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1967-07-21 第55回国会 参議院 社会労働委員会 第26号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十二年七月二十一日(金曜日)    午前十時十七分開会     —————————————    委員の異動  七月二十一日     辞任         補欠選任      廣瀬 久忠君     高橋雄之助君      館  哲二君     金丸 冨夫君     —————————————  出席者は左のとおり。    委員長          山本伊三郎君    理 事                 植木 光教君                 土屋 義彦君                 佐野 芳雄君                 藤田藤太郎君    委 員                 金丸 冨夫君                 黒木 利克君                 紅露 みつ君                 佐藤 芳男君                 高橋雄之助君                 丸茂 重貞君                 山本  杉君                 横山 フク君                 小柳  勇君                 杉山善太郎君                 藤原 道子君                 柳岡 秋夫君                 小平 芳平君                 片山 武夫君    衆議院議員        修正案提出者   世耕 政隆君    国務大臣        厚 生 大 臣  坊  秀男君    政府委員        厚生政務次官   田川 誠一君        厚生大臣官房長  梅本 純正君        厚生省環境衛生        局長       舘林 宣夫君        厚生省社会局長  今村  譲君        厚生省児童家庭        局長       渥美 節夫君        厚生省年金局長  伊部 英男君        社会保険庁年金        保険部長     網野  智君    事務局側        常任委員会専門        員        中原 武夫君    説明員        厚生省児童家庭        局企画課長    上村  一君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○議案撤回に関する件 ○児童福祉法の一部を改正する法律案内閣提出、  衆議院送付) ○児童扶養手当法及び特別児童扶養手当法の一部  を改正する法律案内閣提出衆議院送付) ○国民年金法の一部を改正する法律案内閣提出、  衆議院送付) ○身体障害者福祉法の一部を改正する法律案(内  閣提出衆議院送付) ○環境衛生金融公庫法案内閣提出衆議院送付) ○精神薄弱者福祉法の一部を改正する法律案(内  閣提出衆議院送付)     —————————————
  2. 山本伊三郎

    委員長山本伊三郎君) ただいまより社会労働委員会開会いたします。  この際、議案撤回に関する件についておはかりいたします。  炭鉱労働者一酸化炭素中毒症に関する特別措置法案に対し、発議者から撤回要求が提出されました。これを許可することに御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 山本伊三郎

    委員長山本伊三郎君) 御異議ないものと認めます。よって、撤回を許可することに決定いたしました。  暫時休憩いたします。    午前十時十八分休憩      ——————————    午後九時五十一分開会
  4. 山本伊三郎

    委員長山本伊三郎君) ただいまより社会労働委員会を再開いたします。  児童福祉法の一部を改正する法律案児童扶養手当法及び特別児童扶養手当法の一部を改正する法律案国民年金法の一部を改正する法律案身体障害者福祉法の一部を改正する法律案環境衛生金融公庫法案精神薄弱者福祉法の一部を改正する法律案、  以上の法律案を便宜一括して議題といたします。  これより政府から順次提案理由説明を聴取いたします。田川厚生政務次官
  5. 田川誠一

    政府委員田川誠一君) ただいま議題となりました児童福祉法の一部を改正する法律案について、その要旨及び提案理由を御説明申し上げます。  まず、改正の第一点は、重症心身障害児施設を新たに児童福祉施設に加えることといたしたことであります。重症心身障害児施設については、昭和三十八年度から予算措置により、これらの児童に対し療育費等補助実施してきたところでありますが、今回、重症心身障害児施設整備を促進し、かつ、入所児童処遇内容の一そうの向上をはかるため、これを児童福祉施設として規定しようとするものであります。  改正の第二点は、重度精神薄弱児及び重度肢体不自由児について施設在所期間延長をはかることといたしたことであります。これらの児童については、満二十歳に達するまで在所期間延長を認めてきたところでありますが、今回はさらに、これらの者が満二十歳に達した後も、必要がある場合には、これらの施設に引き続き在所させることができることとしようとするものであります。  改正の第三点は、社会福祉法人児童福祉施設を新設する場合の費用を国及び都道府県補助することができることといたしたことであります。従来社会福祉法人設置する児童福祉施設については、増改築についてのみその費用について補助ができることとされておりますのを、今回その新設についても補助ができることに改め、公私相まって保育所重症心身障害児施設等整備を促進しようとするものであります。  以上がこの法律案要旨及び提案理由でありますが、何とぞ御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。     —————————————  次に、ただいま議題となりました児童扶養手当法及び特別児童扶養手当法の一部を改正する法律案について、その提案理由を御説明申し上げます。  両手当制度は、発足以来、数次の改正を経て、今日まで手当額引き上げ所得による支給制限緩和等改善が行なわれてまいりましたが、なお一そうの内容充実を必要とするところであります。  今回の改正法案は、その趣旨のもとに、両手当制度について、さらに手当額引き上げるとともに、所得による支給制限緩和を行なうことによってその改善をはかることといたしたものであります。  以下、改正法案のおもな内容について御説明申し上げます。  第一に、手当額引き上げについてでありますが、両手当制度とも、その月額を児童一人につき三百円引き上げることといたしております。  第二に、所得制限緩和でありますが、支給対象者本人所得による支給制限限度額を二十六万円に、その扶養する児童一人につき六万円を加算した額に引き上げるとともに、支給対象者配偶者等所得による手当支給制限基準額引き上げて、扶養義務者が五人の場合の例で申しますと、これを九十三万二千五百円にすることといたしております。  最後に、実施の時期についてでありますが、手当額引き上げに関する事項昭和四十三年一月分から、支給制限緩和に関する事項昭和四十二年五月分からそれぞれ施行することといたしております。  以上がこの法律案提案理由でありますが、何とぞ御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。     —————————————  次に、国民年金法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由を御説明申し上げます。  今回の改正法案は、福祉年金年金額引き上げるとともに、所得制限の大幅な緩和をはかろうとするものであります。  そのおもな内容は、第一に、福祉年金を三万円に、母子福祉年金及び準母子福祉年金を二万四千円に、老齢福祉年金を一万九千二百円に引き上げることといたしております。  第二に、所得制限緩和については、福祉年金支給制限緩和として、現行の限度額二十四万円を二十六万円に引き上げるとともに、受給者子等を扶養する場合において加算する額を四万円から六万円に引き上げ、また、扶養義務者所得による支給制限緩和として、標準世帯(六人の場合)の限度額八十一万七千五百円を九十三万二千五百円といたしました。  このほか、労災保険から一時金による補償を受けている者については、国民年金をはじめ、厚生年金保険船員保険の給付は六年間支給が停止されることになっておりましたものを、今回その支給停止を解除し、一定額支給する措置を講ずることといたしたのであります。  以上がこの法律案提案理由でありますが、何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。     —————————————  次に、身体障害者福祉法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由を御説明申しあげます。  最近におけるわが国身体障害者増加社会事情変動等を考慮しますと、身体障害者福祉行政には立ちおくれている面が多く見られ、なお一そうの充実を必要とするものと考えられますので、当面、その対象範囲の拡大、福祉措置充実等をはかるため、この法律案提案した次第であります。  次に、本法案内容につきまして、その概略を御説明申し上げます。  改正の第一点は、新たに心臓または呼吸器の機能に障害がある者も本法の対象とすることといたしております。  第二点は、新たに身体障害者相談員設置に関する規定を設け、都道府県知事はこれに身体障害者相談に応じ、更生のために必要な援助を行なわせることといたしております。  第三点は、身体障害者奉仕員に関する規定を設け、市町村は家庭奉仕員を派遣して、重度身体障害者日常生活上の世話を行なわせることといたしております。  第四点は、従来、収容をたてまえとしておりました身体障害者更生援護施設について、通所によってこれを利用する道を開くことなど、これら施設強化拡充をはかったことであります。  以上がこの法律案提案いたしました理由及び内容概略でありますが、何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。     —————————————  次に、環境衛生金融公庫法案提案理由を御説明申し上げます。  環境衛生関係営業は、公衆衛生の見地から、国民日常生活に密接な関係を有する営業でありまして、適正な衛生水準を維持させるために営業に対する種々の法的規制がなされております。しかしながら、その経営規模は零細なものが多いために、国民生活水準にふさわしい衛生的サービスを提供することは必ずしも容易ではありません。また、最近の労働力不足に起因する賃金上昇は、その経営に大きな影響を及ぼしているのが現状であります。このような営業について衛生水準を高め、あわせて近代化合理化の促進をはかることが当面の大きな要請となっているのであります。そのためには、営業特殊性に応じた融資環境衛生行政に即して実施することが緊要であり、ここに特別の金融機関として環境衛生金融公庫を設立することといたした次第であります。  この公庫は、本年度において一般会計からの政府出資金十億円をもって資本金とし、貸し付け規模としては、本公庫設立までの間、引き続き国民金融公庫において融資する分と合わせて三百億円を予定いたしております。  本法案におきましては、公庫設立趣旨に基づいて、公庫の目的及び業務範囲を定めるとともに、役員の任命など、公庫の組織に関すること、予算、決算その他の公庫会計方法公庫業務についての厚生大臣及び大蔵大臣監督等について他の公庫の例にならって規定することといたしております。  以上がこの法律案を提出いたしました理由であります。何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。     —————————————  次に、精神薄弱者福祉法の一部を改正する法律案について、その要旨及び提案理由を御説明申し上げます。  精神薄弱者福祉対策強化につきましては、政府においては、かねてから検討を進めてまいったのでありますが、とりあえず、特に緊急を要する精神薄弱者に対する授産事業強化等対策を講ずるために、ここにこの法律案を提出した次第であります。  次に、本法案内容について、その概略を御説明申し上げます。  改正の第一点は、公立精神薄弱者援護施設運営費措置者たる地方公共団体において支弁すべきこととすることにより、その設置に伴う地方公共団体財政負担の軽減をはかり、もって公立施設の普及を促進しようというものであります。  改正の第二点は、精神薄弱者援護施設を分けて、精神薄弱者更生施設及び精神薄弱者授産施設の二種類とし、これによって精神薄弱者援護施設における授産事業等実施の根拠を明らかにしようということであります。  改正の第三点は、児童のうち、十五歳以上の者についても、その社会復帰をすみやかならしめるため、必要があるときは精神薄弱者援護施設入所できることとすることであります。  以上がこの法律案提案いたしました理由及びその内容概略でありますが、何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。
  6. 山本伊三郎

