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1967-06-07 第55回国会 参議院 公職選挙法改正に関する特別委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十二年六月七日(水曜日)    午後一時三十七分開会     —————————————    委員異動  六月一日     辞任         補欠選任      鈴木  壽君     野上  元君      松澤 兼人君     松永 忠二君  六月五日     辞任         補欠選任      渋谷 邦彦君     北條  浩君  六月七日     辞任         補欠選任      北條  浩君     渋谷 邦彦君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         高橋文五郎君     理 事                 船田  譲君                 吉江 勝保君                 松本 賢一君                 多田 省吾君     委 員                 楠  正俊君                 小柳 牧衞君                 塩見 俊二君                 秋山 長造君                 野上  元君                 渋谷 邦彦君    国務大臣        自 治 大 臣  藤枝 泉介君    政府委員        自治政務次官   伊東 隆治君        自治省選挙局長  降矢 敬義君    事務局側        常任委員会専門        員        鈴木  武君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○国会議員選挙等執行経費基準に関する法  律の一部を改正する法律案内閣提出)     —————————————
  2. 高橋文五郎

    委員長高橋文五郎君) ただいまから公職選挙法改正に関する特別委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  本日、北條浩君が委員辞任され、その補欠として渋谷邦彦君が選任されました。     —————————————
  3. 高橋文五郎

    委員長高橋文五郎君) 国会議員選挙等執行経費基準に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
  4. 秋山長造

    秋山長造君 自治大臣に大局的なことをまずお伺いをした上で、いま提案されておりますこの法案内容について、政府委員のほうにお伺いしようと思っておったのですけれども、自治大臣が差しつかえでまだ出ておられませんので、ちょっと順序が逆になりますけれども、この法案内容について若干お尋ねをいたしたいと思います。  この法律はしばしば改正をされておるわけですが、この前この選挙費単価改定をやられたのはいつですか。
  5. 降矢敬義

    政府委員降矢敬義君) 三十七年に臨時特例法で、その施行を三十八年にやりまして、なお、四十年の四月のときに、三十九年度地方財政計画に合わせまして一回改正いたしております。
  6. 秋山長造

    秋山長造君 じゃ前回は四十年度に改正されたわけですね。
  7. 降矢敬義

    政府委員降矢敬義君) さようでございます。
  8. 秋山長造

    秋山長造君 単価改正を、そのときは。
  9. 降矢敬義

    政府委員降矢敬義君) そうでございます。
  10. 秋山長造

    秋山長造君 この提案理由を拝見いたしますと、この改正最大理由は、現行単価実情に即さないようになったから、こういうことでございますが、問題の性質からいたしまして、どうも追っかけ追っかけという形になって、ほんとうを言いますと、選挙の前に改定されてしかるべきだと思う。大体、今回にしても前回にしても、選挙あと改定された。そこで、実情に即さないということに気づいたのは、一体いつ気づいてこの改正案が出たのかということを——ちょっと意地の悪いようなことを申しますけれども、決して意地が悪いのでも何でもない。すなおに、疑問を持つからお尋ねしているんですが、この一月の総選挙、あれ一体、政府がどれだけの予算を組んでやられたのか。それからまた、あの政府の組まれた予算で、一体あの総選挙というものが過不足なしにまかない切れたのかどうか。それからまた、一月の総選挙の結果と今回の改正ということが、どういう関係になるのか、そういう経緯を御説明いただきたい。
  11. 降矢敬義

    政府委員降矢敬義君) 先般の第三十一回の総選挙におきましては、総額五十億七千二百七十五万九千円でございました。で、それには国民審査経費もみんな含んでおりますし、また積雪のために特別の経費を約一億八千万、別途予備費として計上することにいたしまして、総額、ただいま申し上げましたように五十億七千二百七十五万九千円でございます。この選挙の結果、この経費市町村及び県におきましてすでに配当をもちろんいたしましたが、向こうからの要求額と私たちのほうのこの経費配分額との間においては、それほど大きなトラブルもなく済んでいるところでございます。
  12. 秋山長造

    秋山長造君 ただ、たいして食い違いなしに済んだということでございますが、これは地方選管のほうで、この国の配分額に満足している結果、そうなったというのじゃなしに、もうどうせ前回——現行単価がこれだから、それで積算をしていけば大体どれだけというものが出る。だからもうそれ以上のことを要求しても、これはどうせ認めてもらえぬことだからということで、結果的にほぼ一致したということになっているのじゃないですか。あれは、ずいぶんね、地方選管委員からも不満を聞くし、また選管事務に携わった関係者からもいろいろな機会に聞くわけですがね。結論的にいえば、ずいぶん府県あるいは市町地等の目に見えない持ち出しというのが相当あるのじゃないですか。そこら辺はどういうように把握しておられますか。
  13. 降矢敬義

    政府委員降矢敬義君) 先般の法律改正は、先ほど申し上げたとおり、一番新しいのが四十年でございます。したがいまして、その単価の差がございますので、まず第一番には二億という調整費を計上いたしまして、そうして主として超過勤務手当分単価差をその中で見るようにいたしましたし、また、不在者投票等速達経費不足分等をこの中で見ることにいたしました。それからまた、先ほど申し上げましたように、積雪寒冷の地帯における主として公営費関係、あるいは燃料費、あるいは人夫賃、それから一般的に超過勤務関係につきましては、大体二十県程度を対象にいたしまして、これも選挙中に三回ぐらい経費の見込みについて会議をいたし、かつ、われわれも現地へ行っていろいろな事情を聞かせていただきまして、一億八千万程度積雪寒冷関係経費を別途見ましたので、いま秋山先生のお話にあるように実際非常に詰めて、やむを得ぬかっこうでそれになったのだというような、そういう感じは、正直に言っていまのところないのでございます。
  14. 秋山長造

    秋山長造君 四十年の夏行なわれた参議院定例選挙、あの選挙はやはり現行のこの単価でやったわけですか。あのときの参議院選挙費用総額は幾らですか。
  15. 降矢敬義

    政府委員降矢敬義君) 四十年度第七回通常選挙総額は、四十五億四千九百八十七万六千円でございました。
  16. 秋山長造

    秋山長造君 この単価は、やはりせんだっての衆議院と同じですね。
  17. 降矢敬義

    政府委員降矢敬義君) ええ、現行法単価でありました。
  18. 秋山長造

    秋山長造君 そうしますとね、大体、なんですか、衆議院選挙参議院選挙との費用開きというのは、大体こんなものですか、いつの場合も。五十一億と四十五億ね。まあ、単価がそのときどきによって違うから……。だけれども、この場合は、この一月の衆議院選挙も、四十年の参議院選挙も、同じ単価積算しているわけですわね。ですから大体衆議院参議院経費の違いというのは、五十一億、四十五億ぐらいの、五、六億の開きということでずっときているのですか。
  19. 降矢敬義

    政府委員降矢敬義君) ただいま申し上げましたのは、その選挙につきまして、全体として使った総額で、啓発費も含めました経費でございますので、まあ、いつでもその程度の差があるかといわれますと、いつでも五億程度の差はあるということは確言できませんけれども、全体として、啓発費等も含めまして考えますと、大体その程度ではなかろうかという感を持っております。
  20. 秋山長造

    秋山長造君 やはり参議院のほうが候補者が少ない関係ですか、参議院のほうが少ない一番大きい理由というのは。
  21. 降矢敬義

    政府委員降矢敬義君) 参議院の場合は、全国区と地方区がございまして、委託費関係地方区市町村選挙管理委員会に出しますので、したがいまして、総計として、いま先生が申されましたように、全体としては候補者の数の、公営費とか、そういう点に反映してまいるということで、まあ片方は大体御案内のように千人でございまして、片方半数改選でございますので、相当数開きもありますので、そういうかっこうになるんだろうと考えております。
  22. 秋山長造

    秋山長造君 衆議院なり参議院選挙は、これはもう、もちろん性質上国が全額負担する筋合いのものですが、事実上もそうなってますか。地方府県なり市町村なりで、国会選挙に関連して若干の持ち出しがあるとか、あるいは締めくくってみたら、やはりだいぶ自己負担がかかっておったというようなことはない。もう完全に国からの交付された費用でまかなっていっておりますか。
  23. 降矢敬義

    政府委員降矢敬義君) 従来ずっとそうだったかというと、私も自分で経験したことございませんので、はっきり全部どこの町村でも満足したということは申し上げられませんが、今回の選挙につきましては、少なくとも、いま申し上げたような別途の経費も計上いたしまして、私が選挙管理委員会会議等で聞きましても、特段の不満というものは、今回の選挙に関しては全然ございませんでした。それははっきり申し上げることができると思います。
  24. 秋山長造

    秋山長造君 それで、まあやはりこの単価改定される最大理由は、やはり公務員給与改定、あるいは超過勤務手当積算単価実情に即するように引き上げていかにやいかぬ、こういうことですが、まあ公務員給与は、毎年人事院勧告が出まして改定をされてるわけですね。そうしますとね、やはりこの選挙経費についても、ほんとういうと、少なくとも公務員並みに、やっぱり年々改定をしておくという必要があるんではないかと思うのですね。で、まあ参議院のように期日のきまったものは、前々からきまってるものは、ある程度それに備えての準備というものが間に合うようにできるでしょうけれども、衆議院なんかの場合には、なかなかその前もって予想できない選挙という場合が多いんですがね。で、いつ選挙やられても、まあ当たらずといえども遠からずで、そのときの実情に即した選挙費でやれるということにしておかないと、親切なやり方と言えぬのじゃないかという気がするんですが、その点をどういうようにお考えになりますか。お答えしていただきたい。
  25. 降矢敬義

