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1967-06-13 第55回国会 参議院 建設委員会 第14号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十二年六月十三日(火曜日)    午前十時五十五分開会     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         藤田  進君     理 事                 稲浦 鹿藏君                 大森 久司君                 山内 一郎君     委 員                 石井  桂君                 内田 芳郎君                 奥村 悦造君                 熊谷太三郎君                 小山邦太郎君                 中津井 真君                 平泉  渉君                 瀬谷 英行君                 松永 忠二君                 鈴木 一弘君                 片山 武夫君                 春日 正一君    国務大臣        建 設 大 臣  西村 英一君    政府委員        経済企画庁水資        源局長      松本  茂君        建設省都市局長  竹内 藤男君        建設省河川局長  古賀雷四郎君    事務局側        常任委員会専門        員        中島  博君    説明員        厚生省環境衛生        局環境整備課長  田中正一郎君        建設省都市局下        水道課長     久保  赳君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○下水道法の一部を改正する法律案内閣提出、  衆議院送付) ○下水道整備緊急措置法案内閣提出、衆議院送  付)     —————————————
  2. 藤田進

    委員長藤田進君) ただいまから建設委員会を開会いたします。下水道法の一部を改正する法律案及び下水道整備緊急措置法案を一括して議題とし、前回に引き続き質疑を行ないます。質疑のある方は、順次御発言を願います。
  3. 松永忠二

    松永忠二君 水質保全の問題について少しお尋ねしたいと思います。河川管理に関する行政監察結果に基づく勧告が出されました。これに基づいて従来政令にきめてなかった河川法第二十九条の政令を早期に制定することが必要であるというふうな勧告を受けて、これに基づいて建設省がこの政令をいまきめようというようなことで努力をされているということを聞いておるわけであります。しかし、他の関係法律や省との関係上、なかなか簡単にこの政令ができないような状況もあって、新聞あたりでもこれを坂り上げていろいろと論議をされているようです。この問題については、いま現在どういうふうな状況に進行しているのか、大臣のほうからひとつお話を聞かしていただきたいと思うのです。
  4. 西村英一

    国務大臣西村英一君) 御指摘のように、水の問題は、いまや量の問題とともに質の問題が非常にたいへんな問題になっておるのであります。したがいまして、私も非常に関心を持ちまして、先般から河川法の第二十九条につきましてもいろいろ尋ねますと、これは御指摘のように政令でもってやるということになって、建設省としては、ただいま案をもって各省に当たっておる次第でございます。その詳しいことにつきましては河川局長に……。現在水質保全法律がございまして、経済企画庁との関連もございますし、その他いろいろなところと関連を持ちますために、少しおくれておるようでございまするけれども、なるべく早くこれをまとめるようということで、私としては督促しておる最中でございます。
  5. 松永忠二

    松永忠二君 このいまつくろうとしている政令と、下水道法に基づく第八条にいわゆる「(放流水水質基準)」というものがあるのですが、これとは一体どういうふうな関連をもって進められておるのか、またこういう点については、すでに省内においてはどういう協議がなされておるのか、こういう点をひとつお聞かせを願いたいと思います。
  6. 竹内藤男

    政府委員竹内藤男君) この下水道第八条に、「公共下水道から河川その他の公共水域又は海域に放流される水の水質は、政令で定める技術上の基準に適合するものでなければならない。」ということで、技術上の基準が書いてございますけれども、これは公共用水域水質保全法できめます水質あるいは河川法政令ができましてきめます水質、そういうものと調整をとって政令できめる、こういう形になるのでございます。
  7. 松永忠二

    松永忠二君 私の聞いておるのは、当然そうならなければできないわけですけれども、現在一体水質基準というものはどうなっておるのか、それからまた、いま河川法政令に基づく水質基準というものと一体どういう関係を持って進められているのか、そういう点をお聞きをしているわけです。
  8. 竹内藤男

    政府委員竹内藤男君) 河川のほうできめますのは、いわば流れている水の水質でございます。下水道のほうできめますのは、下水道終末処理場から放流する水の水質でございますので、河川水量、常時流れております水量その他によりまして河川で一定の基準がきまりますと、それに合わせて水量との関係がございますので、放流水水質のほうがきまってくるわけでございますが、現在のところ、下水道法政令の六条で水質基準を、放流水水質基準をきめているわけでございます。
  9. 松永忠二

    松永忠二君 その放流水基準というのは、現在きめようとしている河川法政令一体基準とどういう関係を持っているんですか。まあ私お聞きしているのは、河川法政令基準がつくられれば、当然放流水基準というものもそれに合致をしなければできないわけなんで、したがって当然下水放流水は、河川法政令基準合致をするものでなければできないと、そういうことが実はいま問題になっている。公共用水域水質保全に関する法律といろいろと関連があるので問題が起こっているわけなので、下水道については、その間はどうなっているかということをお聞きをしているわけですが、まあちょうど局長が見えられたので先にそっちのほうからお聞きをしたいのですが、私の聞いているのは、河川法の二十九条の問題について、河川清潔保持のための政令というものをひとつつくっていきたいということで、いままあ努力をされていると、まあこれはもうすでにほんとならできているべき筋合いのものであるけれども、非常におくれてきているので、これをひとつつくろうというようなことで関係の方面と協議をされているようだが、その実情がどうなっているかということと合わせて、この問題について一体下水道水質基準との問題はどういうふうに関係づけられているのか、こういうことをお聞きをしているわけです。
  10. 古賀雷四郎