    委員長山本伊三郎君) 速記をとめて。  〔速記中止
  7. 山本伊三郎

    委員長山本伊三郎君) 速記を始めて。  それでは、これより六法案について質疑に入ります。御質疑のある方は、順次御発言を願います。  ちょっと速記をとめて。  〔速記中止
  8. 山本伊三郎

    委員長山本伊三郎君) 速記を始めて。
  9. 藤原道子

    藤原道子君 私は、児童福祉法の一部を改正する法律案について御質問をいたしたいと思います。  昭和二十二年に児童福祉法が制定されてからすでに二十年を経過いたしております。児童福祉事業は発展を遂げてきたとはいいながら、まことに複雑多岐となっております。かつて三十八年の五月に厚生省が発表した児童白書には、わが国児童は、いまや天国はおろか、危機的段階に置かれておると、厚生省みずからが指摘いたしております。これは黒木局長時代白書でございます。高度経済成長がむしろ児童からその福祉を奪っておるということが三十八年の児童白書にうたわれております。そうしてこのことについての警鐘乱打をいたしましたが、急変する社会情勢下にあっては、さらに新たに児童福祉を阻害しつつある現象、児童の公害による疾病、交通事故増加、十四歳未満の非行事犯激増等が見られております。児童憲章は守られていないどころではない、無視されているといわなければなりません。社会開発人間尊重を掲げる佐藤内閣にあっては、児童福祉の増進がきわめて重要であることは言うまでもございませんが、この際、政府児童福祉対策の基本的な考え方を明らかにしていただきたいと思います。
  10. 田川誠一

    政府委員田川誠一君) 児童福祉行政児童福祉法を軸として進めておりますけれども、その理念は、児童心身ともにすこやかに生まれ、かつ、育成されるということにございます。特に近年は年々人口が減少してまいりまして、これまでにも増して、児童の資質の向上に対する社会的要請が強くなっているにもかかわらず、児童をめぐります諸条件というものは必ずしも十分にいっていないわけでございまして、今後のわが国児童福祉行政は、そのような状況に対処して、できるだけ科学的に、また、きめのこまかい施策を幅広く実施してまいるつもりでございますが、特に藤原委員がいま御指摘のようなこと、事故防止対策を含めた児童健全育成対策各種心身障害児に対する総合的な対策、それから大幅な保育所の増設というようなものを中心にして、保育対策などに重点を置いてやっていく所存でございます。
  11. 藤原道子

    藤原道子君 昭和四十二年度の児童家庭局予算を見ますと、健全育成対策費はわずかに〇・七九%、幾らやりますといっても、〇・七九%で一体何ができるか。これを見ましても、いかに一般児童福祉に対する熱意が低調であるかということがはっきりあらわれております。政府は、おくれている児童健全育成対策を今後どのように積極的に推進していこうとしているのか、具体的な御答弁を伺いたい。
  12. 田川誠一

    政府委員田川誠一君) ただいま藤原委員の御指摘のように、予算面で必ずしも十分にいっておりません。しかし、私ども厚生省といたしましては、いま申し上げましたようなことを重点にいたしまして、でき得る限り児童福祉行政充実するように努力をしてまいるつもりでございます。具体的な計画につきましては、担当の課長から答弁させていきたいと思います。
  13. 上村一

    説明員上村一君) 児童健全育成対策でございますが、いま政務次官からお答えいたしましたように、最近特に力を入れて進めてまいるものでございます。いろいろございますが、その一つといたしましては、家庭に関する施策でございます。家庭における児童に対する相談指導強化するために、福祉事務所家庭児童相談室というものを設置してまいっております。ここへ専門職員を配置して、それに必要な費用というものを国庫補助をいたしております。それから、民間の家庭児童相談所、その運営費の一部につきましても助成措置を講じておるわけでございます。これが家庭に関する施策でございますが、地域社会に関する施策といたしましては、児童館でありますとか児童遊園といった児童厚生施設整備をいたしております。児童館につきましては、昭和三十八年度以来、その設置運営について補助を行なってまいっております。児童遊園につきましては、三十三年度から三十九年度までは設置につきまして国庫補助を行なってまいりましたが、四十年度からは年金特別融資設置を促進いたしております。  なお、それ以外に、地域社会子供健全育成のために活動する有志の指導者を養成するために、家庭児童対策モデル地区というものをつくりまして、その育成の助長、あるいは子供会とか母親クラブ育成子供をめぐります各種優良文化財の推薦、こういった児童健全育成化のための施策というものを進めております。
  14. 藤原道子

    藤原道子君 答弁まことに不満足でございます。名だけで、実質が伴っておりません。実質が伴っておりますとはっきり答弁できないと思う。言うだけでなく、今後いま言われたことが具体的に行なわれるようにしてほしいと思います。  そこで、重症心身障害児現状は、政府の調査によっても要施設収容児が約一万七千人に及んでいる。これに対して施設整備状況を見ると、昭和四十一年度末で約千六百床が整備されたにすぎないのであります。重症心身障害児家庭に放置されておるのは、障害児福祉と家族の負担の面からも大きな問題であるので、早急に重症心身障害児施設整備をはかるべきものと考えるが、政府施設整備計画を伺います。時間がございませんので、重ねて伺います。  次に、重症心身障害児施設整備にあっては、建物の整備ももちろん必要であるが、施設における障害児処遇向上をはかるためには、必要な職員確保と、安心して労働に従事できる処遇をすることが肝要と考えられますが、いまはまことにこの点が特に不十分でございます。これについての計画を、そうして対策をお伺いしたい。往復三十分ですから、答弁をはっきりよくやってください。
  15. 田川誠一