    政府委員降矢敬義君) この法律は、一つの基準でありますので、本質的に申し上げますと、いま先生の御指摘のように、ベースアップ程度でなければならぬということだと私考えております。ただ、公務員給与改定は、従来は年間の途中でやりまして、あとまあ補正のかっこうで行なってまいりますので、従来基準法関係では、公務員改定がきまって、翌年の財政計画でそれがはっきりしたときに、なおかつ選挙がある年を見越してやっていく。その間に、かりに選挙がありました場合には、別途、先ほど申しましたような調整費ということで計上をいたしまして、そして具体的には、そのときの公務員給与改定に伴う超過勤務手当単価分を補正していく。こういうかっこうでこれまでも運用してまいりましたし、したがいまして、今回の一番新しい四十年度改定基礎にしながら、なお選挙につきまして不足分は、やはり調整費ということで補正していかなければならない、こういうふうに考えております。
  26. 秋山長造

    秋山長造君 そうしますと、その調整費関係によって、そのときのこの法律にきめられた単価と、それから実情とのずれというものは穴埋めしていくと、こういうことですね。
  27. 降矢敬義

    政府委員降矢敬義君) ただいま仰せのとおりでございます。
  28. 秋山長造

    秋山長造君 それで、この資料を見ますと、この新しい単価の、現行単価と今度の新しい単価との比較の対照表が出ておるのですが、私もこれ専門家でないから、この単価が一体適正なのかどうかということはちょっとわからぬですけれどもね。これはこの単価で、大体提案理由に書いてあるとおり、今日の実情に即した単価なんですか。
  29. 降矢敬義

    政府委員降矢敬義君) これは資料に配付申し上げて、積算単価の変わったところ、新旧対照表で差し上げてございますが、実はこれは投票所に関しましては、投票所に必要な超過勤務手当とか、あるいは燃料費とか、そういう多少——立ち会い経費とか、いろいろ計上して、その地区に出しておりますが、それぞれの積算単価については、まず提案理由の第一番目の公務員給与改定につきましては、四十二年の財政計画における改定単価基礎にして一応積算をいたしまして、それによって超過勤務手当現行法との差を改定をする、こういうことに考えたわけでございます。  それから賃金につきましては、従来とも、労働省の賃金調査を毎年やっておりますが、その場合における軽作業人夫賃金伸び率を用いまして改定をすることにしてありまして、それを用いているわけでございます。  それから第三番目の投票管理者の、立ち会い人費用弁償の額でございますが、これは従来は千二百円でございました。それを今回千五百円にいたしたのでございますが、その中で選挙長だけは、従来は二千四百円でございましたが、これを今回三千円に改定するわけでございますが、その三千円というのは、大体国の非常勤委員のうちで、いわば臨時委員的な委員単価が三千円でございますので、これに合わせました。また、選挙長のように、実際は御案内のとおり、まず立候補の受付、それから選挙会というのが選挙長最大の任務でございます。したがいまして、そういう勤務の実態と、それから各市町村長あるいは県における公務員類似勤務形態にある一般の非常勤委員方々との均衡を見ましても、大体三千円ならば決して低い額ではない、こういうふうに考えておるところでございます。  それから運賃は、最近における国家公務員国鉄運賃、すなわち旅費でございますが、それは国鉄運賃改定旅費等における宿泊費改定に合わせまして、当然改定したわけでございます。それから通信費につきましては、速達料の値上げの点をそのまま加味して改定をいたしたということでございます。  それから一番最後開票時間の延長の問題は、これは従来は、開票時間を四時間見ておりましたが、さらに二時間を延長をいたしまして、その分を超過勤務としてさらに加算をする、こういうことにいたして、実際に即するようにいたした次第でございまして、私たちは県の御意見も、今回の選挙後における実情をいろいろ聞きまして、この項目を実情に即せるように改定すればまずだいじょうぶである、こういうふうに考えまして、このような提案をいたした次第でございます。
  30. 秋山長造

    秋山長造君 今後いまから予想され得る一番近い選挙、最近の選挙といえば、来年の参議院選挙だろうと思うんですが、これが通れば、この単価で来年の参議院選挙もおやりになることになるわけですが、そうすると、いまから一年先ですが、この間に諸物価等もおそらくかなり上がるのではないか、それからまた、この夏の人事院勧告ということも当然ある。そうすると公務員給与改定ということも行なわれるということが当然予想されるわけですが、そういう将来の物価の変動の要素というものは、ある程度はこの今度の改定の中に加味しておるのですか、どうですか。
  31. 降矢敬義

    政府委員降矢敬義君) これは結論から申し上げますと、将来の要素は加味しておりません。これは結局、実際調整費で処理せざるを得ない。先生案内のとおり、この法律基礎にして八月、概算要求をしまして大体のものをきめるわけでございますが、最後の問題のときには、結局将来のある程度の見越しを考えまして、調整費を、そこを具体的に措置していかなければならないというふうな考えでございます。
  32. 秋山長造

    秋山長造君 この十三条のただし書きですね、「但し、都道府県選挙管理委員会は、選挙人及び世帯数投票所及び開票所数並びに地域等について特別の事情がある市区町村については、自治大臣と協議して別に基本額を定めることができる。」これは具体的にいえば、どういう場合があるんですか。
  33. 降矢敬義

    政府委員降矢敬義君) これは結局、たとえば投票所が相当地域的にばらまかれているとか、あるいは今回のように積雪の場合に、私も視察いたしましたが、投票所が相当遠い、そして投票終わって開票所に運んでくるときになだれが非常に起こりやすい個所が相当ございました。そういうときには、かりにあったら、こちら側のほうを通らなければいかぬとか、あるいはそのために特別の用意をするとか、たとえば人夫を途中で中継して待たしておくというような、私も秋田県の横手市に参りましたが、そういう具体的なケースも出ておりましたので、そういうときには事務費を追加してやるというふうなかっこうで運用しておりました。
  34. 秋山長造

    秋山長造君 それはやはり、さっきおっしゃった調調整費の中でまかなっていくんですか。
  35. 降矢敬義

    政府委員降矢敬義君) はい、結局積算の全部共通する要素になりませんので、調整費でまかない、今回は積雪対策費の中でまかなった次第でございます。
  36. 秋山長造

    秋山長造君 だいぶわかりました。  それから、これは選挙がある場合の、選挙に直接必要な経費だろうと思うんですが、この公選法の第六条を見ますと、選挙があろうとなかろうと、選挙管理委員会は常時あらゆる機会を通じて選挙人政治常識の向上につとめる、常時啓発につとめなければならぬということがきめてあるのですが、こういう選挙管理委員会の常時啓発等所要経費というものは、一体どこが負担するのですか。
  37. 降矢敬義

    政府委員降矢敬義君) この経費府県市町村と国との間で負担しておりまして、国の経費といたしましては、本年度全体としての啓発費は五億でございます。そのうち市町村府県分につきましては、補助金として三億二千八百万計上してございます。そのうち府県は二分の一補助市町村は三分の二補助ということにしてございまして、その補助裏負担分は、交付税で当然積算をしておるところでございます。残りの約一億七千二百万程度が国が啓発費として支出する経費でございまして、そのうち、いわゆる公明選挙連盟に約四千二百万、それから明るく正しい選挙推進全国協議会、これに約三千百万、あと残りの約九千六百万程度は、自治省ラジオ放送その他を通じました啓発費として使用してございます。
  38. 秋山長造

    秋山長造君 この五億という、明るく正しい選挙運動を進めるに要する経費ですね、簡単に啓発費と申しますが、この五億の啓発費というのは、これは私はどうも選挙重大性、ますます重大性を加えておる選挙ということを考えた場合に、一体年間五億の啓発費で、ほんとうにこの六条にうたわれているような趣旨が満たされるのかどうかということに疑問を持つのですが、どう考えられますか。
  39. 降矢敬義

    政府委員降矢敬義君) まあ、五億で十分かという御質問でございますが、これはもちろん多々ますます弁ずといったものの経費だと考えております。今回も、四十一年度では四億五千万でありましたが、約五千万程度増額をいたしまして、ようやく五億になったというところでございますので、今後とも増額には努力してまいらなければならぬというふうに考えております。
  40. 秋山長造

    秋山長造君 これは、まあ局長お尋ねするよりも大臣政務次官お尋ねしたほうがいいと思うのですが、政務次官お尋ねしますが、この明るく正しい選挙ということですが、これは申すまでもない、公明選挙という、明るく正しい選挙、こうなったのですが、明るく正しい選挙という名前は、これはもう確定的なんですか、これでずっとやっていかれるのですか。
  41. 伊東隆治

    政府委員伊東隆治君) これは今後続けていく方針であります。
  42. 秋山長造

    秋山長造君 その呼び名ですよ。明るく正しい選挙という、どうも明るく正しい選挙というのは、まことにどうも言いにくい、一口に言おうと思うと、舌をかむようなもの、それから、何かもう少し一口でぴっと響くような呼び名というようなものができぬものかと思っているのですが、これは自治省でも独断にきめられたものじゃなしに、標語を募ってきめられたものですね、これは。
  43. 降矢敬義

    政府委員降矢敬義君) これはいま、いろいろ御指摘のように、全部のこれは意見を求め、また標語的なものもいろいろ求めまして、それで私の聞いた記帳では、新聞社関係、その他の関係からも入っていただきまして、最後選考委員会を聞いてきめたかっこうになっております。
  44. 秋山長造

