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政府委員(渥美節夫君)
保育所に勤務いたします保母の不足のことにつきまして御
指摘いただきました現実の情勢といたしまして、先生の御
指摘のように、非常に困難な情勢にあるわけでございまして、何をしたらいいかというのが最大の
課題でございます。私ども一応の
考え方といたしましては、第一点は、養成力を増すということ、第二点は、その養成中にあるところの学生生徒を
確保する、第三は、保母の勤務条件あるいは
処遇を
改善する、こういうふうな三つの点を強力に進めることによりまして保母の不足
対策に資したい、かように
考えております。
第一点の養成力を増強するという点につきましては、御承知のように、保母の資格は、
厚生大臣の指定する養成所なり、あるいは学校を卒業した者が保母になります。それと同時に、都道府県の知事の行なう試験を受けるということによって保母の資格を取得するわけでございます。したがって、第一のそういった
厚生大臣の指定する学校なり
施設をふやしていくということが必要であろうと思います。そこで、現在はこういった
施設が百三十五カ所ありますけれども、これを四十二年度におきましては百五十六カ所、つまり二十一カ所ふやしたい、かように
考えております。それから、次に都道府県知事の行なう保母試験でございますが、実は
昭和三十七年度までは年に一回しかこれを行なわなかったわけでございますが、しかしながら、いろいろな御
指摘のような保母不足の
現状にかんがみまして、
昭和三十八年から春夏二回これを行なうというふうな
制度に改めております。しかしながら、まだ各都道府県全部が二回やっておりません。したがって、二回をやれというふうなことにつきまして、先般の
児童福祉所管課長会議におきましても強く各都道府県に呼びかけをしておるところでございます。
それから、申し上げました第二の養成中の保母さんをほかにやらないで学校を卒業してもらうというような
意味におきましての保母
確保対策でございますが、これは保母の修学資金の貸与
制度というのがございまして、これを毎年少しずつ
拡充していくというふうなことをやっております。
それから、最後にはなりましたが、最も重要な職員の
処遇の
改善でございますが、この点につきましては、毎年国家公務員の給与並みにはベースアップが行なわれるわけでございます。しかしながら、最も重要なものは、現在私のほうの
制度といたしまして、甲地、乙地という、地域によりまして
児童保護費を支払う
基準に差がございます。甲地というのは、主として六大都市及びその周辺でございます。いなかとそれ以外の都市におきましては乙地といたしまして、金額に差がございますので、この差を毎年縮めていくというふうなことで、四十二年度の御
審議中の
予算におきましても、この地域格差の是正ということをその中に盛り
入れてあるわけでございます。
それから、もう一つは、その勤務条件を
改善するということでございますが、これは同時に、先生御
指摘の乳児保育の問題にも関連することでございますが、現在におきましては、三歳未満の子供に対しましては、子供七人に対して一人の保母というふうに
予算上きまっておるわけでございます。これはいかにもその保母さんの労働条件を悪くしております。したがいまして、四十二年度の
予算におきまして、この七人の子供に対する一人という現在の状況を
改善いたしまして、子供六人に対して一人の保母さんが受け持つというふうな条件の
改善をはかっておるわけでございます。まあそのほかいろいろな点におきまして
処遇上、あるいは勤務条件上いろいろ問題がございますので、そういった点につきましては、さらに
運営上
改善をするようにもっていきたい、かように
考えておるわけでございます。
それから、季節
保育所の常設化につきまして御
指摘を受けたわけでございますが、現在のところ、季節
保育所が全国で六千カ所ばかりございますが、こういった季節
保育所をさらに継続していきますとともに、さらに季節
保育所ではございませんが、農村におきまする僻地
保育所をつくれというふうな非常に強い要望がございまして、この点につきましては、現在千九百五十五カ所の僻地
保育所がございますが、
昭和四十二年度におきましては、これに二百四十二カ所の僻地
保育所を増設するというふうなことでやってまいりたいと思いますとともに、午前中も申し上げましたように、正規の
保育所をどんどんつくっていく、
国庫補助におきましては四百五十カ所を予定をするというふうなことで進んでまいりたい、かように思います。