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1967-06-02 第55回国会 参議院 産業公害及び交通対策特別委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十二年六月二日(金曜日)   午前十一時開会     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         松澤 兼人君     理 事                 石井  桂君                 宮崎 正雄君                 大倉 精一君                 柳岡 秋夫君                 小平 芳平君     委 員                 紅露 みつ君                 塩見 俊二君                 土屋 義彦君                 中野 文門君                 柳田桃太郎君                 横山 フク君                 戸田 菊雄君                 原田  立君                 瓜生  清君                 林   塩君    政府委員        内閣総理大臣官        房陸上交通安全        調査室長     宮崎 清文君        警察庁交通局長  鈴木 光一君        運輸政務次官   金丸  信君        運輸省鉄道監督        局長       増川 遼三君        建設政務次官   澁谷 直藏君        消防庁次長    川合  武君    事務局側        常任委員会専門        員        鈴木  武君        常任委員会専門        員        中原 武夫君        常任委員会専門        員        吉田善次郎君        常任委員会専門        員        中島  博君    説明員        大蔵省主計局主        計官       秋吉 良雄君        大蔵省銀行局保        険部保険第二課        長        磯辺 律男君        建設省道路局企        画課長      豊田 栄一君        自治省財政局財        政課長      首藤  堯君        日本国有鉄道常        務理事      仁杉  巌君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○産業公害及び交通対策樹立に関する調査  (交通対策に関する件)     —————————————
  2. 松澤兼人

    委員長松澤兼人君) ただいまから産業公害及び交通対策特別委員会を開会いたします。  産業公害及び交通対策樹立に関する調査を議題とし、本日は交通対策に関する件について調査を行ないたいと思います。  質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
  3. 塩見俊二

    塩見俊二君 交通災害に対する救急業務についてお伺いをいたしたいと思います。  交通問題の重大化に伴いまして、交通安全に関する諸施設につきましては研究整備が強く要請されておるわけでございまするが、この交通災害によって生じます死傷者等に対する救急業務につきましても、私は非常に現在、立ちおくれておる感じがするわけでありまして、したがって、本日は、この救急業務に限定をして、若干お尋ねをいたしたいと思います。救急業務、まあ平たく申しますると、あのサイレンを鳴らして走っておる救急自動車は、実は消防が運営をしておるということすら案外に徹底をしていないように承っておるわけであります。したがって、事故現場からの通報にいたしましても、直接に消防の一一九番に通報がこない、警察の一一〇番に電話がかかってくるといったような例が、特に地方都市等においては多いようであります。この救急業務は、まあ瞬間を争って直ちに出動しなければならぬ性質のものであると思うのでありますが、特に専門家の話を聞きましても、この交通事故による負傷という場合には非常に大きなショックを受けたり、あるいは多量の出血を伴うわけでありまして、したがって、まあ十五分以内に手当てをすれば助かったんであろうというような負傷者も、手当てがおくれたために、あたら人命を失うといったような場合も非常に多いように承っておるわけであります。また、負傷者にいたしましても、早期手当て早期の回復につながるということは、これはわれわれしろうとにもわかる常識であるわけであります。特に、昨年の死亡者が一万四千人弱、あるいは負傷者が五十一万人というような、非常に大きな事故者があって、それに対処する救急自動車というものが、ただいま申し上げましたとおり、まず一般の認識からいたしましても、一一〇番に電話がかかってくるというような状況であるわけでありまして、もちろん一一〇番は直ちに一一九番に連絡はするでございましょうが、何ぶん瞬間を争う仕事でございまするので、私は、いま少しく、この消防救急自動車を運行しておる、とにかくサイレンを鳴らして走っておる車は二九番だということを、もう少し徹底をさしていただく必要があるんじゃないかと思います。ただいま消防庁、なかなか出席がおくれたようでありますが、こういうふうな状況ではとても救急自動車を運営できないような感じがするわけであります。いますぐ、この点を徹底願いたいと思うわけであります。これは答弁は要りません。そういう希望を申し上げておきます。  それでは、これから本論について——総括的なことについてお伺いをいたしたいと思うのでございまするが、まず消防救急業務をやっておるということ、消防庁所管になっておるという、その法律的な根拠をちょっと説明を願いたいと思います。
  4. 川合武

    政府委員川合武君) お尋ねの点でございますが、沿革的に申しますと、昭和九年に消防救急を始めましたわけでございまして、この救急という名も現在は熟されておりますが、当時、消防が初めて、この字そのものを、発明ということもございませんが、使ったわけでございまして、さような歴史的な沿革が一つございますが、お尋ねの点は法的な根拠と存じますが、消防組織法——ども消防任務規定いたしておりますところの消防組織法におきましては、火災以外の災害につきましてもこれに対処することを消防任務とされております。この火災以外の災害の範囲でございますが、災害基本法であるところの災害対策基本法の定義におきましても、火災以外の人為災害ということも、この対象といたしております。かつまた、社会的要請が、いろいろな火災以外の人為的災害に対して防災機関が対処すべきことを要請いたしておると存じます。さような点で、本来的に私ども消防任務であると考えますが、昭和三十八年に消防法改正のときに、これは一定規模都市にではございますが、消防義務消防機関法的義務とはっきり四足されまして以来、消防仕事として私どもも力を注いでおるわけでございます。
  5. 塩見俊二

    塩見俊二君 ちょっと私、六法を持ってこなかったので、まことに恐縮ですが、消防性格を決定し、また消防任務規定しておる消防法の第一条と、消防組織法の第一条をちょっと朗読願いたいと思います。
  6. 川合武

    政府委員川合武君) 消防組織法第一条、「消防は、その施設及び人員を活用して、国民生命身体及び財産火災から保護するとともに、水火災又は地震等災害を防除し、及びこれらの災害に因る被害を軽減することを以て、その任務とする」、これは組織法の第一条でございまして、消防任務を書いたものでございます。  消防法の第一条は、「この法律は、火災を予防し、警戒し及び鎮圧し、国民生命身体及び財産火災から保護するとともに、火災又は地震等災害に因る被害を軽減し、もって安寧秩序を保持し、社会公共の福祉の増進に資することを目的とする」。
  7. 塩見俊二

    塩見俊二君 ただいま朗読いただきましたとおり消防組織法の第一条は消防任務規定し、消防法の第一条はその性格規定してあるとのことでありますが、いまお読みいただいたとおり消防法の第一条にも、消防組織法の第一条にも、この救急業務というのは入っていないわけでございまして、要するにもっぱら火災及び水害、あるいは地震等自然災害、これに対して国民生命身体財産を保護するのを目的とするということに相なっておるわけです。したがって、その後、確かに救急業務について若干の規定が追加されたのでありまするが、当面を糊塗するような、応急的な若干の規定が追加されたと、私は解釈しておるのであります。先ほど申し上げましたとおり、現在の交通事故による負傷者死者、この数はまことに、ばく大にのぼっておりまして、火災の場合の、おそらく数十倍になっておると思うのであります。こういうように交通事故に対する救急業務というのは、非常に重大性をいま加えてまいっておるわけでございまして、したがって、私は、実は現在では、火災、それから水害その他の自然災害、それとこの救急業務、これは消防の三つの大きな柱と思うのであります。しかしながら、ただいま第一条にも書いていないとおり、実はほんの間に合わせ的な規定でこれを補っておる、こういうことでございますので、これは法律組織に非常に不十分な点があるばかりでなく、また消防体制全体におきましても、これから指摘して御質問申し上げますが、消防組織体制全体におきましても、この救急業務を受け入れるに十分なる体制ができていないというふうに、私は考えるわけであります。したがって、これは総括的なお答えでけっこうでありますが、やはり消防法の第一条、あるいは消防組織法の第一条にはっきりと救急業務というものを消防の使命として明記する、または、この救急業務緊急性という観点から、消防法全体というものを、私は見直す時期になっておるのではないかと思うのであります。もし、そういうことができなければ、救急業務を独立の法体系として整備する必要すら痛感するわけでございまして、こういった点についての御所見をひとつお伺いをしたいと思います。
  8. 川合武

    政府委員川合武君) お尋ねの点でございますが、結論といたしまして、消防組織法の一条ないしは消防法第一条について、立法論的にこれを現実に合わすように改正し、救急任務をはっきりと明定すべきではないかという御指摘に対し、そのときが来つつあるのではないかと私どもも考えます。で、法的に——なまいきなことを申し上げまして恐縮でございますけれども災害実態というものは非常に動いておりまして、かつては火災が私ともの大きなエネルギー——現在もそうでございますが、その他風水害等もございますが、最近のような人為災害と申しますか、事故的なものは最近の異常なる現象でございまして、これを行政的にどう把握するかということは、その実態そのものが非常に最近動いてきたのでございます。私どもは元来、本来的にそういう問題に対処する任務を持っておるということでございますが、こう行政実態がはっきりしてきたならば、やはりただ消防法の中の災害というものに含まれる、こういう解釈でなくて、はっきりしたほうがよりいいのではないかということでございまして、御指摘のとおりに思います。ただ、その場合に別個の法体系をつくっていただくような——つくるべき必要もないと思います。ことに、消防救急は、いわゆる救助救出等とも非常に関連をいたしますが、同時に特異な社会現象としてここまで来ましたものでございますが、性格的には災害の、われわれの救助救出とも関係いたしますので、また、いろいろな災害との関連もございますので、やはり私ども消防体系、現在の組織法消防法体系の中で適当なる位置を与え、そしてこれを体系立てていくのがいいのではないか、かように考えます。
  9. 塩見俊二

    塩見俊二君 これでこの点は、質問を終わろうと思いましたが、若干歯切れの悪い御答弁でございますので、もう一つ付け加えてお伺いをいたしたいと思います。  自動車車両数が現在、大体九百三十万台と記憶いたしております。これが三十五年にはたしか三百四十万台、約三倍近い激増をいたしておるのでございますが、今後の見通しといたしましても、専門家の話によりますると、日本の場合は三千万台までには増加するだろうということが言われております。現に運転免許者の数は二千万人以上に達しておるというふうな状況でございますので、今後さらに自動車車両数が急増する。急増すれば、当然に自動車災害というものは増加してくる。これはいかなる安全施設対策を講じましても、このとうとうたる自動車増加の趨勢というものは、私は交通事故を減少させないであろうということを遺憾ながらおそれておるわけであります。そういうふうな状況に対処して考えてみます場合に、やはり消防法の第一条に救急業務がないというようなことでは、私は消防交通災害に取り組む気魄としても不十分ではないかと思うわけであります。ぜひともひとつ、この点は御再考を願って御検討を願いたいと思います。
  10. 川合武

    政府委員川合武君) 答弁が不十分でございまして、結論といたしまして先生の御指摘のとおりと私考えます。ただ、現状までの、なぜそれではこういうような組織法の一条の表現になっているかという、よけいなことをつけ加えて御説明いたしましたので、説明が乱れましたけれども結論といたしまして先生の御指摘のとおりと思います。
  11. 塩見俊二

    塩見俊二君 それでは本論に入ってお伺いをいたしたいと思います。これからお伺いするのは、非常に事務的なことでございまして、私は特に大臣出席を求めていなかったわけでありまするが、しかしながら、問題は私はきわめて重大だと考えますので、質疑応答の過程で明らかになった問題点につきましては、ぜひとも大臣に御報告願い、また御検討をいただくようにお願いをしておきたい。  質問に入る前に、まず、現在の救急業務を行なっている市町村の数、それから全国救急自動車の数、それから昨年消防庁努力せられて増加した本年度増加市町村あるいは車両の数、これを教えていただきたい。
  12. 川合武

    政府委員川合武君) 現在、救急業務を実施いたしております市町村総数は、四百六十市町でございます。そのうち、内訳で申しますと、いわゆる政令指定義務で行なっておりますものが百五ございます。九月一日から百九十追加をいたしまして、したがいまして、義務で行ないますものが二百九十五になります。その他の市町村百六十五が任意でこれを行なっております。——どうも失礼をいたしました。先ほど申しましたように、九月一日から百九十を指定いたしますので、それを含めますと、九月一日から四百六十という市町村になります。現在は、そのうち四十がまだ行なっておりません。ちょっとややこしくなりまして恐縮でございますが、すでに任意で行なっておりますものの中で義務で行なわせるように九月一日からいたします分と、九月一日から行なわせる分の中には、まだ行なっていないもので、義務になりましてからこれを行なうものと、二種類ございますので、さようなごたごたした数字を申し上げましたが、もう一ぺん言い直しますと、現在行なっておりますものが四百二十ございまして、九月一日から四百六十になるわけでございます。
  13. 塩見俊二