    秋山長造君 これもう少し一口に言えて、もっと簡単な端的に表現できることばが見つかれば、改められるという用意はあるのですか、ないのですか。いまの次官のおことばでは、これでもう今後やっていくのだということですが、それも私は、あなたも読まれたろうと思うのですれども、宮澤さんの「憲法講話」という冊子が最近出されましたが、それを読んだところが、明るく正しい選挙というものは、これはまことに適当でない。これはへたをするとアカセンアカセンという、略してね、アカセン運動ということにならぬとは限らぬというような皮肉が書いてある。これは、明るく正しい選挙を略せばアカセンですね。何か、ではいい名を教えてくれと即席に言われても、私も責任を持って、これはこれがいいということを、いますぐは申しかねますけれども、しかし、これはこれがもう最善で、どこまでもこれで突っぱっていくのだということでなしに、できることならば早い機会に、もう少し端的にぱっと響くような簡単な呼び名というものに変えられたらどうですか。いかがでしょう。
  45. 降矢敬義

    政府委員降矢敬義君) 御指摘のように、確かに多少長い名前でございますが、先ほど申し上げたとおり、三十七年に全国から公募いたしましたし、また、その答議については報道機関、その他有識者方々もずいぶん入って選考いたした名称でございますので、いま直ちに、あるいは将来を予測して、ここの席で変える用意があるというようなことはちょっと言いかねますので……。
  46. 秋山長造

    秋山長造君 これは大臣がお見えになりましたから大臣お尋ねしますが、いま実は、明るく正しい選挙という呼び名が適当かどうかということについて、ちょっとお伺いしておったのですけれども、これは大臣にお伺いしたほうがいいと思うのですが、私の申し上げておることは、明るく正しい選挙というのは、意味はよくわかります。よくわかるけれども、あまりにも長ったらしくて一口に言えぬ。これを明るく正しいという、今日のスピード時代に、だいぶ落ちついて言わぬと正確に言えぬ名前ですね。これ、最善考えられておるのかどうか。それから、最善ではないが、急場の間に合わすのに適当なことばが見つからぬので、とりあえずこれで発足したのであって、今後早い機会に、もう少し端的な呼び名に改める用意があるのかどうかということについてお尋ねしているわけです。
  47. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) これは事務当局からお答え申し上げたかと思いますが、三十七年に全国から公募いたしまして、報道関係、その他の有識者で御審議をいただいて、こういう名前に決定をいたしたわけでございまして、それ以来もう五年になりますが、相当浸透しておるわけでございます。  ただ、これが絶対にいいかというお尋ねになりますと、これが何にも変えられない、一番いい名前だとまで申し上げることはいかがかと存じます。なお適当な各方面の御意見も伺ってみたいと思いますが、とりあえずはこの名前でやっていきたいということでございます。
  48. 秋山長造

    秋山長造君 これは、私なんかが申し上げなくても、おそらく政府自身でもうお考えになっておられるだろうし、また、いろいろな似たような意見は聞いておられると思うのです。やはり、当分これでやっていくよりしかたがないということはよくわかります。そのとおりだと思いますが、やはり同時に、もっと端的な、一口に言える、わかりいい名前というもの、これ不断に政府自身としても、特に選挙局なんかでは真剣に私はやはり研究されるべき問題じゃないかと思うのです。これ案外何でもないようなことですけれども、ばかにならない。一々急ぐときに、明るく正しい選挙というようなこと言っておられない。そんなこと言っておったら選挙済んでしまう。これはぜひひとつ真剣に御研究顧いたいと思うのです。ぴんとこぬですよ、ほんとうに。意味はよくわかるのですけれどもね、意味はよくわかりますけれども、ぴんとこぬ。  それから、大臣がお見えになりましたから、若干お尋ねしますが、選挙管理委員会ですね、一口選挙管理委員会と言いましても、中央選挙管理委員会、それから都道府県選挙管理委員会市町村選挙管理委員会、こう、それぞれランクがありますけれどもね。しかし、まあおしなべて、選挙管理委員会の組織なり、あるいは権限なりというようなものが非常に不十分じゃないかという感じを私始終持っているんです。選挙法の取り締まり規則をああする、こうするというようなことは、みな非常に熱心に議論するし、また今回の、あとお尋ねしますけれども、政治資金規制というような問題になると、これはもう死にもの狂いで取り組むというようなことになるんですが、肝心の選挙そのものを管理し、主宰していく管理委員会というものが、一体どうあるべきか、いまのままでよろしいのかどうかというようなことには、案外あまり熱意を持って考える人がおらぬわけなんですね。高柳賢三さんなんかは、憲法調査会の席上でも、立法、司法、行政のほかに第四権として、選挙関係の一つの選挙管理権というのですか、どうおっしゃったか、はっきり覚えていませんけれども、そういうものを第四権として認めるべきじゃないかということすらおっしゃったのですね。私は確かに一理あると思うのですよ。いずれにしても、実質的にはそれだけの重要な役割りを果たしておる選挙管理委員会、これはもう民主主義と言いますと、一口に言ったら、民主主義とは選挙なりと言っても私は間違いじゃないと思うくらい重大な要素を持っている。特にいま問題になっておる政治資金規正法の改正、あるいはそれに関連する選挙法の改正、それから今後いろいろ予想される選挙制度上の改正というようなことを考えますと、選挙管理委員会の地位なり役割りというものは実に重大なものだと思うのです。  ところが、それだけの任務と責任と役割りを持っておる選管でありながら、実際には——それでも府県段階の選管はある程度一つの、どう言いますか、権威と言いますか、そういうようなものを自他共に認められておるけれども、町村選管なんかというものは、もうほんとうに全く肩身の狭い存在にとどまっておると思うのです、いまの実態は。それで、ただ何か事が起こると、責任だけは追及されるわけでしょう。それで卑近なことを言えば、たとえば町村選挙管理委員長なんというものは、肩書きはありますけれども、町村役場へ行きましても腰かけるいすもないというようなことですわね、実態は。だから肩書きと責任だけはまことに重いけれども、それを裏づける実体というものは何にもない。これでは、やはり私は、ほんとう選挙をりっぱにしていくということにならぬのじゃないか。いたずらに選管をまた一つの役所にしたって、権限ばっかり強くして、また、いばる人を一人ふやしてくれというようなことに通じては困るけれども、そうでなしに、やっぱりもう少しこれは制度の面からも、また給与その他の、そういう待遇といいますか、待遇の面からも、あるいは権限の面からも、もっともっと選挙管理委員会というものの性格その他を明確にして、そして選管そのものの存在というものを、もう少し私はやはり重からしめるという配慮が要るんじゃないかということを痛切に思うんですが、大臣の御所見をお伺いしたい。
  49. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) 確かに御指摘のように、まあ選挙管理委員会、その権限は相当重いものであり、しかも、日本の民主主義の基本をつかさどっておるわけでございます。それにもかかわらず特に市町村選挙管理委員会など、なかなか十分な、何と申しますか、待遇、あるいは事務局機構等が不十分であることは、私もさよう感ずるわけでございまして、まあ書記長制度をとるとか、その他いろいろくふうをこらしておりますが、今後、ただいま御指摘のような点につきましても、十分考えてまいらなければならないと思います。  もちろん、選挙のあるときに必要な人員を、すべて選管でかかえておくというようなわけにも、これはまいらないことは申し上げるまでもないのでございますが、とにかく、選挙管理委員会がその果たす役割りにふさわしいような地位になるように、今後も心がけてまいりたいと思います。
  50. 降矢敬義

    政府委員降矢敬義君) 今般の交付税の算定におきまして、われわれも市町村、特に町村事務機構ということに関連いたしまして、吏員一人の増加を標準経費として算定してまいることにいたした次第でございますので、追加させていただきます。
  51. 秋山長造

    秋山長造君 これは、趣旨は大臣にしても、局長にしても、全く全面的に御賛成くださると思って質問しているんですが、ただ私も、地方行政委員会なんかで過去何回かこういう問題について質問申し上げたことがあるのですけれども、そのつど、いや、そのとおりで大いにやると、いままで言われたのですけれども、なかなかこれはそれだけでは片づかないので、私ども始終町村選管なんかの関係者と接触しておりますと、ちっとも改まっておらぬ、十年一日のごとく。私が思いますのは、これは一つの例として申し上げるのですが、まあどんな片いなかの役場へ行きましても、やはり選挙関係の一部屋取れということは、これは必ずしも一律には言えぬかもしれぬけれども、少なくとも選挙関係のデスクぐらいは、一こまぐらいは与えて、そして一般選挙民も常時そこへ行けば、ちょっと選挙のことについての何か疑問がある場合、一々六法全書を買ってきて調べるわけにはいかないわけですから、役場へ行って、その選管事務をやっている片すみへ行けば、そこで必要な図書なり何なりというものがそこに備えつけてあるとか、あるいは中央、地方を通じて、いろんな啓発、宣伝のパンフレットなんかが始終出されるわけでしょう。そういうようなものを、町村選管へ行けばそこで手軽に中をめくって調べられるとか、何かそういう程度のことはやるべきじゃないかと思うんですがね。選挙のときだけ選管を相手にがあがあ言うても、これはお互いにただ感情が高ぶるだけで、たいして啓発にならぬと思う。これはもっと選管というものが、ただ選挙のときの投票の立ち会いだとか、開票の立ち会いだとか、そういうことだけにとどまらないで、選挙管理委員会というものは、始終選挙民ともっと常時親しみ深い存在——親しみ深い機関にしておかなきゃいかぬのじゃないか。ところが、そういう配慮はもう全然ない。  これは金がないということがもとでしょうけれども、同時に、やはりある面では心がまえである程度解決できる問題ではないかと思う。で、そういう具体的に、まあすべての町村役場に一部屋選挙管理委員会に与えろというようなことは、それは政府のほうから言えぬにしても、事実上はそれくらいは——教育委員会だなんていうものも一緒だけれども、教育委員会だなんていうものは一部屋ずつ持っているんですから、どんな山奥の役場に行きましても。管理委員会なんていうものは、名前はあるけれども、実態は全然ないんですから。だから教育委員会なり何なりの向こうを張るわけでも何でもないけれども、やっぱり選挙重大性にかんがみて、選挙管理委員会というものの存在というものを、常時選挙民とつないでおくということが——そのためにはやはり何か目に見えるものがなければいかぬ、机とか腰かけとか、部屋だとか、備えつけ図書というものがなければ、これは言うだけで何もできないんですから、その点はぜひひとつ速急に、真剣に具体的に考慮していただきたいということをもう一度申し上げたいと思います。
  52. 降矢敬義

