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1967-05-31 第55回国会 参議院 大蔵委員会 第15号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十二年五月三十一日(水曜日)    午前十時三十四分開会     —————————————    委員異動  五月三十一日     辞任         補欠選任      林屋亀次郎君     任田 新治君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         竹中 恒夫君     理 事                 青柳 秀夫君                 植木 光教君                 藤田 正明君                 柴谷  要君                 中尾 辰義君     委 員                 青木 一男君                 伊藤 五郎君                 大竹平八郎君                 大谷 贇雄君                 小林  章君                 西郷吉之助君                 塩見 俊二君                 任田 新治君                 徳永 正利君                 西田 信一君                 日高 広為君                 木村禧八郎君                 田中寿美子君                 戸田 菊雄君                 野溝  勝君                 二宮 文造君                 瓜生  清君                 須藤 五郎君    国務大臣        大 蔵 大 臣  水田三喜男君        国 務 大 臣  宮澤 喜一君    政府委員        経済企画庁調整        局長       宮沢 鉄蔵君        大蔵政務次官   米田 正文君        大蔵省主計局次        長        岩尾  一君        大蔵省主税局長  塩崎  潤君        大蔵省関税局長  谷川  宏君        大蔵省理財局長  中尾 博之君        大蔵省銀行局長  澄田  智君        国税庁長官    泉 美之松君        食糧庁長官    大口 駿一君        通商産業省通商        局長       山崎 隆造君        自治省財政局長  細郷 道一君    事務局側        常任委員会専門        員        坂入長太郎君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○所得税法の一部を改正する法律案内閣提出、  衆議院送付) ○法人税法の一部を改正する法律案内閣提出、  衆議院送付) ○相続税法の一部を改正する法律案内閣提出、  衆議院送付) ○租税特別措置法の一部を改正する法律案内閣  提出衆議院送付) ○印紙税法案内閣提出衆議院送付)     —————————————
  2. 竹中恒夫

    委員長竹中恒夫君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。  所得税法の一部を改正する法律案法人税法の一部を改正する法律案相続税法の一部を改正する法律案租税特別措置法の一部を改正する法律案印紙税法案、以上五案を一括して議題といたします。  質疑のある方は順次御発言願います。
  3. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 まず大蔵大臣に伺いたいのですが、予算が通りまして、本予算がいよいよ実施段階に入るわけです。それに関連いたしまして、今後の財政金融運営が重要になってくると思うのです。したがって、今後の財政金融運営の問題について重点的に伺っておきたいと思うのです。  その前に一つ伺いたいのは、衆議院予算が通るにあたりまして、附帯決議が出されておりますね、五つの。その第一は、課税最低限夫婦子供三人で百万円まで、これを極力早く実現するということ、第二は、公共料金をなるべく引き上げないようにする、そのためには財政投融資の原資を極力利用するということ、第三は、いわゆる交通安全の問題ですね、交通対策にもっと積極的に政府が取り組めと。それから、第四は、住宅問題、第五は、公害の問題、この五つについて附帯決議、これは満場一致なんです。自民党さんもこれはやはり承認されておるのですから。  そこで、ここで締めくくりとして、あの附帯決議に対して大臣は尊重するということをお述べになっていると思うのです。私は速記録を見ておりませんが、当然尊重しなければいけないと思います。そこでもって具体的に伺いたいのは、まず附帯決議をどのように具体化していくか、時間ありませんから、簡単にひとつ大臣の御答弁を願いたいです。第一、夫婦子供三人で百万円までの課税最低限を、われわれは四十二年度にこれを実現せよという要求を出したんです。附帯決議では、これを極力近いうちにやるべきだという附帯決議になっております。いつごろまでにおやりになるかということと、もう一つ、これは確認しておきたいのですが、物価との関連について何ら触れていないです。ですから、物価が上がったらスライドしていくのかどうか。大臣昭和四十四年ごろ百万円に実現したいと言われておりますが、しかし、そのときに物価が、たとえば五%なりあるいは一〇%なり上がったら、その上積みをするのか、百万円プラス十万円という上積みをするのか。そうでないと意味がない。この点についてまず伺いたい。
  4. 水田三喜男

    国務大臣水田三喜男君) 御承知のように、昭和四十五年までには課税最低限を百万までにするというのは、もう公約でございましたが、この間の附帯決議は、可及的すみやかにということは、これが予定であっても、できる限りそれより早くするような努力をせいという意味だと思いまして、私どももいまそういうふうにするつもりでおります。できるだけこれを早くやると。ただし、これは衆議院でも言っておりますが、何年にやると言ってやれなかった場合は、これは約束違反になりますので、私どもは相当用心して、四十五年までにはやると、お約束としてはそこまでだが、これができるだけ早くやることに努力するといういま返事をしてあるところでございます。  それと、こういう場合の、なるたけ早く百万円というときの百万円は、普通、これがあと三年たてば物価動向がどうなるから、実質これは何万円を意味するかというようなことを頭に入れてやっているものじゃない。通常成長率で、普通の物価伸び率というようなことを前提として、百万というような金額を言っていることでございまして、先に行って急に大きい物価変動があるとかなんとかいうことは別でございますが、そうでない意味で百万円ということを私どもは言っているので、これは名目実質でこまかく計算をしてものを言っておるというような意味ではございませんので、問題は早くやればそういう問題はなくなる、いまのところはできるだけ早く百万円、最低を百万円にする努力をしたいというふうに考えております。
  5. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 大蔵大臣、前に田中寿美子さんが本委員会で、課税最低限で質問したときに、これは実質価値考えるということを言われたのですよ。いまのお話ですと、名目実質というのは頭に置いていない。結局、結論名目でいくということですよ。そうでしょう。そんなら、具体的に四十五年までに物価がどれだけ上がるかということを前提にしているのか、長期計画もございましょうが、一応それをお示し願いたい。そうでなければ、国民実質考えているのですから、これがかりに、そういうことはないでしょうけれども、二割も三割も上がったような場合、いまのような大臣の御答弁なら、それでも百万円に引き上げると言ったことは、自分が食言しているのではない、うそを言ったのではない、こういう言明もできるのですよ。その点はもっとはっきりと、国民が望んでいるのは名目じゃないんです。実質最低課税限どのくらい、最低課税限を設ける趣旨そのものが、やはり最低生活には課税しないということが原則なんですから、そこから出ているのですから、名目じゃしょうがない。これはもっとはっきりしてなければならぬ。ここが一番ポイントになっているのです。その点はっきりしてください。
  6. 水田三喜男

    国務大臣水田三喜男君) 記録を見ますと、前の大臣のときにそういうことを言ったようでございますが、理屈からいえばそうなると思いますが、普通、短期間に最低限を百万円にするということは、科学的に計算して、初年度はどのくらいの物価が上がるだろう、その次はどうだから、実質価値が八十何万になるだろうというようなことを、普通いってこれをスローガンにしたりなんかするということは通常ないことございますので、そういう意味で、私ども実質とか名目でなくて、課税最低限を可及的すみやかに百万円にすると言っているわけでございまして、これを百万円にするという計算した金額を示せと言われても、はっきりした計算はできませんか、しかし、実際にやる場合には、物価動向もこれは勘案いたしますし、いま私どもの大体考えでいっても、四十五年になったら、ぴったり課税最低限が百万円になるというふうにも思っておりません。やはり物価事情考えて、おそらく四十五年度になったらもう少し最低限は上げられるのじゃないか。しかし、そういうことはともかくといたしまして、大ざっぱに幾らというものを示して努力すればいいんで、そういう、私ども目標が可及的すみやかに百万円ということでございまして、この実質名目というようなことをあまり重視してはいま考えておりません。
  7. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 非常に前進したような、後退したようなことですね。百万円以上になるかもしれない。しかし、それは物価が上がって、名目的に百万円以上になったといっても、意味をなさないのです。いま抽象論を戦わしているのではなくて、いま煮詰まっているのですから、具体的に夫婦子供三人、百万円と、これで今度の国会でずいぶん議論されたのです。とうとう最後に物価の点については明らかにしないで逃げてしまっているのですから、そこをはっきりさせなければ意味がないのですよ。名目的に百万円と言っても。だから、これを明らかにすべきだと思う。そういうような議論はないというけれどもスライド制というのは賃金だってあるんですよ。アメリカでは一割物価が上がったときに、全部スライド制といいませんが、労働協約で、たとえば五%上がったら三%スライドするとか、二%スライドするとか、そういうスライドというものは貨幣価値変動するときにはあるんですよ。貨幣価値変動しなければいいですよ。ですから、政府公約すれば、物価対策に今度は熱心になる。実質で百万円にしなければならぬ、そういうことを約束すれば、四十五年までになるべく物価を上げないように政府努力する。そういう努力一つのきっかけになるのですから、物価対策として、もし名目的だというなら、物価が上がったって、それに対して大蔵当局は責任がないのだからといって、物価対策に真剣にならない。むしろここで実質的に百万円だということを、大蔵大臣、言われたほうがいいと思う。そうすれば、実質ですから、物価が上がったらそれ以上上げなければならぬから、ほかの閣僚に大蔵大臣は言うべきですよ。実質百万円約束しておるのですから、諸君は物価を上げないように協力すべきだと。大蔵大臣は単なる出納の事務官吏じゃありませんよ。そういう大きな政策的な立場からも、それはもちろん発言されたと思うのですが、そういうやはり発言をする。物価対策についても大蔵省は重要な役割りを演じなければなりません。そのためには実質だということをここではっきりさしたほうがいいですよ。いかがですか。
  8. 水田三喜男

    国務大臣水田三喜男君) これは木村さんのお考えとして私はどうかと思うのです。こういうことをはっきりさせる必要は私はないと思います。それが政治であって、こういう目標を掲げておけば、現実には物価の情勢、いろいろなものが勘案されて、適当に措置されていくものであって、これが科学的に百万はもう実質百万だ、したがって四十五年はこうだ、四十四年にもし実現したとすれば、そのときはこうだということを私はきめる必要はないと思います。もしそういうことでしたら、もう年金制度で、何歳になったら何万円という一応の目安をきめたって、最初はそうだが、その次の年には実質がこうなるとかああなるだろうとかいうようなことをやったら、将来についての金額目標を示すなんということは事実上できませんし、私ども努力目標としてこうだということで実施する場合には、当然そういうものもいろいろ考えられてきめられるということはあり得ましょうが、これをいま三年先、四年先のものを論議するときに、これは科学的に計算した実質であるなんということを、私はこういう問題についてはっきり断わったり約束する必要というものはない。それはもうそういうことをしないのがむしろ政治であるとすら私は思っております。
  9. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 大蔵大臣、大きな考え違いですよ。貨幣価値が安定しておる国においてはそうなんです。それが常識ですよ。しかし、日本はいままで、特に昭和三十五年後半、六年から六%ずつ貨幣価値が下がっておるのですよ。これはもう世界でこんなに毎年貨幣価値が下がっておる国はありませんよ。しかも、今後そういうもうほとんど一、二%ならわれわれ言いませんよ。今後まだ政府だって四・五%だ、ことし。さらにこれも五%になるかもしれません。  それじゃ、私ここでもう大きく譲歩して、こういう提案をしてみます。いまの長期計画では、四十五年までに物価を何%上がるということを前提にしていま声か。かりにそれ以上それじゃ上がったら——おそらく二%くらいですよ。それ以上上がったら、それだけスライドするか。ほんとうはそれじゃいけないのですけれども、大まけにまけて、それ以上上がったらスライドするか。大蔵大臣は、はっきりと何十何万円と数字で示せと、そんなように要求しておるとお考えになるが、そうじゃないのです。百万円なら百万円でいいのですが、物価が上がったときにスライドするかしないか。これを度外視して、貨幣価値がどんどん公債発行でまたインフレ的な状態にあるそういう国において、物価課税最低限なり減税等の問題を関連させないで考えるなんということはナンセンスなんですよ。国民をごまかすものなんですよ。そうでなければいいですよ。大蔵大臣、もう今後物価は二%以上上げないと、ほんとうにここでお約束はできないでしょう。できないからこそスライドせいと言う。できるなら国民は安心する。そんなこと無理な要求のようなことはしないですよ。これは常識じゃありませんか。そうでしょう。物価はどんどん上がったら、減税といったって、これは国民をごまかすもので、実質的には増税にもなっている。その点を大蔵大臣、少し真剣にお考えになってもらいたい。無理な注文を聞いているようにお考えになられては困るのです。これは常識じゃないですか。こんなに貨幣価値が下がるというときに、物価が上がるというときに……。これはもう一度、大蔵大臣考え直してもらわないと困りますね。
  10. 水田三喜男