    塩見俊二君 ただいまお伺いをいたしました数字、これはまあ第一、直感的に非常に少ない数字でございます。昨年の、繰り返して申して恐縮でございますが、正確な資料がございますので申し上げますると、昨年の死者が一万三千九百四人、負傷者が五十一万七千七百七十五人、こういう数字になっておるのでございまするが、これに対処いたしまして昨年の救急自動車全国でわずかに五百六十六台、また、救急業務を実施している市町村全国三千の市町村のうちでわずかに三百五十六、非常にこれは少ないという感じがするのであります。私の郷里のことを申し上げてまことに恐縮でございますが、私の郷里高知県では——これは一般にも該当するであろうと思いますので申し上げたいと思いますが、高知県では昨年の死者が百四十四人、負傷者が三千六百十六人という数字でございます。高知県の市町村の数は大体百です。そのうち八つの市がございますが、この百の市町村救急業務をやっているのは、わずかに高知市一市だけでございます。また、救急自動車高知市に二台あるだけだというような状況で、ほとんど大部分の死者負傷者というものはこの救急自動車のごやっかいになっていない、あるいは担架で搬送したり、あるいは手当てが非常におくれるというような、非常な不幸な状況に現在あるわけでありまして、したがって、私は、いまの市町村救急業務をやっておる市町村の数あるいは救急自動車の数は、非常に少ないと思うわけでありまして、これはぜひとも緊急整備を必要とすると思うのであります。昨年は、消防庁努力で、ただいまお話のとおり相当増加をいたしましたが、これでもやはり二階から目薬、あるいは九牛の一毛といったような感じがするわけでありまして、この救急業務緊急整備ということは非常に重大な問題であると思うのでありまして、消防庁におかれましても、あるいは財政当局におかれましても、奮起一番、この緊急整備に取り組むという、ひとつその決意をお聞かせいただければ、まことに幸いであると思うわけです。これは消防庁及び総理府にもお願いを申し上げます。
  14. 川合武

    政府委員川合武君) 先ほど先生の御質問に対して、答弁漏れもございまして恐縮でございましたが、実施いたしております市町村の数は先ほど申し上げましたように四百二十でございます。救急自動車の数でございますが、現在は四十二年の四月で押えまして七百十九台でございます。昨年、四十一年の四月で押えました数字が五百六十六台でございまして、要しまするに百五十三台その後ふえまして、現在七百十九台になっておるわけでございます。で、私どもは、むろんこの数字をもって足れりといたしておるわけではございませんで、緊急の整備計画をもちまして、さらに救急業務充実救急車充実をはかっておるわけでございます。ことに御指摘のように、地方都市におきましての救急必要性というものが非常に高まってまいりましたのに対しまして、そのほうは私ども努力の追いつきが足りないで、アンバランスと申しますか、非常にその点につきまして地方都市救急必要性が高まったのに対しまして、対処する方途、その力がまだ不十分であるということを認めておりまして、その点につきましても努力をいたさなければならない、かように考えます。
  15. 宮崎清文

    政府委員宮崎清文君) 御指摘のとおりに、わが国の広い意味の交通安全対策におきまして被害者救済対策が立ちおくれておることは事実でございます。政府といたしましてもこの事実を率直に認めまして、大体はっきり申し上げますと本年度から被害者対策関係につきましては、特に予算上の一つの重点に取り上げまして、これを強力に推進してまいりたいと考えております。特に問題になりますのは、現在も御指摘になっておられます救急業務体制整備、それから救急医療体制整備、あるいは被害者の方々への相談活動の強化、あるいは損害賠償関係をもっと円滑に進める、こういうような諸点を重点に取り上げまして、今後、本年度を起点といたしまして強力に推進してまいりたい、このように考えております。
  16. 塩見俊二

    塩見俊二君 ちょうどいま政府当局から、地方のほうが非常に手薄である。交通事故が都会の専属物でなくて、いまや全国共通の重大な問題であるというようなことに触れられたお話がございましたので、そこで私、警察庁からちょっとひとつ資料説明お願いしたいと思います。  まず自動車車両数を、東京、神奈川、愛知、京都、大阪、兵庫、福岡——これらの都府県と、その他の県とに区分をして、昭和三十五年と四十一年の自動車台数、それから増加数増加割合をお持ちでしたら、ちょっと御説明願いたい。
  17. 鈴木光一

    政府委員鈴木光一君) 自動車保有台数につきまして、昭和四十一年末現在では九百三十三万九千百九十一台ということになっております。これは七大都府県と、その他の地方とに分けますると、七大都府県が四四・五%、それからその他の地方におきまして五五・五%でございます。これを昭和三十五年にさかのぼって、この数字を見ますると、全国自動車保有台数が三百四十五万三千百十六台でございまして、そのうち七大都府県の保有しておりました数が四八・六%、その他の地方で五一・四%ということでございますので、先ほどから御指摘のとおり、七大都府県を除いた他の県の保有台数が漸次、率から申しましても増加しておる、こういう傾向にあろうかと思います。
  18. 塩見俊二

    塩見俊二君 それでは同じ区分で、死者負傷者割合をちょっと……。
  19. 鈴木光一

    政府委員鈴木光一君) 死者負傷者につきましても、漸次都市部から地方部に数がふえておるという傾向がございます。これを数学的に申し上げますと、死者につきまして昭和三十五年には全国で一万二千五十五名の死者がございましたが、そのうちの四二・四%が七大都府県、その他の地方が五七・六%でございます。しかるに昭和四十一年になりますると、全国死者が一万三千九百四名でございますが、七大都府県におきましてはその三二・二%、その他の地方におきましては六七・八%ということでございますので、飛躍的に都市部から地方部に漸次死者の数がふえておるということがいえると思います。負傷者の数についても同様の傾向はございますが、これも数字で申し上げますと、昭和三十五年は全国で二十八万九千百五十六名でございますが、そのうち都市部の占める割合が四二・六%でございましたが、昭和四十一年を見ますると、全国総数五十一万七千七百七十五名のうち五二・五%が七大都府県を除いたその他の地方ということになります。昭和三十五年当時と逆転したような形になっております。
  20. 塩見俊二

    塩見俊二君 ただいま御説明いただきましたとおり、だんだん自動車車両地方において激増し、また死者負傷者も非常に激増いたしておるわけでありまして、私の調べたパーセンテージを申し上げますと、いま言った七都府県、これは死者では昭和三十五年に比べて昭和四十一年には若干減少いたしております。しかし地方におきましては三四%程度増加しておる。また負傷者にいたしましても、同様の傾向であるわけであります。交通災害大都市独占物でなくて、地方においても非常に激増しておるというようなことでございますので、私は救急体制整備に当たりましても、大都市をさらに整備することはもちろん必要であるわけでありますが、特にこの地方におきましても緊急に整備する必要に迫られておると思うのであります。ただいま全国四百二十市町村お話があったわけでありますが、一体どういうような基準救急業務市町村にやらせるというふうなことになっているか、まずその基準についてちょっとお伺いをいたしたいと思うのであります。
  21. 川合武

    政府委員川合武君) 先ほど申し上げました現在政令指定しておりますところの百五市につきましては、人口十万で集中人口が五万のいわゆる密集地を持っているところ、さようなところを指定いたしましたが、それでは足りませんので、今回その基準を改めまして人口五万以上のところにつきましてはすべて救急業務を実施する、かようなことにいたした次第でございます。なお法律でそれに準ずる都市もそれをなるべく行なうようにつとめろ、つとめるべきであるというような規定がございます。そして、現在義務になっております以外で百六十五の市町村がこれを行なっておるわけでございます。
  22. 塩見俊二

    塩見俊二君 この基準を見てみましても、制限がいろいろついておって、消防本部とか消防署を置いている市町村、そしてその中で政令指定をした市町村というような規定になっておるようでございますが、いまこの消防本部及び消防署を置いている市町村は幾つございますか。
  23. 川合武

    政府委員川合武君) 現在約七百でございます。
  24. 塩見俊二

    塩見俊二君 そのうちで救急業務を行なっている市町村は幾つありますか。
  25. 川合武

    政府委員川合武君) 正確な数字はただいますぐ見てみますが、いま申し上げましたように、現在行なっております四百二十というのはみな本部署のあるところでございます。したがいまして本部署のあるところのうちで幾つ救急をやっているかということでございますね。
  26. 塩見俊二

    塩見俊二君 そうです。
  27. 川合武

    政府委員川合武君) でございますから、四百二十現在やっておりますが、これは全部本部署のあるところでございます。
  28. 塩見俊二

    塩見俊二君 私は、端的にひとつ要望かたがたお伺いをしたいと思います。この七百という消防署を持っている市町村、これにはとりあえず全部救急業務をやらせるというお考えはないのかどうかという一点であります。御承知のとおり、消防署を持っているところは消防ポンプ数台を持っており、また常勤の職員がおり、また一一九番の連絡電話を持っている、車庫も持っているというふうに、受け入れの態勢が私はもうすでにでき上がっておると思うのであります。また、この消防の場合におきましては、この出動の回数を見ましても、東京都の例でありますと、年間救急自動車の出動回数は十三万回、ところが火災出動の場合は年間八千というような数字になっておるわけでありまするが、おそらく地方でも同様の比率ではないかと思います、救急自動車を置いているところは。ところが救急自動車のないところでも消防ポンプはある、そして火災消防には出動している。あるいは救急自動車があればその十数倍は出動することになるわけでありまして、したがってそういった地域において数台の消防車がある、救急自動車はない、一台置いたら十数倍の救急出動回数になる、こういうふうになるわけでありまして、少なくとも私は消防署を置いている市町村、これには緊急に救急自動車を配置すべきであるということを感じておるわけでございまするが、その点について、これは総理府からも一緒にひとつ御所見を伺いたいと思います。
  29. 川合武

    政府委員川合武君) 御指摘のとおりでございまして、消防仕事としまして火災のほかに救急が非常に重要なる要素になってまいりましたからには、本部署というものがありますところは救急を行なう、かような救急業務を行なうということは当然あらねばならぬことであって、その方向に向かって私ども努力をしなければならないというふうに考えます。現在これらの点につきまして、いろいろな救急業務を行なわなければならない市町等の問題と同時に、それでは救急業務をどの程度の範囲、すなわち救急直を何台持って行なうか、かような点についての基準も現在よりももっと科学的に再検討しなければならないときにきていると思いますので、それらのこともあわせまして、この基準を改正いたしてまいりたい。しかし、たてまえといたしまして、本部署のあるところは救急業務を行なわなければならない、かようなふうなこと——もとよりそれなりの救急業務、現在法的に定めておりますところの救急業務は、一定の型を持ちましたものということで、一定の要件のものでございまして、それ以外の、俗に言う救急活動というものは、これまた現に行なっておるわけでございますけれども、しかし、それでは不十分でございまして、御指摘のように法的に定めました救急業務を本部署のあるところは行なうような方向に向かって考えるべきである、かように考えます。
  30. 宮崎清文

    政府委員宮崎清文君) 救急業務も含めまして、交通事故によります被害者の救済関係の施設をどういう基準で設置すべきかという点につきましては、まだいろいろ議論がございまして、はっきりした基準を私たち持ち合わしておりません。ただ一般的には、たとえて申しますと、救急医療センターのようなものは人口百万につき少なくとも一カ所必要であるという説がございます。また救急隊につきましては、これはまだ消防庁と具体的に打ち合わせをしたわけではございませんが、一つの意見といたしまして、たとえば人口一万につき少なくとも一隊くらいは必要であるという意見がございます。これらの意見もいろいろ考えあわせまして、できるだけ早い機会にこういう救急隊であるとか、あるいは救急医療センターというような設置の基準というものを考えて、それに基づきましてこれらの施設その他を整備してまいりたいと、このように考えております。
  31. 塩見俊二

