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国務大臣(
増田甲子七君) 博学な稲葉
委員の御質問でございますから、そういうものはあるということは私はきょう初めてでございますが、これからだんだん見てみますが、むしろ、あなたのおことばと私のことばとが、お互い政治家として常識の線を行った場合に、対象区域というならば
考えられるけれども、行動区域のほうがあべこべに広いということはこれはおかしな話で、むしろ逆なんじゃないですか。対象ということは、私は衆議院においても参議院においてももろもろのお答えをいたしておりますが、対象国ということばを使わせないことにいたしました、二月前から。対象国ということばを使わせないことにしたのです、二月前から。対象国
——これはあなたが御存じであるかないか知りませんが、恵庭裁判のときに、田中義男証人が、対象国というものがある云々と、それは
長官の
許可を受けなければ言えないということを言っておりまして、それから
長官は、対象国はあるにはあるけれども、機密であるから答えられないということを札幌の地方裁判所に答えている事実がございます。そこで、対象国というのはおもしろくないというのが、私の前からの世界観、人生観なんで、(笑声)つまり、侵略者というものは、皆さまがお笑いになりますけれども、海賊もある、交戦団体もある、オーソリティーもある。それから第四番目にステートというものが来るのですから、それらの中のつまりこれは侵略者と言えということを二月前から言っている。それから一週間前に文献を調べたところが、まあ、英米の文献ですが、アグレッサーということばが書いてあります。それですから、必ずしも外国というふうに国に限りませんですから、われわれはやはり
日本の国の安全を守り、一億の国民を枕を高くして眠らせるということが
政府なり防衛庁の責任でございますから、可能的侵略者といったほうが一番
日本語として正確なんですが、しかし、侵略者ということばを使いなさいと言っておりまするから、その行動範囲と対象範囲ということは、むしろ対象のほうが広くて行動のほうが狭かるべきはずのものなんです、いまの自衛隊の力から見て。それもあべこべになっておりますから、どうもこれはあなたのお勉強は十分
——根拠がちょっと乏しいのじゃないか。私も勉強します。しかし、機密に属することは申しかねますから、これは稲葉
委員も御了解願いたいと思います。
それから、先ほど
教育局長が私のところへ来まして、ひとつ質問に対する御答弁を補足いたしますが、
沖繩におきましては、共同演習もなければ、ゲリラ部隊の、外国の
——つまり
アメリカは外国ですから
——外国のゲリラ部隊の演習を見ている事実も何もないということでございますから、どうか詳細に出せという文書のことはお許しを願いたい。ただそれだけのことでございますから、ほかに何もない。四、五日ぐらいのことですから、見物に行くだけのことでございますから、どうぞあと詳細にこまかく出せと言われても
教育局長も困ってしまいますから、私もあまり機密でないならばそれは出したっていいですが、いつも見物に参りますという文書を書いて出せばいいのですから。しかし、そんなことはやはり稲葉
委員をばかにしたようなことになりますから、この範囲の私の答えでお許しを願いたいと、こう
考えている次第でございます。