    政府委員古賀雷四郎君) 下水道とか工場排水法は、御承知のとおりに放水水質基準を示しております。この河川法に基づく二十九条の政令は、いわゆる河川、いわゆる公共用水としての河川流水水質をいかにあるべきかということをきめるつもりでおります。この流水水質の度合いをきめるのは、工場排水とかいろんなものと河川そのものが持っている固有流量と合して水質がきまるわけでございまして、必ずしも下水道から、たとえば二十PPM出しても、それが実際河川固有流量と合った場合には、ある程度固有流量というのは考えられる。そこで河川水質をこのくらいにしたいというふうに考えるわけです。ところで、全国法的河川が約一万三千本以上ございます。そのうちほとんど全部が、このお手元にいっているかどうか、私ども水質基準をきめようとします公共用水水質基準をきめようとするのは四PPMぐらいの程度でございます。たとえば利根川におきましても、大体そんな程度でございまして、したがいましてわれわれとしまして、河川管理者としましては現在の大多数の河川水質現状のままに置いておくために規制をやりたいというふうに考えまして、大多数の河川水質の良好な状態に置きたいということを考えておるわけです。したがいまして、たとえば隅田川とかなんとか非常にきたない川につきましては、河川管理者がその河川状態を見てきめられるような政令になっております。ちょっと読んでみますと、当該河川水質を次の基準、「河川管理者は必要に応じそれと異なる基準を定めることができるものとして」に適合させることというようなことでございまして、したがいまして、たとえば隅田川浄化用水を私たちが注入いたしましたのは、一応隅田川水質を十PPMにしたいというおおむねの基準を設けまして、秋ケ瀬取水口から公称二十ミトン、最大の場合には三十トン以上流れます。そういった水を注入することにいたしたわけでございます。おおむねそのくらいの水を流せば、御承知のように魚の住むような一まだ完全に魚が住むようにはいっておりませんけれども、かなりきれいな水になる。  ところで、下水道からの放流度基準でございますが、したがいまして非常にきたない悪い川の水質を初めからシビアな線できめることは、非常に困難でございます。現実の処理問題とからんで、たとえば浄化用水の注入の問題とか河川管理の問題とからんで、今後この問題を処理していくように考えたいと思います。したがいまして、ある基準をきめられたら、その中で新たに排水しようとするものの、あるいは満員御礼の場合もあり得るかと思いますし、あるいはさらに薄めて流してもらわなくちゃいかぬというような水質を適用してもらわなければいかぬ場合もございましょうし、いろいろ情勢が違うわけでございまして、その辺は公共用水水質基準のきめ方によって変わってくるわけでございます。
  11. 竹内藤男

    政府委員竹内藤男君) 下水道水質基準は、先ほど申し上、げましたように政令の第六条できまっておりますが、これは四つの場合を、いずれもこういうような処理方式をとる場合にはどれだけにしろということがきまっておりますが、これは四つ方式のいずれかをとるかということには、認可の際の基準がございまして、認可の際の基準下水放流先状況、つまり河川のほうの状況を考慮して、このいずれかをとるかということをきめることになっておりますので、河川のほうの水質基準というものがきまってまいりますれば、当然それに制約されて下水道水質基準放流水水質基準がきまる、こういうような形になっているわけでございます。
  12. 松永忠二

    松永忠二君 そこで、いま四PPM以下にして魚の住める川にしたい、こういうふうな考え方を持っておられるわけなんですが、こういうふうな基準とマッチをしていくような下水道水質保全というものはできるというような、何というんですか、点については、一応省内で御相談なさっていることだと思うんですが、こういう点についてはどういうふうな見通しを持っておるんですか、都市局長のほうにまず開いてみたい。
  13. 竹内藤男

    政府委員竹内藤男君) 水質基準法によりますと、一番高級処理をする場合におきましては、二十PPMになっております、放流水の。その場合にこれを河川に流しますわけでございますので、河川のほうの水量が八倍ぐらいあれば、大体最低河川水質に合ってくる、こういう形になりますが、その水量がない場合には、先ほど河川局長が言われましたように、別途そういう常時水量を流すというような措置が合わせて講じられないと、水質基準が維持できない、こういうような関係になろうと思います。
  14. 松永忠二

    松永忠二君 今度の下水道整備五カ年計画に基づいても、面積にして昭和四十六年度末に三二・五%だ、こういうような状況であるので、現状はこれよりぐっといま低い状況にあるわけ。まあ巷間では、河川法でつくろうとしている四PPM以下というものでは、現状下水道整備方法をもってしては、省内下水道自身のほうから支障ができてくるのではないかというようなことを言われているわけなんです。それをまた一つの口実として、公共用水水質保全のほうでも、もう少し基準を下げたらどうかというような意見も出ているやにいま聞いているわけですが、少なくも下水道の五カ年計画実施段階で、四PPM以下の河川法に基づく政令基準というものは、何としても確保できるという自信を持って進めておられるのか。あるいはまた、そういう点については一部、いわゆる一つ指定水域についてだけそういう制限をしていったらどうだろうかとか、あるいは指定水域だけの基準をもう少し高めておいて、そうして他のほうで障害のないような方向にしていったらどうかというような意見も出ているようですね。だから、指定水域自身を下げるとか高めるとかいう方法でそれを合致をしていったらどうかという意見も出ているようですけれども、私の聞いているのは、下水道の新五カ年計画普及をもってしても、十分つくろうとしている河川法の四PPM以下には合致し得る自信計画とを持って、この政令基準の話が進められておるんだというふうに私たちは解釈をしたいわけですが、こういう点については、なお努力の余地があるというような気持ちもするわけなんです。こういう点について都市局長のほうの御意見をまず聞いてみたいと思います。それは所管のほうなんだから、下水道をいま審議をしているので、下水道の五カ年計画が、つまりそれに適合するようなものだというふうに判断をしているのか、あるいはもっと普及率を上げていかないと、こういう点についてやはり支障も出てくる面もあると思うので、というふうに判断をしているのか、その辺の見当を都市局長のほうから聞きたい。
  15. 竹内藤男

