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1967-06-21 第55回国会 参議院 決算委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十二年六月二十一日(水曜日)    午後一時十三分開会     —————————————    委員の異動  六月二十一日     辞任         補欠選任      高橋文五郎君     竹中 恒夫君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         亀田 得治君     理 事                 大竹平八郎君                 中村喜四郎君                 温水 三郎君                 大橋 和孝君                 二宮 文造君     委 員                 稲浦 鹿藏君                 内田 芳郎君                 川野 三暁君                 木内 四郎君                 久保 勘一君                 黒木 利克君                 佐藤 芳男君                 竹中 恒夫君                 仲原 善一君                 山崎  斉君                 山本茂一郎君                 横井 太郎君                 小野  明君                 大森 創造君                 岡  三郎君                 達田 龍彦君                 黒柳  明君                 岩間 正男君                 石本  茂君    国務大臣        法 務 大 臣  田中伊三次君        大 蔵 大 臣  水田三喜男君        厚 生 大 臣  坊  秀男君        農 林 大 臣  倉石 忠雄君        通商産業大臣   菅野和太郎君        運 輸 大 臣  大橋 武夫君        郵 政 大 臣  小林 武治君        労 働 大 臣  早川  崇君        建 設 大 臣  西村 英一君        国 務 大 臣  増田甲子七君    政府委員        内閣参事官兼内        閣総理大臣官房        会計課長     朝日 邦夫君        人事院事務総局        管理局長     小林  巖君        公正取引委員会        事務局長     竹中喜満太君        警察庁長官官房        会計課長     土田 国保君        皇室経済主管   並木 四郎君        行政管理庁長官        官房会計課長   戸谷 英雄君        北海道開発庁主        幹        窪田  譲君        防衛庁経理局長  大村 筆雄君        防衛施設庁長官  小幡 久男君        防衛施設庁総務        部長       財満  功君        防衛施設庁総務        部会計課長    春日敬太郎君        経済企画庁長官        官房会計課長   財前 直方君        科学技術庁長官        官房会計課長   藤井孝四郎君        法務大臣官房経        理部長      辻 辰三郎君        外務大臣官房会        計課長      鹿取 泰衛君        大蔵省主計局次        長        岩尾  一君        大蔵省国有財産        局長       松永  勇君        文部大臣官房会        計課長      井内慶次郎君        厚生大臣官房会        計課長      高木  玄君        厚生省社会局長  今村  譲君        農林大臣官房経        理課長      稲垣 元宣君        通商産業大臣官        房会計課長    矢島 嗣郎君        郵政省経理局長  上原 一郎君        労働大臣官房長  辻  英雄君        労働大臣官房会        計課長      東村金之助君        建設大臣官房会        計課長      高橋 弘篤君        自治大臣官房会        計課長      薄  津芳君    検査官        会計検査院長職        務代行      山崎  高君    事務局側        常任委員会専門        員        池田 修蔵君    説明員        会計検査院事務        総局次長     保川  遜君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○昭和三十九年度一般会計歳入歳出決算昭和三  十九年度特別会計歳入歳出決算昭和三十九年  度国税収納金整理資金受払計算書昭和三十九  年度政府関係機関決算書(第五十一回国会内閣  提出) ○昭和三十九年度国有財産増減及び現在額総計算  書(第五十一回国会内閣提出) ○昭和三十九年度国有財産無償貸付状況計算書  (第五十一回国会内閣提出) ○決算審査に関する申し合わせの件     —————————————
  2. 亀田得治

    委員長亀田得治君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  昭和三十九年度決算外二件を議題といたします。  本件につきましては、前回に質疑を終局いたしておりますので、これより討論に入ります。  なお、委員長及び理事打ち合わせ会で協議いたしました昭和三十九年度決算についての本委員会議決案は、委員各位のお手元に配付いたしましたとおりでございます。  これより専門員にその案文を朗読させます。池田専門員
  3. 池田修蔵

