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1967-07-05 第55回国会 参議院 決算委員会 第14号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十二年七月五日(水曜日)    午後一時二十分開会     —————————————    委員異動  六月二十九日     辞任         補欠選任      竹中 恒夫君     高橋文五郎君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         亀田 得治君     理 事                 黒木 利克君                 中村喜四郎君                 温水 三郎君                 大橋 和孝君                 竹田 現照君                 黒柳  明君     委 員                 内田 芳郎君                 大竹平八郎君                 木内 四郎君                 佐藤 芳男君                 高橋文五郎君                 仲原 善一君                 山崎  斉君                 山本茂一郎君                 横井 太郎君                 小野  明君                 大森 創造君                 岡  三郎君                 佐野 芳雄君                 柴谷  要君                 達田 龍彦君                 岩間 正男君    国務大臣        大 蔵 大 臣  水田三喜男君        国 務 大 臣  塚原 俊郎君        国 務 大 臣  松平 勇雄君    政府委員        内閣官房長官  亀岡 高夫君        総理府人事局長  増子 正宏君        行政管理庁行政        管理局長     大国  彰君        行政管理庁行政        監察局長     稲木  進君        防衛施設庁総務        部会計課長    春日敬太郎君        防衛施設庁施設        部長       鐘江 士郎君        外務政務次官   田中 榮一君        外務大臣官房会        計課長      鹿取 泰衛君        大蔵政務次官   米田 正文君        大蔵省主計局次        長        相沢 英之君        大蔵省銀行局長  澄田  智君        文部政務次官   谷川 和穗君        農林政務次官   久保 勘一君        農林省農林経済        局長       大和田啓気君        林野庁長官    若林 正武君        通商産業省公益        事業局長     安達 次郎君        運輸大臣官房長  町田  直君        運輸省航空局長  澤  雄次君        建設大臣官房会        計課長      高橋 弘篤君    事務局側        常任委員会専門        員        佐藤 忠雄君    説明員        法務省刑事局刑        事課長      石原 一彦君        農林省農林経済        局金融課長    今村 宣夫君        会計検査院事務        総局第一局長   斉藤  実君        会計検査院事務        総局第四局長   小熊 孝次君        会計検査院事務        総局第五局長   佐藤 三郎君    参考人        農林漁業金融公        庫総裁      大沢  融君        日本住宅公団総        裁        林  敬三君        日本住宅公団理        事        稗田  治君        日本開発銀行総        裁        石原 周夫君        農林中央金庫理        事長       片柳 真吉君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○理事辞任及び補欠互選の件 ○参考人出席要求に関する件 ○昭和四十年度一般会計予備費使用調書(その  2)(内閣提出衆議院送付) ○昭和四十年度特別会計予備費使用調書(その  2)(内閣提出衆議院送付) ○昭和四十年度特別会計予算総則第十条に基づく  使用調書内閣提出衆議院送付) ○昭和四十年度特別会計予算総則第十一条に基づ  く使用調書(その2)(内閣提出衆議院送  付) ○昭和四十一年度一般会計予備費使用調書(そ  の1)(内閣提出衆議院送付) ○昭和四十一年度特別会計予備費使用調書(そ  の1)(内閣提出衆議院送付) ○昭和四十一年度特別会計予算総則第十一条に基  づく使用調書(その1)(内閣提出衆議院  送付) ○昭和四十一年度一般会計国庫債務負担行為総調 書(内閣提出)     —————————————
  2. 亀田得治

    委員長亀田得治君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  委員異動について報告いたします。  六月二十九日、竹中恒夫君が委員辞任され、その補欠として高橋文五郎君が選任されました。
  3. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 理事辞任及び補欠互選についておはかりいたします。  大竹平八郎君から、都合により理事辞任したい旨の申し出がございましたが、これを許可することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  つきましては、直ちにその補欠互選を行ないたいと存じます。互選は、投票の方法によらないで、委員長にその指名を御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事黒木利克君を指名いたします。
  6. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 参考人出席要求に関する件についておはかりいたします。  昭和四十年度一般会計予備費使用調書外六件の審査のため、本日の委員会に、日本住宅公団農林漁業金融公庫日本開発銀行及び農林中央金庫関係者出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 御異議ないと認めます。  なお、人選等は、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
  9. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 次に、昭和四十年度一般会計予備費使用調書(その2)外三件、昭和四十一年度一般会計予備費使用調書(その一)外二件及び昭和四十一年度一般会計国庫債務負担行為総調書を一括して議題といたします。  これより質疑に入ります。質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
  10. 竹田現照

    竹田現照君 総理府に二十八日に資料要求をしてあったのでありますが、どういう都合か、この委員会に間に合わないのでありますが、どうも仄聞しますと、いろいろと各省で、提出資料についていろいろな工作が行なわれているやに聞いているわけでありますが、私が求めました、三十九年度以降の各省次官、局一長クラスに準ずる公社公団に対する、いわゆる天下り転出をしたリストは、これは隠し看板なく、そのままずばり出していただくように重ねて要求をいたしておきますが、長官、お約束をいただきたいと思うのです。
  11. 塚原俊郎

    国務大臣塚原俊郎君) きょう出ませんで、間に合いませんでしたことは申しわけありませんが、できるだけすみやかに提出するようにいたします。
  12. 竹田現照

    竹田現照君 一週間余裕を置いているわけですから、これから、お約束をされた資料はぜひ出していただかなければ審議が思うように進みません。それで、いつまでにお出しいただけますか、要求いたしましたものは。
  13. 塚原俊郎

    国務大臣塚原俊郎君) あす一ぱいくらいに出しましょう。出させます。何だったら、あさっての朝くらいまで余裕をいただいたほうがいいかもしれません、またおくれたら、おしかりをいただくといけませんから。
  14. 亀田得治

    委員長亀田得治君) じゃ、おそくともあさっての朝ということで。
  15. 竹田現照

    竹田現照君 それでは、この間副長官出席をいただいて、たいへん歯切れの悪い問答になっているのです。それで長官に重ねて、私の質問の内容についてはお聞きになっていると思うのですけれども、ああいう退官退職に伴う、明らかに五条適用の乱用であると見られるもの、これについて、今後五条適用をしないということを、長官、ここでお約束していただきたいと思うのですが、いかがですか。もし、できないとすれば、いかなる理由でできないのか。
  16. 塚原俊郎

    国務大臣塚原俊郎君) この前、上村副長官が御答弁申し上げ、そのことは役所に帰ってからいろいろ伺ったし、また、新聞でも拝見いたしました。  ああいった五条適用については、やはり各省庁の人事管理上のことからおやりになっていることであると私も考えておりまするし、いまのように、この次から五条適用は絶対にやつちゃいかぬということを約束せいということは、これはちょっと酷じゃなかろうか。しかし、あれ以来人事局とよく相談いたしまして、人事局のなし得る範囲、私のなし得る範囲等についても検討いたしておりまするから、よく各省と連絡をとりまして、世間から批判の少ないように、また、批判されることのないような措置をとるということは、私としては当然なさなければならない。しかし、絶対にやるなという約束をせよといわれることは、これはちょっとこの場ではお約束いたしかねるわけであります。
  17. 竹田現照

    竹田現照君 それはどういうわけなんです。私、正式におやめになって、いわゆるほかの仕事につかない、あるいは何年かたって、ほかにみずから職を求められていかれる、公社公団等以外のものに転出されることについては触れているわけではない。明らかにその翌日、あるいは旬日を出ずして公団公社に移っていくということが明らかである、こういう者に適用するというのは、私はどう見ても不合理だ、これは不法だ、そう思うのです。あの五条のそれは、そういうような立法の精神ではないと私は解釈しています。ですから、長官がお約束できないという確たる理由を示していただきたい。
  18. 塚原俊郎

    国務大臣塚原俊郎君) 重ねてのお尋ねでありまするが、必ずその者がそのポストにつくかどうかということについて、一〇〇%そうなるとは私は考えられないのであります。そういう意味で、そういうことを予定してあるいはおやめになるかもしれない。しかし、はたしてやめられたあと、そういうところに行かれるかどうかということについては、私はそこまで見抜くことはできないわけでありますから、そういう意味で、ある程度仮定の事実に基づいて云々ということはできないという立場から、私は申し上げているのであります。
  19. 竹田現照

    竹田現照君 私は、仮定の事実ではこういう問題を取り上げなかったのであります。明らかに転出がはっきりしている者、最近の新聞辞令でも出ているわけです。ある省の次官がおやめになって、どこかへ行って、どこか関係の会社の社長になられる、そういうような新聞辞令があるわけです。そういう前提の上でおやめになる事例を私はたくさん知っている。この間も出ました。国会に立候補されるためにおやめになる。これはよほどの事情が——これは立候補してみなければわかりませんけれども、選挙の場合は。しかし、立候補するということは既成の事実のようになって、現に来年の参議院選挙でもそのことがはっきりしている人もいるのです。ですから、そういうことがはっきりしている者にはこれを適用すべきでないと私は言うのです。行く先がぼやっとしてわからない者までだめだということは、私は言っていない、ただしかし、長官がいまお答えになっているようなことを、それをそのまま私が長官の善意を信じて、はい、そうですか、と言っても、これはなかなかそうはいかない。役人というのは、その良識の「良」は官僚の「僚」の識で、これはそう信用ができないから、私はだめ押しのように質問をしているのです。  なお、それでは具体的に、私はたとえば三公社の場合をお聞きしますよ。たとえば、この間も触れましたけれども、社員から理事監事等昇格をいたします。たとえば、普通の社員で、何々公社何々局長、この人が理事昇格をします。そうすると、身分が違いますからここで退職手当が一たん払われるわけでありますけれども、仕事は全然変わらないのですね、きょうもあすも。ただ肩書きの上に何々公社理事という身分が加わるわけです。こういう者に、私の調査が間違いがなければ、全部勧奨退職による退職手当が三公社では払われている、仕事も何も変わらないのに。これは自分の意に反して理事昇格したというなら、それはおれはえらくなることに反対だということで理事を辞退したいというなら別ですけれども、理事昇格する、給料も上がる、これに反対して、自分の意に反するというので文句を言う人はいない。ここで勧奨退職手当が払われているというのは、私はちょっと常識的に許されないと思う。こういうふうな場合、どう考えたって私は不合理だと思うのですけれども、いかがですか。
  20. 塚原俊郎

    国務大臣塚原俊郎君) ただいまの御質問でありますが、役員職員とは、現行制度上別立てとなっておりまして、役員には退職手当法適用されず、職員役員との間には退職手当の通算はなく、また、公共企業体職員等共済組合法においても、長期給付規定役員には適用されないことになっております。職員が、以上のように取り扱いを異にする役員に任命されるのは、人事運用上の必要により公社当局勧奨基づ役員となるものであり、したがって、この場合には、退職手当法勧奨退職として扱うことは不当ではないと考えております。
  21. 竹田現照

    竹田現照君 これは長官、ちょっとこのあれじゃないですか、理事に就任をするのに、君、理事にならないかと言って勧奨をして発令するのですか。これは通常昇格ですよ。三公社の人はでき得れば、三公社のエリートはできるだけ早く理事になりたい、あるいは監事になりたい、あるいは役員になりたいと考えているのはあたりまえだと思うのですが、これは全然仕事が変わらないのに、理事昇格をして給与もよくなる、これにいわゆる整理退職の法を発動して退職金を払うというのは、いまいろいろお読みになったけれども、これはどう考えたって理屈に合わぬと思う。たとえば、公社公団の十万円の職員理事になった。これは仮定でありますが、理事給与がありますから、これは二十万円になるとすれば−一気に十万円も上がることはないと思いますけれども、かなりの理事給与というのは大幅に上がるはずであります。しかし、なったその日から、今度はその給与の六五%が退職金としてやめるときに払われるのですよ。二十万円というと月十三万円です。これは公務員の場合は、勤続年数につき何カ月ということはありますけれども、三公社の場合は、つとめた月数ですよ。三年つとめると三十六カ月分、四百六十八万円が今度また退職後に払われると、こういうことになっているのです、いまのあれでは。これは明らかに大きな退職金約束される立場に立つ。そういう身分転換であるにもかかわらず、何で勧奨退職であれですか、整理退職退職金を払わなければならないのですか。これが四十万円の総裁だということになって、総裁を五年つとめますと、四十万円の六五%、プラス五年間、六十カ月分で千五百六十万円という退職金が払われるわけですよ。そういうことになっているのだ、いまのあれでは。公社役員に対する退職金というのは、言ってみれば四十万円プラス毎月二十六万円の退職金を就任したその日から約束をされている。六十六万円の給与約束をされているのが、いまの公社役員給与なんだ。そういう状態に身分転換をしていくのに、なぜ整理退職退職金を払わなければならぬのか、私はわからぬ。一般国家公務員なり三公社職員には、とても夢みたいな話です。国民だって夢みたいな話だ。こういうようなことが、現実にそういう形に転換をされているのに、いまの長官のような御答弁は、絶対に納得がいかない。それでは、三公社のそういう役員に対する一これは他の公社公団もそうでありますが、役員に対する退職金規定なり何とかいうものを、政府はあらためて検討をして改定をする意思があるのかないのか、これはあわせてお答えをいただかなければ、それだけの御答弁では私は絶対に納得しないのです。どう考えたって不合理なんです。いかがです。長官も初めて聞いたんでしょう、これは。
  22. 塚原俊郎

    国務大臣塚原俊郎君) やめあと、あるいはかわったあと、はたして有利になるかどうかということを判断して勧奨するかしないかということは、これはきめられるものではないということは、おわかりいただけると思うのであります。そういう面から私は申しておるのであります。いや、しかし、事実あなたがおあげになる例は、みんなよくなるじゃないか、いままでが全部そうじゃないかとおっしゃるが、私の立場としては、今度かわったところがはたして有利な条件であるかどうかという予想は、私にはできません。第一問はそういうわけで申し上げておるのであります。  それから第二問のほうは、これはそれをおつくりになった大蔵省との関係もありますから、私一存ではどうかと思いますので、よく相談してみたいと思います。
  23. 竹田現照

    竹田現照君 あのね、おやめになって、言うならば小づかい銭取りのようなところに移っていかれる人に私は追い打ちをかけるようなことを言っておるのではない。いま世論のきびしい批判の対象になっている公社公団等に関する天下り人事に伴う金の扱い方が、現実に私がいま説明をしたようなことが行なわれておる。これは不合理だとお思いになりませんか、と言うのです。前段でお答えになったことは、私はさておいて、いま私が具体的にあげていることについて、これは三公社のような場合には当然なんです。他から理事が入ってくるということはほとんどないのです。大体、国鉄電電専売にしても、まあ大蔵省あたりから入ってくる専売公社もありますけれども、大体何々局長−まあこれは大学でも何年組はいつになったら理事になるということはちゃんとなっているのです。ところてんなんです。だから全然想定外のことを私は取り上げて言ったのではない。現実に白昼堂々と人事行政常識として行なわれていることについて、私は質問をしておるわけです。ですから、こういうことについて不合理だとお思いになりませんか。もし不合理とお思いになれば、いま直ちにお答えができなければ、内閣全般としてこの問題について検討するとかなんとか、前向きの形の答弁というものがないと私は納得ができない。
  24. 塚原俊郎

    国務大臣塚原俊郎君) まあいまの御質問は、よりベターになるということを前提にした御質問、スズメの涙みたいなものは問題にしないとおっしゃった。民間に行く者もあるいは問題外ともとれますが、民間の場合がいい場合もこれはあり得るわけです。そういったものを総合いたしますと、みんな本人がやめられたあと、これからどういうところに行くか、どうなるかということで勧奨云々ということは、私は言えないと、こう言っておるのです。私は筋が通っていないとは思いませんがね。それだけに限って云々するということは言えないわけなんですね。はたしてベターになるか、あなたはいまベターになることを前提としたものだけに限定をしておりますけれども、はたして、世の中の情勢の変化によってはどうなるかわからぬ場面もあり得るわけでしょう。そういう意味で私は申し上げているわけです。
  25. 竹田現照

    竹田現照君 運輸省、どなたか見えていますか。官房長かどなたかお見えになっていますか。−国鉄公社のような場合は、あれですか、理事昇格をするというのは、他から転出する例がありますか。たとえば、石田総裁のような場合は別ですが、普通、何々局長から理事昇格をしていくのが普通でないですか。いかがですか。全く別のところから理事に入り込んでくるというような場合がありますか。
  26. 町田直

    政府委員町田直君) はっきりした資料を持っておりませんので正確なことは申し上げられませんけれども、大体局長、内部から理事になるという例が多いと思います。
  27. 竹田現照

    竹田現照君 それでね、長官。私は国鉄−まあいまちょうどお見えになっているのは運輸省ですからお聞きしましたけれども、国鉄は、他から入ってくるということは、私の調査の限りでは、ないのです。大体職員昇格する。これは、石田総裁のように給料もらっていない人もいますが、これは別です。ところが、ほとんど全部そのまま昇格しているのです。それでその昇格の時期に、私が言ったような、勧奨退職の、いわゆる整理退職に伴う退職金が払われている。仕事は全然変わらないのです。たとえば職員局長なら職員局長で、理事という肩書きがつくのです。ついたその日から、私がさき言ったように、毎月給与の六五%プラス一月じゃないですが、月なら三年なら三十六カ月分の退職金が支払われるような支給の方法身分がかわっていく。これは私は、理事になるのに、ならないうちに勧奨して、理事にならないかなんというそんなばかなことはない。具体的なことを、三公社例等に照らして私は質問しているわけです。いかがです。
  28. 塚原俊郎

    国務大臣塚原俊郎君) そのやめるときの時限において、これは勧奨ということはあり得るのであって、やめあとこういうところに行くからとか、これだけふえるじゃないかとか、これだけベターであり、ベストであるというようなことは考えるべきものではないと私は考えておるのですがね。やめ時限において、勧奨云々ということがあり得るわけでしょう。それから、いま国鉄の例を引かれましたけれども、役員職員というのはおのずから仕事分野が違ってくる、責任分野も違ってくると、こういう考えを私は持っております。
  29. 竹田現照

    竹田現照君 それですからね、国鉄にしても電電にしても、おやめになるのじゃないのですよ。身分がかわってくるだけですよ。だから、いまおっしゃるように、責任があるから、理事としての給与をいただこうと−、昇格をするわけです。これは転職とは言わない。これは昇格と言うのです、世の中常識では。昇格をしていって、職員局長なら職員局長という仕事はきょうもあすも変わらないのだ。ただそれに理事という身分が加わって、公社役員としての責任が加わってくる。だからそれは、給与が二十万であろうと三十万であろうと、きめられたものをもらうわけですから、それはいい。そういう身分がかわっても何もいないのに、きょう理事になったからといって、退職手当を、勧奨退職に伴う特別優遇措置をとらなければならないという理屈はないと思う、どう考えたって。
  30. 塚原俊郎

    国務大臣塚原俊郎君) ただいま職員局云々のお話が出ましたけれども、そういうのはやっぱり間々ある例じゃないですか。全部が全部、職員から役員になる場合、そのままの形で受け継ぐのが全部と私は考えておりません。そういう一つの例をお引きになって矛盾を突かれていると思うのでありますが、しかしいずれにしても、私は、やめるときの時限において、勧奨云々というのは行なわれるべきものであって、それ以後のことについては触れないでいいと、私はこのような考えを持っております。
  31. 岡三郎

    岡三郎君 関連して。長官、いま言われていることは、やめる時点において、将来はわからぬと言っておりますがね、いま竹田君の言っておるのは、将来も明確になっている場合ですよ。そうでない場合を追及しているわけじゃないのですよ。やめるのではなくして、事実上は昇格していく場合に、上の位置につく場合に、わざわざ勧奨退職という形の特別の退職金優遇をする必要がないということは私は当然だと思う。はっきりしている場合において、そういうことをやられることはいかがかということで質問せられているのです。ところが長官の場合は、はっきりしていないから、これはこの時点で勧奨退職だけだと言っておられるが、それは論弁で、いま竹田君が言っているのは、はっきりしている場合どうするかということを言っているのです。どうなんです。はっきりしている場合ですよ。はっきりしていない場合であなた勧奨退職すればそれはおこつちゃう。明白な事実の前において、そういうことをきめることは不当ではないかということを言っているのです。これははっきりしてもらわなければ困る。むずかしいことじゃない。
  32. 塚原俊郎

    国務大臣塚原俊郎君) これはまた同じ問答繰り返すようでありますが、まあどこに行かれるか私はそれは存じません。そのまま上に上がってくる場合も、その時限において、君やめないかという勧奨というものはあり得るのじゃないですか。この辺で君やめるのじゃないかという勧奨はあり得るのじゃないですか。そしてそのあとのことは、私は何回も繰り返すように、その時限においてやれば私はいいことだと、このように考えています。
  33. 竹田現照

    竹田現照君 それは長官、私がいま具体的な例を引いているのは、やめることを言っているのではないのですよ。国鉄電電のいま職員局長であった、たとえばきょうね。それが電電公社理事に、何というのですか、任ずというのか命ずというのか、あるいは国鉄公社理事に命ずる、理事になるだけです。やめるのではないのです。理事国鉄公社理事職員局長なんです。それが任期三年間なら三年間続くのですよ。これはいま三公社の場合、ほかから連れてきている理事なんというものはほとんどないですよ。全部そういう形の昇格なんです・やめるのではないのです。やめるのだったらぼくは何も言っていない。そういうふうな身分転換は明らかである。それは公務員の場合も、公社公団に移るのは昇格のような形でとっていないのと同じことです。具体的な事実をもって私はお伺いしているのであって、やめたときにどうするかということを聞いているのではない。
  34. 塚原俊郎

    国務大臣塚原俊郎君) まあ課長から局長になるというなら、それはお話しのとおりだと思います。しかし、職員から役員になるのですから、やはり課長から局長になるのとケースは全然違う。やはり法律上はっきりしているものですから、そこで勧奨も行なわれるということは、私は差しつかえない、さように考えています。
  35. 岡三郎

    岡三郎君 長官勧奨ということばについてはね、つまり高年齢のぼつぼつ五十八なり五十九になってきた、やめたらどうですかと言うときに、どうもやめたくない。しかしその場合ですね、いまやめたならばこういうふうな優遇措置をとってやりますからということで、それが勧奨ということばですよ。そうじゃないですか。いま竹田君の言っているのは、そうではなくして、明らかに身分はかわりますよ、局長から理事になるけれども、それは退職するということは形の上の問題で、勧奨するという問題の範疇に入らぬ。具体的に言って、すぐそのまま理事なら理事になる。そういうときに身分ははっきりとそのまま移りかわるといっても、これはやめさせるというのではなくて、栄転させるということの中において特別の退職金をつけるという、そんなばかなことはないと言っていると思うのだ。その点だけですよ。勧奨ということばが意味がわからないのだ、長官は。どういうことだか聞いてみなさい。
  36. 塚原俊郎

