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1967-04-04 第55回国会 参議院 運輸委員打合会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十二年四月四日(火曜日)    午前十時二十六分開会     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         天坊 裕彦君     理 事                 谷口 慶吉君                 岡  三郎君     委 員                 江藤  智君                 金丸 冨夫君                 平島 敏夫君                 大倉 精一君                 木村美智男君    政府委員        運輸省鉄道監督        局長       増川 遼三君    事務局側        常任委員会専門        員        吉田善次郎君    説明員        運輸省自動車局        整備部長     堀山  健君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○運輸事情等に関する調査  (南海電鉄踏切事故に関する件)     —————————————
  2. 天坊裕彦

    委員長天坊裕彦君) ただいまから運輸委員打合会を開会いたします。  運輸事情等に関する調査を議題といたします。  南海電鉄事故に関する件について運輸省当局から報告を聴取いたします。増川鉄道監督局長
  3. 増川遼三

    政府委員増川遼三君) 南海電鉄踏切事故につきましては、資料をお手元に配付してございますので、それを御参照しながらお聞き取り願いたいと思います。  今回、南海本線樽井−尾崎間、樽井第九号踏切道(第三種)上におきまして下り線を支障して停止しております大型トラックと、下り急行第一八 ○五列車が衝突脱線いたしまして、川中に転落事故を惹起いたしました。とうとい人命を失い、多くの重軽傷者を出すに至りましたことはまことに申しわけのないところでございまして、衷心より遺憾の意を表する次第でございます。今回の事故によりまして、なくなられました方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、御遺族の方々に対しまして心からお見舞い申し上げる次第でございます。  運輸事業におきます輸送安全確保につきましては、常々最も意を注いでおるところでございますが、今回の大事故につきましては徹底的に原因を究明しまして、再びかかる事故の起こらないようつとめる所存でございます。また不幸にしまして死亡された方々には十分なる敬弔の意を尽くすとともに、負傷された方々の治療には万全の対策を施すよう南海電鉄並び森吉運輸株式会社指導いたしておるところでございます。さらに事故補償措置につきましても最大限の誠意をもって当たらしめる考えでございます。  なお省内におきまして南海電車事故対策本部を設置いたしまして、事故被害状況あるいは復旧状況等確認をいたすとともに、運輸大臣には、現地を視察していただき、また専門調査員現地に派遣いたしまして調査に当たらしておるところでございます。また南海にしましても、先ほど申し上げましたように、被害者の救済あるいは鉄道復旧という点につきまして指示をしたところでございます。  このたびの事故状況でございますが、概況書にも書いてございますように、樽井踏切におきまして、七十五キロから八十キロアワーの速度で当該踏切のところを通行中であった電車が、その踏切の約五十メートルないし六十メートルくらい手前だと推測されるのでございます、ここでトラックを発見しまして、直ちに非常制動措置をとったのでございますが、及ばなかったわけでございます。場所がちょうど川の——男里川という川のすぐ手前でございまして、トラックの頭部を運転台の下にかかえましたまま突っ走りまして脱線し、河中に転落をしたと、とういうかっこうになっておるのでございます。一両目があおむけの状態で転落、続きまして二両目がその上に転落いたしました。三両目は二両目のかどに引っかかり、かつ四両目との連結という関係であやうく転落を免れた次第でございます。  当該電車運転士は二十六歳で経験四年三カ月でございます。車掌は二十四歳、経験一年四カ月でございました。過去におきまして責任事故というものは起こしておりません。  なお、復旧につとめまして、四月三日の初列車から上下線とも開通を見ましたことは非常に幸いでございました。通勤客輸送には支障を来たさずに済んだ次第でございます。  なお、当該踏切関係でございますが、幅員が二・一メートル、長さが十二メートルという非常に狭いところでございまして、しかも道路関係は、踏切に接続しております部分で二・四メートルないし二・六メートルという道路状況でございます。この道路が先にまいりますと次第に広がっておりまして、国道から入りますところは約四メートル幅の道路でございます。その辺の状況は非常によくて、大型車でも通行可能な状況でございます。したがいまして、そこから入ってまいりますと、次第に道路が狭くなり、その最も狭くなっておりますのがこの踏切道ということになっておりまして、これに対します大型車通行規制ということにつきましても、十分な措置が講ぜられてなかったのではないかというふうに考える次第でございます。私どもといたしましては、大阪陸運局指示いたしまして、こういった観点から現地対策を直ちにとらせるようにいたしておる次第でございます。  以上、はなはだ簡単でございますが、御報告申し上げます。
  4. 天坊裕彦