    政府委員降矢敬義君) 選管の、選挙のとき以外の常時啓発ということも、先ほど御指摘のようなことで、当然やらなければならぬし、また、やっておるところでございますが、ただいま御指摘のようなことも、これとあわせて、選挙民との接触を一そう強くするように、今後ともいろいろな機会にこういう点を周知徹底してまいりたいと考えます。
  53. 秋山長造

    秋山長造君 それから、これはこの法案とは直接関係がないことですけれども、基本的な問題ですがね。いまの選挙法は、参議院選挙衆議院選挙も、それから地方選挙も、およそ選挙と名のつくものは全部一まとめにした選挙法なんですね。従来、衆議院選挙参議院選挙、また地方選挙、こういうものを別々に分けるべきじゃないかと、この選挙法をね、そういう意見がずいぶんある。それから、少なくとも国会選挙地方選挙と二つに、これは選挙法そのものを分けるべきじゃないか、分けて規制すべきものじゃないかという有力な意見があることは御承知のとおりです。その点についてどうお考えになりますかということと。  それから、さっきの選挙管理委員会というものの職務権限というようなものを明確にする意味で、種々雑多、いろいろなものを一つの法律の中に含めるんでなしに、もっとわかりよくするために選挙法を、さっき言うように、国会選挙地方選挙とに分ける、あるいは衆議院参議院に分けるということと同時に、選挙管理委員会というもののあり方の根拠法ですね、選挙管理委員会というものの根拠法というものを別にまた設けるべきじゃないかということも考えられるんですが、それらの点、いかでがしょうか。
  54. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) これは申すまでもなく、現在の公職選挙法ができるまで、いろいろ選挙法が分かれておって、それを一まとめにするほうが妥当であるという形で現在の公職選挙法が生まれたわけでございますが、やってみまして、また非常に、この現在の公職選挙法が非常に複雑でなかなかわかりにくい。特に、選挙の違うごとにいろいろ違った規定があるというようなことで、もう一度、選挙——いま御指摘のように国会議員選挙地方選挙、あるいは国会議員の中でも参議院衆議院というようなものを分けたらどうだという御議論はあります。また、すでに選挙制度審議会におきましてもそういう御議論が出ておるわけでございまして、まあ何と申しますか、選挙に関することはこれだけ見ばいいんだという意味では、いまのような公職選挙法の形があるいはいいという一面もあろうと思いますが、ただいま申しましたように、しかも、その中で選挙ごとに選挙運動の方法も、その他いろんなことが違ってくるということが、かえって複雑にしているという不便さもございます。これにつきましては、引き続いて現在の第五次選挙制度審議会におきましても御審議をいただいて、適切な御結論をいただきたいと考えておる次第でございます。また、それに関連いたしまして、そう選挙法を幾つかに分けると、またそれの中の共通法的なもので選挙管理委員会等の権限を書くというようなこともあり得るわけでございます。それらを含めまして、審議会の御審議を経て、適当な結論を出してまいりたいと考えております。
  55. 秋山長造

    秋山長造君 私は始終思うのですが、選挙、まあ一番国民すべてに切実な問題ですし、また切実な法律であるべきで、それだけに一番わかりいい法律でなければならぬと思うのですが、これも税法と同じことで、一番関係が深いくせに一番むずかしいですね。選挙法と税法くらいむずかしい法律はないですよ。しかも、これはどう動くかがたちまちお互いに響いてくることでね。まあ何か選挙制度審議会に全面的に一任されるということも一つの方法でしょうが、政府としても何か一つ基本的な考え方を持たれてしかるべきではないか。もう少し国民にわかりいい、法律のしろうとでも、だれでもわかりいいことでないと、一番わかりよくなければならないはずの法律が、一番むずかしいですからね、複雑で。これは税法とこれとはよく似ています。この点もひとつぜひ真剣に検討していただきたいということを申し上げておきます。  それからもう一つは、いまの政治資金規正法の改正あるいは選挙法の改正等にも関連して問題になっておることですが、罰則の強化ということが非常に問題になっていますね。もちろん選挙法に関連した罰則ですから、選挙法の中にうたってきているのもこれは無理からぬことだと思うのですが、ただ一口選挙犯罪といいましても、これは御承知のとおりピンからキリまであるわけですが、特に買収、供応というのが悪質違反ということは、これはもう常識ですけれども、そういうもの、買収、供応というようなその悪質な違反ですら、選挙法だけできめられた罰則であるためかどうか、一般の刑法犯罪なんかとは非常に軽く自他ともに考えられておるわけですね。当事者にしても、一般世間もそう見ている。だから、同じ処罰を食らっても、選挙違反で処罰を食らったら、それほど恥ずかしいという感じがないんですね。まあ交通事故にかかった程度にしか考えていないことは事実だと思うんです。そういうこともやっぱり選挙を明るく正しくできない一つの要素になっているんじゃないかということを痛感いたします。  これ少なくとも形式的な犯罪は別として、その買収、応供というような、選挙というものをもう根本的に腐らすというか、そういう重い犯罪は、むしろ選挙法でなしに、もうずばり刑法に入れたらどうかと、刑法のほうに移しかえたらどうかということを考えるのですがね。またそういう意見も相当あるでしょう、学者に。これについてはどうお考えになりますか。
  56. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) 買収、供応というようなものを、これはもう一つの自然法違反のものではないかというような考え方から、刑法に取り入れるべきであるという御意見のあることは承知をいたしております。私もそういう考え方は一つの考え方としてあり得る、あり得るというか、相当根拠のある議論ではないかと考えております。  現在御承知のように法制審議会で刑法の全面改正のあれをやっておりますが、その中でも相当そうした御意見が多数の御意見、有力な御意見のように聞いておるわけでございまして、ただ、私ども法律専門家でございませんから、どの辺までを刑法に入れるのが妥当であるかどうかというようなことは、いろいろ問題があろうかと思いますが、方向としてはそのような方向で考えられていくべきものでないかと思っております。
  57. 秋山長造

    秋山長造君 そこで、当面の問題について若干大臣お尋ねしたいんですが、前回の本委員会で各委員から、公約どおり六日の閣議決定に間に合わすように政治資金規正法の改正をやってほしいと、また大臣のほうも、そうあるべく努力したいという御答弁があったんですが、今日ただいまの状況では、これはもう全くはずれてしまって、はずれてしまったばかりでなしに、特に施行期日の問題が、いまのところ疑問符がついたままになっている状態ですね。自治省のほうの改正要綱案のようなものは一応できたようですけれども、これは全くどうなるかわからぬというような状態、またけさほど来、衆議院特別委員会は理事会が紛糾して、いまだに会議が開けないというような状態のようですね。これは六日の閣議決定という線が大きくくずれてしまったというのは、一体何が原因になっているんでしょうか。  それからまた、自治省が一応まとめられたあの法案改正要綱というものの、一体どこがひっかかってこれほど紛糾をし、一日延ばしにこのようにずるずると延びておるのでしょうか。この両点について率直な御答弁をいただきたいと思います。
  58. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) 私の力が足りませんで、早急な提出が延び延びになっていることは、はなはだ申しわけないことでございまして、この点はおわびを申し上げる次第でございます。  ただいま、どこがひっかかってるんだというお尋ねでございますけれども、実はむしろ、あの私どもがまとめました要綱試案につきまして、いろいろ疑問点も出され、それに対してお答えをいたしておるわけでございまして、ここはいけない、あそこはいけないというような意味ではなくて、全体としてこれをどう取り上げるかというようなことで、なお与党の理解をいただくように努力をいたしておるのでございまして、個々の条章について、どれはいけない、どれはいいというような、そういうやりとりではないわけでございます。
  59. 秋山長造

    秋山長造君 そうするといまの——けさの新聞のゴシップ欄に、各新聞一斉に出ておりますが、池田正之輔さんですか、これは、おれは内容は読んだことはないけれども、とにかくいかぬという、そういうことなんですか。
  60. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) 池田さんがどう言われたのかよくわからないのですが、要するに、こういう重大な問題だから、よく党員の納得を得られようにおまえらは努力をしなければならぬという意味で私にも話がございました。その内容は知らぬけれども絶対反対だというようなことでなくて、重大なことであるから、党員全体の理解を求めるように努力をしろという意味で私は受け取っているわけでございます。
  61. 秋山長造

