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政府委員(
井上亮君) 一番むずかしい問題で、また一番大事な問題だと思いますが、ただいま
阿部先生から御
指摘いただきました
流通機構の整備の問題、これに伴います
販売価格を引き下げる
努力の問題でございますが、この問題は私
どもも痛感しておりまして、御
指摘がありましたように、東京で暖房炭を買いますと、トン当たりに直しますと一万二千円、
コストは幾らかといいますと、大体三千円から四千円、山元では、というようなことでございますから、あまりに格差が大きいわけでございます。常識的に大きいわけでございます。この問題につきまして、私自身といたしましても、数年来その疑問を業界に投げかけまして、この改善ができないかというような話をし続けてきておるわけでございまして、この点については、いろいろ私
どもも
検討しておるわけでございます。
しかし、これはやはり何といいますか、船賃がかかることはもちろんですけれ
ども、そのほかにやはり袋詰めにすると、最近非常にきれいな包装をしたり、袋詰めにしたり、使用の
あと便利なようないろいろなこともするというようなことで、まとまった大きなロットをして取り引きしますときにはこれはよろしいわけですけれ
ども、こま切れになりますと、家庭用というようなことになりますと、非常に手数がかかるというようなことから、人件費の高騰等もその間あって、なかなか引き下げがむずかしいというのが関係者の言い分になっております。しかし私、それだけでは納得いたしませんので、たとえば
消費地につきましては、やはり共同
貯炭場をつくるというようなこと、あるいは共同して袋詰めをやるとか、できるだけ扱いを大きくするというようなことで能率を上げるようにということで、これに関しましてはやはり国としましても近代化資金の融資までしてもいいじゃないかというような
政策もやっておるわけでありますが、それもあまり実績としてはかばかしくない。
それから次に
考えておりますのは燃焼器具の問題がございます。燃焼器具の隘路は
各社がまちまちに燃焼器具を開発しているというようなことで、これは
消費者のほうからしますと、やはり適性炭というのがありますから、だからしたがってその適性炭というようなことからいうと、当該山の炭に適する燃焼器具というようなこともありましょうけれ
ども、しかし一面において燃焼器具を統一することによって
消費者のほうは非常に便利なことになるという一面もあるわけでございますので、燃焼器具の改良につきまして本年度からこれについての助成策、燃焼器具の改良についての助成策、こういうものをいまとろうということにいたしております。
いろいろこまかい
努力を積み上げていきませんとなかなか、特に暖房炭の
消費者、家庭用暖房炭についての小口の
需要の合理化の問題はなかなかむずかしい問題がありますから
——そうかといってこれを一がいに何といいますか、一元的な配給機構にしましても、それじゃ
需要確保という面で十分かといいますと、これまた
消費者というものはやはり家庭まで配達してもらわなければいかぬというようなこともありましょうし、サービスの問題もありましょうしというようなこともありますので一がいに言えません。そういうような問題もありまして、どういう方策がいいか、今後とも私
どももやはり大きな課題として
検討し、少しでもいいことはどんどん業界に実行してもらいますし、私
どももそれに非常に助成策が必要だということになれば、惜しみなく助成策によって応援していきたいということでやりたいと思います。
しかし概略的、率直に言いまして、特に小口の暖房炭等の
需要確保についてはあるいは
流通の問題も含めましてなかなかむずかしい問題があって、今日まで十分な成果をあげてない。ただ
個別企業にとってみますと、たとえば
常磐炭鉱等につきましては各県に共同元請
貯炭場をつくるというようなことをしたり、共同行為でやらしておるというような
努力の
あとは具体的に見えますけれ
ども、まだ全体として自慢できる
程度ではないというふうに
考えております。