    専門員池田修蔵君) ただいまから朗読させていただきます。二枚めくって三枚目のところの「本件審査の結果」というところから朗読いたします。  二、本件審査の結果   (一) 本件決算について、予算および関係法律    が適正かつ効率的に執行されたかどうか、    予算関係法律および諸施策反省、検討    を要するものがなかったかどうかという観    点にたって、慎重に審査を行なってきたの    であるが、その審査過程において明らか    にされた事実および会計検査院指摘事項    等にかんがみ、内閣に対し、次のような警    告を発する必要を認めた。    (1) 基地周辺における民生安定に関する諸     施策については、「防衛施設周辺整備     等に関する法律」制定の経緯かんが     み、一層積極的にこれを推進すべきはも     とよりであるが、さらにこの種の施策が     効果を上げるためには、地元の実情に     あったいわゆるきめの細かい、一段と行     き届いた措置を行なうよう努力すべきで     ある。    (2) 松山刑務所の看守にかかわる贈収賄事     件は、矯正行政職員としてあるまじき行     為であってまことに遺憾である。法務省     は本件責任のすべてを職員に帰せしめる     ことなく、この種事案絶滅に一層努力     すべきである。    (3) 法務局において、登記関係事務量が     近年非常に増大し、国民は謄本をとるの     に手間どる等の不便が生じているので、     法務省は、この国民不便解消のため、     思いきった対策を講ずべきである。    (4) 計画的な巨額脱税が、検察当局の取     調べによって摘発された事態について     は、本院において、昭和三十八年度決算     審査の結果政府注意を喚起しておいた     が、その後再び同種の事例が発見された     のは遺憾に堪えない。      しかも事件内容国民全般政治に     対する不信の念を高めるような性質のも     のであった点にかんがみ、政府は事の重     大性について深く反省するとともに、大     口脱税防止措置をさらに強化すべきで     ある。    (5) 昭和四十年以来決算委員会国有財産     の管理処分に関する活発な審議は、政府     における管理方式上のあいつぐ改正を促     したが、これらの改正を実効あらしめる     要は運用にある。政府管理方式改正の     経緯に照らし、その具体的運用にあやま     ちなきを期すべきである。    (6) 社会福祉法人日本ベル福祉協会に対す     る厚生省補助金交付のあり方や指導監     督については遺憾な点が多い。当局は同     協会における社会事業としての運営、経     理の現況にもかんがみ、これらの点を猛     省、改善努力を傾注し、補助効果の確     保、向上を期すべきである。    (7) 共和製糖グループに対する農林漁業金     融公庫および農林中央金庫の融資は、担     保物件確認等債権管理について不十分     なところがあり、また、その完全な回収     はなお相当努力を要すると認められる     が、この融資は、政府甘味資源対策に     対応したものであるとしても、両金融機     関は、その原資が国の財政資金または農     民大衆の預金に依存していることに思い     をいたし、資金運用に当っては今後一     層慎重な配慮を加えるべきであり、政府     は両金融機関指導監督について十分     な反省を行ない、今後遺憾なきを期すべ     きである。    (8) わが国の企業の九割以上を占める中小     企業に関する対策は、一般会計の経費お     よび中小企業金融関係財政投融資額にお     いて連年増額される等一層の拡充が試み     られているが、これら資金の使用が有効     適切でない事例がある等、決して十分で     あるとは考えられない。とりわけ、中小     企業の窮状と倒産が昭和三十九年以降一     段と激化の傾向を強めている状況かん     がみ、これら問題の解決について真に効     果のある中小企業対策を早急に確立すべ     きである。    (9) 日本国有鉄道営業成績昭和三十九     年度以降巨額の赤字を計上し、第三次長     期計画資金調達に影響をおよぼしてい     るが、第三次長期計画は幹線の増設等に     よる輸送力の増強、信号の自動化、踏切     の立体交差化等による安全の確保、通勤     輸送過密緩和、など国民生活に密接す     る内容を含んでいるものと認められるか     ら、政府日本国有鉄道の経営について     一層適切な指導監督を行なうべきであ  る。    (10) 郵政省部内における職員不正行為     は、当局防止努力にもかかわらずその     跡をたたない。特に特定郵便局長等管理     者の犯行や長期にわたる不正行為が絶え     ないのは遺憾である。当局は一層実効あ     る防犯対策を実施してその絶滅をはかる     べきである。    (11) 労働者災害補償保険および失業保険の     保険料徴収について、毎年多額徴収不     足が会計検査院から指摘されている。当     局としても、徴収不足を減少すべく努力     しているようであるが、実態会計検査     院の指摘している以上に大きいものであ     ることにかんがみ、労働省としては被保     険者生活実態をよく調査のうえ、この     種事案是正防止に一層努力すべきで     ある。    (12) 住宅建設については、宅地の大量供     給、量産化推進等による住宅コストの     引下げ等施策を行なうとともに、民間     住宅建設促進のための施策強化すべ     きである。    (13) 公共土木事業請負実態について     は、請負にからむ利権、下請と元請の関     係において改善を要する点が多い。政府     は建設業者指名制度および指導行政の     運用の面に反省を加えるべきである。    (14) 災害復旧工事費の査定については例     年、会計検査院より指摘されながらいま     だ改善あとが見られないのは遺憾であ     る。政府はこれが絶滅を期すべく一層努     力すべきである。    (15) 日本専売公社における歳出のうち、旅     費等の一部費目については、いまだ多額     の流用増額が行なわれ、その予算額との     間にはかなりの開差をきたしている。予     算執行弾力性は是としても、長年にわ     たるかような事態予算統制上好ましく     ない。早急に改善すべきである。    (16) 日本住宅公団用地取得については、     円滑を欠く事態が見うけられる。これが     改善措置をとるべきである。   (二) 本件決算については右の警告を与えるこ    ととしたほか、異議がない。  以上、朗読を終わります。
  4. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 討論の通告がありますので、順次発言を許します。大橋君。
  5. 大橋和孝