    国務大臣水田三喜男君) 何度も言うようですが、われわれ、たとえばいま言ったように百万円にするということは、普通の状態を見通してみんな世間では言っていることと思います、常識的に見て。特別の変動があるというようなことでしたら別ですが、そうでない限りは、大体あと三年とか四年ということにして、このくらいの程度に経済も進んでいくだろうし、物価値上がり方もこのくらいだろうということを前提とした言い方をしているのが普通だと思います。ですから、この二、三年を周期にして、ときどきいろんなものを見直すことが政治では必要で、見直しのときにおいていろいろそれが調整されればいい。また、現に政治ではそういうことをやっておると思います。たとえば中小企業の規定をするにしても、一億円以下をこうときめた場合に、通常のこの経済の進み方によったらということを頭に入れて法律では一億ということをきめるのですが、今年度一億ときめたから、実質年度はこれが幾らと見る、再来年度はどのくらいと見るといって、一々定義を変えるというようなことをやっていませんし、通常状態の二、三年を頭に入れてみな数字をあげている。しかし、現実とはいま言ったように違ってきまずから、二、三年のうちに政策は便宜きめ直して訂正していくというやり方でやっておりますので、実際上の問題はあなたの言われるような考慮が政治では払われるでしょうが、私どもがいま約束する場合に、実質とか名目ということをわざわざ断わって私はお約束する必要はないのじゃないかと思います。
  11. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 もう結論実質とか名目にとらわれないということですが、結局は名目なんです。実質ということは誤りであって、実際にとらわれないといっても名目でしょう。  私は、これからかなり数年、長期にわたって公債発行の趨勢になっていくわけですから、そういうもとにおいて、大蔵大臣物価の問題、貨幣価値の問題についていまのようなお考えでは、これはもう大蔵大臣として私は重大な欠陥だと思うのですよ。やはりほんとう健全財政によって、そうして公債を発行してもインフレにならないようにする、そういうかたい決意がなければいけないのです。それにはここでやはり実質的にものを考えるという、そういう考え方で財政運営をやらなければ、もう行き詰まりますよ。ことに公債発行のもとだから、物価値上がりというもの、貨幣価値低落を重く見なければいけない、税制を見る場合。これは一番重要なんですよ。物価が安定している国ならいいですよ。そうじゃないのですから。もう暗闘がなくなりますから、私は大蔵大臣の百万円ということは名目であると、結論として。それでは全く意味がないと思う。ごまかしである。この前、百万円で四十五年まで、実質と言ったことは、これは名目であって、物価の騰貴を押える、貨幣価値低落を押えるということが前提にならなければ意味がないということを、私はもうはつきりわかりました。  そこで、次に伺いたいのは、地方税のほうの課税最低限です。これは今度の国会でも、あれ、附帯決議ついていますね。本年度課税最低限幾らになりますか。そしてあの附帯決議によると、四十三年は課税最低限幾らになりますか。
  12. 細郷道一

    政府委員(細郷道一君) ちょっと、私の担当でございませんので、もし誤っておったらあとで訂正さしていただきますが、現在、住民税課税最低限標準世帯四十三万円でございます。  で、先般来国会の御審議におきまして、来年度はぜひ住民税課税最低限引き上げるようにという御審議の過程におきまして、いろいろ御議論がございました。いろいろ附帯決議も実はちょうだいをいたしております。来年度かりに各控除を一万円ずつ上げるといたしました場合は、それによりまして約三百四十億ほどの減、それに給与所得控除引き上げ分が別途自動的に現行法では作用いたしますので、その分が約三百億、都合六百四十億ほどの来年の税収減、こういうことが一応見込まれます。非常に大きな額でございますので、私ども趣旨は尊重しなければならないと思いますが、来年度以降の地方財政の状況もよく勘案して、慎重に検討いたしたいと、かように考えております。
  13. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 もう少し正確に答えてください。四十三万円が幾らになるのですか、さっきお話ししたように各種控除を一万円ずつ引き上げると。
  14. 細郷道一

    政府委員(細郷道一君) 各種控除を一万円ずつ引き上げると、給与所得控除引き上げが作用いたしますので、約十万円上がります。
  15. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 いま事務当局の御答弁ほんとう大蔵大臣に伺わなければならないのです、大蔵大臣とも関係があるので、大蔵省とも。いまのあれだと六百四十億歳入不足になっていくわけですね。その場合に、自治大臣住民税課税最低限所得税課税最低限との非常な格差、これは縮めることを努力するということを明言しておるのですよ、たびたび。そうしてこれを自民党も含めてあの附帯決議になっているのですよ。われわれ社会党は、あの附帯決議には、各種控除を一万円ずつ引き上げるというのは、社会党基本方針からいえば非常に不満なわけです。少なくともすぐに増額はなかなかできません、また地方税の性格もありますから。しかし、必ずしもわれわれは地方税応益原則そのままを認めているわけではありませんけれども、しかし、少なくともあの附帯決議の線くらいはこれはやらなければ公約違反になりますよ。あの経過は公約しているのですよ。単なる決議だけではないのです。しかも、事務当局はその他の財政事情を勘案してと言いますけれども、これは大蔵大臣にとって重要な関係があるのです。  それじゃ、六百四十億歳入欠陥になるのですが、それでも五十三万円まで引き上げるのを認めるか認めないか、これをはっきりさせなければ、いままで所得税住民税との課税最低限格差を縮めると言ったって、それは全くその場限りのしのぎの答弁にすぎないということになるのです。もうこの段階で、予算も通ったのですから、ここで詰めて、いままで予算委員会でずっとやってきたことについて、これは実にはっきりされておりますので、確認しなければならない。そうしなければこの税法を通すことはできませんよ、われわれは。いままでだいじょうぶだと言って、この段階ではっきりさせなければ、われわれ税法を通せぬですよ。租税特別措置、これは増収になるのですから、これは流れたってけっこうです。歳入欠陥ではないのだから、むしろ。この点はっきりさせてください。
  16. 水田三喜男

    国務大臣水田三喜男君) 野党一致決議した事項については、もちろんこの線に沿って来年はやるつもりでおります。地方税の問題などは、自治省を中心にしてもうすでに課税最低限引き上げ作業に入っておりますし、逐次来年の予算編成までには私ども決議趣旨に沿った検討を十分するつもりでおります。     —————————————
  17. 竹中恒夫

    委員長竹中恒夫君) 委員異動について御報告申し上げます。  林屋亀次郎君が委員を辞任され、その補欠として任田新治君が選任されました。     —————————————
  18. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 そうしますと、これは非常に重要な発言ですが、われわれは限度には不満ですけれども、百歩譲って、課税最低限について、あの附帯決議には少なくとも本年度十万円引き上げの五十三万ですわね。そうしますと、六百四十億歳入不足になる、これをカバーするようにいま作業中であると、そういう御答弁だったのです。そうすると、来年は少なくとも最低この線で財源調整をやると、それはもうここでそのことをいま大蔵大臣お述べになったと解してよろしいわけですね、お約束したのですから。それでよろしゅうございますか。
  19. 水田三喜男

    国務大臣水田三喜男君) 来年度予算編成までにはそういうものを十分検討いたします。
  20. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 まだ地方財政については、このほかに公債発行下における交付税の問題があるわけですね。地方制度調査会答申していますね。四十二年度あるいはその後における公債発行下における国が地方に配分すべき財源についての答申をしています。これは国税プラス公債の二三%、これによれば一兆円ちょっとこえますよね、計算しますとね。ところが、交付税は八千九百億ぐらいですか、足りないわけです。四十三年度以降はこの答申どおりにやるのかやらないのか。そうしなければ、この答申にあるように、公債発行によって公共事業費等歳出がふえるのに対して、交付税はこれまで所得税法人税、酒税の三二%ということになっていますが、それでは地方自治体の財源不足になりますから、それを臨時交付金みたいなことでカバーしてきた、あるいはまた租税自然増収等でカバーしてきたが、今後はそうはいかなくなる。いまの最低限引き上げることによる六百四十億、これを措置しなければなりません、政府は。それに今度は公債発行下における国が地方に交付すべき財源措置としては、国税及び公債発行額を寄せたものの二三%とすると、かなりいままでの交付税よりもよけい行くことになりますよ。また、そういかなければ地方自治体が困る。  それから、もう一つは、電気ガス税は悪税であると。いまこれを撤廃すれば六百億以上歳入欠陥になりますから、できないでしょうが、少なくとも来年度は、総理大臣が悪税と言った以上は、だんだんにこれを軽減すべき方向に措置しなければならぬと思うのですね、少なくともですよ。そうしなければ来年はまた非常な問題になりますよ、悪税と言った以上。  そうなると、来年はいよいよ国の財政地方財政を根本的に、これは事務の再配分を基礎にして、そうしてその財源配分を根本的に調整しなきゃならない段階に来ているんじゃないかと思うのです。これまでわれわれはよく、地方の自主性を確保するために思い切って地方に自主財源を移譲すべきだということを主張してきたのですよ。それについては、答弁は、それはごもっともです、しかし一番その基礎になるのはやはり行政事務の国と地方との再配分がきまらなければこれは困難だと。ところが、九次、十次の答申ですね、この地方制度調査会でこの事務の再配分についてのこまかい答申が出てきているわけです。だから、もう出てきているのですから、これを基礎にして、そうして四十三年度はここで根本的に国と地方財政との財源の配分について検討しなきゃならぬ段階に来ているのじゃないでしょうか。検討だけじゃなくして、実行に移さなければならない段階に来ていると思うのです。この点、どうお考えになるか。  これは四十三年度予算編成一つの大きな問題じゃないかと思うのですね。国の財政地方財政との調整問題、いままでどおりじゃやれません、公債発行下における国と地方財源調整は新たなる段階に来たのですから。いままで臨時交付税とかあるいは租税自然増収で一時的に糊塗してきましたけれども、来年からはそういう糊塗的手段では許されない段階に来ておるのです。この点についてどうされるか、伺いたいと思いますね。
  21. 水田三喜男

    国務大臣水田三喜男君) 中央、地方財源の再配分というものは、どうしてもこれは近くやらなければならぬと思います。特におっしゃられるように公債を発行したと、国が公債を発行したという事実に基づいて、地方税のあり方というものはどうしてもここで調整する必要に迫られておりますが、そのしかたとして、調査会から一つの二三%論という御意見が出ていることは御承知のとおりでございますが、この考え方ではこの中央、地方の税制調整というものは私はできない。これはもう国債と国税というものを全く同じに見た考え方で、それをもとにしてこの中央、地方の税のほうだけ調整しようとしても、これはもうどうにもいきませんので、そうじゃなくて、国がなぜ公債を出すかといったら、やはり将来国民の資産として残る公共投資にこれを使おうということですから、これは効力を発揮すると同時に、国だけじゃなくて地方にとってもこれは効用を発揮する一つの資産でございますので、国がそういう資産をつくるために公債を出すというのでしたら、地方の対応のしかたも、地方税をどうするかということをやはり中心に考えてこなければ、この全体の調整はとれないというふうに思われますので、調査会のような考え方じゃなくて、そういうような考え方を中心にして、中央、地方財源の再配分という合理的な解決のしかたを私どもはこれから検討しようというふうに考えております。
  22. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 私も公債発行には、党としては反対ですから、そういう地方制度調査会答申どおりにやるべきだという意見ではありません。ただ、地方制度調査会のそういう答申がありますから。しかし、要は、地方制度調査会答申のような方向でやらないにしましても、何とか四十三年度には、国と地方の行政事務の再配分に対する答申が出たのですから、これをもとにしてやはりこれまでの国と地方との財源の配分のやり方は変えていかなければならぬじゃないか。とにかく公債発行下においては現実にそういう問題が起こってきておるのですね。いままでどおりにとてもできない。そこで、どういう方法によるか、所得税のほうを、たとえば勤労所得税の一定割合を地方に移譲せよという議論もあります。それから、これは私思いつきなんですが、専売益金、あれは財政専売としてはもうあまりこの比重が大きくなくなったのじゃないかと思うのです、たばこ消費税としてだいぶ取られるのですから。だから、財政専売益金を、あれを移譲してしまうということもまあ考えられるんじゃないかとも思うのですがね。どういう方法をお考えですか。所得税減税して地方税を増税する——前に一ぺんやりましたね。しかし、あれはああいうやり方では少し問題があるのじゃないか。この前のあれについてどうお考えになるか、あれでよかったのかどうかですね、あのやり方を。今後もそういう方法でやるか、そうじゃないとすればどういう方法でやるか、何とかしなければならぬでしょう。いままでの交付税のやり方、三税の何%だけでしのいでいけるということは、これはいけないですわね。それにかわるものを、地方制度調査会のように国税プラス公債発行額の二三%、このとおりにやることは問題であると思う。私もあると思いますが、そのやる方法についてどうお考えになるか、この点について伺います。
  23. 水田三喜男

    国務大臣水田三喜男君) 御承知のように、ことしの地方税収は非常なふえ方でございまして、それによっていろいろな問題は今年度解決しておりますが、来年度もまたどういうふうに地方税収がなるか、この見込みをつけて、それによって今後の対処のしかたを考えるというのがやはり合理的であると思いますので、私どもは来年度地方税の見込みと関連させた対策を考えようと、こう思っております。
  24. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 私の質問しているのは来年のことでない。当面ももちろん重要ですけれども、かなり長期にわたっての国税と地方税財源の配分を考えなければならぬ段階に来ているのではないか。答申にもある。これはまあ一つは、片方の答申はこれは臨時的な当面の答申ですけれども、ここで根本的にそうした国、地方を通じての財源の配分の問題、またかなり長期的な税制についても考え直さなければならない段階に来ていると思うのです、この公債発行下において、もう二年以上でしょう。それを聞いているのです。ただ当面様子を見てなんという、そんなことではなくて、基本的にこれははっきりしなければならない段階に来ているのです。大蔵大臣答弁できなければ、事務当局でもけっこうです。いろいろやってもいいのではないですか。
  25. 細郷道一

