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矢追秀彦君 いま
大臣のお
考えを伺っておりますと、やはりどうも
神岡鉱山だけと決定するのがちょっと片手落ちであるという御
意見に伺いますが、やはり私は、さっきも申し上げましたように、この
鉱山がいわゆる
カドミウムを流さなくなってからは
病気が起こっていないし、前は
カドミウムをたくさん流したときには、すでにイネに
相当に悪影響が出まして、それには
相当な
補償を出しておることは御存じだと思いますが、
病気に対してはそれをしなかった。
カドミウムが
原因であることは確かである。だけれども、どこから来たのかわからない
——どこから来たのかわからないのではなくて、私はもう、
神岡鉱山がもしそこに存在しなければ、そこに
カドミウムが絶対流れてきていないはずです。
金沢大学も最近
地質調査をやりまして、それがはっきりしておりますし、この
病気自体非常に複雑でありますが、
カドミウムがそれに引っかかりがなければおそらく起こらなかったであろう
病気なんです。それは、低
たん白であるとか、
栄養障害、いろいろあります。そこへ持ってきて、たくさん子供を生んだ中年の女性というものに
カドミウムが引っかかって、いわば
触媒のような形で
——触媒ということばは当たりませんけれども、のような形でこの
病気は起こってきた。しかし、
カドミウムがなければ絶対に起こっていない
病気です。これはネズミの実験ではっきりわかっておるわけです。したがいまして、いま
カドミウムは認められているのですから、これが
鉱毒である、
神岡鉱山から流れてきたものであるということは火を見るよりも明らかなところです。それが、何もそうではないという
立場の上からの
調査は、いままでの過去の
経過を見ておりますと、私は、ちっとも行なわれてないように思えてならないわけです。最近の
医学会総会で、いままで
反論しておった方
——絶対
神岡鉱山ではないと、岐阜大学のある
教授でありますけれども、おっしゃっております。ところが、
小林教授が話をしに行かれますと、やはり
鉱毒から来たものであるということは認めざるを得なくなって、その
反論はついにやめられたと、このように私は
小林教授からも直接伺っております。そうなると、
学問的にもはっきり
鉱毒ということが言えるわけです。ただ、言われるように、確かにおもな
原因でないかもしれません。だけれども、それがあればその
病気が起こる。なれば
一つの
原因である。そうなれば、やはりそれに対してここまで
放置をして、いま
対策を講ずる、
研究をやっているとおっしゃいますけれども、もうすでに、この
地方病の、
特殊病対策委員会というものは解散になっておるわけです。県のほうでも解散しておりますし、また
厚生省のほうでも、ちゃんと
研究班は解散した。このように
報告が出ておるわけです。
こういう重要な
病気であるわけです。
大臣もごらんになったと思いますけれども、まあお知りになりたかったら、ここにちゃんと写真があります。こんな悲惨な
病気はちょっと珍しいわけです。特に私がやかましく言うのは、一万人とか二万人とか、たくさんいるならば、それは
補償もたいへんでしょう。お金もたいへんです。だけれども、わずか百人か二百人の数なんですから
——鉱山側も折れて、これは
うちが流したんだと稲のほうはちゃんとしたのですから、今度は、これは
カドミウムが
原因だとはっきりしたら、その
犯人は
うちだ、では
補償をしようと言うのがこれは当然だと思う。それに対して国のほうももっと積極的な
姿勢をとるべきだと思うのです。
研究研究とおっしゃいますけれども、いまから何をほじくり出しても出ません。やるとしたら、国のほうで、その当時の土もあります、水もあります、それからその当時のいろんなデータもあるわけですから、それをもう一回総合判断して、偏見をまじえないでやっていくという
姿勢でやってもらいたいと思うのです。いまからそこの土を幾らほじくり出そうが、もう
鉱山のほうで
カドミウムを流すことについてはストップしているわけですから、これはもう出ないわけです。もうこれは古い話といえば古い話ですけれども、これが
放置されておったことは、これは
政府の
公害問題に対する態度も……。今度
公害基本法が出てまいりますけれども、こういうものも出る時期でもありますし、私は特に
一つの例として、こういうことが今後あってはならない、これに対してはちゃんとしてもらいたいし、今後こういう問題については積極的にやってもらいたいと思うから、特に強くこういう問題を、ごく一部の限局された、非常に
学問的にも問題があるかもわかりませんけれども、出した次第であります。
この
対策をやっていくとおっしゃいますけれども、
大臣として具体的に、じゃ本年はこのようにやろう、そうしてこれに対してはこういう
学者を集めて、
へんぱのないように国としてやっていこうとか……。特に県のほうでは、これも生ぬるいやり方しかいままでやってきませんでした。県と国とで、
行政面の
責任をなすりつけ合って、
いや国がやらないとか、あるいはもっと県がやるべきだとか
——あるかもわかりませんけれども、
厚生省としても大いに積極的にやっていただきたい、こう思うわけです。
したがいまして、私の聞いている点は、
一つはやはり
神岡鉱山の
鉱毒であるということの疑いを持って
大臣は臨んでもらいたい。このお
考えはないかどうか。もう
一つは、今後の
対策を具体的にお示し願いたいと思います。