    国務大臣塚原俊郎君) 私も勧奨はよく調べたからよくわかっているつもりですが、何回も繰り返すようですけれども、職員から役員というこのことで−しかも、行った者が任期も何年間というのがあるし、はたしてその後いい面だけがあり得るという断定もできない面もあり得ると思います。いま御指摘になったようなところですと、そういうこともないかもしれませんけれど、私は一つの省に限って申し上げているのではなくて、全般にわたった場合に、私はそういうことが正しいと考えています。
  37. 岡三郎

    岡三郎君 どういう場合が−…。
  38. 佐藤芳男

    佐藤芳男君 私は、総理府長官のお話は、表と申しますか、紋切り型の解釈と申しますか、そういう点から言っては答弁は正しい。しかし、実際は、先ほどもこちらからお話がありますように、大体年度もこういうかっこうになってきたし、年が幾つになってきたし、たからひとつ公団のほうへ君から行ってもらいたいというぐらいの内々の話は常識上あるのじゃなかろうかと私は推察をする。しかしながら、それが間々はずれることもありましょう。たとえば鉄道公団のごときは、もとの某次官がそこへ入るつもりなのが、事志と違ってとんでもないほうからそこに就任をされたと、こういう実例を私は知っておる。だから公式論から申しますれば、長官のおっしゃるとおりなんだが、実際は、ある程度はそこはなあなあの事実もないとは限らぬが、しかし、なあなあであってもそれが具体化するとは限らぬ。したがって、具体化するとも限らぬものを第五条適用せないで、そしてこれを優遇せないことはいかがなものかというようなことから、私は、そういうような答弁になるのじゃなかろうかと、そう思うのですがね。私は厳然たる事実を知っている。事志と違った事実を知っている。
  39. 塚原俊郎

    国務大臣塚原俊郎君) いま具体的な実例をあげてのお話ですが、それはともかくといたしまして、私は先ほどから繰り返しているように、ある時期にそれよりベターのものが必ず約束されるかどうか、これは保証されないと言うんです。任期もありますね。あるいはその二年の任期というか、あるいは四年の任期というか、それもあると。しかも年齢もそれに達している。しかも、身分職員から役員に変わっていくと、その場合に、私は五条適用をやって悪いと、こうは考えてないということを繰り返して申し上げているわけなんです。
  40. 竹田現照

    竹田現照君 まあこの問題が平生からずいぶん新聞にも出ていますが、いまのような御答弁は、これは世の中には通用しません。いま公社公団に移っていく、あるいはいま私が具体的に言った理事への昇格、これは九九%と言っていいくらい、われわれがいま指摘しているような状態において移っていくんですから、これは明らかなんだ。そうでしょう。たとえば住宅公団の理事に送っていった某省のだれだれ理事、あれは三年つとめたから何年次の者が次に行くと、大体コースがきまつ  ているんだ、これは。だからこういうやりとりの  ときには、ちょっときまり文句のようなやりとり  がありますけれども、これは不文律になってい  る。ですから、こういうようなことが行なわれて  おって、いま私が言っているのは、やめる人間の  ことを言っているんじゃない。どうしてもこれは  いまの総務長官答弁では、二十八日ときょう繰り返していますけれども、各省の良識−国民のまあ世論もあることだから、各省の良識にゆだねると、こうなっている。しかしいまの長官の御答弁のようなことをされていれば、各省の良識のしようがありませんじゃないですか。官僚の僚の字を使った「僚識」はやれるかもしれませんが、こ  のままずっと続いていくだけで、ひとつも改善に  ならない。ほんとうの各省の良識にゆだねるということは、あれですか、私のいま二日間にわたっ  ている質問に答え、国民世論にこたえて、こういうような優遇措置というものをしないような形における良識ある措置を期待をしているということに理解をしていいんですか。
  41. 塚原俊郎

    国務大臣塚原俊郎君) 私は、第五条考え方を申し上げておるのでありまして、この問題が非常に大きな話題になっておることはよく承知をいたしております。私も議運の関係で、特に議運の委員長時代には、公団公社のあり方について、やはり大いにやったほうなんでありまして、世論のきびしいこともよく存じております。しかしきょうは、五条勧奨の問題でありまするので、私は答弁いたしておりまするが、よく世論の動向や委員のおっしゃることもわかりますから、先ほど申しましたように、私には私の考えがありまするけれども、いま五条の釈解を申し上げますれば、勧奨については、私は私の言ったことは間違いないと、このように申し上げているわけであります。
  42. 亀田得治

    委員長亀田得治君) ちょっと委員長から申し上げますが、同じような質疑が相当時間がかかっておるわけですが、竹田君のほうでまたほかの質問があるようですが、前回上村副長官が出られたときに、やはり同じ問題点が問題になりまして、そうしてそのときには行き先がはっきりしておる、しかも現状よりはよくなる、そういった中に五条適用するのは実際上どうかと思う。形式は別ですよ。そういうふうな気持ちが相当強く上村副長官からは出ていた。ところが、どうもきょうはそれが後退しておる感じを受ける。上村副長官はその際に、私からもまあ仲裁的な質問をしたわけですが、五条というものがそのような場合に悪用されないように検討したいという意味のことも言われておるわけなんです。私はそれがやはり常識的な答えだと思っていた。ところが、どうも本日は、政府のほうで打ち合わせの結果、この点はもうがんとして譲らぬというふうな立場で居直っておられるような感じもするわけですが、前回の上村副長官お答えと相当違うんですが、第五条の検討まで前回は言われたわけですが、そういうふうな検討の余地はないんですか。
  43. 塚原俊郎

    国務大臣塚原俊郎君) 亀田委員長はだいぶ先ばしったものの考え方をされておるようですが、私は政府の見解なんかをまとめてはおりません。私の考え方を申し上げたのです。また、どなたにもこの問題については相談しません。上村副長官からは、こういう問題できょう委員会でやってきましたという簡単な話を聞いただけです。ですから、いまの上村副長官が私の意見よりはるかに進歩的な前進した発言をしたというのも、私は初耳なんですが、おそらく上村君の考えは私と違っていないと思うのですよ。私は言い方がぶっきらぼうだから、ことばを少し言いかえなければいけないと思いますが、これはいなかのことばだからかんべんしてもらいたいんですが、率直に五条の解釈を言っているので、しかし、この問題についての世論のきびしいことは、さっき言ったようによく知っております。しかし、法の命ずるところに従ってやることは、私は今日までとった措置は悪くないと思っています。しかしいろんな御批判があるならば、法に従って各省が良識を持ってやるよう、これは私のほうとして関係各省に申すことはできるわけでありますから、そういった措置を私はこれからとる考えでいることは、これは先ほど触れなかったかもしれませんが、これははっきり申し上げていいと思います。
  44. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 私がいま質問しているわけじゃないんだが、前回上村副長官は、第五条がそういうふうに悪用されることはどうもおもしろくない、そういう考え方がにじみ出ていたわけですよ。そういう立場から検討してもよろしい、そう言っていたわけですが、その考えはありますか。第五条は検討する余地があるのかないのか、その点だけはっきりお答えしておいていただきたい。
  45. 塚原俊郎

    国務大臣塚原俊郎君) 上村君から五条の悪用云々ということは私は全然聞いておりませんし、また、政府委員からそういうことも聞いておりませんが、これは上村君から聞いてみましょう、どういう趣旨で言ったか。上村君はおそらく私と同じように、そういった批判があるということ、これも存じておりますから、この法に従ってそれぞれの省庁が良識に従ってやる、やらせる、そういう意味じゃないでしょうか。私はそういうふうにしか考えられませんけれども、これが悪法である云々ということは、上村君はよもやおっしゃったとは思いませんけれども。
  46. 岡三郎

    岡三郎君 関連して。どうも総務長官の、がんこだか何だかわからぬが、ようやくあなたいま良識ということばを言ったのです。それを初めから明確に言って、やっぱりいろいろと問題点が指摘されておる現実において、各省庁が良識に従ってこういう問題について善処すべきであるというふうに思う。画一的にこういうふうに言えないとしても、そういうふうな面について確かに乱用の傾向があるんですよ。何でもかんでもとにかく五条適用という形で、そうすると、そこに問題点があるのだから、その点については、各省庁に良識をもってそういう問題がすっきりするようにひとつ指導したいというふうに、後段に言われたようなことを言われればなかなかいいということになるのだけれども、ことばは居直った形で後退してようやく前進してきたから、いまのこともう一ぺん明確に答弁しなさい。
  47. 塚原俊郎

    国務大臣塚原俊郎君) 私は、質問に対してそのものだけまともに答える性格があるものですから、そういう御質問がなかったから言わなかったんであって、そして岡委員は何かの誤解じゃないかと思うんですが、何も私言われたから居直ったのじゃなくて、私の気持ちは、法に従って各省が良識をもって措置するということは、私から十分連絡し、また伝えるつもりでございます、この委員会の空気もよくわかっておりますから。
  48. 竹田現照

    竹田現照君 それでは時間がありませんから先に進みますが、これはあまり世論に袋だたきにならないうちに良識をほんとうに発揮していただきたいと思います。  次は、行管にお尋ねをいたします。この公社公団に関連をいたしまして、これは二日の朝日新聞のトップ記事に出ておりましたけれども、いわゆる隠れ法人。あの記事はいろいろと間違っているところもあるようですけれども、ああいうようなものが、行管として掌握しただけで三十あるということが記事に載っておりました。これは行管としてどういうふうに掌握をされておるのですか、お答えをいただきたいと思います。
  49. 松平勇雄

    国務大臣(松平勇雄君) ただいま七月二日の朝日新聞の記事を引用されまして、いわゆる隠れ法人ということでございますが、私どもはそういうことばはいままで使ったことはなくて、行管の所管外の法人というような回りくどいことばで言っておりますが、朝日新聞の記事は、ことに私はあそこで談話を発表したこともないわけでございまして、多少違っておる点があるかと思いますが、しかし、朝日新聞の調べたところによると、大体三十ぐらいあるというようなことで、私どもの調べたところでも大体そのくらいはあるわけです。しかし、私どものほうとしては、現在私どもの所管の仕事でないために徹底的には調べておりませんが、御承知のとおり百八の特殊法人に対しまして現在調べておりますので、そういった関係から、関連して現在多少調べておるという程度でございます。
  50. 竹田現照

    竹田現照君 まあ朝日新聞の三十というのは、大体いまの長官お答えで一致しているのですね、いまの段階では。これもあとで触れる問題でありますが、これは、いま公社公団に移ったり、あるいは昇格する者だけが何か袋だたきになっていて、われわれ間尺に合わないという声を聞くのです、これらの人には。この隠れ法人だとか、あるいは民間に行って同じようになっているものは全然対象外だと、こう言っているから、これは片手落ち。国会の追及も片手落ちですが−私は片手落ちにならないように聞くんだけれども、隠れ法人ですね、そうすると、私たくさんいろいろと例を持っていますが、具体的に一つ二つ聞きます。  通産省にお伺いします。四十年の七月の一日に、電気事業法の施行に伴って全国各地に電気保安協会なるものが設立をされています。中央にいま元締め的なものがあるんでしょうけれども、そのときに、いま個々の電気保安協会の主要なるポストというのは、理事長だか何だかだけれども、携わっておられる方はどなたであり、前歴はどこにおられましたか。
  51. 安達次郎

    政府委員(安達次郎君) ただいま全国に電気保安協会は九つございます。これは電気事業所の供給区域ごとに設けられている財団法人でございます。そこで、ただいま手元にそのそれぞれの保安協会の理事長の資料がございませんので御説明いたしかねますが、役所出身者はおりません。
  52. 竹田現照

    竹田現照君 それでは運輸省にお伺いします。ことしの六月の一日に、財団法人航空振興財団というのができましたね、これは間違いありませんか。
  53. 澤雄次

    政府委員(澤雄次君) 六月一日に、運輸大臣の認可を得まして航空振興財団ができました。
  54. 竹田現照

    竹田現照君 ここの私は役員名簿を持っておりますが、これはさておきまして、この振興財団の定員はいま何名ですか、携わっておるのは。
  55. 澤雄次

    政府委員(澤雄次君) 理事の定員が二十一名、監事が二名でございます。
  56. 竹田現照

    竹田現照君 職員は。
  57. 澤雄次

    政府委員(澤雄次君) 職員は別に定員というものはございませんが、現在職員は十二名おります。
  58. 竹田現照

    竹田現照君 この十二名のうち、航空局から行かれた方は何人おりますか。
  59. 澤雄次

    政府委員(澤雄次君) 六名でございます。
  60. 竹田現照

    竹田現照君 六名、間違いございませんね。
  61. 澤雄次

    政府委員(澤雄次君) 間違いございません。これは職員だけでございます。理事には航空局から一名参っております。
  62. 竹田現照

    竹田現照君 これは運輸省航空局からですね。
  63. 澤雄次

    政府委員(澤雄次君) 運輸省航空局から理事に一名、それから課長以下の平職員に六名出ております。
  64. 竹田現照

    竹田現照君 これの運営助成金というものは運輸省から出ているんですか。
  65. 澤雄次

    政府委員(澤雄次君) 運営助成金は運輸省からは全然出ておりません。
  66. 竹田現照

    竹田現照君 これは理事を入れて七名行っていますけれども、これは行管でいうところの隠れ法人として、いま三十と言われておりますが、その中に入っておりますか。
  67. 澤雄次

    政府委員(澤雄次君) 行管がどういうものを隠れ法人にしておられるか知りませんが、私どもは、これは純然たる財団法人でございまして、公団のたぐいのものの変形ではございません。
  68. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 隠れ法人の中にこういうものが入っているのかという意味です。
  69. 松平勇雄

    国務大臣(松平勇雄君) 入っておりません。
  70. 竹田現照

    竹田現照君 それじゃ、隠れ法人というのはどんなことを言うのですか。朝日新聞に書いておる貿易大学とかなんとかいろいろありますけれども、これは貿易大学も、行管に尋ねますと、これはやはり百八の公社公団並みに管理庁設置法に基づくものにしたかったけれども、おたくのほうでははねたということでありますが、これは法律が通っておりませんから、どういう形で通産省から天下っていくのかわかりませんが、こういうふうにやかましくなったら行かないかもしれませんけれど、こういうものはやはり私は隠れ法人だといっていいんだと思うのですが、こういうもの。それから時間の関係ではしょりますけれども、先ほど触れましたように隠れ法人、あるいはまた民間、こういうところに行っている者だけが不問に付せられていたのでは、これは話にならぬ。それから人員を調べてみましても、まだ今度出た週刊誌にもよると、民間に移った人の名簿一覧表が出ておりますけれども、これも総体的にひっくるめて私は官庁人事、とりわけ高級人事のあり方を検討しない限り、その問題の本質的な解決に私はならぬと思うのです。そういう意味で、公社公団人事等について、今後は官房長官が集約をして、いろいろと検討されるということが伝えられておりますが、そういう関連をした全体的な人事問題について、検討されるという内閣官房長官考え方というものは、そのまま了承してよろしいですか。亀岡副長官から……。
  71. 亀岡高夫

    政府委員(亀岡高夫君) ただいま竹田委員の仰せのとおりでございます。これは閣議決定いたしておりまして、広く人材を登用するため、公社公団等特殊法人の役員の任命については、事前に内閣官房長官と協議すること、というふうにいたしてございまして、仰せのとおりの取り運びをしていきたい、こういう考え方であります。
  72. 竹田現照

    竹田現照君 それでは公団のほう、行管長官、私がこの間本会議で公社公団の整理統合についてお尋ねをしてからも五十日、来年度予算の編成その他も順次作業が進んでおられると思うのですけれども、調査会から指摘をされた十八、これもひっくるめまして、公社公団の整理統合については、行管としての作業の進捗状況はいまどうなっておりますか。
  73. 松平勇雄

    国務大臣(松平勇雄君) ただいま御指摘のとおり、百八の特殊法人に対しまして調査いたしておりまして、先般もお話し申し上げましたように、八月末を目途にして鋭意調査をやっております。実は中間報告のできるようなものにつきましては、逐次行政監理委員会にかけまして、審議をわずらわしておるわけでございます。しかし、まだ結論を出すというところまではいっておりませんので、行管といたしましては、予算の編成の始まる八月末までには一応の結論を出して、そして行革本部にはかり、あるいはまた行政監理委員会にはかって、そしてその後に関係各省とも打ち合わせをし、あるいはまた、その特殊法人を呼んでいろいろ検討いたすというようなふうな段取りで進めてまいる予定でございまして、ただいま順調に進んでおるという段階でございます。
  74. 竹田現照

    竹田現照君 政治資金規正法と同じように、何かわけのわからないうちにまたうやむやとなって、大臣がまたおかわりになるというようなことにならないように、これはほんとうに勇断をもって措置をしていただきたいと思いますが、そこで時間がだいぶ経過をしましたからあれですが、最後のほうに私が触れましたように、さきに二十八日に資料要求を求めていることと、全般的な問題をあわせて検討し、これからもいろいろと審議をしていかなければ、この問題は一朝一夕に解決するものでないと、私ども社会党としては考えているわけであります。そういう意味で、隠れ法人というのはまさに隠密みたいなものでちょっとわかりかねると思いますけれども、この民間会社に転出した者を含めまして1前回は公社公団に限りましたけれども、そういう転出先と、それからやめるときの地位ですね、これの一覧表を、社会党としては過去十年にさかのぼってひとつ資料をととのえていただいて出していただきたい、こういうことを要求をするわけであります。それは勧奨退職になっているかなっていないかを含めましてですね。
  75. 増子正宏

    政府委員(増子正宏君) ただいまの資料の御要求でございますが、一応現在作成中のものと切り離してよいものと承知いたします。それからなお、いま御追加になりましたものの範囲でございますが、転出先は民間というお話でございますが、この転出した者は前回と同様、本省局長相当級ということでよろしいのでございましょうか、その点お知らせいただきたい。
  76. 竹田現照

    竹田現照君 それでけっこうです。
  77. 亀田得治

    委員長亀田得治君) これは人事局長いつまでに出ますか。
  78. 増子正宏

    政府委員(増子正宏君) これは過去十年ということと、それから民間転出先全部を含めてということになりますと、実は前回のものでも、各省資料が出そろいますのにひまがかかったような状況でございまするので、このただいま追加になりました分については、できるだけ早くいたしますけれども、前回より早くということはちょっと無理じゃないかと存じます。
  79. 木内四郎

    ○木内四郎君 ちょっと関連。行管長官にちょっと一言だけ伺っておきたいのですが、発行日は私は記憶しておりませんが、ロンドンの「エコノミスト」が、日本の経済の脅威的発展、日本の経済の運営が非常にうまくいっているということの原因につきまして、有能な官僚が、民間はもちろん公社公団、あるいはいま言われている隠れ法人ですか、そういう方面にたくさん入っておって、政府、官庁と緊密な連絡をとっておることが、今日の日本の経済発展あるいは経済の運営がうまくいっている大きな原因の一つであるということを書いておったように私記憶しておるのですが、行管長官はそれをお読みになっておりますか。あるいは総務長官もお読みになったことがあるのか。ただそのこと一つだけ伺っておきたいと思います。
  80. 松平勇雄

    国務大臣(松平勇雄君) 読んだことはございません。
  81. 木内四郎

    ○木内四郎君 総務長官は。
  82. 塚原俊郎

    国務大臣塚原俊郎君) 寡聞にして読みませんが、ひとつさっそく読ませていただきます。
  83. 岡三郎

    岡三郎君 ちょっと資料要求をお願いしておきますが、先ほど竹田君の質問にあったように、隠れ法人という名前が適当であるかは別にして、朝日新聞調査調査として、行管としても一応調査しているということで、大体概数が一致しているんじゃないかという答弁があったわけでありますが、それをひとつ三十なら三十、すぐわかると思うから、名前を並べて資料として御提出を願いたい。わかりましたかね、いまの点。
  84. 松平勇雄

    国務大臣(松平勇雄君) 先ほどもお話しいたしましたように、隠れ法人というのはどういうことを言っているか私のほうではわかりませんが、一応私のほうで扱っておりますのは、御承知のとおり、行政管理庁設置法の第二条の四の二に規定されておるものを特殊法人として扱っておるわけでありますが、それ以外のもので法律をもつてつくる、ただし、設立の行為は、民間が発起人となっているというものを対象にして私のほうは調べておるわけで、そのものの調べでよろしゅうございますか。
  85. 岡三郎

    岡三郎君 私は、先ほど松平長官が言ったように朝日新聞のほうで調査された、行管のほうとしても大体数は三十ぐらいじゃないかと言われたことばをすなおにとって、その三十なら三十なりをお出し願いたい、こういうことなんです。それは隠れ法人になるかどうかは別です。あなたのほうでいま調査されているのがあると言われているので、それは当然審議の対象になると思って資料提出を求めているのです。
  86. 松平勇雄

    国務大臣(松平勇雄君) わかりました。私のほうは、いまの申し上げましたような方針で調べたのがございますから、それを提出いたします。
  87. 亀田得治

    委員長亀田得治君) よろしいですね。提出を願います。
  88. 大森創造

    ○大森創造君 五月十八日に、住宅公団総裁の林さんとそれから稗田理事に御質問申し上げましたけれども、どうも納得がいきません。私のところでは、林総裁と稗田さんはお偉い方だからあんまり下のことは御存じないだろうと思うのです。第一線でやっていることをあんまり御存じないんじゃないかと想像いたします。そこで、きょうは時間も限られておりますから、ポイントだけお尋ねすることにいたします。  住宅公団の用地買収の手続ですね。これをひとつ簡単でよろしゅうございますから、もう一回繰り返してくれませんか。
  89. 稗田治

    参考人(稗田治君) お尋ねの点は、用地買収の手続というのは、どういうことでございましょうか。
  90. 大森創造

    ○大森創造君 この前も私問題の花見川団地のことについて質問したわけでございますが、地主の代表及び契約代理人というものを中心にして買収を進めたというお答えでございましたけれども、その場合に、不動産業者だとかいろいろございますね、それをひとつわかりやすく簡単に説明してくれなか。
  91. 稗田治

    参考人(稗田治君) 公団の用地買収にいろいろの方式はございますけれども、花見川の団地について申し上げますると、花見川の地主というのは非常に数が多かった。それから当時、あの地域は、都市計画上は無指定の地域であった。したがって、当時すぐ住居区の指定がまだなかったものですから、住宅地の住宅契約という措置が、買収交渉当時はできなかったということで、任意買収の方式をとったわけでございます。任意買収の方式としまして、最初花島、天戸、柏井というような、大体三地区がございますけれども、それらの地区のところの地主の代表という方が、公団のほうにぜひ誘致をお願いしたいということで参ったわけでございます。しかしながら、全体としてまとめますのには、三つの地区の代表だけではうまくまとまらないという見通しもございましたので、最初三地区の代表になっている方々が、地元の素封家である川口幹さんに総地主代表ということで、契約の代理人、あるいは代金受領の代理人ということで総代表をお願いしたわけでございます。そういう経緯でございます。
  92. 大森創造