    政府委員竹内藤男君) 河川水質を保つためには、工場排水規制下水道整備が両々相まって水質が保てるわけです。下水道のほうの整備が一環をになっているわけでございますが、そのほうが河川政令が出た場合に、その水質に合うように整備ができるかという御質問だと思いますが、私どものほうで、河川のほうの水質を全部最低のものに保つというところまで整備ができるかどうか、まだ詳細に検討はしておりませんけれども、実際河川のほうで水質基準をたとえば四PPMにきめられても、河川によりましては暫定的にある程度基準を緩和していただかないと、下水道整備が間に合わないところの河川も当面は出てくるんじゃないか、こういうふうに思います。
  16. 古賀雷四郎

    政府委員古賀雷四郎君) 御承知のようにいま下水道整備が進まないために、なかなか河川水質についてはきたない所がございますが、そういった所を一挙に四PPMといういわゆる水が飲料水に使える程度の水にするためには、非常に無理じゃないかというふうに考えます。したがいまして、この政令におきましては、河川管理者は必要に応じこれと異なる基準を定めていって、たとえば、先ほど申し上げました隅田川のように、必要な措置ができれば十PPM程度までは上げられるということを目標暫定目標をきめるとか、いろんなことをきめていって、そういう維持流量を多くすることによりまして、さらに水質がよくなるような措置をやっていきたいというふうに考えております。そこで、これは四PPMというのは、先ほど申し上げましたように、全国で一万数千本川があるうちに、相当数河川が四PPM以下の川でございます。そういう川を、たとえば汚水を注入するとか、あるいはいろんなきたないものを投げ込むとか、そういった規制をやっていきまして、水質を維持管理していきたいというふうに考えて、この政令を出したいというふうに考えております。
  17. 松永忠二

    松永忠二君 そこで、公共用水域水質保全に関する法律に基づく水域に限っては、水質基準を下げて——下げてというか、たとえは四PPMより多くしていって、まあ実情に即すようなやり方をしていこうというような意見もあるようですね。しかし、いまお話しのように、日本の河川の大部分というものは四PPM以下であるので、そういうひとつ基準を明確にして、そうしてその水質保全をはかって、良質のひとつ水を保全をしていこうといういろんな面から、そういう必要があるということで、そういう方針を貫いていくということは、私は決して悪いことじゃないと思うのですね。また、ある特定地域については、いま考えている河川法政令以下のものでなければできない地域もあるとしても、全体の範囲、基準をそういうところにきめて、そうしてその問暫定的な措置をしていくというようなことは、これはあるべき姿だと私ども思うのですね。したがりて、公共用水域水質保全特定水域については、いわゆる基準を下げていくというようなことによって調整をはかる、あるいはまた暫定的な措置をしていくということによって、河川法政令基準としてあくまでもそういう線で貫いていきたいというような、こういう点について河川局長意見をひとつお聞かせをいただきたいと思います。
  18. 古賀雷四郎

    政府委員古賀雷四郎君) 公共用水域指定水域全国で十九水域でございまして、河川数にしては十六しかありません。しかも、区域を相当制限した区域でございまして、これは全国としましてはごくわずかの地域でございまして、河川管理者としましては、全国河川水質をよくすることを考えなくちゃいけない。したがいまして、先ほど申し上げましたように、かような水域指定河川につきましては、河川管理者が全般的な状況各省協議しまして、水質基準を暫定的にきめるといたしましても、全国水質を管理する以上は、どうしても四PPM程度を確保するように規制を行なっていかなければいかぬというふうに考えております。
  19. 松永忠二

    松永忠二君 大臣一つお聞きをしたいのですが、いま質問をお聞きになっていただければ大体趣旨はおわかりだと思うのですが、まず一つの点は、せっかく四PPM以下にしていこうというような、いま政令を制定することを考えておられ、努力されておるわけですね。少なくも自分省内下水道水質がこれで困るというようなことが、まあ特に少数の問題のこことここはどうも困るということはあるとしても、大体水質保持できるだけのいわゆる下水整備をやろう、こういうような決意がなければ、これはなかなかこの政令基準に当たって、各省との折衝というものはうまくいかぬと思うのですがね。こういう点についてどう考えておられるか。同時に、いまお話しのように、局長が話したように、この政令制定については、いろいろなところから支障ができてきているような話も聞いているわけです。たとえば経済企画庁、通産省、厚生省などとも話を進められている状況の中で、やっぱりいまのこういうときに早くこういうような政令基準を明確にしてやっていかないと、もう至るところで水質というものは汚濁をされてくるということになってくると思うので、こういう点については、建設大臣としては重大なやはり決意を持って、あくまで自分の主張を貫くような努力をされていくことが必要だ。ときには何か建設省所管の拡張を考えているのだというような考え方を持っている人もあるようですが、私たちはそういうものではない、ちゃんと河川法をつくるときにこういうものをちゃんとつくってある、しかも、現在までこれを政令をつくらないこと自体に問題があるのであって、ダム放水の問題、ダム操作規則ども河川ができてからようやくいまでき上がったという状況の中で、やはりこういう点ではやや速度がおくれているというところに、一つの問題がある。しかしいま非常な重要なときであるので、いま言ったような基本方針をあくまで貫いて、こういう政令をつくる決意を持っておるか、そういう決意のほどを明確にさしていただきたい。まず二つの点を、大臣からひとつお聞きをしたいわけです。
  20. 西村英一