    政府委員(細郷道一君) 御承知のように、地方制度調査会で行政事務再配分の具体案が提示されたわけでございます。その際、事務だけやっても財源問題が片づかないといけない、実効性が薄いということから、それに必要な財源配分をどうするかということが、あの答申の際の次の課題に残っておるわけであります。その問題を現在開かれております地方制度調査会——第十一次の調査会でありますが、これの議題の一つにいたしております。あわせて地方自治と現在の社会経済の情勢とが、特に区域その他違った点が出てまいっております。具体的には、過疎の問題であるとか過密の問題でありますとかいう問題が出ておりますので、そういった新しい事態にどう対処していくかというようなこともその課題になっておりまして、それぞれ地方制度調査会を近くまた再開をいたしまして、そこで十分御審議をいただき、その審議の結果を政府として尊重してまいりたい、こういうふうに考えております。
  26. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 政府地方制度調査会答申を尊重していないですね。さっき言われたようにこの点についてはあまりしていない。地方制度調査会は権威ないですよ。  そこで、まあこれは大蔵大臣が一番あれですね、真剣に考えていかなければならない問題だと思うのですが、やはりこの国の財政地方財政は、言うまでもないのですが、ますます切り離しができなくなって、一体として考えなければならない段階に来ていますね。ことに公債発行下になってからは、これはもう切り離して考えられないのです。ですから、四十三年度は、国の財政地方財政との関連について四十二年度予算を編成したような考え方ではいけないので、これは根本的に考え直さなければならない。さっきのお話にありましたが、いろいろな地域社会においても過疎の問題、過密の問題、いろいろ変動もありますが、そういうものを含めて、何かこれは根本的に考え直さなければならないと思うのですけれども、そういう時期に来ていると思うのです。いままでのマンネリで、四十三年度予算公債発行を中心で編成する、そんな程度で、また様子を見ながら、景気がよければ自然増収があるから、そこでまあ四十二年度のような組み方でいいというような安易なものではなくて、これはもう基本的に考え直さなければならぬ段階に四十三年は来ていると思う。どうですか、その点、何かこれから研究されるか、検討されますか。
  27. 水田三喜男

    国務大臣水田三喜男君) 結局は中央、地方の事務の再配分をどうするか、そこまで問題がいかなければ私は根本的な解決ができないものと考えています。そうしますと、やはり行政機構の改革の問題でございますが、中央政府の機構についてのいろいろな研究は過般臨時調査会でなされましたが、これと地方との関係による作業はなされなかったということが、私はあの調査の致命的な欠陥ではなかったかと思っております。場合によったら、ああいう調査会がさらに研究の対象を広げて、中央と地方との行政のあり方というものにもう一歩入ってもらいましたら、いままでの調査研究が全部やはり生きてくるということになりますので、私は何としてもこの問題に近いうちに取り組まなければいけないというふうに考えております。
  28. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 大蔵大臣のいまのことば、そのとおりだと思うのです。なぜ早くそれをやらなかったですかね。地方制度調査会ではかなりこまかく出ておりますし、それから臨調のほうでもいろいろやっておりますが、その点は確かに臨調のほうは地方の機構を含めたあれではないですね。総合的にやる必要がある。いま大蔵大臣、何かそういう新しい調査会というものを設けるか、どういうふうにするかわかりませんが、どういうような形でおやりになりますか、何かお考えがあるならお聞かせ願いたい。これは非常に重要なことだと思います。至急にやらなければならぬ。いかがでしょう。
  29. 水田三喜男

    国務大臣水田三喜男君) 私は、この問題は至急政府部内で研究したいと思っております。
  30. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それから、もう一つ、税制の基本に関する問題なんですが、この間大蔵大臣が須藤委員の質問に対しまして、今後間接税の比重をふやすような方向で考えていくと、こう言っておりました。大蔵大臣はどういう租税原則によって今後日本の税制を考えていこうとしているのか。  あまり具体的になると悪いかもしれませんが、主税局長さんが非常に尊敬しているアメリカのグード先生がいるわけですね。租税の専門家です。大蔵大臣お読みになったと思うのですが、「個人所得税」という、これは名著です。これは主税局長さんが翻訳しています。この翻訳も非常にいい翻訳ですよ。私も非常にこれは勉強させてもらった。これによりますと、やはり近代的税制の基本は累進制を伴った個人所得税を中心にしていくべきだ。しかも、これはフィスカルポリシーの点からいっても、非常に合理的だということも立証しているのですよ。中にはそういう所得税、累進的所得税を排除しようとした保守的な人たちがいるけれども、うしろ向きの保守的な人たちがいるけれども、やはり近代的税制は累進的な制度を伴った個人所得税を中心にしていくべきであると、これがこの本の中心なんであります。そうして間接税とか売り上げ税とか、そういう考え方は、これはうしろ向きの議論であるばかりでなく、税制調査会の長期税制に関する答申の中でも、やはり累進制を伴った個人所得税を中心にして今後の税制の基本をきめるべきだ、そういう基本をきめるべきだというように答申されているのですよ。  しかも、税制調査会のあの調査をしさいに読んでみますと、ヨーロッパあたりで売り上げ税とか取引高税ですか、ああいう間接税がかなり残っている。日本よりウエートが大きいんですね。だから、日本も間接税のウエートをもっと大きくする必要があると、こういう議論はこれは間違いであるということを税制調査会のあの調査の中にも書いてありますよ。なぜならば、ヨーロッパにおける売り上げ税とか流通税的なものは戦時にやったんだと。戦時課税がいまだに残されているんであって、民主的税制としてはあれは整理さるべきものだ、そういうふうに書かれております。ですから、前向きの税制としましてやっぱり累進制をとった個人所得税、これは最も民主的なものである。間接税はどうしたって逆進制になるんですよ。累進的でありませんし、逆進的ですから。国民所得の公平な再配分の上からいっても、累進制を伴った個人所得税を中心にやはり近代的税制というものは行なうべきであるというふうに述べてあるんですよ。これはもう税制調査会の答申もそうですし、主税局長さんのこれは先生なんだ、先生さえそうでしょう。  ですから、すべて、権威を借りて言うわけじゃありませんが、これはもう長年、民主的な税制としてやはり累進制を伴った個人所得税を中心にすることが最も公平原則に合致すると。それを大蔵大臣は変えていくような発言したから、これはたいへんだと。これはもううしろ向きの税制になって、しかも、戦時的な税制をそこに織り込むということになるんですよ。売り上げ税とか流通税は、あれは税率をちょっと上げればどっさり税収が確保できるんだから、戦時的な税制としてこれは持ってこいなんです。ヨーロッパではまだそれが残っているんですよ。だから、ヨーロッパのそういうまねをしちゃいけないと思うんです。それを立論にして日本に間接税をふやすなんていう議論したら、とんでもないと思うんですよ。大蔵大臣、前のそういう御発言、これは重大な御発言です。これを私は取り消される必要があると思う。もしああいうような形でおいでになるなら、それは近代的な税制とうしろ向きになるんですから、これは自民党だってだんだん脱皮して近代的政党になりたいというんでしょう、そういうときにこういううしろ向きの税制やるなんて、これはもう非常なおくれた、近代的感覚を欠いたそうした政党と言われてもしかたないですよ。これははっきりしなきゃいけない問題ですよ。あの御発言は重大です。これについて、大蔵大臣、お取り消しになる必要があると思いますが、いかがですか。
  31. 水田三喜男

    国務大臣水田三喜男君) そう簡単に木村さんのように結論づけられないと思います。で、ここで論議する時間はございませんし、また私もまだ研究が未熟でございますが、これは大蔵大臣やめてから私はゆっくりこの問題は取り組むつもりでいますので、きょうはまあこの辺でひとつ……。
  32. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 大蔵大臣、そんな、おやめになる必要はありませんよ。それは私は、非常に大蔵大臣は誠実ですし、率直ですし、前にも大臣を経験されて、それは非常に高く評価しております。われわれは人間的にもごりっぱだと思っているんですよ。ただ、われわれとしては政策で対決していくんですからね、政策で。人間的には非常に大蔵大臣に好意持っても、しかし、あの間接税というあれは、あれはいけませんですよ。それは今後に大きい影響を及ぼしますから、ですから、あっさり——あれは何か須藤さんの質問がうまかったので、どうもつり込まれてああいう答弁されたのかもしれませんけれども、しかし、あれはここで直していただかないと、事務当局だって困りますよ。ああいうことを大蔵大臣の口から……。あれは、ですから率直に——おやめになるなんて、やめられてから考えたんではどうもしようがないわけですよ。いま現職のときに、そういうふうに御発言になったんですから、あまりこだわらないで、そうか、君の言うことを聞いてるとやっぱりそうらしいから、じゃひとつ十分検討してみたいと、不十分な点があったかもしらぬと、その程度にやっぱりあれしてくださいませんと、いや、間違っていましたから取り消しますというんじゃ、あまり大蔵大臣として権威にもかかわりましょうし、そこまでは申しませんが、もう少し適当に御発言を……。
  33. 水田三喜男

    国務大臣水田三喜男君) いや、わかりました。何しろ現職中は忙しくてほんとうの勉強はできませんので、やめてからゆっくり勉強したいという意欲を持っていますが、私が考えるのに、外国の企業の中における人件費の構成を見ますと、日本の企業は非常に人件費が少ない、で、賃金水準も諸外国に比べて少ない、しかも設備は優秀で技術も世界水準に行っていると、こういう条件のもとの日本の企業が、なぜ、これ以上賃金をちょっとでも増したらもう日本の企業はやっていけないとか、始終賃金が問題になるのですが、これ程度の日本の人件費の支出で日本の企業がすぐ詰まるというようなことだったら、これはたいへんであって、日本経済に前途がないということになりますので、どこかに欠点があるということから、調べてみますというと、これは金利の問題とか、あるいはいろんな問題がそれはあるとは思いますが、日本のコストを高めるいろんな要素があり過ぎる。そのうちの一つにいまの法人税というものがあると。これは資本構成をどんどん悪くすることで、利益へ税金かけるんですから、一たん国に納めろ、新しい設備をするときにはあらためて銀行から借りろと、こういう税制でございますから、したがって、資本構成はどんどん悪くなるということをもう約束している一つの税制でもありますし、それからまた、利益へ税金かけるということになったら利益を多くなさないということになりますので、非常に日本の産業の中にはむだが多い、冗費がどんどん広がっていくと。これは国際競争を悪くする大きい要素になっておるだろうと思います。と同時に、こういう税のあり方が公平な賃金の分配をはばむものになっている、そういう機能が非常に強く出ているんじゃないかということを考えますと、この税のあり方自身というものは考えなきゃならぬ。  たとえば、いまアメリカの例を、学者のことを言われましたが、むしろアメリカあたりの思想は、企業の利益を、国と企業が分けるという思想じゃなくて、あるべき姿に散らしてしまう。公平な利潤の分配、賃金の分配、そして必要な設備のための内部留保というような形に分けて、国民の所得にこれを還元させておいてから、所得の中から公平な税を取るというような形で、この段階じゃなくて、散らした段階で取るというのが一つの外国の新しい思想にもなっているというようなことを考えますというと、ここで税制について、どの税金が将来成長税として認められるかといいますと、経済がよくなれば国民の所得がふえる。所得というものはこれは成長税の税源になるものでありましょうし、また、国民の所得がふえるということは同時に国民の消費がふえる、消費水準というものが高くなる。消費水準の低いときに税金をかけられたら国民の生活は苦しいのですが、所得水準が上がって消費水準が上がるというときには、その中に合理的な税源というものを求めることはできないかというような、将来の長いことを考えた場合に税制については研究課題があるだろうと。この課題を出しただけでありまして、それがいまのこの日本の所得水準や何かから見て、間接税といったらすぐ大衆課税で何だかんだという、すぐそういう角度からの批評というのでは、私まだ少し先の考えが足らぬような気がして不服なんですが、きょうはひとつ避けまして、問題はひとつ課題として、ゆっくりこれはもう少し体系的に勉強するつもりであります。
  34. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 率直なお考えが述べられましたが、それはすぐにといいますけれども、これは長い間の税の問題——フランス革命以後一番大きい民主革命の基本なんですから、税は。ですから、すぐに間接税は大衆課税であるからけしからぬと、そんな単純に考えちゃいけないと大蔵大臣は言うけれども、その真理はちっとも変わらないですよ。また、近代社会になりましても、いろいろな要素を勘案してアメリカあたりでも、やはり累進制を伴った税制は個人所得税よりしかないのですから、これを推進しないで所得の分配の不均衡を是正するということは、税制面からでは困難ですね、比例税では。ですから、時間がございませんから、大蔵大臣も十分その点をお考えになりまして、不用意に間接税のほうに重点を置いていくような御発言は、ひとつそこのところは慎重にしていただきたい。税制調査会の答申もありますし、それから最近のこうしたものの研究もありますし、それから租税の公平原則からいきましても、やはり累進制を伴ったそういう税制を中心にしていかなければならぬのですから、その点はひとつ十分に慎重に、間接税に今後重点を置くというような御発言はなさらぬようにしていただきたい。  それから、次に伺いたいのは、租税特別措置につきましてわれわれいろいろ反対してまいり、同僚の委員からもいろいろ質問してきたのですが、最後にその点で伺いたいのは、この法律が改正案が通ると、三年間これがまた臨時的措置として存続されるわけです。ところが、基本的には政府のほうもこの租税特別措置、特に利子配当等については、これはいいとは考えていないようですね。税制調査会の答申も、これは一部の人にこういう特別の減免をすることは納税思想にも悪い影響を及ぼすということであります。政府は、まず一段階として一〇%を一五%に上げたわけですね。税率を五%上げたということになっているわけですね。じゃ、三カ年過ぎて、これは私は賛成しているわけじゃないですけれども、じゃ三カ年過ぎたらどうするのか、廃止するのか。やはりこれは基本的な考え方をはっきりさせなければならないと思うのです。税制調査会でも、これはいますぐには無理でしょうと。だから、一つの経過措置をとりながらやめるべきだというあれですよ。だから、政府は、最終的にはやめるという方針でこれと取り組まなければならぬわけです。いつまでもまた三年、また三年というこういう扱いでは、税制調査会の答申趣旨にも沿わない。この点、今後長期的に見てどうするのか、伺っておきたいと思うのです。
  35. 水田三喜男