    ○大森創造君 きょうは地主代表の川口さんもお見えになっております。それから不動産業者の秋山さんもお見えになっておりますから、事実をひとつ言っていただきたいと思います。そこでこういうことですよ。この前、林総裁と稗田さんのお答えは、要約しますと、こういうことを言っている。公団は契約代理人としての地主代表、すなわち、そこにいられる川口さんを相手として一括評価するのです。二十一万坪の土地を一括して川口幹さんにお払いしておる。個々の地主の受け取りは、地主相互間あるいは契約代理人の川口幹さんと地主との話し合いできまるので、公団はこれに介入しないという答弁をされておりますが、事実は全く違うのですね。これは委員長理事打ち合わせ会で、必要とあれば川口さんと秋山さんに席に出ていただいてお答えいただいたら一番はっきりすると思うが、違うんですね、これは。そこでこういうことをお答えになっております。川口氏が地主総代表になっているから、川口氏との間に二十一万坪全体の評価をする。そして川口氏がその単価で金を受け取って、その金の分け方は、向こうでやっている一というのは、公団はあずかり知らないで地主のほうでやっている。その地主の代表の下に不動産業者がいる。いろいろいるでしょう。それは向こうでやっている。その方々でやっているので公団は知らない。つまり全体としての平均価格で買収して、地主代表者は正規の権限で正しく行使するものとして金を出しているというふうにお答えしています。この間の五月十八日の会議録にそう書いてあります。これは事実と反するのですが、どういうことですか。
  93. 稗田治

    参考人(稗田治君) 各地主が地主代表である川口さんに、契約の代理人あるいは代金受領の代理人の委任状を出していることは間違いないことであります。したがいまして公団としましては、川口幹さんと契約を結び、代金をお支払いした、こういうことを申し上げたわけでございます。
  94. 大森創造

    ○大森創造君 それでは、公団が個々の地主について単価をきめるという作業はいたしませんか。
  95. 稗田治

    参考人(稗田治君) 用地をうまくまとめます場合に、先ほど申しましたように、三地区のそれぞれの時点におきまして、川口さんでない地区の代表の方から申し込みがあったわけでございますけれども、だんだんと土地をまとめていくまでに、公団としましても、なるべく地形よく、相当の面積を穴あきなくまとめたいというのは、事業を担当する公団としては当然でございます。したがいまして、それぞれの地主さんをできるだけ説得する、そういうような努力は当然する場合があるわけでございます。で、説得いたしまして、特定の残っておる地主の要望価格と申しますか、そういうものを地主代表側のほうに伝えると、一つの提案としてこういう提案があったということを伝えるということでございます。その場合、公団が値段をきめたというのとは、権限もございませんから、ちょっと違うのではないかと、かように考えておるわけでございます。
  96. 大森創造

    ○大森創造君 前回の御答弁では、簡単に言うて、単価の決定は公団はあずかり知らないと、いま申し上げましたように、向う側できめているんだからあずかり知らないという御答弁でございましたけれども、それでは例を申し上げます。ここに証人がいるのですよ、きょう。第一に、たとえば天戸という所、天戸町の百四十三の一の江口久雄さんの一千五千坪というものと、花島町六十五番地の大野文治郎さんの二千四百十八坪、相当な面積ですよ。に対する単価の決定は、当時−、ちゃんと名前を申し上げます。東京支所の土地第二課長の細井文明さんが直接きめております。坪単価一万一千円ときめていると、で、これは業者のほうが契約明細を公団のほうに出しますね。これは、この点もこの前の答弁と若干食い違うわけですよ。この二人の分を一次から十一次までやりますが、第九次契約明細書には、一応現在飯生七之助という人の業者の名になっているが、これは実際は細井課長がきめたものを自分の名前を出したくないので、私の調べた範囲では、飯生七之助さんという人の、業者の名前を公団のほうに出しているということになっております。それからさらに言いますよ。柏井町の一千二百七十三番地の川口久さんの土地七百三十九坪も、同様に細井課長が単価をきめております。さらに川口氏の土地の評価も青井強という土地第一課長——さっきは第二課長、が直接行ってきめております。だから、この土地についての手数料は、業者、それから地主が全く関係しておりませんから、この分については、手数料を受け取っておりません。それから京成の土地も、明和不動産のあっせんで、公団と京成との間で単価が直接きまっております。これは証人や証拠で明らかなんです。これは前回の答弁と違うのではありませんか。
  97. 林敬三

    参考人(林敬三君) いろいろいま御質問ございましたが、法制上のたてまえ、法規上のたてまえということから申しますと、地主の総代表である川口氏と公団とが契約をいたしまして、また全体の坪数というものを、面積について、それぞれのところを抜き検査をしまして、第三者鑑定機関にかけまして、その範囲内で最も妥当である平均価格というものを出しまして、そしてそれでもって売買契約を締結しているわけでございます。それで、それから先のことになりますと、これもやはり法規上といいますか、文書形式上の、厳密にはそういうことであると存じますけれども、今度は地主総代表と地主の方々とのお話で委任状を出して、そしてそれぞれ分配を受ける、また必要な経費を差し引いてそれを認めて消費していくと、こういう形になってこれが行なわれているということなのでございます。申すまでもなく、小人数の地主のときには、少し人数がふえましても、公団は直接にそれぞれ売買契約をすることをできるだけ原則としておりますが、ここのように、二百名近くの地主がおりますところで、それぞれの土地というものの味わいがみな違うわけでございますし、それからいまにも売りたい、安くてもいいから早く売りたい、そしてお金にしたいという人も大ぜいございますし、また売りたくない、もうここは祖先伝来で売りたくないんだ、あるいはもう少し値上がりしてから売りたいんだ、あるいはそういう予想されるような金額では安過ぎるからと、いろいろなことで、それぞれみんな持っていらっしゃる方の立場が違うわけでありますし、また、なわ延びのある所も、実際測量すると公薄面積よりずっとふえている所とか、町に近い所とか、いろいろな条件がある。それを一つ一つ公団で全部見切って、そこに公平な違いを出しながら買収をするというわけにまいりませんので、地主代表というものを選んで、地主代表という方との間で一括取引をする。さらに大きくなりますと、これが総代表という人を選んで、そしてその間の調整はしていただいて、そちらで内部の責任は持って妥当にしていただくということ。ただし、その間にあまりひどい、世間から見ても妥当でないと思うような不適当な開差があってはいけないということで、公団も気をつけるということでやってまいっておること、この前申し上げたとおりであると存じます。  そこで、いまのお尋ねの点でございますが、なお、私いろいろ担当者も呼びましてこの点調べてみますると、公団は全く関知しないかといったら、そんなことはないのでございまして、御指摘のように、ずいぶんこれは中に入っているということは事実でございます。公団としては、この土地を何とかまとめて、反対もあれば、売りたくない人もあれば、高く売りたいという、いろいろあるのを、できるだけ妥当なところで一ほかの事例をたくさん知っておりますので、そういう知識も出しながら、そんなことは通りませんよ、それは無理ですよ、これはこのくらいでなければだめですというようなことを、中間にあってあっせんをするということをいたしておるのでございますが、決定をするということは、最後は、これはりっぱな社会人である地主代表の方が、自分の大事な土地についての判を押されることでございまして、最後の決定というものは公団がそれを押しつけたということではない。お手伝いはしたし、こちらも売っていただきたいという一心で努力をしたということはあるというのが事実だと私は存じております。
  98. 大森創造

    ○大森創造君 林総裁の言われたことはこの前も聞きましたし、私もよくわかっているのですよ。そのお話はそのとおりだと思うのです。事実がそれと違うから、きょうは再び御質問申し上げているので、それで川口さんのほうで、地主代表として、契約代理人としていろいろなことをされて決定しているのじゃないのですよ。いま申し上げたのは、前回の御答弁と違って明らかに、私は名前を二人あげましたよ。その人が決定をしているんですよ。川口さん、地主代表がダシに使われているのですよ。私の申し上げるのはそういうことです。  それではもう一つお伺いしますが、ここの地主、百何十人ほどおりますね。その地主が幾らで公団のほうへ売ったかという、その坪数や単価などというものは、やはり公団のところには来ていないのですか。
  99. 稗田治

    参考人(稗田治君) 結局、各地主の持ち分の土地に対する地主代表のほうからの受け取り額のことでございますか。
  100. 大森創造

    ○大森創造君 こういうことですよ。百七十何人かの地主がいる。二百人足らずの地主がいる。そして二十一万坪ある。それで公団のほうは、これは買いたいというのですね。いろいろ土地条件によって、二ユアンスの違うことは林総裁言われたとおり、そこはわかりますよ。私のお聞きしたいのは、それならば二百人足らずの地主について、この人の分は何坪で幾らで買ったかということを押えてあるでしょう、公団は。
  101. 稗田治

    参考人(稗田治君) それは契約上は、平均の単価で各地主の持ち分の坪数をかける、そういう契約のしかたになっておるわけでございます。
  102. 大森創造

    ○大森創造君 そうじゃないでしょう。これは地主代表とは、それは形式であって、実際は不動産業者が個々の地主について、土地の銘柄、坪数、単価と、それから支払い額と克明に書いたものを東京支所を通じて公団のほうに出しているのです。それを業者のほうは、私の調査によると三部もつくっているのです、御丁寧に。三部つくって二部を公団のほうに提出したが、公団はこれを見てから一部返すことになっておる。前回私が御質問申し上げたところが、そういうことはあずかり知らないということを御答弁になったけれども、きょうの御答弁によると、やはり相当程度介入しておるということはお認めになっておるようだが、いま申しましたように、坪数、単価、支払い額までおたくのほうで押えているのは事実でしょう。そうでない役所はないですよ。その写しをここに持っています。ちゃんとあなたのほうに出した写しです。坪数、単価、支払い額と、こまかく書いてあります。ただ林総裁や稗田理事は御存じないからじゃないですか。
  103. 稗田治

    参考人(稗田治君) 先ほど申しましたように、三地区のブロックに分かれておりましたので、そこのブロックから代替地区はこういうようなことでまとまる、そういうような資料が出まして、それを東京支所のほうから川口さんのほうに届けたということはございます。それから前にも申し上げましたように、所轄の税務署のほうに送る取り次ぎの書類は出て、それを取り次いでおるわけでございます。
  104. 大森創造

    ○大森創造君 ここに書類がありますからあとでごらんいただきたいと思うのです。これはどういう意味の書類か、これはあとでごらんいただくと同時に、ちょっと私も御質問いたします。そこで、時間がありませんからポイントだけお伺いいたします。私は抽象論じゃないのです。そうして住宅公団がこれからずっと買っていきますから、住宅政策というものは日本政府最大の問題ですから、そこで、私がお聞きしたいのは、前回問題となった、いわゆる調整金という問題ですね。これは前回の御答弁では、土地代として払うのだから調整金の使途はわからないとお答えになっております。ところがその後私が調べたところによりますと、この調整金なるものは、そもそも公団側で示された形跡があるのですね。その内容は四十年の十月、公団は花見川各地区の平均買収価格を発表した後、数日後花島地区、これは第一明和1これは計画倒産いたしました。花島地区を主としてやった第一明和という会社は計画倒産です。それから柏井地区というのは船越さんという人がやっている。そこに幾らの調整金を出しましたか。金の出どころは公団以外にないのですよ。そこで三、一の割合で、きめたというのは課長ですよ。さっき申し上げた課長がきめたのです。花島地区の第一明和のほうには三千万円、柏井地区のほうには、船越さんのほうには大体一千万円ぐらい調整金として明らかに公団のほうから出ているでしょう。
  105. 稗田治

    参考人(稗田治君) 公団のほうからは、用地買収の土地代金という支払いでしておるわけでございまして、あるいは川口さんのほうにそういうような書類を取り次いだとすれば、先ほど申しました地区の代表の方が、どうしてもこういった調整金がないと円滑にうまくまとまらないというような申し出があって、それの額を川口さんのほうにお取り次ぎをした、こういうことだと思います。
  106. 大森創造

    ○大森創造君 稗田理事が、だと思うということで、事実をお知りにならないから、具体的な事実を申し上げますというと、これは調整金の請求書が出ているわけですよ。株式会社第一明和代表取締役内田という人から、日にちは昭和四十一年の八月三十日。そこで名あては日本住宅公団東京支所長殿。「下記支払金は柏井団地、花島地区一部」1花島地区を取り持ちしたのは第一明和というところ、これは計画倒産している。いわゆる調整金です。「難行した地主の取纏め及仲介人その他に支払たる金額です本支払金に関しては一切当社として責任を持ち貴公団には一切御迷惑をお掛け致しません。」、ずいぶん悪文で一切一切と書いてございますが、その内容は非常にこれは問題なんです。そこで、これはいわゆる調整金の内訳、私はここに持っておりますが、一千四百九十七万円という調整金の支払いの請求書ですよ、これは。このことが実際に−川口さんもここにおられますが、この金額を支払うことについてこれがものをいっているわけですよ、この書類が。これはとってもふしぎなんですよ。そこであとから申し上げますが、第一明和の花島地区については三千万円以上、柏井地区については、船越さんという不動産業者のほうには一千万円出したというわけです。ところが、もう一つの天戸地区の業者の秋山さんという人、きょうはそこに来ていますよ。これがこのことを聞いて、花島地区担当の第一明和のほうに三千万円以上、柏井地区の船越さんのほうに一千万円以上出しているのだから、土地条件がそれほど違いのない私のほうに−天戸地区を担当している業者の今度は秋山さん、きょうは来ております。この人がその事実を聞きつけて、それから間もなく、私のほうも土地条件がたいして違いがないのだから、花島地区を担当した第一明和さんと同じように、あるいは柏井地区を担当した船越さんと同じように、ひとつ調整料をちょうだいいたしたいという申請を出したわけです。御相談を、場所は柏井仮事務所でそういうことをやったわけです。こんな金を不公平に出されては困るということを抗議したけれども、公団側はいろいろなことを理由にして聞き入れなかった事実がございます。そして業者が公団に提出した個人別の支払い明細書の中にこの調整金の科目があることは、一般の土地代金支払い分と別個に公団がこの調整金を支給したということになるのではないかと思います。これいかがですか。
  107. 林敬三

    参考人(林敬三君) 調整金を公団が直接支給したことはございません。で、おそらくそれは、公団は地主総代表に一括して土地代金をお支払いした、その中でこの必要な調整金を地主総代表の方、あるいは地区代表の方が、手伝いをしたその専門のそういう人にお払いになったと、こういうことであろうと存じます。そこでただ、それじゃ全然関知していないかということでありますが、ああいう大ぜいの地主さんがおって、いろいろ複雑な土地になっているというところでは、公団も、先ほど申しましたように、何とかしてこれを買収したい、そして仕事を進めたいという気を一番持っているのは公団でございますので、そこで、その間に入ってお手伝いをするということはあるわけでございますし、また、調整金と申しましても、結局内部取りまとめのためのいろいろな費用だと存じますのですが、この内部取りまとめの費用というのはある意味で必要なもので、これは適切な額においては必要なものである、かように考えるわけでございます。それについていろいろと、他のいろいろなところでのいままでの経験とか、あるいは世間の相場とか、そういうことを、この場合だったらこのぐらいかもしれぬというようなお話はするということはあると存じますし、また、そういう今度は相手方のほうから、いわゆるこれだけほしいんだと、これだけ要るんだという連絡を受けて、そういう書面を受け取るということもこれはあろうかと存ずるのでございます。しかし、結局地主に地代を払う、地主代表に地代をお支払いする、その中でいろいろと高低、それぞれの特殊性に従ってのある程度の金額の差がある支払いをなさり、また、いろいろとそういう事業を円滑に取りまとめるために、中間に入る者に調整金を渡すということが、これはまたある程度、弊害のない程度においてはやむを得ないことであろうかと存ずる次第でございます。
  108. 大森創造

    ○大森創造君 林総裁が言われておることは、ぼくはわかっておるのですよ、もう調査済みなんです、そういうことは。私の言っていることは、具体的な問題です。  それでお伺いしますがね、昭和四十一年の五月十一日と、それから同年の九月二日に第一明和、これは用地買収が済んでから後計画倒産したと言われております。これは現地の人はみな知っておりますが、この第一明和には、これは林総裁はきっと御存じない、第一明和に対し五月十一日明らかに払っているのですよ。うしろの川口さんに聞かれたらわかる、幾ら払ったのか。調整金、それから九月二日に幾ら払ったのか、合計幾らですか。ぼくは一般論は聞きたくないのです。
  109. 稗田治

    参考人(稗田治君) 例の税務署のほうに地主代表から取り次ぎを依頼された書類によりまして、いまここに資料を持っておりませんのではっきり申し上げかねますけれども、千四百万円程度の支払いがあったように私は承知いたしております。
  110. 大森創造

    ○大森創造君 あのね、稗田さんも林総裁も御存じない。なぜこういうことをくどく言うかといえば、こういう作業が全国各地区で行なわれておるということになれば、ゆゆしき問題ですから、私は事実をみんな申し上げているのですよ。これは一般論じゃないのです。ここに持っておりますのは千葉銀行作成の書類なんです。ずっと名前が書いてあって、千葉銀行から払い出した申請、千葉銀行を通じて公団のほうに申請の金額は千三百六十万五千九百円と、もう一つが百六十一万二千六百円、ちゃんとここに明細が書いてあるのですよ、これはこの合計ですよ。この合計というものを申請したのだ。この合計は幾らになるかというとこうなんです。いいですか、一千五百二十一万八千五百円、公団のほうから千葉銀行を通じてこれは払い出されておるのですよ。いいですか、名前が書いてあるのです。一千五百二十一万八千五百円払い出されておる、これが昭和四十一年の五月十一日に。繰り返しますよ、大事だから。一千五百二十一万八千五百円の金額が払い出されているし、同年の九月二日には一千五十二万七千七百七十円、合計二千五百七十四万六千二百七十円が支給されているのです。ところが、この書類を見まするというと、実際に地主に支払った金額との間のズレが相当多いんです、これは。私はその点を問題にしているんです。それ以外のことは聞きたくないのです。これは使途不明金がどのくらいになりますかな、差し引きしますと。もう一回申し上げますから。実際に払った金はこうなんですよ、これは銀行の明細書ですから、カッコして「第一明和申告による」として、これは銀行の用紙です。これは川口さんが銀行で、不安になって持ってきたんですよ、川口さんのほうで。そうすると、実際使った金は一千八十四万二千円ですから、だいぶ差がありますよ、これは。この使途についておわかりになっておりますか、一般論ではございません。
  111. 林敬三

    参考人(林敬三君) この調整金につきましては、先ほど申し上げましたごとく、公団では払っておりません。また払うこともできませんのです。これはおそらくこの事実、地主総代表にお払いして、それからあとでそのそれぞれのところへお払いになった、公団にはさような、これはおそらく調べましても、絶対にさようなことは、支払った証拠もなければあれもないと存じます。ただそういうことは、いろいろよその例とか計算とか、それから情報とか、そういうことについて相当お手伝いをしたということはあるかと存じますし、いまの御指摘の書類も、私の想像でございますが、これは第一明和なり、あるいは銀行なりから、公団に、念のためといいますか、そういう連絡を関係の支所の課長にしたものであろうと存ずるのでございます。  それから地主に払った金額との差額というのでございますが、これは地主代表及び総代表、それと各地主との間で、それでこの必要な経費というものだけは引くということで、それぞれに配分をしていうているということだと存ずるのでございますが、それもこちらとして、その差額をどうするかという権能のあるものでもございませんし、それから、それをまた事実どうしておるというものでもないと存じます。
  112. 大森創造

    ○大森創造君 それでは、これはどういうように解釈しますか。私の調査によると、第一明和に対する調整金の支払いについて、公団職員がどうも全くわけがわからないことをやっているわけです。すなわち、調整金は、他の土地代金とともに一括して、お話のように、一たん地主総代表から川口幹氏に渡されているというたてまえになっているわけです。そうでしょう、たてまえは。ところが、四十一年の五月十一日の昼前に公団の、実名を申し上げます、山田さんという方、係長だそうですね。山田さんという職員が川口さんのところに参りまして、本日午後一時に第一明和に第一回分を払ってくれと言ってきた。これはいいでしょう。ところが川口氏は、公団からまだ支払い明細が返っていませんから、公団から支払い明細がくるでしょう、調整金について。調整金をあずかり知らぬという御答弁ならば、これは食い違ってきますよ。川口さんの言い分は、責任がありますから、公団からまだ支払い命令がないから払えないという。それではということで山田職員が公団と連絡をとって、銀行に来ているかもしれませんから、川口氏ともども三菱銀行の千葉支店に行ったが、そこにも支払い明細は来ていない。そこで川口氏と銀行の、これも実名です、牧支店長代理が公団の青井課長1おいでになりますか、青井課長が電話をするというと、とにかく支払ってくれということであったので、また山田職員が、私が全責任を持つからと、こういうことなんで、やむなくその第一明和に支払ったといういきさつです。このときの額は小川正雄という人の外十五名分で千五百二十一万八千五百円であった。いいですか、先ほど申し上げた数字です。この支払い金額、調整金の支払い金額が、千五百二十一万八千五百円が、先ほど申し上げました五月十一日支払い分、これはあとでどうもインチキくさいということがわかったわけです。つまりこの第一回分で、これらの地主に実際に支払ったのは、ここをよく控えてくださいよ。これだけ受け取っているのですよ、千五百二十一万八千五百円受け取っていたのに、これが第一回、五月十一日。ところが実際に地主に支払ったのは、これは川口さんよく知っているわけですよ。千八十四万二千円にすぎない。その差額が、計算しますというと四百三十七万六千五百円になります。千五百二十一万八千五百円支払ったのだと、調整金を第一回分として。ところが実際に支払った額は、これは川口さんが御存じです、全部押えておりますから。千八十四万二千円しか払ってないので、その差額の四百三十七万六千五百円という金は全く使途不明なんです。これはどういうことなんでしょう。このいきさつおわかりになりますか、おわかりにならぬでしょう。想像だけでしょう。一般論なわけでしょう、林総裁、稗田理事のおっしゃることは。私は実地について調べているので、一般論のお答えは必要を認めないわけです。なぜこういうこまかい数字を申し上げるかというと、あまりにも金額に差がありますよ。第一明和に対する第一回の調整金の支払いは、四十一年五月十一日、第一明和の代表の内田某取締役ですね、この書類を書いた人です、調整金の支払いを。おたくのほうの東京支所長あてに出している人です。本人です。第一明和の代表取締役の内田某に対してなされましたけれども、そのときも川口さんは、使途のわからない金は出せないと強く反対したところ、内田さんは、実はこれを——これというのはこれです、これを公団に出してあるし、見返りの地主の受け取りも出してある、公団に。と言って、これは昭和四十一年八月三十日付です。八月三十日付で第一明和から公団にあてて、マル秘とこれは書いてあります。これは同じ筆跡ですから、第一明和の代表取締役の内田さんの筆跡です。マル秘という文書を見せたわけです、そこにおられる川口さんが。そこで念のために川口さんが公団に聞きますというと、あなた方のほうの下の東京公団のほうに聞きますというと、公団も払ってくれというので、さっきから何回も言いましたが、一千五十二万七千七百七十円を支払いました、現実に。ところが、このうち地主に実際に払ったのは、これは渡辺七吾郎外一名の四百十二万八千円だけで、差額の六百三十九万九千七百七十円は使途不明であります。これは、ぼくは時間がありませんからこちらから一方的に申し上げてあとで御答弁があったら伺いますよ。おわかりにならないと思うのです。川口氏は、その後その責任上——ここをよく聞いてくださいよ。その責任上、この第一明和に対する使途不明金の総額は、いまのやつ合計いたしますというと、加算しますというと、一千四百九十万四千二百七十円の使途について、とにかく川口さんは地主代表ですから、契約代理人ですから、公団のほうで一番比重をかけている川口さんですから、信用があって、確かに皆さん方が言うごとく、川口さんを通じているのですよ。通じてはいるのですが、あるときは、公団の職員がもうこれは出せない、支払い明細がないからというのに、公団の職員が川口さんのところに行って、金を支払え、支払えと言っている。支払い明細もない。そういうものが何もなくても出せと言われて、さっき実名をあげた方々に指示をされている。それから不動産業者も川口さんのところに行っているわけですね。そこで総額、使途不明金を私が言ったら、何でもこれはわからないのです。この一千四百九十万四千二百七十円の使途不明金がわからない。川口さんもわからないのですよ。一番の責任者である川口さんももおわかりにならない。この事情について、第一明和を川口さんが責任上追及しまして、昭和四十一年末までに領収書をつけて収支報告するようにとたびたび要求した。これはあたりまえですよ。公団としては川口さんを相手にして交渉しているのですから、一切を。不動産業者のいろいろなものは、これは川口さんのお手伝いなんです。川口さんが納得しない金は出せないはずですから、川口さん自身が、使途不明金であるというからには、川口さん自身が使途不明金であるというふうに断定をして、そこで第一明和のほうに、四十一年末までに領収書をつけて収支報告するようにたびたび要求したけれども、第一明和のほうは石井とか一いいですか、公団の名前を申し上げます。公団の市川係長と石渡係長にやってあると言って、また公団側の二人が今度は川口さんに電話をかけたわけです。これは知らないということでとほうにくれているわけです、現在。これはどういうことなんでしょうか。何かおわかりになりましたらお答えをいただきたい。
  113. 林敬三