    国務大臣西村英一君) 実は河川法制定してからもうだいぶなるのですが、しかも第二十九条の河川清潔を保つ点につきまして、政令で定めることになっておりまして、今日まで政令も出していないのであります。それと申しますのも、非常に河川各省にまたがって行政がむずかしいものの一つでございまして、しかしそれかといいまして、非常にこれは建設省としても、申しわけないと思っておるわけであります。しかし、最近において河川水質の問題につきましては、いろいろな点からの問題が起こりましたので、この際早目にひとつ政令を出したい、かように考えまして、先般から努力いたしておるのでございます。しかし、またここに一つの問題がある。と申しますのは、実は公害基本法が国会に提案をされております。この公害基本法は、まあ大体法律の中身は、大綱をうたってあるだけでございまして、おのおの大気にいたしましても、あるいは河川水質にいたしましても、これからいろいろ詳しいまた規制をしなければならぬと思っておるのであります。したがいまして、公害基本法との関連におきまして、やはり各省意見の調節をしなければならぬ等のこともございます。しかしいずれにいたしましても、河川法第二十九条に基づきまして、りっぱなその質を保持をしなければならぬと私は思っておりますので、御注意のごとく、強力にこれは進める考えを持っております。  もう一つ、これも私はしろうとでありまするからよくわかりませんが、この下水道等関係におきましての御注意でございまするが、これは私は下水道でいま二十PPMにきめられておるというような話でしたが、これも結局標準でございまして、いろいろな結局処理のしかたによっては、なお下がるものではなかろうかと思うのでございます。つまり下がれば、それだけその水というものは、やっぱり還元して使うこともできるのでございますが、やはりあまり汚濁がひどいものでございますると、やっぱり還元して使うこともできません。この点につきましても、私は十分今後この処理上の問題につきまする技術上の諸問題というようなものと取り組みまして、できるだけきれいな水を放流するということを考えなければならぬと思っております。要するにこの政令は、公害基本法との問題もありますけれども、ひとつ真剣に取り組んでいきたい、かように考えておるものでございます。
  21. 鈴木一弘

    鈴木一弘君 初めに伺いたいのは、下水道整備五カ年計画の規模が一兆七百三十億という当初だったと思うのですが、そういうふうに聞いておったのですが、それが九千三百億ということになって大体半分くらい、これでは十分ではないだろうということは十分予想されるわけですね。ですが、その減額分が、実際の計画を実施する際にどういうようになってくるか、どういうふうにあらわれてくるのか、それを事業別地域別にどういうふうに一体どうなるかを伺っておきたいのです。
  22. 竹内藤男

    政府委員竹内藤男君) 当初、建設省段階で考えておりましたのは、御指摘のように一兆七百億ということで考えておりましたが、経済社会発展計画で各種の公共施設長期計画をきめておりますけれども、その全体のワクから九千三百億という配分になったわけでございます。当初のわれわれの考え方といたしますと、四十六年度までの五カ年問に下水道普及率を約三七%にしたいということで、一兆七百億を考えていたわけでございますが、九千三百億円になりますと約三三%ということになるわけでございますので、若干おくれるという形になるわけでございます。これの地域別にどうなるかというのは、実は今回の下水道整備五カ年計画地域別はまだきめておりませんので、地域別にどうなるかというのはまだ検討結論が出ていないわけでございます。
  23. 鈴木一弘

    鈴木一弘君 いつごろ大体結論が出るようになって、明示されるのはいつごろになりますか。
  24. 竹内藤男

    政府委員竹内藤男君) この法律が通りましたら、さっそく五カ年計画閣議決定の作業に入りたいと思います。それが終わりまして、各地方別のやつが出ますのは本年一ぱいくらいかかるのじゃないか、こういうふうに考えております。
  25. 鈴木一弘

    鈴木一弘君 次に、都市下水路の問題についてここで若干触れておきたいのですけれども、特に緊急を要するというところはどういう地域かということ、それから、その地域における幹線下水路との関係ですね、その整備との関係、その具体的の施策について伺っておきたい。
  26. 竹内藤男

    政府委員竹内藤男君) 都市下水路は、公共下水道区域がきまっておりますが、その区域外において行なうものでございます。やはり一番必要といたしますところは、浸水地域でございます。私どものほうでは、浸水について技術的な指数をつくっておりまして、浸水指数の高い地域について、都市下水路を採択するという方法をとっております。で、この都市下水路をつくります場合には、将来そこに公共下水道が敷かれるということを考えまして、なるべくその公共下水道の幹線になるというような都市下水路を設置してまいりたい。そういうふうに、将来は公共下水道の幹線に振りかわっていくように設計を考えていきたいということで指導しておりますけれども、まあ、中には当面の浸水対策が非常に急務ということで、将来下水道ができました場合に、幹線下水道にもならないところについても、やむを得ず都市下水路を設置するという場合もございますけれども、大部分はそういう考え方で進めるわけでございます。
  27. 鈴木一弘

    鈴木一弘君 次は、終末処理場の問題なんですが、第一次の五カ年計画のとき、三十八年から四十二年度までに一千百億で千八百万人分の終末処理場をつくるということだったのです。これに対して今度は千五百三十一万人分ということになるわけですが、いままでの成果はどういうふうになっておったのですか。
  28. 竹内藤男

    政府委員竹内藤男君) 五カ年計画の実績は、計画におきましては処理可能人口を千八百万人というふうに考えておりまして、四十二年度までを、今年度の予定を含めまして五カ年計画の実績見込みといたしましては千六百六十万人分の終末処理場ができるのじゃないか。進捗率といたしましては、計画達成率といたしましては、九二%くらいということになろうかと思います。
  29. 鈴木一弘

    鈴木一弘君 その九二%、その八%の分が今年度の見込みが最終までいっても残るわけですが、約一割近いわけでありますけれども、その一割近いのが残った理由は何ですか。残る見込みになった理由は。
  30. 竹内藤男

    政府委員竹内藤男君) 従来厚生省でやっておりましたので、私のほうでまだはっきりわかりませんけれども、おそらく単価の問題なんかもあるのじゃないかと思います。
  31. 田中正一郎

    説明員田中正一郎君) 終末処理場の件につきましては、用地の確保、それから補助率が比較的低うございましたので、九〇%の達成率ということに相なるかと思います。
  32. 鈴木一弘