    国務大臣水田三喜男君) ただいまの配当控除の問題からも、やはり法人税そのものの性格について検討を要するという問題も出ておりますが、なかなかむずかしい問題でございまして、一年、二年ということで急にこの解決というものはむずかしいと私どもは思っております。したがって、今回のような暫定の措置をとって、その効果を見ながら、またこういう問題について、根本的な解決策の検討というような期間を三年くらい置いて解決するのが適当であろうということでけりをつけたのですが、単にこのままの形でいって、この次は全部なくするということでは、やはり配当控除の問題というようなものも解決しないと思いますので、やはり法人税そのものについての根本的検討を必要とするわけです。税制調査会もすでに取り上げている問題でございますから、向こう三年間にこういう問題の検討を私どもは十分して、結論を出したいと思っております。
  36. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 結論を出したいということは、税制調査会の答申のように廃止するということですか。ただ、いますぐ廃止するというのでは混乱を生ずるから、経過的措置を講じながら廃止しろというのですよ。三年間の経過措置を講すれば十分じゃないですか。ですから、この三年間の間に廃止するというそういう目途で、たとえば法人税についても、それは法人擬制説にいまなっておりますが、法人実在説のほうに改正するのか、根本的な点もあろうと思うのです。要は、三年過ぎたら廃止するというそういう目途で取り組まなければ、税制調査会の答申趣旨にも沿わないわけです。経過措置は三年。三年は経過措置ですよ。  それから、もう一つ、ついでにこまかいことですが伺っておきますが、四、五は暫定で、これは質問があったかと思いますが、四、五は暫定でやって、この法律ではなぜ七月から実施することにして、六月を新税率にしないのですか。六月一カ月だけ新税率にしないことによって、どれくらいの減収になるのですか。
  37. 塩崎潤

    政府委員(塩崎潤君) 最後のお尋ねの、なぜ七月一日に実施したのか、またそれによってどれくらいの税減収を生ずるかということについてお答えを申し上げます。  まず第一に、七月一日からの実施の問題は私どもはこのように考えております。税率の引き上げ、つまり増税ということは、やはり弊害のない限りできる限りゆとりを置いてやったほうがよろしいというのが基本的にございます。したがいまして、今回、利子配当の特別措置のみならず通行税の、航空機に対する通行税の五%から一〇%への引き上げも、さらにまた印紙税の引き上げも、登録税の引き上げも、ゆとりを置いて施行することにいたしております。通行税もやはり七月一日でございますし、印紙税も七月一日でございます。登録税はもう少しゆとりを置きまして、八月一日、こういうふうに考えております。これはその間私どもは十分税負担の変動について納税者の認識を得たい、こういうことが基本的な考え方でございます。  第二の、利子につきまして私どもが申し上げたいのは、今回の一五%という税率になりましたのは昭和二十八年以来初めてのことでございます。それだけに税引き利回りに対する影響は大きいわけでございますので、投資家にも十分利回りの採算性がどういうふうになるか、選択あるいは判断の期間を与えたい、こういう趣旨で七月一日と、かようにいたした次第でございます。  なおまた、御質問の税収見込みでございますが、利子は大体一カ月間のズレによりまして四億円ばかり、配当所得のほうが二億五千万円ばかり、通行税が一億五千万円ばかり、印紙税が八億円ばかり、登録税が三十億円ばかり、こんなふうに減収、増収が逆に失われるわけでございます。なお、過去の先例におきましても、たとえば最近の情勢といたしまして、LPG、石油ガスの課税は、一昨年の国会を通過いたしましたが、施行後一年間余裕を置いて施行したこともございます。
  38. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 大臣、さっきの特別措置の廃止ですね、三年後のことですが、いかがですか。
  39. 水田三喜男

    国務大臣水田三喜男君) これは三年というのは、なかなか先のことはわかりません。たとえばこの間の統計で見ましたように、百万円以下の貯蓄者が日本は二千六百万人というようなことでございますが、日本経済が伸びて国民生活がよくなるということになりましたら、国民大衆のほうから二百万までの利子所得の課税はどうこうしてくれという要望が来ないとも限らない、先に行って。そういうこともございますので、一がいに全部廃止とかなんとかいうふうに方針をここで私はきめられないんではないかと思っております。  で、この前、ドイツのアプス総裁が日本に来たときに、私どもに非常に参考になる話をされたんですが、イギリスがポンドを切り下げるというときに、イギリスにポンドを切り下げられては困るということでドイツがマルクの切り上げをやって、そのポンドの切り下げを防いだということがこの間ございましたが、そのときにドイツの産業家は全部反対した。マルクの切り上げというものに経済界はあげて反対したが、アデナウアーが選挙に勝つことのほうが重要だといって押し切った。選挙に勝つことが重要だというのはどういう意味かといったら、ドイツの大衆がほとんど相当水準の貯蓄者になっている、この貯蓄——国民がそこまで来たち、貯蓄というものを擁護しなかったら政治にはならぬ、これが一番重要であるといって、全産業家の反対を押し切ってもああいう措置をとったのであって、やはり日本がこれからの経済、世界的な国際化の中へ出ていって伸びるというためには、日本はいま貯蓄水準が非常に高いんだが、これは理由があって高いんだろうが、もっとこの国民の貯蓄水準を伸ばしていくということによって日本経済というものが伸びると考えるので、こういう政策だけは十分気をつけるべきだと思うということを、アプス総裁がわれわれに言っていったのですが、これは私はわれわれに非常に参考になると思うんです。先に行って、日本はまだ貯蓄奨励、大衆の貯蓄を擁護してやるというような特別措置というようなものは、何らかの形でこれは必要にならぬとも限りませんので、これはやはり三年間の検討期間を置いて合理的な線を引いて善処をするのがいいのではないかというふうに考えます。
  40. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それは大蔵大臣、貯蓄の重要なことを否定するわけではないんですよ。大蔵省でもそういうことは十分検討しているのです。この特別措置によって資本の蓄積に役立っているかどうかということが問題になっているということなんですよ。単なる資金の移動にすぎないのではないか。これによって、たとえば証券のほうに行くのが銀行に行くとか、銀行に行くのがどこへ行くとか、あるいはたんす預金がそっちのほうに行くとかということであって、やはり資本の蓄積というものは可処分所得をふやすことにあるのですよ。それはもう大蔵省結論なんです。だから、そこで資本の蓄積という面からいっても、これはプラスになっているのかマイナスになっているのか、それは個人の証券を持っている人や銀行預金をやっている人は、そういうような利害には大きな影響があるでしょう。国全体としてほんとうに資本蓄積に役立っているかどうかは、大蔵省の調査によって、たとえば租税特別措置で利子の税金をふやしたときに貯蓄がふえてしまったり、減らしたときに、やめたときに貯蓄が減ったり、必ずしもこれは一致していないですよ、過去の調査を見ると。だから、そういう点からも、やはり必ずしもこれは生産的な税制じゃない。そういう点からも、一応名目は資本蓄積ということになっておりますけれども、しかし、税制調査会の重要なるこういう答申を重要な点で政府は無視することになる。  いま、いつやめるか、そういうことはわからぬでしょう。ところが、税制調査会は、はっきりやめるべきだ、ただ、いますぐやめたのでは混乱が起こるから経過的措置を置いてやめろというのでしょう。大蔵大臣はやめるかやめないかはっきり言えないというのですね。いまのアデナウアーさんのお話でごまかしてしまったのですけれどもね。それは、日本は、いわゆる日本の実態に即した、大衆にとって一番重要なこと——選挙で重要というのはやっぱりこういうことを、これは自民党の方はそのほうが選挙に響くかもしれないが、われわれは大衆政党だから、むしろ大衆の味方ですから、そういう税はやめるべきだと思うのです。しかし、われわれは何も党派性だけで言っているわけではありません。税制調査会の答申もはっきり言っているでしょう。そうした点ですね、そうしたエリートの学者ですらもはっきりとそういう結論を出しているのですからね。どうもこのごろ自民党はこういう点については非常にうしろ向きになりましたね。田中角榮さんのときには、廃止すべきだという答申を、分離課税をやってしまったでしょう。廃止どころか、もっと極端な優遇措置を講じてしまったのですよ。全くうしろ向きですよ。  この点について、では、もう廃止はする意思はないのですね。いま伺いましたが、意思がないと。はっきりしてください。意思がないらしい。
  41. 水田三喜男

    国務大臣水田三喜男君) 廃止の意思はないというふうに言っているわけではございません。
  42. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 では、いつごろ廃止するのですか。何年を目途として廃止するのですか。
  43. 水田三喜男

    国務大臣水田三喜男君) そのために三年という期間で今回の措置の影響を見て、合理的な措置を検討するということでございます。
  44. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 時間がございませんから、次に移りますが、教育費控除につきまして、だいぶ前に前向きのお話があったのですが、今度やらなかったのはどういうわけですか。これはもう理論的にははっきりしているのですよ。来年はやりますか、教育費控除は。われわれは配偶者控除については一応、ここで今度はうなずきましたから、これは了といたします。教育費控除、来年やりますか。
  45. 水田三喜男

    国務大臣水田三喜男君) これまでの国会論議を見ましても、課税最低限を急速に引き上げるということのほうが急務であり、各種の控除引き上げるということのほうが税問題としては私は急ぐことだろうと思います。そうしますというと、そういうものといまここで教育費の控除というものとの関係でございますが、やはりそれよりももっと最低限を全体として引き上げるということのほうが私は先であると考えて、今後この問題、もう少し検討事項にしてもらいたいと思っております。
  46. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 これは議論になりますから。だいぶ後退してしまったのですね。前に理論的にはやはり、法人、会社の場合と個人の場合とで、片方は減価償却があるが個人にはないわけですから、そういう意味で、やはり理論的には教育費控除というのは是認されると思うのですが、これは議論になりますから、一応これは見送りということになったことは残念ですがね。またわれわれは要求をしていきたいと思うのです。  では、次に伺いたいのは、これも附帯決議の中に——衆議院予算が通るときの附帯決議にあるのですが、物価対策等の料金の引き上げについては極力これは押えていく、その一環として財投資金を活用するということがあるわけですが、これについてはほんとう大蔵大臣は財投資金を積極的に活用して、それで物価値上がりを押えるその政策の一つに活用されるか、また企画庁長官も物価対策として、この料金対策として財投資金の活用ということをどういうふうにお考えか、まず大蔵大臣から伺いたい。
  47. 水田三喜男

    国務大臣水田三喜男君) これは私は限界のある問題だと思っていますが、財政資金といっても結局は国民の負担でございますので、受益者の能力いかんにかかわらず、全部に国民の金で負担するというような方向がいいのか、特定の受益者が能力に応じて負担するという形のほうがいいかということになりますと、財政の効率という問題では一番、一律に負担するということが悪いということに、もうこれは通則になっている問題でございますので、ある特定の時期、たとえばこの際、物価を、ことし一年とか二年とか短期に限って物価を押えることが重要であるというようなときに、そのためにこの財政資金を使ったり財政投融資を行なって物価の上界を押えるというようなことは必要であると思いますが、やはり基本的には当然あるべきコストを受益者が負担するという形にしなければ、またこれは長続きすることではございませんし、そういう形をとることが経済の別の新しいひずみをつくっていく原因になるので、短期の措置としては私はいいと思いますが、長期的にはやはりあるべきコストを国民が公平に負担するということのほうがいいことだと考えます。
  48. 宮澤喜一

    国務大臣(宮澤喜一君) 着席したままでよろしゅうございますか。  私も大蔵大臣のお考えと同じように考えております。やはりコストというものは原則として受益者が負担すべきものだと考えております。  ただ、現在の物価問題がかなり大きな部分がいわゆる広い意味での生産性の向上によって解決し得ると考えますから、しばらくの間それに資するために国の資金を投入するということは、これはしばらくの間の措置としては必要でもありますし、また妥当であると考えますけれども原則論としては、やはりコストは消費者が、受益者が負担するというのが基本の考え方であろうと、こう思っております。
  49. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 これはもっと具体的に御質問すればわかってもらえるのでしょうが、いま東京都、美濃部さんが知事になりまして、その交通の再建計画を自治省から迫られている。そういう場合に、たとえば東京都のこの交通の再建計画を考えるときに、たとえば電車とかトロリーを廃止するとかバスに切りかえるにしても、私鉄がみんないいところを握っているわけですね、私鉄がもうかる経済線を。そうすると、東京都は不経済線を多くしているのですね。そういう場合に、やはり公共事業でございますから、公共事業だから、その経済性ばかり、コストばかりに重点を置いて考えるべきじゃないのじゃないか。みんな私鉄のほうを全部東京都営にこれは移譲させれば、経済線と不経済線を両方運営して、そうしていまの赤字がなくなると思いますが、いままで私鉄がいいところをみんなやっておって、東京都は非常な不経済線ばかりやっているから、赤字が出てくる、そういう場合にはただコストだけを考えるのじゃなくて、やはりある程度政策的な面があるのですから、たとえば国鉄の場合なんかもそれはあると思いますから、それでそういうときにはやはり財投資金を活田して、それで——もちろんもっと合理化努力をしなければならないと思いますが、それで採算のとれるような努力をしなければなりませんけれども、しかし、その前提条件として、いまのようなマイナスがあるような場合ですね、そういう場合はもっと活用していただいていいんじゃないかと思いますが、いかがですか。
  50. 水田三喜男

    国務大臣水田三喜男君) いま私どもが述べたのは一般論でございまして、特にいまおっしゃられたような、指摘された問題は、これは一般論で処理することはなかなかむずかしい緊急の問題でございますので、東京、大阪、名古屋、この地下鉄の問題は都市の過密化の問題解消と関連して特別の措置をとるということにいたしまして、財投だけじゃなくて、もう利子の補給もするというところまで本年度から踏み切ったような次第でございます。こういう特別な問題については、これは特別の措置が必要だと思っております。
  51. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 企画庁長官、いかがですか。
  52. 宮澤喜一