    政府委員田川誠一君) 重症心身障害児施設整備するということにつきましての質問につきまして御答弁申し上げます。  重症心身障害児並びに重症心身障害者施設を増設しろという声は最近非常に高まってきておりますし、また、その要収容者に対する施設というものが非常に少ないのでございまして、政府といたしましても、施設充実につきましては特段の配慮をいたしておるのでございます。で、四十五年度までの計画といたしましては、要収容者の約半数に当たります八千床を整備する計画でございます。それから、四十一年度末において、すでに国立五百二十床、それから公法人立千百十一の病床、計千六百三十一床がほぼ計画どおり整備されたのでございますが、引き続き、四十二年度におきまして国立六百床、公法人立五百床を整備する予定にしております。  それから、重症心身障害児施設職員確保処遇についてでございますが、重症心身障害児施設におきましては、収容児特殊性にかんがみまして、他の一般病院等と比較いたしまして介護職員を多く必要とし、看護婦のほか、保母児童指導員を置き、おおむね児童二人に一人の割合でその療育を行なっております。これらの重症心身障害児療育に当たる看護婦保母等介護職員の勤務が複雑困難でありますので、四十二年度予算におきましても、特に職員処遇改善をはかるために、重症心身障害児指導料医療費の三〇%から三八%に引き上げることといたしております。なお、国立施設におきましては、重症心身障害児療育に当たります職員に対しては、四十二年二月から最高本俸二〇%の調整額支給することとしております。それで、今後も引き続きまして給与等処遇改善をはかるということをはじめ、職員確保一段努力をしてまいるつもりでございます。
  16. 藤原道子

    藤原道子君 一段努力ということがいつも言いっぱなしになる。はっきり銘記してこれはやってもらわなければ、具体的に看護婦が足りないのにどうしてやるのかというような点もこれから聞きたいのですが、時間がございません。今回の重症心身障害児施設法定化は、その趣旨においては私も賛意を表するものでありますが、この施設入所児童定義に問題があるように考えられます。今回の改正案では、施設入所児童精神薄弱肢体不自由が重複し、それぞれの障害重度である児童としておりますが、現実に今回の法改正対象となる施設の実態を見ると、その定義に該当しない児童もかなり入所しておるようでございます。さらに、また、これに対しまして、このままでまいりますと、入所したくもできない、はみ出される児童も出るように考えられます。入所を期待しておる児童で、この定義に該当しないいわゆる重症心身障害児に対しましてはどのような処遇をされるのか。今回の法改正によって施設から締め出されてしまうことを私は憂えるのでございますが、この点を明確にしてもらいたい。重度心身障害の重複した者と、こう定義されております。この点について明確にしてほしいと思います。
  17. 渥美節夫

    政府委員渥美節夫君) 今回提案しております重症心身障害児施設法律一つ体系といたしますということでございますが、これは従来から精神薄弱児につきましても肢体不自由児につきましても、精神薄弱児施設肢体不自由児施設という施設体系をもってやってまいったのでございますけれども、そして、また、昭和三十九年からは、特に重度精神薄弱児のためには、精神薄弱児施設の中に重度棟という制度を設けました。また、同時に、肢体不自由児施設の中にも重度棟、特に重い方々を指導される棟を設けてやってまいったのでございますが、しかしながら、なおそれらの制度におきましても困難な子供さん方を収容指導するというたてまえで、先ほど先生がお話になりましたように、重度肢体不自由重度精神薄弱が重複している子供たちのために、法律の新しい体系といたしまして、重症心身障害児施設という体系をつくったのでございます。したがいまして、そういうたてまえで子供さんを収容するわけでございますが、ただ、重度精神薄弱児と申しましても、いろいろと重度解釈にはずいぶん幅があると思います。また、重度肢体不自由児と申しましても、これも相当な幅があると思います。同時に、また、こういう子供さん方は、先ほど先生指摘のように、非常に数が多いわけでございます。また、精神薄弱児施設重度棟肢体不自由児施設重度棟も、なお数が非常に足らないわけでございます。したがいまして、この重症心身障害児施設制度として発足いたしましても、その解釈につきましては十分実情を考慮いたしまして、弾力的に運営をしてまいりたい。したがいまして、現在こういった昭和三十八年から法律外制度といたしまして重症心身障害児施設がありますが、その中で、入所されている方をその範疇に属さないというふうなことによって退所をしていただくということは絶体にありませんし、今後の運営といたしましても、重症心身障害児施設の数もまだ足りませんし、また、精神薄弱児施設肢体不自由児施設重度棟も足りないわけでございますから、その子供の方の症状によりまして十二分にこの重症心身障害児施設を活用して、子供たち福祉を守ってまいりたい、かように思っております。
  18. 藤原道子

    藤原道子君 ところが、いろいろ解釈があるというけれども、厚生省定義は、重度と言えばIQ三五以下でしょう、いまの定義は。それから、障害重度という解釈も、やはりそういうふうに定義があると思う。それを自由に解釈してやれるのですか。それならば重複したものを言うということばに私はひっかかるのですよ。そこは重度心身障害の重複した者を入れる施設でしょう。ところが、それがあなたの自由裁量で、これはIQ三五というものを五〇ぐらいまで入れてよかろう、あるいは一級、二級を、さらにこれを三級、四級まで幅を広げていくということができるかどうかということが、非常に何だかこの際ごまかされるような気がしてなりません。それから、それをも置いていくというならば、その施設に限りがございますので、入れなければならない者はどうしてくれる、そういう点も私は心配なんです。あるいは動けない者だけを収容して、そうして動く、手のかかる者で、親の寸時も手の離せない子供たちが放置される結果になりはせぬか。安上がりの医療が、ここでも安上がり福祉施設ということになるのじゃないか、これが私一番心配でございますので、その点を明確にいたしてもらいたい。
  19. 渥美節夫

    政府委員渥美節夫君) 先生ただいま御指摘重度肢体不自由という定義につきまして、身体障害者福祉法の別表に定めます一級、二級に限るのではないかというお話がございましたが、私ども一級、二級に限るということに考えておりません。特に三級につきましては、肢体不自由な方々も三級に属しているわけでございますので、もちろん一級、二級というふうに限界を考えることをしておるわけではございません。また、精神薄弱児につきましても知能指数が三五というふうに言っておりますけれども、これもいろいろと知能指数も、子供につきましては絶えず変動する、いろいろの測定の方法もあるというふうなこともいわれておりますので、三五以下に限るというふうな取り扱いも考えておらないわけでございます。特にまた身体障害の等級表の検討も、今回これから行なわれるわけでございます。そういった意味におきましても、そういった標準がこれで固定するというふうなことも考えておらないのでございます。いずれにいたしましても、精神薄弱児施設重度棟なり、あるいは肢体不自由児施設重度棟なりに入るべき子供であっても、これは重度棟も非常に少ない現状でございます。そういうふうな意味におきまして、そういった点につきましては、十分子供たちの症状を考えまして、医学的な管理が必要であるというふうなことも考えまして、重症心身障害児施設については、そういった子供も今後措置をするという運営をいたしてまいりたい、かように思うのでございます。
  20. 藤原道子

    藤原道子君 その答弁ではなお満足しないのですよ。施設がないのですからね。それならば現在該当する子供たちがいつになったら全部入れてもらえるのですか。その点を簡単明瞭にひとつ、時間がないから。
  21. 渥美節夫

    政府委員渥美節夫君) 先ほど次官から御答弁申し上げましたように、重症心身障害児施設につきまして、対象数一万七千につきまして、この五年間のうちに約半数の八千床はぜひ確保したい、かように思っております。それから、精神薄弱児重度棟、あるいは肢体不自由児重度棟整備につきましても、年次計画をもちまして、この五カ年のうちに必要数の約二分の一程度は確保する。いずれにいたしましても、こういった施設整備拡充というものが何をおいても第一である、かように考えております。
  22. 藤原道子

