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1967-06-28 第55回国会 参議院 産業公害及び交通対策特別委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十二年六月二十八日(水曜日)    午前十時二十五分開会     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         松澤 兼人君     理 事                 石井  桂君                 宮崎 正雄君                 大倉 精一君                 原田  立君     委 員                 植木 光教君                 楠  正俊君                 黒木 利克君                 塩見 俊二君                 中津井 真君                 柳田桃太郎君                 横山 フク君                 加藤シヅエ君                 成瀬 幡治君    衆議院議員        発  議  者  久保 三郎君    国務大臣        国 務 大 臣  松平 勇雄君    政府委員        行政管理庁行政        管理局長     大国  彰君        内閣総理大臣官        房陸上交通安全        調査室長     宮崎 清文君        警察庁交通局長  鈴木 光一君        運輸省鉄道監督        局長       増川 遼三君        運輸省自動車局        長        原山 亮三君    事務局側        常任委員会専門        員        鈴木  武君        常任委員会専門        員        吉田善次郎君        常任委員会専門        員        中島  博君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○交通安全基本法案衆議院送付予備審査) ○産業公害及び交通対策樹立に関する調査  (交通対策に関する件)     —————————————
  2. 松澤兼人

    委員長松澤兼人君) ただいまから産業公害及び交通対策特別委員会を開会いたします。  交通安全基本法案(衆第二五号)を議題といたします。  まず、提案理由説明を聴取いたします。発議者衆議院議員久保三郎君。
  3. 久保三郎

