○二宮
文造君 社会
局長、全然実情を御存じないのです。私が
指摘しましたのは、授産所には全然工賃は通っていないのです。よろしいですか。三越から下請を受けた人が
指導員に入っているのです。その
指導員から授産所の収容者に直接払われるのです。授産所はその
経理を全然知らないのです。こういうことがはたして授産所を運営する方法として正しいかどうか。これが
厚生省のお肝いりでできたベル福祉
会館の授産所に行なわれている事実なんです。こういう形で全国から来ておりますから、やっぱり先に収容されている人に意見を聞きます。そうすると、そういうことが吹聴されて、これは絶対に定員に満たない、永続しない、現在のような状況でやっているのでは。ですから、授産所そのものが的確でないわけです。それを
厚生省は一つも
指導されていない。また、聴能訓練にしても、競輪のほうから二千六十二万円もの
助成金を取り、さらに、振興会のほうから千九百万円の融資を受けて設備をした。はたしてこの設備が、ほんとうに突き合わせをしていって、
厚生省に報告されているだけの金額にマッチするかどうか、これも不明です。ですから、私は、この社会福祉法人ベル福祉協会が今日二億五千万円の借財を持つに至ったゆえんは、
経理がずさんだからである。第一、土地代金にしても、四千七百万円のうち楽石社は一千万円を受け取っていない。にもかかわらず領収書はとられている、こういう事実です。それからまた、毎年の収支
決算書や財務諸表にしても、これは完全につくられたものでありまして、現に私が参りましたときにも、十二月以降帳簿はついておりません。また、帳簿をごらんになりますとよくわかりますが、一定のときに同じ字で書いております。つくられた帳簿である。こういうことが社会福祉法人として適当であるかどうか。国から交付金あるいは
助成金合わせて一億円です、それで運営されている、そういう実態です。
さらに今度は、丸紅との請負契約の中にある金利三銭あるいは六銭、こういう金利を負担するということが
理事会で
承認されましたかどうか。これもない。そうしますと、定款できめられた
理事会というものがあっても、このベル福祉協会は完全に一人の人の意思によって運営されてきた。それに対して国並びに
公共団体あたりから一億の
助成金が出された。しかも、その使途は明確でない。明確でない理由は、ただいま申し上げましたように、収支は一応は合ったはずなのに、支払い利息だとかなんだとかという
計算で二億五千万円の借財を負っているというのが、明瞭でない証拠です。また、社会福祉
事業法によりますと、評議員会がない場合は、監事は厚生大臣に
経理のことについて報告をしなければならない、こういう法の規定がございますが、これもやられておりません。ですから、私はあえて背任とは申しませんけれども、社会福祉法人がこういう不明朗な
経理で、しかも、数千万円にわたる行くえ不明の金額がある。それを再三土地の問題で私どもはこの
委員会で問題にしました。にもかかわらず、
厚生省としては、さらに具体的に
指摘をするまで、なぜ実地において
調査をされ、適正な
指導をされなかったか。ここに私は
厚生省の重大な責任があると思う。そのために、今日年金福祉
事業団の債権確保について、また振興会にもこれから心配をかけます。おそらく償還期限が参りましても、別段の手を打たなければ、もう返済されないのは事実です。こういう時点をどうされるか、お伺いしたいと思います。