  租税及び金融等に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本院規則第五十三条により本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  65. 竹中恒夫

    委員長竹中恒夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  66. 竹中恒夫

    委員長竹中恒夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  それでは、これにて散会いたします。    午後十時四十四分散会      —————・—————