    参考人(林敬三君) いろいろと数字をあげて御質問があったのでございますが、銀行で支払われましたものと、それから地主に渡ったものと、そこに差がある。これは確かにお話のように、想像以上には私どもわかりません、これは。しかしながら、それはそれで、おそらくそれは銀行に渡したのと、それから地主にすぐいくのと、それからしばらくたっていろいろな条件の整ったところで渡すのと、いろいろとそこのあれがあって、それだけの差が出ているんじゃないか。地主の受け取ったときの時点というものがもっと先になってくると、そこで調和がとれてくるんじゃないかという感じもいたすのであります。調整金でございますから、そこの間にある時点をとらえるとこの差が出てくるということもあるんではないかという感じは一ついたします。しかし、それにしても最後に、そういうふうにどうしても相手方が証憑書類を出してこないというのがあって、川口さんがたいへんそこの清算にお困りになっていらっしゃるということにつきましては、公団としては、相当川口さんにもお願いして地主総代表になっていただいたんですし、それからいろいろと関連を持って御一緒に仕事をしてきた点からいって、まことに遺憾にも存じ、また、そんなにお困りになっているという点について、今日まで私深く知らなかったことを恐縮に存ずるのでございます。しかしながら、いまおっしゃったように、これはやはり公団として、私どものほうとしては、いろいろお願いをしたいきさつがございますし、それからお手助けもし、また御要望によっていろいろな書類をつくって差し上げたり、そういうことはあるのでございますが、その最後の決定というものは、いまお話しのように、いわゆる地主総代表と地区の代表、それから地主の方々との関係でございます。で、納得のできない金について判を押したり、納得のできないことについて出したりということは、これはあり得ないことだと私ども考えているわけでございます。りっぱな社会的地位を持った方であり、多年大学でも御教べんをとられておった方でございまして、それで公団というのは、またそんなに強制力とか、執行力とか、迫力とかのある団体ではなくて、むしろ低姿勢でものを買うというところでございまして、それがそんなにゆがめられて、納得できない金を出させられたということではない。これはそれぞれのことをよく調べてみないとわかりませんですが、公団はいろいろ熱心でございます、土地は何とかしてこれを買って、そして一坪でも多く買って、庶民のための安い住宅を提供しようという熱意に燃えてみなやっているのでございますが、それが不行き届きの点があったということになりますと、まことに恐縮だということを深く反省するわけでございますが、お金の取引のことになれば、これはちゃんと判を押して、ちゃんと委任状も出して、そしてそこで出すべきものを出していらっしゃるということなのでございます。それでいろいろと、こちらの係長がどう申したのでございましょうか、何とかしてまとめたいという気はこちらには確かにあったと存じます。そこに何か、こういうときにおいて、結果として御指摘のような無理がどっかにかかったんじゃないかということは反省するわけでございますけれども、しかし、やはり形としてはそういうことなんでございまして、もう世間に信用のあるりっぱな判断力のある方に中心になっていただいて、その方を通して妥当な取引をする、こういうことと存じます。
  114. 大森創造

    ○大森創造君 総裁ね、私の言うのはそういうことではないんですよ。調整金というものが銀行から支払われたということは、ある時点の段階をつかまえるというと、金額のでこぼこはあるであろうということではないんですよ。厳然たる事実と資料基づいて私は言っているのです。もう時間がない。そこで一方的な質問を申し上げます。  私は結論的に言うと、この委員会決算委員会ですからね。そこでつじつまが合わないはずがないんですよ。私と川口さんと長期間かけて、これは現地に行ってそろばんはじいて、こういうふうに見たんですから。それが何ともわけがわからぬのですから。持ち時間が来ましたから終わってくださいということになりますというと、これは何だかわからない。それで林さんおっしゃられたように、反省すべき点がないならないで堂々とやってくださいよ。あなたのお話の中には、反省すべき点があるやに見えておりますが、これはむずかしい話じゃないのですよ。これは私がいままで実名をあげた何人かの人に次回の委員会でも寄ってもらって、その間に準備をして、紳士的にちゃんとそろばん合わしてみたら、どこがどういうふうになっているかということははっきりすると思うのです。それに対して、総裁と稗田さんのほうは一般論でいっているのですから、話が食い違いがあるのです。そのうちに時間が来たのです。これじゃとてもだめだ。  そこで、もう一つ疑問を投げかけておきます。このマル秘書類というのはどういう意味の書類なのか。これを見るというと、代替地の世話人謝礼、現地特別費用とか、わけのわからない費用が二千百九十万四千二百七十円の支出があるので、この業者は内田という業者で、そこで名前をずっと申し上げますと金額が書いてある、これが調整金なんですよ。この文書に書いてあるように、「花島地区一部難行した地主の取纏め及仲介人其他に支払たる金額です」、この金額を合計して一千四百九十七万円、これが調整金ですよ。そのほかに、こう書いてある、二千百九十万四千二百七十円、これは「代替地の世話人謝礼、測量、分筆登記等経費及現地特別費用」です。現地特別費、これは自民党の国会対策費に似ているような気もするのだけれども、ぼくはこういうものは何だかわけがわからぬ。  そこで、時間がかかっちゃうからなんですが、ここで私が質問をして、あなた方がお答えになるということでこれは済ますべきではないのですよ。五十万や百万じゃないんですよ。しかも、花見川団地というものが問題なので、地主の代表がここにおられるんですよ。川口さんに来ていただいておる。あなたが御存じのように大学の先生をやっていられた方ですよ。それから第一明和、それからもう一人の人以外の三人のうちの一人の業者の代表の方がここにおられるんですよ。その人たちとしばしば懇談して、私はいちゃもんをつけるわけではない。こういうことをやったんではどうにもならぬという結論に達したから、私は、いわゆる発展的な意味で、積極的な意味できょう私は申し上げておる。しかし時間切れ−時間切れでもこれはとても片づきません。こういう問答をしたって、私がこういう事実があるじゃないかということに対して、説明資料を持っておられないから、私がだれと実名をあげましたのは、私の言うとおりですよ。いままでの経緯から見て、私はちっともうそは言っておりませんから。だから、そこで時間が大体限りがあり、四人、五人質問者があるからと打ち切られたんでは、私はこの問題を提起したにとどまるので、私は発展的にこの問題をひとつ処理したいと思うのです。  あなた方のほうで用地買収は大問題だから再検討されるということを私も聞いていますよ。だけれども、やっぱり不合理なところが何としても私はあると思う。だからひとつ委員長理事打ち合わせ会において一このことを私がしゃべって、それで皆さん方が答弁したということだけではないのだ。私は、川口さんや秋山さんが納得しない金額が、相当膨大な金額があるのだから、この究明をしていただきたいということですよ。そのほうの保証をしてもらわないと、単なるおしゃべりの委員会になりますから、その点だけひとつ委員長にお願いを申し上げて終わります。
  115. 亀田得治

    委員長亀田得治君) では最終的に、林総裁
  116. 林敬三

    参考人(林敬三君) いろいろ御質問ございましたし、御趣旨はわかります。繰り返して申して恐縮でございますが、公団が土地を買うたてまえは、多人数のときは、どうしても個々にできないときは、代表者と一括契約をするということになっておりますわけでございまして、そしてその場合も、できるだけあとで問題のないよう、また、不公平のないよう、こういうことを公団側として尽くすだけのことは尽くし、しかし目的は達していく、いろいろとぐずる人もいれば、いやだという人もあるのを、何とかして任意買収の形でもって極力——いままで強制力を使ったことはこざせんが、極力そういうことで土地をまとめてまいるという努力をいたしておるわけでございます。  そこで、いま形といいますか、法規といいますか、帳面という形から見まする場合、これは平均単価で地主の総代表の方と、地主の方は全部委任状を出してこられて、それに基づいてお金を払う、あとそれをどう分けられるかどうかということについては、いろいろその地主代表といい、総代表といい、そういうスタッフと事跡局を持っているわけではございませんから、そこで、いろいろな人がそこに雇われてつく場合もある。そして、それに対して公団側としてもいろいろと説得することもあれば、あまりルールからいってもおかしいじゃないかということは、いろいろやりながらそこに関連はいたすわけでございますが、しかし、最終の責任というのは、やはりお金を払ってしまった以上、そこから先のことは地主総代表と地主地区代表と、それから地主の方でもってやっていただく、こういうたてまえでございます。したがって、いまの点、私どものなお関係者については、よく事情を調べます。反省すべき点は大いに反省をしてまいりたいと存ずる次第でございますが、こまかい、第一明和と地主総代表の間でどういうふうにお金がどう使われているかというところまでは、公団側は正式の書類と資料を持っておりませんわけでして、そこのところはやはり関係者としては、もちろんそこからのがれるということではないと存じますけれども、しかし公団だけでこれを調べて、そしてどうと言っても、そこはひとつ向こう側のことということに最終責任的にはなり、また法規的にはなるという形のものだと存じます。なおしかし、これについてよく1関係者に御指摘がきょうはずいぶん具体的にありましたので、調べまして、反省すべきところは反省して自後に資していきたいと存じます。
  117. 大森創造

    ○大森創造君 一言。私が申し上げるのは、土地の買収についてはいろいろむずかしい問題がある。なわ延びとか、いろいろありますよ、土地条件が違いますから。そういうことを言っているのじゃないのですよ。きょう言っているのは、明らかに地主代表や地元の方々が、一番詳しい方々、これは稗田さんや林総裁よりも詳しい方々が納得がいかないという数字を、相当膨大な数字を言う−ているわけですよ。だから、公団側はここのところまでで、あとうは向こう側といっても、関係者が寄ったら、不明金が一千万、二千万という金が生まれるはずがありません、五十万や八十万ならいざ知らず。それでこの書類を見ますと、そこがわからぬのですよ。現地特別費用、これはいわゆる難航した場合の調整金以外の金の請求書ですよ。そして計画倒産。そしてそろばんを入れてみても、一千万から二千万の使途不明金というものは、あなたがずっと説明した以上の問題なんですよ。その問題を私が言っているのですよ。そこで、公団側は知らない。前回の質問では、全部向こう側でやっている、こう言いますけれども、向こう側の人がここに来ておられるのですよ。だから、関係者五、六人呼んで、あとの参考に、私はチェックしてみる必要があると思うのですよ。どこにどうたとかいうこと、そんなむずかしいことじゃないと思うのですよ、私のほうで調べたのですから。こういうことをひとつやっていただきたい。そうでなければ、前段申し上げたとおり、私が話をして、あなた方が通り一ぺんの御答弁をしてそれで終わりということは、私はどうしてもおかしいと思うのです。
  118. 岡三郎

    岡三郎君 いまの話を聞いていると、結局総裁のほうは、地主代表に総ワクを払っている。その中からそういう金が出ているのじゃないか。いま聞いているというと、そうではなくて、調整金というものが別個に支払われているという形の質問が出ているわけです。総裁のほうは、あくまでも地主代表というものに一括支払って、それがどういうふうに支払われていくのか、そういうことについては関知しないというふうなことを言われておりますが、だから問題は、それが中に入っているのか、外から出ているのかということは経理上、調べればすぐおわかりと私は思うのです。だから、そういう点で具体的に言うてそれを調べてもらって、わからなければ、以後は、大森君が言ったように、具体的にひとつ、現地の人もおるわけですから一ざらに問題があるならば一きょうは時間的にないので、証人として1証人はむずかしいなら参考人でもいいから、こういう点をやはり突き合わせてやったほうが、時間が簡単で内容的に言うことはすっきりしていくと思う。いまの話を聞いていると、どうも一般論と具体論の違いがあって、ワクの中に入っているのだ、入っていない−総裁は、どうしても入っているのだ、ごう言っている。だからその点について調査して、具体的な問題が出たらひとつ参考人でもけっこうですが、この問題はそう時間をかけなくてもはっきりする問題じゃないかというふうに考えます。したがって、その点は先ほど大森君が言ったように、委員長理事打ち合わせの中で、そういう経過でございますから、事態によっては参考人として出てもらって、それをちょっと聞けば内容が分明すると私は思う。いまのところ水掛け論的なことになっているので、ワク内に入っているか、入っていないか、至急調査して、それに基づいてひとつ進行してもらいたい。
  119. 亀田得治

    委員長亀田得治君) ちょっと待ってください。同じまたお答えになるのだろうと思いますが、質問者があれだけ言われるわけですから、公団のほうで一度その関係の者を調べてごらんになったらどうですか。
  120. 林敬三

    参考人(林敬三君) いまのお話の、公団で調整金を払ったか、それとも土地買収費として地主総代表に払って、それからその中で払ったか、いわゆる公団の中から見れば、その外側のことか、内側のことかということは、これはもう明らかに外側のことでございます。公団で直接払っていることはございません。そういう金はもう一文もないのです。そんなゆとりも力もない。で、これは土地買収費として払ったものの中から、地主総代表が必要経費としてお払いになったものと存じます。そこで……。
  121. 亀田得治

    委員長亀田得治君) ちょっと待ってください。それはさっきから何べんも聞いているのです。
  122. 林敬三

    参考人(林敬三君) そこで、ところが外側のことでありましても、さっき御質問の中に御指摘のように、公団の支部の関係者というものが出てまいります。その点については、私のほうも調べます。これは一生懸命調べます。しかし、そのあと、第一明和とそれから地主代表の、いろいろなものの関係の深いところになりますと、詳細のことになりますと、公団の力の外側のことになるということだろうと存ずるのでございます。  それからなお、全体として感じなんでございますが、金額も相当大きい。何か公団の職員に不正なことがあるのではないかというようなお気持ちが、ちょっとでもあるのじゃないかと思うのでございますが、これはじょうず、へたといいますか、仕事をやる上の運び方、それからいろいろ熱心過ぎるというところ、そこいらはいろいろあろうと存じますけれども、万々そういうことはない。公団の職員がそれによって私利私欲を得たとか、不正を働いたということは、まず絶対にないと存じております。この前も申したように、今度もまた東京支所の職員が私のところへまいりまして、絶対にその点はないから、それだけはもう信用して答弁をしてもらいたい、こういうことでございますので、ひとっこれは御信用いただきたいと存じます。
  123. 亀田得治

    委員長亀田得治君) それじゃ林さん、あなたのほうも、たてまえは何べんも聞きました。たてまえはそうなっておりましても、実際の現地に関係される方が別個な扱いをしているかもしれません。だから、その点はよく調べてください。質問者にその結果というものを知らしてください。その上で、質問者が納得すればいいし、しなければ、扱いについてはその段階で理事会で相談することにいたします。  では、そういうことで、もう時間がないからこの程度にして、次に行きます。
  124. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 理事立場から、時間がだいぶ食い込んでおりますから、ぼくのほうはできるだけひとつ時間の調整をしたいと思いますので、これから、いま議題となっているところの予備費の問題についてお伺いしたいと思いますので、担当の係はすみやかに全部着席していただいて、質問をまとめてやりますから、まとまった返事をしていただきたい、こういうふうに思います。  現在、四十年度の一般会計予備費の中で、ベトナムに対して七千二百余万円を出しているわけでありますが、この問題については、もう衆議院のほうでいろいろ討議をされておりますから、私はそれになるべく重複を避けて、そうして問題点だけを伺ってみたいと、こう思うわけでありますが、特に私は、このベトナムに対して多額の金が出されているわけでありますが、これは一体、こういうふうな難民救済の意味からいえば、北にも南にもやらなければならないわけでありますが、これが南ベトナムにだけやられているという点が、いままで問題にされているわけでありますが、一体これはどういうふうなところで要求があり、これは外務省のほうにも関係があると思うのですが、どういうふうな要求のもとにこれが支払われたか、そうしてまた、支払うためには政府としては一体どこでどういう段階でこれを決定されたか、あるいは北のほうからは要望がなかったのか。あるいはまた、その間にベトナム協会というものを通じてこれを出しておられるわけでありますが、いままでは、おそらくベトナム協会を通じていなかったはずであります。しかしてこの間の間で、私は資料要求して、資料を見まして、これを見てみまするときに、各財界、工場、こういうふうな方がこの中には理事として入っておられる。こういうところに対してこの金を出しておられるのでありますが、こういうことに対して外務省は立ち会っているのか、あるいはまた、大蔵省のほうはそれに対してどういうふうなけじめをとってこういうものを決裁をしておられるのか、そういう段階についての明確なお答えをひとつ願いたいと思います。
  125. 田中榮一

    政府委員(田中榮一君) 大蔵省等にも関係がございますが、まず、外務省から、ベトナム難民救済のアウトラインにつきまして、要点だけを申し上げておきたいと思います。   このベトナム共和国難民救援事業につきましては、四十一年の一月十二日に、南ベトナムの大使、クワン大使から、椎名外務大臣のところに直接大使が参りまして、現在南ベトナムには難民が約八十万人おる。世帯数にいたしますと約十六万世帯ほどおる。これが月に年にどしどし増加する傾向にあるので、この際何とか日本としましても至急にひとつ救援の方策を講じてもらえないだろうかという口頭の要請がございまして、それから引き続きまして二月の十五日に、これは在京ベトナム大使館より外務省に対しまして、正式に口上書をもって、さきに口頭をもって申し出ました難民救済のことにつきましての要請があったのでございます。そこで政府といたしましては、現在の南ベトナムの難民の困窮の実情を調査し、また、その実際そうであることを確認いたしまして、関係省と緊急に協議いたしました結果、その必要を認めまして、早急に援助の実施をはかるようにいたしまして、三月の一日に、閣議をもって、昭和四十年度予備費から七千二百三万四千円の支出を決定いたしたのであります。そこで、これを三月じゆうにベトナムに救援物資を送らなくてはならぬということで、当時できておりましたベトナム協会に命じまして、ベトナム協会をしてこれが調達、梱包、送付という事業を実施せしめたのでございます。ベトナム協会は、昭和四十年の十月のたぶん十五日ごろと思いましたが、主務官庁である外務省にその設立の申請をいたしまして、十一月にこれが設立認可をいたしております。したがいまして、ちょうどベトナム救援の事業が問題になりましたときに、すでにこのベトナム協会というものができておりまして、ちょうどベトナム協会ができておるからこのベトナム協会を活用して、これによって、ひとつこの援助を得てやったらどうかと、こういうことでベトナム協会を活用したわけでございます。大体経過につきましてはさようなことでございます。
  126. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 問題点をちょっとぼかして答えられたのでもう一度繰り返さなければだめなんですが、南のほうのベトナムからそうした要請があったからということでありますが、南北はやはりいま戦いをやっているのでありますね、そうして南ベトナムだけにそうしたものを人道的な立場から救援をしたんだというので、一応考えられるようではあるけれども、これは一方の国に対しての援助でありますから、私はこの憲法の精神で中立性を確保するという観点からいえば、こうした行ないを閣議で決定をしてやったというやり方、私はそこに非常に問題があるだろうと思うわけです。そういうことに対してのもう少し明確な答弁をしていた、たきたい。同時にまた、このベトナムのこの問題は、いままでは日赤を通じてやっておった。日赤というのは、たてまえとして、できるときから、たとえば敵国側に対しても、赤十字の旗を立てて、そうして救援をするのがたてまえとしてできて、万国に赤十字の協約ができているわけであります。こういうものでやるなら一応は考える余地はあると思いますが、むしろ経済的な、ベトナム協会というものの精神というものは何か。ことにこの中を見てみますと、この中に入っているところの三井物産とか、そういうところに対してこの援助物資が行っておるのでありますから、これは何か財界に結びついておるところの、ベトナム協会そのものに対して一つの結びつきを持ってやっておるのだ。この前の議事録を読んでみますと、その答弁の中では、これはベトナム共和国に対して援助をしたんだということを言っておるのでありますけれども、ベトナム協会の事業に対する援助も含まれておるのではないかという質問に対しても、明確な答弁がなされていない。こういう点からいって、私は憲法八十九条のこれは精神からいっても、非常にここに疑義が生ずると思うのでありますが、この点に対しては、よほど明確な答弁をして、国民に対しての非常な疑惑を晴らしておかなければ、私は今後の問題にも響くと思うのでありますから、こういう点に対しては、相当明確な答弁をしていただきたい、こういうふうに思うわけであります。
  127. 田中榮一