    秋山長造君 そういう努力は、自治大臣が中心になって十分やられてきていると私どもは聞いておるのですね。それから大臣、私の微力でと、こう謙遜なさるのですけれども、前回委員会でもそういうようにおっしゃったのですけれども、私は、これは大臣の微力ということとは違うと思うのですよ。これは何も自治大臣だけが力んでおるわけじゃないですからね。これはむしろ総理大臣自身が、しばしば国民に公約をされ、国会の公式の場でも公約をされてきている政府の大方針です。自治大臣は、たまたまその法案担当の大臣ですから、形の上で大臣が答弁に立っておられる、あるいは取りまとめに当たっておられるというにすぎぬと思うのですね。ですから私は大臣ばかりが、何かこう自治大臣ばかりの責任みたいな形になってしまって、これでは私は、政府あるいは自民党としても、国民に対してこれは何だと思うのですね、面目が立たぬ話じゃないかと思うのですがね。こういうことは、これは自治大臣に申し上げるよりも総理大臣に来ていただいて申し上げるのが、私は本筋だと思うのですけれども、衆議院へ出られぬくらいですから、こっちへ来てくれと言ってもきょうの間に合わぬと思うから、自治大臣に申し上げるのですけれどもね。  どうもわれわれ側から見ておって、それは承服できぬのですよ。こういう状態でずるずる、ずるずる延びてきて、そうしてその間にいろいろな話が裏から漏れてくるというようなことでは、これは全く承服できぬ。一体担当大臣としては、どういう見通しを持ってこれやっておられるのですか。六日といえばもうきのうですね、それはもうはずれたわけですが。それから、たとえば提出がおくれるだけでなしに、いつの間にか施行期日の六カ月というのも今度はまた消えてしまったようなかっこうになっているわけですね。これやっぱり与党の了承を得ると言ったって、当てのない、ばく然とした話なんですが、これは総理大臣として、また政府として、担当大臣として、一体どういうように、いつまでにどうされるおつもりなんですか。その点もっとはっきりしたことを聞かしておいてもらいたい。
  62. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) 非常にいろいろ努力をいたしております。いま自治大臣だけの責任ではないとおっしゃられましたが、総理から、この法文の成文化並びに党内の取りまとめについて、私におまかせをいただいておるわけでございますから、私が責任を持って法文の取りまとめ並びに党内の説得に当たっておるわけでございまして、総理自身も非常に苦労されておることは、ひとつ御了承をいただきたいと思うわけでございます。  いつまでにというお話でございますが、実は非常に最後の段階にきておりますので、それがまた、私のお答え申しましたことが、いろいろの反響を呼ぶことも想像できますので、ひとつこれはお許しをいただきたいのでございますが、とにかく非常に近い機会に御審議をいただくようにできるものと、私は考えております。
  63. 秋山長造

    秋山長造君 非常に近いというのも、またいろいろにとれるのですが、一週間以内——非常に近いといったらもっと短いかもしれませんけれども、おそくとも一週間以内という受け取りでよろしいですか。
  64. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) ただいま申しましたように、私が日を申し上げることが、非常に微妙な段階になっておりますが、私のただいま申し上げたことをおとりいただくことは、これは差しつかえないと存じます。
  65. 秋山長造

    秋山長造君 私重ねて申しますがね、これはもう藤枝自治大臣の誠心誠意を尽くされての御努力は、私はもうほんとうに御苦労と思っておるのです。これは気の毒だと思うのです。これだけ熱を入れてやってこられて、最後のどたんばで何かわけがわからずに、どこが悪いというのでなしに、いまおっしゃるようにもただ何となく気に入らぬというようなあいまいな理由でずるずる、ずるずる延ばされるということは、これは担当大臣としてはまことにお困りだろうと思うのですよ。ただ、総理大臣自身が、もっとそれは先頭に立って、責任を持ってやられるべき問題だと思うのですよ。それはもう藤枝自治大臣だけにまかして、おまえにまかすから、いいぐあいにやれというような、そういうやり方でこういう問題が実際解決するものじゃないと思う。経理大臣自身おられぬから、総理大臣のことを幾ら言ってもしようがないのですけれども、これは佐藤さんの国民に対し、国会に対する責任は大きいですよ、これは。これはもっと総理大臣自身がおやりにならなければいかぬと思うのです。  だから、そういう点については、総理大臣として、また自民党総裁としての佐藤さんに対して非常に不満を持っておるのです。これは、おそらく私だけじゃない。国民全部、自民党の皆さんだって相当数の人が不満を持っておられるのじゃないかと思う。声の大きい人ばっかりがわいわい言って、しかも、具体的にどことどこがこういう理由で悪いというのじゃなくて、理由がなく、何となく悪い、何となくけしからぬということで、やみからやみへずるずる一日延ばしにされるということは、それは全く許すべからざることだと思うのですがね。実際もう腹の底からの不満を申し上げておきたいと思う。  同時に、まことに御苦労ですけれども、担当大臣として、いまおっしゃるとおり、できるだけ短期日の間に、一週間といわず、さらにもっと短い間に、ぜひひとつこの程度のものならば——私はこのいま自治省がまとめられているものでも、あの審議会の答申をそのまま尊重されるとおっしゃった総理大臣のしばしばの言明から比べれば、いろんな点で相当やっぱり後退しておるということは、これは大臣自身お認めになっておるのではないかと思いますけれども、それでも、やっぱり自治省の要綱案に盛られておる数々の項目、また、ここまで持ってこられた熱意、誠意というものに対して、私らは敬意を表するにやぶさかでない、不満はあっても。だからこの程度——この程度と言うては語弊がありますが、これがこのまま通らぬというようなことは、これは承服できないと思うのですよ。最大限のひとつ御努力を担当大臣として尽くしていただきたいということを重ねて強く要望して私の質問を終わります。
  66. 松本賢一

    ○松本賢一君 ちょっといまの質問に関連して大臣にお願いをしておきたいのですが、いまの御答弁を聞いておっても、なかなか大臣の苦衷よくわかるのです。非常に熱心にやっておられるにもかかわらず、党の事情によってなかなかものごとが進まないということ、非常によくわかるのですが、いま秋山さんからもお話がありましたように、国民はもう非常にふんまんを感じているだろうと思うのです、この事態に対しまして。そこで大臣にお願いをしたいのですが、次の委員会までに御提出になることができないようなふうになったとしたら、これは私は、もう内閣あるいは自民党としての大きな責任だろうと思うわけなんで、その際にはぜひ総理にここへ出席していただいて、事情を解明していただくということをひとつごあっせんいただきたいと思うのですが、いかがでございましょうか。
  67. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) これはむしろ委員長がお取り計らいいただくことだと思いますが、しかし、松本さんの御趣旨のあるところは、十分私もよくわかりますので、私自身もその方向で総理に申し上げたいと存じます。
  68. 野上元

    野上元君 ちょっと関連して質問さしてもらいたいのですが、政治資金規正法の問題で、いま内容には触れません。内容はいまわれわれも新聞紙上でいろいろ承知しておりますが、いまは内容に触れませんが、触れませんが、自治大臣として、内容はどうこうではなくして、非常に重要な法案であるから、慎重を期すべきである、こういうことでいま若干停滞しておる、こういうお話でございましたが、この点関連してちょっと聞いておきたいのですが、自由民主党の中には、こういう重要な法案を、政治資金規正法というような法案を、単独で出すということについては、車の片輪しかいじらないことになるから、したがって、そのもとである公職選挙法の抜本的改正をやるときに同時にいじるべきである。こういう有力な意見が自由民主党の中にあるということを新聞紙上で承知しておりますが、自治大臣としては、単独で必ずこの国会に出されるようになる見通しがあるかどうか、その点ひとつ聞いておきたい。
  69. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) この前もお答え申し上げたと思いますが、緊急措置すべきものを答申するという方針であり、政党本位の選挙制度の一環としてこれもやるべきであるが、現状はそれを待ついとまがないので、これだけのことをやれという御答申でございます。したがいまして、私どもは、その御答申の趣旨を尊重いたしまして、この政治資金規正法をすみやかに国会に提出することが私の責任であると考えております。
  70. 野上元

    野上元君 よくわかりました。  もう一つ、これも重要な点なんですが、やはりこれも自由民主党の有力な意見として、問題は施行期日にあるということが言われておりますが、したがって、法律に施行期日を明記しないで、これを政令にゆだねるべきであるという意見がだいぶ出ておるように聞いておりますが、こういうことになる可能性ありますか。
  71. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) 党内にいろいろ御意見がございますが、私はこういう非常な変革でございますから、国民一般にも徹底しなければならない。また、先ほどからお話がございましたが、これは市町村選挙管理委員会などの準備も多少しなければなりませんから、その期間はどうしても必要だと、しかし、それはある程度限られておると思いますので、そういう形で私は多少の猶予期間は、周知徹底及び準備の期間においても、そのときに施行をするということを法律で書くべきものと考えております。
  72. 渋谷邦彦

    渋谷邦彦君 いまの最後大臣の答申伺っておりますと、これはこの間——きのう、おとといでしたか、大臣がテレビに出られて、この問題に触れられた内容と何ら前進的な考え方がない、このように思うわけでありますが、まず最初にお聞きしたいことは、国民に用知徹底をさせる。そのためには、一体具体的にどういう周知徹底のしかたがあるのか。そのためには、一体どれくらいの期間を必要とするのかという問題はやはり考えなければならないと、こう思いますけれども、大臣はその辺どういうふうにお考えになりますか。
  73. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) 結局、都道府県並びに市町村選挙管理委員会等を通じまして、例の常時啓蒙等の費用も含めまして、そうして徹底をいたしていかなければならないと思います。また、いろいろ選挙管理委員会自体としても準備の期間が要ると思いますが、それは常識的に言って、せいぜい半年かそこらではないかというような、公布されてから半年か、まあせいぜい九カ月ぐらいで周知徹底ができるのじゃないかというような気持ちを現石持っておるわけでございます。
  74. 渋谷邦彦