    大橋和孝君 私は、日本社会党を代表しまして、ただいま議題となりました昭和三十九年度決算についての議決案に対して承認できないことを表明して討論をするものであります。  昭和三十九年度決算審議に際しましては、一年余りにわたって、前年度決算と同様、会計検査院検査報告中心審査ということではなくて、国会として独自の立場より国民の道義的な声の反映としての批判を通して、予算及び関係法律がはたして適正かっ効率的に執行されているかどうかという点を主眼として、さらに必要ならば政策批判に及ぶという、大きな心がまえをもって慎重に審査を行なった次第であります。  先ほど朗読されました本件審査の結果に関するところの警告案文は、今後予算執行にあたって、政府みずからの姿勢を正しくするためにまことに重要であり、まさしく国民大衆政府に対する警告であります。したがって政府は、今後えりを正して指摘事項に対し、いやしくも再びあやまちを繰り返すことのないよう、執行の面に十分に熱意を傾注すべきであります。したがって、警告につきましては全面的に賛成をするものであります。  以下本委員会警告案文と重複することを避けまして、若干の点について不承認の理由を申し述べる次第であります。  昭和三十九年決算について検査院検査報告に批難された件数は六百六十四件、金額にいたしまして十四億八千万円であり、このほか、会計検査院法第三十四条または第三十六条に基づき、是正改善処置を要求し、または法令制度もしくは行政に関して改善意見が表示されたものが十六件あります。これらの批難事項または処置要求あるいは改善意見表示は、検査実施割合から見まして、いわゆる氷山の一角にすぎないと思われます。これらの事態政府はきびしく反省をし、また、これが防止策あるいはまた将来における財政運営改善に対しては、特に慎重なる考慮を払うべきであります。  次に、各省庁及び公団公社において不当事項不正行為が、その件数においても金額におきましても、旧態依然たるものがあるのは、はなはだ遺憾に存ずる次第であります。これは当該責任ある公務員の綱紀の厳正が十分に保たれていないということに基づくものであります。これは毎年声を大にして申しておることでありますが、この不正、不当事項は何としても取り除かなければなりません。政府上級者率先範をたれ、国民に対し公平無私、常に正道を踏む気概を持することに特段の努力を傾け、公務員が全体の奉仕者として国民の信を失うことのないよう一そうの自重を要望する次第であります。  第三に、当委員会審査経過において、国有財産管理処置不当事態が明らかになったのであります。たとえば国有財産を売却する場合の評価が低廉で、しかも、売り払いの行なわれた後間もなく買い受け人がこれを高い値段で他に転売をしておること、あるいはまた国有財産を売り渡すのに特定の相手と随意契約によっておる場合が多いことなど、多くの事案が活発に論議をされてまいりました。これは三十八年度決算審議過程におきましても最も多く取り上げられた問題であります。国有財産国民資産だといわなければなりません。つまり国民全体のものとして取り扱わるべき国有財産が一部の者の利益に奉仕するために管理処置されておるのではないかという疑惑国民に与えることは、やがては政治全般に対する国民不信感を招くことになるのであります。政府は、いやしくも疑惑が生じた場合には、まずもってこれが単なる疑惑であるか、それとも事実であるかということを明らかにするとともに、国民の前に解明して事件発生根本的原因にまでさかのぼって追及し、もって禍根を取り除くために格段努力を傾注すべきだと考えます。  昭和三十九年度決算について、右のように考えてまいりますと、私はこれを承認することはできないのであります。  なおまた、会計検査院の機構の問題に対しましても、検査官政府高官高級官僚の出身であり、あるいはまた公団公社を歴任した方が就任しておられる場合が多いようであります。このようでは公正な検査が行なわれないという不安を国民に与える点もありますので、この際付言をいたしまして政府注意を喚起しておきたいと思うのであります。  以上のごとく、決算検査の結果は、国民に正しく報告するとともに、政府は、決算の結果は次年度予算編成の上に大きく寄与するよう努力することを強く要望いたしまして、不承認討論を終わる次第であります。
  6. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 中村君。
  7. 中村喜四郎