    衆議院議員久保三郎君) ただいま議題になりました交通安全基本法案について提案趣旨及びその内容を御説明申し上げます。  今日、交通に課された任務は、安全にして能率的な輸送力を提供することによって、国民経済の均衡ある発展を助け、ひいては社会福祉の向上をはかることにあります。  しかるに、交通現況は、慢性的な渋滞と続発する事故により、交通地獄交通戦争といわれるように、国民生活を脅かすに至っておるばかりか、経済発展の障害ともなっております。  かかる状態に立ち至らしめたものは、戦後経済が急速に発展する中で、設備投資産業資本に振り向けられ、経済発展をささえる交通には十分な投資がなされず、ために、基礎的な固定施設の拡大による輸送力増強に及ぼす、もっぱら可動施設増強することによって、差し迫る輸送需要に応じようとしてきたからであります。  それが道路交通の混雑としてあらわれ、過密ダイヤ殺人的通勤輸送あるいは慢性的な船込み等々を余儀なくし、このような状態の中では、安全輸送という至上命令保安施設増強によって受けとめることができず、もっぱら精神訓話職人的運転技術に依存し、当然の帰結として交通事故の続発を招くに至ったのであります。  かくて、交通機能は生産の隘路となり、固定施設増強中心とする輸送力増強が強調され、道路鉄道港湾空港等、それぞれに計画的投資が行なわれるに至りました。  しかし、それは過去の過少蓄積を補い、当面の交通需要を十分に満たすことができないものであるにもかかわらず、投資企業性独立採算制中心に行なわれ、ために、一部においては交通機関相互の競争を激化し、国民が要求している輸送力増強保安施設への投資が十分に行なわれておりません。  安全輸送確保するには、かかる弊害をなくし、その誤りを正す総合的な交通政策の樹立が先行されねばなりません。  しかし、日一日と深刻さを増してきている交通事故から国民の生活を守ることは喫緊のことであります。よって、交通安全の施策確立し、これを強力に推進する体制を整えることが必要であります。  ともすれば、踵を接して発生する交通事故に忙殺され、基本的な施策確立が等閑視され、事の困難さに群易し、政府は、今日に至るも交通安全の基本政策国会提案の気色もないままに、安全対策幾つかを散発的に実施しつつあるが、このような体制では、今日の交通事故に立ち向かうことはもはや困難であります。  よって、交通安全のあり方を明らかにし、交通安全の政策目標を示し、国政の中の交通安全行政統一的指針を与え、総合的計画推進をはからせるため本法案を提出した次第であります。  次に、法案内容についてその概要を御説明申し上げます。  本法案は、交通安全宣言内容とする前文と、五章二十六条及び附則によって構成されております。本法の骨格は、第一は陸・海・空にわたる交通安全対策基本を示すとともに、総合的な施策実施を促し、そのための国及び地方公共団体責任と一体的な実行を要求しております。  また、特に運輸事業者交通安全確保責任があることを明確にし、かつ国民に対し交通安全施策についての協力を要請しております。  今日の交通戦争に立ち向かう交通安全の施策は総合的であり、実行国民的な協力による総力体制によってのみ可能なのであります。  施策実行には、言うまでもなく、財政的裏づけが必要であり、交通安全のそれは直接国民の生命・身体及び財産に関係するものでありますから、他に優先してその支出を考慮すべきものであります。今日まで政府施策が貧困であるばかりか、その裏づけが十分でなく、たとえば昨年制定された交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法による事業について見ても、予算の裏づけが少なく、特に地方公共団体の貧困な財政を一そう圧迫する形で事業が遂行されております。かかるやり方は、施策実行を阻害し、機動性を必要とする対策実効を著しく阻害しております。  交通事故の撲滅をはかるには、まずもって、その実態の正確な把握安全施設整備状況点検とが必要であります。去る四月の南海電車踏切事故の直後、全国の全踏切道について、その実態調査政府に要求し、その作業が進められておりますが、その結集を求めるにはさらに多少の時間を必要とする模様であります。踏切道改良促進法昭和三十六年に制定されてから今日まで、同法に基づく踏切道改良がなされつつありますが、全体の把握ができていないでは、対策事故の後を追っていくのは当然のことであるばかりか、その陰には貴重な生命財産の犠牲があることを肝に銘ぜねばなりません。  また、ダンプカー対策が緊急問題として取り上げられつつありますが、政府においてはいまだその実態把握が完全でなく、問題の解決を一そう困難にしていることも事実であります。  よって、本法案は、実態調査政府が行なわねばならないこととし、かつ、その結果を公表させることによって、政府をして施策実行にあたって懈怠なからしめようとするものであります。  また、政府は毎年国会交通安全に関する年次報告を提出すべきことを規定し、その施策について国会の論議を通じ対策の万全を期そうとするものであります。  第二章は交通安全確保に必要な政策目標規定するものであります。  まず第一に、交通安全施設整備を国及び地方公共団体責任によって行なわせようとするのであります。これに関連して、さしあたり、交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法をより有効適切なものに改正することが必要であります。  すなわち、本法対象事業交通安全が多発するおそれのある道路を追加し、費用の負担及び補助を国道・都道府県道市町村道の区別なくこれを三分の二とし、事業内容に安全のためのバイパス、踏切道取りつけ道路改良、側溝の改良等を含む改正であります。  また、道路整備緊急措置法交通安全の観点から改正し、特に人間疎外道路現況改良する必要もあります。  次には、踏切道改良促進法の全面的な改正が必要であります。これは、さきにわが党が国会提案した踏切道改良促進及び踏切保安員配置等に関する法律案を骨子とするものに改正し、踏切道改良を円滑に促進するとともに、踏切道保安度を一そう高めようとするものであります。  次に、航空交通の分野では、当面、空港等整備事業推進することでありますが、政府は昨年初め以来の引続く航空機事故を契機に、空港整備五カ年計画を策定し、基本施設航空保安施設整備を本年度より進めつつありますが、この種計画は、特にその予算面からくずれるものが多い実情にかんがみ、新たに空港等整備事業に関する緊急措置法制定し、整備基準に合致した事業計画どおり実行できる体制をつくると同時に、空港管理者である地方公共団体の負担を軽減し、計画実施を容易ならしめる必要があります。また、計画事業量も約千五百億程度とし、安全度を高めようとするものであります。また、航空交通の安全を確保するためには、航空管制制度などの改正もはかる必要があります。  すなわち、航空交通安全度を一そう高めるため、地上における保安施設整備と併行し、機上設備整備を行ない、すべての航空機が管制できるような方式に改めることであります。  さらに、米軍管理下にある空港の解放、航空自衛隊との共用空港の分離、米軍専用空域返還等安全性確保の見地からも強く要求されるところであります。  次に、海上交通関係しては、航路標識整備事業に関する緊急措置法制定し、海上交通の一そうの安全をはかろうとするものであります。