    藤原道子君 それで、国立の療養所を大体転用するわけですね。ということになると、そこに実は医療行政、一方は家庭児童局、こういうふうになりますが、その同じ施設、同じ療養所に二つのものが併設してあるようになりまして、その中の混乱等が起こるようなことはないかということも心配されております。  さらに、時間がございませんので、続いてまいりますが、民生委員児童委員の兼任の問題でございます。民生委員はボランティアとして、社会福祉関係諸法令の施行事務についてまあ協力、兼務していかなければならない、こういうふうになっておりますが、その業務が多過ぎるのでして、民生委員のそこに問題がある。それから、児童委員をも兼任しているので、民生委員が約十三万いるはずですね。けれども、児童委員の役割りを十分に果たしているというふうには見受けられるものはごく少数です。そうすると、児童福祉行政複雑多岐にわたっておる現状にかんがみて、この際、有給の児童委員、こういうものを設けるお考えがあるかないか、これを一つお伺いいたします。これを特にちょっとお伺いします。
  23. 田川誠一

    政府委員田川誠一君) 民生委員には、児童委員としてもふさわしい人を委嘱することとなっておりまして、その改選に際しましてもこの点を十分考慮をして、児童の問題に関心の深い人の補充等をはかるように指導するとともに、児童委員としての具体的な業務、それから活動についても、かねてから指導を行なっております。これらの指導によって民生委員は、現に児童委員としても相当な活躍を願っているので、児童委員制度と別個に設けることについては、現在のところ考えていないのでございます。しかし、児童委員制度のあり方につきましては、将来とも十分に検討してみたい、このように考えております。
  24. 藤原道子

    藤原道子君 幾ら指導したって、仕事が多過ぎるんですよ。民生委員のいまやっている実態、その待遇、あるいは人選、いろいろ問題がございますが、これは後日に譲りまして、十分検討したいと思いますけれども、いまの児童委員が十分に仕事を果たしていると考えているところにあなた方の認識不足があるのですよ。とんでもないことだと思う。  それから、いま問題になっている自閉症の問題がありますね。それから言語障害の問題があります。これなんかも、言語障害に至りましては、それこそ早くに指導すればほとんどなおるといわれている。アメリカあたりではこれに対しては非常に熱心に取り組んでいる。なおるものが、政治よろしきを得ないために一生をかたわで送らなければならない、こういう点があることをまことに遺憾に思うわけでございます。  それから、最近問題になっておりますフェニルケトン尿症の問題、これなんか特に精神薄弱等とは大きな関係があるのでございますが、これらに対して、まあ一万人に対して一人くらいの割りで生まれておる。こういうことになると、非常に重大な心身障害児が生まれて、その対策もむろん大事でございますが、一人でもそういう子が生まれないようにするのがほんとうの政治だと思います。あるいは筋萎縮症に対してもやらなければならないものがたくさんございますが、これについても一括しての御答弁をお願いしたいと思います。
  25. 渥美節夫

    政府委員渥美節夫君) 自閉症につきましての御指摘をいただいたわけでございますが、自閉症などにつきましては、いまから約十三年前に、わが国におきましてもそういった新しい疾病につきましての学会に対する報告があったわけでございますけれども、現在におきましては制度的な、あるいは系統的な対策が遺憾ながら講ぜられておらないのでございます。しかしながら、自閉症児につきましては、これを心理療法等によりまして相当強力に治療することによりましてある程度の効果があらわれるというふうな報告もされておるわけでございます。したがいまして、今後私どもといたしましても、自閉症、あるいは自閉病症状を呈する子供たちに対する児童福祉の面、あるいは医学の面、こういった面から十分な検討を加えまして、早急に政策を打ち出す必要があろうと、かように考えておるわけでございます。  それから、次に、言語障害児の問題でございますが、これも先生指摘のように、わが国におきましては、特に言語障害の発見が非常におくれる。しかも、言語障害につきまして、早く、少なくとも学齢以前に治療するということによりまして言語障害をなおすことができるということも学問的にははっきりされておりますので、これにつきましても、私どもといたしましては、早期に発見し、早期に治療する、このためにはこういった関係の学者、医学界の方の御協力を、あるいは、また、言語治療士というふうな特別な職員の養成でありますとか、あるいは施設におきまする訓練、こういうふうないろいろな方面からこの言語障害児に対する対策を講ずる必要がある、かように思っております。言語障害児は、現在わが国で約八千七百人というふうな大きな数字を数えておりますので、これも考えていかなければならない、かように思うわけでございます。  なお、フェニルケトン尿症につきましての御指摘がございましたけれども、これもフェニルケトン尿症につきましては、それを新生児のときに把握することができるわけでございまして、ただいま地方公共団体等におきまして、そのフェニルケトン尿症を発見するテストペーパー等によりまして施策を講ずるところがあるわけでございますが、これらもやはり全国的に取り上げる必要があろう、かように思っております。  それから、筋ジストロフィー等につきましての御指摘がありましたが、これらは、いずれにいたしましても、政府におきましても、現在のところ、予算上の措置がまだなされておりません。したがいまして、四十三年度の新しい施策といたしまして、私どももそれに盛るようにも検討をさらに進めていきたい、かように思っております。いずれにいたしましても、これらは妊産婦、あるいは新生児に対しまする母子の保健の指導というものが必要でございます。そういった点につきまして十分に力を入れていきたい、かように思います。
  26. 藤原道子

    藤原道子君 とにかく児童福祉法ができて二十年たつのですから、それでこういうことがまだ手をつけられていない面がたくさんあるのですよ。ことにこういう子供を持った親御さんの苦労というものは、それはたいへんなものです。同時に、早くやれば普通児になれるということがわかっておるのに、それをやらないということは大きな罪悪だと思う。それで、選挙になればりっぱな公約をしておる。こういうことじゃ国民が許さないと思うのです。それから、特に言語障害のごときは、いろいろ調べてみますと、アメリカでは言語障害児の三四%が公立の教室や施設で教育を受けているのです。ところが、日本では〇・〇〇二%、こういう低さにある。これじゃ私は相済まぬと思うのですよ。こういう点で、少なくとも児童福祉を担当しておいでになる局長、さらに厚生省におきます指導問題これはいつか佐野理事と話したのでございますが、児童問題だけでも一週間ぐらいやろうじゃないかというように私どもは準備をしておりました。ところが、きょうは往復三十分で四本やるのですから、非常に残念でございますが、いま申し上げたようなことを十分お考えいただきまして、子供の将来を守らなければその国の繁栄はないのでございますから、そういう点、しかとお願い申し上げます。さらに、局長が言明なさいました重複しておる重度心身障害児、これをもしこの法案どおりやりましたならば、びわこ学園でも六〇%、あるいは島田療育園でも五八%、これらが重度が重複しておる者という法律解釈でいきますならば退院せざるを得ない状態にある。しかも、びわこ学園あたりで退院させられる者の半数は、入所してからよくなった、やっとよくなりかけたらこれがほうり出される。こんなことは国家の予算上からいっても大きな損失ですから、その点は御答弁どおりにやっていただきたい。足らざるは後日に譲りたいと思います。法律ができたらそれでよいなどと思っちゃ困りますから。  次に、児童扶養手当、これをちょっとお伺いしたいと思います。まず、ずっと個条書きで読みます。  児童手当制度について今後政府はどういう準備をしておいでになるか。児童手当はもう来年度からやるんだというようなことが構想されております。この児童手当は今後いつからおやりになるか、その方策等についてまず第一にお伺いします。  それから、今日のこの改正案の答申にあたり、付された社会保障制度審議会の意見はあまりにも無視されているように思うのでございますが、意見に対しての考え方はいかがでございますか。  さらに、第五十一回国会で衆参両院の社会労働委員会における附帯決議を政府はどのように尊重して処理しておいでになるか。  そして、次に、手当に関する事項でございますが、この物価高のとき、月額三百円引き上げたその根拠を伺いたい。三百円ですから、扶養手当を上げた上げたと宣伝しているが、たった三百円です。  それから、次に、児童一人の場合、児童扶養手当の額と母子福祉年金の額との不均衡是正についてはどのように考えておいでになるか。そして、また、今回の手当の額が昭和四十三年一月から引き上げられるけれども、もらうのは五月なんですね、そうですね。
  27. 渥美節夫