    中村喜四郎君 私は、自由民主党を代表して、昭和三十九年度決算につき、審査の結果による警告を付したほか、異議がないとすることに賛成するものでございます。  私どもは、決算審査にあたりましては、予算執行実績を確実に把握し、さらに決算審査の結果が、政治のよりよき前進のため、将来の予算及び政策に反映させねばならないという観点に立って審査を行なってきたのでございます。その結果、政府に対し、将来の財政運営上改善を望みたい事項は、議決案列記のごとくでありますが、この際私は、次の諸点について注意を喚起いたしたいのでございます。  一つ、各省庁における不正、不当な事項あとを断たないことはまことに遺憾にたえません。これらの原因は、その責めにある公務員の自覚と責任感欠除に起因するものであり、その掌にある者はえりを正し、相互監視内部監査充実をはかり、ことに上級にある者は率先垂範、不正、不当是正のため、その責務を再思三考し、公平無私、利欲や権力、そして圧力を排除して常に正道を歩むの気慨を持して、国民の信を失うことのないよう声を大にして要望いたしたいのでございます。  第二に、国有財産管理処分適正化につきましては、三十九年度決算審議過程において最も多く取り上げられた問題であり、国民の目もひとしく本委員会審議経過に注目しておったことは、各位承知のとおりであります。国民全体の財産として取り扱わるべき国有財産が、一部の者の利益に奉仕するために管理処分されておるのではないかとの疑惑国民に与えることは、やがて政治全般に対する国民不信感を招くもとであります。したがって、政府は、いやしくも疑惑が生じた場合には、事態の真相を徹底的に解明して、国民誤解をぬぐい去るべきであります。国有財産等の払い下げの条件と異なった場合には、これを追及し、責任を明確にし、もって禍根を取り除くための勇気ある判断と努力とを要望するものであり、くさいものにはふたをするごとき態度は厳に慎むべきであります。  第三に、行政当局政治姿勢の問題でありますが、決算審査質疑応答過程を省みますときに、私は、野党諸君質疑の中に謙虚に耳を傾くべき多数の貴重な意見、ほじくるためだけのものではなく、建設のためへの建議の数々を聞くことを得て、決算委員会前進と見られてうれしく感じておりますが、これに反し、議員質疑に対する当局答弁等に適切を欠く状況態度が見られたことを遺憾に思うのであります。すなわち、議員質疑等に対してむずかしい、うるさい、質問が早く終ればいいという考え方からか、イエス、ノー的なあまりにも簡単な答弁や、刺激しないよう、あげ足を取られないようにとのおどおどした態度や、あるいはまた誤った要望や当を得ない主張に対しても、ごもっともです、善処します、注意します的な確信のない卑屈な答弁が見られましたが、議員が選良の立場討論すべきであるように、当局もまた、国民から委任された行政責任者立場に立って事態説明と、その行政的立場と、政治的信念とを吐露して堂々と、しかも明快に答弁すべきであると考えます。答弁の不十分さや、おどおどした態度から微妙にゆがめられ、勘ぐられ、あるいは新聞紙上等にも、あたかも疑惑のにおいが漂うがごとき記事となってあらわれ、国民にますます政治不信へのきっかけとなることが散見したのであります。  さらに、質疑過程に見られたことでありますが、道路をよくすることも、港湾の建設も、土地改良等産業基盤整備も、教育の充実や減税さえも、すべてベトナム戦争に、独占資本に、あるいは安保反対にと結びつけるがごとき類推や、誇張に満ちたある種の質疑あるいは政治的立場の相違からするスタンドプレー的感のする質疑あるいはまた政治的誤解を招くおそれのある質疑等に対しては、当局もまた、国家的利益国民的立場に立ってその誤解と誤りとを正すために、事態の解明はもとより、おのれの見解と政治的信念とを堂々と、そして積極的に表明して信を国民に問うごとき行政者としての姿勢と勇気とを望んでやみません。  最後に、決算審査検査報告から見て、予算執行の結果、翌年度に繰り越された額が四百二十一億六千万、不用となった額が二百七十五億八千余万円にのぼっておるが、国や地方財源の苦しさや尊い血税の趣旨を考えて緻密な計画を立て、健全な財政計画とともに執行体制確立をはかり、予算効率適正化のために最大の努力をすべきであります。陳情政治や、なわ張り争い政治から前進して、乏しきを憂えず、ひとしからざるを憂うるの政治的愛情立場に立って、よく国民の声に耳を傾け、声なき声をくみ上げてきめこまやかな政治体制確立していただきたいのでございます。  以上、格段配慮を強く要望し、討論を終わります。
  8. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 二宮君。
  9. 二宮文造