昭和三十七年以来、海上保安庁は五カ年計画を策定し、その整備をはかってきましたが、その実績は計画目標を大幅に下回っており、いままた新たな計画を策定しましたが、急速に所要の整備を達成するためには、法制定によって実行を担保する必要があると考えるものであります。  また、海上交通の安全及び救難体制充実強化をはかるため、海上保安庁巡視船艇航空機等整備する五カ年計画の着実な実施中心とする巡視船艇等整備緊急措置法制定し、事業推進をはかる必要があります。  第二章における第二の政策目標は、車両等可動施設安全性確保することであります。  汽車・電車・自動車船舶航空機安全性確保については、鉄道営業法地方鉄道法軌道法、これらに基づく運転規程道路運送車両法車両保安基準船舶安全法航空法等によって、それらの構造、装置の安全な取り扱い、検査点検充実等規定されておりますが、科学技術の進歩、交通事故原因変化に応じ、よりすぐれた安全基準の設定、操作方法及び検査、点検改善等をはかり、可動施設の面からも安全性確保せねばなりません。  当面、ダンプカー等大型トラックに対し、次の措置をとるため政令等改正をはかる必要があります。  一、自重計速度制限装置の取りつけ  二、前後視界の拡張  三、側面に巻き込み防止装置の取りつけ等であ  ります。  また、私鉄の保安設備充実させ、安全度を高めるために、鉄道保安設備準備促進法制定する必要があります。すなわち、自動列車停止装置自動信号機継電連動装置、落石どめ、防雪設備等保安設備をそれぞれの基準に従い、三カ年計画によって整備させようとするもので、必要資金確保と費用の補助をいたし、その促進をはかろうとする内容のものであります。  第三には、気象業務体制整備についての規定であります。  気象条件交通安全に重大な関係を持っていることは多言を要しないところであります。特に適格な予報は、安全運行に欠くことのできないものであります。しかるに、気象業務の現状は、その要求に十分こたえられるものではありません。よって、これが整備を急がねばなりませんが、気象業務の中には、長期にわたる調査資料の集積から導き出される等のものもありますので、すべてを一挙に解決できませんから、計画的に整備を進めることは言うまでもありません。しかし、観測器機整備、予報、情報伝達方式改善、さらには適正要員配置等は国の責任において早急に処理すべきものであります。  第二章における第三の政策目標は、運転者等の面からの安全確保についての規定であります。  すなわち、運転者等をいつでも安全運転ができる最もよい条件下に置くことです。それには、まず、労働条件改善し、過労からくる事故を防ぐことであります。また、運転者等資格要件として適性を確保し、錯誤等による運転ミスをなくすことが必要であります。さらに、運転者等の技術を向上し、突発的な条件変化にも応じられるよう指導し、訓練することは事故防止上必要なことであり、一方、運行管理改善によって、事故発生の余地なからしめることも大切なことであり、運転者等の資格についても、事故原因交通事情変化に従って、資格要件をより合理的に改善することも、交通安全の確保に欠くべからざることであります。  当面、逆転者等の過労に原因する交通事故を防ぐため、車両等運転者労働時間等に関する特例法制定しようとするものです。  現行労働基準法労働時間の規定は、変則八時間の導入によって、一日の労働時間に上限がなく、また、休日は四週間四日制がとられ、さらに三十六条の協定による時間外労働及び休日労働が野放しになっており、安全運転を要求される運転手保護法としては不十分であります。よって、その特殊性にかんがみ、一日の労働時間の上限を八時間(原則七時間)とし、時間外労働の規制を強化し、毎週二日の休日を確保させ、また、長時間継続しての運転を禁止する等のほかに、賃金制度についても、歩合給による弊害を取除くよう規定し、安全運転がしやすいようこの面からの条件を整えようとするものであります。  また、航空管制官の執務時間等労働条件も同様の趣旨から改善する必要があります。  第四の目標としては、交通秩序を維持するために、交通規制強化等措置を国及び地方公共団体においてとるべきことの規定であります。  当面、新たな措置を講ずる必要のあるものといたしましては、港湾、狭水道等における船舶の通行を規制し、航行の安全をはかる必要があることです。最近、船舶通行の激増と、タンカーによる油、LPG等危険物輸送が多く、しかも船舶大型化により、衝突予防法港則法等現行制度によっては、船舶航行の安全を期しがたい面も出てきているので、海上交通法ともいうべきものの制定を急がねばなりません。  この制度を導入するには、それぞれの海域において、レーダー等による科学的な方法によって航行の整理ができる装置設備すべきであります。 第五の政策目標は、交通安全教育が学校、地域及び職域で計画的かつ組織的に国と地方公共団体の手によって実施さるべきことを規定しようとするものであります。  第六の目標としては、交通事故原因を究明するため、調査機関等設置規定を設けることであります。交通事故原因が科学的に究明されることは、正しい原因が発見され、正しい原因が発見されれば、責任の所在が明確になり、事故原因責任が一体となって明らかになることは、事故防止上必要なことであります。  第七には、交通事故防止の科学的総合的な研究等について施策目標を示したことであります。現存、政府部内において幾つかの交通関係する研究機関があり、交通事故防止についての研究を進められておりますが、これをより科学的総合的なものにし、また、その研究成果の利用の促進をはかるためには、設備組織についてくふうを要するところであります。  次に、第三章においては、救急医療体制整備損害賠償保障制度等充実の方向を規定しようとするものです。すなわち、特に激増する道路交通にかかる負傷者に対する救急業務救急医療施設及び更生医療施設整備について緊急措置法制定によって、救急隊の増設及び装備の改善救急医療施設設備充実救急医療センター設置救急医療器具センター及び更生医療センターの新設、さらには充足が急がねばならない脳神経外科医養成等を含む体制整備をはからねばなりません。  また、交通事故にかかる被害者に対する損害賠償は、その制度を持たない地方鉄道、軌道に新たな制度の導入を考慮し、被害者救済に万全を期すべきものと考えます。  自動車損害賠償保障制度は、自家保障制度及び適用除外をやめさせ、かつ、すべての車種について国の再保険に付保させる等の措置をとり、この制度確立をはかる一方、被害者相談の窓口を市町村業務の中に設け、被害者救済機関への取り次ぎ等を行なわせ、また、損害賠償限度額を引き上げる努力を常時することが本条項の目標とするところであります。  第四章は、交通安全に関する各省庁施策を調整し、総合的な実行推進するため、交通安全対策委員会設置規定したものであります。本来は、各省庁にまたがる交通行政を一元的に運営できる組織にすることでありますが、それにはかなりの研究と時間を要することであり、少なくとも交通安全に関しては一元的に迅速に施策実行を促さねばなりませんので、行政委員会としての交通安全対策委員会を設けることにしたのであります。  第五章は、総理府の付属機関として交通安全対策審議会を置き、交通安全について調査審議させることを規定したものであります。  以上で本法案内容の御説明を終わりますが、何とぞ十分御審議の上、御賛同あらんことをお願いいたす次第であります。
  4. 松澤兼人