    渋谷邦彦君 そういたしますと、当初大臣は、予算委員会等においては五月十二日に提出したい。その後党内事情等もあって、だいぶそれが変わってまいりました。いまのお話でございすと、いま直ちに提出されたということを考慮いたしますれば、おおむね一月一日という、また一月一日論というものが考えられるわけでありますけれども、しかし、一部には七月ともいわれ、またあるいはむずかしい、何せ政令で定めるというのが非常に幅の広いきめ方でありますので、あるいは二年後、三年後ということも考えられないこともないのではないかと、こう思いますけれども、もう一度念を押して、いまの点をはっきりさせておきたいために、大臣の、半年ぐらいで十分周知徹底がはかれるとするならば、ただいまの時点で法律案が提出されれば——まあこれが公布されれば、大体一月ごろと心得てよろしゅうございましょうか。
  75. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) 国会の御審議を云々するわけにはまいりませんので、いつ御可決いただくかわかりませんが、法律が公布されてから六カ月ないし九カ月あれば、十分な周知徹底ができるのではないかと私は考えております。したがいまして、その法律にそのことは書かなければならないのではないかと考えております。
  76. 渋谷邦彦

    渋谷邦彦君 今回提出の運びになるであろうこの政治資金批正法につきまして、いまさら申し上げるまでもない、昨年、一連の黒い霧事件というものに端を発しまして、国民のひとしくひんしゅくを買ったわけでありまして、あまりにも政治活動あるいは選奉運動等に金がかかり過ぎる。当面の緊急問題としてということで、審議会等においても、これをどの問題よりも優先して答申という形になってあられたわけであります。ところが、この内容を見ますと、しばしば、もう何回も同じようなことが繰り返されて論議されてきたわけでありますけれども、どうもその精神というものが、はたして生かされるのであるかどうかということであります。  たとえば国であるとか、あるいは地方公共団体との請負契約においては、契約総額が一割以下の会社であるとか、あるいはその他政府関係金融機関でございますか、それからの金融を受けた場合に、その融資総額の一割以下の会社、これは要するに規制から除外するというようなことは、答申とは大きくかけ離れた問題ではないか。そうなりますと、ほとんどの会社がこの除外の中に含まれるであろう、そうすると、これはもう一体何のために法律案改正が試みられたのかという、はなはだしい疑問を抱くわけでありますけれども、一体これらの点について、いま前段で申し上げましたように、再び黒い霧事件と申しますか、いわゆる政界にまつわる不正、汚職というようなスキャンダルが相次いで起こることが予想されるのじゃなかろうかということを非常に懸念するわけでありますけれども、どうしてこういうことについて、政府が手を加えなければならないその背景があったのかということを、ひとつこの際、国民の前に明確にするために御説明をいただきたい、こう思います。
  77. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) 請負その他特別の利益を伴う契約といわれておるのでございまして、特別の利益を伴う国との契約の一つの例として請負というものをあげられておるのではないかと考えます。これは、請負契約がすべて特別の利益があるというようなことになったらたいへんなことなんでございまして、綱紀の問題ばかりでなくして、犯罪を構成する場合もあり得るわけでございます。ただ、審議会としては、そういう国と相当密接な関係にあるものは、やはり寄付の制限をきつくすべきであるという御趣旨だと考えるわけでございます。したがって、非常につながりが薄いと思われる少額な請負、少額な融資、そういうものは除外しても、特別の利益を伴う契約ということ、これを非常に重く見られた審議会の御趣旨に反するものではないのではないかというふうに判断をいたしたわけでございます。
  78. 渋谷邦彦

    渋谷邦彦君 判断ということになりますと、どのようにでも解釈できるとも考えられますし、要するに与党のほうに有利なのか、あるいは政党としての公平な立場の上に立って、いずれにも有利なのか、この辺がどうもやはり奥歯にもののはさまったやり方ではないかということになると思います。政府として、あるいは与党として、こう判断したことであるからということで、今度数で押し切られてしまえばそれっきりでありまして、結局しばしば骨抜き骨抜きといわれておりますように、何ら実体の伴わない、いささかも政治姿勢を前向きにすることのできない今回の政治資金の手直しであるとするならば、これは何も意味がない、こう言わざるを得ないのじゃないかと思うのですね。それでなければ、もうすでに答申が出てから二カ月以上も経過しようとしておるわけでありますから、いままで政府、なかんずく総理大臣が、ことばをきわめて、必ずその線に沿うての実現を果たすというような責任あることばにも背反するのではないかということでございまして、何となくその辺が明快さを欠く、このように思うわけであります。  そこで私はこの際、自治大臣もいままでお話がありましたように、せっかくの努力をされてこられたのでありますから、もう一ぺんここで本気になって、現在政府でもって検討されている内容について、ひとつ抜本的な手なおしを加えるおつもりがないかどうか、ここからもう一ぺんお聞きしたいわけであります。
  79. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) 答申をいただきまして、私ども自治省といたしまして、いろいろ答申の趣旨あるいはその他並びに実態等を調査をいたしまして、そうして答申を最大限に尊重をいたします成文化というものはいかがなものかということを検討してまいりまして、要綱試案をつくりましたので、私といたしましては、あの要綱試案で、答申の趣旨を最大限度生かしているものと考えているわけでございます。
  80. 渋谷邦彦

    渋谷邦彦君 特に問題とされるところは、先回も私お尋ねしたわけでありますけれども、政府としては団体からの、いわゆる会社等を含めての団体からの寄付を受けることは、それは正当なのか、あるいはやはりこれを個人に限るべきだとする審議会の精神を是とするのか、この点についてはどんなふうにお考えになっていらっしゃいますか。
  81. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) 団体といえども社会構造の中の一つの人格として生きているわけでございますから、団体は絶対にいかぬぞということを、いま直ちに申し上げるのはいかがと思います。ただ、政党の性格からいたしまして、党費でまかなうという形が望ましい形であるということは、私も考えております。
  82. 渋谷邦彦

    渋谷邦彦君 確かにいまの御答弁のように、党費でまかなうということは、これはわれわれが考えても、あるいは国民の気持ちからいたしましても、それが正当であろう、こう思われますが、はたして、五年ということが明記されないにしても、また、政府・与党としても、そのようないわゆる党費でまかなうという方向に、一体努力するおつもりがあるのかどうか、これを再確認しておきたいと思います。
  83. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) 党運営のことを私が云々するのもいかがかと思いますが、私も政党人といたしまして、そういう方向で努力するのが当然であろうと考えております。
  84. 渋谷邦彦

    渋谷邦彦君 ここでもう一つ非常に心配な点をあえて申し上げなければならない点は、選挙制度調査会、そしてまたそれにかわる選挙制度審議会と、約十数年にわたってこの問題が討議されてまいっておるんですね。しかも、現在の選挙制度審議会における、第一次、第二次の審議会におきましては、この問題も当然議論の対象にされたわけです。しかも、そういうふうに言われながら、すでに今日まで五年経過しておる。一体、これまで政府がどれだけの努力を積み重ねて、いま大臣がっおしゃったような党費でまかなう、そういう理想に一歩一歩近づけるような努力を試みられたか、これは非常に疑問なんですね。調査会当時の議論を含めると、実に十数年を経過しておるわけでありますが、はたして、いまおっしゃられたような方向になにする可能性というものが考えられるかどうか。大臣としていろいろ、いま政党人ともおっしゃったわけでありますが、党内のことは言うまでもなく十分御存じのわけでございますので、政府・与党というのは表裏一体の形でありますがゆえに、あえてこのことをお尋ねするわけであります。
  85. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) 今回の答申が出まして、国会の御審議を云々するわけにはいきませんが、これが成立するというようなことは、やはり一つのそういう努力へ向かうきっかけになるのではないかというふうに私は考えております。
  86. 渋谷邦彦

    渋谷邦彦君 いままでも、きっかけというのは、ことばじりをつかまえていかがかと思いますが、幾らでもきっかけがあっただろうと思います。先ほど少しく述べました黒い霧事件というものは、いまに始まったことではございませんし、政治責任を、主導的な立場にある政府が全然考えられようともしない。また、具体的なそれに伴う証明が何もなされていないということを考えると、何としても、やはり一まつの不安が感じられるということでありますので、当面の責任者である大臣としてこの点は、国民の世論がそういう高まりを見せているということもあわせ含まれて、積極的に党費でまかなうと申しますか、個人の寄付に限るという、そういう方向に立っての態勢を積極的に、強力にこれが実現の方向へ向かうように努力をしていたただきたいと、こう希望するわけであります。  今回の内容を見ますと、何としてもふに落ちないことは、先般もしばしば問題にされましたように、罰則規定が実に薄弱であって、どうもこういうふうに複雑な事態になってきますと、何も政治資金というものによりませんけれども、やはりこの罰則規定というものを強化しないことには、それを守ろうとしない。よしんば、そういう罰則というものが強化されても、裏をくぐるという非常に悪質な連中が出ることも、他のいろいろな犯罪事例を見ましても明らかなんでありますが、やはり大臣としても、おそらく骨抜きであろうと何であろうと、現在政府で成立をはかろうとしておられる今回のその内容については、少なくとも守ってもらいたいものだと、こう期待されるに違いないと思う。それでその履行するための具体的な方策はといいますと、何らない。やはりわれわれとして、それを効果あらしめる方向としては、いま考えられる局限的な結論としては、やはり罰則の強化というものを、少なくとも罰金のほかに禁錮刑というものを含むことが至当ではあるまいか、このように考えるのですが、大臣が、現在その提出を間近に控えているその内容について、もう一ぺん検討を加えるおつもりはないかどうか、あらためてお伺いしたいと思うのであります。
  87. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) 終の法律案にいたしまするまでには、いろいろさらに検討しなければならぬものがあろうと思います。ただ、いまお話しの罰則の問題につきましては、これは別に責任を回避するわけではございけせんけれども、われわれこの法律専門家でもございません。ことに刑事法等の専門家でございませんので、そうした専門家意見を聞きつつ、その犯した犯罰に、他の法令の違反の罰則と均衡のとれたような罰則をつけるべきであるというふうに考えております。
  88. 高橋文五郎