    二宮文造君 私は、公明党を代表して、昭和三十九年度決算に対し、不承認討論をいたすものであります。  御承知のように、三十九年度決算が本委員会に付託されましてより一年、鋭意二十八回の委員会審議を重ねて、今日ようやくその終結をみようとしているのであります。この間、国有財産管理処分につきましては、前年度決算審議に引き続き、本委員会としても特に考慮を払って審査をしてまいったのであります。  その中におきまして、高槻、剣谷等国有林交換処分に端を発し、いわゆる共和製糖事件として世間の耳目を集めましたことは、いまだわれわれの記憶に新しいところであります。すなわち、共和グループに関する政府関係機関等不当融資、さらに、同グループによる脱税文書偽造印鑑偽造等々の犯罪容疑事件が発覚したのであります。また、これらとともに、政界にまつわる一連の黒い霧事件が暗い影を落とし、勢い国民の強い政治不信につながって、本年一月、ついに衆議院の解散を招くに至ったのであります。本決算は、まさにこのような重大な背景と内容とをもって構成されたものであり、予算執行等々にも多くの疑点を残していることは論を待たないところであり、不承認とするゆえんであります。  わが党は、これら問題の追及ないしその解明の一翼をにない、もって国民大衆の負託にこたえるべく努力を重ねてきたのでありますが、この際特に数点を指摘しておきたいのであります。  その第一は、共和製糖問題の本委員会での審査過程における政府姿勢についてであります。すなわち、当初、農中金の理事長、農林公庫総裁、あるいは関係政府委員等は、たとえば、融資の担保物件についての資料提出を拒むなど、しきりに事実をおおい隠し、あたかも黒を白と言いのがれることに専念するかのごとき印象を深くするばかりであったのであります。もし本委員会が、この政府姿勢に屈し、審議を中絶したとしますならば、これほどの重大な問題をはらんだ共和製糖事件は、ついに国民の前にその全貌を明らかにし得なかったであろうと思うのであります。  第二に、総理は、当時の一連の黒い霧事件について、積年の病弊なることばを残し、また共和製糖事件については、正すべきは正すときわめて前向きな姿勢を示したのであります。しかし、総理の正すべきは正すとの姿勢は、さきに申し述べましたような政府委員態度と、全くうらはらな状態を暴露したにすぎないのであります。また、総理の言う積年の病弊の中に執行された本決算が、どうして国民大衆の側から支持され、承認されるでしょうか。ここにもまた、政府の深く反省すべき点が残されているのであります。積年の病弊は、決してことばだけでは改まるものではなく、その病根の摘出こそ、現下、焦眉の急であります。この際、行政管理庁、ないしは、憲法のもと、内閣より独立した権限を持つこととされている会計検査院等々の格段努力を強く望むものであります。  次に、昭和三十九年度予算編成の三本の柱と強く主張された、社会福祉の拡大という面について指摘したいのであります。  すなわち、委員長審査報告書にも、特に警告事項として指摘されております社会福祉法人日本ベル福祉協会についてであります。本委員会でこの問題が指摘されまして、すでに一年以上経過しております。厚生省は当時すでに、ベル協会の経理乱脈を認めつつも、じんぜん日を重ねるのみで、実効ある改善措置を実行しなかった点は、まことに不可解と言わざるを得ないのであります。そこにもまた社会福祉事業の美名に隠れた政治勢力の影響をさえ疑わしめるのであります。身体障害者等々、いわゆる政治のあたたかい手を差し伸べ、その生活に希望の曙光を与えるところに、社会福祉の増大があり、政府のこのような態度は、まさに羊頭狗肉、社会福祉の本質をたがうものとして、強く反省を求めるゆえんであります。  さらに、同じく昭和三十九年度予算の三本の柱であります公共投資の拡大についてであります。すなわち、工事の請負入札契約時において、予決令等に規定する公正競争の原則は、ほとんど形式化し、実質的競争による公正確保の方途が、全く失われているのであります。これは政府の各部局、三公社、地方公共団体等における、あらゆる公共的入札のすべてにびまんしている悪弊であります。この点についての本委員会審議は、重点的に行なわれなかったのでありますが、この際、指名業者の選定から、入札、業者決定に至る経緯等を再検討すべきことを特に指摘して、関係者の注意を喚起しておきたいのであります。  以上、三十九年度決算審議を回顧し、委員長審査報告書に指摘されました警告事項を含み、予算執行ないしは効率的運用について、多くの疑点をはらむことは、まことに不満足といわざるを得ないのであります。このことは、究極するところ、決算に対する政府態度が、計数の整理あるいはその確認に終始するにとどまり、当該年度予算不用額、繰り越し額等々を含めて、深くその内容にまで思索、検討を加えようとしない、いわゆる決算軽視の悪弊にその端を発するものであります。これはまさに、新憲法下における財政民主主義の原則にもとるものであり、たとえば決算を議案として国会の議決を求める等、すみやかに是正改善措置を講ずべきであると主張するものであります。  以上申し述べまして、不承認討論といたします。     —————————————
  10. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 委員の異動について報告いたします。  本日、高橋文五郎君が委員を辞任され、その補欠として竹中恒夫君が選任されました。     —————————————
  11. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 岩間君。
  12. 岩間正男