    国務大臣(宮澤喜一君) 御承知のように、公営企業の赤字再建対策というものはすでに政府でも確立いたしておりまして、一定の条件が満たされるときには利子負担等をある程度国がめんどうを見るというようなことも、すでに制度として始まっておることは御承知のとおりでございますが、これもやはりそういう原則に対する一つの、公営企業であるがゆえに例外を考えておるということは御承知のとおりだと思います。
  53. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 次に、やはり料金問題として伺いたいのですが、米価は、消費者米価は特に料金として、政府がいままで公共料金一つとして扱ってきておりますから、伺いたいのですが、生産者米価が問題になってきているわけですね。大蔵省は今度、いろいろ新聞等に伝えられておりますが、大体七%ぐらいアップで、今度は政治加算をしないと。あるいはまあ一万九千円ぐらいじゃないかとか、いろいろ取りざたされておりますが、どうですか。消費者米価のほうは今度は、生産者米価上がった場合引き上げるのか引き上げないのか。これ、物価対策として重要だと思うのです。もう十月から一四・四%上がるということになっておりますが、今度生産者米価、四十二年度産米が上がった場合、どういうふうに押えるお考えであるか、伺いたいと思います。
  54. 宮澤喜一

    国務大臣(宮澤喜一君) 私としましては、今度新しく生産者米価が決定いたしました結果として予算で予定をしております以上の消費者米価の引き上げがないことを前提考えております。すなわち、そういう必要が起こらないように合理的に生産者米価が決定されるべきものである、こう考えております。
  55. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 大蔵大臣は、その問題、消費者米価をやはり頭に入れながら生産者米価を考えるのですか。結局、食管の赤字処理の問題と関連してくるのですが、消費者米価についてはどういう……。
  56. 水田三喜男

    国務大臣水田三喜男君) この間、いままで決定しているのはいわゆる予算米価でございまして、それじゃ実際にどれだけ消費者価格を上げるかということは、最後は米価審議会にかかって決定することでございます。今年度のこの生産者米価がどれくらい上がるかもまだ決定していないときでございますので、この決定を見て消費者米価をきめるのが順序だと思いますが、まあいまのところでは、企画庁長官が言われたように、予算米価というものが、値上げする場合にしても、これが最高限になるようにしたいというふうに考えております。
  57. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 次に、財政金融運営問題について伺いたいのですけれども、いままでは暫定予算でやってきたわけです。今度本予算が成立しまして、本格的に財政支出が行なわれることになります。まあ景気過熱論がだいぶありましたが、全部の原因じゃなかったと思いますが、暫定予算が過熱化を、何ですか、防ぐまあ一つの要素にはなったのではないかと思うのです。そこで、今度は本格的な予算の執行になるわけですけれども、反動として、これが積極性に使われるということになると、また問題が起こってくるのじゃないかと思いますが、これは新聞等にも指摘されておりますが、その点どうなんですか。今後の運営問題ですね、財政の。どういうふうに運営していかれるか。これは経済の見通しが、この予算編成当時予想したのとかなり違ってきているんじゃないかと思うのです。そこで、大蔵大臣から、今後の、本予算通過後の運営の問題について、どういうふうに考えておるか。  それから、企画庁長官からは、四十二年度予算編成のときに予想した経済動向、これにつきましては、その後いろいろな当初予想しなかったような、予想しておってもそんなにはっきりと自覚しなかったような変化が生じていると思うのです。たとえば設備投資の問題なんか、かなり当初よりはっきりしているんじゃないか。それから、国際収支の問題もかなり傾向としてはっきりしてきているんじゃないか。それから、今後自由化問題がいよいよ六月二日に本格的に答申が行なわれ、そして実施段階に入っていくんじゃないかと思うのです。これはまたあとで段取り等を通産省に伺いたいのですけれども、そういう点で経済見通しを改訂する必要があるのかないのか、あのとおりで一体いいのかどうか。それから、経済社会発展計画のあれとの関連ですね、今後自由化の問題もありますが、あのままで一体いいのかどうか。その後変化してきておりますから、そういう点について長官から伺いたいのです。  まず、大蔵大臣のほうから、今後の運営のほうを。
  58. 水田三喜男

    国務大臣水田三喜男君) 暫定予算は九千億をこえておる予算でございまして、これは必要な経費を盛り込んでございますので、これは本予算が成立したからといって、別に私は特別の変化があろうとは思いません。  ただ、全体としては、経済の基調は非常に強いときでございますので、依然として今後の運営には十分気をつけるべき問題がたくさんあると思いますので、情勢に応じて弾力的な措置をとっていくという基本方針で対処すればいいのではないかと考えております。
  59. 宮澤喜一

    国務大臣(宮澤喜一君) 御指摘のように、暫定予算関係もあり、また大企業の大どころの設備調整が御承知のようにおくれたこともありまして、いまのところ当初考えました経済見通しを変更しなければならないような大きな変化は起こっていないと思います。  ただ、木村委員御指摘のように、一、二の点で私どもがかくありたいと考えましたものよりも、多少少しずつ変化は起こっておると思いますのは、御指摘のように一つは設備投資でございます。これは四十二年度の問題と申しますよりは、四十一年度を五兆四千億円というふうに一応想定をいたしましたわけでありますが、まだはっきりしたことはわかっておりませんけれども、どうもやはりこの五兆四千億円が少し低めに押え過ぎておるかもしれない。当時から幾らかそういう感じで、私どもも、木村委員も御承知のように、思っておりました。あるいはそういうことが幾らかあるかもしれないと思っております。しかし、かと申して、土台が多少上がりましても、すぐに四十二年度動かさなければならないようなそういう規模のものではなかろうと考えておるわけであります。  それから、国際収支につきましても、貿易収支で思ったほど輸出入の差額の黒字が大きくないということは、ただいまのところそのとおりでございます。ただ、ユーロダラーでありますとか、インパクトローンでありますとか、あるいは輸入ユーザンスでありますとか、御承知のような原因から外貨準備そのものには影響を与えていない。むしろ逆の影響を与えているところでもございますから、この点もいまさしずめどうこうしなければならないとは考えておりません。  それで、私どもとしましては、これから本予算が動き出し、そうして大企業を中心にした設備投資が動き始めるわけでありますし、また国際的な基調もはっきりとらえられておりませんので、まあ夏過ぎるころまではこの状態を、少なくとも経済見通しに関する限りは事態を見守っておってよろしいのじゃないだろうか。国内の金融の問題につきましては、さしずめ何がしか問題があるかと思いますが、これは経済見通しそのものの関係ではなかろうと思っているわけであります。  それから、自由化あるいは経済社会発展計画との関連で、ただいま特に申し上げなければならないことはまだ起こっていないというふうに見ております。
  60. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 先ほど衆議院附帯決議についての質問で落としたところがありますので、ひとつ伺っておきたいのですが、あの中に交通安全対策要求がある。交通安全対策は、あの四党協定で、政府はもっと積極的に取り組むべきだと。これについてどの程度政府は真剣に取り組まれるのか、この際伺っておきますけれども、これはもう毎日のように交通戦争に対するキャンペーンが行なわれているわけですね。ところが、政府もいろいろ対策を立てております。たとえば交通施設整備三カ年計画で六百三億の予算を組んでやっておりますが、ところが、この予算措置があまりに貧弱であるというのが一般の批判です。三カ年、あれは四十一年からですね。そうすると、昨年、今年までで六百三億、これは少なくとも三倍くらいにする必要があるのじゃないかというのが通説のようであります。私は交通専門ではありませんが、やはり国鉄のほうの安全対策を除いているのですね。あれをもっと私は繰り上げて使う必要があるのじゃないかと思うのです。だから、来年分くらいは今年に繰り上げてやっていかなければならないのじゃないかと思うのですが、どうでしょう。やはりずいぶん要求が多いと思うし、これも初めて四党協定がありまして交通安全についての附帯決議が一応通ったわけですが、しろうとながらいろいろ調べてみますと、とにかく予算の裏づけが貧弱ですね。社会党のほうは交通安全基本法というものを今度つくりまして近く出すわけです。その関連法案も出すわけですが、何せ予算措置が非常に少ない。救急センターあたりでも、とにかくいろいろ問題がたくさんあるのですが、予算がきわめて貧弱だ。政府もずいぶん声を大きくして言っております。総理大臣も歩行者優先とか人命尊重とか社会開発とか言っておりますが、とにかく予算措置が全体から見て非常に貧弱です。これは大蔵大臣、再検討されまして、それから予算の範囲内で早く繰り上げていけるものはどんどんやっていく、これは足らなかったら補正でも出していくとか、やはりスピードアップすると同時に、予算をもっと積極的に出して交通安全に重点を置いてもらいたいというのが多くの国民要求じゃないかと思いますが、この点はいかがですか。
  61. 水田三喜男

    国務大臣水田三喜男君) 私は、全体として予算がそう少ないというふうにはいまのところ思っておりません。初年度百十何億で出発したのですが、いままでのやったことについて、総理府がいま総点検をしておるそうでございますが、ことしはとりあえず去年に対して二倍半ぐらいの予算をつけて、それでもまだこの計画の予算内でございますが、この間、朝日新聞で御承知のようにいろいろなことが言われました。かりに国道に沿った学校の前にみな一つずつ横断歩道橋をつくるというようなことにするとしても、計算してみますと費用は三十億円前後ということでございますので、そうしますというと、この予算でやろうと思えば相当のことができますので、必要度に迫られたほうからやりくりで先の繰り上げ使用をどんどんやっていくというような形でいけば、いまのところこの予算が特に不足で補正しなければならぬというようなものじゃないのじゃないか。先にいってそういうものが出ましても、当面はどんどん繰り上げて必要なほうへ流用して、計画を内部で変えていけばいいんじゃないかというふうに考えております。
  62. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それは大蔵大臣としてはそういうふうに御答弁するよりほかないと思うのですが、それはいままでよりは確かに予算は非常にふえましたよ。しかし、私、いろいろ専門家に聞いてみたのです、そういう機会に。附帯決議で交通安全対策に重点を置けということを見まして、いろいろ調べてみましたし、勉強してみました。とにかくそれはいままでよりは飛躍的に予算は多いのですけれども、しかし、いまの交通災害の防止としては、大蔵大臣、もう一度いろいろ関係者の方に聞いてみてくれませんか。とにかく今後かなり長期的に見た場合は、ものすごい、自動車の台数も急スピードで、昭和四十五年ごろにはたいへんなふえ方だというのです、いまの調子でいくと。それに対して対策というのはかなりスピードを上げなければならないし、金額としても、とにかく予算はいままでよりも飛躍的に多いのですが、いまの災害防止に対しては非常に少ないといわれているのですよ。この六百三億を少なくとも三倍ぐらい、千八百億ぐらい、国鉄のあれを除いて必要だといわれているのですが、その点、ひとつ再検討していただけませんか。
  63. 水田三喜男

    国務大臣水田三喜男君) それから、もう一つは、今年度から反則金収入を一応特別の、交通対策の特別交付金として地方にそれを交付するということにいたしまして、この金額も百四十億円くらい期待されますので、これもそういう交通安全対策に使われる金でございましょうし、実際に必要であるという予算要求関係庁からはっきり出てきましたときは、私ども交通対策に対する予算は、これは十分もう計上していこう、これは重点的に予算を扱おうとしている項目でございますから、十分対処いたします。
  64. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 この際、企画庁長官に伺いたいのですけれども、われわれは常識から考えて、とにかく自動車の生産というのは無制限でしょう。規制されていませんね。ですから、生産はとにかく利潤を中心にしてどんどん無制限に各社競争して生産される。それでまた免許も、やはり多く免許を与えないと実は売れませんから、教習所なんかどんどんできて、いろいろな免許をたくさんとる。それが道路とかその他の交通安全対策とマッチしていないのですよ。片方のほうはどんどん生産される。それについてやはり何かの規制が必要なんじゃないですかね。輸出がどんどん行なわれる。それは幾らふえたってかまわないのですよ、輸出は。ところが、国内で無制限にどんどんふえる。あとをみんな追っかけているわけですね。追っかけている対策なんですよ。交通安全対策なんて、これはほんとうは末の対策だと思っているのですよ。交通の危険を増すそういう要因を、どんどんこれを助長さしているのです。通産省あたりはそうでしょう、むしろ助成しているのですよ。ところがそれによって起こる災害があとを追っかけて、それで予算をたくさん組んで防止につとめている。いわゆる災害防止なんて末です。本末転倒だと思うのですよ。そのもとのほうの規制が、それの一番もとが、いまの自動車生産の実態に合わないのですよ。いまの道路とかあるいは交通安全がそこに合わない。そこのところを調整しなければ、非常にむだな金ばかり使っている。起こってからどうするとか、そういうことを、一番根っこのところを、これは自民党政府じゃできないかもしれませんがね、いわゆる資本のほうの側に立っている以上は。しかし、土地問題と同じように、土地問題も私有財産、あれもひとつ規制を加えなければだめじゃないかという段階まで来ているのですね。ですから、この交通災害を防ぐにはそういう自動車を生産するメーカー、そっちのほうに対しての、独占に対してのある程度の規制をする。何か交通安全という立場から自動車生産というものを、これを考える必要があるのじゃないですかね。そういう時期に来ているように思うのですが、いかがですか。
  65. 宮澤喜一