    政府委員(田中榮一君) 当時ベトナム共和国、いわゆる南ベトナムから直接の、難民救済事業についてのわが国に対して要請がございまして、ことに南ベトナムにつきましては国交が正常化されておる国でございますし、従来からいろいろ経済協力等もやっておりまするし、そうした関係から、そうした国交の正常化された国から難民救済事業の要請がございましたので、政府としましては、この要請を受け入れて救済事業を実施することが妥当なりと認めてやったわけでございまして、その辺はひとつ御了承願いたいと思うのであります。  それからいま一つは、赤十字社を通じてなぜやらなかったかという御質問でございますが、当時その赤十字社ともいろいろ交渉したそうでございますが、赤十字社としては、いろいろな事情からして、非常に緊急にこれを送付せねばならぬというような客観的な事情があったものでありまするので、赤十字社としては、そうした事業をお引き受けすることがたいへんむずかしいということで、これを引き受けてくれることに非常に難色がございまして、そこでたまたまできておりましたベトナム協会というものを利用したわけでございます。  そこで、このベトナム協会は、会長が自民党の一萬田尚登氏であり、自民党の議員の人も相当入っております。そういう関係であるいは党利党略のためにというようなあるいは誤解があるかと存じまするけれども、実はこのベトナム協会というのは、この難民救済事業を目的として設立した団体ではないのでありまして、先ほど私が申し上げました、この難民救済事業よりも先にこれができたわけでございまして、これは文化事業をやるとか、あるいは経済援助をやるとか、あるいは医療救護をやるとか、そうしたいろいろな経済、文化の向上とか、そういうものを目的としてつくった団体でございまして、それに財界の人々も相当入っております。したがいまして、物資援助とこのベトナム協会というものとの何かくされ縁があるのじゃないかというような点は、これはもう全然ございませんから、その辺はひとつ御了解を願いたいと思うのであります。  それからこの物資の調達の方法につきましては、当然これは、この調達それから梱包、送付を頼んだベトナム協会が責任を持ってやるのが至当でございます。ところが、まあこういった団体でございまするので、十分能力がまだございませんので、これの業者の選択について外務省側としてひとつ十分考えてくれ、あっせんをしてくれと、こういうベトナム協会のほうからのあっせん依頼がございましたので、外務省としましては、これを通産省とそれから厚生省に、その適当なる業者のあっせんを依頼したわけであります。そこで通産省、厚生省は、省内におきまして相当慎重審議いたしました結果、それぞれ適当なる業者を選定いたしまして、外務省に通知してまいりました。その業者をさらに外務省としましてはベトナム協会に委譲いたしまして、その業者にベトナム協会から直接調達せしめたと、こういういきさつになっておるわけでございます。
  128. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 まあ理論的に聞きますと、なるほどというような説明でありますけれども、私は、これは誤解をされやすい、非常にまずい方法だと思います。それからまた同時に、外務省といたしましては、これほど急激に−赤十字社といえども急激なためによう引き受けないという現状、こういうようなことになるほどあれでありますからして、外地のほうに対しては、どういうふうな現状であるかということを十分把握の上で私はこれに取りかかられたものだと考えるわけでありますが、それでは一体、この物資が向こうへまいりまして、これの配分については、やはり外務省出先機関の大使館のほうで立ち会うなり、適当な配分の方法に対してのけじめはつけておられるのかどうか。
  129. 田中榮一

    政府委員(田中榮一君) もちろんこちらで発送いたしました物資につきましては、べトナム在勤の日本大使館が十分に監督をいたしております。そこで、物資の配給方法としましては、まず、ベトナム政府の難民問題庁という一つの役所がございます。それに一括して渡しまして、そうして今度は難民問題庁が、たとえば向こうの農林省であるとか、日本の商工省であるとか厚生省であるとかいったような、まあそうした各省別のまた、難民の数が各省別に分割されておりますので、その省所轄の難民関係の数に応じまして、その物資を各省別にこれを割ったわけであります。そこで今度は、各省別のやつはさらにそれを地方の−地方にやはりその難民問題庁のまあ地方庁のようなものがございますので、それにさらにこれを分割いたしまして、難民問題地方庁の庁長が中心になりまして、あるいは部長とかあるいは町村長とか、そうしたものと十分に協議をいたしまして、その町村内の難民に公平にこれを分割したと、こういう実情に相なっております。
  130. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 私はいま外務省のほうにちょっと資料としてお願いしておきたいのでありますが、あなたのほうで把握しておられるところの、今度の予備費で難民救済をやったのを、どういうふうに案分して、どこどこに何ぼ何ぼの比率でこれを分けられたか。ひとつ資料としてこれを出していただきたいと思います。  続いて私は、大蔵大臣おいででございますのでお伺いしたいと思うのでありますが、このベトナムの予備費支出を見ましても、あるいはまた、この四十一年度のインドの食糧飢謹に対する救援の予備費支出、これを見てみますと、昭和四十一年四月十九日閣議決定となっているわけです。これは四十一年四月の十九日。それからインドネシアの食糧、水害等に関しても、四月の二十二日閣議決定となっているわけでありますが、どうも私はこういうのをずっと見ておりますと、予備費の支出でこうしたものを出すことが非常に安易に、いままでの慣例として出されておる。同時に、このころであれば議会にはかれぬことはない時期である、こういうふうに私は考えるわけでありまして、私は逆にいえば、こうした予備費の処理方法は議会軽視ではないかと考えるわけでありますが、大蔵大臣といたしましては、予備費の処理に対してどういうふうな考えを持っておられるか、一言お尋ねしておきたい。
  131. 水田三喜男

    国務大臣水田三喜男君) あらかじめ予見できることでございましたら、この予算の中に盛っておるのでございますが、予算の中に計上していないもので予見しがたい需要が起こったときにはこれは予備費で支出いたします。したがって、わかっている限りは予算で処理いたしますので、特にこの予備費支出が、いまのところ、私もずいぶん扱っておりますが、国会軽視というような意味の予備費支出は、実際問題としてはしておりません。
  132. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 確かにそれは国会軽視ときめつけるのは少し私も言い過ぎる点もあるかもしれないけれども、しかし日にちを見ておりますと、国会がやられている時期なんです、その時分は。だから私は、一応そうしたことを国会に対して報告なり、あるいはまた委員会において何か取り上げるなり、私は、国会に全然——これは急激に起こった事柄で援助しなければならぬことだと思って、どんどん処理することはおかしくはないか。私は、特にそういうようなときには、少し国会にもそういう話ができる場合にはしていただきたいと思うのですが、その点はどうでございましょう。
  133. 水田三喜男

    国務大臣水田三喜男君) 特別に意味を持つ予備費の支出とかというようなことは別でございますが、いままで通例、予備費の支出は政府だけでやっておりまして、国会に相談したり通知したりすることはいままでやっておりません。
  134. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 それからもう一つ、それではこれもっけ加えてお尋ねしておきますが、今度の四十年度一般会計なんかをずっと見てまいりますと、災害復旧費に対して予備費の支出が行なわれているのが非常に多いわけです。これは当然そうあるべきであるし、急激に起こったその災害に対しては当然やらなければならぬことはおやり願うのだし、それを何年計画でやるというなら、次年度なら予算に組まれていることは私は承知しているわけですが、しかし、こういうふうにして予備費の中で支出が行なわれておるそれを、不当事項だとか、いろいろ検査院のほうで摘発されている事項は相当たくさんあるわけでありますね、毎年。これは非常に、私は、まあそういう急激に起こった災害でありますから、それの調査やらあるいはまた実情の実地調査なんかに対しても非常に苦労されていることは私よくわかる。あるいはまた、それが十分把握できないままその周囲の環境上早くやらなければならないというので、必然的にその調査がずさんになるということも考えられる場合、こうした不当事項も多いだろうということで、私はそう解釈はしているわけでありますけれども、これを見てみますと、結局決算報告書に書かれているものだけでも四億三千六百万円ぐらいになっているわけです。こういうことを考えて、毎年毎年指摘事項が減らないということに対しては、私はある程度予備費支出の場合に、非常に苦しい立場ではあるけれども、実地調査に対してはもっと明確になるべくするようにしていただきたい、こういうふうに思うわけです。実際私ども調査してみますと、調査に対していろいろな困難な状況もありましょう。しかし、調査したことにして済ませておこうという例も、私は現実において見たり聞いたりしていることがあるわけです。こういう観点からして、私は、予備費の支出に対してはやはり政府でもちろんおやりになるシステムにはなっておりますが、慎重な態度でもって、そして正確を期してもらうと、これがやはり国民に対しての信頼を深める点でもあり、私はいろいろな疑惑のもとを消すことにもなろうと考えておるわけであります。特に私はそういうような意味におきまして、先ほどのもの、ことにベトナムあたりのものに対しても、安易にそうした協会を利用したり、そういう観点に対してもまだまだ配慮を払わなければならない点が足らないのではないかと、私はそういうふうに思いますので、大臣としても、そうしたことに対するほんとうの前向きの姿勢でこれに取り組んでいただきたい、こういうふうに考えるわけでありますが、御所信を聞かしていただきたい。
  135. 水田三喜男

    国務大臣水田三喜男君) たとえば農林省とか建設省とか、災害復旧の要求官庁だけの調査ではなくて、そういう間違いのないように、大きい問題は大蔵省も一緒に立ち会い調査をやってきめているというのが実情だそうでございますが、何しろ復旧事業は急ぐ必要がございますので、急がれるためにどうしても粗漏な調査を免れないというのが、過去の実情のようでございまして、この点については今後十分気をつけて、この調査の間違いのないように心がけたいと思っておる次第であります。
  136. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 それから、これはまた次の問題でありますけれども、この間うちの質問の中で私申しましたが、文部省のほうでは、教授あるいはまた留学生、こういうような方が出られるときに、他団体からの非常な援助を受けておられる。また最高裁におきましても、この間私が申し上げたように、アジア財団あたりからお金をもらっておる。その中で見てみますと、一千ドルぐらいの大きな金額は、日本にアジアの司法官を集めてそして会議をされたときに、その接遇費として予算が組まれておる。だけれども、それではこちらのほうが外国へ行かれる並みの十分な接遇ができないために、その補助として使われたということでありますが、私はこういうようなことこそ予備費支出の対象になるんではなかろうかと思うわけであります。特に新聞などの報ずるところによりますと、会議がありましてこちらから代表が行かれた。その中の人数がごくわずかであって、そしてその大部分の費用が、その旅費は一人分しか出なくて五人分は向こうまかせの費用でやられた。だからして行かれたところの学者、ことに宇宙線の国際会議に出られたわけでありますが、その学者は非常に肩身の狭い思いをして帰った。こういうような報告なんかが出ているわけであります。私は、こういうようなことに対してはもっともっと積極的にこの予備費を使って、必要な学問の交流、あるいはまた発展のため、あるいは平和やあるいはまた経済交流あるいはまた学問の交流という、この親善交流という非常な大事な事柄であり、今後国際関係の非常に進行するにつれて、私はこうした場面は非常によくできてくると思うんでありますが、こういうのにわずか一人分だけの旅費しかもらえなくて、五人の、六人行かれたか五人行かれたかはっきりいたしませんが、その五人分の費用をほかから仰いだというような、こういうあり方は、私はいまの日本のこの状態としてあまりにも情けない状態ではないか、こういうためにはもっと予備費というものの使い方は考えるべきではないか、私はそういうふうな意味におきましても、一方ではもっと慎重に、一方では出とすきにはもっと堂々と出して、そして日本の体面を明確にするのが、私は国のとるべき態度ではないかと思うんでありますが、そういう観点から、大蔵大臣としてはこういう点に対する考え方をもっと幅広く進めて一むしろ話を聞いてみますと、要求してないらしい、要求してないから出さないということでありますけれども、私は、卵が先か鶏が先かの議論と同じであります。だからして私は、大蔵大臣のほうがそういうものをどんどん出してもらうようなシステムにされるならば出されるでありましょうし、少なくとも最高裁あたりでまじめに国民からも信頼されておるところが、わずか一千ドルばかりのものをほかから仰ぐというようなみみっちいことはおやりにならぬと思うのであります。そういう観点から考えますと、この予備費の処理のしかたに対して、私は大きな考慮を払っていただきたい、こういうふうに思うわけでありますが、大臣いかがですか。
  137. 水田三喜男

    国務大臣水田三喜男君) 学者等の海外出張等についての予備費請求というのは、ほとんどいままで各省からございませんで、むしろこれは予備費の問題ではございませんで、あらかじめ今年度どういう会議が開かれるか、学術会議が開かれるかということはわかっておりますので、やはり予算請求の問題でございまして、各省から来たそういう予算の請求については、いままで大蔵省と十分調整の上必要な予算は計上しているんでございますが、その際に特に会議において特別な理由があって出費のあるものというようなことは、やはりそのときの予算折衝によってきめておけば問題ないと思うのですが、それがなくて、しかも予備費の請求も別になかったというのが過去の実情でございます。したがって今後、そういう肩身の狭い思いをしたとか、いろんな事情があるとしますれば、今後は各省においてその点を十分考えた上の予算折衝を大蔵省とやるということによって解決するんじゃないかと私は考えます。
  138. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 原則的にはそれはたいへんいい話を聞きました。大蔵省としても、特に今度の来年度の予算を組むときには、少なくともこういうことに対しては相当配慮をしていただきたい。また各省といたしましても、胸を張っていいものは堂々と請求して、そして予算に盛ってもらいたい、私はそういうふうに思います。こういうようなことが少なくとも起こっていたのでありますから、肩身の狭い思いをしたというのは、やはり外国に対して日本は恥をかいておるのでありますから、こういうことに対しては、どこでそういう段階では歯どめをするかということになれば、私はいま考えて、私の浅い考え方では、予備費でもということを考えたのでありますが、それは予備費の性質ではいけないということになれば、それをどうするか、少なくともそういうことが行なわれておって、それで平気で行なわれているということになれば、私は大問題だと思うわけであります。特に私はこの間うちからも議論を進めましたけれども、少なくとも最高裁といってその関係のところが、国民のほうから正しいところの代表としての信頼を集めているのに、わずかばかりの金を仰がなければならぬという状態を見過ごしておいては私はならぬと思うのであります。むしろ積極的に大蔵省が、そういうときにはこういうふうに使いなさいというぐらいのアドバイスをして、日本の国民に対して広くやっぱり信頼を集めるし、あるいは外国に対してもその品位を保てるような指導もある程度のことまで、私は大臣に対してお願いをしたいという気持ちを持っておりますので、そういう観点はどうぞひとつ大臣とされても十分踏んまえていただいて、政府の中でもそういうふうな話し合いをして、各大臣がそういうような線に沿うてお互いに話し合って、今後こういうことのないようにひとつしてもらうことを大臣から大いに力を入れてあっせんをしていただきたい、こういうことをお願いをしておきたいと思います。  もう時間がありませんので、もう一、二で終わりたいと思いますが、私は外務省にこれからひとつお願いしたいのでありますが、この学校に対しましても、あるいはまた、いまのようないろんな問題に対しましても、アジア財団とか、そうしたものが非常に利用されており、特にまたこの大学におきましては、あるいはまた留学生で最近に、これは文部省関係のことになりますが、何かロッキードの会社の人が職業を偽って入ってきて、そしてそれは学生が問題にして初めてこれが問題になって、そして国立大学の大学協会ですか、そのほうでこれはおもしろくないというのでこれをキャンセルしたという例があるわけでありますが、こういうようなことを考えてみますと、私は文部省に対しては、絶対こういうふうな留学生の交流あるいはまた外国に行ったりする、特にまた最近の問題では、ソビエトあたりにスパイ事件としてあげられておる人がいる、こういうようなことを考えてみますと、これは外務省に司関係があるわけでありますが、一体どこで歯どめをするのか。いろいろ話を聞いておりますと、この間の質疑の中では、これは大学と大学とがやっておるので、文部省は知らないのだということで、それでもっと極端に進めるならば、日本に対して非常に大きなスパイ行動をするために、その大きな金を持ってもぐり込んできた留学生があったとするならば、そして日本の中に非常な混乱状態も巻き起こすというようなことを想像したならば、一体それはだれが歯どめをするか、どこでそれをするんだ、あるいはまた留学生受け入れ、あるいはまた留学生を出す場合の基準というものを文部省が持っているのか、外務省がこれに対してどういうようにその時点で監督しているのか、あるいはまた、これに対しては何かの基準をもって許可をしたり何かするのか、それから留学生が入ってくる、あるいは出ていく場合でも、外務省が。パスポートを出されるが、そこで何かの基準をもってこれをやっておられるのかどうか、これを一ぺんよく聞いておきたいと思うわけであります。
  139. 田中榮一

    政府委員(田中榮一君) 文部省からも御答弁があろうと存じますが、まず、外務省側に関係したものだけを御答弁申し上げたいと思います。  現在留学生は、この内容は国費、たとえば日本政府で招聘して日本で勉学させて帰すというような、政府が負担をして帰すもの、それから学生自体の自費といいますか、自分の費用で来る者、その二つがあるわけでございます。大体におきましては自費で来る者が非常に多いと思っております。で、国費で来る者の約十倍ぐらいは自費で来るわけでございます。そこで、この場合におきまして、大体において一年とか二年、長いのは三年ぐらいでありますが、相当長期の日本の滞在を予期してまいるのでありますので、たとえば、ある国から日本へ来るときには、その国におりまする日本の公館、大使館にいわゆる査証を申請いたします。そういたしますと、大使館におきましてその査証をする場合におきまして、日本のどういう大学に入るか、いわゆる受け入れ大学、それから保証人はどういうものであるか、あるいは研究科目はどういう科目であるか、まあ本人のほんとうに勉学のために来るのか、あるいはどこかでほかへ途中で転向することがないかどうかというようなことをいろいろ検討いたしまして、特にそれを日本の外務省のほうへ伺ってまいりまして、外務省で支障なしと認めた場合は査証を出すようにという指令を与えまして、そして査証を与えております。したがいまして、今日におきましては、あまりたいした間違いはないのでございますが、最近におきましては、観光で参りまして、途中で留学したいというような者も中にありまして、こういう者はなるべく観光は観光で短期の滞在でありますから、これを帰すようにいたしております。留学の場合は、やはり留学の手続をしてということにいたしております。そこで、いまお話しのような何か日本の諜報機関的な活動をするようなおそれをどうしてチェックするかというようなこと、あるいはまた、何かの危険人物等が来はせぬかというようないろいろ御心配もあるのでございますが、こういう点はとことんまでいわゆるせんさくすることは、もちろんこれはむずかしいことと思いまするが、まあ一応のこうしたスクリーンをかけることによりまして、大体の選考はいたしておりまするので、今日まであまりたいした間違いもなく実は過ごしてまいったわけでございますので、外務省といたしましては、そういうような方法で一応チェックをいたしておるわけでございます。
  140. 大橋和孝

    ○大橋和孝君 時間がいよいよあれでございますからちょっと……。  大学教授の交換をやっておられるわけでございますが、そこの中で米国の国際協力局、CIAから非常に大きな金をもらってそして交換をしておる、そしてそれは、費用は六十万ドル、約二億一千万円米国の国際協力局から出ておるわけであります。これの取りきめをちょっと調べてみますと、非常に公平を欠くところのいろいろな条件をつけられておるということ。また一方、中国の歴史あたりの研究体制の中で、文部省でわずか二百万円しか組んでないのに、フォードだとかアジア財団とか、あるいはそういうような団体から三千万円も出ておる、こういうようなことで事が遂行されているというのが現状らしいのであります。そして、その中をいろいろ討議されて、いろいろな原則やら何かを考えられておるというわけでありますが、こういうようなことがどんどんと行なわれておって、私は外務省のほうでは、一体、アジア財団、あるいはフォード、あるいはまたロックフェラー財団、あるいは初め私ども聞いておりましたのは、ほんとうに政府も、あるいはまたそういうようなことは全然度外視したところの財団であるというふうに受け取ったのでありますが、現在では、なかなかそれがいろいろの意味で米国の国際協力局あたりが相当そこに大きなイニシアチブをとってこれが運用されておるということになれば、ここに非常に問題があるわけでありますが、私は、外務省でどうかその点をひとつ国民に対してよくわかるような方法を出していただいて、こうした財団はどういう性格を持っておるものか、そしてこういう財団に対して、こういうような学究の、文部省のいろいろなこういう研究がゆだねられておるということが、私は正しい姿勢ではないと思うのでありますから、そういうことからして、私は、外務省はいまのような財団については、きょうは時間がありませんから、あとからもっと詳しく報告してもらいたいと思います。きょうは私の考えていること、私の調べておる事柄をお話ししながら御意見を伺いたいと思うわけでありますが、時間の関係もございますから、きょうは、そうしたいろいろな財団、最近には日本にどのくらい来て、金額はどうでというもっと詳しいひとつ報告をいただきまして、後日これについてお話をしたいと思います。  それから文部省に対しては、こういうような仕組みは根本的に間違いであると思うわけでございまして、たとえば外国に行かれる教授あたりの必要な分だけはぜひひとつ要求をしてもらって、そしてそういうような金で、一体この変な疑惑を買うような団体から支援を受けて、そして研究しに行く、特に文部省あたりでは問題になりますのは、軍からの金をもらって  日本においてそういう研究がアメリカの軍から出ているというような疑惑を招いておる点もありますからして、文部省のほうでは、そういったことに対して十分なひとつ検討を加えて、今後の予算の請求、あるいはまた間に合わない突発事項であれば、先ほど大蔵大臣にいろいろその面についてもお願いをしておいたわけでありますからして、外務大臣がそうしたことを十分に取りきめて、政府の中でどうかひとつすっきりしたものに今後してもらいたいことを要望して、私の質問を終わります。
  141. 亀田得治

    委員長亀田得治君) それでは、資料提出をお願いしておきます。
  142. 黒柳明

    ○黒柳明君 私は、当委員会において問題になりました共和製糖のその後の処理について若干質問したいと思いますが、特に公庫、中金の債権の保全及び回収の状況、なお、共和の細島工場を引き継いだ第一糖業の設立の経過及びその後の状況について質問したいと思いますが、先ほどから何回も繰り返されておりますけれども、時間が非常に迫っておりますし、このあとまたお一人御質問があるやに聞いております。私も簡明に質問いたしますから、御答弁のほうもひとつ簡単明瞭に要を得て答弁していただきたいと思いますが、初めに、例の共和製糖の事件の発端をつくりました高槻の問題でございますが、何回も繰り返されております、また、新しい問題について若干触れたいと思いますが、御存じのように、林野庁ではこの高槻の評価を三千万、また、四十一年の十一月、農林省、大蔵省から提出された調査報告書によりますと、おおむね十億ないし十五億、さらに地検の起訴状によりますと、この高槻の土地は、その時価は一億数千万円にすぎない、このような評価がなされているわけですが、これは非常に私たちこの事件を大きな関心を持っていた者について一つ一つ評価の価額が出るたびに、なぜこのように違ってくるのだろうと大きな疑問を持たざるを得ないわけでございますが、初めに林野庁の長官に、この林野庁として三千万の評価をされた、これは何回も繰り返されておりますから、簡単でけっこうですから、この状況を御答弁願いたいと思います。  その次に経済局長に、この報告書にございます十億ないし十五億、これについての数字が出た経過を報告していただきたいと思います。
  143. 若林正武