    塩見俊二君 それでは、この問題はこれだけにしまして、次に進みたいと思います。  この国会に提案になりました消防法及び消防組織法の一部を改正する法律案、これはもちろん地方行政委員会で御審議になることと思うわけでありますが、救急業務関連をした改正があるようでございますので、ごく簡単に説明してくれませんか。救急業務に関係したところだけ、朗読でけっこうです。
  32. 川合武

    政府委員川合武君) 消防法の中に一部改正をたしまして、   都道府県知事は、救急業務を行なっていない市町村の区域に係る道路の区間で交通事故の発生が頻繁であると認められるものについて当該交通事故により必要とされる救急業務を、関係市町村の意見をきいて、救急業務を行なっている他の市町村に実施するよう要請することができる。この場合において、その要請を受けた市町村は、当該要請に係る救急業務を行なうことができる。  都道府県は、救急業務を行なっていない市町村の区域に係る高速自動車国道又は一般国道のうち交通事故により必要とされる救急業務が特に必要な区間として政令で定める区間(前項の要請により救急業務が行なわれている道路の区間を除く。)について、当該救急業務を行なっていない市町村の意見をきいて、当該救急業務を行なうものとする。この場合において、当該救急業務に従事する吏員その他の職員は、地方公務員法の適用については、消防職員とする。  以上でございます。
  33. 塩見俊二

    塩見俊二君 今回の改正、私も確かに一歩前進であると思うのでありますが、しかしこの改正では、実はまだ不十分ではないかと思っております。ただいま朗読をいただきましたとおり、交通事故がひんぱんに起こるということを認め、そういう事実を確認した場合には、都道府県知事は救急業務をやっている隣の市町村から出動を求めることができる。また、その市町村は出動することができるという規定になっておるわけでありまして、したがってこの改正では、明らかに交通事故がひんぱんに起こるという事実を確認しておきながら——そういう事実を確認しておきながら、知事は要請することができる。他の市町村は出動することができる。当該市町村は何もせんでよろしい、こういう規定であるわけでありまして、私はやはり交通地獄といわれ、交通戦争といわれている現在におきまして、できるのだと——交通事故の頻発を確認しておきながら、これは出動することができるのだということでは、何となく交通事故あるいは交通災害に対して取り組む気魄というものが、この改正に私は感じられないわけでありまして、したがって、やはり交通事故の頻発を確認するということなら、どっかに救急業務をやるんだと、こういうように私はこの改正案のむしろ改正を要求したいような気もあるわけでありますが、もちろん一歩前進ではありますが、どうもその点がなまぬるい。事故の頻発を確認しておきながら出動することができるというようなことで、非常になまぬるい感じを私どもは受けてしょうがないわけでありますが、その点についての御見解をひとつ承りたいと思います。
  34. 川合武

    政府委員川合武君) 今回の改正の趣旨は、先生の御指摘されたようなことよりはもっと進んでいるのでございまして、隣のところに応援に行けというようなことにつきましての措置は、従来の法律の私どもの制度でもできるわけでございます。応援協定を結んでおいてできる、こういうようなことでございますが、今回改正いたしました第一点は、都道府県知事は、現在救急業務をやっております市町村に、やっていないところのも受け持ってやれと、やってくれぬかと、いわゆる要請ということばを使っておりますが——そういたしまして、その場合には県が費用を持つと、こういうことでございます。単なる応援とは違いまして、少し極端な例でございますが、一つの典型を申しますと、東京あるいは大阪のような、他に比べまして、わりあい強い力を持っておりますところは、隣町だけでなく、少し離れたところにも行って、そして一つのそこに屯所というものを設けてやることもあり得る、その場合県が費用を考える、こういうことでございます。  第二点は、しかもさような方策を講じましても、なおかつ、まだできないところがございます。最近では国道筋で、相当離れておりますところでも交通事故の多発する地域がございまして、ただいま申しましたような仕掛けでもできないようなところもあるわけでございまして、そういうところでは県みずからが一つの組織を持ちまして——組織と申しますか、救急隊を持ちましてこれを行なうことができる、行なうものとする、こういうことで、ただ第二の点につきましては、この区間を政令で定めていこう、こういうことでございます。  なお、今回の法改正をもって、私どもも十分な網の目を張ったというふうにうぬぼれては毛頭おりませんけれども、先ほども指摘がありましたように、地方のほうも非常に手薄であるというようなことで、漸次救急業務を行ないます市町村をふやしていきますこととあわせまして、とりあえず、そこまでいかない段階におきましても、必要度の高いところにつきましては、かような措置で県みずからが救急業務を行なう場面を考えたわけでございます。
  35. 塩見俊二

    塩見俊二君 まあ、この点は御説明がありましたが、まだ私の釈然としない点の一つですが、留保して次に進みます。  だんだん時間がたちますので、それでは財政問題に関連して若干お伺いをしたいと思います。私は、この救急業務が非常におくれているといった原因の一つは、ただいまも申し上げました消防体制自体に原因が一つあるのだと思うのでありますが、もう一点さらに大きな原因は、地方財政が相当に困窮をしている。こういうような状況で、この財政問題がブレーキになってこの救急業務が円滑に発展をしていないという点が、ありはしないかと思うのであります。したがって財政問題に関連して二、三お尋ねをいたしておきたいのですが、まず救急自動車の一台当たりの単価、それからそれの補助割合をひとつ教えていただきたい。
  36. 川合武

    政府委員川合武君) 二種類ございまして、単価は二百十万、百五十万でございます。二百十万のほうが数が多うございますが、二種類ございます。補助は三分の一でございますので、補助金額は七十万と五十万、かようなことに相なります。
  37. 塩見俊二

    塩見俊二君 いまの三分の一補助ということがわかったわけでありまするが、これは何か三分の一にした根拠というものがございますかどうか、お伺いします。
  38. 川合武

    政府委員川合武君) 消防施設の補助につきましては、消防施設強化促進法という法律がございまして、その中で三分の一ということになっております。これは御承知のようにポンプ車等が主体でございますが、その後、救急が非常に重要視されてまいりましたし、かつまた、昭和三十八年に法改正がされまして、消防任務義務ということが明定されましたときから、この救急車もこの補助の中に入りました。さような関係で、三分の一ということになっておる次第でございます。
  39. 塩見俊二

    塩見俊二君 たしか消防施設強化促進法によりますと、消防関係の補助額は三分の一以内という法文があるようであります。しかしながら、この消防の場合におきましては、もうすでに長い沿革を持ち相当消防の機材その他も整備をしてやっておるわけでありまして、まあこれをさらに強化するというのは上積みで強化するというようなことになるわけでありますが、しかし救急自動車の場合は、御承知のとおり最近にわかに緊急性を増してまいったわけでありまして、まあいわば無から出発をして緊急整備をしていかなければならぬというような性格のもので、消防の場合とは私は非常に違うと思うのであります。すなわち緊急な事態に対処するが緊急対策だと、こう考えなければ、私はその整備というものは促進されぬと思うのでありまして、いまの一般消防法で三分の一の規定になっておるから救急自動車も三分の一でよろしいというようなことに相なってはいけない、そういうことでは緊急整備ができない、いまの日本の財政の現状から緊急整備ができないと、かように考えるわけであります。したがってこの補助額を再検討願って、あるいは三分の二にし、あるいは半分にするというようなことを考えていただく時期になってきているのではないか。先ほどの二百十万にしましても、かりに三分の二補助でも一台当たり百四十万、二百台整備してわずか二億八千万円。先ほどおっしゃいました消防全体にこれを配置するといたしましても三百台で約五億円。約五億円の国庫補助でもってこの整備ができるというようなことで、いま交通安全に対して何百億という金を使っておるわけでありますが、私はこの五億円の国庫補助金というのは刮目に値する効果をあげる金ではないかと思うのでありまして、ここはひとつ思い切ってこの補助率の引き上げということについて御検討の意思がないのかどうか、これは消防庁と大蔵省にひとつお伺いしたいと思います。
  40. 川合武

    政府委員川合武君) お話のように昭和三十八年法改正をいたしましたときは、私ども消防の関係の救急車の数は全部で三百台と記憶いたしております。それが現在とにもかくにも七百台を越したわけでございますが、それを一面逆に申しますと、非常に緊急整備の度合いの高いことと、また要請——要請といいますか、実際必要が高いということも物語っておりますので、私どもといたしましては、この救急車の補助というものがより質的にも量的にも向上されることを期待しておりますが、これは私ども努力の足らざる点でもございますので、今後さような点について十分考えていきたいと思います。
  41. 秋吉良雄

    説明員(秋吉良雄君) 補助率の問題を一つ御指摘でございますが、多少蛇足かもしれませんが、今回の救急自動車につきましての予算措置についても触れさしていただきますが、救急自動車整備につきましては、特に先生が従前から御熱心でございまして、本件につきましては、補助率の点を除きましては、実ははなはだ——自慢ではございませんが、要求どおりの結果になっております。内容におきましても、金額におきましても要求どおりでございます。それから消防救急体制政令の改正の問題、それに伴う財政計画上の措置、これも要求どおりということ、それから消防法並びに消防組織法の改正の問題につきましても、これもまさしく消防庁の御要望どおりに私どもいたしておるわけでございます。  ただ、補助率の点につきましては、はなはだ失礼ではございますが、こんなことを申しますとおしかりを受けるかもしれませんが。自治省といたしましては、なるべく補助金はなくしまして自主財源の増強のほうに切りかえるべきではないかという本質的な御意見もよく私ども承っております。その際、私ども特に問題となりますのは、消防の補助金でございますが、これはまた、おしかりを受けるかもしれませんが、補助金等合理化審議会という手前どもの審議会がございますが、これにつきましては、そういった市町村固有の事務に統合しているものにつきましては、なるべく補助金をやめて交付税とか、あるいは起債のほうに切りかえるべきであるという答申をいただいておる関係もございまして、私ども大蔵省としましては市町村固有の消防という観点からいたしますと、にわかに御要望の線には沿いがたいという気がいたしておるわけでございまます。全体の補助金の体系の一環として考えなくちゃいかぬ問題かと思います。しかしながら多少脱線するかもしれませんが、今回道路交通法の一部改正が行なわれるやに聞いております。その際反則金につきましては、道路交通安全対策特別交付金というかっこうで地方公共団体に交付するということになるやに聞いておりますが、その際こうした対象を政令指定するかという問題につきましては、なお各省間において今後協議を遂げるわけでございますが、御指摘のような救急車につきましては、なるべくそういった方向で検討する余地があるのじゃないかというふうに、ただいまの段階では考えておることを申し上げて、御理解いただきたいと思います。
  42. 塩見俊二

    塩見俊二君 ただいま大蔵省から、にわかに賛成ができないというお話でございますが、にわかにじゃなくて、来年度の予算編成でけっこうですから、御検討願いたいと思います。  次に、自治省の財政当局にお伺いしたいわけでありますが、いまこの救急自動車を運行するにあったっての職員の数あるいはその給与、あるいはガソリン代、機材その他の経費、これはどういうふうな処置をとっておるか、お伺いいたしたいと思います。
  43. 首藤堯

    説明員(首藤堯君) ただいま御指摘のござました救急自動車の運営費関係でございますが、地方交付税の算定にあたりまして、基準財政需要額を算定いたします際の消防費の項目の中に含めて計算をいたしておるわけでございます。大体、救急隊一隊に三名ほどの専任職員を置く、そのほかは兼務職員で運営するかっこうになっておりますが、結論的に申し上げますと一隊当たり二百六十七万の運営費に相なっております。なおこのための基準財政需要額の総額は全国で十七億、このようになっております。
  44. 塩見俊二

    塩見俊二君 ただいま専任職員三名というものを基準財政需要額の中において計算をしておるというお話であったわけでありまするが、東京都の場合を調べてみますると、大体一台当たり、四人一組で二交代制、あるいは三人一組で二交代制のところもあるようであります。あるいはまた、三交代制のところもあるようでありまして、大体平均して実際は七人ぐらいの職員が一台を運行するのに要るわけであります。これは常時待機というようなことでございまするので、それくらいの人数は当然要るだろうと思うのでございまして、これは全国共通の問題かと思うわけであります。  ところが、いま基準財政需要額の算定をする場合に三人ということになっておるわけであります。私は、これは相当この基準財政需要額の交付税からはみ出した経費を地方が負担しておると思うのであります。いわば、これは正確ではありませんが、一種の超過負担ということになっておろうかと思うのでありまして、自治省当局が超過負担の解消に非常に御熱心であるということには、私も敬意を表しておるわけでありますが、どうもこの問題については、自治省自体が超過負担の原因をつくっておるのじゃないかというふうな感じがするわけでありまして、したがってこの人員等につきましては、さらに具体的に再検討を願いたい。いま兼務というお話がありましたけれども、兼務だってやっぱり人が要るわけでありまして、消防の既設の職員を送ったりしておるわけであります。やはりこれは、救急業務にほんとうにこれだけの人が必要だということで、必要な人数を正確に算定して基準財政需要額に組み入れるのが当然かと思うのでありまして、人員の点につきましては再検討をひとつお願いしたいと思います。
  45. 首藤堯