    委員長松澤兼人君) 本案に対します質疑は後日に譲ることにいたします。     —————————————
  5. 松澤兼人

    委員長松澤兼人君) 産業公害及び交通対策樹立に関する調査議題とし、交通対策に関する件について調査を行ないます。  質疑のおありの方は順次御発言を願います。大倉君。
  6. 大倉精一

    大倉精一君 きょうは、松平長官も非常にお急ぎのようでありますので、まず、長官に端的にお伺いしたいと思います。  その前に、宮崎君のほうから、総合的な統轄実行機関といいまするか、そういうものがなければ、いまの久保君の提案理由の中に言ったような、思いつきのばらばら施策では実効があがらない、こういうことで、わが党もいまそのような提案をしているのですけれども、諸外国にも交通安全に関して統轄する責任機関というのがあると思うのですけれども、その二、三の例を御調査しておられるなら、この際御披露願いたいと思います。
  7. 宮崎清文

    政府委員宮崎清文君) こまかい資料がなかなか入手困難でございますので、詳細な点はわかりかねましてまことに恐縮でございますが、欧米主要諸国交通安全行政、しかもこれは中央組織につきまして、そのアウトラインを御説明申し上げます。  第一に、アメリカ合衆国でございますが、これは、一九六六年、つまり昨年に、いわば運輸省というような役所設置されております。以下、私が申し上げます名前は、かりに私がつけた名前でございますので、正確であるかどうかは、また別途検討させていただきたいと思います。  この運輸省は、大ざっぱに申しますと、わが国におきまする陸運行政、それから道路行政道路交通行政、それから航空行政を行管いたしております。ただ、海上につきましてはコーストガード、これは大体わが国では海上保安庁がそうだと思いますが、コーストガードだけしか含まれておりません。つまり一般の海運行政は含まれておりません。この理由につきましては、詳細はちょっとわかりかねますが、聞くところによりますと、何か海運業界の非常に強い圧力があって、別になったという話もちょっと聞いております。このように、アメリカの運輸省におきましては、繰り返しますように、陸運行政道路行政道路交通行政航空行政、それから一部の海上行政につきましてこれを包括的に所管いたしております。で、特にこの全般的な交通事故の問題につきましては、これもかりの訳でございますが、国家安全輸送会議というようなものが設けられておりまして、ここにおきまして、事故の分析あるいは事故対策をいろいろときめておるようでございます。それから陸上交通行政につきましては、この運輸省内部部局といたしまして、交通安全局道路安全局というようなものが設けられておりまして、これがそれぞれ道路行政交通安全行政等を担当しておるようでございます。  それから次がイギリスでございますが、イギリスにも同じく運輸省という名前役所が設けられております。これは、わが国で申しますと、陸運行政道路行政道路交通安全行政、それから海運行政を包括して所掌しているようでございます。戦後、一時航空関係も統合された時代があるようでありますが、その後また航空関係は分離されておりまして、現在、航空関係航空省というような役所が所管されておるようであります。これが一時なぜ統合され、分離されたかの理由につきましては、私はちょっとつまびらかではございません。  それから西ドイツにおきましては、連邦交通省というような役所が設けられておりまして、これが一番包括的な権限を持っておるようでございます。すなわち、わが国で申しますと、陸運行政道路行政交通安全行政海運行政航空行政、これらのすべてを包括した権限を持っておるようでございます。  それからフランスにおきましては、これは何と訳したらいいのか、ちょっとわかりかねますが、日本語に直訳いたしますと、設備省というような名前役所がございまして、これが大体陸運行政の一部と道路行政道路交通安全行政を担当しておるようでございます。フランスにおきましては、航空はやはり別建てになっておるようでございます。  それからイタリーでございますが、イタリーは大体現在のわが国とほぼ同様でございまして、公共事業省というような役所がございまして、これが道路行政道路交通安全行政を担当いたしております。それから運輸省という役所がございまして、これが陸運行政を担当いたしております。それから海運省という役所がございまして、これが海運行政を担当しておる。こういったぐあいに陸海空がそれぞれ別建てでございまして、わが国現状に一番近いように思われます。  以上が、欧米主要諸国中央組織としての交通関係ある機関概要でございます。
  8. 大倉精一

    大倉精一君 なお、いまの御報告内容ですね。あるいは、またつけ加えることがあったならば、つけ加えて資料としてお出しを願いたいと思います。  それで、いまお伺いしますと、陸運運輸道路、こういう行政を総合したものが大体各国にあるようでありますけれども、わが国では交通安全対策本部あるいは交通安全閣僚懇談会、こういうものがあるんでありまするが、どうもこれが実効があがっていない。交通関係については、各省庁にまたがって非常に広範な分野にまたがっておりまするが、これをやはり一括して、統轄をして総合調整あるいは実行する責任機関が必要であるということを痛感する次第であります。それで、社会党の提案にもありまするように、まあ私個人としては、交通安全庁というものがいいんじゃないかと思いますけれども、そういうものの設置につきましては、時間も、研究もする必要もあると思いまするので、とりあえず行政委員会をつくるんでありますけれども、名前にこだわりませんが、これは長官、ひとつわが国交通戦争と言われる中で司令官がいないんだから、司令官のいない戦争はできないんだから、そういう責任機関というものをこの際設けるということをぜひとも検討なされる必要があるんじゃないか。そうでなければ、各省庁ばらばらでもあり、さらにまた伝統的ななわ張りもありまするので、なかなかこれがはかどらぬということが実態じゃなかろうかと思う。したがって、きょう長官にお伺いしたいと同時に、注文つけたいことは、わが国もこの交通戦争司令官をひとつつくってもらってですね。それからそういう機関をひとつつくるということを御検討願う必要があるじゃないか。こういうことについて長官の御意見をお伺いしたい。こういう次第であります。
  9. 松平勇雄