    政府委員(若林正武君) 国有林野の管理処分に  あたりまして、評価の方法でございまするが、相続税課税標準価格、固定資産税課税標準価格、売買実例価格、この三つを平均いたしまして基準価格というものをまず出します。それから第三者の鑑定価格でございますが、この第三者の鑑定価格を出しまして、この両者の平均をいたしたもので評価額というふうなやり方をいたしておるのでごさいます。  そこで、この高槻の事案でございまするが、第三者に鑑定を依頼いたしましたのは、前から申し上げておりますように、日本不動産研究所大阪支所、住友銀行の高槻支店、高槻市森林組合、この三者でございまするが、この鑑定をいたしました評価の時点でございますけれども、これは昭和三十八年六月の時点でございまして、その当時といたしましては、いまだ宅地見込み地としての要件を具備しておらない、こういうふうな第三者の鑑定結果でございまして、その鑑定評価額に基づきまして、評定価格というものをきめたのでございます。先生も御承知のように、もう特に林地というふうな場合におきましても、これが非常に開発等によりまして、その潜在価格というものが顕在化いたしまして、非常に値上がりをするというふうなこともございまして、あの地区は、その後急速に開発が進みまして、土地価格というのが値上がりをしておるというふうな実情になっておりますが、三十八年の六月の時点におきましては、適正であったというふうに私どもは考えております。
  144. 今村宣夫

    説明員(今村宣夫君) 先般国会に御報告を申し上げました政府調査書によりますと、高槻山林の評価につきましては、農林中金の調査報告によりますと、添え担保ということもありまして、正式の評価を行なっていないが、当該山林の一部及び近接地の売買事例より見れば、評価額はおおむね十億円ないし十五億円程度と推定されるというふうに報告書にございます。そのときの一応の推定であります十億ないし十五億ということを積算いたしました根拠といたしましては、農林中金として、第一は、職員を現地に派遣をして、実態を調査したということ、それから現地の近傍類地の売買価格を見てみますと、大体坪当たり一万円ないしは高いところで坪当たり二万七、八千円ないし九千円しておる。これはもちろん造成費を含んでございますが、そういう価格がある。それからなお、四十一年の六月に関西電力に売却いたしましたのが、坪当たり約一万五千円。これは四千坪の売却をいたしたわけでありますが、こういうふうなことを勘案いたしまして、おおむね十億ないし十五億程度ではなかろうかということに推定をいたしたわけでございます。なお、その後、本委員会におきましても、高槻山林の適正な評価花推進すべきであるというお話もございまして、私たちといたしましては、農林中金にそのような指導をしてまいったわけであります。また、農林中金におきましても、その適正な評価については努力を重ねておるところでありますが、現在のところ、この山林は、問題となった物件でもありますし、一回鑑定をいたしたという経緯もございますが、鑑定に応ずる者が少なく、なかなかその適正なる評価ということはむずかしい実情にございます。しかし、今後さらに適正な評価につとめてまいりたいという中金の報告を受けておりますので、政府としてもその方向に即しまして評価の適正化を確認してまいりたい、かように考えておる次第でございます。
  145. 黒柳明

    ○黒柳明君 ただいまのお答えの近傍類地の土地から推定したとか、あるいは鑑定人がなかなか引き受けないとか、このようなお答え非常におかしいことは、・すでに私が再三、局長がいらっしゃったとき言っているわけで、ここでそういう追及をしておると時間がございません。・また、ともかく最近において農中金がまた六億という鑑定をしている。このことについて、当然局長も御存じだと思いますが、はたしてこの六億といつ数字は政府としてオーソライズしたものか、あるいは農中金がオーソライズしたものか、また鑑定書を政府としては見たものやらいなや、その点いかがでしょう。
  146. 今村宣夫

    説明員(今村宣夫君) 先ほど申し上げましたように、農林中金としましても、この適正な評価額を出すべく鋭意努力をいたしておるわけであります。六億という先生のお話の評価額につきましても、いろいろ問題もあるかということも考えますので、さらによく鑑定を取り進めるように農林中金を督励をしてまいりたいと考えておるわけであります。
  147. 黒柳明

    ○黒柳明君 まあ、よく鑑定していただきたいということは、これは当然ですけれども、もうすでにやがて一年経過しようとするその間に、農中金がほんとうに鑑定をする意思があれば、一回だけの鑑定で済ませるわけがない。また、農林当局としても鋭意努力しているとこの場で言うならば、なぜいままで鋭意努力しなかったか、このような疑問も出てくると思うのですが、今度法務省の刑事局にお伺いしたいと思うのですけれども、起訴状によりますと、一億数千万円という、こういう評価額が出ておりまして、これは検察当局の調査ですから相当確信を持っての調査じゃないかと思いますが、これを評価させた根拠といいますか、何回ぐらい調査させたのか、あるいはそのときの数字はどのくらいであったのか、あるいはその妥当性はどうであったのか、このような点について、刑事課長さんいらっしゃいますか、お願いします。
  148. 石原一彦

    説明員石原一彦君) ただいまの御質問の点でございますが、御承知のとおり、共和製糖事件につきましては、現在公判係属中でございますので、まことに恐縮でございますが、詳細につきましては答弁を差し控えさせていただきたい、このように考えます。
  149. 黒柳明

    ○黒柳明君 当然私もそのように思います。この高槻の土地の評価によって、はたして詐欺罪が成立するやいなや、検察当局と弁護人側との大きな論争が、この土地の評価の問題になると思います。したがいまして、いま言いましたような、農中金としても誠意がないと私はそう言いたい。農林当局にも言いたい。ほんとうに鋭意農中金を督促して、正しい評価額を出しているものやいなや、非常に疑問です。ところが唯一のここに根拠は、東京地検で出した起訴状の一億数千万円で、これに対して、ほんとうにこの共和製糖の事後処理がどういうふうになられるか、国民の大きな注目の的であり、また公判を控えて検察当局でも言いにくい問題だと思います。私全部種あかししてもらいたい、こうは言いません。ひとつ、いま言ったような点について、もう一歩触れられる点があれば述べていただきたいと思うのですが、いかがでしょう。
  150. 石原一彦

    説明員石原一彦君) 先ほどの説明十分でなかったようでございますが、実は委員会から御要求がございまして、この公訴事実の要旨を提出する際に、内容につきましては、私ども東京地方検察庁に照会いたしたのであります。ところがこの点につきましては、ただいま黒柳委員もおっしゃいましたように、公判で争われる最大の争点であろうとも思われるわけでございます。しかしながら、東京地検からまいりました報告によりますと、この一億数千万円という鑑定を、ここに一億数千万円という表示をするにあたりましては、一つではない、相当数の鑑定もいたしまして、証拠に基づいて公判で十分立証に耐え得るということで、一億数千万円と認定した、かように聞いておりますが、そのほかの点につきまして、どこに鑑定させたとか、あるいはその内容がどうであるかということにつきましては、先ほど申し上げましたように、公判係属中でございますので、詳細申し上げることは差し控えさしていただきたい、かような趣旨でございます。
  151. 黒柳明

    ○黒柳明君 ありがとうございました。いまのこと一つをとってみても、金融課長のおっしゃることは、何かふに落ちない。鑑定人が引き受けない——引き受けているじゃないですか、ちゃんと。私どもも、地検のほうの情報によりますと、数千万から一億を割った、このような鑑定価格も出てきた。最高の一億数千万円を一応共和製糖の立場に立ったとしてもとったのだ、立ってとったのだ。鑑定引き受け人がいない一いるじゃないですか。引き受け人をさがす、あるいは依頼する意欲がないんじゃないですか。また督促していないんじゃないですか。そこら辺あたりが、またこの一番初めに遡りますけれども、大きな共和製糖事件に対しての債権保全、あるいはそれに対しての回収の意欲ありゃなきや。こういう点の発端がありますので、まだまだ問題は最後までいきますが、一応その発端である高槻のこの問題を出したわけです。  農中金の理事長、お伺いします。お忙しいところほんとうにありがとうございました。いま言いましたように、たとえ農中金の中間報告であったにせよ、六億という評価が出たわけです。また検察当局の一億数千万という評価、これも決してでたらめなものじゃない。数件から取った、こういうことです。妥当性がある、こういう断定です。またこれは公判で争われると思いますけれども、となると、はたしてこの高槻に対して十二億貸した、これは相当な担保不足である。これに対して詐欺された、こういう意識ありやいなや。こういう点が非常にこれは私は問題だと思うんですね。農中金のこの高槻の土地に対しての態度。それからもう一点は、これは先日六月十四日、大森委員の同じく本問題に対しての理事長さんのお答えです。被害届けについて、要するにその意識がありやなきや。この点についての正式の被害届けを出すべきかいなかは、もう一ぺんよく検討して相談いたします、こういう御答弁です。もうあれから一ヵ月たちます。相当の検討をしたと思いますが、いまの二点、はたしてその被害の意識がありやいなや。検討した結果、被害届けは出すのか出さないのか。この二点についてお伺いをしたいと思います。
  152. 片柳真吉

    参考人(片柳真吉君) 高槻の山林の評価につきましては、私も重大な関心を持っておるのでありまして、特に私もさような善後措置というためにも理事長に就任した次第でございますので、全役職員を督励いたしまして、せっかく努力をしてみました。できるだけ債権の管理、保全等に万全を期してまいりたいということで、せっかく努力中でございます。  詐欺の案件は、おそらく面積の問題と土地の評価の問題の二つだと思います。面積の点ははっきり相当の被害が出ておりますことは、これははっきりしておる次第でございまして、ただ、評価の問題は、実はいろいろの見方が当然あろうかと思います。しかし、いま言ったような、私どもといたしましては、今後の債権回収に至大な関係をいたしておりますることは、御指摘のとおりでございますので、私も参りまして実際に鑑定を一部了しておりまするし、なお今後も、まあ率直に言いますと、鑑定にも、こういうような空気の中でございますので、なかなか実は喜んで鑑定はしないという空気だけはこれはあるようでございます。しかし、非常に重大なことでございますから、今後も引き続きまして信用ある鑑定人を委嘱いたしましてやってまいりたい。いま御指摘の、すでに一件鑑定を了しておりまするが、それが何ほどかということは、これは実はほかの委員会でも、今後の処分にも関係しておりますので、これを具体的にひとつ申し上げることは御遠慮さしていただきたいというふうに考えます。  被害者意識がないということはもちろんないのでございまして、私は微力ではございますが、せっかく努力をいたしますことだけは御了承いただきたいと思います。  それから被害届け出の件でございますが、これは大森委員からこの前この委員会でも御質問がございました。この関係は、法務省あるいは検察当局とも御連絡をいたしまして、私ども関係者等がこの案件で相当いろいろ招致をされまして、いろいろ申し上げておるのでございまして、すでに正式の検察当局の決定も済んでおりますので、あらためて被害届けを出す必要がないという見解でございますので、こういうことで特にその後被害届けは出しておりません。そういうことで御了解がついております。
  153. 黒柳明

    ○黒柳明君 ただいまの理事長さんのお答え、私もそのとおりだと思いますし、当然農民の汗水流して働いた貴重なお金を何としてでも新理事長が守っていくと、たとえどんなに権力が一そこに裏に取引があったとしても、ひとつ勇ましくやっていただきたいと私は思います。また被害届けの、意識がないことはないと、このようにおっしゃっておる。またこれを裏づけるには、やはり精神的なものじゃだめだと思います、こういうふうに発展した事件ですから。これを堅実な結果として出していって、そして争っていただきたいと、こう思うのです。それに反して、私言いたくないですけれども、金融課長さんに一言またつけ加えたいことは、そういう近傍類地だとか、あるいは関西電力だとか、そんなことでごまかしがきかないことは、ここにいらっしゃる方、全部わかる。また、そういうことをここで、失礼ですけれども、しゃあしゃあとおっしゃるような、誠意がない、そういう農林当局がこの問題にタッチし、また金融をあずかっている。ここに大きな問題がある。これは大蔵大臣にも最後にお伺いしたいと思うのですけれども、もっともっと督促をしているならいるらしく、推定で十億でも十五億、この問題からさっき言ったように、この事件は発展したのじゃないですか。もっと誠意があるなら、きちっと価格が出せるはずです。これはいま理事長さんから、価格だけは遠慮さしていただきたいと、これは私も聞きはしません。けれども、聞いたところによると六億だと、このようなことを私聞いておりますが、それに対してもっともっとこれから以後いまの態度を改めていかなければならない、こういうふうに思うことを一つつけ加えておきます。また、この問題長くなりますので、これでおしまいにします。  次は債権の回収とその保全の状況ですけれども、公庫の総裁に三点まとめてお伺いします。別々にお伺いするはずだったのですが、時間がございませんで。  第一点は、要するに宮崎工場に対して五億、目的以外の金を流用して、これは償還をかけた。ところが、あとの八億に対しては、全然回収しないでそのまま放置してある。これはどのようなわけか、これがまず第一点です。  また、四十一年十一月二十五日、農林省、大蔵省が報告した公庫の担保供給状況、これによりますと、千葉工場が十二億の評価をしてある。これはどういう評価をしてあるのか、あるいは正式な鑑定書があるのか、鑑定人に評価させたのか、私はこの点わかりませんが、どう見たって十二億なんかならない。一億ないし二億でせいぜいだと、これはあらゆるところから私は傍証を固めております。こういうようなでたらめの評価があるから、また公庫の追徴云々ということはあるでしょう。追徴に対したって全然……、千葉の香取郡小見川工場は、これは千葉銀行に入っております。追徴の価値なし、評価額ゼロです。そのあとの菅さんの個人の土地、これは上が建っていなかった。土地だけ何ぼになるものじゃないですから……。この未放任になっている八億のうち、全然まだ、公庫の取っているものはよく見積もっても半分です。どうしてこのような状態にほっぽっておくか。  もう一点、それは公庫の貸し付けに際して、共和産商が法人保証人になっている。この共和産商の法人保証人、これはまだまだ担保物件として幾らでも価値があるものがあるんです。関西セブンアップ、資本金三億、持ち株二億、南栄糖業、資本金一億、持ち株がQ・四二億、それから南島開発が資本金が一億で持ち株が八千万。要するに、このセブンアップ、南栄糖業、南島開発に対しては、大島汽船や三菱から買いたいと、こう言っている。これを共和産商が持っている。共和系の資産表ですね、これは。この共和産商が法人保証になっておる。であるならば、なぜこの株に、価値がある財産に手をつけないのかと、非常にここがおかしい。ここの点がはっきりしませんと、何か菅さんをかばわなければならない理由でもあるんじゃないかと、こういう疑惑を持たれてもしようがないと思うんですが、その三点について、公庫の総裁にお伺いしたいと思います。
  154. 大沢融

    参考人(大沢融君) お答え申し上げます。  第一点の四億以外の分についてでございますが、これは当時御説明申し上げましたように、細島の分につきましては、虚偽の報告でありますとか、あるいは資金の流用というようなことが、調査の結果、明らかになっております。そうした不都合がございますので、直ちに全額償還を命令したわけでございますが、他の部分に、つまり、千葉の工場、それから水戸の工場につきましては、それと同様なケースとして取り扱うような事情がないということで、その段階では全額償還をかける必要がないというふうに判断したからでございます。  それから、第二点の担保の問題でございますが、これは細島の分につきましては、政府の報告にもございますように、一億五千万円程度の不足があったのでございますが、その後いろいろのものをとりまして、それから、さらに最近一億だけの回収をいたしましたので、担保についての、見合う担保はやや十分あるんじゃないかというふうに考えております。  それから、水戸の工場につきましては、たしか一億二千八百万——ちょっと金額が違うかもしれませんが、債権があるわけでありますが、これも最近買い手があらわれまして、目下価格交渉その他を進めておるところでございまして、これも担保については、その結果で大体十分まかなっていけるというふうに思っております。  それから、三つ目の千葉工場の分ですが、これは当時評価としてお出しいたしましたものは、簿価を基準にして評価をしたわけでございますが、その後ブドウ糖の業界の状況もだいぶ変わってきておりますし、あるいは、この分につきましても、御承知だと思いますが、ただいま第一糖業の委託を受けてブドウ糖生産を続けております。将来は第一糖業が賃貸するというようなことでいま話を進めております。しかし、これとても、場合によれば、どっかに売り払って債権の確保をしなければならないというような場合があるかと思いますので、現在時点において、どのくらいの評価ができるかというようなことを、専門家に頼んで評価の鑑定をしてもらうというようなことで手続を進めております。  それから、第三点の共和産商の問題でございますが、おっしゃるとおりに、債権を確保するためには余分過ぎるほどの担保も取りたいという気持ちを持っておりまして、いろいろ当たったんでありますが、いま御指摘の幾つかの株式につきましては、ほかの債権者の手の中にあるというような形になっておりまして、私どもが取るわけにはいかないような状態、共和産商については、この上担保を提供できるというようなものはないように私ども思っております。
  155. 黒柳明

    ○黒柳明君 いまの点ですけれども、千葉工場もこれから評価するところだと、水戸工場も買い手があらわれたと。どのくらいの評価ができるか、あるいは水戸工場もどのくらいで売れるか、これから未知数なわけですね。ですから、十分あるなんという発言はできないんじゃないかと思います。私のほうも、八億のうち半分しかないということは、当てずっぽうで言っておるわけじゃない。ここで議論するのは時間がない。一番最後の第一糖業にいくまでの一つの段階でただしておるわけです。その討論は後ほどゆっくり時間をかけて評価云々について問題にしたいと思います。まだまだ未知数のものに対して、十分にあるというようなことは言えないと思います。私のほうも、でたらめを言ったのじゃない。現に千葉工場のほうは十二億と出したでしょう。絶対にこれはありはしませんよ。これは十二分にあるというこの評価は、信頼に足るものであったらです。信頼に足るものじゃない。追徴に対してだってない。そういうことはまた今後に譲るとして、ともかく公庫の態度、非常ににぶいのじゃないか、こういうふうに思います。  それから次に、農中金の債権の保全、回収の問題ですけれども、中金のほうも、こうやって資料を十二月二十五日にお出しいただきました。これによりますと、十億の担保不足である、こう出ております。ただいまの高槻のこの土地の評価、これによってどのくらいの担保不足が生ずるか、こうなるわけですが、まだまだ残念ながら、この評価が出ていない。ところが、いま言いましたように、地検の一億数千万、あるいは農中で調べた六億、これを基準にしたところで、十億担保不足となり、地検の一億評価を妥当とすれば、計二十億の担保不足が出る。あるいは六億を妥当とすれば、十四、五億の担保不足が出る。これに対し  て、はたして農中金がどのくらいの意欲を持って  この回収に鋭意努力しておるか。いま言いましたように、産商の株にしても、あるいは農林開発の株にしても、まだまだ取れるのです。これはその過程を言いますと、ちょっとややこしくなりますから−−。取れる余地がある。それに対して、全然取っていない。要するに、公庫と同じような態度でないかと私はこう思いますし、そういう状況が全部出ておるのです。これに対して、なぜ農中金が担保不足に対しての、先ほどから言いますが、不足だ、罪の意識がある、被害者意識があるというならば、その担保徴取に対して努力をしないのか、いかがでしょうか。
  156. 片柳真吉

    参考人(片柳真吉君) 私といたしましては、できるだけ担保の追徴につとめまして、御趣旨に沿いたいというつもりでやっておるわけでございます。ただ、担保物件が債務者プロパーでない、一応関係はしておりましょうが、人格が別な会社その他のものでございますので、その間はよほど説得には努力を要するという事情も御承知を願いたいと思っておるわけでございます。その後の担保の追徴状況は、すでにこれは他の委員会でも御報告をいたしているとおりでございまして、志賀の山林、それから芦屋の山林、その他数件の追徴の指定は済んでおりますし、また、ごく最近に共和製糖の株式、これは額面で申し上げますると四億八千五百万円、五百円株を九十七万株、共和糖化の五十円株六百万株、額面でいいますると三億円でございまして、こういうようなものを譲渡担保として五月十六日に徴取を了しております。なお、それ以外のものにつきましても、さらにあきらめずに努力をしてまいりたい。また、その間に共和製糖が第一糖業に対して持ちました株式のうちから、四億円相当を代物弁済としてすでに弁済を了しておることでございますので、前回御報告いたしましたよりも、担保補てんにつきましては、ある程度前進をいたしておるという事情は御了承をいただきたいと思います。
  157. 黒柳明

    ○黒柳明君 決して私は前進を一歩もしていないと、こう言ったのじゃなくして、あまりにも不足が膨大である、それに対して取る余力が幾らもあるのに、わずか端っこのものしか取っていない。ただいま言いました追徴分、これを私いただきましたけれども、志賀にしても、芦屋にしても、あるいは宮崎の事業所にしても、どうこれを見積もっても五億ぐらいがまあせいぜいだろうと、こういうことです。それを二十億のうち十五、六億の担保不足がある、それに対して、わずかこれぐらいの追徴しか取らなかったら、非常にまだまだ膨大な担保不足がある。あるいは、いまおっしゃいました、その株を取った云々、これはこの次、第一糖業のところで出てきますけれども、これが大きな問題です。これに対して、あるいは特別背任にもなるのじゃないかと、このような疑惑も持たれるわけなのです。ですから、共和から四億の株を取ったと、こういうようなことは、これは非常に問題がある点ですから、これは株を取ったって、第一糖業はこれからの見通しはどうなるやもわからない、非常に不安定な会社です。その株を持ったところで、これは紙きれみたいなもので、言うならば、非常に疑惑の多いそのやりとりがあっての経過があるのです。ですから、その四億の株を取ったら云々と、こんなことは全然問題外なんですが、そういうことも含めて、ともかく、まだまだ共和製糖、共和糖化にしても、共和産商あるいは開発に対して六億——二十億の債務があるのじゃないですか。となれば、そこから、余力のある、まだ担保がある、それを取ることができる。これも取ってない。ここにそういう一覧がありますけれども、この一覧を見たら、なぜこれに手をつけないのか、ここにちゃんとバランスシートもあります、理事長。これを見ると、なぜこれに手をつけない、非常に疑問なんです。また、先ほどのことばで申しわけないのですけれども、何か菅さんに遠慮しているのではないか、何かまた陰に、いままでに断ち切れない黒い影が、あやつっているものがあるのじゃないか。その結果、農林中金も農林省当局も思い切った手を打ってないのじゃないか、このような疑惑がありますけれども、これは疑惑があるというだけにとどめておきまして、要するに、追徴できる担保が幾らもある、これに対して手をつけないことは、大きな疑問が残ると、こういうことでこの点をとどめておきたいと思います。  最後に、問題の第一糖業の件になるわけですが、これは開銀総裁にお願いしたいと思いますが、開銀総裁、私もいままでこの問題のいろいろ発言を聞いておりまして、債務の関係者ですが、非常に発言も中立公平なといいますか、非常にうらはらのない発言をしていただいたので、私も今回も、そのままのありのままを発言していただくのじゃないかと、こういうので一間でございますが、わざわざ御足労を頒ったわけですけれども、この第一糖業の設立から今日に至るまでの経過、開銀の総裁が知っておられることがあったら、説明していただきたいと思います。
  158. 石原周夫

