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矢追秀彦君 これはいま調べてもだめなわけです。御承知の
神岡鉱山がダムをつくった、その前の時点、すなわち相当、稲等もやられた時点があったわけです。そのときを中心として、その前あたりからずっとそこの水を飲んでいる人に
発生しているわけです、非常にむずかしいわけですけれども、この
病気は。
カドミウムの相当入ったあの鉱山から流れておって、相当、稲等も枯れてしまった、またアユ等も相当死んでしまった、ああいうふうな事態。以前から
——二十年、三十年くらい同じ水を飲んで、しかも、
子供をたくさん生んだ婦人におもに起こっているわけです。非常に、
原因の一つとしては弱いかもしれません。だから、いま幾ら
調査しても、いまあそこの水を幾ら飲んでも、これは
痛い痛い病にはかからないわけです。前の時点のことをほじくり返しているわけですけれども、私がこれを取り上げた
理由は、先ほども申し上げておりますように、「疑わしきは罰せず」の方式で放置してはいけない。この
神岡鉱山がダムをつくって一応はやっておりますけれども、あのダムははたして完全なものであるかどうか。もし台風等があって水がたくさん出た場合、あのダムは切れる
可能性もなきにしもあらずだと思うのです。だから今後、
神岡鉱山をはじめとして、やはりその他の地域においても、このようなことが起こる
可能性があるかもしれません。先ほど、ほかの地域の鉱山の
カドミウムも調べた。そこには起こっていない、だからこの
痛い痛い病は
カドミウムではない、こうは言えないと思うのです。それは、人間の体は複雑であって、要するに、
カドミウムが
——あの地域の牛首用水を中心とした、あの婦中町の周辺の人は、体質の上で何かはかの地域の人と違うところがある、そこに
カドミウムがひっかかってあの
病気が出た。したがいまして、私が言いたいことは、この鉱害問題について単純な
原因で単純な
病気が起こって、それをなくしてしまえば直ちに全部
病気がなくなってしまう、そういう非常に簡単な因果
関係のものであれば、それは問題にならぬでしょうし、
対策も考えられぬのですけれども、人間の体はかなり複雑なものでありますから、だからある
程度疑わしきものには何かしなければいけない、それはやはり今後の
政府としての、
公害に対する
対策をやる姿勢がいまなければいけないと思うのですけれども、先ほどから
厚生省の方の答弁といい、あなたの答弁といい、その点は何が
原因かはっきりしなければ何もできない、国は動けない、これではだめだと思うのです。
原因究明には時間がかかるおけです。まだ学問だって進歩していないわけです。御承知のように、
痛い痛い病は骨がとける
病気です。骨軟化症と違いますけれども、異論はありますが、骨軟化症であるか、すなわちオステオ・マラチアであるか、オステオ・ポローゼであるか、いろいろ問題はありますけれども、とにかく骨についてはまだわかっていないわけです。骨がどうしてできるか、骨がどうしてとけるか、その基準がわかっていないのが現在の医学の
段階ですから、それがわかるまで待っていたら、いつまでたっても、それに対して
病気になった人は不幸な目に合うわけですから、それをやるのが私は政治であると思う、
政府の仕事であると思う。そういった点の学問と行政面との連携というか、ある
程度学問的にこれができたら、直ちに行政機関で処置をしていく、そういう点の操作というものが日本の場合は非常にへたであると思う。これは話が違いますが、先ほども少し申し上げました、たばこと肺ガンの
関係についても、
政府当局からは、はっきりと肺ガンの一つの因子である、だから、たばこはよくないんだ、だから注意をすべきであるというようなことは、
政府当局の口からは全然出てこないわけです。そこでやはり、この
神岡鉱山が、また
水俣病についてもやはり工場等が逃げ回っているわけです。私は、そういうものには左右されないで、ある
程度学問的な線が出たならば、それを行政機関に移してできるだけ
被害を少なくしていく、予防をしていくというのが、これからの姿勢でなければならない。その点に対して今後はっきりした態度を持って臨んでもらいたい、こう思うのですけれども、これについてどうでしょうか。