    ○国務大臣(松平勇雄君) 交通の問題が多くの省庁にまたがっておることは事実でございまして、この総合調整をはかるために、ただいまお話しのような関係閣僚を構成員とする交通関係閣僚協議会及び次官クラスを構成員とする交通対策本部を設けて、効果的な交通安全施策推進をはかっているわけでございまして、行管といたしましては、まあ機構の膨張を抑制するというたてまえから、新たに合議制の行政機関を設けることは、現在は考えておりません。しかし、大倉委員のおっしゃるとおり、この問題は非常に人命の問題にも関係する大きな重大な問題でございますので、将来の問題として、ただいまお話しの安全対策委員会ですか、これは検討する価値があるというふうに私は考えておるわけでございます。
  10. 大倉精一

    大倉精一君 まあ、将来といえば、ずっと先も将来ですが、名前はどんな名前でもいいんですけれども、確かに対策本部もでき、閣僚懇談会もありましたが、私は実効があがってないと思うのです。たとえば、公害の問題もそうですが、公害源もちゃんとわかっておる。しかも、現に公害が発生しておる。その公害源の活動を停止させなければならぬが、その停止させる責任官庁がない。こういう問題が公害にもあるのですが、交通安全の面につきましてもこれがある。つまり、言うならば、交通安全ということはみなわかっておるのです。あとは実行だけなんです。その実行ということになると、司令官がいないから実行できないということなんですね。だから、将来というばく然たるものでなく、こういうものが出てきたこれは契機にして、直ちにこういうものの検討に入る。こういうかまえが交通安全対策には必要ではないか、こう思うのですが、長官、ひとつさっそくこういう問題の御検討に入っていただくことはできないか。
  11. 松平勇雄

    ○国務大臣(松平勇雄君) 安全対策の問題を実行に移すことは、いろいろ困難な問題があると思います。まあ、それはこういった組織の問題にもあるかもしれませんが、そのほかにもまた要素があるわけで、これを強力に推し進めるために、ただいまお話しの協議会ですか、これをつくるようにというお話でございますが、私どももやはりこういった考え方も持っておりまして、まあ将来と申しましても、そんな遠い将来ではなくて、検討してみたいと思っております。ただ、現在この組織がございまして、一応成績をあげております。まあ、はかばかしくはございませんけれども、あげております。これを私は、機構の問題ではなくて、ほかにいろいろな要素があって、こちらの思うようなスピードでは対策ができていないというふうに考えております。したがって、もちろん、お話のとおり、この問題に関しましては検討いたしますが、機構ばかりに原因があるというふうにも考えておらないわけでございまして、これがまあ総合調整が非常にうまくいけば、私は成果をあげるのではないかというふうにも考えておるわけでございます。
  12. 大倉精一

    大倉精一君 まあ、長くお尋ねしませんが、私は、むろん他にもいろいろな要素がありますけれども、この機構の問題が非常に重大なウエートを占めておると思うのです。ですから、やはり全部の各省庁にわたる関係のそれぞれの持ち場が、あるいは担当が、総合的に効果的に動く。つまり作戦行動ができるという、こういう交通戦争に対する対応策がなければ、こういう組織、機構がなければ、交通戦争には勝てまい。こう思うのです。まあ、これは見解の相違でありまして、松平長官は、いままでの対策本部なり何なりは効果をあげておる、こういう見解のようでありますけれども、私はあがっていないと思う。これはひとつ率直に御検討願いたい。どうかひとつ、この点御検討するということでありますから、ぜひともこれは、社会党が出したものだからという意味ではなくて、交通安全の対策として御検討願いたいと思う。いずれかの機会に、検討された結果についてまたお尋ねしたいと思いますが、きょうはこの程度にしておきます。  それから、この前の委員会でも申し上げましたが、各省庁にわたって、従来ともいろいろお尋ねをしてまいり、さらにまたこまかい件についても、提案、意見を申し上げてまいりましたが、そういう点について、その後のとられた措置等について御報告願いたいと思います。
  13. 鈴木光一