    参考人石原周夫君) 開発銀行といたしましては、共和製糖の、御承知のように債権者でございまするので、共和製糖の宮崎工場を運営をいたしまする第一糖業を設立いたします経過におきまして、いろいろ相談を受けております。本来、農林中金なり農林省側から御説明いただくのがほんとうだと思うのでありますが、私の相談を受けました範囲内で承知をいたしておる限りのことを申し上げます。  御承知のように、共和製糖は御承知のような経緯があったわけでありまするから、その宮崎工場は、私どもも累次この機会に申し上げましたとおり、何といっても新鋭の設備に属します工場でございまするし、評価額につきましても十七億、あれは、大蔵省、農林省のほうの報告は十六億以下になっておりますが、そのような現在運営をいたしております工場でありまして、これを何とかできれば、共和製糖以外のものが引き受けて運営いたすことができれば、私どもの償権補てん上においてもけっこうじゃないか、こういうことを考えておったわけであります。ところが、農林中金がいろいろ御心配になったわけでありまして、第一糖業という会社を運営会社としてつくり、十億という資本金を集められましてスタートされたわけであります。この場合におきまして増資という問題が起こったのが、あるいはお尋ねの点であるかと思うのでありますが、御承知のように、共和製糖がその工場を持っているわけでありますから、この運営は第一糖業をして当たらしめる、こういうふうに相なった。そういたしますと、運営をいたします賃貸料というものが発生をいたします関係がございまして、ここに五億円という金を預託をいたしたわけであります。これは賃貸料の計算で、いろいろな期間計算によりますが、この際、ある期間の賃貸をいたします関係もありまして、委託保証金という形で委託をいたす、その金は共和製糖がそのまま持っている、金の形で持っておったら適当かということもございまするので、これを共和製糖が第一糖業の株式として引き受けた、それで十五億円に相なったというふうに承知いたしておるわけでございます。  そこで今度、共和製糖の持ち株五億でございまするが、これは共和製糖が御承知のような経緯もございまするから、そのまま持っておることが適当かどうかということもございまするので、これをもちまして、農林中金並びに一部農林漁業金融公庫でありますが、そちらのほうにお譲りをいたした、こういうふうに承知をいたしておるわけであります。
  159. 黒柳明

    ○黒柳明君 理事長さんにお伺いしたいのですが、私、個人的にお会いしたときに、第一糖業と農林中金は関係ない、理事長さん、そういうこともたびたびお伺いしているのでrが、また確認になるのですが、そういうふうに認識してよろしいでしょうか。
  160. 片柳真吉

    参考人(片柳真吉君) 第一糖業はもちろん御承知のような純粋の民間企業でございますから、そういう形式論としては別のものでございますけれども、いま開銀総裁の言われましたように、設立等については、もちろんタッチをしておりまするし、また、今後の第一糖業の運営いかんは、今後の債権回収に至大な関係がございますので、そういう意味で重大な関心を持っていることは、これは事実でございます。
  161. 黒柳明

    ○黒柳明君 設立について関知したし、また重大な関心を持たれているということで、関係がないということじゃないということで了承しますが、これは六月十四日、第一糖業の株主−一部これは発表になりましたですけれども、私ここに持っているのですが、第一糖業設立にあたっての株主名ですね、及びその出資額、これ発表を願えますでしょうか。三月六日の時点ですね、それから五月の増資について。
  162. 片柳真吉

    参考人(片柳真吉君) いま係から取り調べまして御回答いたしますが、別途資料ではいかがなものでございましょうか。
  163. 黒柳明

    ○黒柳明君 じゃ、私簡単に——ございますので、じゃ私簡単にこの資料読み上げさしていただきますが、第一糖業の株主名簿、これは二十社になっておりまして、東食、東棉、台糖、日魯、大洋−マルはです、旭化成、東洋醸造、大昭和製紙、宝水産、宝酒造、日本鉱業、江崎グリコ、東海興業、三井生命、共栄火災、宮崎銀行、グリコ協乳、鉄興社、宮崎交通、住友火災、増資分が農中と大和証券、こういうふうになっております。しかし、ここで大きな問題になるのは出資額と——出資額というのは、それぞれの会社から第一糖業設立にあたって出資したこの額です。要するに、十億円をこの二十社で分けたと、こういうわけですが、その出資額と、今度はこのそれぞれの株主が農中から融資を受けている、これはばく大な数字になるのです。要するに、農中から東食は四十億の融資を受けておる、東棉も六十億の融資、台糖七億、日魯四十六億一千万、大洋漁業五十一億四千万、旭化成六億、東洋醸造が十四億、大昭和製紙三十五億、宝幸水産四十一億、宝酒造二十六億、日本鉱業二十二億、その他云々と、こういう農中からばく大な融資を受けて、その融資を受けている会社のみ、今度は、私に言わせれば、つき合い料といいますか、農中から言われたからしかたがないだろう、こういうことを言っていたある会社の常務もおりました。そして、それぞれ東食が三億、東棉一億、台糖一億、日魯五千万、大洋五千万、旭化成五千万、東洋醸造五千万、大昭和製紙三千万、宝幸水産三千万、それぞれ大体一千万から、三億、一億、これを出資しているわけです。これは非常におかしな問題だと思うのです、考えようによりますと。それは、第一糖業をつくる。これは何にも問題はないと思う。これは、第一糖業が正常な運営ができる、そして債権が回収されるなら、これはいいですけれども、第一糖業というのは、そもそも共和製糖の旧債権のしりぬぐい的な会社であってはならない、新事業を興すための会社であるべきだ、これはいま開発銀行の総裁おっしゃったとおり。ところが、そういう性質の第一糖業の設立にあたっての株主が、全部農中金からばく大な融資を受けている会社ばっかりだ。しかも、この会社へ、みんな行きました。言いました、常務や融資担当の部長が。聞きましたですけれども、別に何一つ、目論見書一つ見たわけじゃない、ばく大な融資を受けているから、まあ、つき合いとして出したのだ、このくらいな簡単な調子で出している。ところが、もしこの第一糖業の会社自体の性格が問題になりますとね、これは問題なんですが、この二十社からこういう第一糖業に、これは私に言わせれば、非常に不安定な会社、先行きお先まっ暗な会社、この会社に出資させたということは、ある意味においては、第一部長から第四部長が関係の会社を歩いて、そして、どう言ったか、具体的にはわかりませんけれども、ともかく金を引き出した。それを第一糖業につぎ込んだということは、これは何か詐欺類似行為にも当たるんじゃないか。これはこの次の問題点に発展していくと、そういう疑惑が起こる。こういうような第一糖業をつくった。明らかにこれは農中の圧力がある、私に言わせれば。正常なる運営のもとにこれが行なわれたのじゃない。時間がないですから、そういう事実を申し上げます。  さらに、この第一糖業の発起人の中に、山本省三さん、これは理事ですね、この農中の理事が発起人として、そうして、しかも、創立の総会議事録の中にこう書いてある、発起人山本省三は、発起人を代表して、当該会社の創立に関する事項をしさいに報告した、これは明らかに農中が主体になっての第一糖業です。こういう過程もある。さらに、いろいろおかしなことがあるのですが、要するに、金融機関の特権を使ってこういう金を集めたような気がしますし、いま言った山本さんの関係もそうです。ですから、理事長はこのような点、どのように認識されているか、種々言って申しわけなかったですが、いかがでしょう。
  164. 片柳真吉

    参考人(片柳真吉君) 第一糖業の今後の見通し等は、これはいろいろの見方もあると存じます。特に今後の砂糖業界の安定という問題もしきりに論議をされておりますし、砂糖業界の再編成等がいかに今後発展するかによって、いろいろ見通しも出てきますが、それは別といたしまして、今回の第一糖業の創立につきましては、先ほど申し上げましたように、債権者としては、この工場を生かして債権回収をはかりたいという一致した意見でございましたので、中金が、実体的に世話するといいますか、中心的なことをしたことは、これは事実でございます。しかし、出資をするについて、中金が融資をしているというような、権力を乱用して強制をしたという事実だけは、これは絶対にございません。これはあくまで、いろいろ御依頼なり話し合いをいたした次第でございますが、中金が融資をしていることをかりて出資を強制したということは絶対にないことだけは、はっきり申し上げておきたいと思います。大体御承知のように、株主の階層を大別しますると、従来から粗糖の輸入なり、あるいは製品の販売等で関係のございまする貿易商社、それから施設を保険にとっている保険業界、あるいは宮崎の地元の関係業界、それから将来砂糖を使用する可能性のありまする、たとえば、かん詰め工場を持っている水産会社というような、大体そういう向きに、今後取引上も御縁故なりがあるだろうというラインから、いろいろお話し合いはしたことはございますが、金融をしているという権力をかさにして強制をしたという事実は、これは絶対にございませんので、私ははっきりそれは御了承いただきたいと思います。
  165. 黒柳明

    ○黒柳明君 多少私の言い過ぎもあるやに思いますけれども、大月副理事長はこんなことをおっしゃっておりますよ。第一糖業に特に無理をして入っていただくというよりも、むしろ、そういう会社ですね、二十社が中心になって、われわれはむしろ気持ちの上で応援したいという立場をとっているわけでございます一これはどうですか、理事長さん。気持ちの上の応援どころじゃないですよ。いま理事長もおっしゃったように、明らかに農中が推進をしている。この副理事長が言った国会答弁、あの時点においては、第一糖業の全貌が明らかにされなかった。だから、ここでごまかせばいい。気持ちの上で応援をしているだけだ、みんなが一生懸命やっているのだから見守ってもらいたい、その発言はそういうような気持ちだったと思いますけれども、第一糖業の全貌が明らかになると、気持ちの上で応援するなんということはない。これは明らかに理事長がいまおっしゃったように、全面的に農中がバックアップして、農中が推進していく工場である、こういう認識でよろしいのですか、くどいようですが。
  166. 片柳真吉

    参考人(片柳真吉君) ちょっとことばがむずかしいのですが、中金が第一糖業の事業を推進するということになりますと、多少私のことばとニュアンスが違うわけでございまして、つくる際には、債権者全体の意向として、こういうような菅一味が所有している旧共和製糖では、だれも相手にしませんので、新しい信用できる株主なり経営者を入れて、そこで新しく発足していきたい、こういうことでございまして、中金が事業の推進というよりも、設立の世話につきまして、各方面に一番連絡もよろしゅうございますので、実体的な創立の世話役をやったという程度に、これは御理解をいただきたいと思います。
  167. 黒柳明

    ○黒柳明君 さらにこの金のやりくりが問題になるんです。意欲は大いにけっこうだと思うのですけれども、この十五億、宮崎工場が十五億、これは、前回において提出していただいた報告書には十七億と出ておりますが、ところが、これがいつの間にか、三十億で第一糖業が九月一ぱいに買うのじゃないか、こういう事実があるやに聞いておりますけれども、いかがですか。
  168. 片柳真吉

    参考人(片柳真吉君) これは、共和製糖なり第一糖業という売り手、買い手はもちろんでございますが、債権者全体としても重大な関心を持っている事項でございまして、したがいまして、三十億であるとか、あるいは三十数億というようなうわさも聞いておりますけれども、これはあくまで、今後の砂糖業界の推移、特に糖価の見通し等のもとに、売り手、買い手で公正にこれは相談すべき問題だと存じます。また、債権者としても、十分にその際に御相談にもあずかってやっていきたいということでございまして、三十億というものが固定的にきまっておらない、これだけははっきり申し上げておきます。
  169. 黒柳明

    ○黒柳明君 九月一ぱいぐらい、三十億ぐらい。
  170. 片柳真吉

    参考人(片柳真吉君) それはどういうことか、あくまで、まだ未定でございまして、砂糖業界一般の情勢を見ながら、これは厳正公正に売り手、買い手、債権者の相談できめるべきである。ただ問題は、そういう場合におきましては、御承知のように、物的設備だけの評価ではないのでありまして、砂糖業界が今後相当よくなりますれば、そういう営業権的なものもどう評価するかという問題も出てくると思いますので、これはなかなかむずかしい問題だと思いますが、はっきり申し上げまして、三十億ということは、全然これはまだ仮定の数字でございまして、今後十分慎重、厳正に価格は決定していきたいということでございます。よろしく御了承いただきたい。
  171. 黒柳明

    ○黒柳明君 同じ問題で、経済局長ひとつ。九月一ぱいぐらいで、三十億ぐらいで第一糖業が買うんじゃないかと。いかがでしょう。
  172. 大和田啓気

    政府委員大和田啓気君) 売買の予約によりまして、九月一ぱいに売買が行なわれるであろうというふうには考えておりますけれども、また、価格について、いま黒柳先生から三十億とかいう数字をあげられましたけれども、そういう話はあるようでございます、いろんな人がいろんな評価を言っておりますから。あるようでございますけれども、いま中金の理事長が言われましたように、まだ話が十分詰まってないことは事実でございますから、どれだけの値段で売買が行なわれるかということは、全く今後の話し合いによってきまるというふうに考えます。
  173. 黒柳明

    ○黒柳明君 いまのお二人の話、同じみたいに聞こえますけれども、非常に問題がある。違うと思うのです。理事長さんのほうは、全然否定している。局長さんのほうは、あるやに聞いている。まあ局長としての立場ですから、重要な行政機関の監督指導機関の立場で、あるやに聞いている、九月一ぱい、あるいは三十億ぐらいと。それにつけ加えて、いまの理事長のお話を引用したわけですね。ですけれども、これは当然そうです。その時点になってみなければわかりゃしません。ですけれども、そういう話がある、そういう方向に向かっていることは、これは決してうそじゃないし、間違いないと、こういうことも私は認識しております。まあ聞いていらっしゃる方は、その点は判断されたと思うのですが、まあ、その金のやりくりですけれどもね。ここで、先ほどの、この共和の、株四億取ったと、こうおつしゃいましたが、これが問題だと思うのです。共和は第一糖業の株を四億買った。その四億が、いま中金が持っていらっしゃるわけでしょう。じゃ、共和はどこからその四億の金を出したのか。第一糖業から株を買った。増資五億、五億のうち、まあ四億ですね。ともかく、どこからこの四億の金、一体あるわけないです、金が。どっかから来ている。それからさらに、それを代物弁済で受け取っている。どうしてそれじゃ、そのとき農中が現金でそれを取らなかったのか。代物弁済で取ったのか。ここに非常に問題点があると思うのです。さらにこれは、この過程については、私詳しいこと言うまでもなく、理事長さんも、局長さんも肯定されたことですけれども、十二億の金が共和に出ているわけです、第一糖業から。十二億の金が第一糖業から共和に出ている。それで細島の前渡金として出ている。そうすると、担保が十五億ついている。農中が十八億になっていますが、ともかく開銀や何かで十五億ついている。その十五億の担保を償却しなければ、第一糖業として細島を入手するわけにはいかない。さらに、第一糖業から十二億の前渡金が出ている。まあ大体十五億。それから、私が先ほど言った三十億の価格で買わざるを得ないんじゃないか、それ以上で買わざるを得ないんじゃないかと、こういう、これははっきりした計算ができるのです。まあ理事長、首を左にちょっと十五度曲げましたけれども、もう局長はそんなことははっきり御存じ、ここにいらっしゃる方はわかりますよ。もう一回説明しましょうか。説明する必要ないと思う。十五億の担保ついているわけです、開銀や何かの。これは農中でどうにもならない。農中でつけた十八億の担保、これはまあいい、うちの金だから。ところが、この十五億を処分しなきゃならない。と同時に、すでに第一糖業から十二億、大体十五億ですよ、共和に金が出ている、前渡金として、宮崎工場を買うためのプラス三十億じゃないですか、それで買わざるを得ないんじゃないですか。こういうはっきりした額が出ている。これはごまかしも何もできないわけなんですけれども、いかがでしょう。
  174. 片柳真吉

    参考人(片柳真吉君) 共和製糖が五億で株を持ちました資金繰りは、これは先ほど開銀総裁からお答えいただいたし、御了解になっているのじゃないかということでありまして、賃貸借契約によりまして大体五億円近い保証金を第一糖業から共和製糖に差し入れておりますので、大体それを元にいたしまして株式を引き受けさせたということでございまして、資金繰りは大体そういうことで御承知を願いたいと思います。  それから第一糖業から共和製糖に御指摘のような金がいっていることは、これは事実でございます。ただ、おことばの前渡金ということでございますが、これは実は、私のほうからしますと、理解ができないのでございまして、前渡金といいますると、何か売買代金の前渡し金というような趣旨の御質問かと存じまするが、現在私が承知しておりますところでは、いわゆる前渡金ではないのでございまして、第一糖業が旧共和製糖の工場を継承いたしまして現在操業しておるわけでございまして、したがって、工場の営業に直結いたしました債務は、これは引き継ぎまして払いませんと、工場がストップしてしまう。たとえば粗糖の原料代でございますとか、あるいは砂糖の税金でございますとか、そういう毎日の操業によって起こりました債務は、これは継承いたしました第一糖業で払ってありませんと、あとが続かぬということでございますので、そういう意味の資金援助はいたしておりまするが、やがて行なわれまする工場の売買代金の前渡しではないということで私は了解しておるわけでございます。
  175. 黒柳明

    ○黒柳明君 そうすると、この十二億ないし十五億というのは、どういう性質−前渡金ではない。そうすると、どういう性質の金ですか、共和に渡した金というのは。
  176. 片柳真吉

    参考人(片柳真吉君) その点は黒柳先生のおっしゃいましたように、問題の共和製糖の工場その他が幾らに売れるかという問題と、もちろんこれは至大な関係を持ってくるわけでございますが、その辺は、すでに申し上げましたように、これはあくまで、厳正公正にこれは評価をしていくという以外に、御答弁のしょうがないと思うのでございます。
  177. 黒柳明

    ○黒柳明君 要するに、それじゃ共和製糖の担保物件がどれだけに売れるかわからない。もし売れて余裕があったら、その十二億を返済のほうに取ろうと、こういう、またここであぶない橋を渡っているんじゃないですか、農中金が。また、農民の清浄なるお金を第一糖業から共和にどんどん流しているんじゃないですか。これはほんとうに推測で申しわけないけれども、これも裏づけがあるから、ここで言わせていただきます。五億の増資にしても、第一から共和に来て、共和からまた第一に返っておる。第一糖業のは、どっから来ている。東食から来た。東食はどっから来た。何か三井というメインバンクです。その東食という、いままでクッション融資の関係から、どうしても東食は前の十億六千、これを泣き寝入りするわけにいかない。もう一息、ここにおいて農中のために、はだを脱がざるを得ない。さらに十億ここで負担をかぶつちゃっている。東食として非常に泣いておりますが、そういう三井というメインバンク、そこから第一糖業に流れて、第一糖業から共和に来て、共和から第一糖業に来ている。だから、そういう見えない金のやりくりをしているだけなんです。どうですか、理事長、もしその額に売れなかったら、どうするんですか。厳正中立と言ったって、現にどんどん、これは何千億の余裕金があるかわかりませんけれども、たとい一銭の金にしたって、これは国民の、農民の浄財です。それを前途がわからないような、しかも、問題を起こしたような共和製糖にどんどん流して、それで、第一糖業の新事業のためだ、やはりうちはそれに対して設立の努力をしたんだと言っている反面において、またここで第二の共和製糖事件を起こすようなむだ金を流しているんじゃないですか。
  178. 片柳真吉

    参考人(片柳真吉君) いまの御質問は、当然誤解はお持ちにならぬと存じまするが、第一糖業に対しましては、農中金はもちろん一銭もこれは融資はいたしておりません。また、融資できる例でもないのでございまして、ただ、いろいろ取引上関係の深い東食等がある程度の援助をしていることはあると思いますが、その東食等に対しまして、中金が問題のクッション融資をしているというようなことだけは、これはもう絶対ないことだけははっきり申し上げたいわけであります。この辺は前回の問題でもきわめて問題になった事項でございますから、私が再びそういうことをすることのないことだけは、ひとっこれは御信頼をしていただきたいと思います。
  179. 黒柳明

    ○黒柳明君 そこで私の持ち時間ちょうど一時間ぴったりなんですけれども、まだ若干二、三分余裕をいただきたいと思います。  もう一回、くどいようですけれども、いま言った共和製糖の物件が先行きどのくらいに売れるかわからない、それを厳正公正に、ともかく高く売って、そして何とかしたいと、こういうことですけれども、そういうお話ですよ、いまの前の御答弁は。ところが、それが売れなかったらどうしますか。現に売れない、担保がないということを私はそのために言ってきた。全然担保価値がないということをそのために言ってきたんですよ。それで、また、その担保が厳正公正に高く売れる、それに対して今度は埋め合わせをするなんという考えがもし理事長にあると、私が一番初めに理事長に、お忙しいところを来ていただいてほんとうに御苦労さまでした、新理事長、と言って希望した意見は全部くつがえされてしまうんですよ。そういう考えで、また何かわからないような、もやもやした、行ったり来たりしているような金、いま言ったように、もう前科がある、あるいは行き先がわからない、そういう第一糖業や共和製糖は。そういう金の資金繰りに農中の理事長が頭を悩ましていたんではだめだ、もっともっとすっきりした、切るべきは切る、援助すべきはする、前向きの精神でここで、うみを出さなければならない、どうですか。
  180. 片柳真吉

    参考人(片柳真吉君) 第一糖業のできることにつきましては、先ほどお答えいたしましたように、私どもがいろいろ努力もいたしたわけでございますが、できました以上は、御指摘のように、その運営等はあくまでフェアにやっていきたいということは、御指摘のとおりでございます。私も前の問題等を十分反省もいたしておりますので、そういう点は一切誤解のないように慎重な態度で善処してまいりたいということを申し上げたいと思います。
  181. 黒柳明

    ○黒柳明君 また繰り返しますけれども、共和の株四億持っていらっしゃいますね。これは融資のできないようなところへ、なぜそんなに株を持たなければならないか。これは宮崎から来た計画書に出ているんですが、ここに出ていますよ。これは宮崎県と農中金の理事長との覚え書きの資本金十五億、「主なる株主」「農林中央金庫」、「主なる株主」の中に入っているんです。農林中央金庫は融資のできないようなところの株をどうして持たなければならないんですか。どうですか。
  182. 片柳真吉

    参考人(片柳真吉君) 融資のできないことは、もうこれは御指摘のとおりでございますが、やはり他の株主から、中金もいろいろ重大な利害関係も持っておるわけでございますので、中金もやはり経営に参加してほしいという要望もございましたので、片や、債権の回収というような効果もございましたので、これに参加をしているわけでございます。決して他意はございません。
  183. 黒柳明