    政府委員渥美節夫君) そうでございます。
  28. 藤原道子

    藤原道子君 これではあまりに長く待たせ過ぎると思うんです。一月から施行して五月になる、それのいま法律案審議をしておる。それで来年、一年後でなければこの三百円引き上げられた額がいただけないのでございますが、なぜこういうことになるのでございましょうか。もう少し愛情ある措置ができなかったのでしょうか。  この程度にしておきます。
  29. 田川誠一

    政府委員田川誠一君) 児童手当をつくることにつきましては、児童福祉の問題だけでなく、重度問題、賃金問題とも密接に関連するところが多いのでございまして、このような問題につきましては、なお各界の意見を徴した上で成案を固めることが必要であると考えております。いずれにいたしましても、できるだけ早く制度の概要について成案を得て実施したい考えでございます。  その他については関係局長から答弁いたさせます。
  30. 渥美節夫

    政府委員渥美節夫君) 社会保障制度審議会なり、あるいは昨年の参議院におきまする附帯決議等につきまして、それをどう生かしてあるかというふうなお話でございますが、社会保障制度審議会の御答申の中で、特に今回におきましては、手当額の増額と、それから所得制限緩和という点につきまして是正をいたしたわけでございます。  なお、昨年の参議院の当委員会におきまする附帯決議に関しましても、所得制限の要件を緩和する、あるいはその額を引き上げるというふうなことで私どもがんばってまいったのでございます。  それから、三百円値上げしたが、その根拠はどうかというふうなお話でございますが、これらは国民年金の中の母子福祉年金等、関連制度との調和をはかりながら三百円の引き上げをいたした、かようになっておるわけでございます。
  31. 藤原道子

    藤原道子君 それでは、いまの答弁はそのままやるんでしょうね。だいじょうぶでしょうね。  次に、精神薄弱者福祉法の一部を改正する法律案について二、三の点で御質問したいと思います。  現在わが国には二百数十万にのぼる精神薄弱者がいるといわれておりますが、この精神薄弱者福祉向上をはかるために、政府は現在真剣にどのように考えておられるかということが一つ。  それから、今回の改正案は一歩前進したとは言えますけれども、今後これらの対策は積極的に一そう強化推進しなければならない。そうしてこれらについて、昭和四十三年度においてどういうふうな予算措置が講じられようとしておるのか、これをちょっとお伺いしたい。
  32. 渥美節夫

    政府委員渥美節夫君) 精神薄弱者に対します対策といたしましては、現在、児童福祉法によりまする各種施策が行なわれております。第一が、そういった方々に対する相談指導でございます。第二が、施設におきます保護指導でございます。第三は、職業委託によります職業能力の付与ということでございまするし、また、先ほどお話がありました重度の方々に対しましては扶養手当を差し上げておるということでございます。で、今回提案いたします改正によりまして、特に十五歳以上の方々につきましては、授産の事業をやっておりますような施設入所いたしまして、社会適応能力を強化することを考えておるわけでございます。  なお、これら精神薄弱児、あるいは精神薄弱者に対する対策といたしましては、施設の拡充なり、あるいは訪問指導なりの拡充を今後ともさらに強力に期してまいりたいと、かように思っております。
  33. 藤原道子

    藤原道子君 精神薄弱者の問題では、その対策はばらばらなんですよ、十八歳までと児童福祉法ではなっておる。ところが、今度は二十歳をこえても在所することができると、こうなっておる。これを何とか一貫性を持たした法律に変えていくべきだと思いますが、これに対してはどう考えておりますか。個々ばらばらでは困る。
  34. 渥美節夫

    政府委員渥美節夫君) 先生指摘のとおり、精神薄弱という状態は、年齢の多い少ないを問わず、一貫してこれを指導する必要は当然あるわけでございます。一昨年、この精神薄弱者のおとなのほうの行政を、児童家庭局でやっております子供のほうの行政と一貫をして実施をする、つまり児童家庭局におきまして、おとなも子供も、精神薄弱という状態に対しましては、一貫したその施策を講ずるように窓口を一元化したのでございます。それを皮切りにいたしまして、精神薄弱者福祉審議会等の大臣の諮問機関におきましても、この一元化に対しましていろいろと現在御検討を願っておるわけでございます。今回提案いたしました問題につきましてはその一班でございまして、全体的な制度的な検討ということは、さらに精神薄弱者福祉審議会の御答申を得まして早急に実施いたしたいと、かように考えております。
  35. 藤原道子

    藤原道子君 答弁に誠意があるように思えないのですよ、書いたものを読むだけでは。真剣にやってくださいよ。時間の制限があるから、とにかくやるやると言ったって、現在精神薄弱児童の施設は二百四十一でしょう。幾人いるのですか。二百何十万いるのに、おとなのものを合わせたっても、その収容人員たった二万五千二百人くらいしかないでしょう。こういうことで政治をやっていると言えるかどうかということが一つ。それから、職員処遇だって、施設だけつくればいいのではないのですから、職員処遇がなければ、入っている子供もみじめ、働く人もみじめなんです。したがいまして、これらに働く人たちの処遇の問題、そうして今後の施設増強の見通し、さらに保母や指導員その他の養成確保、これらについてのひとつお考えを聞きたい。同時に、あわせまして、いま特に児童福祉司が足りない。児童福祉事務所が足りない。児童福祉事務所は全国で千四十八ですね。ところが、ここに働く人は千六十二人ですけれども、その中の専任はたった二百人なんです。あとは兼任が八百六十二人なんです。これは兼任とは何を兼任しているか、児童福祉司を置いてございます、じゃ福祉事務所は何をやっているか。働く人が専任がたった二百人で、はたして機能が満足に行なえると思っていられるのでしょうか、私は非常にこの点不満足なんです。法律さえ通ればいいんじゃないんです。法律に血を通わせるのがあなた方の仕事です。私はそのお覚悟のほどを伺いたいと思います。  それから、最近、神戸とか足利とか市川あたりで心身障害者保険扶養制度というようなものが漸次行なわれているようでございますが、これらについて政府はどのように考えておられるのか。
  36. 渥美節夫

    政府委員渥美節夫君) 精神薄弱児施設の拡充の問題につきましてお話がございましたが、先ほど精神薄弱児者合わせまして全国で二百七十三万というようなお話がございましたけれども、私どもの調査をさらに進めましたところ、施設において保護を要する精神薄弱者の数は、精神薄弱子供につきましては四万八千人、これに対しまして施設収容されている子供たちが二万六千四百人、それから精神薄弱者の援護施設につきましては、施設において保護を要するおとなの方が五万八千人で、そのうち、精神薄弱者施設に入っていらっしゃる方が一万九千人、こういうことになっております。なお、依然として施設は足りないわけでございます。したがいまして、今後さらに年次的な計画によりまして、こういった施設、特におとなの方々の施設の拡充には全力をあげてまいりたいと、かように思います。  なお、職員処遇の問題でございますが、これはまことに重要な問題でございまして、毎年職員処遇改善につきましては、国家公務員のベースのアップに伴いましてその給与のアップをしております。とともに、特に民間の施設につきましては、さらに五%程度の調整費を出す、そういうふうなことでやってまいりたいと思っております。  それから、精神薄弱者福祉司が、御指摘のように、非常に兼務が多いわけでございまして、この兼務は大部分身体障害者福祉司等と兼務しておるわけでございまして、私ども、県に対しまして絶えず督促をいたしまして、これが専任になるようにつとめてもらうように言っておるところでございます。  それから、神戸でございますとか、その他の都市におきまして地方公共団体がバックアップいたしまする心身障害者の保険扶養制度がございます。これらも非常に興味深く、また、いいところがあるわけでございます。したがいまして、私どもも、こういった地方公共団体だけにおいてばらばらに実施させることが適当であるかどうか、こういった点についていま十分検討しておるわけでございます。しかし、これらにつきましてはもう少し時間がかかるのではないかと、かように考えておるわけでございます。
  37. 藤原道子