    国務大臣(宮澤喜一君) 自動車の生産が国内の需要及び輸出を目ざして行なわれておるわけでございますが、まことに最近はモータリゼーションというのは、大都会よりも農村を中心とした地方に広がりつつございます。これはまあ自然的な条件に恵まれておること等、いろいろなことがあると思います。そのこと自身は、つまり国民の一人一人が自動車を買うということは、これは資本に奉仕するつもりで買っておるのではないと思いますし、やはり必然的な一つの流れであろうと思いますから、これは何も経済政策上の思想の問題ではないと思うのでございます。  ただ、非常に所得の向上に従ってモータリゼーションのテンポが速い、それに対して道路等々の社会開発投資がどうしても追いつかない、これはまぎれもない、毎日お互いが経験しておるところでございます。社会開発という問題が広く取り上げられ、そうして長期計画経済社会発展計画というような思想で書かれましたということも、こういう問題の認識があって、そういうふうに問題が取り上げられておると考えるわけであります。ですから、できるだけ先行投資をやっていくんだというふうに私ども一致して考えておりますけれども、どうしてもそれがおくれぎみである。モータリゼーションのテンポのほうが速い。したがって、それだけ危険が生じる、公害が生じつつあるということは、これは認めなければならないと思います。ですが、それに対する対策は、自動車の生産とかあるいは購入を制限するということではなくて、できる限りやはり道路等の公共投資に力を入れると、そういう形でいくのが私は本筋であろうと考えます。
  66. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それについては、意見になると時間がむだになりますから、これは単に量的規制ばかりでなく、車体その他についても、安全という点からもっと行政指導する必要があるのですよ。   〔委員長退席、理事青柳秀夫君着席〕 それから、公害という面からもやはり規制する必要があると思うのです。ですけれども、その点は議論になりますから……。  次に、長官にケネディラウンドの問題について伺いたいのです。十五日に一応妥結したというふうに報ぜられておりますが、このバランスシートはどうなっておるのか。結局、結論としては、私は言いますが、これはマイナス面が日本にとって大きくなるのじゃないか。  それで、具体的に伺います。小麦のこの値段が、これが下限価格が引き上げられたわけですね。一ブッシェル当たり一ドル七十三セントになった。これによってどのくらい、日本の小麦輸入にとってどのくらい負担がふえるのか、その点が一つと、それからもう一つは、直接この低開発国に対する食糧援助に、これは直接日本は参加しなかったけれども、そのワク外として四百五十万トンの五%というのですか、その分について、肥料とかあるいは農機具等で援助する。それはどのくらいの財政負担になるのか。そうして、じゃ、プラス面はどうか。プラス面は、新聞では最初はアメリカの日本の品物に対しての関税引き上げ相当額というものは相当少なくなったことも報ぜられております。どうも私はプラス、マイナス考えまして、これはアメリカの最初は工業品をEECにうんと売りつけようと思ったのだけれども、アメリカの資本輸出がEECに前にずいぶん多く行なわれたので、最終的には農産物を売り込みたいということで、そういうことになったと思うのです。アメリカサイドではある程度成功したと思うのですよ。しかし、日本サイドで見ますと、負担のほうが多くなっておるのじゃないか。さらに今度長期にわたりますと、南北問題もありますし、特恵関税の問題もあって、むしろ日本にはマイナス面が多いのじゃないか、こういうふうに思われます、このバランスシートをわれわれ見まして。長官はどういうふうにこれを判断されて、そうして対処されてきたのか。  今後のそういう南北問題もありますし、こういう妥結のしかただと、今後のやはり国際的なそういう経済交渉の場合に非常に不利になるのじゃないか、そういう一つの前例になる危険があるのじゃないかということをわれわれは憂えるわけです。その点でひとつ率直に伺いたいわけなんです。
  67. 宮澤喜一

    国務大臣(宮澤喜一君) このたびの関税一括引き下げ交渉のバランスシートがわが国にとってマイナスであるかプラスであるかということにつきましては、私自身はかなり大きなプラスであるというふうに考えておるわけでございますから、木村委員がマイナスになるのではないかと言われましたのは、私としては幾らか意外に感ずるわけであります。しかし、いろいろ詳しく御承知の上でのお尋ねであることは疑いもありませんから、その点については特段のお尋ねがない限り、あまり詳しくは申し上げません。むしろ木村委員のマイナスではないかと指摘せられるほうの問題について申し上げるほうがよろしいのじゃないかと思います。  で、まず小麦価格でございますが、一ドル七十三セントという最低価格に合意したわけでございますけれども、御承知のように、このところ実勢価格がかなり上がってきておりますので、この価格そのものは私は別に不合理な価格ではない。短期的に見る限り、また実勢価格が現実に上がりっつございますので、これによって特に食管会計の負担がふえることは短期的にはないと、こう考えております。  長期的にはどうかということになりますと、このたびの小麦輸出国の希望なり主張なりから判断をいたしますと、これは増産を背景にしていろいろな主張をし、いろいろなことを考えておるわけでございますから、長期的には相当の増産が行なわれるであろうというふうに私は予測をいたします。したがって、その結果、長期的に見て価格が必ず上がると考えなければならないかどうかには問題があろうと思います。   〔理事青柳秀夫君退席、委員長着席〕 むしろ増産から来るところの価格の低下要因というものをかなり考えていいのではないかと思います。これはいずれとも断定が困難でございますけれども長期的には必ず上がるであろうと考えるほどの理由はないのではないか、ただいまそう思っておるわけでございます。  それから、穀物協定との関連においてのわが国の援助の問題でありますが、わが国としては、御承知のように、この協定との関係で食糧あるいは現金をもってする援助の分は受諾できない、わが国独自の立場において独自の方法においてこれを行なうというたてまえは、公に認められたわけでありまして、その際その援助の総額としては、各国の合意いたしましたところ、すなわちわが国のシニアは四百五十万トンの五%である。それだけの援助はわが国としても向こう三年間独自の立場で行なうということは同意をいたしました。そこで、五%といたしますと、二十二万五千トンになるわけでございますから、これを一ブッシェル一ドル七十三セントで換算いたしますと、千四百万ドル見当になります。邦貨にいたしまして五十億円をちょっとこえることになると思いますが、このたびの会議では、この援助分が従来の援助に新たに加わるネットの増加であるかどうかということについては、別段そうであるという合意はなされておらないわけでございます。それはわが国に限ったことではございませんで、たとえば小麦による援助が米国の場合四二%であるとか、あるいはEECが二三%であるとかという、そのこと自身がこれはネットの増加分であるというふうには合意されておりません。したがって、わが国のただいま申し上げました五十億円がらみのものも、従来のものに加えて新しいネットの増加であるという約束はいたしておらないわけでございます。おそらく、しかし、現実の問題といたしますと、わが国は対外援助について漸増していくという目標も持っておりますし、かりにパーセンテージが増加いたしませんでも、国民所得の増加が非常に大きゅうございますから、実額はどうしても増加していく。この五十億円程度のものはまるまるネット毎年増加していくであろうとは思いますけれども、それはこの協定で義務づけられたというのではない、こういうように御理解願ってよろしいと思います。  そこで、こういうことがわが国にとってマイナスであるか、プラスであるかということでございます。ことに後段で、将来は南北問題というものもあって、特恵関税の問題も出るであろうし、一次産品の価格の問題もあるであろうということを御指摘になりました。私はそのとおりであろうと思います。けれども、それが世界平和に貢献するのであれば、やはり先進国になりつつあるわが国としては、これに対して応分の義務を果たしていくということは、ただ金の面で一応それだけの流出になってマイナスだというようなふうに割り切っていいものかどうか。私自身は広い、わが国の持っております国際社会の一員としての国際平和を希求する反面の義務として、決して負担に耐え得ないものであるとは考えませんので、それをマイナス要因と考えることは、私には私なりの違った意見がある、こういうふうに申し上げておくべきかと思います。
  68. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 もう時間がなくなりましたから……。一応長官のバランスシートについての御意見はわかりました。これについてはもっと長期的な観点、あるいはもっと具体的に、たとえば食管にどのぐらい赤字がかかってくるのか、将来。しかし、これはさっき長官言われたように、この小麦協定の価格を上げたから今後負担がふえるのか、あるいは全体の小麦の需給関係から価格が上がるために負担がふえるのか、その点ははっきりしませんが、まあそれは一応わかりました。  最後に質問いたしたいのは、資本取引の自由化の問題です。これはもう非常に切迫した問題になっているようですが、六月の二日に正式に答申が行なわれて、そうしますといよいよ実施段階になります。OECDも六月下旬ですかに勧告する段階になりまして、政府も時期的に急いだんだろうと思うのですけれども、その段取りですね、それを一応伺いたい。どういう段取りでこれを実施していくのか。また、この間答申の骨子については新聞に出ておりました。そして段取りと同時に、対策もあわせて発表になっているわけですね。あれには抽象的な対策しか発表されておりませんが、どういう段取りでやるか、すぐ緊急にやるべき対策はどういうものであるか。それから、最終的に昭和四十六年ですかまでにやる対策はどうか、その中間の対策はどうか。なるべく具体的に、段取りと対策を伺いたい。  それから、あわせて大蔵省関係では、かなり財政・金融・税制上自由化と関連して具体的に措置すべしと勧告されている点がたくさんあるわけです。まず、その段取りと、それから対策、それから影響というものをどういうふうに具体的に考えているか。この段取り、影響、対策、これについてまず伺って、それから大蔵省の分の対策についてあと二、三質問いたしまして、私の質問を終わりたいと思っております。
  69. 水田三喜男

    国務大臣水田三喜男君) いまの予定を言いますと、六月二日に外資審議会の答申が出される。これを受けて、政府部内において十分検討をし、政府の方針を決定するのが六月六日、こういうふうな日程をいま予定しております。  そこで、まだ審議会の答申が参っておりませんが、いま審議会で論議されている大体の考え方を申しますというと、資本自由化の進め方についてでございますが、当面は、わが国経済の現状を前提として、可能な範囲で自動認可制による自由化を実施することにする、当面は。そうしてさらにそのあと経済社会発展計画で期待されておる方向に沿って、特に急激な情勢の変化がない限り、昭和四十六年度末までにかなりの分野において自由化を実施すること、昭和四十六年を一つのめどにして、かなりの分野において自由化を実施することを目標とすべきであるとしまして、そのために経済界の真剣な自主的な努力と、これを誘導し補完する政府の適切な施策とによって、わが国企業が外資と対等な条件で競争できるような基盤をそのためにつくり出す。そうして一、二年程度たったところで、一、二年程度の適当な期間を置いて、自由化措置の見直しをやる。そうしていままでの国民努力、民間の努力の結果と、政府の対策の進展の程度を考慮して、その次の自由化の範囲拡大に持っていく。その対策を見て、それを勘案して、次の自由化の範囲を拡大する。こういう進め方をしようということで、これを中心に、いまいろいろな各業種の検討をやっておりますことと、同時に、その審議会は、民間の努力すべき対策と、政府努力すべき対策というものを、この答申の中ではっきり書くというような方針のようでございますので、その中で、民間がすべきこと、政府が自由化に対処するためにはこういう施策をすべきであるというものが出てくると思いますので、その線に沿った対策をやるのが、今度は政府側の一つの仕事になるのじゃないかというふうに考えております。
  70. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 非常に抽象的な段取りについてはお話がありましたが、いままでもずいぶんこの問題は各方面で取り上げられておりまして、そこで大蔵省関係について、具体的に二、三その対策について伺いたいのです。  まず第一は、日本の金利水準を国際水準並みに下げろと、こういう意見が一つある。対策として、この金利についてどういうふうに考えているか。  それから、いまの銀行を整理し、都市銀行十三行を数行ぐらいに整理すべきだ、そういう意見も出てきております。  それから、ことに金融の体制の整備、これについて、ことに木川田さんあたりからもそういう意見が出されております。その体制金融の整備、これについては、いままで開銀中心の体制金融であったものを、それをいわゆる構造金融というのですか、いわゆる民間ベースに乗る金融構造に変えていくべきだと、こういう意見もあるわけです。  それから、外資による会社乗っ取りを防ぐための措置をいろいろとるべきだ、こういうかなり具体的な商法の改正の問題とか、そういう問題も提出されています。  それから、預金の保護についても、これは預金の保険制度といいますかについても提案があります。  それから、最後に、日米通商航海条約について政府はどう考えているか。そのいわゆる資本取引の自由化については、外圧ということをよくいわれますが、自由化を要求するほうは、日米通商航海条約を一つ要求の理由としてあげているわけです。それを一つのたてにとって要求をすると、これについて一体どういう考えでいるか。これについて、きのうですか、朝日の論説でも触れておりましたが、政府は何ら触れていない、黙っているのはおかしいじゃないかという意見がありましたが、これは前の貿易自由化のときにも問題にしたのですが、改正する意思はないか、政府は。  それから、アメリカと西ドイツの場合は、国内産業保護の見地から自由化を制限できるような、そういう独米——米独ですか、通商航海条約になっているそうです。だから、日本はそういうふうに、国内産業を保護し得るような形に、日米通商航海条約そのものについてこれを改正する、そういう意図があるのかどうか。これは絶えず問題になってくると思うんですよ。いま政府が出されたあのスケジュール、これがはたしてOECDでこれで満足するかどうかも非常に問題ですし、今後さらにもっと強い要求が出てくるんではないかと思うんです。そういうときに日米通商航海条約というものは絶えず問題になると思うんですよ。ですから、これについて政府ははっきりした見解をここで立てて明らかにしておく必要がありますし、必要があればこれはアメリカに改定を要求する、そういうことも必要になってくると思うんです。この点について——かなりまた多岐にわたりましたが、これはひとつ……。
  71. 水田三喜男

    国務大臣水田三喜男君) 民間の努力に期待するところと、民間の努力ではできない一つの環境づくりという点で政府がしなければできない問題もございます。で、特にいまあげられた問題は、政府側の努力すべき問題だと思います。金融問題にいたしましてもそうだろうと思いますが、一々詳しく申し上げましょうか。
  72. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 ええ、そのさっき質問した点についてですね。
  73. 水田三喜男

    国務大臣水田三喜男君) まず金融問題から……。
  74. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 金融問題から。
  75. 水田三喜男