    ○黒柳明君 わかります、話は。というのは、一番初めに私が言った、農中も出すからおまえたち寄ってこい、こうして集めたんじゃないですか。こういうことがはっきりするわけです。私は先ほど言いましたけれども、おもな株主が農中なんです。農中も出すから資金繰りあるいは云々とおっしゃった。それは、農中が金を出すからおまえたちも出せ、半ば強制的に出させて——ここでそろそろ私も五分、四分三十秒ばかり過ぎましたからうまくないんですが、ともかく、また法務省の刑事課長さんにお尋ねしたいんですが、いま言ったように、非常にはしょっちゃって、お聞き苦しいかと思いますけれども、この二十社から金を集めた過程というものは非常に不明瞭です。いまお聞きになったと思います。何か、まだまだ、それは公判は十月中旬ですが、何かこう、菅さんに農中の人が、悪くいえば、まだしっぽを握られている、あるいは楠見さんが遠くのところでリモコンをやっているんじゃないか、そういうにおいを起こさせるような事実が幾多ある。もしそうじゃないとしたら、もっとぱんぱんとやったらよさそうなものだと思う。この融資にしたって、非常に不明瞭であり、また、九月の時点において第一糖業がどのように売買されるか、それによってまた結論は出ますけれども、まだ時点はちょっと早いですけれども、出資社二十社が十億の金を出した。農中が株主になるからみな出せと言って、農中の融資をしている圧力でまた金を出さしたような、非常に疑問がある。しかも、第一糖業たるや、お先まつ暗なところである。こういう関係は詐欺類似行為にならないか。さらに、第一糖業の宮崎工場に対して十五億の前渡金を出した。これもまた、さらに、農中が共和の株を四億も代物弁済で持っている。これはごまかしにひとしい。こういう二つの事実は、はたしてこれが特別背任になる可能性もあるのじゃないか、こういう大きな疑惑がここで起こってくるわけですが、ひとつ法務省の刑事局の御見解を承りたいと思うんです。
  184. 石原一彦

    説明員石原一彦君) 詐欺というお話と、商法上の特別背任というお話がございましたが、詐欺の場合は、御承知のとおり、欺罔行為と金銭の交付というものが必要でございます。それから特別背任あるいは普通の背任の場合には、われわれ、図利の目的と言っておりますが、利をはかる目的と、会社等に損害を与えるという二つの要件が必要であると思います。ただ、いま突然のお尋ねでございますが、お話承っただけでは、直ちにその構成要件に当たるとも断定いたしかねますもので、犯罪がすぐに成立するというわけには、この段階では申し上げにくいのでございます。
  185. 黒柳明

    ○黒柳明君 最後の一問ですが、非常に先ほどから申したように、まだまだ問題は一ぱいあります。落ちついて時間をゆっくり質疑したいんですが、三十九年度の決算の議決の際、農林大臣がこのようにおっしゃっている。「特に共和製糖グループに対する融資についての御指摘につきましては、農林漁業金融公庫及び農林中央金庫の貸し付け体制の整備と、その運営の適正化をはかるために、指導監督について、今後一そうの注意をいたす所存でございます」、こう言われた。当然私たちも、この農林大臣の趣旨には協力にやぶさかじゃないと思いますけれどもね。まだまだ共和に対する融資と第一糖業の問題に対して、いろいろ疑惑があると思いますし、また、大蔵大臣もいまの質疑を聞きまして、どのような御所見があるやいなや、あれば御発言願いたいと思います。また、農林次官も、いまの質疑を聞きまして、どのように、農林大臣のきびしい指導監督をやる、こういう態度について、どのようにこの問題を取り上げていただけるか、あるいは、さらに、先ほどちょっと触れましたが、農林省自体がこういう金融をして、そうして監督指揮が不十分であるということは、ここらあたりで抜本的に政策の改定ぐらいをやらなければならないじゃないかと、こういうふうに私は思うんですが、その点も含めて、最後に農林政務次官と大蔵大臣の御所見を伺いたいと思います。
  186. 久保勘一

    政府委員(久保勘一君) 共和製糖グループに対しまする融資の問題につきましては、かねて申し上げておりますように、特にその債権の確保につきまして、公庫並びに農中を指導してまいっているわけでございます。御指摘もございますように、零細な農民の資金の集まりでございますだけに、この債権の確保につきましては、さらに慎重に対処しなければならぬと存ずるわけであります。そういう立場から、農林中金といたしましても、今回再建のために新たにできました第一糖業の設立、運営等につきましては、そういう立場でやはり重大な関心を寄せることは当然であろうと思うわけであります。したがいまして、この第一糖業の運営等につきましても、今後やはり農林中金としても慎重に対処されると存ずるわけであります。したがいまして、私どもといたしましては、公庫並びに中金を指導いたしまして、債権の確保という見地から、今後さらに努力をいたしてまいりたいと存ずるわけでございます。
  187. 水田三喜男

    国務大臣水田三喜男君) 農林中金につきましては、農林省と大蔵省の共管でございまして、以前からも両省は緊密な連絡のもとに、指導監督を行なっております。ただ、農林省が農林行政をやっており、農林金融をやっておる農林中金とは特別に関係が近いと思われておりますので、一方的な監督のように思われがちでございますが、事実はそうでなくて、双方連絡のもとに監督しておるわけですが、今度のような問題を起こしましたことを機会に、従来の監督についても十分反省しまして、万全を期す指導監督をやってまいりたいと思います。
  188. 黒木利克

    黒木利克君 ただいま議題となっておりますが、一般会計予備費の使用につきましては、金額の点から申しましても、また、会計検査院が指摘した不当事項の数から申しましても、災害復旧関係事業費がその中心をなしておると思いますから、この点について御質問をしてみたいと思います。この点については、同僚の委員からすでに、この不当事項の原因については、調査がずさんであるということが原因ではないかという質問がございました。時間の制約もありまして、単にこういう質問しかなされませんでしたけれども、これに対して大蔵大臣は、事を急がねばならぬ性質上、慎重さをどうしても欠くおそれがある、そこで大蔵省調査に立ち会わしておるのだというような答弁があったにすぎないのであります。しかし、毎年毎年この不当事項というのは指摘をされておりまして、その絶滅の気配もないのでありますが、ひとつもっと掘り下げてこの原因を究明し、これが対策を真剣に考えてもらいたいと思いますから、そういう観点から質問をいたしますが、一体、会計検査院で指摘をなさっておる不当事項の傾向というもの、あるいは最も大きい不当事項はどういうものか、お聞かせを願いたいと思います。
  189. 小熊孝次

    説明員(小熊孝次君) お答えいたします。  ただいま御質問のございました公共事業関係の不当事項でございますが、どういう態様が多いかという点でございます。これは工事関係の出来高に関係するものでございますが、それが粗漏で目的を達していない、その他工事の施行が不良であるということ、それから工事の出来高そのものが不足しておる、こういうような事態、それから、そのほか、これは金目の関係でございますが、工事費の積算が過大になっておる、こういうものがございます。その他ございますが、大体ただいま申し上げましたようなものが、公共事業関係の不当とされる場合のその態様でございます。
  190. 黒木利克

    黒木利克君 それでは、会計検査院として検査をなさって、こういう不当事項が、いまいろいろお述べになりましたけれども、一体どこに根本の原因があるとお考えになっているのか、会計検査院の検査の経験から、その感じられたところをお聞かせ願いたいと思います。
  191. 小熊孝次

    説明員(小熊孝次君) お答えいたします。  ただいまの御質問でございますが、従来の検査院でやはり一番大きな不当事項の大宗をなすものは、出来高について施工不良というのが非常に多いわけでございます。これにつきましては、四十年度に改善意見も出しておりますが、なぜかと申しますと、大体事業主体の側と、それから、これを監督する側と、両方にあるだろうと思います。事業主体の事業の実施の体制が十分でない、したがって、工事の監督施工が行き届かない、こういうような場合がございますqそれから業者の選定でございますが、業者の選定にあたりましても、その施工能力というものを十分検討しておらないというような場合もございます・そういうふうに、また工事のやり方と申しますか、段取りを進める際におきまして、年度末に非常に事業が集中する、こういうようなことによりまして、事業者の側におきましてもたいへんである、それから監督する側でもたいへんである、こういうような両方の原因がございます。
  192. 黒木利克

    黒木利克君 ただいまのお話によると、公共災害復旧に限らないで、一般工事の場合の不当事項と同一のような気がするのでありますが、先ほど同僚の委員からも御意見がございましたし、この決算委員会調査室の調査によりましても、当初の査定が粗漏であるというようなことが大きな原因をなしておる。私は、これは災害の復旧という事業の特殊性から、さもありなんと思うのでありますが、そういう点についてのお感じはありませんですか。
  193. 小熊孝次

    説明員(小熊孝次君) お答えいたします。  ただいま御質問の趣旨が十分わかりませんで、いわゆる決算ということについて申し上げましたが、査定自体につきましては、ただいま先生がおっしゃいましたように、事業主体におきまして、災害に名をかりて改良工事を施行するような傾向がある、あるいは担当職員が十分能力がない、数も少ない、あるいは技術的な経験も少ない、こういうような面もございます。それから、これを査定する側の各省関係におきましても、これは相当の多数の災害個所がある、それを非常に短期間に査定しなければならぬ、こういうようなことで、現地に適合した災害復旧事業費の査定というものがなかなか十分にいかない、こういうような問題が原因の背景としてはあるわけでございます。その辺のところは、お互いに努力していただきまして、査定は適正にやっていただくということにつきまして、やはり四十年に改善意見を出しておるような次第であります。
  194. 黒木利克

    黒木利克君 最後に申し上げますが、私はいろいろ勉強しまして、一つは、大蔵省側に一つの原因があるのじゃないか。それは、大蔵省の査定の方針が、災害復旧は原形復旧という方針を貫かれて、そういう原形構造だから災害にあったとも言えるのでありますから、それをもとどおりに復旧しただけでは、災害の再発防止ということはできない、私はそういう意味で、大蔵省が、こういう不当事項があり、あるいは、こういう査定がずさんである、粗漏であるというのは、やはりそういう制度上の欠陥があるのではなかろうかという感じがするわけでありますが、これは会計検査院と大蔵大臣に、両方の御所見を伺いたい。これで質問は終わります。
  195. 小熊孝次

    説明員(小熊孝次君) われわれの検査といたしましては、やはりその災害の実態に対しまして、どの程度の復旧がよろしいかということで考えるわけでございますが、最近の傾向といたしましては、私の担当は農林省でございますが、農林省のほうの査定基準といたしましても、従来の厳密な原形復旧という考え方からしますと、相当改良的な要素が入ってきているように見受けられるわけでございます。そういうような意味合いにおきまして、どの程度がよろしいかということにつきましては、非常に政策的な問題になるのではないか、こう考えておるわけでありまして、われわれのほうといたしまして、特に御意見を申し上げるのはどうか、こういうふうに感じております。
  196. 水田三喜男

    国務大臣水田三喜男君) 原則としては原形復旧でございますが、実際問題としましては、同じような災害を二度起こさないためにということで改良復旧を事実上やっておるということでございまして、その点は、そう不合理な査定をやっているわけではございませんが、ただ問題は、一つの例をあげますと、現地側が非常に災害の復旧に熱心なあまり、ずっと以前の写真を持ってきて、こうだと言われたりして、一々調査に全部行って、さっき言いましたように、立ち会い調査まで、大きいものはやりますが、こまかいものは各省とも机上査定になってしまう、そういうようなときにそういう間違いをたまにおかすというものが、たまたま会計検査院の問題に指摘されるようなことで、絶滅を期したいということでやっておりますが、現地側の熱心さのために、そういうものがあるというのが実情でございます。
  197. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 他に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  198. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
  199. 竹田現照

    竹田現照君 私は日本社会党を代表いたしまして、昭和四十年度一般会計予備費使用調書(その2)、昭和四十年度特別会計予備費使用調書(その2)、昭和四十一年度一般会計予備費使用調書(その一)について、これら三件を承諾することに反対をいたします。  その理由の第一は、本来緊急有事に備えて、最も適正かつ効果的に支出さるべき貴重な予備費を、きわめて安易に支出が行なわれているということを指摘せざるを得ません。支出されているものすべてが、財政法に定めているところの、予見しがたい予算の不足を補うものであれば、問題はありませんが、必ずしもそういうものだけではないと思うのであります。  たとえば、私の指摘いたしました公務員の退官退職手当の予算不足を補うための支出であります。もともと政府が四十年度予算に計上した額は、約三百二十四億円でありますから、予算の執行としては、一応この金額におさめる方針をもって進むのが至当であると思います。にもかかわらず、四十年度の一般・特別両会計を通じ、約八億円余にのぼる予備費支出が行なわれております。かように多額の予算オーバーの原因は何か。審議の過程でも明らかにされたように、いわゆる勧奨退職が、予算とのにらみ合わせの上に行なわれておらないことであります。一般公務員に対しては、その者の能力等を勘案することなく、ある一定年限に達するならば、いやおうなしにやめさせられていくという状態も多発しているようであります。その結果は、退職人員や退職金額について、単なる計数的な見込み違いによるものではなく、明らかに人為的な作為によって生ずる不足と言えるのであります。このために、退職者が見込みよりも著増するのであり、見ようによっては、政府の労務管理、人事管理の不当な一面があらわれているものでありましょう。一方、いわゆる高級公務員が国会議員に立候補したり、公社公団役員などに天下りする場合、明らかに、あすの高給による身分保障、生活保障が約束をされ、さらに、想像以上の退職手当支給制度とも言えるものがある場合にも、勧奨による退職者としての割り増しの退職金が支払われております。これは退職手当法五条の趣旨である人員整理等により泣く泣くやめる下級公務員、定年によって退職を余儀なくされる者等に対する優遇規定の拡大解釈であり、法の乱用、血税の乱費と言わなければなりません。にもかかわらず、私の指摘に対し、政府側の答弁は、問題の核心を的確にとらえたものではありませんでした。この一点を取り上げただけでも、承諾を与えるわけにはまいらないのであります。  次に、ベトナム共和国における難民救済援助に必要な経費、インドあるいはインドネシアの食糧危機などに対する救援に必要な経費、国際連合財政の赤字補てん特別拠出金、あるいはラオス外国為替操作基金へ追加拠出金を支払うための必要な経費など、外務省所管の予備費支出は、はたして予見しがたい予算の不足とは必ずしも判定することはできないのであります。当然に当初予算または補正予算審議の際に、十分な検討がなされるべきものであり、時間的にそれは可能なものであったと思うのでありますが、政府があえてそれを避け、予備費にその支出を求めたことは当を得たものとは言えません。国会における論議を回避したと解釈されてもいたし方のないものであります。ベトナム共和国の難民救済についても、先般衆議院決算委員会において、わが党は詳細にその不当性、不法性について指摘をしたところであり、本委員会においても、大橋委員のほうから種々指摘をされておりますので、重ねてここで繰り返す愚を避けますが、何としても、赤十字社においても、片方だけに救援するというようなことはお断わりすると言って、片寄った救援の取り扱いを拒否をされるという措置が、人道的立場に立つという名目において行なわれる、かようなことは断じて了承でき得ないものであり、国費の乱費もはなはだしいものと言わなくてはなりません。  その他の支出も、さきに述べますように、国会の審議権を侵害する重大な措置であり、私たちはどうしても了承するわけにはまいりません。  何はともあれ、予備費の支出は最も厳格でなければならないことは申すまでもありませんが、以上指摘をいたしました二、三の点だけに限って見ましても、政府がそのような措置がとられたとは思われないのでありまして、遺憾ながら、承諾することに反対せざるを得ないことを申し上げて、討論を終わります。
  200. 中村喜四郎

    中村喜四郎君 私は自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となりました昭和四十年度一般会計予備費使用調書(その2)外一二件、昭和四十一年度一般会計予備費使用調書(その一)外二件をいずれも承諾し、また、昭和四十一年度一般会計国庫債務負担行為総調書についても、異議がないと議決することに賛成するものであります。  ただ、この際、政府に対し特に警告を与えたいと思いますことは、一般会計における予備費使用の大宗をなしております災害復旧事業関係経費についてであります。  災害復旧事業費に対する国庫補助金の経理については、毎年多数の不当事項が会計検査院の決算検査報告に掲記され、これら不当事項の大部分は予備費使用によるものと思われる点であります。昭和四十年度決算検査報告によれば、この種の不当事項は大幅に減じておりますが、まだまだ不当事項の大宗を占め、あとを断ったとは言いがたいものがございます。もとより、災害発生の場合における応急復旧、復旧事業費の査定、それに続く予備費使用措置等を処理する当局者の労苦は大いにこれを多とするわけでございますが、およそ財政支出なるものが、国民の血税にかかる公金の使用であることに思いをいたすならば、公金の不適正な財務処理を許すことはできません。政府は災害復旧事業費の査定を一そう厳正かつ適確に処理する心がまえを持つばかりでなく、それが粗漏に流れる制度上の欠陥をなお一段と考究し、もって不当経理の絶滅に向かって努力してほしいと存ずる次第であります。  以上を強く要望いたしまして、討論を終わります。
  201. 黒柳明

    ○黒柳明君 私は公明党を代表して、昭和四十年度一般会計予備費使用調書(その2)外三件、昭和四十一年度一般会計予備費使用調書(その一)外二件について、不承諾の意思を表明します。  一言、不承諾の理由に触れると、一、補正予算で補正措置すべきものを安易に予備費使用している事例が多い。二、政府は政策的に、計画的に本予算で本格的に当然措置すべきものを、予備費使用で糊塗した事例がある。三、そして、総じて政府の施策の不備もさることながら、予算ぶんどり合戦が予備費財源に延長しているのが実情と言わなければなりません。また、予備費使用に最もふさわしい災害復旧事業のための予備費使用分に幾多の不当査定が発生していることも、このような背景のもとに予備費使用が安易に流れておるからにほかなりません。  以上で私の討論を終わります。
  202. 岩間正男

    ○岩間正男君 私は日本共産党を代表して、昭和四十年度一般会計予備費使用調書(その2)外三件、昭和四十一年度一般会計予備費使用調書(その一)外二件の承認について反対するものであります。  反対の第一は、南ベトナムの難民救済補助の名によって行なわれている七千二百万円の支出についてであります。この支出は、佐藤総理が四十年十二月に来日したハンフリー・アメリカ副大統領の要請によって行なわれた医療援助等の実施であり、その真のねらいは、弱体化した南ベトナムかいらい政権へのてこ入れであり、前年度に引き続き軍事援助の一端をになうものであります。アメリカはホノルル会談以来、ベトナムにおける軍事作戦を強く打ち出し、その協力をアジアの反共諸国に強要しました。日本政府はこれを人道的見地という偽りの触れ込みで受け入れて、南ベトナムかいらい政権の維持強化に側面から事実上の軍事援助に乗り出したのであります。この事実は、日本政府現実にとっているアメリカのベトナム侵略戦争協力とあわせて考えれば、きわめて重大であります。すなわち、安保条約の極東条項の解釈を拡大し、沖縄、小笠原の出撃、訓練基地、前線補給基地としての使用を許し、また、米原子力潜水艦の寄港をはじめ、第七艦隊の根拠地としての横須賀、佐世保、米空軍基地としての横田、厚木、立川、板付、岩国、物資輸送基地としての横浜、神戸、さらに、羽田空港の利用に至るまで、国土をあげてアメリカのベトナム侵略強化のために提供しているのであります。そればかりではない。日本本土がベトナム侵略のための米軍修理基地、軍需品のアジア最大の生産基地、野戦病院、保養慰安地としてまでの役割りをにない、さらには、LST乗り組み員等々、日本人の直接間接による戦闘行動への提供すら行なわれているのであります。これらの事実は、日本の基地なしにはベトナム戦争は困難であるとまで、アメリカに言わせているのであります。佐藤自民党政府はこのようにして、ベトナム人民の祖国の自由、独立、領土保全の正義の戦いに挑戦し、ベトナム人民の大量虐殺と焦土戦術の一翼をにない、人民生活を破壊し、多数の難民をつくり出すことに加担しながら、一方、政府はまことしやかに難民救済とか民生安定を口にすることは、まさに本末転倒と言わねばなりません。真の難民救済の道はただ一つ、それはアメリカのベトナム侵略戦争に対する一切の協力をやめ、アメリカがベトナムから直ちに手を引くことを要求することであります。われわれは、このわかりきった道理をごまかし、欺瞞に満ちた事実上の軍事援助を強化する予備費の支出には、断固反対するものであります。  反対の第二は、四十一年度一般会計予備費からインド並びにインドネシアに対し行なわれている計十六億の緊急援助についてであります。元来、インドにおける食糧危機は、農地改革の不徹底と永年にわたるアメリカの余剰農産物の押しつけによるものであり、佐藤内閣の緊急援助は、アメリカ帝国主義に追随して今日の深刻な危機を招いたインド反動派へのてこ入れであり、真にインド人民の農業の自主的発展と食糧危機の根本的解決には、何ら役立つものではありません。また、インドネシアに対する援助は言うまでもなく、九・三〇事件以降の帝国主義勢力に対する側面からの援助であり、ただ当時、スハルト一派が新植民地主義反対を看板にせざるを得ない状況のもとで、アメリカからの直接援助を期待できないため、それを日本に代行させようとする方針のもとに行なわれたものであります。  反対の第三は、アジア開発銀行創立総会に必要な経費六千四百万円の四十一年度一般会計予備費からの支出であります。これまでもしばしば論及したように、アジア開銀設立のねらいは、米日合作によるアジアの支配体制固めであります。そうしてまた、それは同時に、アメリカのアジア侵略体制の経済的補強であり、アメリカはこれを佐藤内閣を代理人としてその役割りを果たさせようとするものであり、日本の独占資本はまたこれをてことして海外進出をたくらんでいることは、周知の事実であります。われわれは、このための支出を承認することはできません。  以上三点のほかにも、三笠宮長女の結婚のための一時支出金二千七百五十万円、コンゴ人民の民族解放弾圧を目的とする国連特別拠出金九億円、ラオスプーマ政権の援助によるラオス人民弾圧のための外為操作追加拠出金九千二百五十万円等の支出を承認しません。  以上の理由をもって本件の承認に反対するものであります。
  203. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 他に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  204. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  まず、昭和四十年度一般会計予備費使用調書(その2)、昭和四十年度特別会計予備費使用調書(その2)、昭和四十一年度一般会計予備費使用調書(その)、以上三件を一括して問題に供します。  昭和四十年度一般会計予備費使用調書(その2)外二件について、承諾を与うべきものと議決することに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  205. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 多数と認めます。よって、昭和四十年度一般会計予備費使用調書(その2)外二件は、多数をもって承諾を与うべきものと議決されました。  次に、昭和四十年度特別会計予算総則第十条に基づ使用調書昭和四十年度特別会計予算総則第十一条に基づ使用調書(その2)、昭和四十一年度特別会計予備費使用調書(その1)、昭和四十一年度特別会計予算総則第十一条に基づ使用調書(その1)、以上四件を一括して問題に供します。  昭和四十年度特別会計予算総則第十条に基づ使用調書外三件について、承諾を与うべきものと議決することに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  206. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 多数と認めます。よって、昭和四十年度特別会計予算総則第十条に基づ使用調書外三件は、多数をもって承諾を与うべきものと議決されました。  次に、昭和四十一年度一般会計国庫債務負担行為総調書を問題に供します。  本件について異議がないと議決することに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  207. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって異議がないと議決されました。  なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき、これら案件の報告書の作成などにつきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  208. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時三十九分散会