    説明員(首藤堯君) 救急隊の人員のことにつきましての算定の問題について御指摘がございました。そのような問題があるものと私どもも考えております。  ただ、ただいま三人と申し上げましたのは専任の関係でございまして、現状では救急隊のみに従事いたしております職員が全部で約四千五百人ぐらいの見当かと存じておりますが、専任が実態では約千五、六百、残りが普通の消防士でございます。こういう体制で運営されております。したがいまして、そのような実態を踏まえて、現状の程度で一応、交付税の財政需要額の算定が行なわれておる、こういうことであろうかと思います。  なお、救急業務充実等に関しまして、できるだけこれを充実強化することは望ましいことでございますので、全般を通じまして再検討を行なってまいりたいと、このように考えておる次第でございます。
  46. 塩見俊二

    塩見俊二君 どうもあまり満足はしませんが、次に進みたいと思います。  損害保険協会から、毎年消防機材の寄付を受けておるように、私は承知しておるわけでありまするが、昨年の損保協会からの寄付を金額に直したものの総額と、機材の修理、ごく簡単でよろしゅうございます、それをちょっとお教えいただきたい。
  47. 磯辺律男

    説明員(磯辺律男君) 四十年度におきまする損害保険協会からの各市町村に対しまする消防施設等の寄贈内容は、まず消防車について申しますと、普通車が四十三台、金額にいたしまして……
  48. 塩見俊二

    塩見俊二君 総額だけでいい、金額は。
  49. 磯辺律男

    説明員(磯辺律男君) 四十三台、それから大型車が三台、化学車が二台、水槽車が九台、それからスノーケル車が一台、合計いたしまして五十八台で、金額にいたしましてこの消防車関係では一億二千七百万円でございます。そのほか携帯用無線電話火災報知器、貯水槽、スペアータイヤ、防火ポスター、その他等が約三千一百万円でございまして、総計で一億五千八百五十三万三千円でございます。
  50. 塩見俊二

    塩見俊二君 ただいま一億五千万余円の代金に相当する機材の寄付を受けておるわけでありまするが、ただいまお話を承りますると、これは全部火災消防に対する機材の寄付であるわけであります。  これからお伺いする前に、ちょっとお伺いしたいと思いまするが、昭和三十五年と四十一年の自動車損害保険の金額、それから火災保険の金額、これは保険料でも何でもけっこうでございますが、それをひとつその増加割合を見たいと思いますので、両方の割合、パーセンテージでおっしゃっていただいてもけっこうでございますが、数字を教えていただきたいと思います。
  51. 磯辺律男

    説明員(磯辺律男君) お答えいたします。  昭和三十五年度、これは損害保険会社の元受け収入保険料でございますが、昭和三十五年度におきましては、総額におきまして、これは火災とか、自動車、それから船舶、積み荷その他を全部合計いたしました元受け収入保険料が一千百二十三億でございます。そのうちで火災保険料の元受け収入は五百九十一億、それから自動車関係の保険料の元受け収入は、任意自動車におきまして百三十八億、自賠責保険におきまして七十五億、合計いたしまして二百十四億でございます。ウエートから申しますと、総体の保険料収入に占める割合火災保険料におきまして五二・七%、自動車保険におきまして、任意と自賠責両方あわせまして、一九・一%でございます。それが四十一年度の決算におきましては、元受け収入保険料の合計が三千七百一億になっております。そのうちに火災保険料につきましては千二百六十五億、それから自動車保険につきましては、任意とそれから強制保険、合計いたしまして一千六百八十四億でございます。ウェートから申しますと、火災保険料収入が三四・二%、自動車保険料収入が四五・五%ということに相なっております。
  52. 塩見俊二

    塩見俊二君 ただいまお示しをいただきました数字でも明らかでございますとおり、保険料の収入は、従来は火災保険の独壇場であったわけでございまするが、だんだんだんだんと自動車の保険のウエートが大きくなり、現在では火災保険をはるかにオーバーしているというような状況になっておるわけであります。  そこで、この損保協会から寄付をお受けになりましても、私はどっちがよけいもうけておるか知りません。知りませんが、両方とももうけておるでしょう、きっと。そういうふうになれば、こういうふうに自動車保険のウエートが非常に大きくなってきているということになれば、私はやはり損害保険協会にも御理解をいただくような努力をして、やはりこの寄付の中に救急自動車を加えたらどうか。そして、貧弱な市町村には無料で救急自動車が一台できるんだというようなことにもなるわけでございますし、やはりこの保険の趨勢から見ても、そういうふうな御努力消防庁なり、あるいは大蔵省にお願いしても筋の通らないことではないと思うのでございまするが、御所見を承りたいと存じます。
  53. 磯辺律男

    説明員(磯辺律男君) ただいまの塩見先生の御意見で、損害保険協会のほうから寄付する消防自動車の中に、やはり救急自動車を加えるべきだという御意見でございますが、まことにごもっともな御意見でございます。ただ、何ぶんこういった寄付をいたしますのは損害保険協会でございますので、御趣旨の点は十分私たちも理解できますので、損害保険協会に対しましてそういった御趣旨のことが実現できますように、前向きの姿勢で検討するように至急申し伝える考えでございます。
  54. 塩見俊二

    塩見俊二君 消防庁……。
  55. 川合武

    政府委員川合武君) 御指摘お話の点、私ども消防施設整備のために望ましいことと思っておりますが、なお、つけ加えて言わしていただきますと、従来の火災に関する、かようなる施設につきましてのワク内でなく、ワク外で、別のワクでひとつやっていただいて、そうして救急の点についての寄贈、寄付が私どもとしては望ましい、かように考える次第でございます。
  56. 塩見俊二

    塩見俊二君 それでは最後の問題に移りたいと思いますが、いまの御答弁、大蔵省の答弁には満足をいたしまするが、消防庁の御答弁にはいささか満足をしないことをつけ加えて申し上げておきます。  最後に、今回提案になりました、先ほどちょっと大蔵省からもお話がありました道路交通法の一部を改正する法律案、これの要するに反則金に相当する金額を地方の交通安全施設に還元をするというような規定になっておるようでありまするが、一体いまのこの救急関係の経費、こういったものにこの金額を還元する気持ちがあるかどうか。その前にちょっと警察庁から、大体収入見込み金額といいますか、一年間のそれもあわせてお伺いをしたいと思います。
  57. 鈴木光一

    政府委員鈴木光一君) 今度の国会にお願いしております道交法の一部改正法律案の中に、いま御指摘の交通反則制度というのがございますが、それによって収入となる反則金の額でございますが、これはまあ将来の問題ではございますけれども、従来の実績から申し上げますと大体百四十億程度のものが収入として上がってくるのではなかろうかというふうに考えております。
  58. 塩見俊二

    塩見俊二君 それでは重ねてお伺いしまするが、この地方還元をする交通安全施設は何か限定しておりますか。こういうものにやるのだと、一般的に配るのでなくて、これこれのものにやるのだという限定があるように思うのですが、その点はどうですか。
  59. 鈴木光一

    政府委員鈴木光一君) 法律の附則で、これに関連しての条文を規定しておりますが、その附則の関係条文を読んでみますると、これは附則の七項に書いてございますが、「国は、当分の間、交通安全対策の一環として、第百二十八条第一項の規定により納付された反則金に係る収入額に相当する金額を、毎年度政令で定める道路交通安全施設(国が設置するもの及び国の補助を受けて設置するものを除く。)の設置に要する費用に充てさせるため、交通安全対策特別交付金(以下「交付金」という。)として、交通事故の発生件数、人口の集中度等を考慮して政令で定めるところにより、都道府県及び市町村(特別区を含む。以下同じ。)に交付するものとする。」というふうに規定しておりまして、御質問の点につきましては、政令で定める道路交通安全施設ということで、これは国が設置するものと国の補助を受けて設置するものを除きまして、その設置に要する費用に充てさせるため云々と、書いてございまして、この交通安全施設の内容を政令できめることになっております。今後、関係各省と打ち合わせて、この内容をどうするかということをきめてまいらなければならぬと思いますが、いままでの立案の過程では、大ざっぱに申し上げまして、道路交通安全施設というのは、すでにできております交通安全施設整備事業に関する緊急措置法というのがございますが、それに規定する安全施設と、それから救急自動車も含めたらいかがかということで、関係各省の間では一応の話し合いが進められておりますが、今後この範囲をどうすべきかということにつきましては、さらに検討しなければならぬ問題だと、かように思います。
  60. 塩見俊二

    塩見俊二君 百四十億の中で、かりに三億でも四億でもとるということになると、救急業務の発展には非常に大きなてこになり、また力になると私は思うわけでありまして、どうかひとつ、その点は御善処をお願いしたいと思います。  これで質問を終わりたいと思いまするが、とにかく救急業務というものが若干日陰のような状況にあったと思うわけでありまして、関係各省におかれましても、これの緊急整備ということにつきまして、格段の御配慮を切にお願いをいたしまして、質問を終わります。
  61. 松澤兼人

    委員長松澤兼人君) 午前中の質疑はこの程度にしまして、午後一時から再開いたします。それまで休憩いたします。    午後零時十二分休憩      —————・—————    午後一時二十分開会
  62. 松澤兼人

    委員長松澤兼人君) ただいまから産業公害及び交通対策特別委員会を開会いたします。  午前に引き続き、質疑を行ないます。柳岡君。
  63. 柳岡秋夫

    柳岡秋夫君 私は、最近非常に多くなってまいりました踏切事故等にかんがみ、あるいはまた、各地において、あかずの踏切といわれるように、最近の非常な交通量の増大とともに、踏切の問題が社会問題として取り上げられるようになっておりますので、この問題について若干質問をしていきたいと思うのです。  総理府の交通対策本部では、昨年の五月十九日に、「交通事故防止に関する当面の重点施策について」、こういう決定をいたしております。こういう題目のもとに。その中で、「踏切道の立体交差化及び都市鉄道の高架化を強力に推進する」、こういうことが決定をされております。そしてその後、本年の四月の六日に至りまして、「踏切事故防止対策の強化について」、こういう題目について決定をしているわけでございますが、昨年五月十九日にこういう基本的な方針を決定して、そしてことしの四月に入って、しかも南海電鉄の踏切事故が四月の一日に起こった。急にあわてて政府はこの対策を決定をしたというふうに、時間的経過を見ると、どうも私たちには、そういう事故が起きたから初めてこの問題に取り組んだ、昨年の五月の十九日にそういう基本方針をきめながら、その具体的な内容については、その後どういうことをやっておったのか、さっぱりわかりませんけれども、この総理府で出された資料によれば、ことしの四月の六日までは何もしてなかったと言ってもこれはいいんじゃないかと思うのですね。その四月六日に決定をしたのも、四月の一日に南海電鉄の事故があったからあわててこういう決定をした、こういうふうに私どもは見ざるを得ないのですけれども、その点をお伺いしたい。
  64. 宮崎清文

    政府委員宮崎清文君) 踏切道の改良につきましては、一般的には先生御承知と思いますが、踏切道改良促進法という法律がございまして、これは三十六年以来、当初は五カ年間でこれを完成する予定にいたしておりましたが、いろいろの事情がございましたので、さらに四十一年から五カ年延長いたしまして、踏切道の一般的な改良促進をいたしました。昨年の五月十九日にこの方針を打ち出しましたときには、一般の踏切道の改良は促進法によってやればよろしい、特に高架化とか立体交差の問題を重点として組み入れたわけでございますが、御指摘のように、ことしの四月に南海電車の大事故が起こりましたので、率直に私たち反省いたしまして、やはりこの際特に南海電車の直接の原因になりました構造改良、保安設備の整備等はもう一回現実を振り返って見ましてさらに強力に推進する必要があろう、こういう判断のもとに、この四月六日に緊急対策を決定したわけでございます。したがいまして、これは表現の問題かと思いますが、南海電車の事故が起こったのであわててやったというような御指摘がございますが、もちろん、そういう要素が全然ないとは申せませんが、この際もう一回踏切道改良の施策について反省をいたしまして、新たに緊急に対策を講じたい、こういうことできめたわけでございます。
  65. 柳岡秋夫