    国務大臣水田三喜男君) 金融問題は銀行局長のほうから……。
  76. 澄田智

    政府委員(澄田智君) ただいま御指摘がありましたような点につきまして、金融問題について私のほうからお答え申し上げます。  御指摘のありましたように、現在資本取引の自由化等の対策として金融面に要請されております点は多々あると思うんでございますが、まあ一番大きいのがやはり、何と申しましても、企業が国際競争力、外国の資本に対抗できる力を高めるという意味において、金利を国際的水準に下げる、こういう方向に金融を誘導すべきではないかと、こういう点でございます。この点につきましては、短期金利の面におきましては、かなりその内外金利の差というものが縮まってきております。ただ、最近は金融情勢によって若干逆転しているという面もございますが、短期金利の面におきましては、かなり接近している。しかし、長期金利あるいは社債などの発行条件というような長期面については、まだある程度差があるというような状態でございます。そういう点で、これからの基本的な金融政策の方向といたしましては、やはりわが国の金融の体制を整備して、そうして金利水準を全体として下げる、そういう方向への努力をあらゆる面で払っていくべきではないか。まあそのためには、現在の金融体制が現在の形に逐次整備されましてからすでに十数年、この間経済が非常に変わっておりますし、いろんな面で金融機関のあり方、体制の整備、業務の調整というような面でいろいろやっていかなければならない問題が多い。資本取引の自由化に即応して一そうこの点が痛感されると、こういうことでございます。金融制度調査会で現在中小金融制度について特別委員会を設けて検討しておりますが、そのほかの面の金融体制というものについても、逐次金融制度調査会でこれを検討をしていくと、そうして体制の整備をはかる。それに並行いたしまして、金融機関の経営の合理化、経営の効率化ということにつきまして、金融行政その他を通じてこれを促進すると、こういうようなことによって金融全体の効率化というものをはかり、そうしてそれによって長期金利の国際水準への接近ということを逐次実現していく、こういうことであろうかと考えておる次第でございます。  まあその過程におきまして、もちろん産業の再編成というのに即応して、金融機関相互の間のいわゆる再編成と申しますか、金融機関相互の業務の提携とか、あるいは必要によっては合併とか、先ほど都市銀行のほうに合併して数を減らすという御意見が一部にあるというようなお話ございましたが、確かにそういうふうな意見もあるわけでございますが、もちろん金融機関の自主性を尊重しつつ再編成というようなものも、必要に応じてはこれを側面的に推進するというようなことも考えられることではないかと思うわけでございます。  それから、開発銀行を中心の構造金融でなくて、もっと民間の金融機関も活用しての構造的な面の金融というようなお話がございましたが、まあこういうような御意見もあるわけでございます。まあ現在開銀もこの点、本年度も体制整備のための貨し付けのワクを百億にふやして、開銀としてもそういう事態に即応していく措置をとっておりますが、なおいろいろ提案がありますように、長期信用銀行等のあり方等についても、先ほど申し上げました金融制度調査会の検討の一環として、将来検討されるべき問題である、こういうふうに考えております。  それから、預金者保険の問題がございましたが、金融行政のあり方として、それが金融全体を合理化する、効率化する、そういう面からの金融行政をやっていくというような場合に、預金者保護ということと金融機関の保護ということを分けて考える必要があるというような考え方は、当然そういうふうなことを考えなければならないところでございまして、預金者保護という見地からは、預金者保険というものも一つの検討に値することではないか。かつて三十二年から三十四年に検討されて、一度は国会に提案して、御審議をしていただくという段階までいって、そのままになった問題でございます。情勢が変わりまして、持っている意義も変わってまいると思いますが、やはり検討に値することではないかというふうに考える次第でございます。
  77. 宮澤喜一

    国務大臣(宮澤喜一君) 日米通商航海条約との関係でございますが、外務大臣がおられませんので、便宜私の存じておりますことを申し上げます。  木村委員の御指摘の問題は、要するに内国民待遇との関連の問題でありまして、米側がしばしば指摘いたしますのは、この内国民待遇の規定が十分に適用されていないという、そういう主張であります。ただ、この条約には、わが国が為替管理をやっております関係から、いわゆる国際収支上の理由、俗に御承知のようにBPリーズンと申しておりますけれども、そのバランス・オブ・ペイメントの理由によって、わが国が必要とするときには十分な内国民待遇を与えることができるというのが私どもの解釈でございます。さて、このたび一部の自由化をいたしましたけれども、それはわが国にBPリーズンがないのだということを意味するものではございません。現在の外貨準備にいたしましても、また為替管理を現実にやっておりますから、BPリーズンはなお存在しておる。したがって、再度日米間にかりに問題が起こりましたときには、私どもはやはりそういう立場で主張すべきであって、せっかく内国民待遇を認め合うという国際的にはいい考え方をしておるわけでございますから、条約を変えて内国民待遇をやめるというふうにすべきではなくて、バランス・オブ・ペイメントの理由があるということで主張していくべきものと、私はそう思っておるわけでございます。
  78. 柴谷要

    ○柴谷要君 質問の前に、経済企画庁長官が遠くジュネーブにお使いをされて帰られたときに、その翌日かと思いますが、当院が出席を要求しましたところ、たいへん疲労されて困難な状態であるにもかかわらず出席され、かつ、その後委員会要求するごとに一〇〇%御出席をいただいて御協力をいただいておりますことを、野党側の理事として心から感謝いたしたいと思います。今後も、審議の進捗状態考えますときに、長官の出席が大いに期待されるわけでありますが、今後もよろしく御出席をお願いいたしたいと思います。これでお引取りを願いたいと思います。(拍手)  最後に、私の質問でございますが、二、三御質問申し上げて終わりにいたしたいと思います。  二、三年来の議事録を振り返って検討してみますると、毎年毎年同じことを繰り返しているというのが実態ではないか。ただ、こと新しいのは、国税庁が本年、政治献金を雑所得として、政治活動費とみなして、必要経費として課税をしない、こういうことを打ち出した。これが特に目新しいものではないか。これはいわゆる政治家に対する一つの新しい方向が打ち出されたのじゃないか、こう思うのです。  ところが、これが今日混乱を起こしていると私は思うのです。というのは、一昨日の中尾委員とのやりとりの話を聞いておりますと、現実に行なわれていることと議論していることと全く違うのです。これに実は驚いた。このことを国税庁長官は御存じの上で答弁されておったのかどうか、この点をお聞きしたい。と申し上げますのは、歳費だけの人は、つまり雑所得がないのだから、これはいわゆる政治活動費とみなすわけにはいかない、こういうたてまえをとっているにもかかわらず、事実は全く相違していると思う。歳費は四百九十二万円というものをもらっておる。それを、それだけしかもらっておらない人が、税務署にこれこれの費用がかかっておりますということで政治活動費として申告をして、かなり高額な税金が返っている人がいるわけです。こういう事実を御存じかどうか、この点からひとつ伺いたい。
  79. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) お話のような事実は起きております。ただ、私どもといたしましては、そのときに申し上げたのでありますが、現行税法そのものにいろいろな不備の点がございます。したがって、現行税法の解釈からいたしますと、雑所得のほうに赤字がありますと、それは他の所得と通算するということになるわけでありますが、雑所得のほうが赤字になっていない場合におきましては、他の所得と通算することができないということになるわけであります。したがいまして、現に議員の方から、歳費だけで雑所得の収入はないけれども、自分の政治活動に伴う必要経費がこれだけあるということで還付の請求をなさっていらっしゃる方が相当数ございます。これにつきましては、私どもといたしましては、十分調査しました上でないとその還付を認めるわけにはいかないと思っておるわけでありますが、そのうちの少額なものにつきましては、とりあえず還付をいたしまして、これはそれを認めたということではありません、後日十分調査いたしまして、場合によっては納めていただかなければならぬ場合もございますという条件つきで、一応お返ししておるという状況にあります。
  80. 柴谷要

    ○柴谷要君 それが問題なんです。ですから、方針を打ち出すときには、確固とした方針を打ち出して混乱の起きないようにしなければいかぬ。歳費だけしか申告をしていない。歳費の中には源泉徴収というものがある。だから、歳費だけの人にはそういう特典はありませんよと明確に表示をすべきなんです。ところが、それを国税庁のほうが誤った方針を打ち出すから、多少でも免税をされるならばということで全部申告して、返された、還付された。これをまた再度取り上げるということになると、トラブルが起きますよ。そういうことを国税庁が新しい方針で打ち出したのはいいんだけれども、そのこまかい部分について配慮が足りなかった、これはお認めになりますか。
  81. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) 私どもといたしましては、皆さま方にお知らせするようにということでいたしました文書の中では、雑所得の赤字がありました場合におきましては、他の所得から通算控除することができますと、こういうことを申し上げておったのでありまして、雑所得の赤字がないのに通算できるということは申し上げておらなかったつもりであります。ただ、いま柴谷先生のお話のように、私どものほうがそういうつもりでおったにもかかわらず、現実にはそういう事態が起きた、税務署のほうはそれを受け付けてしまったという事態が生じまして、そのためにこのような事態が起きましたことであります。私ども、その点につきまして趣旨の徹底を十分はかったつもりでありますけれども、それが十分でなかったという点については遺憾に存じております。
  82. 柴谷要

    ○柴谷要君 私は、別に申告しているわけです。総合所得申告を行なっております。それで、実は税務署が発表したのかどうか知りませんけれども政治献金のあるなしにかかわらず、五百万円以上の高額所得者の名前に出ているわけです。私は、正確に昭和三十一年から総合所得申告はずっと続けております。国会議員でないときもしておった。それは事業所二カ所以上からもらっている場合には申告しろという法律に基づいて、してきた。それでも、私は良心に考えてみて、歳費をもらって、それの大部分の歳費が私ども政治活動資金でもあり生活費でもある、これを考えた場合に、源泉徴収というものは取られている。いわばサラリーマンでいうならば、サラリーマンが月給から取られている。このサラリーマンが交際をするその交際費を、それでは免税の対象に考えますか。考えないでしょう。ところが、政治家なるがゆえに、歳費だけの収入の者でも、実は今日行なっているのは政治活動資金として高額のものを認めて払い戻しをしているんですよ。いいですか。高額のものは二十何万という払い戻しを受けた、杉並税務署から。それ以外の麹町税務署もあれば、各所の税務署が十何万か払い戻しをやっておる。こういうことを下部に徹底をしないでおいて、いまあなたが答弁しているようなことを言ったってだめなんです。こういう新機軸を打ち出すときには、明確に下部に徹底をさせて、そうして混乱の起きないようにきちんとしなければいけない。しかも、それは国民の納得する線でなければいけない。私は政治家なるがゆえに特別な待遇を与えるということは断じて反対だ。私は申告をしておるけれども政治活動分野におけるところのあれを免除してくれなんという申告はしておりませんよ。ところが、申告をして返してもらえば、それは得にきまっておる。しかし、そういうことを、誤らした考えを持たせること自体が、私は国税庁の誤りだと思う。この点はどうお考えでございますか、大臣の心境を伺っておきたい。
  83. 水田三喜男

    国務大臣水田三喜男君) 私ははっきりと誤りだと思います。ですから、いっか私がここで言いましたように、政治献金を得て、そうしてその政治活動費を支出したという人は必要経費として認められて、そうでない人は認められないということは、不公平であるから、政治資金の寄付を持たない人でも、これを、政治活動費を必要費用と認めようとするんなら、何か別個のここで考えをしなけりゃいかぬだろうということを言ったわけでございまして、そういう問題のいま検討をこれからしょうとしているときでございますが、そういう問題ができない間に、個々の人があの歳費の中から必要経費として認められて還付を受けるということは、明らかに私は間違いだと思います。
  84. 柴谷要

    ○柴谷要君 その間違いを、別に政治家自体が起こしたんじゃなくて、国税庁が方針を打ち出して誤らした、こう私は見てる。だから、あげて政府の責任だと私は思うのです、こういうことをやらせるのは。ですから、私が先ほど申し上げたように、こういうものを実施する前にはきちっときめた方針のもとに、国民が納得する線をちゃんと出して、そして実現をさせるという方向に持っていってもらいませんと、混乱が起きますよ。どうかそういう点をひとつお考えをいただいて、それで第二の質問に入りたいと思うのであります。  大臣国会議員の会計を、個人と公職と二つに分けて二本立てにする、で、政治献金は公職会計で処理をする、これに対して税制上の優遇措置をはかるべきだと、こういうお話をなさっているようでありますが、いまでもその気持ちはお変わりはございませんか。
  85. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) ちょっとその前に申し上げておきたいと思いますが、私どもとしましては、先ほど申しましたとおり、雑所得が赤字の場合に限って他の所得から通算できますということを申し上げたのでありまして、雑所得の収入がないのにかかわらず他の所得の通算ができるということは一言も申しておらないのであります。ただ、まあ税務署へ書類掲出されますと、税務署員はこれを受け付けないというわけにまいりません。受け付けたというのが事実でございます。したがいまして、こうした混乱を起こしましたことにつきましては、私たいへん恐縮いたしておりますが、これらの点につきましては、すみやかに是正する措置をとりたい、このように思っております。
  86. 柴谷要

    ○柴谷要君 それは国税庁長官の気持ちはそうであった。ところが、税務署長の考え方はそこへ行っていなかった。ですから、政治家が申告したそのままを見て、ああそういうことになってるんですかということで、それなら過剰払いになっておるから払い戻しをいたしますということで、返してしまった。ですから、それはあなたの気持ちが下部職員の間に徹底していなかったということは事実なんですよ。これはその事例をあげろといえば、何議員でどこの税務署でどうだということまで申し上げられる。上げられるんだけれども、そんな時間がありませんからいたしませんけれどもね。そういう事実があったということ。でありますから、大臣のいまの構想、いわゆる二本立てにする、いわゆる個人と公職とを別個にして、公職会計の中で政治献金というものは扱わせて、税制上の優遇措置をはかるんだと、こういうことは、私はまあ一歩前進した方針だと、こう思うのですが、大臣のお考えはいまでもお変わりはないかどうか、これをお尋ねするわけです。
  87. 水田三喜男

    国務大臣水田三喜男君) まだその案自身は未熟なものでございまして、そうするというわけではございませんが、何かいまの問題を解決する措置だけは講じなけりゃいけないだろうというので、まあ閣内で検討の課題になっておるということでございます。
  88. 柴谷要