    委員長高橋文五郎君) ちょっと速記をとめて。  〔速記中止〕
  89. 高橋文五郎

    委員長高橋文五郎君) 速記を起こして。
  90. 秋山長造

    秋山長造君 関連して。さっき渋谷委員に対する御答弁で、この規正法の施行期日の問題の御答弁で、ちょっと気にかかることがあるので、もう一ぺん確かめておきたいと思うのですが、法律をつくれば若干の準備期間が要る、周知徹底の期間が要るということは、これはもうわかります。わかりますが、ただこれはちょっと限度のあることでしてね。さっき六カ月ないし九カ月と、こうおっしゃったんですが、それに私はちょっと不安を持つのですよ。いままで六カ月と言われた。それを六カ月ないし九カ月と、少し月数を加えるようになっておる。来年参議院選挙がありますわね、定例選挙が。そういうことも予想される現段階での議論ですから、少なくともそれは周知徹底といっても、それは切りがないことですよ、ある意味では。  それはいまの現行法でも、たとえば連呼なんかについて、国会議員の場合は連呼ができるけれども、地方議員の場合には連呼ができぬだとか、国会議員の連呼も六時から九時までしかやれないとか、七時から八時までしかやれないのだというようなことでちっとも周知徹底していないのですよ。知りやしない、だれも。だから、そんなことを考えておると、それは周知徹底と言うても限度のあることで、どういう意味でおっしゃっておるのか知らぬけれども、これは限度のあることだし、それから今度の政治資金規正法ということの性質から考えても、周知徹底といっても、これは一人一人の選挙民にこれは周知徹底する必要があるかどうかということだって問題だと思う。ですから、九カ月というのは、私は引っ込めていただきたいと思う。そういうことでは、六カ月ないし九カ月というのは、九カ月ないし十二カ月と、こうなってくる。そうすると、来年の参議院選挙というものが済んでからでいいじゃないかという、こういう議論に私は発展してくると思う、必ず。それではいけないと思う。何も来年の参議院選挙だけが当面の目当てではないけれども、目標ではないけれども、やはりこういう問題は、それは一番すぐ次に控えている参議院選挙には少なくとも間に合わせて、そのときにはこれはかちっとやるということにならなければ、大半の意味が失なわれると思う。だからどんなに長くても六カ月、こうはっきり腹をきめておいていただきたいと思うのですが、いかがですか。
  91. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) 最初にお断わり申し上げますが、来年の参議院通常選挙などというものは、などと言うと語弊がありますが、全然念頭に置いてやったものではございません。そのことはお断わり申し上げます。  そこで、公布の日からどれくらいで選管の準備ができ、周知徹底ができるか。ことに寄付者が罰せられる、寄付を受けた者が罰せられるというような、いままでの政治資金のやり方とは非常に違ったやり方でございます。それで、先ほどお答えいたしましたように常識的に六カ月ないし九カ月と申し上げたんでございまして、できるだけ早いほうがいいことは確かでございますが……。
  92. 秋山長造

    秋山長造君 六カ月以内ではっきりとまってください。ないし九カ月というと、また九カ月ないし十二カ月と……。
  93. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) それだけは限度で、限度の、最大の限度を申し上げた次第でございます。
  94. 渋谷邦彦

    渋谷邦彦君 もう一つ政治資金規制に関して気になりますことは、これはもう早くから与党である自民党のほうからは、まことにけっこうな趣旨が述べられているわけです。それは、政党の近代化をはかるためには、何としても個人本位から政党本位それは政治資金とからみ合わせてそういう考え方になっているわけです。そこで、この政党本位という問題について相当根強い考え方というものがあるというようにわれわれは判断しておりますけれども、大臣として現状の、その与党である自民党はもちろんそうでありますけれども、はたしてそういう可能性があるかどうか、直ちに。将来のことは、五十年、百年先のことはわかりませんけれども、現状として、そういう選挙制度というものに切りかえられる可能性があるかどうかという判断についてお伺いしておきたいと思います。
  95. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) このなかなか政党本位の選挙と申しましても、制度全般として考えて、はたしてこれで政党本位の選挙ができるかどうかということは、なかなかむずかしいと思います。非常に困難な問題であろうと思いますが、私はやはり、何とか努力をいたしまして、政党本位の選挙ができまする方向で研究しなければならないと考えております。
  96. 渋谷邦彦

    渋谷邦彦君 相当この問題については、憲法問題から始まって、いろいろな問題に抵触する、しないというような議論をなされてきましたことは、大臣も十分御存じだと思います。ただ、やはり選挙というのは、政治家本位ということよりも、むしろ国民本位のために仕組まれなければならない筋合いのものではないか、こういうふうに考えるわけです。その点はいかでしょう。
  97. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) 御質問の意味を取り違えているかもしれませんから、そのときは御訂正をいただきたいと思いますが、もちろん、選挙民の意思が十分反映するような選挙制度でなければならないことは当然でございますけれども、しかし、そのことと政党本位の選挙というものが、必ずしも矛盾するものではないのじゃないかと私は考えております。
  98. 渋谷邦彦

    渋谷邦彦君 どういうところで矛盾されないとおっしゃられたのか、とにかく、きようも時間がないようでありますので、こまかいところまで入れないことは非常に残念に思います。  大臣がいまおっしゃられたように、国民本位ということ、これは私も同感です。そうあらねばならない、政治家というのは国民の代表でありますから。しかし、戦後二十余年を経過した今日におきましても、都会地におけるところはさておきまして、やはり農村地帯と申しますか、そういう地域におきましては、むしろ政治意識の高まりということよりも、選挙に対しての関心というものが強い場合もございますし、また、一面には、選挙意識は低いけれども、政治意識は高いという地域がございます。これは長年の伝統で築かれてきた現在の選挙制度というものを、一ぺんにやはり変えてしまうということになりますと、国民のほうにも相当混乱が起きてくる。しかも、少なくとも三十有余年でございますか、現行制度については確かに一つのなれというものがございます。しかし、現行制度が最も理想的だとは申しません。まだまだ選挙運動費用なんというところから考えますと、こんな不自由な、世界でも類例を見ないといわれる日本の選挙制度、こういうものはないとさえ言われております。事実そのとおりでございます。そうなりますと、やはり相当研究の期間を必要とすると言われた大臣のとおり、これは決して急ぐべきではないでしょうし、私は、現在その前提に立つ問題としては、やはりその政党の組織化ということが緊急の要務ではないか、こういうふうに思うんですが、その点はいかがでございましょうか。
  99. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) 最初にお答え申し上げますが、政党本位の選挙が望ましいと申し上げましたが、これは国会議員の場合でございまして、地方議員になりますと、むしろ地方の住民の福祉本位のことが中心になるわけでございまして、現在の傾向は、地方自治が政党化が進んでおるという現状は認めなければなりませんが、必ずしもその点は、国会議員の場合と地方議員の場合とは違うではないかということをまず前提に申し上げておきます。それで、選挙制度ももちろん必要でございましょうけれども、政党自身も組織化、近代化をはかっていくということ、これがやはり急務であると考えております。
  100. 渋谷邦彦

    渋谷邦彦君 これは私の最後の質問とさせていただきたいと思いますが、いまおっしゃれたように、政党として当然もう責任があることは言うまでもありませんが、何せ二十年このかた一向にそういう問題については、今日のリーダーシップを握っておる自民党が、その面の積極的な歩みをなさななかったということは非常に問題でありますので、いま大臣の御答弁のとおり、ひとつ大臣あたりが中心になられて、積極的に政党化というものを目ざすならば、まずこの点から国民に密着した政党としてはかっていかなければならないのではないか、これは将来の課題として申し上げておきたいのであります。  私、最後にその希望として大臣に申し上げておきたいことは、しばしば言われておりますように、選挙制度というものは、政治の将来の方向を決定する重要な問題であるということでございますので、どうか今後審議に御出席の場合には、十分ひとつ時間をさいていだだきまして、ほかの要件はふっ飛ばしても、ひとつ出ていただきたいということをあわせて要求したいわけですが、そのことを希望いたしてまして、きょうも何か中途はんぱに終わりましたけれども、この程度で質問をやめさしていただきます。
  101. 松本賢一

    ○松本賢一君 さっき大臣の答弁の中に、参議院選挙なんか意識しないでやっておるんだということがあるんですけれども、われわれとしては、参議院選挙は大いに意識してもらわなければいけないと思う。それで、ぜひこれには間に合わす、幾らおそくなってもこれには間に合わすという勢いで考えていただかなければならぬと思うんですけれども、その点はいかがですか。
  102. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) 先ほど申し上げましたのは、参議院選挙があるから、できるだけ延ばそうというような気持ちは毛頭ございませんということを申し上げたわけでございまして、いまおっしゃられるような意味におきましては、十分考えてまいりたいと思います。
  103. 松本賢一