    柳岡秋夫君 この四月六日の決定の中に、「踏切道の整備に関する基本的計画の検討」、こういうことが出されているわけですね。昨年の五月十九日に一応基本的な方針が決定されておるならば、その中でこういうふうな基本的な計画の検討等はもう着手をされてしかるべきではなかったかと私は思うのですが、ことしの四月になって初めてそういう基本的な計画についても検討していくんだというようなことですね。そうしますと、私は、いま室長ですか、四月事故が起きたからやったのだということではないと言われましたけれども、しかし、どうも真剣になって対策に取り組んでいるという姿が見られないというように私は思うのです。  そこで、四月六日の決定の第一項に、本年度の予算において予定している踏切道の立体交差化云々について早期実施を促進をする、こういうことなんですけれども、これは一体具体的にどういう内容のものか。まあ、これはちょっと広範にわたれば概略でけっこうですけれども、御説明願いたい。
  66. 宮崎清文

    政府委員宮崎清文君) 後ほどまた運輸省から御説明があろうかと存じますが、昭和四十二年度におきまして踏切道の改良に投入すべき予算といたしまして現在計上しておりますが、これを概要申し上げます。  第一に、踏切道の立体交差化等に対する補助金としまして約三十六億円ございます。これは要するに、地方公共団体と申しますか、道路管理者である都道府県または市町村が立体交差化をいたします場合の補助金でございます。それから、日本国有鉄道がいろいろと踏切道の整備に関しまして予算を組んでおります。そのうち、立体交差化の分が約四十六億程度組まれております。それからそれ以外に、これは道路特別会計で込みになっておりまして、まだその実施計画が必ずしもはっきりしておりませんが、国の道路に関しまする直轄事業または街路事業の中で道路の立体交差化の中に大体充当される経費といたしまして約百六、七十億計上されております。これらを合計いたしますと、大体二百五十億程度が一応立体交差化等に使われる予定になっております。なお、それ以外に、いまの踏切の一般的な改善に要します経費といたしまして、国鉄関係で約五十八億、それから赤字の民鉄に対します踏切保安設備の補助金といたしまして三千二百万が計上されております。これらを合計いたしますと、踏切道の改善につきましては約三百億の経費が昭和四十二年度に計上されていることになります。
  67. 柳岡秋夫

    柳岡秋夫君 予算の問題は、またあとで質問いたしますが、特にこの「踏切道の整備に関する基本的計画の検討」の中で、そうした資金的な計画ですか……。と申しますのは、あとで御質問したいと思いますけれども、立体交差化をする工事費の地元負担というのが非常に大きいわけですね。したがって、その地元負担についても対策本部では特に配慮すること、こういう決定もしているわけです。したがって、具体的に地元負担の軽減というか、それに対してどのようなお考えか、この「特に配慮する」ということの内容はどういうものか、お伺いしたいわけです。
  68. 宮崎清文

    政府委員宮崎清文君) 御指摘の四月六日付の交通対策本部決定の第二項に、「踏切道の整備に関する基本的計画の検討」ということが掲げてございまして、もちろん、これをきめた以上、この基本的な問題を検討中でございますが、現在の時点におきまして、この踏切道の事故防止につきまして何が一番緊急であるかということになりますと、これは南海電車の事故でもわかるように、まあ立体交差化もたいへん必要でございますが、さしあたって、既存の踏切道の大部分を占めております、要するに四種の踏切でございますね、何も警報設備も遮断機もついていない踏切、それから警報装置はついているけれども遮断機がついていない踏切、こういうような踏切におきまして、構造改良、それと保安設備の整備をすることが何よりも急務ではないか、こういう観点に立ちまして、現在の時点におきましては、もちろん立体交差化等を決してないがしろにしているわけじゃございませんが、緊急にこれらの踏切道の構造改良であるとか保安設備等の整備につきまして具体策を検討しておる最中でございます。
  69. 柳岡秋夫

    柳岡秋夫君 その場合の資金計画、それから地元の負担に対して特に配慮をするという内容は、一体どういうものか。
  70. 宮崎清文

    政府委員宮崎清文君) 現在、その点につきましては、鋭意関係省庁の間で検討中でございまして、現在の時点におきましては、残念ながら、まだ結論を得ておりませんが、なるべく先生指摘のように、たとえば地方の負担を軽減するとか、そういうような方向に進みたいと思っております。
  71. 柳岡秋夫

    柳岡秋夫君 そうしますと、この交通対策本部で決定をした踏切道に関する問題というのは、特別に踏切道改良促進法に基づくもの以上のものがあるのかどうか。立体交差化の問題で、立体交差化については一切この踏切道改良促進法に基づいてやるのであって、この決定をした内容というのはそのことなんだ……。いわゆる踏切道改良促進法で立体交差化をする以上に何か交通対策本部で決定をした内容の中にはあるのかどうか。ちょっと質問、わかりますか。
  72. 宮崎清文

    政府委員宮崎清文君) ただいまの御指摘の点が、かりに経費の負担をどう解決するかということであるとすれば、現在の踏切道改良促進法は、その点は必ずしも十分明らかにされていない点がございますので、その点を今後至急に検討いたす、こういうことになろうかと存じます。
  73. 柳岡秋夫

    柳岡秋夫君 資金の面も含めて、また、その立体交差化の計画等も含めてこの決定をした、対策本部で決定をしたという内容は、立体交差化については一切踏切道改良促進法によって計画されたものを強力に推進をするのである、こういう内容なのかどうか。あるいは、それ以上のものが対策本部の決定の中にはあるのかどうか。そういう、資金あるいはその他の計画も含めて……。
  74. 宮崎清文

    政府委員宮崎清文君) この対策で今後検討をするべきこととしております点は、踏切道の改良全般につきまして今後どうあるべきかということを包括的に検討しようということであります。これに対しまして、踏切道改良促進法におきましては、必ずしも、長期的な計画を、事業量を設定いたしまして、それに基づく経費を最初から計算して、それを実施するということになっておりませんので、もちろん、踏切道改良促進法によって指定はいたしますが、従来のいきさつから申しますと、予算は単年度でそれぞれ手当てをしているのが現状でございます。したがいまして、踏切道改良促進法に乗っかるものもあれば、将来の計画はそれと別のものになるかもしれないわけでございまして、その点は、現在の時点では何とも申し上げかねますが、そういうようなものを含めまして、一応、踏切道を今後どうやって改善していくかということを検討いたす、こういうことが内容になろうかと思います。
  75. 柳岡秋夫

    柳岡秋夫君 そうしますと、この第一項で「本年度予算において予定している」というその内容のものは、踏切道改良促進法に基づいたものですか。
  76. 宮崎清文

    政府委員宮崎清文君) 現在におきましても、踏切道の改良はいろいろ行なっておりますが、それらのすべてが必ずしも改良促進法に基づくものではございません。それ以外にやっているものも相当ございます。
  77. 柳岡秋夫

    柳岡秋夫君 そこで、それでは踏切道改良促進法の問題について若干質問したいんですが、昭和三十六年につくられて、五カ年計画はもう一応済み、さらに一部改正によって四十二年から四十六年までですか、さらに五カ年間やっていくと、まあこういうことなんですが、踏切道改良促進法の現状ですね、運用の状況、たとえば指定踏切がどの程度あって、その工事の進捗状況、そういうものをひとつお伺いしたいと思います。
  78. 宮崎清文

    政府委員宮崎清文君) 具体的な問題になりますので、運輸省当局からお答え願ったほうがよろしいかと思います。
  79. 澁谷直藏

    政府委員(澁谷直藏君) 踏切道改良促進法による現況でございますが、昭和三十七年の第一次指定から四十二年の第四次指定まで、全部合わせまして、立体交差化すべき個所として指定されたものが四百二十九ございます。構造改良すべきものとして指定をされたのが八十六カ所ございまして、そのうち、工事の完成したものが百八十カ所、現に工事中のものが九十九カ所、未着手のものが百五十カ所というのが現況でございます。
  80. 増川遼三

    政府委員(増川遼三君) ただいま建設省のほうから御答弁いただきましたのが法指定分でございますが、そのほかに、国鉄あるいは私鉄が関係道路管理者と協議いたしまして、法指定以外に相当、立体交差化あるいは構造改良あるいは保安設備の整備というものをやっておりまして、この関係を申し上げますと、三十六年度から四十年度までの五カ年間におきまして、法指定分を全部合わせまして、立体交差化につきましては全部で八百十カ所、それから構造改良につきましては二千七百六十九カ所、保安設備の整備につきましては一万二千五百五十五カ所、こういった整備の実績をあげております。
  81. 柳岡秋夫

    柳岡秋夫君 総理府で出しました昭和四十一年度版の「陸上における交通事故、その現状と対策」、この中を見ますと、まあ、指定すべき個所が四百カ所とかありまして、その中で現在までの指定した個所、あるいは進捗率というものが出されております。これによりますと、あるいはまた建設省の御説明によりましても、非常にこの工事がおくれていると思いますね。この工事のおくれている原因というものは一体何なのか。また指定すべき個所がたくさんあるにもかかわらず、予定する指定個所を全部指定することができないというのもあるわけですね。この資料によりましても、指定の場合は、これは立体交差の問題を取り上げておりますから、予定の八二%しか指定ができない、あるいは進捗率も七〇・五%、こういうふうにいわれております。一体、そういう原因というものはどこにあるのか、お伺いしたいと思います。
  82. 澁谷直藏

    政府委員(澁谷直藏君) 立体交差化とこの踏切道というものは、道路交通量が多いことは当然でございますが、特に、その存在する場所が市街地域が大部分でございまして、その工事規模が非常に大きくなる。したがって、その用地買収あるいは損失補償、そういった地元の利害関係者との間の利害の調整、また、その同意を得るということが一番大きな障害になっておるわけであります。
  83. 柳岡秋夫

    柳岡秋夫君 それは、もちろんそういう用地買収問題もあるでしょうが、立体交差化のために非常な経費がかかるということをいわれていますね。この資料によりましても、一キロやるのに二十億円から三十億円の費用がかかる、こういわれていますね。したがって、その費用の、特に地元の負担が非常に過重だというところに、この工事がなかなか進捗しないとか、あるいは指定が円滑にいかないということがあるんではないかと思うのですがね。その点はどうですか。
  84. 澁谷直藏

    政府委員(澁谷直藏君) 御指摘のとおりでございます。
  85. 柳岡秋夫

    柳岡秋夫君 御指摘のとおりということだけでおさめていくわけにはいかないのです。結局、交通事故防止あるいは交通の渋滞を解決する一番大きなきめ手は、これは都市におけるやはり立体交差化だと思うのですね。したがって、少なくとも建設大臣や運輸大臣指定をした踏切道くらいは、これは全部もう完全にできる、こういう状態にならなければいかぬと私は思うのです。それが地元負担の面で大きな問題が起きておるということから工事が進まないということは、この際、政府としても、単に、何と申しますか、いままでの古い考え方でなくて、交通事故防止という、いわゆる安全対策の面からの考え方をより強く出して、そして政府としての責任ある解決策というものを打ち出さなくちゃいかぬ、こういうふうに思うのです。そこで、そういう踏切道の立体交差化が必要だという、そういう指定というものの基準ですね、それは一体どういうところにあるわけですか。
  86. 増川遼三

    政府委員(増川遼三君) 立体交差化に関します指定基準は、踏切道改良促進法に基づきます「踏切道の立体交差化及び構造の改良に関する省令」というものによりまして次のように定められております。すなわち、第一は、昭和四十五年度末における一日当たりの踏切交通遮断量が一万台時以上と認められるもの、それから第二が、昭和四十一年度以降の五カ年間におきまして改築が行なわれる一般国道の区間にかかるもの、それから第三が、昭和四十一年度以降の五カ年間におきまして行なわれる道路の改築、鉄道の改良、複線化工事等で交通の円滑化に効果のあるもの、以上三点が掲げられてあります。ただし、地形上著しく困難なもの、一時的なもの、立体交差化により鉄道または道路の効用が著しく阻害されるもの、工事費が立体交差化によって生ずる利益を著しくこえるもの、これらは除くことになっております。
  87. 柳岡秋夫