    ○岩間正男君 私は、日本共産党を代表して、昭和三十九年度一般会計歳入歳出決算外二件につき、不承認を表明するものであります。  昭和三十九年度における日本経済は、その当初から、IMF八条国移行、OECD加盟等によって、対米従属下のいわゆる開放経済体制を迎え、貿易為替の自由化と、高度成長政策の矛盾の拡大など、深刻な経済の動揺期でありました。政府、自民党は、これらの困難を切り抜けるため、いよいよ対米従属を深め、そのもとでの海外進出を強化しました。その結果、米価をはじめ諸物価はますます高騰し、中小企業の倒産は、戦後最大を記録しました。それと同時に、安保体制下の軍備増強がもたらされ、佐藤内閣は、その発足当初から、F105D水爆戦闘爆撃機の横田、板付への配備、米原子力潜水艦の寄港承認など、アメリカのベトナム侵略戦争への協力、加担を露骨にするとともに、新暴力法の成立、さらには国民多数の反対を押し切って一方的に日韓条約を強行しました。  このように、戦争と従属、人民収奪と独占擁護の反動政策を推し進めるものとして、一般会計三兆三千四百五億、財政投融資一兆四千三百五億——これは補正を含むものです——。に及ぶ三十九年度予算執行されたのであります。したがって、このような予算執行は、アメリカ帝国主義と政府自民党、高級官僚との醜い癒着を来たし、そこに当然国家行財政の私物化による不正腐敗、汚職を生み出さずにおかなかったものがあります。会計検査院の例示的な指摘事項を見るだけでも、農林省を筆頭に六百六十余件、その中には、たとえば防衛庁が、かつてロッキード・グラマン事件で問題になった丸紅飯田から、実際の六倍もの価格で戦車用部品を購入したことが指摘されています。しかし、問題はむしろ指摘外のところにある。その中でも、特に重大なのは、共和製糖事件であります。周知のように、この事件は、政府の糖業政策から発生しました。政府は、砂糖自由化によるブドウ糖メーカーの保護と国内産製糖の助成に名をかりて、甘味資源特別措置法、糖価安定法をつくり、また、それと前後して農林中央金庫、農林漁業金融公庫、開発銀行等を通じて、計八十数億の不正融資共和グループに行なったのであります。また、これをめぐる国有林の払い下げ、共和グループヘの脱税の放置、政党、政界人の暗躍と贈収賄、政治献金等々、いわゆる一連の黒い霧は、安保体制下の現代日本の政界の縮図であり、ついに国会解散の端緒となりました。しかも今日、これらの国民の深刻な疑惑は何ら晴らされていません。たとえば当委員会の再三にわたるきびしい追及によって、政府はついににせ領収書の存在を認めざるを得なかった。しかし、その責任をどうするのか。にせ領収書に基づく不当、不正の融資を今後どう処理するのかについては、一切触れようとはしません。また、国会議員四十数人を取り調べておきながら、疑惑のまっただ中にある議員にさえ指一本触れようとはしていません。一体これでいいのか。日本の政治道義はどうなるのか。問題は政府の基本態度であります。この問題を明らかにするために、再三にわたって佐藤総理の出席を要求しましたが、佐藤総理は一度も姿をあらわさなかったのであります。事件は司直の手に渡っているのだから、その結論を待てばいいと考えるなら、これは大きな考え違いと言わざるを得ません。問題は、一国の政治道義のあり方にあります。何が、えりを正すでありますか。政府は一体、国民を忘れていると言わざるを得ない。  農林中金の場合一つを考えてみても、担保評価の常識を度外視した過大な見積もり、それをもとにしての数々の水増し不正融資、東食を通じてのクッション融資等々、湯水のように引き出された数十億の資金額は、そも何であるか。それはほかでもない、全国数百万の農民の血と汗の結晶ではないか。農民の預貯金が農協を通じて中金に集積した金ではないか。資金の性格上、それは当然に農民の生業と繁栄のために還元さるべきはずのものであります。しかるに零細農には二十万、三十万の営農資金をさえ出し渋り、期限が来れば高利貸も顔負けの過酷な回収をやっているではないですか。そのため、これまで何人の農民が首をつり、一家離散のうき目を見ているか知れないのであります。ところが、ここではばく大な資金政策融資の名のもとに、赤字欠損の泡沫会社に湯水のごとく流され、その一部は他の目的に流用され、その一部は政党、政界人の手に渡され、ますます政界の腐敗堕落を深めている。これが自民党佐藤内閣治下の政治の実体ではないですか。しかも政府、自民党は、かかる実体にメスを入れようともしないし、また、入れることもできないのであります。いま国会に提案されている政治資金規正法もまた同じ運命をたどろうとしています。もともと不徹底な審議会の答申をさえ骨抜きにし、依然として独占資本、財閥とのくされ縁を温存しようとしている。これは国民を愚弄するもはなはだしいと言わざるを得ません。いま国民は激しい憤りをもって事態の推移を見守っています。われわれは国民とともに、これを容認しないのみか、抜本的な要求と政策を掲げて、これと戦うものであります。  すなわち、政党は今後独占資本、財閥等からは一切の政治資金をもらわず、また、国の行財政を徹底的に民主化し、国の財政を物価、公共料金引き下げ、減税、働けば食える賃金、教育、住宅、交通、公害、文化対策等、国民の暮らしと健康を守る政策本位に使うこと、また、そのために、民主的に構成された国民の監査機関を設けること、これ以外に日本の政治の暗黒を解消する道は絶対にありません。国会を解散に導いた導火線ともなった共和製糖事件は、きびしくこのことをわれわれに教えています。そして、これはまた。厳粛な国民の声でもあります。  なお、最後に私は一言したい。それは、当決算委員会審議のあり方についてであります。審議は、単に会計検査院の報告書の限界に制限されることなく、国の行財政にわたる不正、腐敗、汚職の追及にとどまらず、常にその根源にさかのぼり、真剣な政策論議を通じて国政の運営に寄与することでなければなりません。このことを通じ、このことによってのみ、われわれは当委員会に与えられた職責を遂行し、国民の切実な要望にこたえ、真に民主的な政治建設に貢献することができるのであります。政府もまた、従来の決算委員会軽視の態度を根本から改め、総理まずみずからが多くの時間出席して、他の閣僚を激励して事に当たるべきであります。  このことをつけ加えて、討論を終わります。
  13. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 以上をもって討論の通告者の発言は全部終了いたしました。討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  14. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  まず、昭和三十九年度一般会計歳入歳出決算昭和三十九年度特別会計歳入歳出決算昭和三十九年度国税収納金整理資金受払計算書昭和三十九年度政府関係機関決算書を問題に供します。本件につき、お手元に配付いたしました案のとおりに議決することに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  15. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 多数と認めます。よって、昭和三十九年度決算は多数をもって配付案のとおりに議決されました。  次に、昭和三十九年度国有財産増減及び現在額総計算書昭和三十九年度国有財産無償貸付状況計算書を問題に供します。右の二件につきまして、いずれも異議がないものと議決することに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  16. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 多数と認めます。よって、昭和三十九年度国有財産増減及び現在額総計算書外一件は、多数をもって異議がないと議決されました。  なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の内容などにつきましては、ただいまの本委員会の議決内容によりこれを作成することにいたしまして、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  17. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  この際、政府から発言を求めておられます。これを許します。倉石農林大臣。
  18. 倉石忠雄