    藤原道子君 いまの御答弁に反論があるんですけれども、次に譲ります。  次に、身体障害者福祉法の一部を改正する法律案について御質問申し上げます。  私は、あまりにもばらばらないまの法律、一体これをどうするのか、総合性、一貫性がどこを見ても見当たらないんですが、これらについての今後の基本的な理念を明確にしてもらいたい。  次に、民間諸団体で心身障害児者総合基本法の構想があるやに聞いておりますが、これらに対して政府はどのように考えておられるか。  それから、いま一つは、こうした経済発展に伴いましていろいろ問題が起こっております。こういったときに身体障害者福祉行政を飛躍的に進めなければならないものだと思います。それに対して政府はどのように考えているか。  それから、身体障害者福祉審議会の答申そのものに比べると、政府提出のこの改正案はきわめて貧弱で、内容は問題にならないと思います。答申答申と、答申を尊重してとおっしゃるけれども、出た答申がそのまま守られている点がないと思うのであります。そこで、年次計画をどのように持っているか、四十三年度の予算措置はどのように考えておるのか、その点をちょっと伺いたいと思います。
  38. 渥美節夫

    政府委員渥美節夫君) 精神薄弱児精神薄弱者と一元的にこの行政運用する必要は、先生指摘のとおりでございます。したがいまして、今回提案いたしております精神薄弱者福祉法につきましては、まずできる部分だけを取り上げたわけでございます。  なお、現在、精神薄弱者福祉審議会におきましては、その一元化の具体的な問題、たとえば措置期間をどうするか、あるいは費用負担をどうするか、こういった具体的な問題について現に検討中でございます。したがいまして、そういった点の御意見を早急にちょうだいいたしまして、できれば四十三年度には発足するようなことで考えたいと思っております。なお、いろいろとおとなと子供の間には制度的な問題がございますので、さらに精神薄弱者福祉審議会の御意見を徴したいと、かように考えております。
  39. 藤原道子

    藤原道子君 非常に残念でございます、こんなことではいけませんよ。  立て続けに言います。与党の方も急がれるようですけれども、何も審議しないで通すなんていうことは、国会議員の良心が許さないですよ。児童問題では、特に御婦人の皆さんは、もっと熱心であってしかるべきだと私は思います。  何もかも兼務ですね、これでは実効があがるはずはありませんから、専任の者を設ける腹をきめてもらわなければ困ります。  それから、心身障害者には自家営業者が多いんですよ。盲人であるとか、その他そういったものに対しては、駐留軍関係とか炭鉱離職者に対しましてやはり融資がなされて更生資金が出されている。こういう点から考えまして、心身障害者が自営業をやられるときには、これらに対して税の問題、あるいは融資の問題等で私は考慮すべきだと思います。  それから、内部障害者の範囲、これらも問題だと思っておりますが、これもひとつお考え願わなければならないと思います。  それから、もう一つは、身体障害者を擁護するための措置、こういうものは日本はおくれておりますが、これらに対してどのような見解をもって対処されようとしておるかを伺いたい。  それから、身体障害者の雇用の促進、これはいろいろいわれておりますけれども、あまり効果をあげておりません。これらについても強制雇用制度をとるべきだと思いますが、政府のお考えを伺いたいと思います。それで、これらの人の職業の指定、これらについてもいろいろありますね、たばこ屋とか何とかあるけれども、その実効があがっておりません。したがいまして、私は、これらの職業の拡大、これを考えてしかるべきじゃないかと思うのですが、つまり窓口事務であるとか、あるいはエレベーターの問題であるとか、あるいは、また、何といいますか、有料道路の切符を売っている人、こういうところは拡大すればできる問題がたくさんあると思います。これらを義務づける必要があると思いますが、どうなっておるか。  最後に伺いますが、国立身体障害者センター、こういうものは国立一つですね。ところが、一つのセンターが絶えずごたごたしている。ところが、一部聞くところによると、この身体障害者センターが今度はリハビリセンターと改称して、東南アジア向けのセンターにするというようなうわさが流れております。そのための準備として、ああしたじゃま者を追っ払うというようなことから問題が起こっている、こういうふうに私は伺っておりますが、これらについてのたった一カ所の国立センターですね、これに対していまのようなごたごたが起こるということは、事情がいかようにございましょうとも、私は厚生省に責任があると思います。これらについての御答弁を伺って、まことに不満足でございますけれども、私の質問を終わります。
  40. 今村譲

    政府委員(今村譲君) 第一点の自営業は、御指摘のとおり、非常に雇用関係がむずかしいので自営業が多いのでありますが、その生業資金として、世帯更生資金で二十万円までの資金を出しておりますが、これを逆に拡大してまいりたいというふうに考えます。  それから、内部障害範囲につきましては、とりあえず審議会の答申によりまして、中度及び重度というものよりまず出発して、逐次判定基準の確立をまってその範囲を拡大すべきであるという答申になっておりますので、その方向で今後とも拡大していきたいと思います。  雇用促進の問題、これは労働省ともいろいろ協議をいたしております。職業の指定、あるいは新職業開発ということは、今後も労働省との緊密な連絡をとってまいりたいというふうに思います。  それから、国立身体障害者センターの問題、いま御指摘いただきまして、はなはだ私ども不手ぎわでございまして恐縮いたしておりますが、今後すっきりした形で十分に内部管理にも力を入れまして、御心配をかけないような姿に持っていきたい、こういうふうに考えます。  それから、最後に、身体障害者の発生の予防でありますが、これは交通とか、あるいは産業災害、あるいは先天性の疾病の関係、いろいろございますが、これは公衆衛生局なり、あるいは交通関係の機関なりというようなものとよく連絡をとまして今後とも努力してまいりたい、こういうふうに考えます。     —————————————
  41. 山本伊三郎

    委員長山本伊三郎君) この際、委員の異動について報告いたします。  本日、廣瀬久忠君及び館哲二君が委員を辞任され、その補欠として高橋雄之助君及び金丸冨夫君がいずれも選任されました。     —————————————
  42. 小平芳平

    ○小平芳平君 藤原委員から非常に大事な点について質問がありましたが、やはり私も限られた時間でありますので、真剣に私たちは質問をし、また、御答弁もしていただかなくちゃならないと思います。ですから、最初に児童手当について藤原委員から御質問がありましたのに、非常にはっきりしないわけです、御答弁が。で、私もう一度申し上げます。  私のお聞きする観点は、予算委員会等でも、児童手当昭和四十三年から実現するというような御答弁もあったかと思えば、ちょっと四十三年ではできないというようなことも言われたわけです。ところで、この今回の改正に関連してお尋ねする点は、大蔵大臣も総理大臣も厚生大臣も、現在いろいろな児童福祉法律がある、こうした児童福祉法律、社会福祉制度などの中に児童手当をさあ新しくつくろうという段階になると、現行の福祉制度との関連において非常にむずかしい問題があると、こういうことを児童手当実現の困難な一つ理由としてあげておられるわけです。ところで、藤原委員から指摘がありましたように、それじゃ現在の制度はどのような福祉制度があるかといえば、児童扶養手当について、現行千四百円を千七百円に三百円引き上げると、あるいは母子福祉年金及び準母子福祉年金は二万四百円を二万四千円に引き上げると、こういうような程度の現行制度で、だから児童手当はなかなかむずかしいんだといって見送りになるというようなことだとすれば、非常にちぐはぐだという感じを受けるわけです。ですから、こうした今回改正児童扶養手当についても、あるいは福祉年金についても、もっともっとこうした特別の方々には手厚い福祉制度を実現するとともに、それだからといって児童手当がおくれるというようなことの理由にならないような、そういう検討が行なわれるべきじゃないかと、そういうふうに実現されていかれるべきじゃないかと、その点ひとついかがですか。
  43. 渥美節夫

    政府委員渥美節夫君) 児童手当の問題につきましては、先ほど政務次官から御答弁を申し上げましたように、現在のところ、各界の方々の御意見を徴しながら検討をしているところでございます。それに関連いたしまして、先生指摘児童扶養手当につきましては、今回は所得制限緩和でありますとか、あるいは、また、手当額の増額というふうなことをはかってまいっておるわけでございます。先生のお話のとおり、そういったいろんな点を勘案いたしまして検討をする必要があろうかと、こういうふうに考えております。
  44. 小平芳平