    政府委員鈴木光一君) 前回、大倉先生からいろいろ調査の宿題をいただいておりますが、その後私どものほうで調査いたしました結果を御報告申し上げたいと思います。  一つは、去る四月から実施されました、免許証に医師の診断書を添付する制度につきまして、全国的に見て相当拒否の事例があるんではないかということでございますが、私のほうで調査いたしまして、現在までに判明いたしておりますのは、埼玉県の大宮中央病院など一般の病院八件と、それから神戸市内、静岡県内、石川県内及び富山県内の各保健所が拒否をしたというような報道がされておるわけですが、これらが該当すると思うのでありますが、これらの事例につきまして逐一調査してまいりますと、長野県内の六つの病院を除きましては、全面的に拒否したというものではございません。それからたくさんあります保健所の問題につきましては、保健所の通常業務に支障を及ぼす範囲で拒否という形になったものでありまして、しかも、先ほど申しました長野県内の六つの病院におきましても、専門医が一応拒否したような形になっておりますが、内科において診断書を発給しておるという事例でございます。ということが実情でございまして、たとえば保健所の例につきましては、兵庫県の神戸市内の保健所でございますが、この前も私申し上げましたように、保健所では非常に一般の医師に比べて診断書の交付手数料が安いわけでございまして、したがって、非常に利用者が多くなるということが考えられるので、利用者が多くなった場合には、一般の保健業務に支障があるということをおもんぱかって、支障がある際は拒否することもあり得るというようなことのようでございまして、新聞に報道されたように、診断書拒否のビラを窓口に掲示をしたというようなことはございません。その他、保健所につきましては、大なり小なり、やはり交付手数料が安いということで、殺到されて一般の保健業務に支障があると困るということが拒否という形で報道されているということが事実のようでございます。この前もお話ししましたように、たとえば東京都内の保健所におきましては、一般業務との関連を考えまして、特定の日にこの種の診断書の交付を行なうということで、一般保健業務とのバランスをとりながらやっておるということでございますので、私どものほうも、厚生省を通じまして、保健所が拒否するという形にならないようにということで指導をしてもらうようにしております。  それから一般病院でございますけれども、たとえば、長野県におきます信州大学では、専門医が発給するということになりますと相当詳細な診断をしてからでなければできないという意味で、全く拒否したということではない。したがって、われわれが要求しております問診程度の診断ということになりますれば、内科のお医者さんでもできるということで、同一施設内の内科の医師が診断書を発給していくということでございます。その他、一般の病院、総合病院、この総合病院の中では、ほとんど専門の精神科のお医者さんが、拒否ということではありませんけれども、私が見るのなら長い間専門的なものを見なければならぬということで、ほとんどのところでは内科のお医者さんが、われわれが要求しておるような問診をして診断書を発給しておるということでございます。 まあ、先般来から診断書制度につきましてはいろいろの御批判があろうかと思いますけれども、私どもは、精神病の専門的な診断ということまでは要求しておりませんので、一般の知識を持った医師に問診程度の診断で第一義的に広く浅く診断をしていただいて、疑いがある者はさらに専門医師に回していただくというようなことで、広く浅くチェックしていこうという考え方で発足した制度でございますので、いろいろ、医師の中には完ぺきなものを要求されておるというふうに考えられ、またある意味では良心的にそういうことができないというようなことで、拒否というほどではありませんけれども、拒否に近いような事例がございまして、それが新聞等に報道されるというようなことになっておりますが、大観しては、われわれがかねて期待しておりましたようなことでスムーズにいっておるというふうに考えておる次第であります。  それからその次の問題につきましては、西武鉄道の沿線の踏切の封鎖の問題に関連して、警察が踏切を封鎖してしまって、その際に住民の意向を十分聴取しなかったのではなかろうかという御質問でございましたが、御質問にありました具体的な事例は、西武線の東久留米の二号踏切というのが該当しておると思います。この踏切につきましては、警察のほうにおきまして、道路管理者、それから西武鉄道関係者と十分打ち合わせの上、付近の住民の意向を聴取した上で踏切封鎖という形になったわけでございまして、そういう意味のことを先般も申し上げたのでございますが、具体的に申し上げますと、この踏切は北多摩郡久留米町小山というところにあります東久留米二号踏切と称せられておる踏切でございますが、この踏切道は町道でございまして、踏切の幅員は六十センチメートルと四種の踏切で、非舗装ということになっております。当該場所は、電車が掘り割りの中を通っておりまして、踏切前後の取り付け道路が上り側が十・八度、下り側が十三度という急勾配となっておりまして、構造上、車両は通行できない踏切でございます。こういう踏切でございますので、昭和三十七年に車両の通行止めの規制実施いたしました。その後歩行者もあまり通らない、一日に大体警察の調べでは二十三名程度しか通らない、ということがございまして、危険な踏切の統廃合の問題が出ておりましたので、いろいろ調査したわけです。その調査の中には、隣接する踏切の調査もしたわけですが、この該当の踏切の隣接踏切といたしましては、少しこまかくなりますが、上り方向百五十メートルに隧道がありまして、下りのほうには三百三十メートルに東久留米の三号踏切というのがございます。そういう状況になっておりまして、この該当の踏切につきましては、もちろん四種の踏切でございまして、特に下り方向は見通しが非常に悪い、二十メートル程度しか見通しがきかない。上り方向は四百五十メートル程度見通しがきくということであります。こういうことでありますので、危険な踏切ということになっております。それから上り方向百五十メートル付近に隧道がありまして、これが利用できるという状況がございます。その上、この踏切では五歳の幼児が、これは死亡に至りませんでしたけれども、歩行者の事故が発生しておるというような状況がございまして、昨年の十月に関係者が集まりまして、西武池袋線に対する規制計画についていろいろ協議を行なったわけです。で、この当該東久留米二号踏切につきましては、ことしに入りまして、その協議の際に、一応廃止しようじゃないかという協議の結論が出たわけでありますが、その後、ことしに入りまして、二月の三日の日に、警視庁の係官と、所轄しております田無の担当官が付近の自治会長に相談をいたしました。この踏切が非常に危険だし、車両の通行どめは全面的に行なっておりましたが、歩行者通行どめの規制を行ないたいということで説明をいたしまして、自治会長はその説明趣旨を了承いたしました。がしかし、なお地元民の意見も聞きたいということで、アンケート等をとっておったわけですが、その後地元の関係者からも何らの反対意見もなかったということで、一カ月半ばかりの後に、公安委員会で歩行者の通行どめも決定いたしまして、五月に標識を設置して、西武鉄道側が踏切にさくを施して閉鎖したというのがいきさつでございます。前回、先生から御質問がありましたので、所轄署に指示して調査いたしましたけれども、自治会長も現在反対意見は持っておらないし、地元民にも、反対の動向とか、いがみ合いというような実態のあることは知らない、自治会長もそう言っておられる。署といたしましても、御質問にあったような事実はないと思いますけれども、一部住民がもし不満を抱いているということでありますれば、実情を調査いたしまして、事情をよく話して説得をいたしたいというふうに言っておりますので、全く住民の意思を無視して踏切を閉鎖したということではないようでございますので、御了承を願いたいと思います。  それから、そのほか信号整理の際に、車町を全部停止させて歩行者をたとえば斜め横断させるというような方式の採用についていかがかという御質問があったかと思うのですけれども、これは私もその際お答えいたしましたように、アメリカで私も現認して参りましたのですけれども、アメリカであのような方式をスクランブル方式というわけですが、ああいう方式が採用されております。調査によりますと、アメリカのコロラド州のデンバーというところで最初にあの方式が採用されまして、あの方式によりますと、歩行者はその交差点を安心して横断ができる、対角線の場所へも一気に横断できるという利点がありますので、アメリカでは相当程度全国に普及した。しかし、その後あの方式を採用いたしますと、信号のサイクルの時間が非常に長くなりますために、最近ではアメリカでもやめているというところが多くなっているというふうに聞いております。わが国でもあれに類似した方法で、全赤方式とわれわれ言っておりますけれども、車両を信号で全部停止させまして、その間に歩行者を、対角線ではやっておりませんけれども、直角に横断させるという方式を採用しております。東京では、皇居前、八重洲口、新宿ガード東、渋谷道玄坂下等、数カ所でこの方式を採用しております。この方式を採用いたしましたのは、やはり交差点で右左折する車両、交通量の多い場合に適するわけでございまして採用しているわけですけれども、やはりサイクル時間も非常に長くなるということでございますので、車両の交通量が非常に多くなりますと、それの待ち時間中に停滞するという交通が多くなりまして、それがしたがって隣接の交差点にまで影響してくるというようなことになりますので、この方式を採用する場合には十分な検討が必要だということになっております。  なお、わが国で、御指摘のように、斜めに交差点々横断する方式を採用しておりませんのは、このようにいたしますと、歩行者が交差点の中央部でかみ合うというようなことになりまして、そのためもございますし、また横断する距離が非常に長くなりますので、歩行者用の信号時間を相当長くとらないといかぬわけでございます。まあ、アメリカの場合でも、あまり広い道路ではやっておらない。片側一車線の道路で斜めに横断する、しかも車両の通行量が少ないところで採用しているようでございますので、わが国交通事情でございますと、現在のところ、対角線横断方式というようなものを採用しがたいのではなかろうかというふうに考えております。  以上、なお漏れているとともあろうかと思いますけれども、一応御説明申し上げておきます。
  14. 大倉精一