    ○国務大臣(倉石忠雄君) ただいま承りました決議の諸事項につきましては、農林省といたしまして、十分にその御趣旨を体して善処する所存でございます。特に共和製糖グループに対する融資についての御指摘につきましては、農林漁業金融公庫及び農林中央金庫の貸し付け体制整備と、その運営適正化をはかるために、指導監督について、今後一そうの注意をいたす所存でございます。
  19. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 田中法務大臣。
  20. 田中伊三次

    ○国務大臣(田中伊三次君) 審査結果の(一)の(2)に該当いたします松山刑務所の不詳事件について申し上げます。  この事件は、およそ法務省の矯正関係の職員にはあるまじき遺憾な行為でございます。かかる事件の発生いたしました根拠をたずねまするに、申し上げるまでもなく、綱紀の弛緩が一番大きな根本的な原因であると存じます。私は、就任以来、綱紀の粛正について腐心をしてまいりましたが、今後は綱紀の粛正に全力を入れまして、かかる不祥事の起こる余地のないよう最善を尽くして、御期待に沿いたいと考えるのであります。  また、審査結果の(一)の(3)に該当いたします法務省の民事局関係の、特に登記事務の関係事務が遅延をいたします結果、幾多国民の関係皆さまに御不便をかけておるという点について御指摘がございました。この問題は、根本的には登記事務に従事いたします者の人員の増加、登記所の設備の改善、さらに最近熱心に努力をしておりますが思うようになりません点では、登記事務の機械化ということに力こぶを入れていきたい、こう考えるのでございます。こういう具体的な方向に努力をいたしまして、できるだけすみやかにこの御不便を解消いたしまして、国民の皆さまの御期待に沿いたい、こういう考えでございます。
  21. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 水田大蔵大臣。
  22. 水田三喜男

    ○国務大臣(水田三喜男君) ただいま御決議の点は十分尊重いたしまして、各省各庁と十分連絡をいたし、その趣旨の徹底をはかりまして、遺憾なきを期したいと存じます。
  23. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 坊厚生大臣。
  24. 坊秀男

    ○国務大臣(坊秀男君) ベル福祉協会については、再三御指摘を受けておりまして、まことに遺憾であると存じております。その後事務当局をして、経理内容の明確化、相当額にわたる債務額の処理など、今後の運営の強化については強力に調査、指導を行なっておりますが、さらに積極的に指導を行ない、でき得る限りすみやかに解決をはかるべく、せっかく努力をいたすとともに、今後かかることのないよう十分注意をしてまいりたいと存じております。
  25. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 菅野通産大臣。
  26. 菅野和太郎

    ○国務大臣(菅野和太郎君) 三十九年度通商産業省所管の決算につきまして、会計検査院より不当事項として指摘を受けたものがありますことは、まことに遺憾に存じております。今後この種の事例の発生を未然に防止するため、より一そうの指導監督を行ない、かかる事例絶滅努力いたす所存であります。
  27. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 大橋運輸大臣。
  28. 大橋武夫

    ○国務大臣(大橋武夫君) 御決議はこれを十分尊重の上、運輸行政に最善を尽くしたいと存じます。
  29. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 小林郵政大臣。
  30. 小林武治