    柳岡秋夫君 そういう基準に該当する踏切道というものは、現在全国でどのくらいありますか。
  88. 増川遼三

    政府委員(増川遼三君) 私どものほうで全国的な踏切道の実態調査をやりました結果によりまして立体交差化の基準に該当すると大体認めておりますものは、国鉄、私鉄関係を合わせまして二千二百五十カ所と現在算定をしておるのでございますが、このほかに、道路の改築に伴うもの、それから鉄道の線増に伴って必要となってくるもの、それらがございまして、これらのものから、地形その他の原因から立体交差化を実施するのに適しないというものも中にはやはりございますので、これらの数を除きましても、やはり相当な個所数になると考えております。  なお、この四月の踏切道に関します調査につきましての基本的な方針がきまりましたのに伴いまして、現在各地方におきまして踏切道の総点検を行なっております。この調査結果が近々まとまると存じますので、これによりましてさらに詳細に当たってみたいと考えております。
  89. 柳岡秋夫

    柳岡秋夫君 二千二百五十カ所あるいはそれ以上の、そういう非常に今後問題となるような踏切道があるということでございますが、これを解決するために、もちろん建設省は第五次道路整備五カ年計画というものもつくられたのだろう、その中の一環としてあると思うのですけれども、総理府の交通対策本部としては、そういう数多い踏切道の立体交差化ということに対してどういう方針を持っておられるのですか。これから検討するということですか。
  90. 宮崎清文

    政府委員宮崎清文君) 踏切道の踏切におきます事故防止の最良の方法は立体交差化であることは、これは言うまでもございません。したがって、交通安全という見地のみから見れば、立体交差化が一番望ましいわけでございますが、現実には、費用の問題その他効果の問題、いろいろございますので、それらを勘案しつつ、できるだけ立体交差化の推進をしていきたいということは、基本方針として、先ほど御指摘のように、昨年の五月の十九日にきめております。ただ、先ほど申し上げましたのは、それは基本方針でございますが、当面、いま私たちが緊急の問題として取り上げておりますのは、立体交差化もさることながら、構造改良それから保安設備の整備でございますので、現在の時点におきましては、それらをまず早急に解決しようと努力をいたしておるわけでございます。
  91. 柳岡秋夫

    柳岡秋夫君 その二千二百五十カ所というような数が出ておるわけですけれども、こういう中でも特に早急に立体交差化をやらなければならない踏切道があると思うのですけれども、これらを立体交差化するためには、どの程度の予算といいますか、資金が必要で、さらにどういう方法と申しますか、資金調達なりをしていこうとするのか、そういう方針はございますか。
  92. 増川遼三

    政府委員(増川遼三君) 先ほど申し上げました数字のうち、現在ぜひとも緊急にやりたい、やらなければならないと考えております立体交差の数は約六百カ所でございます。なお今後の精査によりまして、あるいはそれよりも相当ふえるかと存じますが、現在のところの計画では六百カ所でございます。これに要します総工事費が九百億という大きな金額になるものと考えられます。なお、このほかに、高架化の要望というものも相当ございますけれども、これらにつきましても、これから十分な資料を整えまして実際の数字をはじいていきたいと考えております。
  93. 柳岡秋夫

    柳岡秋夫君 道路法の三十一条によりますと、この立体交差化をしなければならない条件が書かれてありますね。ただし書きの中にあるわけです。この中で、ただし書きを読んでみますと、「当該道路の交通量又は当該鉄道の運転回数が少ない場合、地形上やむを得ない場合その他政令で定める場合を除く外、当該交差の方式は、立体交差としなければならない。」、こう書かれておるわけですね。この「政令で定める場合」というのは、どういう場合がありますか。
  94. 豊田栄一

    説明員(豊田栄一君) ただいま御指摘の「政令で定める」というのは、私どもの道路法の施行令の三十五条に、「法第三十一条第一項ただし書きに規定する」云々ということで、いま先生指摘の事項が示されております。この内容としてあがっておるわけでございます。なお、詳しくはまた御説明してもよろしゅうございますが、この項で受けておることだけ申し上げます。
  95. 柳岡秋夫

    柳岡秋夫君 道路法によりますと、おそらく、大部分が道路の改築なり新設をする場合は立体交差化をしなければならぬ、こういうことになると思うのですね。それで、鉄道の方がおいででございますからお聞きしますが、たとえば総武線とか常磐線が今度複々線化されるという計画がありますね。その場合に、特に都市における道路との交差の中で、この道路法三十一条には国鉄としては直接関係はないと思いますけれども、しかし、交通安全の立場から、あるいは都市交通の渋滞をなくするという意味からも、立体交差化が、これが必要であるし、またそうしなければならないと、こういうふうに思うのですけれども、国鉄としては、その総武線なり常磐線の複々線化に伴っての工事計画の中では、すべて立体交差化というもので解決をしようということでございますか。
  96. 仁杉巌

    説明員(仁杉巌君) ただいま東京付近の交通通勤対策といたしまして、よく五方面作戦と申しますが、中央線、それから東北・京浜、常磐、総武、それに東海道・湘南方面、この五方向からの線増をやっておるわけであります。これは、御承知のとおり、非常に人口も密集いたしておりますし、交通も非常に渋滞をいたすところでございますので、この線増の機会に、ほとんどの踏切を立体交差化したいということで、各方面ともに努力をいたしまして御承知のとおり、中央線はすでに荻窪までできております。それから明年の十月には東北・京浜というようなものができることになっております。総武、常磐等は四十六年度ころを目途に、ただいま立体交差化を考えながら工事を進めておる現状でございます。
  97. 柳岡秋夫

    柳岡秋夫君 そこで、建設省にまたお伺いするわけですが、第五次道路整備五カ年計画の重点項目の五項に、やはり建設省としても、「交通安全施設整備及び鉄道との踏切道の除去等の促進並びに」云々と、こういうふうに書いてあります。これとの関連で、建設省としては立体交差化について一体どの程度の対象個所を考え、また投資計画を持っておるのか、お伺いしたいのです。
  98. 澁谷直藏

    政府委員(澁谷直藏君) 交通安全が非常に大きな問題であることは、もう御指摘のとおりでございまして、建設省といたしましても、本年度から発足する新しい第五次道路五カ年計画の一つの大きな重点事項としてこの項目を取り上げておるわけでございまして、現在、その内容を鋭意検討中でございます。先ほど申し上げましたように、踏切道改良促進法によってすでに指定をしたものが四百二十九カ所ということで、昭和四十二年度におきましても総額二百五十九億円の予算を計上いたしまして、約百六十一カ所の立体交差を完成したいということで、四十二年度の計画はすでに策定をしておるわけでございますが、五カ年計画全体の長期計画としては現在数字をまとめておる最中でございまして、いましばらく時間の猶予をいただきたいと思うわけでございます。
  99. 柳岡秋夫

    柳岡秋夫君 その二百五十九億という資金計画というものは、どういう根拠に基づいて算出をしたわけですか。
  100. 澁谷直藏

    政府委員(澁谷直藏君) この二百五十九億はどういう根拠ではじき出したかという御質問でございますが、これは実は結果的に積み上げの数字になっておるわけでございます。昭和四十一年度では二百四十一億円で百六十七カ所の完成を見ておるわけでございますが、昭和四十二年度におきましては、道路予算全体の配分計画の中で百六十一カ所、それに必要な経費が二百五十九億ということになっておるわけでございまして、先ほども申し上げましたように、五カ年計画全体の長期計画としてはまだ数字がまとまっておりません。いずれ近いうちにまとまるわけでございますから、まとまり次第御報告申し上げたいと思います。
  101. 柳岡秋夫

    柳岡秋夫君 昭和三十一年の十二月十八日の、道路と鉄道との交差に関する建設省・日本国有鉄道の協定というのがありますね。これに基づいて試算したんじゃないですか。
  102. 澁谷直藏

    政府委員(澁谷直藏君) 建設省と国有鉄道との間に結ばれました協定は、国鉄関係の踏切道というものをどういうぐあいに処理をしていくか、その管理の責任はどこが持つか、あるいは立体交差化する場合の経費の負担をどうするかというような、そういった項目についての両者の協定をまとめたわけでございまして、四十二年度の工事費二百五十九億というものをその協定によって算出したというものではございません。
  103. 柳岡秋夫

    柳岡秋夫君 この協定によりますと、立体交差化する場合には道路側は三分の二の負担をする、鉄道側は三分の一、こうなっておりますですね。したがって、場所はどこか知りませんけれども、百六十一カ所やる場合には、国有鉄道との交差の場合には道路側は三分の二負担しなければならないわけでしょう。したがって、この二百五十九億というものは、そういうことも勘案して出したのではありませんか。
  104. 澁谷直藏

    政府委員(澁谷直藏君) 私、御質問の趣旨を取り違えておったようでございますが、その百六十一カ所を全部積み上げて二百五十九億という金がまとまったわけでございますが、この金額の積み上げに際しましては、国鉄に関する部分については当然建設省と国有鉄道との協定に基づいて算出をいたしたわけであります。
  105. 柳岡秋夫

    柳岡秋夫君 そこで、この三分の二の負担という、道路側の負担が非常にいま地方自治体にも大きな問題になっているわけです。この建設省と日本国有鉄道の協定というのは、これは国道の場合の協定であって、地方道の場合には、これはやはり適用されるわけですか。
  106. 澁谷直藏

    政府委員(澁谷直藏君) 地方道も含むわけでございます。
  107. 柳岡秋夫

    柳岡秋夫君 そうしますと、国道の場合はもちろんこれは建設省が全部負担するわけですが、地方道の場合には、どういう補助をするわけですか。補助率と申しますか……。
  108. 豊田栄一

    説明員(豊田栄一君) お答えいたします。  地方道につきましては、地方道そのものの事業費は、補助事業でございますので、その内容としての負担率がございます。それは、地方道につきましては三分の二、国道の補助事業につましては四分の三というようにきめられております。
  109. 柳岡秋夫

    柳岡秋夫君 この協定を見ますと、あらゆる場合に建設省は三分の二、鉄道側が三分の一ということできめられておるのですけれども、たとえば、先ほど申し上げました総武線、あるいは常磐線、あるいは中央線もそうでありますが、現在都市人口が集中をして、東京都ではどうにもならない、したがって、東京都の周辺に団地だとか何とかつくって、いわゆる交通量が激しくなってきた、こういうことであれば、これは鉄道側としても当然、公共事業という立場から、そういう人口に対して十分対応できる交通機関というものを整備しなければならないわけですね。したがって、これは道路側の責任というよりも、鉄道側としては当然やらなければならない事業ですから、鉄道側として、そういう立体交差の場合の経費にいたしましても、これは当然この鉄道側が負担をするというのが筋道のような私は気がするのですがね。にもかかわらず、あくまでも道路側が三分の二、鉄道が三分の一と、こういうのはちょっとふに落ちないのですけれども、その辺はどういうことなんでしょう。
  110. 増川遼三

    政府委員(増川遼三君) 建国協定によりましても、線増とか拡幅または道路新設があわせ行なわれる場合におきます当該線増、拡幅等にかかわります部分につきましては原因者が負担する。こういうふうになっておりまして、それ以外の既設部分につきましては、単独立体交差の場合には国鉄が三分の一、道路管理者側が三分の二負担する。また、連続立体交差すなわち高架化の場合には両者がそれぞれ二分の一ずつを負担する。こういうふうになっております。
  111. 柳岡秋夫

    柳岡秋夫君 先ほど申し上げましたように、この建国協定というものによって地元が過重な負担となって、なかなかその工事が促進をしない、進捗しないということになっておるわけです。一つの例を申し上げますと、たとえば、この総武線の複々線化にいたしましても、市川市等におきましては、市川市の年間の予算そのものが、たとえば今年度の場合には三十億なんですね。ところが、この立体交差化のために二十億からの負担金が取られる。あるいは船橋にいたしましても三十億からの負担金が取られる。こういうことで、いま地方財政上非常に大きな問題になっているわけです。こういう負担は、現在の地方財政の中で適当なのかどうか。自治省としてはどういうふうにお考えになっておりますか、お聞きしたい。
  112. 首藤堯