    鈴木一弘君 用地の確保のほうか、補助率の問題か、どっちのほうがウエートが強いんですか。
  33. 田中正一郎

    説明員田中正一郎君) どちらというのは、つまびらかにし得ないと思いますけれども、まあ半々くらいという状況でございます。
  34. 鈴木一弘

    鈴木一弘君 まあ大体いまの答弁だと、はっきりしたものをつかんでいらっしゃらないから、そんな答弁になったと思うんですけれども、具体的な資料を——これはきょうで上がってしまいますけれども、あとでもらいたいと思うんです。そういうところの一つ一つのこまかいところの検討がなされなければ、計画を立てても全部計画倒れになることはわかっておりますし、その点お願いいたします。  それから次に移りますが、し尿処理の問題がこれは当然出てくると思うです。が、し尿処理の行き詰まりの問題が、はっきり言えば、前回もここで触れましたけれども、水洗便所の早急な普及、これがおくれているからだということだと思います。どうしてもその普及によるし尿処理の近代化ということが必要になってくるわけですが、それについては、そういう水洗便所の普及率が低いということが、下水道の投資効率が下がる、上がってこないという現状をつくるわけです。その普及状況普及計画、これは積極的に進めなければ、下水道事業としても先々困ったことになると思うんですが、その点について伺いたい。
  35. 田中正一郎

    説明員田中正一郎君) 水洗便所の普及状況は、昭和四十年度末現在で水洗化がされておりますのが全国総人口の一三・二%に相当いたします約千三百万人でございます。このうち、公共下水道によって水洗化をされておりますのが六百万人でございまして、そのほかはし尿浄化槽による水洗化でございます。
  36. 鈴木一弘

    鈴木一弘君 いまの状況ですが、計画はどうなっていますか、今後。
  37. 田中正一郎

    説明員田中正一郎君) したがいまして、ほほこの四十年度末の終末処理場処理能力からいたしますと、約半分ということでございます。非常に前から終末処理が完備いたしまして処理区域になっておりますところでは、一番高いところで七八、九%の水洗便所の普及状況でございますが、たとえばことしの四月から通水を開始したというところでは、まだ一、二%というところもあるわけでございまして、水洗便所の普及については、各市を督励いたしまして、いま鋭意水洗化をはかっておるところでございます。方法といたしましては、各市の下水道部局と清掃部局と共同をいたしまして委員会等をつくりまして、その委員会等が強力にこれを推進するという形でございます。と申しますのは、各世帯にそれぞれ入り込んでおりますのは清掃当局でございまして、この清掃当局がたとえば汲み取りにいくときにステッカーなり、リーフレットなりを投げ込んで水洗化を慫慂して歩くというようことをやっております一方、これに対して融資もあっせんをして、これが普及に当たっておるというのが現状でございます。
  38. 鈴木一弘

    鈴木一弘君 そうすると、全体取りまとめて一体国民総水洗化ということが一番でしょうけれども、まあそれは実際問題、地理的やそのほかの条件もあって無理でしょう。経済的な問題もあるでしょう。一体どこの程度まで普及するという計画があるのか、めどはどうなっているのですか。その辺が何もないみたいないま答弁です。
  39. 田中正一郎

    説明員田中正一郎君) 昭和六十年で一応一億総水洗化を実現しようというまあ遠大な計画をつくっておりますが、その際に公共下水道で水洗化をする分が七〇%、それから一五%は地域し尿処理施設で水洗化をやっていくものと、あとの一五%はし尿浄化槽によって水洗化を可能にならしめていこうという計画でございます。
  40. 鈴木一弘

    鈴木一弘君 これはまあよくわかるのですけれども、六十年まで一億総水洗といったって、これは一億総水洗化できっこないのですけれども、実際問題としてこれをやっていくときに、小規模な、いまいったような浄化槽とか、汚水処理施設というものをつくるということも出てくるでしょう。実際問題が公共下水道の場合、まあわれわれの家でもやりましたけれども、かなりの負担がある。その負担に耐えられない。先ほども多少の補助金を出そうというお話が出ていたようですけれども、そのために何十軒かあるうちに何軒かは負担に耐え切れないで、どうしても浄化槽、水洗便所は取りつけられないというのがかなりあるわけです。そういう点でこれはただ地方公共団体にまかせるという考え方だけでなくて、積極的にやっていかなきゃならないだろうと思いますが、その点の考え方は、まあ課長さんじゃ答弁がなかなかたいへんかもしれませんけれども、どうなっていますか。
  41. 田中正一郎

    説明員田中正一郎君) 水洗化が普及しない原因は、もちろんいま御指摘の経費の問題もございますけれども、私どものいままでの経験では、一つは大家と店子の関係でございます。店子のほうはどうしても水洗化をしてくれ、こういう話になりますが、大家のほうがなかなか家賃問題等もございまして、いま直ちに水洗にすることはできぬというような話でございます。それから汚水管が隣りの、隣家の敷地を通るという問題がなかなかこれございまして、隣りの汚水をうちの敷地内に通すことは絶対お断わりであるというようなトラブルが絶えず起こっておるわけでございます。で、こういうような紛争を解決していくということによって、かなりまあ水洗化が実現できるのじゃないか。もちろん、金の問題もございますけれども、この金の問題は国庫補助を与えるというわけになかなかまいりませんので、起債を市にあっせんをいたしまして、その基金で市が水洗に改造する資金を貸し出すという形をとっておりますが、この資金も従来は一世帯当たり三万五千円でございましたものをことしから四万五千円に引き上げまして、さらに円滑にこれをやってまいろう、かように存じておるわけでございます。
  42. 鈴木一弘

    鈴木一弘君 この問題はそのくらいにしておきます。  次は、水質保全で先ほども大体ございましたのですが、特に現行法との関係その他についても触れられたわけですが、水質保全法下水道法、この両法をある程度よほどよく関係をアレンジしていかなければならない、そういうことから始まらないと、水質基準を保ち、保全をしようといっても、これは容易でないだろうと思うのですが、その辺の保全法あたりの改正、またそれに伴って関連法律を改正していくということは考えていなしかどうか。
  43. 松本茂

