○大橋和孝君 労働大臣は何か四時から御都合があるそうですからそれなら労働大臣にちょっと結論的なことを
一つ二つきょうはお尋ねしまして、時間もたっていますから、ぼちぼち私いろんな面からゆっくり
討論をさしてもらいたい、また、御
意見も伺わしてもらいたいと思っているわけですが、私は、この職業病といって、いま基準
局長は言っていますけれども、私は、いろいろいまお話になったように、新しいのも出てくるわけですね。いろいろいま大臣もおっしゃいましたように、新しいいろいろな職業病として取り上げるべきではないかというものが出てくるのではないかと思うんですが、そういうものに対しては個々にやっていくんだというような話でありますけれども、私は、こういういまの段階では、もうやはりこういうふうないろいろ工場の中で働いている人たちに、何かいろいろなその条件、いわゆる過労も入っていると私は思うんです。過労からきて
一定の病気が起こってくれば、私は、これはもうその会社が
責任を持ってやらなければいけないという、その辺までの広さの考え方を持って、いろいろ起こるものを実態を把握するための、やはり疫学的にも、あるいは、また、実態の調査にしても当たらなければならぬ。そういうものを私はいま
労働省の中に実際そういう機関を持っておられないんだと思う。私がいまここで特に考えていることは、せっかくこの労災病院があるんですから、労災病院は
治療ばかりをやって、むしろ普通の開業の病院と相競合するようなことをいまやっているわけですけれども、やはりこれは
事業団が経営している特殊の任務を持った病院でありますから、もうそういう競合するような面は廃止して、この労災病院あたりがほんとうにこういうような調査も、あるいは、また、そういうふうな疫学的な研究も、そのためにはこちらのほうにはやはり労災の研究所もありましょうし、あるいは、また、労働科学の研究所もありましょうし、いろいろまあ
労働省ではそういう研究所を中央にお持ちになっているわけであります。しかし、中央のほうにはりっぱな
施設があって、私もこの間見せてもらって、実に献身的な研究をなさっていらっしゃいました。私も非常に頭が下がって見せてもらってきたわけであります。中央はそれでけっこうでありますけれども、これは現場につながるものではないわけですね。したがって、現場のほうには衛生研究所があるんだと、あるんだかどうだか、私はそこのところを十分知らないんですが、そういうようなことであるので、これはむしろその
労働災害のそういう病人をおもに扱うところの労災病院あたりが、むしろそこのところを研究機関や中央と連絡をとってその実態も調査し、あるいは、また、疫学的にもいろいろ調べ、あるいは、また、それをどういうふうに処理すべきかというふうな前向きな、そういう中央と連絡をとりながら、末端の各工場に対してまでそれが入っていけるような
状態をやってもらったらどうだろう。
それから、もう一点は、私はいまこういう病気を摘発するためにはやはり検査が必要なわけだと思うんですね。
予防に対しても何に対しても、早くそういう病気を見つけるためにも、私はその検査が必要だろうと思うんです。検査はやはり
規定によってやられてはおりますけれども、私はそういう検査自身も、こういうところでもっと積極的にやるべきじゃないか。たとえばいまの
法律でいえば工場がやればいいわけですから、工場の嘱託医によってやればいいということになるかもしれませんけれども、私はそういうようなわけじゃなしに、健康検査そのものをもっと、これはひどいことばでいえば、そういう検査をする
一つの機関があって、私はまあ検査屋といってもいいぐらいだと思うんですが、各工場を回って歩いて、
一定のきまった表面的な検査しかしてないというような
状態で、これはほんとうにそれが病気の人たちのあれになるようなことにならない。あまりどんどんそこで摘発すれば
事業主のほうからあまりよくいわれないというような形もあるんではなかろうかと想像されるような向きもあるわけなんでありますから、私はここらで一ぺん
根本的に労災病院側あたりまでおろして、医者も、あるいは、また、そのほかのスタッフもそろって、そうして各工場の
健康管理というものを進めながら、いまの言うそういう職業病なんかを早く発見するような検査に力を入れていくと、こういうようなことに私はいまごろもうぼつぼつ踏み切っていただいてやっていただくほうが、いろいろな意味において早期発見もできるし、あるいは、また、労災の経費の面からいっても、早く発見すれば労災
補償に対しても簡単に済むことになろうし、これが両方のためで、私は、国の経済にもなり、
労働者の健康を守る意味にもなるわけでありまして、もっとそういうふうな前向きの
方法で何らかの
方法を考えてもらうべきじゃなかろうか、これが第一点であります。
それから、もう一点は、先ほど学界の権威を集めてそういう
審査機関を設けていただいたと、こういうこと、私はこれは
一つの大きな進歩だと思って感謝してきたわけでありますが、私は、もっとそういうものを地方に、たとえば労災病院なら労災病院を中心とするとか、何かそういうような形で地方にそういうような
審議会のようなものを設けて、いろいろな問題があればそこですぐそういうような
予防の結果、検査の結果、あるいは、また、いろいろな実態の結果、あるいはそういうようなことに対していろいろ取り上げて、それを中央に反映をさしていくという出先のそういう
審議会、あるいは職業病
審議会とかというものをつくってもらったらどうかというふうなことを考えます。
もう
一つ、第三点は、この職業病が次第にふえつつあるわけでありますから、私は、この職業病に対する
一つの
法律、いままでのじん肺法と同じようなぐあいに職業病法というものでもこしらえて、こういうものの早期発見のために、あるいは、また、その
治療のために、あるいは、また、これに対する
補償のためにもひとつ踏み切ってもらうほうがいいのではないか。これはまあ私のいまの質問は、大臣がお帰りになるので飛躍した質問をいたしております。ですけれども、結論的に言えば、この三つくらいのことを一ぺん考えてもらう時期ではなかろうかと思うのでありますが、大臣の御所見をひとつ伺っておきたいと思います。