    説明員(首藤堯君) 御指摘地方公共団体の負担の問題でございますが、ただいま御指摘がございましたように、船橋市、市川市の現在のところの財政規模等と勘案をいたしましては、かなりきびしい負担であると私どもも考えておるわけでございます。負担そのものが適当かどうかという問題とは別に、現状といたしまして負担は非常に困難な状況であると、こういうことは申し上げられると思います。
  113. 柳岡秋夫

    柳岡秋夫君 建設省の第五次道路整備計画の中で、先ほど百六十一カ所と言われましたけれども、それは、先ほどお話しのように踏切道改良促進法にのっとってやるわけですね。そうしますと、この総武線とか常磐線の立体交差化については、その計画の中には入っておらないのですか。
  114. 豊田栄一

    説明員(豊田栄一君) お尋ねの点につきましては、現在総武線並びに常磐線につきましては、まだ最終的な計画になってございません。したがいまして、現在私どもとしては事務的に、地方公共団体、それから国鉄、両方の計画の内容の説明を承り、そういうものの話し合いを現在やっている最中でございます。いま先生指摘のような数字というものは、まだそういう意味では推算値でございまして、確定的に積み上げた数字ではございません。そういう意味での事務的な詰めを現在やっている段階でございます。そういう点で、そういうもののまとまった上で、先ほど御指摘のような負担の計数が明らかになるものと考えております。
  115. 柳岡秋夫

    柳岡秋夫君 国鉄では、この問題についてはどういう協議をされておりますか。そして国鉄としては、地元に対してどの程度の負担を期待いたしておるわけですか。
  116. 仁杉巌

    説明員(仁杉巌君) 国鉄といたしましては、この総武、常磐線ともでございますが、いま先生から御指摘がございましたように、地方の市川市、船橋市、松戸市等にかなりの負担がまいるということでございまして、この点につきましては、まだいま豊田課長が御説明いたしたとおり、最終的ではございませんが、お話し合いを続けているという段階でございます。それで、実はこの総武線、常磐線等の立体交差化に対しましても、この原因になりましたのは通勤輸送を改善するために常磐線と総武線を複々線にするということから始まっているわけでございます。そのために新しくつくります二つの線——往復の線でございますが、二つの線は国鉄が全額負担をいたすことにいたしております。このために、実は第三次計画におきまして、都市付近の通勤対策としまして四千億足らずを当初三次計画に積んでおったんでございますが、いろいろ立体交差等がふえましたので、千七百億ばかり資金の追加をいまお願いして、変更したいというところでございますが、今年度政府との話の段階では、それがまだ実現しておりません。そういうことで、新しくつくる線は国鉄独自で全部立体化するわけでございます。それに対しまして、現在ございます二つの線路、往復の線路を上げるのは、ただいまお話がございました建国協定で二分の一ずつの負担ということでございます。しかし国鉄自体といたしまして、実は全国でいま御要望がありますのは、北は旭川、札幌等から、南は佐賀等含めまして、荒っぽく計算いたしまして四千億、そのうち、これも荒っぽいのでございますが、国鉄の負担を勘定いたしますと、大体二千百億ぐらい、これを今度の三次計画の中ではほとんど盛り込んでございません。したがいまして、現在の国鉄の負担能力あるいは運賃からくる財政の能力から申しますと、これらを負担することができないということでございまして、実は四十二年度の予算折衝の際にも特に運輸省にお願いをいたしまして、この立体交差化に関する国の補助というものをお願いをいたしたわけでございます。しかし、これもまだ四十二年度には実現いたしておりませんが、いま運輸当局並びに大蔵当局にお願をいたしまして、事務的に四十三年度から何かの形で資金補助をちょうだいできるような努力を折衝しているというような段階でございます。したがいまして、今年度はまだ、この立体交差化に関しまして、はっきりした予算の裏づけが国鉄としてはない、四十三年度以降ではこれを何とか実現するように予算折衝に持っていきたい、こういうふうな態度でおるのでございます。
  117. 柳岡秋夫

    柳岡秋夫君 この建国協定に基づいてそういう工事をする場合には、非常に地元の負担が多いということがこの立体交差化の工事をおくらしておるという原因であるということについて先ほどお伺いしたわけですが、そういうことであれば、私は、総理府の交通対策本部のこれからの基本的な計画の中においては、そうした費用の負担について、やはり地元に過重にならないように国が責任を持ってこれを進めるというような考え方が示されなきゃならないと思うのですね。それで、建国協定は、附則に、「新たに道路と鉄道との交差に関する立法措置が行なわれるまでの間における暫定の協定とする」、こうなっていますね。しかも、これは昭和三十一年に調印され、もう十一年たっているわけですね。その間、一体道路と鉄道との交差に関する立法措置というのは、どういうことになっているんですかね。検討されたり、あるいは、あるんですか、現実に、そういうものが。これはどこで御答弁されますか。
  118. 宮崎清文

    政府委員宮崎清文君) たいへん申しわけございません。私は過去のいきさつはあまり詳しくございませんが、現在の時点におきましては、この建国協定の内容そのものを法律化した条文はございません。しかし、先ほど先生が御指摘になりましたように、これらの問題は非常に複雑な問題を含んでおりますが、とにかくこれは解決しなければならないだろうというところから、本年の四月六日の交通対策本部決定におきましても、そういう基本的な問題をなるべくすみやかに解決するという方向で進むことを決定したわけでございます。  なお、この地方負担の問題につきましては、主として道路の経費の負担でございますが、踏切道の改善以外にいろいろ問題がございます。それらとのバランスも考慮して、これらの点を検討いたしてまいりたい、かように考えております。
  119. 柳岡秋夫

    柳岡秋夫君 私は先ほどちょっと申し上げたんですけれども、こういう建国協定のようなものは、いまのいわゆる交通の現状ですね、これから照らし合わせまして妥当なものじゃない。いわゆる交通事故をなくすということがいま大きな政府の課題でありますね。したがって、そのきめ手としての立体交差化というものに重点を置くとすれば、私は、それがよりスムーズにできるような資金的な手当て、そういうものをしなくちゃいかぬと思うのですね。このままでは、いつまでたっても地元の負担が過重であるから、なかなか地元としてもおいそれと協議がととのわない、こういうことになると思うのですね。ですから、地元が十分に地方財政の中でたえ得るような負担、そういう程度にこの際この協定というものを手直しをする必要がある、あるいはまた根本的な道路と鉄道の交差についての立法措置ですか、そういうものを早急につくる必要がある、こういうふうに私は思うのですけれども、運輸省、建設省あるいは自治省として、それぞれひとつ御見解をいただきたいと思います。
  120. 金丸信

    政府委員(金丸信君) 柳岡先生お話、承っておりまして、いわゆる地方財政が非常に不如意のおりからでありますから、これはどこの自治団体もそうだと私は思うわけでありますが、地方公共団体ばかりでなくて、一日も早く施設をしなければならぬということは、人命にかかわることでありますから、いわゆる地方公共団体の財政問題ばかりでなくて、たとえば先ほど建設政務次官が申し上げましたように、土地の補償の問題、その他いろいろの問題等もあるわけでありますが、あわせてそういう問題も総合的に検討してこの問題に将来対処しなければならない、こう私は考える次第でございます。
  121. 澁谷直藏

    政府委員(澁谷直藏君) 今回の総武、常磐の複々線化に伴う立体化計画でございますが、現在折衝を詰めておる段階でございますけれども、いずれにいたしましても、地元の負担額が相当なものになることは、おおよそのところで見当がついておるわけでございます。したがって、その負担額が当該市の財政能力からいって非常に重いかどうか、そういった問題も今後検討を要するわけでございますが、いずれにいたしましても、建設省の立場からいいましても、できるだけ地元の負担を軽くするような努力をしなければならないということは当然でございまして、いずれ計画がもっと具体的に数字的に詰まってまいるわけでございますから、その詰まってまいりました数字をもとにいたしまして、極力国庫補助の面で地元の負担が軽くなるように努力をしていきたいと考えておるわけであります。
  122. 金丸信

    政府委員(金丸信君) いま一つつけ加えます。申しおくれたわけでありますが、公共負担という問題で実は国鉄の問題もあるわけでありますが、御案内のように、国鉄の財政は非常にむずかしい段階になってきておるわけでありますが、そういう意味で国鉄に、あるいは鉄道側に、私鉄もさることでありますが、負担をしわ寄せするということは考えなくちゃならぬじゃないかというような意味合いから考えますと——きよう大蔵省来ていただいておれば非常に幸いだと思うんですが、大蔵省にもそういう認識を持っていただいていわゆる政府出資という、あるいは政府負担というような方向に考えなければならないと、こう私は考えておる次第でございます。
  123. 首藤堯

    説明員(首藤堯君) 御説にございましたように、立体化は交通安全の面からも、その他各種の方面からも促進すべき事業であると考えておるわけであります。その地方負担額が非常に巨額にのぼります場合には、残念ながら貧弱な地方団体ではそれに応じ切れないという事態も生ずるわけでございます。ただいま建設政務次官からお答えもございましたように、その地元負担の適正化等につきまして、各省庁協力をいたしまして、その適正な措置をはかってまいりたい、このように考える次第でございます。
  124. 柳岡秋夫

    柳岡秋夫君 幸いに、最近と申しますか、この二、三年来、交通安全の問題を中心にして、政府も交通関係閣僚協議会というようなものをつくって、それぞれ対策を立てているようでございますから、ひとつそういう中で、十分いま論議したような問題について御検討いただいて、先ほどお話のありましたように、二千数百カ所のまだ問題になる踏切道があるわけでございますから、いつまた南海電鉄のような事故が起きないとも限らないわけです。したがって、一刻も早く、そうした立体交差化が進められるような万全の措置をぜひ早急に打ち立てていただくと、こういうことをひとつ要望いたしまして、きょうはこの程度で終わりたいと思います。
  125. 大倉精一

    ○大倉精一君 関連してお伺いしますけれども、きょうは柳岡君が立体交差を重点にいろいろ質問をしておられましたが、ほんとうに踏切の上で大きな事故が起こっておる過去の実態——立体交差というような、そんな踏切じゃなくて、小さな踏切で大きな事故が起こっております。  そこで、鉄監局長にお伺いするんですけれども、一種から四種まで踏切がありますが、この各種の踏切に起こった事故の割合はどういう割合になっておるか、お聞かせ願いたいと思います。
  126. 増川遼三

    政府委員(増川遼三君) 四十一年度の集計がまだでき上がっておりませんので、四十年度数字で申し上げたいと思いますが、第一種踏切で起きました事故の件数は四百八十七件でございます。これが、一種踏切道の百カ所当たりの件数で申し上げますと、七・四件でございます。第二種で起きましたものは四十九件、これが百カ所当たりにいたしますると一五・四件。第三種踏切では千百九十四件の事故件数で、百カ所当たり九・四件でございます。次に第四種踏切では発生件数二千四百七十八件、百カ所当たりにしますと五・九件でございます。合計いたしますると四千二百八件の事故件数でございまして、百カ所当たり平均六・九件という発生率でございます。
  127. 大倉精一

    ○大倉精一君 まあ、この統計でわかるように、第四種が決定的に多いわけです。そこで踏切対策といたしましては、交通混雑を緩和するという面と、交通事故防止という面と、両方考えなければなりませんが、交通事故防止という面から考えるならば、むしろこの第三種、四種というような小さな踏切、この改良改造を優先的にやらなければならぬと思うのです。しかも、従来起こっております事故を見まするというと、この四種の踏切に起こった事故が非常に大きな事故——南海は三種ですか、あれは。
  128. 増川遼三

    政府委員(増川遼三君) 三種です。
  129. 大倉精一

    ○大倉精一君 それから小田急もありましたね、あれも四種だと思う。それから新潟でもありました、あの鉄橋の手前でね、あれも四種です。それから南武鉄道、これも四種。市川におきましても四種。こういうぐあいに踏切道を何とかしなきゃならぬが、これまたネックになっておるのは、柳岡君の申しましたように、鉄道業者と、それから地元の費用分担折衝ができない、こういうことがネックになっておると思うのですが、そういう費用分担について、これは精神訓話だけじゃうまくいかぬと思うのですが、どういうように指導されようという方針を持っておられるか、これをひとつお聞かせを願いたい。
  130. 増川遼三