    政府委員(松本茂君) 現行の水質保全法におきまして水質基準を設定いたしておるわけでありますが、その水質基準の設定の対象になっておりますのは工場もしくは事業場、これは特定施設を有する工場もしくは事業場、それから鉱山、それから水洗炭業にかかわる事業場、それから公共下水道または都市下水路からの排出水、これだけを対象にいたしておるわけでございます。それで河川の遊水基準を想定いたしまして、それに見合いまして、これらのそれぞれの個所から出てくる水質基準を設定しておるわけでございますが、こういうふうに水質基準が、設定されましたならば、それぞれのこういった工場、事業場なりを所管するそれぞれの行政機関の長は、その水質基準を尊重して、それに関しての事務を処理していく、こういうたてまえになっております。したがいまして水質保全法によりまして公共下水道、または都市下水路から排出される水質がBODで二十PPMであるべし、こういうふうに規定されますならば、その所管大臣はそれから排出される水資基準を二十PPM以内に維持するように、それぞれの規定に従った指導をされる、こういうことになっております。しかしながら、この対象といたしておます点が、先ほど説明いたしましたように非常に限定されておりまして、たとえばし尿処理場でありますとか、あるいは屠殺場でありますとか、あるいは砂利を取りますところか、そういったところが抜けておるわけでございます。そういった事情がございますので、今回公害基本法が制定されますことで法案も用意されておるわけでございます。公害基本法との関連も見ながら、もっとこの水質保全法による規制対象を拡張していくべきではないか。そういった点につきまして、現在関係各省といろいろ協議相談いたしておるところでございます。
  44. 竹内藤男

    政府委員竹内藤男君) 下水道法におきましては公共用水域水質基準に関する法律によりまして水質基準が定められますと、下水道法に定められております水質基準にかかわらず水質保全のほうの基準が適用されるという体系になっておりまして、水質保全法とリンクしておるわけでございます。
  45. 鈴木一弘

    鈴木一弘君 最後に伺っておきたいのですが、いまのような現在の非常な渇水が続いておりますと、水道用水それ自体が河川がよごれてくるに従ってかなりよごれてくるということもありますが、一つは東京都のように非常に漏水の高いところでは、逆に渇水期になれば下水道というか、汚水といいますか、それを吸引するかっこうになってくる。その辺が非常に心配なだけに、下水道整備というものが非常に望まれるわけですけれども、その対策について一体水道のほうを先にやらせるべきなのか、緊急にということでは防水のほうも容易でないでしょうが、またこの水道の整備も容易でない、その点についてはどんなふうに考えられますか。前回の渇水時にはそういう問題が起きてきたわけです。すでに三割も節約をしなければならないという水道も出てきておる。当然今度は漏水区域から逆に入ってくるということが考えられるのです。この下水道との関係が両方に重なっている問題なんです。
  46. 竹内藤男

    政府委員竹内藤男君) 下水道課長から答弁させていただきます。
  47. 久保赳

    説明員(久保赳君) ただいまの御質問は、上水道が渇水期になると、上水道の中のパイプが通常は圧力水でございますから、地下水その他を吸引するということはあり得ないわけでございますが、逆に渇水期になると吸引するおそれがあるのじゃないかというような御質問かと思いますが、これは上水道のほうは常に両方の水を圧力水で送るというのが本旨でございまして、そのために漏水防止につとめていただきまして、それを第一義的に考えていくべきものであろうかと思いますが、なお、下水道につきましても、現在上水道に比べまして著しく普及の度合いがおくれておりますので、それを並行あるいはそれを追いかけまして急速に整備をしていくべきだと考えております。
  48. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 厚生省だったか、一億総水洗化計画を立てておるというお話がいまありましたね。非常に雄大な構想なんですけれども処理のパーセンテージだけは上げられた。しかし負担の割合は一体どういうふうに考えられておるか。たとえばいまくみ取り式の便所を水洗にするという場合には、大工に聞いて一体どのくらいでできるかといえば二十万ぐらいかかります、こういうふうに答えるわけです。一般家庭でもってそう気軽な支出ではないわけです、この支出は。だからこの水洗化をするということは、趣旨としてはけっこうな話なんだけれども、個人負担でもってあくまでもこれは推進をしていくということなのか、あるいは国なり地方自治体等においてしかるべく負担をしていくという方法を講ずるのか、この費用の負担といったような点についてまで計画としては考えておられるのかどうか。もしそこまでの構想なり計画等がおありだったならば、具体的には一体どういうふうにされるつもりなのか、その点をお尋ねしたいと思います。
  49. 田中正一郎