    大倉精一君 時間がありませんから、これはきょうは限定して、西武の問題が出ましたから、その問題だけでも締めくくりをやっておきたいと思うんですけれども、いま無人踏切の閉鎖の問題について報告がありましたが、現地で聞いた話とはだいぶ違いますから、これはもう一回調査してもらいたいと思う。現に線路の両方の部落がいがみ合っているというのであり、さらにまた耕うん機ですが、あれが通れないから、こちらのほうに畑を持っている人は畑がぼうぼうになってしまって、ほうりつ放しになっておる。こういう事情にもあり、さらにまた自治会等に相談もなかったということを現に聞いておりますので、これはひとつ御調査願って——そういう状態であれば、これは西武の線路のために両側がこうなったというのではたいへんですから、これはひとつ御調査願いたいと思います。  それから精神鑑定はその程度にしておいて、ただ一点お伺いしたいのは、精神鑑定をやった場合に、これは怪しいぞ、こう思ったときは専門医に回すということをおっしゃったのですけれども、私は、そこがたいへんだと思うんです。つまり、精神病患者というのは、その程度の者は自分では精神病患者と思っていないのです。それを、精神病患者の疑いがあるというような措置をとられるということになると、本人にも非常にショックであり、しかも社会的にも非常に本人にとっては、たいへんな立場になるだろうと思うんです。したがって、前にも申し上げたように、練習期間ですね、二カ月ぐらいありますか、長期にわたって観察をして、怪しいと思う者については何かはかの理由で免許を与えない、こういう措置をしないと、「おまえは精神病患者の疑いがあるから免許はだめだ」、こういう扱い方は非常に問題があると思うんです。その扱い方についてひとつ御検討される意思がありませんか。
  15. 鈴木光一

    政府委員鈴木光一君) さっき御指摘のように、特に精神病の診断につきましては、監視の期間ですね、監視の期間があれば自信を持ってできるという医師のお話もございます。そこで、先ほど事例にあげました病院等でも、一度その病院に入院したことのある者、あるいはその診察をしたことのある者については、もう自信を持ってやるというようなことを言っておりますし、それからほかのいろいろなこれに類似の制度でも、その監視期間をある程度置いておる。たとえば床屋の学校、床屋さんになるには、やはりこれと同様に医師の診断が要るわけですが、理容学校等の期間に見ている人、たとえば理容学校の先生方からいろいろ聞くというようなこともございますので、御指摘のように、この自動車免許をもらう際に、現在大体普通免許の八〇%は自動車教習所に入っておりますので、自動車教習所の入所の期間よく観察したものを、医師がそれをもとにして診断をするというようなことにいたしたいと思いますので、そういう方向に、なるべく医師が自信を持ってこの種の診断ができるような方式も漸次採用してまいりたいと思います。
  16. 大倉精一

