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中村喜四郎君 時間がありませんので、私は二、三の点について問題を投げかけて御検討をいただきたいと思うのですが、先ほどからの
用地買収等々は、
住宅公団の問題について一番問題点になっているのは、
土地の買収に対する評価
価格の問題だろうと思うのです。いまちょっと総裁も触れましたが、
土地の
価格の評価の鑑定
機関の確立というものを急速にこれはひとつ立てていただきたいと思うのでございます。どこでもこの問題になりますと、もみ合いになるわけですから、ある
程度近傍類地という
価格で評定するわけでございますが、それでは納得できない面があるので、全体的に見てこういう
価格なんだという、第三者が見て納得のいけるような
価格を地主に提供できるような姿勢というものをつくることが必要だと思うのです。
第二点としては、
用地買収後の対策に対して、もう少し
公団としては農林省とか
建設省とか、それぞれの
機関の協力が得られるような機構、法的措置、こういうものが必要ではなかろうかと思うわけです。たとえば農地を買収した後に、減反された農家に対して、減反
面積でしかも営農形態でやっていくためには農村のいろいろの近代化の設備も必要だし、あるいは集団的な集荷場等も必要だし、あるいは
道路の問題等も必要になってくる。しかしそういう問題になると、
住宅公団ではどうにも手に負えなくなって、農林省につてを求め、
建設省にこれを求める。しかし、これは
公団の仕事だ、あるいは農林省の仕事だといって受け付けられないで、結局は
土地を手離したままの姿になるために、
用地買収に応じない形がどの地域でも起きているということ。こういう点を考えて十分ひとつ他省との連絡協調のとれるような体制を整えてもらいたい。いまの二宮さんの
質問等にも同じようなケースが私は生まれておるのじゃないかと思います。私
研究学園
都市関係にも長く関係しておりまして、
用地買収の困難さを承知しております。しかも、それは
価格だけではなく、われわれは将来どうなっていくかということに対する問題が手離す農家の一番問題点になるんです。したがって、他省との連絡をとるということ。もう
一つは、
地方公共団体を媒体として
用地買収を十分やっていくということ。いまの
住宅公団のやり方を見ていると、大体そういうケースをとっておりますけれ
ども、しかし、究極的にはそれから離れているとすれば、それは
公団の機構の問題、あるいは人的構成の問題、膨大な
面積等の問題に関連するからでありますけれ
ども、
地方公共団体側としては虫食いの
開発状況でなく、あるいは公共の
道路の問題、あるいは
土地利用
計画の問題、下水道等の問題と関連して
用地買収はやっていかなければ
地方の
開発にはならないわけで、都会の犠牲において
地方が
開発される、こういうことになるわけですから、
地方公共団体と密接な連絡をとりつつ
用地買収を進めていただきたい。
用地買収については以上の点ですが、さらにもう
一つは、公共
事業費の問題でございますが、埼玉県にしても、千葉県にしましても、
公団の
用地買収に応じにくくなった、われわれはここに
住宅公団の進出を求めないというのは、
住宅公団ができて
団地ができますれば、小
学校も中
学校もつくらなければならない、
公共施設もつくらなければならないのに、それを
負担することが
地方公共団体としてはできないからです。しかも、現在の法律ではそのような特別の助成方法はないわけです。したがって、これらの問題につきましては、法の改正点について他省とも十分検討を加えていただきたい。
三つ目には、これからの大きな問題になっているわけですけれ
ども、水の需給の問題でございます。各町村で
住宅をつくった場合に、水が出ないところに、水の不足なところにつくったためにどうにもならなくなって大騒ぎになっているということが各地に起きているわけです。いまの
東京都の水の需要状況等から見ると、私
どもが調べたところでは急速な水の不足を来たしているわけでございます。
昭和三十二年
東京都の全都区で必要とした水が一日百九十万トン、三十五年で二百六十万トン、四十年では一日三百七十八万トンという。しかも、水の
開発は進められていない状況です。
東京都の周辺で現在の二千二百万の人口が、これは一都六県になるわけですが、おそらくこれがあと五年ないしは十年たって二千六百万の人口になる。これに対応する水の対策というものは、
政府で十分な対策が立てられておらないわけです。御承知のようにアメリカ等においては、もう
国会におきましても水の対策の特別
委員会がつくられて、膨脹する人口に対して四十年後、五十年後の水対策を立てている状況です。
東京都周辺の
住宅地が
開発されるにつきましては、これからこの水の問題を十分御検討をいただきたいと存じます。現在利根川等の水量等の状況を見ましても、年間平均一秒間に四百トンの水が流れている。四百トンの水というものを考えてみますと、工業用水の一番安い値段でトン五円と
計算しましても一秒間に二千円の水が流れている。これを一昼夜に換算してみますと、膨大な
価格の一億五千万円以上の水が使われずに太平洋に流れたまま水不足になっている状況です。しかも、
住宅地では水が不足だ。こういう状況を考えて水の対策も
公団としましては、他省とも連絡し、水資源
開発公団とも連絡をとり合って問題討議を進めていただきたいということ。
もう
一つ最後に自動車のパーキングの問題ですが、
団地等におきましては、駐車場を十分将来の
計画として考えていただきたいと思うわけです。御承知のように、現在
日本の自動車免許証を持っている人は、二千万の人がそれを持っておる。八百万台自動車がある。乗用車だけで百八十万台、これが経済企画庁の統計によって見ますと、おそらく十年後には十七倍の増加率を示すだろう、一世帯一台ぐらいの率になっていくだろう、こういう見通しも立てられておるわけです。したがいまして、将来の大きな構想として駐車場、パーキングの問題も同時並行的に今後
団地構成の中で考えていただきたい。この四つの点を問題点として投げかけておいて、御検討をいただきたいと思います。