○阿部竹松君 与党の
西田委員が長時間かけてお尋ねしなければならぬほど問題点がたくさんある
法律なんですね。私は、
西田委員はこの
法案をつくるときに中身について当局と御相談にあずかっておると思います、ぼくら野党ですから全然知りませんが。その
西田先生が疑問を持ち、要望があり、意見があるわけですからね、したがってなかなかこの
法律で、炭鉱が、
大臣のおっしゃる御
答弁のようにはいかぬわけですね。したがって私は、これからいろいろお尋ねするわけですが、お尋ねする前に
大臣にお願いしておきたいことは、衆議院の委員会での同じ問題をお尋ねしては
大臣に対して気の毒であるということで、いろいろと、全部ではありませんけれ
ども衆議院の速記録を通読してみました。
大臣の御
答弁がなかなかりっぱで、
大臣りっぱなことをおっしゃるという委員の発言等があるわけです。その場の空気がわかりませんから、ひやかして、りっぱな
答弁と言ったか、それともほんとうに心から得心して、りっぱな御
答弁と言ったか、これはわかりませんけれ
ども、とにかく
大臣の御
答弁を読ましていただいても、
説明をされる
井上局長の御
答弁を聞いても、りっぱなものだ。
そこで、私のこれから言いたいことは、決して皮肉な
意味でなしにね、
昭和二十九年に
石炭合理化
法案ができるまで、
石炭関係の
法案というのは、あの鉱業法とか鉱山保安法とか、二つ三つしがなかったわけです。いまは膨大にできている。したがって、
政策、
政策とこうおっしゃるけれ
ども、その当時から
石炭政策というのがあったわけです。近年五ヵ年の間を見ても、いまの総理
大臣の佐藤さん、あるいは福田さん、あるいは櫻内さん、三木さん、いまの
大臣まで、何代かの
大臣がそのつど
石炭政策を述べ、ここで御
説明なさった。五千五百万トンも
政策、五千二百万トンも
政策、今度五千万トンも
政策、衆議院の御
答弁を聞いても、金がなかったらどうなるのですか、これは
政府からもらいます、借りるのか、助成金か、それは助成金だと
大臣は
答弁していらっしゃる。なるほどけっこうで、衆議院の喜ぶのも無理ないが、そんな甘くない。ですから、もう少しシビアーに言ってもらいたい。われわれ、もっとひどいですよと言われてもびっくりしない。四千七百万トンしかだめですよと言われてもびっくりしない。五千五百万トンと言われても、
大臣の委員会切り抜けの
答弁であると言って逆に反論しますよ。いま五千三百万トンの
貯炭がありますよと言ってもらったほうが、私御相談にあずかってもけっこうですし、意見申し上げてもけっこうだ。
答弁を聞いてみると、まことにりっぱな、王道楽土のように炭鉱がなるということまでは言っていらっしゃらないけれ
ども、りっぱになる。
石炭産業によって生活の安定とか職場の安定をはかろうなんという炭鉱労働者はほとんどおりませんよ。チャンスがあれば炭鉱をやめたいという気持ちが横溢しているのです。国の基幹産業
——これは
大臣もこの前、有閑マダムもおりますよという
答弁をやっておったが、そんな気持ちは一人もないわけだから、ですから
石炭だけ論議してもだめなんです。この
法律一本だけ論議してもだめなんです。したがって、
石炭と電気、やがては日本の
中心のエネルギーとなるべき原子力、この三つをどう
大臣が日本の総体エネルギーとしてお考えになっているか、
基本的にひとつ伺いたい。
補給金も出しましょう、一千億出しましょう、これは日本の国としてやっぱり
抜本対策の一つでしょう。しかし、
石炭産業にとって抜本と言えるかというと、抜本と言えない。あれ抜本になりませんよ。ということは、五百億という特別会計のワクをつくっている。したがって五百億のワク内
——五百二十億ですか、このワク内で金を使う分については、来年十億上がるか二十億上がるかわかりませんけれ
ども、このワク内で使う分には、いままでのように
石炭局長が大蔵省とにこにこして……まなじりを決して言う必要ありませんが、それからはみ出るということになったら、あるいは特別会計はないほうがいい場合も出てくる。
それから、イギリスの例を見てごらんなさい。イギリスの
石炭は、四千億の金を動力省にひとつ出してくださいと言ったら、九千億ぽんと出した。なるほど出炭量はイギリスと日本は違うけれ
ども、諸外国の例を見てもわかるが、日本はあまりにも少なきに失する。ですから、これだけの
赤字が出ればこれこれこれこれ国が整理しますよと言うぐらいが、かえってぼくは、いまは冷たいけれ
ども、将来のためにいいのだという気がするわけです。
ですから
石炭と電気とそれからいま申し上げました原子力発電、この三つを合わせて将来、二十年、三十年とは言いませんけれ
ども、五年、十年先は、日本の総体エネルギーはカーブを描いていっている
情勢ですから、その数字を示してください。