    大倉精一君 私の言っておるのは、そういう意味じゃなくて、これは精神病患者であり、あるいは精神病の疑いがある、こうなったものの取り扱いですね。これに免許を与えないその理由を、おまえは精神病患者だからいけないという、そういう取り扱いじゃなくて、何かやれる方法、たとえば何かはかの、試験の成績が悪いとかなんとか言って免許を与えないという、そういうことにしないと、おまえ精神病患者だからいけないということになれば、さっき申し上げたように、こういう精神病患者は、自分は精神病患者と思っていないと思うのです。そういう点があるので、私が聞いているのは、精神病患者であり、あるいは疑いがあるという者に対する取り扱いの方法なんですね。これについてお考え願えぬかと、こういうことを言っておるわけです。
  17. 鈴木光一

    政府委員鈴木光一君) 医師の診断が明確に出ますれば問題はないと思いますけれども、それ以外の場合につきましては、御指摘の運用をいかにするかということにつきましては、検討したいと思います。
  18. 大倉精一

    大倉精一君 それは、ぜひ検討してもらいたいということを要望しておきます。  それから鉄監局長に、たまたま西武の踏切の問題が出ましたので、最後に要望かたがたお尋ねするのですけれども、私は、通園通学の通路になっておる踏切については、下校登校時間に限って緑のおばさんでも配備したらどうかと、こう言ったのですが、緑のおばさんがいけなければ、西武鉄道会社に、この踏切この踏切というものはあぶないから、下校登校時分には職員を二人なり何人なり配置して誘導するようにしなさい、こういう行政指導をやるわけにいきませんか。
  19. 増川遼三

    政府委員(増川遼三君) 基本的に、それぞれその個所におきまして、現地の鉄道側、あるいは公安委員会、警察側と協議を重ねまして、所要の措置はとりたいと思います。それにつきましては、先般の御質問の後に、警察庁とも、そういった御相談を申し上げております。
  20. 大倉精一

    大倉精一君 この前の質問によって、西武の鉄道の踏切は一応点検されましたか。
  21. 増川遼三

    政府委員(増川遼三君) 私のほうといたしましては、一応事業者側からの調査はいたしておりますが、なお、こういった問題が起きました点につきましては、踏切閉鎖その他の関係がございますので、警察のほうの調査が全部終了し次第、それに基づきまして対策を講じたいと考えております。
  22. 大倉精一

    大倉精一君 きょうは時間がありませんからやめますけれども、私は、きょうは、従来からずっと質問しておったことについての、その後の措置についてお伺いしたいわけです。  この前の委員会で言ったことは、言いっぱなし聞きっぱなしじゃしようがないのですね。ですから、西武にはこういうあぶない踏切があるのだということを指摘したのですから、これはやっぱり鉄監局長は、職員をして、あるいは民間でもいいのですけれども、現地に行って一度点検して見てみて、なるほどあぶない、こういうことになって、そこで初めて対策を立てるという熱意が出るのですけれども、それを点検せずに西武から状況を聞くということだけではいけない。ですから、私はそこをずっと見に行って——これは西武ばかりじゃないのです。西武ばかりでもないんですけれども、一つの事例として、ああいうところを一応委員会で指摘をしたら、やっぱり現地へ行ってみるという熱意がなければ、交通安全対策委員会を幾ら開いたって何にもならぬですよ、これは。これは、きょうまだ点検しておられぬようですから、警察、当局両方ともひとつ協力して、一ぺん西武のあぶない通園通学の道になっておる踏切を点検してください。非常に狭いです。大型のトラックも通れない、それから見通しもよくない、そういうところに、小学校の生徒が三々五々と通っておるんですね。これは、登校下校のときには、遮断機がなければ西武が責任を持って一人なり二人なり職員をその時間に限って配置をして、そして誘導させる、こういうことを政府のほうで指導しなければ、交通安全対策を幾らここで言っておっても始まらぬと思いますから、さっそくひとつ点検してみてください。そうしてそういう点についてもひとつ考慮願いたいと思います。どうです。
  23. 増川遼三

    政府委員(増川遼三君) ただいまの件につきましては、誠意をもって処理をいたしたいと思います。
  24. 大倉精一

    大倉精一君 これはまあそれでいいのですがね。「誠意をもって」なんて形容詞は要らぬですよ。要らないから、まあとにかく具体的に行ってみてもらって——車があるのだから、さっと行って、何とかやらなければいかぬ、そう言ったらいい。西武へちょっと寄って、あそこへあの時間中職員配置せいよ、この程度でいいのですよ。そういうことをやってもらいたいということです。まあ、要望だけしておきます。また、結果をお尋ねいたします。
  25. 松澤兼人

    委員長松澤兼人君) 本日の調査はこの程度とし、次回は六月三十日に開会し、産業公害議題とする予定であります。  これにて散会いたします。    午前十一時三十二分散会      —————・—————