    政府委員(増川遼三君) ただいま仰せのごとく三種、四種というものが圧倒的に事故の発生件数が多いわけでございまして、われわれといたしましても、この第三種は極力第一種に格上げをしていきたい。それから第四種につきましては、一種に格上げするものもございますけれども、できるならばこれは数を減らして、もっとりっぱな踏切道に集約をして、その前後の踏切をなくすと、こういったような措置も考える必要があろうかと考えておりまして、そういうような方向で踏切改良の指定等もやっておるわけでありまして、その際に、鉄道側と当該道路管理者との間でそれぞれ協議をしてきめておるわけでございますが、おおむね原則といたしましては原因者負担ということで費用の分担をいたし、また踏切の保安施設につきましては、原則として鉄道側で負担をするというようなことになっておりまして、それぞれ地方自治体におきましても、また鉄道側におきましても、やはり相当な費用がかかるわけでございまして、これをなくすことによります受益というものは、それほど考えられない。たとえば踏切を自動化することによって踏切警手をなくする、あるいは立体交差にすれば、いろいろ各種の保安施設も取り払えるし、警手の費用もなくなる、そういったようなことで多少の受益はありますけれども、こういったものはもうほとんどネグっても差しつかえない程度のことでございまして、ともかく余分な費用がかかるというだけでございますので、なかなかこういう方面に費用をかけるのに消極的な態度が、多少やはりわれわれから見ましても見受けられたと思うのでございますが、先般の基本方針がきまりまして以来、われわれといたしましては、国鉄をはじめ、各関係私鉄会社に対しまして、そういった経費等の相当の負担を覚悟で、ともかく人命尊重、事故の防止ということに重点を置いて、極力この基本方針に基づいた整備を実施するようにつとめさせておるわけでございます。先ほども申しましたように、近く踏切道の総点検の結果が出てまいりますので、これに基づきまして、具体的な計画をもって今後進んでまいりいたと考えております。
  131. 大倉精一

    ○大倉精一君 まあ鉄道業者と、それから道路管理者と話し合いをしてやってくれと、こう言うだけでは進まぬのであって、これが、はかばかしくいかぬという根本原因ではないかと思っておるのです。いま私鉄経営者にしましても、なかなか経営者は楽じゃない、踏切道を直すということは別に利益にも関係ありませんから、一番あと回しになる。さらにまた、道路管理者につきましても財政問題がからんできておる。こういうことで、たとえば一例を申し上げますというと、市川の場合には、総武線ですか、あそこは。ずっとちょっと高いですね、一般の道路より。ですから、両方から道が坂になっておりますが、かねがねあの近所の人は、そこはあぶないから道路を直してもらいたい、こういうことを陳情しておったのだが、市のほうでは、いや予算がないからと言う。鉄道のほうは、いやこれはおれの責任ではないからと、こう言う。こういうことでもって長引いておったやさきに、たいへんな事故が起こったという実例があります。あるいはまた、小田急の事故のときも、私は運輸委員会でこの調査をしたことがありますけれども、このときにも会社側は、レールの上を通るのはこれは優先通行の権利がある、こういう主張をしておりました。したがって、当然これは踏切を横切る人に注意してもらわなければならぬのだ、こういうことを言っておりましたが、やはりこういう思想が一貫しておるのではなかろうかと思っております。したがって、チンチンをつけるとか、あるいは遮断機をつけるということは、これは一つの解決策であるとしても、道路事情の悪いときに、道路を直す費用、これを一体国が黙っておっていいのかどうか。おそらく、この道路は市町村道が多いと思うのですよ。この市町村道を改良するについて、国は黙って見ておって、おまえのほうで話し合いをしてやれというだけでもって、国が負担しなくていいものかどうか。これをひとつ建設省にお伺いしたいと思う。
  132. 豊田栄一

    説明員(豊田栄一君) 特に御指摘の、踏切道の構造改良の点についてでございますが、ただいま運輸省のほうから御説明のありました、道路管理の側としての考えを申し上げたいと思いますが、それは構造改良といたしましては、まあ理想的にはやはり立体交差化が第一でございますが、立体交差化に準ずるもので構造改良の範疇に入るもの、これといたしましては、建設省としては四十一年度では二十四カ所、四十二年度では現在六十六カ所を考え、予算措置を、本年度については全体でもって三億八千五百万円……
  133. 大倉精一

    ○大倉精一君 国道ですか。
  134. 豊田栄一

    説明員(豊田栄一君) いえ、これは県道並びに市町村道でございます。そういうふうに現在、御指摘のように、できるだけ危険のないような状態に構造改良をいたしたいということで、いま協議のととのったものを、こういうふうにして促進をはかっておるところでございます。
  135. 大倉精一

    ○大倉精一君 それで、いま道路法をちょっと見てみたのですけれども、五十六条に、「道路に関する費用の補助」という項がありますが、この項の中で、「国は、建設大臣指定する主要な都道府県道若しくは市道を整備するために必要がある場合、第七十七条の規定による道路に関する調査を行うために必要がある場合又は資源の開発、産業の振興、観光その他国の施策上特に道路を整備する必要があると認められる場合においては、予算の範囲内において、政令で定めるところにより、当該道路の新設又は改築に要する費用についてはその二分の一以内を、道路に関する調査又は指定区間外の国道の修繕に要する費用についてはその三分の一以内を道路管理者に対して、補助することができる。」、こうなっているのですけれども、「その他国の施策上特に道路を整備する必要があると認められる場合」、これは産業開発、資源の開発だけうたっているのですけれども、人命の尊重はうたってない。ですから今度の交通安全対策に対して、国策としてそういう非常に危険な道路あるいは橋梁等の改修に対しましては、国がこの法律に従って二分の一を補助する、こういう規定があるのですけれども、こういうものを適用してやはり補助をするというふうに考えていいのですか。
  136. 豊田栄一

    説明員(豊田栄一君) 御指摘のとおりだと思います。そういう精神に基づいて、これからまた出ます安全施設のほうでもそういうふうに定められておりますので、御指摘の点につきましては、そのとおりかと考えます。
  137. 大倉精一

    ○大倉精一君 いま踏切道について申し上げたのですけれども、さらに全国至るところに、早急に改良改造しなければならない個所がたくさんあります。最近、私は高知に行ったのですけれども高知の桂浜というところへ行く途中に相当長いトンネルがありますが、これはもう大型車がいっぱいいっぱいに通るだけのトンネルです。そこに自転車も通る、あるいは人間も通る。排気ガスは充満している。こういうところは、あそこばかりじゃなくて全国各地にあるわけですね。踏切道とあわせて、そういうところも、やはり県道ですから県が改修しなければなりませんが、そういう点についても、半分は国が補助をするというふうに考えていいんですね。
  138. 豊田栄一

    説明員(豊田栄一君) 御指摘のとおりと考えます。そういうものの必要なものにつきましては、現在の予算の中で十分行なえるような措置をいたしているわけであります。
  139. 大倉精一

    ○大倉精一君 そこで鉄監局長、電車屋と自治体と相談してやれ、こういうことじゃなくて、やはり要するに、その道路改修の費用というものは国が出すのだ、こういうたてまえで、どんどんこういう危険な踏切道というものを早急に手がけられないというと、非常なまたいつ事故が起こるかわからんという気がするのです。ですから、立体交差というのはなかなか費用が要ってはかがいきませんけれども、そういう簡単な手直しというものは簡単にできるのですから、一応全国至るところでずっと調査をやってしまう。この前も私は、交通安全に関する危険個所の全国調査をやったらどうか、こう言ったら、何かぐずぐず言ってことばを濁しておりましたが、朝日新聞に、学童の通学路は危険がいっぱいだ、こういう記事が出て、国会で取り上げられるというと、とたんに学童の通学路を総点検しますといって回ってきた。何かないとやらぬという癖がある、ですから、私が前に申しましたように、こういう危険な個所は、踏切道を含めて総点検して、簡単に手直しできるものはこれの手直しをして、国の補助ができるものはどんどん補助していく。こういうことをやらないというと、いつまでたってもはかがいかぬのじゃないかと思うのです。これはどんなものですかね。金丸さんどうですか。建設省と両方、ひとつ聞かしてください。
  140. 金丸信

    政府委員(金丸信君) 先生のおっしゃるとおり、私も同感でございます。予算の許す範囲におきまして、できるだけ運輸省といたしましてもこれを進めてまいりたいと考えております。
  141. 澁谷直藏

    政府委員(澁谷直藏君) 全く同感でございまして、今度の五ケ年計画の中でも、この交通安全関係を一つの大きな重点的な柱として取り上げておりますので、構造改良を要する地区につきましても全国の現在調査をやっております。その結果がまとまってまいるわけでございますから、御指摘の線に沿って極力ひとつ努力してまいりたいと思います。
  142. 大倉精一

    ○大倉精一君 それじゃ大体同感というお話でありますので、踏切道ばかりでなくして、全国の交通の危険な個所を総点検される、こういうことでありますから、点検された結果について、後日また適当な時期に御報告願いたいと思います。
  143. 石井桂

    ○石井桂君 関連ですが、この頃、歩道橋がずいぶんできて非常に助かっておりますが、歩道橋ができたところはたいがい四つ角のところが多い。そうすると、信号が見えなくなっているところがずいぶんできている。それは、注意して直したところがあるか、これから直そうとしているのか、点検したことがあるかどうか、それだけをお聞かせてください。私は、前から通っている道が、しばらく信号が見えないのです、赤だか、青だか。それで、こうそばに行くと急にぱっと出てくる。そういうことをお調べになっているかどうか。歩道橋をつくったあと、信号との関係をちゃんと調べているかどうか、ひやひやするのですが。
  144. 豊田栄一

    説明員(豊田栄一君) いま石井先生の御指摘の点については、私具体的にはちょっと聞いておりませんです。でございますけれども、歩道橋の設置のときに、そういう意味での設計上の配慮は当然なされるべきものと私どもは考えておりますが、あるいは現場によりましてはそういう意味での何と申しますか、設計上の配慮の足りない点も実例としてあるかもしれません。そういう点については、なお私ども現在たくさんつくっておる段階でございますので、そういう意味での設計上の配慮はいたしたいと、かように考えております。
  145. 石井桂

    ○石井桂君 いまの歩道橋の信号が見えなくなるというのは、自動車に乗っている人です。ですから運転手も含めてそうだろうと思う。歩いている人ならばスピードがのろいですから青になったか赤になったか、そばにくればわかるのですが、自動車は相当のスピードで行くでしょう。そうして信号が見えないことになるのですよ。そうすると、なれた道ならちっとも心配はない。ところが、なれない人が五十キロか六十キロで行きますと、急に急停車したり何かして、それでぼくは事故が起きることが多いのじゃないかと思う。いまお聞きしますと御注意くださるそうですからけっこうですが、しかし歩道橋やなんかは建設省所管で、信号は警察所管だとかおっしゃっておった。それでうまく連絡がとれているかどうか、十分打ち合わせをして遺憾のないようにしていただきたい。それだけひとつ。
  146. 松澤兼人

    委員長松澤兼人君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  147. 松澤兼人

    委員長松澤兼人君) 速記をつけて。
  148. 大倉精一

    ○大倉精一君 これは提案ですけれども、交通安全に関して、都内にもたくさん問題点があろうかと思うのですけれども、現地について一応調査をしたいと思いますが、委員長におはかりを願って、期日、場所その他につきましては理事会におまかせを願うように提案をいたします。
  149. 松澤兼人

    委員長松澤兼人君) いかがでございますか。いま大倉君から御提案がありまして、衆議院ではすべて実地調査をされておるようであります。国会も開会中でありますので、なるべく近いところを実地調査をすることにいたしたらどうかと思いますけれども……。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  150. 松澤兼人

    委員長松澤兼人君) それでは実施の方法、場所、時間等は理事会に御一任願いたいと思いますが……。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  151. 松澤兼人

    委員長松澤兼人君) 本日の調査はこの程度にして、この委員会を散会いたします。    午後二時四十三分散会