    ○柴谷要君 皆さんおそろいで、だいぶどうも……。  じゃ、あと一問だけにいたしますが、大臣標準世帯数、いままではまあ標準世帯といいますと五人でございましたね、それを標準世帯は今度四人にしたいと、こういう御発言をなさったようなことが新聞に出ておりますが、それは一体どういうふうな考え方でそうおっしゃっておられるのか、その理由。またそれに、標準世帯を四人に規定することが何か特典があるのかどうか、この点をひとつお聞かせいただきたい。
  89. 水田三喜男

    国務大臣水田三喜男君) もとの調査では、大体五人を標準世帯とするのが適当だということでやっておりますが、最近の調査によりますと、実情は平均四人という家族が大体標準世帯であるという、実情がそうなっておりますので、そういうふうにしてもいいと思うのですが、いままでは五人世帯を標準世帯としておりましたので、いろいろ税制についての規格やなんかが、これを中心にしてきめましたために、急に四人世帯を採用しますというと基準が狂ってしまいますので、非常に不便であろうということで、依然として五人世帯を標準世帯として、そして課税の最低限をどうするこうすると言っているんですが、実際の実情は四人世帯を標準にするのが一番実情に合うということを申しただけでございます。
  90. 竹中恒夫

    委員長竹中恒夫君) 他に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
  91. 竹中恒夫

    委員長竹中恒夫君) 御異議ないと認めます。  それでは、まず所得税法の一部を改正する法律案法人税法の一部を改正する法律案租税特別措置法の一部を改正する法律案、以上三案について討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
  92. 柴谷要

    ○柴谷要君 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となりました三法律案につきまして反対の討論を行なうものであります。  本年度の税制改正については、その減税規模、内容とも不満であり、国民のひとしく納得し得ざるものであります。  まず第一に、毎年の減税にもかかわらず、所得税負担は著しく増大し、特に低所得層から中以下の層に及ぶ大衆的負担が激しく増大している点であります。最近の納税人員の推移を見ますると、四十一年度には二千百五十万人をこえ、その数は三十年度の千百万人、三十五年度の千四百万人に比べ二倍ないし一・五倍に及んでおります。このような納税人員の激増は、特に源泉徴収の勤労所得者の増加に基づいております。給与所得納税者は三十年度の二倍をこえております。本年度所得税減税程度では焼石に水であり、物価の上昇等を勘案しますと、この過重な大衆負担の趨勢はとまらないのであり、実質的な税負担の軽減とは考えられません。  次に、減税規模と租税負担率に関連してであります。本年度減税にもかかわらず、国民所得に対する租税負担率は上昇いたしております。本年度は、政府の見通しをもってしても、七千三百五十億円の税の自然増収が見込まれております。もちろん、この数字については、三十九年度の税収補てんの赤字公債発行にこりてか、たいへん過少な見積もりとは思いますが、これは史上最大のものであります。しかるに、減税に回したのはわずかに一〇%足らずであります。この程度の減税規模をもってするならば、国民経済の成長につれ国民租税負担率は年々増大し、経済社会発展計画で見込んでいる数字をもはるかにこえるものと考えられます。  第二点は、所得税課税最低限に問題があります。この課税最低限については、税制調査会の四十一年長期税制のあり方についての中間答申で、「基準生計費の水準を上回って貯蓄のためのゆとりを織り込んで決定することが望ましい」と言っております。政府案ではどうでありましょうか。簡潔に申し上げて、この一つの基準であります最低生活について、いわゆる大蔵省メニューでは、一日一人当たり食料費は物価上昇を見込んでも成年男子一日二百五円、一食六十八円であります。現実に一日二百五円で食生活をまかなうことができるとお考えでありましょうか。総理府統計局の家計調査報告でも、昨年の消費支出四人世帯は約六十五万五千円であります。ことしの物価上昇政府の見込み四・五%を見ますと、約六十八万円となりまして、政府案四人の基準生計費五十一万円に対し十七万円の食い込みとなって、数字が合わないものであります。このような観点から政府案の課税最低限を見ましても、賛成できないものであります。  この点についてわが党は、課税最低限百万円を政策としておりますが、政府は四十四、五年ごろより行ないたいと言っておられますが、わが党よりするならば、何年かおくれていると言わなければなりません。  第三点は、税制自体が国民間の所得格差を一そう助長していることであります。資本蓄積のために積極的な役割りを果たしてきた租税特別措置法がそれであります。租税特別措置による減収額の累計は何と一兆九千億に達しており、その恩典に浴するものは一部大企業と利子配当所得の多い高額所得者であり、所得の再分配の役割りは全く無視され、本年度も税制調査会の答申を隠れみのにして長期固定化さえはかろうとしているのであります。この際、税の公平原則の上に立っての再検討を要望するものであります。  最後に申し上げたいことは、衆参両院における審議のあり方であります。今国会は平常国会と異なり選挙の年であったとはいえ、大部分の審議衆議院で費やし、期限切れ間近い重要法案を一括送付された参議院は迷惑しごくであり、参議院軽視と言わざるを得ないのであります。その原因は政府与党の責任にほかなりません。強く反省を求める次第であります。  以上申し述べて反対討論を終わります。(拍手)
  93. 植木光教

    ○植木光教君 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題になっております所得税法の一部を改正する法律案外二法律案につきまして、賛成の意を表するものであります。  これら三法律案は、昭和四十二年度税制改正として税制調査会の答申に基づき、国民生活の安定と企業の体質強化を目的として、所得税を中心に、平年度千五百五十億円にのぼる減税を行なうものであります。また、租税特別措置については、その整理合理化をはかり、平年度増収分は二百億円に及んでおります。  まず、所得税法案につきましては、この改正により夫婦及び子供三人の標準家庭で所得税を課せられない限度額は、給与所得者の場合、現在の約六十三万円から約七十四万円に引き上げられ、物価値上がり分の調整は十分に配慮されております。さらに、退職者の老後の生活安定をはかるため、退職金の課税最低限を大幅に引き上げ、三十五年勤続で五百万円まで無税とすることとなり、昨年までの百七十五万円まで無税と比較いたしますならば、とうてい考えられなかったほどの減税であります。  法人税法案では、課税所得の計算に関しまして、会計慣行の尊重をうたい、税務執行上よりする会計上との競合に十分なる配慮を行ない、納得して税金が納められるようきめこまかい配慮をいたしております。  租税特別措置法案では、利子配当課税について源泉徴収税率の一〇%より一五%への引き上げ、割引金融債の新たな源泉課税を行ない、また交際費課税を強化し、通行税の特例の廃止もいたしております。一方、試験研究費にかかる税額控除、公害の防止施設の特別償却、特定鉄道工事償却準備金の新設等、当面要請される諸施策に対応する税制上の特別措置をも講じたものであります。したがって、日本の現実政治を担当するわが党政府として、野党諸君の論議に耳を傾けるべきは聞き、実行すべき必要あるものは措置したものでありまして、国民の十分なる御理解がいただけるものと信じて疑わないものであります。  以上、簡単に理由を申し述べまして、三法案に賛成を表するものであります。(拍手)
  94. 中尾辰義

    中尾辰義君 ただいま議題になりました所得税法の一部を改正する法律案外二法案に対して、私は公明党を代表して反対をいたします。  四十二年度租税自然増収の見込み額は、八千億円の国債導入政策により、七千三百五十三億円という大幅な伸びを示しておりますが、減税の規模は初年度一千百三億円、租税特別措置の整理等を引くと、わずか八百三億円にすぎないのであります。  しかも、所得税課税最低限に至っては、標準五人家族で六十三万一千円より七十一万一千円に引き上げてはありますが、本年度はまた消費者米価の値上げ、健康保険料その他食料費の値上がりは必至であり、この程度の減税では物価調整減税はおろか、物価値上がりにも及ばないのであります。また、たとえ税法上の減税をしても、国民生活に調和した実質減税とは言えない、きわめて冷淡な政府減税政策と言わざるを得ないのであります。  次に、法人税並びに租税特別措置の改正につきましては、毎年毎年議論を呼び、問題になっている利子配当の特別措置を、本年は期限到来とともに当然廃止すべきであったはずでありますが、金融資本や金持ち優遇のため利子配当分離課税をそれぞれ一〇%から一五%に引き上げ、期間を三年も延長しておるのであります。これは現行のわが国の法人税制が、法人税は個人所得税の前払いと観念する立場で構成されており、現在は法人の株式資本の調達を容易にし、自己資本構成を是正する見地から、配当軽課措置を採用し、同時に、個人段階においても配当控除するという複雑な制度になっているからであります。しかし、法人税相当額を個人段階で調整するという考え方は、企業にも投資家にも正しく理解されず、税制上の恩典としか見られていないのが現況であり、やはり法人は法人、個人は個人と、それぞれ独立の納税主体と見て課税することが現実に即応したものと考えられます。しかも、こうした税制上の特例措置は四十項目に及び、それによる減収額は二千三百億円に達し、著しく税種目のバランスを乱しております。したがって、現行の利子配当分離課税や配当控除制度はむしろ廃止し、それによる増収税額は所得税減税に充てるべきものと考えます。また、法人税については、清算所得に対する課税方式を改正しておりますが、これは清算に伴って生ずる法人所得についてのみ法人税を課税することとし、清算分配金はこれを受け取る株主に対して配当所得として課税することは、政府当局の御都合主義であり、その理由が明らかでなく、これによって企業側がどの程度の負担の緩和になるのか、はなはだ疑わしいのであります。  以上の理由で、私は三法案に反対し、所得税課税最低限をすみやかに百万円まで引き上げることを要望し、私の反対討論を終わります。
  95. 瓜生清

    ○瓜生清君 私は、民主社会党を代表して、所得税並びに租税特別措置法の一部を改正する法律案に対し、反対の意を表明するものであります。  まず、所得税については、給与所得者の場合、課税最低限を標準家族で年間百万円に引き上げるべきであると考えます。  次に、租税特別措置については、まだ税の負担公平の原則及び税の中立性が阻害されている面があります。たとえば利子や配当所得の取り扱いなどはそのよい例です。特別措置のあり方としては、もっと新しい地域開発や社会開発に効果を与えるような方向に重点を置くことが必要だと思います。この観点から再検討をされることを要望してやみません。  以上、簡単ですが、理由の一端を申し述べて、討論を終わります。
  96. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となった所得税法の一部改正法案、法人税法の一部改正法案、租税特別措置法の一部改正法案の三案に対して反対するものであります。  まず、租税特別措置法案でありますが、配当利子分離課税の三カ年間延長、準備金方式による特別償却、合理化機械等の特別償却、試験研究費に対する特別償却など、独占資本に対する二重、三重の減税措置を一そう拡大しようとしております。さらに、租税特別措置法に新しく景気調整のための租税措置が取り入れられていますが、今後かかる税の景気調整措置が追加拡大され、西欧に見られるように間接税の税率や賃金等を決定する権限を政府が手にし、国民生活と国民の諸権利を圧迫する危険性があることを、私は今後の問題として指摘しないわけにはいきません。  このように租税特別措置は独占資本のための露骨な減免税措置でありますが、政府自民党は、企業部分の特別措置は大部分が中小企業のためのものであると言っております。しかし、ここで取り上げられている中小企業は、大企業の下請会社か中小Aクラスであり、これらの中小企業の強化が独占資本の強化にとって不可欠であるからこそ、政府は税の面でもてこ入れしょうとしているのであって、中身は中小企業のためという名目の大企業強化策にほかなりません。  所得税については、政府標準世帯で七十四万円まで課税最低限引き上げるなど減税措置をとったと言っていますが、実際は名目上、税法上の減税にすぎず、実質的には依然として人民大衆に対する重税にほかなりません。それにもかかわらず、政府は課税所得十万円以下の低所得者に対して、最低税率を昨年に引き続き八・五%から九%に引き上げましたが、これは全く低所得者に対する過酷な仕打ちと言わなければなりません。  以上のような政府自民党の独占資本優遇、人民大衆収奪の性格を持つ三法案に、わが党が賛成するわけにはいかないことは当然であります。  わが党は、政府自民党がとり続けてきた大資本本位の租税政策、財政政策を、ほんとうに人民の利益になるよう転換することが必要だと考えます。そのためには、憲法三十条の租税法定主義、憲法二十五条の、国民は健康で文化的な生活を営む権利を有し、国はその義務を負うの原則を名実ともに実現するために、とりあえず当面、現在の物価で四人家族の課税最低限を百万円までとし、人民生活に大きな影響をもたらす消費税は即刻廃止すべきであると考えます。同時に、租税特別措置法を廃止し、所得税の高度累進課税と並んで高度累進の法人税を大企業に課すべきであるということを要求して、私の反対討論を終わります。
  97. 竹中恒夫

    委員長竹中恒夫君) 他に御意見もないようですから、討論は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
  98. 竹中恒夫

    委員長竹中恒夫君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  まず、所得税法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  99. 竹中恒夫

    委員長竹中恒夫君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、法人税法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  100. 竹中恒夫

    委員長竹中恒夫君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、租税特別措置法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  101. 竹中恒夫

    委員長竹中恒夫君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、相続税法の一部を改正する法律案印紙税法案、以上両案について討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もないようですから、討論はないものと認めて御異議ございませんか。
  102. 竹中恒夫

    委員長竹中恒夫君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  最初に、相続税法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  103. 竹中恒夫

    委員長竹中恒夫君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、印紙税法案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  104. 竹中恒夫

    委員長竹中恒夫君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、五案につきまして、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じまするが、御異議ございませんか。
  105. 竹中恒夫

    委員長竹中恒夫君) 御異議ないものと認めて、さよう決定いたします。  それでは、本日はこれにて散会いたします。    午後一時二十四分散会      —————・—————