    ○小平芳平君 そういうことを言っているんじゃないんですよ。時間がないからそのことは言いませんけれども、だからよく聞いて、しっかり答弁してくれなくちゃ困ると言っているわけでしょう。で、同じことを二回やっている時間はないわけですよ。ですが、もう一ぺん申し上げますと、私が申し上げている点は、大臣が盛んに、現行の社会福祉制度がある、だから、そこでもって児童手当を実現しようとするとそこに困難があると言われるけれども、現行の児童福祉制度では貧弱だ、だからそのことを理由にして児童手当がおくれるということはおかしいではないかと、そういうわけです。
  45. 渥美節夫

    政府委員渥美節夫君) 児童扶養手当なり、あるいは年金等との関連におきましての児童手当というふうな問題の把握のしかたよりも、むしろやはり現在の所得保障の一つの問題点といたしまして、児童手当わが国にはないというふうな、積極的な取り上げ方をして児童手当制度を創設するように検討する、かように考えているわけでございます。
  46. 小平芳平

    ○小平芳平君 だからそういう点をよく大臣に言っていただきたい。  それから、次に、所得制限緩和について、児童扶養手当では、所得制限緩和は九十三万二千五百円にすることといたしましたと同じように、こちらのほうの国民年金法のほうでは、現行の限度額八十一万七千五百円を九十三万二千五百円と大幅に引き上げることといたしたと、どうして国民年金法のほうが大幅なのか、それから、こちらのほうは小幅なのか。あるいは、また、すでに去年のときも、八十一万では非常に低い、で、百万円ぐらいにしないと相当漏れる人が起きるんじゃないかといわれているのに、今回九十三万円でなおかつ大幅だといわれる理由はどこですか。
  47. 伊部英男

    政府委員(伊部英男君) ただいま御指摘のように、所得制限を約九十三万円に引き上げたのでございますが、これは八十二万円からの引き上げでございますので、一四・一%の引き上げ率でございます。一方、給与労働者の昭和四十一年の収入の伸びを、労働省の毎月勤労統計調査報告による賃金指数の伸びで見ますと一〇%の伸びでございます。また、民間給与実態調査においても九・八%の伸びとなっておりまして、また、総理府の家計調査年報による全国消費者世帯の一世帯当たりの収入を見ても一一%の伸びでございます。かつ、前年におきましても約一四%の引き上げ実施をいたしておるのでございまして、この今回の引き上げによりまして、特に著しい所得の伸びがあった方を別といたしますれば、おおむね従前得ておられた方々が引き続き今年も得られるであろうということを考えておる次第でございます。
  48. 小平芳平

    ○小平芳平君 大幅か小幅かは答弁がありませんが、次に、身体障害者福祉法についても、いまいろいろ藤原委員からありましたわけですが、どうして答申をも一つと実現していかないか、あるいは、また、特に内部疾患を入れるという場合に心臓と呼吸器に限るか、そのほかのものを入れるお考えはないかどうか。それから、今後身体障害者福祉をどのように充実していくか。とにかく、ようやく一歩踏み出したようなこうした改正案では非常にまだ前途遠いように感じますが、いかがですか。
  49. 今村譲

    政府委員(今村譲君) お答えいたします。  第一点の、身体障害者福祉審議会の答申につきましては非常にたくさん項目がございまして、そのうちでも、現在やっておりますものを大幅に量的に拡大せいということがありますので、私どもいまお話しておりますものだけで満足しているわけじゃございません。二年、三年と連続してできるものからどんどん法律改正をやっていきたいという気持ちで、来年度も量的にいろいろ出すという気持ちでございます。  それから、第二点の内部障害の問題でございますが、これは現在判定基準は、地方にあります更生相談所あたりでかちっとできますものにはまず基準が確立しておる、大体確立しておる呼吸器と心臓というものからまず手初めに始める。そのほかに、じん臓とかいろいろむずかしいものがありますけれども、それらは逐次基準を確立し次第広げていきたい、かように考えております。
  50. 小平芳平

    ○小平芳平君 それでは、これでおしまいにいたしますが、環境衛生金融公庫についてですが、この公庫については屋上屋を重ねる、あるいは環境衛生業者というものも非常に幅が広い。新聞などでは具体的に業種をあげて、こういうところへまで金融公庫をつくってお金を貸すのはおかしいではないかというような批判があったことはよく御承知と思います。で、私も質問は簡単にしますから、それについて御答弁願いたい。
  51. 舘林宣夫

    政府委員舘林宣夫君) 環営関係の業種の中には、環境衛生関係営業運営の適正化に関する法律対象業種として、特にこれらに対する近代化合理化の指導をいたしておる業種があるわけでございまして、そのほか、もちろんこの環営法の対象業種以外の環営関係の業態もございますけれども、当面、これらの業態を対象として金融措置を講じてまいりたいということでございまして、その際に、特に近代化合理化内容並びに衛生的な特段の指示に基づいたような、衛生的に改善を必要とするような点に限って特別の融資をするわけでございまして、その他の点につきましてはこの金融公庫では取り上げていかないわけでございます。
  52. 柳岡秋夫

    柳岡秋夫君 いまの問題に関連して、環営法の指定業種に決定しているんですけれども、当面ということですが、将来これはやっぱり衛生上の問題からいえば、そういう組合に加入してない零細な業者とか菓子業者、あるいは魚介業者とか、とうふ屋とか、そういうものこそ私はもっと手厚く対象として取り入れて融資をすべきではないか、援助すべきではないか、こういうふうに思うのですけれども、当面ということですから、近いうちにそういう改正をする方針はないかどうか。  それから、もう一つ、ついでに、今回は国民金融公庫、あるいは中小企業金融公庫、商工組合中央金庫、こういうものに委託してやるわけですけれども、これを一括して公庫が扱うか、それとも市中の銀行なり関係の信用組合に委託させるか、そういう方針がないかどうか。
  53. 舘林宣夫

    政府委員舘林宣夫君) お説のとおり、魚介類販売業等のサービス業、あるいはとうふ屋などの食品の製造業に対しても、当然に近代化をはかり、衛生設備の改善をさせることは必要でございまして、当面は資金量等の関係環境衛生関係営業運営の適正化に関する法律の適用業種に限っておるわけでございますが、できるだけ近い将来にこれらに対しても融資が行なわれるようにいたしたい、かように考えておるわけでございます。また、貸し付けの取り扱い機関にいたしましても、お尋ねの三機関に限らず、広く一般の銀行等が扱えるようにすれば非常に取り扱いがしやすくなるわけでございまして、私どもとしてもそういう方向で将来できるだけ考えていきたい、かように思っております。
  54. 柳岡秋夫

    柳岡秋夫君 最後に、国民年金関係質問したいのですが、この任意加入の中身ですね、もうすでに期限が近づいているけれども、加入の手続、あるいは保険料を納めないということで、約七十二万人の者がこの年金の恩恵に浴せない人が出てきている、こういうことがいわれているが、これについてどういう対策を持ち、その猶予期間の延長をするなり、何らかの措置をする必要があると思うのですけれども、その点について。
  55. 網野智