    ○国務大臣(小林武治君) 郵政部内職員不正行為につきまして、なおあとを断たないことはまことに遺憾に存じます。私どもは、平素業務運営の上におきましても、監察活動の面においても、犯罪防止に全力をあげておりますが、特に今後は、管理者の防犯意識の高揚をはかるとともに、犯罪の未然防止と早期発見につとめる等、実効ある防犯対策を実施することにより、不正行為絶滅をはかるよう、一そうの努力をいたす所存でございます。
  31. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 早川労働大臣。
  32. 早川崇

    ○国務大臣(早川崇君) ただいま御指摘のございました労災保険、失業保険の保険料の徴収不足の問題点につきましては、今後とも一そう注意を払い、万遺憾なきを期してまいる所存でございます。
  33. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 西村建設大臣。
  34. 西村英一

    ○国務大臣(西村英一君) ただいま御指摘の問題、建設省関係に対する御注意につきましては、今後とも熱意を傾けまして、関係の所属の機関に注意をいたしまして、改善をはかってまいりたいと存じます。
  35. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 増田防衛庁長官。
  36. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) 御指摘の点に関しましては、今後とも御趣旨に沿うよう努力をいたす所存でございます。     —————————————
  37. 亀田得治

    委員長亀田得治君) なお、この際おはかりいたします。  本日の委員長及び理事打ち合わせ会におきまして、委員会において次のとおり申し合わせを行なうことに決定いたしました。その内容を申し上げます。  決算についての議決の意義及びあり方については、従来からしばしば論議がなされてきたが、いまだ的確な結論が出ていない。ついては、本委員会として、将来この取り扱いを一そう財政民主主義の趣旨に沿わしめるよう検討を進めることとする。  以上のとおり申し合わせを行なうことに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  38. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 御異議ないものと認めます。よって、さよう決定いたしました。     —————————————
  39. 亀田得治

    委員長亀田得治君) この際報告をいたします。  虚偽の疑いのある政府委員らの発言については、理事会で協議いたしましたが、今後さらに理事会で慎重に協議することになりましたので、御報告いたします。
  40. 岡三郎

    ○岡三郎君 各所管大臣が出席して、本件審査の結果についての責任ある答弁をなされたことはそれでよろしいんですが、やはり最終段階として、本委員会がこの問題について結論を出す場合に、やはり内閣全体としての総括の責任者である内閣総理大臣が出て、各所管の問題は問題として、国全体としての予算執行のあり方についての所見といいますか、そういうものをやはりはっきりと国民に明言することにおいて、一つの決算の締めくくりをするということの慣例をつくらなければ、これはことばだけの問題に終わるという心配がなおある。そういう点で、委員会において、今回の場合、それがどういうふうになってきておるのか、この点について、一応委員長にただし、やはり最終的には、どういう事態があろうとも、総理の出席を求めて結論をつけるという方向での私は取り扱いにしてもらいたい、こういうふうに考えて一問発したわけです。委員長の所見を聞きたい。
  41. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 委員長より見解を申し上げます。  ただいま、岡君発言の点はまことにごもっともなことと思います。委員長としても、その点についての意思表示をいたしましたが、従来から、総理大臣がこの席には来ない、こういう慣例になっておるような報告を受けました。そういうことで、委員長としては了承しておるわけじゃありませんが、一応今回の総括は従来どおりといたしまして、しかし、今後、その点については、委員の皆さんともやはり検討をして、そうして決算委員会というものをもっと重要なものにしていかなければならぬ、こういうふうに考えておる次第でありまして、このことは、委員長だけではとてもどうにもなりません。なかんずく与党の皆さんの協力を得なければできませんことでありますから、理事会等にもおはかりをして、今後ともひとつ努力をしていきたいというふうに考えております。
  42. 岡三郎

    ○岡三郎君 大体内容はわかりましたが、やはり従来の慣例というものが私はいけぬと思うのです。これはわれわれにも責任があるわけですが、特にいま決算についての議決のあり方について、新しく委員会として検討を進めるということに、新しい段階に入るとするならば、ますますその感を深くするわけです。特に本件審査の結果についての警告というものを、内閣に対し次のような警告を発するということになると、なるほど閣僚は内閣の一員であるが、内閣警告を発するということになるならば、当然その責任の中心は総理大臣にある、私はそういうふうに考えるわけです。したがって、総括に対しては、総理は出る。しかし、最終的な当委員会の総まとめの警告というものを発する場所に総理がおらぬというのは、これはやはり竜頭蛇尾といいますか、画竜点睛を欠くということに私はなるのじゃないかと思います。そういう点で、いま委員長の言われたことを了といたしまするが、これは本委員会において、特に与党の委員も含めて、決算のあり方について、国民の負託にこたえるという、そういう観点から、党派を越えてやはり厳正な場に決算委員会を置くという趣旨に沿って、ひとつその点、われわれも協力いたしまするから、そのように将来取りきめていくような努力をお願いしたい。  以上でございます。
  43. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 本日はこれにて散会いたします。    午後二時四分散会      —————・—————