    説明員田中正一郎君) 先ほども御説明申し上げましたように、都市化された地域では、これは公共下水道を拡張をして公共下水道で七〇%は水洗便所化をしていくということでございます。それからあとの一五%は地域し尿処理施設でと申し上げましたのは、将来ともに公共下水道が伸びてこないというような地域ができておりますが、そういう地域につきましては、その地域だけの、そのユミュニティだけのプラントをつくるという形で、これは昨年からいわゆるユミュニティ、プラントの整備という形で、この補助金も確保されておりますが、始まったわけでございますけれども、たとえば大阪の東能勢林というような集落でございますけれども、こういう集落でこういう地域し尿処理施設ができまして、その部落の水洗化がはかられておる。これは国庫補助三分の一、残りの七〇%は起債で充当するという形で計画が進められております。その他の一五%、これはぼっぱつした農山村になりまするけれども、集落化もしていないというところではまあ浄化槽と——浄化槽もいま都会地でつくられているような浄化槽でなしに、まあいろいろ制約はございますけれども、地下水を使用しないというところでは、外国にございますような吸い込み式の浄化槽、汚泥だけはそこへためまして、あとの放流水は吸い込みをさしてしまうというような浄化槽を大いに普及いたしまして、したがって、また非常に低廉になってくるわけでございますが、まあいまのところでは、大体一つの浄化槽五万以下くらいでできないかということで盛んに研究さしておりますけれども、そういうような浄化槽を普及させることによって、これが水洗化をはかってまいりたい、かような計画でございます。これについては、一応いまのところはまだ国庫補助あるいは起債等は考えていないわけでございます。
  50. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 公共下水道処理する、あるいは地域処理施設を使うというのは、一つ処理方法だと思うんですけれども、問題は個人負担です。いわゆる公共建築物だけの水洗化という意味ではないわけです、一億と言うんだから。各家庭をも含めて全部水洗にしてしまう、こういう考え方なんでしょう。そうすると、一億国民全部がたとえばコンクリートアパートに収容されてしまうということになれば、話はまた別なんですけれども、現在の状況から言うと、そんなわけにいかないと、こう思うわけです。そうすると、個人個人の家庭では、東京なんかは別ですけれども、地方都市の場合は、大部分がいまくみ取り式をやってるわけです。バキュームカーなんというのはですね、非常に大きな役割りを果たしているわけです、現実には。だから、こういう個人の便所を水洗にするというような場合の負担の問題なんですね。いま農山村では吸い込み式浄化槽で五万円くらいだというふうに言われたけれども、五万円くらいだということは、かなり安いことではありますけれども、おそらくそうすると、最低でも五万はかかる。それ以上、ピンからキリまであって、二十万円なり三十万までかかるんじゃないかと、個人の家で設備をするためにね。だからそういったような費用の負担というものはどのようにするのか。あくまでもこれは便宜をはかるけども、費用の負担はこれはまあ個人にまかせると、こういうことになると、そう簡単には普及はしないんじゃないかと、こういう気がするんです。だから、その費用の経減の方法等について、何らかの措置が講ぜられるものかどうかですね。その点、個人の費用負担の問題をどのように考えておられるのか。これをお聞きしたいわけなんです。
  51. 田中正一郎

    説明員田中正一郎君) ここであらためて申し上げるまでもなく、し尿を家屋の一隅にためて、し尿と同居をする生活というのは、実は日本だけでございまして、諸外国ではみんな水洗で、あとの処理はいずれにしましても、全部家の外に水で洗い流してしまうというような生活様式が普及しているわけでございます。これは単に経済力だけの問題ではございませんで、イタリアに参りましても、あるいはフランスに参りましても、もうくみ取りし尿というようなものはないわけでございます。そこで、まあ日本も浄化槽の普及につきましては、実はいままで公費は入れておりませんけれども、ここ数年の間に十倍以上の伸びがございまして、水洗化がはかられたわけであります。何らかの、この浄化槽の普及について公費を導入するという措置は考えなきゃならぬかと思いますけれども、いまのところは、一応そういう生活様式の革新と申しますか、そういうPRでかなり伸びていくのじゃなかろうかということを考えておりまして、まだこれに国費を導入する等のことについては、詳細な検討をいたしていないわけでございます。
  52. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 そうすると、日本だけがそのくみ取り式をやっておるという話なんですが、お昼どきにあまりふさわしい話題じゃないけれども、なかなか切実な問題ですからね。それで、するといまの計画でいくと、一億総水洗化という構想は、ともかく水洗を可能ならしむるような方法を講ずる、費用負担についてはこれはもうそれこそ国民各個人個人のしりの始末だから、個人でもってこれは始末をしてもらう、こういう考え方だ。で、国としてはそこまで、個人の負担のところまではまだ考えちゃいない、こういう話になるわけですね。で、それならばやはり国の指導として、じゃこういう方法が安くできる、あるいはまたこういう方法を推奨する、たとえばそういったような方法でいろいろな公共下水道処理をする方法、あるいは地域処理施設を使う方法、吸い込み式——吸い込み式というのはよくわからぬけれども、吸い込み式で水洗と、こういうのですか、そういうような方法を講ずる。まあいろいろな方法があるけれども、そういう指導をするということであって、要するに個人負担というものは、そこまでは考えていない、こういうことになるわけですね、結局は。
  53. 田中正一郎

    説明員田中正一郎君) いえ、先ほども申しましたように、七〇%は公共下水道で、いまここで御審議いただいておりますような公共下水道を大いに普及することによって水洗にしていくのだということなんです。残りの一五%は地域し尿処理施設を——これは国費も導入した上で水洗化をはかっていく。最後の一五%だけは、これは農山村になりまして、それぞれの家庭の浄化槽ということになりますので、またこれはっくり方もいろいろ考えて、浄化槽で水洗化を考えていきたい、こういうことを申し上げているわけであります。
  54. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 公共下水道が七〇%と聞きましたけれどもね。その公共下水道普及したという場合においても、個人の問題は、公共下水道普及したからといって、直ちに各家庭の便所が水洗に自動的に切りかわるというわけのものじゃないんでしょう。そのことをさっき私は言たのですよ。
  55. 田中正一郎

    説明員田中正一郎君) どうも説明が不十分で申しわけございませんでしたが、いえ、そこでその公共下水道普及をして、終末処理場が完成をした、もういつでも水洗便所にして流し込んでいいということになりますと、ですね、融資を各自でしてもらうのです、それぞれの各世帯がですね。それを昨年までは一世帯当たり、便所の改造、れれから水道を取りつける、汚水管をその下水の管までつなぐという費用はおおむね、一番安いので三万五千円ぐらいかかっておりましたが、どうもこれは金が足りぬじゃないかということでございますので、ことしからは四万五千円に引き上げて、そういう金を国で融資をするという制度で、これは大体二十カ月、四万五千円といたしますと、月二千円余りになりますか、二千円余りの月賦で金をお貸しして、それぞれの家庭の水洗化をはかっていただくという施策をとっているわけでございます。
  56. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 結局、個人負担の場合は、それじゃ月賦でもって処理できる、月々くみ取り料がいままで五百円ぐらいだったとすれば、水洗にした場合は、これは二千円ぐらいに、多少割り高になるけれども、そういう方法でもって国の公共体のほうで融資をしていく、こういうのが公共下水道普及に伴って、つまり七〇%の中には全部そういう方式が含まれると、こういう意味なんですか。
  57. 田中正一郎

