○大矢正君 原油の値段というものは、国際石油
会社にかってにきめられて、おまえはこれだけで買いなさいというのが今日の実態でしょう。日本の石油
会社というものは、単にそれを精製してまことに付加価値の少ない、利潤の薄いそういう中で競争をしていかなければならぬという問題をかかえているわけでしょう。だとすれば、私はやはり大臣みずからが、私の言うことの認識が正しければ、そういう方向で取り組んでいかなければならぬ問題ですよ。その点を私特に強調したいと思うし、それからもう
一つ、それに関連をして、この開発
事業団として考えてみれば、少なくとも個々の石油精製
会社、灯油を含めて、この力だけで日本のこの石油問題を解決させたりあるいは企業の自由な競争や、自由な創意だけで問題の解決はできないわけです。だから、この際、思い切って国家的な見地に立って日本の国のこの石油業というものが置かれている問題を解決をしてやらなければいかぬ。とすれば、どうするかということになれば、私は、そういう
意味でこの公団というものはけっこうなことだと思うのです。けっこうなことではあるけれ
ども、しかし、内容がこういうことでは、私はまだまだ不十分である、これを
指摘させなければいかぬのです。こんな金貸しの代行だけをやるような公団で一体何ができるかというのです。そうでしょう。何のことはない、この公団というのは、金貸しをやるだけですよ。たとえば銀行とどう違うの、これは。銀行に国内の石油資源の開発、海外の石油資源の開発というものに金を積極的に貸してあげなさいということと、これと、一体どれだけの違いがあるのですか。そうじゃないですか。こんなかっこうのものでは、今日の日本の石油業という問題の、根本的な解決はできない。私は、むしろこの際、国際石油
会社とまっ正面から対決をする
意味においても、日本の国家権力を用いても対決をするという気がまえをこの公団なり、その政策の中であらわしていかない限り、問題の解決にはならないと思うから申し上げておるわけですよ。とにかくあなたの認識がまことに私は違うと思うのだよ。ほんとうに日本の国家のことを考えるならば、そういう国際的なわが国に及ぼす影響というものをいかにして排除するかということを、もっと堂々と、しかも真剣に取り組んでいき、しかも遠慮会釈なく言うべきことは言う立場が必要じゃないかと思うのです。
それからもう一度念を押せば、いま言ったとおり、石油開発公団という名前だけど、どこがこれ開発なの。石油開発すると、一体このどこの条文に書いてあるの、名称だけが石油開発公団で、一般的に石油開発公団といえば、みずから石油を開発するということでしょう。ところが、この目的の中に一体どこに石油開発すると書いてあるの、金貸しするというだけでしょう。こんな中途半端なものじゃいけないというのだ。もっとやるなら国家権力の庇護のもとに日本の国家
利益を守るために、むしろ国際石油
会社と対決するくらいのことをやっていかなければいけないと思うのです。こんなことを遠慮することはないと思う。私はそういうことを考えているけれ
ども、国際石油
会社と対決したくないから回り道をしてということで、金貸しだけこの公団にやらせようと、まことに中途半端なものができ上がったものと思う。しかもさっきから聞いていれば、三年たてばいまの資源開発の営業部門は別
会社にして切り離すと。そんなことをしたらそれこそ金貸しでしょう。それなら開発銀行に資金ワクをやったり、開発銀行に出資をもっとやって、ただで金を貸してやったり金融の道を講じてやったりすることとどこに違いがあるのか。どこにあなた方が原油の安定的な確保をはかるというものがこの
法律の中に出てくるのか、お答えを願いたいと思う。