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政府委員(高橋展子君) パートタイマー
労働の実態につきまして、私
どもで若干の
調査をいたしておりますので、その結果を申し上げたいと思います。
近年パートタイマー雇用が増加しておるようでございますが、全体として見ますと、やはりまだ、たとえば欧米の工業国等と比べますと、パートタイム雇用の普及の
状態はかなり差があるようでございます。パートタイムの雇用に従事しております婦人の実数はわからないのでございますが、
事業場で押えますと、全
事業所の約一割がパートタイム雇用を制度として採用しております。それらの
事業所の中で、女子パートタイマーの配置されております
職場と申しますものは、これはサービス
職業の分野、あるいは、いわゆる工員でありますところの技能工、生産工程作業等の単純
労働の分野、このようなところに多く女子のパートタイマーが働いているようでございます。
この場合の一日の
労働時間でございますが、これが二時間未満という非常に短いものもあれば、八時間というものもございます。特に私
ども特徴的に感じましたのは、パートタイマーと呼びながら七時間、八時間という長時間
労働が非常に多い。長時間と申すにはあれでございますが、普通の
労働時間と非常に近いものが多いのでございます。で、この場合、パートタイマーということばの使われ方にも問題があるようでございまして、本来的に所定の
労働時間よりも短い
労働時間のものをパートタイマーと呼ぶということがまだ確立しておりませんので、身分的に何か臨時の
労働者のことを少し聞こえがよくパートタイマーと呼んだりしていることもあるようで、その辺から見まして、非常に
労働時間の
平均はパートタイムにふさわしくないような長いものを示しております。
それから、
賃金でございますが、これは傾向といたしましては、時間給が多いのでございますが、一時間当たりが、これは五十円から二百円以上というふうに、かなり広
範囲な広がりがございます。その中位数と申しますか、大部分は六十円台から八十円というところに落ちついているわけでございます。この金額が非常に低いか高いかということはたいへんむずかしいのでございますが、御参考までに、ただいまの
調査は四十年までの
調査でございますが、その同じ時期には女子
労働者の一時間当たりの
平均賃金、これは毎勤から計算したものでございますが、これが八十一・二円というふうになっております。全産業の女子
労働者の一時間当たりの
平均賃金が八十一・二円というふうになっております。その同じ時期の私
どものパートタイマーの
調査が、約五割が六十円台から八十円台、このような
数字が出ているところでございます。ただ、このパートタイマーの
賃金につきましては、これはあらゆる
職種のパートタイマーの
賃金でございますので、これをやや詳しく見ますと、たとえば専門的、技術的な
職業分野で働いておられますパートタイマーは、当然のことながら、非常に高くなっておりまして、それらの方々の半数近くは時間当たり二百円以上。ただし、反対に、いわゆる単純作業に従事しておられます方々の場合には、その圧倒的多数、九二%が百円未満というように、当然のことではございますが、
職種によりまして非常に
賃金の額に差があるわけでございます。以上が実態でございます。で、申し落とましたが、これらの私
どもの
調査の時点におきまして、これらのパートタイマーを採用しております
事業所は、その約半数がこれをいわゆる臨時的なものとして雇用しておりまして、残りの半数がここを常用として雇用しておるというような実態でございます。私
どもといたしましては、特に本年度の事業計画の中で、パートタイム雇用を、より適正な
労働条件のもとに実現することができますように、その諸
条件の整備をはかってまいりたい。そのために特に専門家による
総合的な研究会議等を開催してまいりたいと思っているところでございます。