    ○松本賢一君 それでは間に合わそうという気持ちは十分お持ちなんですね。
  104. 多田省吾

    ○多田省吾君 時間もありませんので、法案についてもやりたかったんですが、大臣については、政治資金の問題を二、三また無し返すようで申しわけありませんが、お聞きしたい点がございます。  まず、提出期日ですね。なるべく早急にというお話ですけれども、新聞によりますと、佐藤首相は、五日の自民党の静岡県連大会に出席されたとき、政治資金規正法に関しては今週中に提出したい。そうして早くはっきりして、政治姿勢を明確にしたい。また、さらに、提出する以上は成立を期して、お茶を濁すようなことはしない。また、三番目には、車の両輪論なるものが出ているけれども、あくまでも政治資金規制の問題は切り離してやらなければ、国民も納得すまい。結論が出るまでは十分審議を尽くしたい。こう一連の話をされておるわけです。  で、今週中といえば当然十日までだと思いますけれども、大体大臣としましても、総理大臣のお話のように、十日ごろまでには何とか早急にというお考えはおありですか。
  105. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) これはたいへん党内のことを申し上げて恐縮なんですけれども、非常に最後の微妙な段階になっておりますので、私の口から日のことを申すことはお許しいただきたいのでございますが、総理が静岡で発言されたその御趣旨は十分くんでまいりたいと考えております。
  106. 多田省吾

    ○多田省吾君 大臣も苦しいようですから、あまり申しません。  それで次に、いまの施行期日でございますけれども、渋谷委員の質問に対しまして、大臣は確かに政令できめるんじゃなくて、施行期日をはっきり明記したいとおっしゃいましたけれども、その気持ちには変わりございませんか。
  107. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) 終期を切って、その範囲で政令で定める、たとえば六カ月なら六カ月以内の政令で定める、九カ月なら九カ月以内の政令で定める、そういう形式をとりたいと考えております。
  108. 多田省吾

    ○多田省吾君 それじゃもうこの前から、来年の一月一日に施行したい、はっきり期日を明記したいと、前々から自治大臣としてもおっしゃっておられたようですけれども、それに対してずいぶん、それじゃ後退した要綱案でありますが、それをまだ固執されるわけでございますね。
  109. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) 期日を明記したいのは——私どもこれは国会の御審議を云々するわけにいかないのでございますが、いつこれを御可決いただけるかわからないので、前々から、公布してから、少なくとも半年ぐらいの猶予期間がないと、周知徹底ができない、そういうような意味で期日を明記したいと申し上げておったわけでございまして、その周知期間の最小の、最大限のところを終期に押えて、その範囲でできるだけ早い機会に政令で施行するというような考え方でございます。
  110. 多田省吾

    ○多田省吾君 結局この前の永久選挙人名簿でも、わずか十何日で一斉調査をされて、もう半年どころか十何日で、準備が整っていないのに施行された、永久選挙人名簿の一斉調査をやられた、そのように記憶しております。ですから、都合のいいほうはあくまで、準備が整っていようがいまいが、金があろうがなかろうが、もうすぐ始める。こういった党としてなかなか出しにくい問題になりますと、党と妥協して、そして政府案というものが、こういう重要な法案にもかかわらず、政令で期日をきめるなんていうことは、大後退だと思う。これはもう何としても、いまお述べになったように、今国会で成立を期すると、そして半年以内でなるべく周知徹底したいと、また、これは半年以内で当然周知徹底できるわけですよ。そうしたならば、はっきりその法案の中に、一月一日に施行するという施行期日は示すのがたてまえであると、こう思います。どうでしょうか。
  111. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) 法律にその最大限の終期が明記されれば、その中でわれわれは事務的に急いで、その範囲でできるだけ早く政令で施行するということが妥当ではないか、そう考えるわけでございます。
  112. 多田省吾

    ○多田省吾君 いままで政府側が来年の一月一日で施行するというたてまえをとってきたんですから、それを政令できめるとなれば、いま質問がありましたように、当然、政治資金の収支の届け出というものは六月または十二月になっておりますから、期日も一月あるいは七月となる可能性が強いわけですよ。それで、いま半年から九カ月に間知徹底の期間を故意に延ばされたというようなふうに思えるわけです。  そうしますと、たとえばもう六カ月から一年以内に公布するということに政令で定めるというように、松野選挙調査会長と自民党側あるいは自治省側が了解したというぐあいに新聞にもはっきり出ているわけですよね。そうすると、もう政府の意向、自治省の意向というものが、一月一日じゃなくて、早くても来年の七月一日、すなわち参議院選挙に間に合わさないで、七月一日から施行する、そういうように受け取れるわけですよ。そうじゃなくて、やはり施行期日というものは、半年内で周知徹底できるものであるならば、それは一月一日と明記すべきが本筋である。また、答申の早期に成案を得るという点においても、あるいは早期にこれを施行するという点においても、当然一月一日とすべきであると思いますが、重ねてお伺いいたします。
  113. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) 前々から周知徹底の期間が半年ぐらいはかかるんではないかと、そういう意味で私どもが考えておったわけでございます。したがいまして、その考え方にはいまでも変わりがないんでございまして、ただ、その法文のあらわし方を、何月何日とするか、あるいはその従来の趣旨を含めて終期をきめて、その終期以内で準備の整ったときに政令を出すという形にするか、その準備期間をある程度置く、しかも、それは政府がかってにやれるんではなくて、その終期はきめておくということで、私は従来の趣旨と変わらないことができるんではないかと考えております。
  114. 多田省吾

    ○多田省吾君 それでは、まあはっきり自治大臣は、六カ月以内で周知徹底できるともおっしゃいましたし、今度のではすごく不満ですけれども、それじゃその要網案に、公布の日から六カ月をこえない範囲内で政令で定める日と、六カ月以内ということに検討することに政府案としてお約束できますか。
  115. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) その点いま検討中なものですから、私、地方の管理委員会などの意向も聞いているところでございますが、いますぐ六カ月ということをお約束できませんけれども、できるだけ早い期間を入れるようにいたしたいと考えております。
  116. 多田省吾

    ○多田省吾君 じゃ、できるだけ早い期間というのは、一年以内というものも含めての話ですか。それとも六カ月以内と限定しての話ですか。
  117. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) 六カ月かかるか七カ月かかるか、その辺のところは、これはまた国会の御審議——これはまあわれわれといたしましてはこの六月の会期中に成立させていただくことを希望するわけでございますが、これを云々するわけにまいりません。ですから、そういう成立の時期にもよりましょうから、ひとつその点はたびたびお答えしたところで御了承いただきたいと思うわけでございます。
  118. 多田省吾

    ○多田省吾君 蒸し返すようですけれども、それじゃもう一ぺんお伺いしますけれども、政府地方公共団体との請負金額、または政府関係機関からの借り入れ金額が総額の一割未満の場合は規制外、一割以上の場合は二分の一というようにきめたわけですけれども、この一割ときめたのは、すごいこれは後退だと思うのですが、これは過去の実例、実績を踏まえてこのようにきめられたと思いますけれども、大体自治省としては、じゃいままで政府関係機関あるいは政府地方公共団体との請負金額においで一割以上の会社とは、大体何社程度と踏んでおられますか、いままでの実績から。
  119. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) いままでは、そういう請負総額であるとか、その中の国の請負額だとかいうものを調査をいたすこともいたしませんでした。したがいまして、実績はわかりませんが、私は一割程度というものは相当少ない。したがって、二分の一になるものが相当多いと予想をいたしております。
  120. 多田省吾

    ○多田省吾君 調査しないで多いとか少ないとか、政府の要綱をつくる上にそういうことを一体言えるでしょうか。選挙局長でもけっこうですから、少しは調査されたのですか。
  121. 藤枝泉介

    国務大臣藤枝泉介君) 先ほどお答え申し上げましたように、その一割と——要するに請負というのは、その他特別の利益を伴う国との契約、その一つの例として請負をあげられておると思うのでございます。したがいまして、それは結局国と大きな請負などをたくさんやっておるものは、請負そのものが特別の利益を直ちに伴うものということにはならないと思いますが、そういう関係で規制を厳にすべきということが審議会の御答申の趣旨だと思います。したがいまして、一割以内のような、そういう少ないものははずしても、審議会の答申に反するものではないのだという判断でございます。
  122. 多田省吾

    ○多田省吾君 これは私どもの簡単な調査でも、その一割以内の鉄鋼会社等が相当含まれているという見込みなんですね。これは相当後退だと私たちは思います。  時間もありませんので、もう一点だけお伺いしますけれども、罰則についてでございますが、三つに分けて罰則をきめておられるようでございます。それはこの前も申し上げましたので、公職選挙法の一部改正のところで、公職の候補者等の寄付の禁止に関する事項の中に、「選挙に関して寄付をした者について罰則を設け」云々とありますけれども、大体どういった罰則を予定されているわけですか。
  123. 降矢敬義

    政府委員降矢敬義君) 選挙区内の者に対する候補者あるいは候補者の現に公職にある者の寄付禁止でありますが、それは罰則は、選挙に関しては現行法どおりの罰則を考えられております。
  124. 高橋文五郎

    委員長高橋文五郎君) じゃ本案に対する質疑は本日はこの程度にとどめます。  これにて散会いたします。    午後三時四十分散会