    政府委員(網野智君) 国民年金の被保険者の中で、先生おっしゃったように、この七月で保険料を納めないために資格期間が切れて年金がもらえないようになるおそれのある方を私どもはいわゆる年齢該当者というような用語で呼んでおりますが、これらの方々につきましては、法律施行当時三十歳以上の者につきましては、保険料の納入期間を十年から二十四年というぐあいに、一年短かくいたしまして、なるべく入っていただくようにしておるわけであります。ところが、国民年金制度が発達して以来、私ども、適用加入とか保険料の徴収の問題につきましてPRをやってきたわけでありますが、実は今年の七月現在におきまして、過去二年間ずっと納めていただかないと、そういう方々については資格期間が切れる、こういう問題が実はありますので、昨年の末以来、特別な対策実施いたしまして、そういう方々の不適用の解消とか、あるいは保険料の納入ということにつきまして鋭意努力を重ねてまいったわけでありますが、特に本年度は最大重点項目といたしまして、四月に国民年金課長の通知をもちまして、いろいろ具体的にその対策をどう進めたらいいかということを指示いたしましてその解消につとめてまいったわけであります。新聞に、実は保険料の国民年金の適用漏れが二十二万おる、それから、一回も保険料を納めてない方々が五十万もおる、こういう数字が出ておるのでありまするが、これは実はずっと前に新聞社にPRしたのが出ておりますので、その数字は本年の三月の実は調査の数字でございます。その後、先ほど申しましたように、都道府県国民年金課、あるいは社会保険事務所、それから市町村、こういうものを使いまして、全国をあげてPR、あるいは個別訪問等によりまして適用の促進をやってまいりまして、ただいまのところ、各都道府県からのおおよその報告を徴しますと、適用漏れの方々はほとんど解消したのじゃないか、こういうぐあいに考えております。それから、保険料の徴収の問題等につきましても、鋭意個別訪問等の強化を行ないまして納めてもらうようにいたしておるわけでございますが、中には、経済的事情等によりまして納めることができない、あるいは一部しか納めることができない、こういう方々につきましては納付誓約書というようなものをとりまして時効の中断をいたす、こういうことで、今後納めていただければ、時効によってその期間がなくなるということがないようにしておるわけでございまして、私どもの努力の成果というものは七月の末にははっきりわかるわけでありますが、相当の方々からお納めいただいていると考えております。
  56. 山本伊三郎

    委員長山本伊三郎君) ただいま議題となっております法律案中、次の法案につきまして衆議院において若干修正されて送付されてまいりました。修正点は施行期日についてでございます。ここで御報告申し上げます。すなわち、児童福祉法の一部を改正する法律案児童扶養手当法及び特別児童扶養手当法の一部を改正する法律案国民年金法の一部を改正する法律案身体障害者福祉法の一部を改正する法律案についてでございます。  次に、環境衛生金融公庫法案につきまして、衆議院においてただいま修正されて送付されてまいりましたので、この際、修正案の提出者から修正点の説明を聴取いたします。修正案提出者衆議院議員世耕政隆君。
  57. 世耕政隆

    衆議院議員世耕政隆君) 私は、ただいま議題となっております環境衛生金融公庫法案に対する衆議院における修正につきまして、その提案理由を御説明申し上げます。  お手元に修正案が配付してございますので、朗読は省略させていただきます。  環境衛生金融公庫は、業務の全部を国民金融公庫、中小企業金融公庫、商工組合中央金庫の三機関に委託することとなっているのを、これをすべての金融機関業務の全部または一部を委託することができるたてまえにすることでございます。何とぞ御賛同のほどをお願いいたします。
  58. 山本伊三郎

    委員長山本伊三郎君) ちょっと速記をとめてください。  〔速記中止
  59. 山本伊三郎

    委員長山本伊三郎君) 速記を始めてください。  他に御発言もなければ、児童福祉法の一部を改正する法律案外五法律案についての質疑は終局したものと認めることに御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  60. 山本伊三郎

    委員長山本伊三郎君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより児童福祉法の一部を改正する法律案児童扶養手当法及び特別児童扶養手当法の一部を改正する法律案の両案について討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  61. 山本伊三郎

    委員長山本伊三郎君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。児童福祉法の一部を改正する法律案児童扶養手当法及び特別児童扶養手当法の一部を改正する法律案を問題に供します。両案に賛成の方の挙手を願います。  〔賛成者挙手〕
  62. 山本伊三郎

    委員長山本伊三郎君) 全会一致と認めます。よって、両案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
  63. 藤原道子

    藤原道子君 私は、児童福祉法の一部を改正する法律案に対しまして、各党共同提案になります附帯決議案を提出いたします。  まず、その案文を朗読させていただきます。   政府は、次の事項について、適切な措置を講ずべきである。  一 重症心身障害児施設入所児童の選定にあたつては、従来、入所対象とされてきた者がすべて含まれるよう配慮すること。  二 重症心身障害児の発生予防及び治療のための研究、治療についての充実を図ること。  三 自閉症児についての啓蒙、治療、教育、養護に関する対策を早急に樹立すること。  四 進行性筋萎縮症児について施設の増設整備に努めること。  五 心身に障害をもつ児童のすべてを対象とする総合的な福祉施策を確立すること。  以上でございます。
  64. 佐野芳雄

    ○佐野芳雄君 私は、ただいま議決されました児童扶養手当法及び特別児童扶養手当法の一部を改正する法律案について、各党の同僚の御了承をいただいて附帯決議案を提出いたします。  まず、その案文を朗読いたします。   政府は、児童手当制度昭和四十三年度から  発足させるよう努力すべきである。  以上であります。
  65. 山本伊三郎

    委員長山本伊三郎君) ただいま述べられました藤原道子君、佐野芳雄君提出の附帯決議案議題といたします。  藤原道子君、佐野芳雄君提出の附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。  〔賛成者挙手〕
  66. 山本伊三郎

    委員長山本伊三郎君) 全会一致と認めます。よって、藤原道子君、佐野芳雄君提出の附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、坊厚生大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許可いたします。坊厚生大臣
  67. 坊秀男

    ○国務大臣(坊秀男君) ただいま決議されました各附帯決議につきましては、御趣旨を尊重いたしまして、今後政府におきまして十分努力をいたしたいと考えております。     —————————————
  68. 山本伊三郎

    委員長山本伊三郎君) 次に、国民年金法の一部を改正する法律案の討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  69. 山本伊三郎

    委員長山本伊三郎君) 御異議ないものと認めます。  それでは、これより採決に入ります。国民年金法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。  〔賛成者挙手〕
  70. 山本伊三郎

    委員長山本伊三郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。     —————————————
  71. 山本伊三郎

    委員長山本伊三郎君) 次に、身体障害者福祉法の一部を改正する法律案の討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  72. 山本伊三郎

    委員長山本伊三郎君) 御異議ないものと認めます。  それでは、これより採決に入ります。身体障害者福祉法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。  〔賛成者挙手〕
  73. 山本伊三郎

    委員長山本伊三郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
  74. 土屋義彦

    ○土屋義彦君 私は、各党の方々の御賛同をいただきました身体障害者福祉法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案を提出いたします。  その案文を申し上げます。   政府は、身体障害者が、その有する能力を社  会において充分活用することができるよう、そ  の機能訓練、職業訓練に努めるとともに、身体  障害者を受け入れる体制の整備について、身体  障害者雇用促進法の改正を含めて、一段努力  をすべきである。  以上であります。
  75. 山本伊三郎

    委員長山本伊三郎君) ただいま述べられました土屋義彦君提出の附帯決議案議題といたします。  土屋義彦君提出の附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。  〔賛成者挙手〕
  76. 山本伊三郎

    委員長山本伊三郎君) 全会一致と認めます。よって、土屋義彦君提出の附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、坊厚生大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許可いたします。坊厚生大臣
  77. 坊秀男

    ○国務大臣(坊秀男君) ただいま御決定になった附帯決議につきましては、御趣旨を尊重し、今後努力をいたす所存でございます。     —————————————
  78. 山本伊三郎

    委員長山本伊三郎君) 次に、環境衛生金融公庫法案の討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  79. 山本伊三郎

    委員長山本伊三郎君) 御異議ないものと認めます。  それでは、これより採決に入ります。環境衛生金融公庫法案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。  〔賛成者挙手〕
  80. 山本伊三郎

    委員長山本伊三郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。     —————————————
  81. 山本伊三郎

    委員長山本伊三郎君) 次に、精神薄弱者福祉法の一部を改正する法律案の討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  82. 山本伊三郎

    委員長山本伊三郎君) 御異議ないものと認めます。  それでは、これより採決に入ります。精神薄弱者福祉法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。  〔賛成者挙手〕
  83. 山本伊三郎

    委員長山本伊三郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本院規則第七十二条により、議長に提出すべき報告書の作成につきましては、先例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  84. 山本伊三郎

    委員長山本伊三郎君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後十一時二十九分散会      ——————————