    説明員田中正一郎君) そのとおりでございます。
  58. 藤田進

    委員長藤田進君) 他に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  59. 藤田進

    委員長藤田進君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。両案に対し御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
  60. 春日正一

    ○春日正一君 いま提案されてます下水道整備緊急措置法案これに対して私は日本共産党を代表して反対いたします。  今日、下水道の早急な完備は、国民の切実な要望となっています。にもかかわらず、わが国の下水道事業が諸外国に比べて著しく立ちおくれ、東京ですらボンベイ以下の二四%という低い普及率にとどまっていることは、政府も認めているとおりであります。わが党は、このような状況のもとにある下水道施設の緊急な整備を強く要望するものであります。しかし、この法案に基づいて策定される新下水道整備五カ年計画と、政府の下水道政策は、決してこの要望にこたえるものではありません。  反対理由の第一は、新五カ年計画の遂行によって、都市計画税、受益者負担金、下水道料金の値上げなど、地域住民に対する負担が一そう増大するからであります。歴代の自民党政府は、下水道事業に独立採算制を押しつけ、受益者負担の名目のもとに住民の負担を強め、河川汚濁、工業用水の汲み上げによる地盤沈下排水計画を無視した工場建設による浸水の激化など、主として大企業、大会社によってつくり出されてきた生活環境の悪化を、国民にしりぬぐいさせる政策をとってきました。佐藤内閣は、新五カ年計画においてもこれを改めるのではなく、逆に強める方向をとっています。そのことはすでに本委員会の審議を通じても明らかであります。政府は昭和三十九年度から実施してきた事業費四千四百億円の計画を改定して、新たに九千三百億円の五カ年計画を発足させ、その初年度である今年慶予算から、国庫補助金を従来の大都市四分の一、一般都市三分の一から一律に十分の四に引き上げ、これによって下水道事業が大幅に進行するかのように言っています。しかし、国庫補助金は依然として建設資金のごく一部に過ぎません。新五カ年計画によって二倍以上に拡大される膨大な資金の大部分は、起債と都市計画税、受益者負担金などでまかなわせ、その結果、年々増加する起債の利息は、下水道料金の値上げで支払わせるものになります。すでに、行政管理庁は、昭和四十一年九月の勧告の中で、都市計画税の徴収の推進、受益者負担金制度の促進、適正な使用料の決定と徴収の確保等々、人民に対する収奪強化の方向を打ち出しています。建設省、自治省はこれを受けて、都市計画税を徴収していない市町村に対しては賦課徴収するよう強く指導せよとか、受益者負担金を徴収する制度を持たない都市は積極的に採用すべきであるなどの通達を出し、受益者負担金制度を広げるための標準省令案を作成するなど具体化しています。この事実は、佐藤内閣が強行しょうとしている下水道整備五カ年計画が基本的に人民の利益に反するものであることは明らかであります。  反対理由の第二は、この五カ年計画の実施を通して官僚統制が強化され、地方自治が一そう破壊されるからであります。下水道事業は、本来地方自治体の国有の事務であり、その計画は、地方自治体と住民の間で自主的に決定されるべきものであります。したがって政府の果たす役割りは、その実施に必要な財政的援助、あるいは幾つかの自治体にまたがる事業についての調整等にとどめられるべきであります。にもかかわらず、政府は流域下水道整備河川汚濁防止対策、新市街地対策等、広域的な事業を重点とした計画を一方的に決定し、建設資金の一部にすぎない国庫補助金あるいは起債の認可をてことして、都市計画税の創設と値上げ、受益者負担金制度の採用、下水道料金の値上げを迫るなど、地方における下水道事業の自主的な運営を妨げ、不当な干渉を一そう強めようとしています。そのことは、行政管理庁の監査報告だけでなく、建設省、自治省の通達が、これらの都市、受益者負担金制度を採用している都市に対しては、国費の補助及び起債の許可を優先的に考慮する方針であるとして、その制度を採用していない都市との間に行政的な差別をつけるとしていることから見ても明らかであります。わが党は、このような政府のやり方を断じて認めるわけにはいきません。  今日、すでに全国百七十八のの下水道事業実施都市は、例外なく膨大な建設資金の捻出と、年々増大する起債の利息の支払いに追われ、赤字を出しているところも少なくありません。政府の下水道政策は、このような状況をさらに激しくするものであり、決して下水道事業の緊急かり計画的な促進となるものではありません。下水道事業は、本来、道路、公園などと同じように、基本的な都市の施設であり、その整備には国税、地方税を充てるのが当然であります。にもかかわらず、政府は大工場のための埋め立て、産業道路、工業用水の造成など、大企業、大会社の利益を中心とした開発には国と地方の資金を惜しみなくつぎ込む一方、下水道事業のような人民の必要とする事業には国の資金を押え、受益者負担金の徴収や、下水道料金の値上げを押しつけています。  わが党は、自民党政府が以上のような政策をやめて、国庫補助金を大幅に増額し、さしあたって元金、利息の支払いによって財政が著しく窮迫している都市に対しては、起債の利息は全額を国庫で補給し、元金の償還は一時たな上げすることを要求して、反対の討論を終わります。
  61. 藤田進

    委員長藤田進君) 他に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  62. 藤田進

    委員長藤田進君) 御異議ないと認めます。  それではこれより採決に入ります。  下水道法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  63. 藤田進

    委員長藤田進君) 全会一致と認めます。  よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  下水道整備緊急措置法案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  64. 藤田進

    委員長藤田進君) 多数と認めます。よって本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  65. 藤田進

    委員長藤田進君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時十一分散会      —————・—————