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大河原一次君 確かにこれはもう国の金ですからね、これは返す
筋合いのものであるというように考えるのは当然だと思うのですね。ただ
中小炭鉱等はなかなか立ち直ったといえ
ども、むしろこれからという
炭鉱もあるわけですから、そういう
意見も出るのもやむを得ないと思うのですが、ただ同時に、これと関連するのですが、これ大臣に聞きたいのですが、今回一千億の
肩がわり融資をやるわけですね。しかしこれは利益を計上したという
一つのあれもありますけれ
ども、一体利益が計上できなかった、そういう状態のもとでこの一千億の金、これはどうなるかということを非常に心配するわけです。
これは先ほどちょっと委員会の始まる前に
局長に聞いたんですが、私は前に、かつて昭和二十三年ころですか、片山内閣か芦田内閣の時代だと思っているんですが
炭鉱を復活せしめなければならぬというわけで、あの当時三千六百万トンが至上命令だということで、わざわざ天皇までが常磐地方においでになったことがあるわけですね。そのとき、とにかく増産
対策だということで、やれ価格差
補給金なり調整金を出す、それから復興
金融公庫の中から相当金を出したわけですよ。それは特に僕は
炭鉱の福祉施設をやらなければならぬという面だったと思いますが、よく記憶ありませんが、住宅資金だと思うのですね。住宅建設のためにどんどん出した。ところが、
経営者はこの際借りなければ損だという
考え方に立ってどんどん借りて、しかもその借りた金がまっこうから住宅建設のほうにつぎ込まれたかというと、そうではない。別の面に使われたということで、われわれ非常におこったわけですね。
今回のこれはもちろんそういうものと性質は違うのでありますが、ただしかし、あの当時はもう石炭
再建というところに重点を置いたための
政府の金の出資でありましたが、今回は
炭鉱をどうするかという、
炭鉱の危機に直面した中で出された資金である。しかし、今回といえ
どもやはり
大手の中には、この際借りなければならぬのだということでやるとなると、一応いろいろな
条件の
計画を、
経営計画を示さなければならぬと思います。
計画を示した中でこの
肩がわり融資金を得なければならない、そういうことになると思うのですが、その場合私が心配するのは、借りなければ損だという
考え方も全部持っているわけじゃないでしょうが、中にはあるのではないかというふうに考えているわけですね。だからこういう欠点とあわせて、結局そのためには
赤字の計上なりいろいろな
計画の中に、こんなことを言ったんじゃ、疑っちゃたいへん悪い話だけれ
ども、いわば偽りの
計画といいますか、そういったものを出して、ぜひこの際借りなければ損だから借りたいというあまりに、どちらかといえばそういう不合理な
計画を出すという危険はないかどうかということ、それからいま私が申し上げたいのは、一千億というのは間違いなく取る、返済してもらうのかどうかということの決意のほどをひとつ大臣からお聞きしたい。