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国務大臣(
小林武治君) 先ほどから人事管理につきまして、いろいろ適切な御意見を伺ったのでございますが、私は、いまのように
郵政事業が膨張して人があれだけふえ、増加しておる、こういうときにおいて、むしろ現在のもう
郵政局なる制度がはたしてあれでいいかどうか、たとえば国鉄などは、二十幾つにも分けて鉄道管理局ができておる。いまお話しのように九州全体を一人の
局長が見ておって、一年や二年で転任しておって、人の把握ができるか、こういうことになるとこれはできないのがほんとうであろう。したがって、私どもは、根本的にはもういまの
郵政局の制度そのものをひとつ検討しなければならぬ時期に来ておる、こういうふうに思いまするし、また、
郵政省の人事管理が比較的中央集権的だ、こういうことにも私は非常に問題がありまするし、
郵政局が全部持たないで、もっと統括局に持たせるような余地がないか、こういうことも
考えるのでありますし、また、特定局の人事を、一番の現業の最先端まで
郵政局でこれを全部見るということ自体も無理があるということで、これらの問題については、私はいまそれぞれの向きで検討をしてもらっております。人事管理そのものについては、もういまの状態では追っつかない、私はそういうことを
考えておりますし、
郵政事業というものは人がやるので、機械がやるのではない。もう末端においてはやはり足によって、手によってやる以外にない。そうすると人が一番大事な役所でありますから、いわゆる人事管理そのものは、
郵政事業の管理部門の中でほとんど八、九割の仕事が人事管理でなければならぬ。要するに人事の適正な
運営をしなければならないのだ。それで
事業をうまくやるためには、人をして、人心をうまざらしめる必要があるし、この原因はやはり一番人事が不公正だ、お互いの中にそれに不満を持っておる、こういうことが一番これはいけないので、不満を持たせないようにすることは、公正にやる、客観的にできるだけの公正を期する、そうして人事担当者の主観とか先ほどのお話のような何か特別なことをしなければ上に上がれない、こういうふうなことは厳に戒しめなければならぬ。私も就任以来、それは非常にきびしく言っておるのであります。ことにまあいろいろな
関係で、上の人の家をたずねるなんというと、ただじゃ行かれないから何か持っていく、こういうようなことで、こういうようなことは私、厳に、もう
郵政省の幹部にも私のうちには来てはならぬ、こういうことまで申し渡しておるのでありまして、あくまでもこれは適正に、公正にやる。それでお互いの、
郵便局内においてもお互いの健全な競争をすることは、
保険でも
貯金でも必要だが、お互いに相排斥する、あるいは嫉視する、こういうようなことがあってはいけない、これらの根本は、これは人事が適正だということが一番必要だ、こういうふうに思っておるのでございます。
先ほどのお話もありまして、
管理者の再訓練は組合対策ではないかと、こういうことのお話がありましたが、私は組合に対しては、強くあってもいけないし、弱くあってもいけない。むしろ弱過ぎた部分もなかったとはいえないというふうなことも
考えて、やはり適正な
態度をとり、組合の立場を認める、組合の権利をあるべき姿において認める、要するに正常
関係を持つということが、一番これは
管理者としては必要であって、これを変なことのために乱用するようなことがあってはならぬというふうに思うのでございます。
それでいまお話しのようなことは、私も一々ひとつよく拝聴いたしたのでありまして、これは現業部門についても、もしお話しのようなことがあるということがあったとすれば、これはどうしても排除しなければならぬ、こういうことに思うのであります。それでいまのようなことはやはりある程度現場にも臨んで、そうして
実情を調べる、そうしてあくまでも
従業員全体が喜んで働くように、喜んで働く一番大きなことは、適正な人事が行なわれるということが必要である、こういうことで人事管理の全体につきましても、私は制度的にもこれは再検討する時に来ておる、こういうことを
考えております。要は、これは
従業員それぞれの公共
事業としての
責任を感じて、そうしてそれぞれの使命を果たすということが必要じゃないか。
それから私は、もう一つ申し上げておきたいことは、
郵政省は少し管理部門に人間が多過ぎはせぬか、こういうことを私は常に言うておる。
郵政局等に行っても人が多過ぎはしないか。ですから私は管理部門の増員というものはいたしたくない、こういうふうに思っております。現業はこれは受動的なものですから、物がふえれば人がふえなければならない。したがって、現業については御承知のように、毎年ある程度の増員を行なっておりますが、しばらく管理部門の増員はいたしておりません。私自身はこういうものは要求したくない、こういうことを
考えておりまして、われわれの仕事で一番大事なのは現業である、現業の諸君が直接の仕事をし、大衆に接触しておる。したがって、従来、昔の話でありますけれども、ややもすれば逓信省には非現業優先、何か非現業は優れた人がおるような気持ちがなかったとは言えない。私はいまそういう
考えを根本的に改めて、現業第一主義ということで、人においても待遇においても、いろいろな面においても、現業をひとつ重視をしてもらいたいということをやかましく申しておるのであります。これはいまお話しのような御趣旨は、私ももとより賛成であって、私はむしろ管理部門から現業にもう少し人を移したらどうかとさえいま申しておるのでありまして、御趣旨には賛成でございます。
以上、一応私の
考えを申し上げました。