    委員長天坊裕彦君) ただいまの報告に対して質疑のおありの方は、順次御発言願います。
  5. 岡三郎

    岡三郎君 いま鉄監局長から説明があったわけですが、大臣視察現場で倒れたと、こういうことで了承できるわけですが、政務次官はどうしているわけですか。
  6. 天坊裕彦

    委員長天坊裕彦君) 衆議院予算委員会で同じ問題を扱っているそうで、そちらに出席しております。
  7. 岡三郎

    岡三郎君 新聞によるとですね、福永官房長官がこれについて何か動いていると、こういう情報があるわけですね。いまの話によると、衆議院予算委員会に入っているということで、実際に言うて、きのう衆議院のほうは予算委員会ですでにやっておるわけです。ということになれば、きょうの委員会のここへ来て、一応やはり報告をして、そうして衆議院予算委員会に入るなら入るというふうな手続をとってもらわないと、衆議院予算委員会があるから、そこへ全部入ってしまっておるというんでは済まぬと思う。そういう点で、やはり参議院の運輸委員会が開かれておるわけですから、一応こちらのほうにも出席して、事情を述べて、こういうわけでここへ長らくいるわけにいかぬというととで退席せられるようにするならばいいと思うんですけれども、何か見るというと、政府委員のほうは不足のような感じがするわけです。鉄監局長は申しわけないということもあまり言ってないしね。一体運輸省のほうは、いま現場に行ってる人はどういう人ですか。
  8. 増川遼三

    政府委員増川遼三君) 鉄道監督局民営鉄道部運転係長でございます。
  9. 岡三郎

    岡三郎君 そうすると、運輸大臣が行って倒れて、あと責任ある者は行っていないのですか、現在。
  10. 増川遼三

    政府委員増川遼三君) 本省からは現在は派遣しておりませんが、現地大阪陸運局長以下、諸幹部が全部現地のほうの指導をいたしております。
  11. 岡三郎

    岡三郎君 運輸大臣が、倒れたあとならば、やはり当然その調査を、民鉄部長なり、鉄監局長が行って、やはり具体的に調査してその報告をすべきであると思うのですよ。現地大阪陸運局長にまかしておるということは、やはりこれは本省として怠慢だというふうに思う。しかし、その点はこれ以上触れません。質問いたしますがね。  いま話を聞いているというと、それに対する、死亡せられた人や、けがした人に対する問題についての取り扱いについて、どうするのかというふうな質問がすでに衆議院でなされておるわけです。そういう点について、総理からいろいろ説明があり、いろいろと答弁されておるが、運輸省としてやはり報告する場合においては、やはりこれに伴う原因というものについては大体わかっておるわけですから、これに伴って、いまの森吉運輸あるいは南海電鉄と相談してと、こう言っておりますがね。やはりこういう問題について、これから、いろいろと話が進められておるわけですが、もうちょっと誠意のある答弁と、それからこういう事故に対する具体的な措置というものについて説明がないというと、何かこう形式的にやられているような形の感じがするわけです。そういう点で、端的に言って、鉄監局長では答えられない部面が多いのですね、実際言うて。だから、ちょっと質問のほうも困るわけだが、端的に申し上げますが、隣に来ているのはだれです。
  12. 天坊裕彦

  13. 岡三郎

    岡三郎君 整備部長……。  で、私は鉄監局長に一つ聞きますがね。いまからやはりもう三年以上になるけれども、鶴見の大事故があったわけですね。で、鶴見の大事故がある前は、この運輸委員会で、踏切の問題ですね、交通安全の問題について、かなり突っ込んだ質問をしても、踏切に対する対策費というものがなかなか計上しにくいということで、非常に整備がおくれておった。ところが、鶴見事故があると、びっくりぎょうてんして、政府踏切対策費というものを大幅に増額して、この整備に当たってきた。その当時も私鉄についても同様に踏切整備がおくれている。交通安全の面から見るというと非常に問題点が多過ぎる。そこで、当時の民鉄部長に対しても積極的に運輸省指導をして、私鉄関係安全対策、特に踏切対策等についてこれを指導するようにと言っておったが、こういう問題についても、私鉄のほうがいろいろと競合する関係もあって、車両の取りかえとか、あるいはスピードアップとか、そういうふうな営業的な面には非常に力を入れるけれども、なかなか立体交差とか、金がかかる面、あるいは踏切対策という面については、非常におくれておるし、軽視しておるという風潮があった。こういう点についても、かなり突っ込んだ話が当時あったわけです。しかし、私はいまこの南海事故を見て、やはりこれは運輸省姿勢というものが、何か事故がなければ強い指導ができぬという一つの関係が非常に感じられるわけです。そういう点で政府自体としての私鉄に対する指導、こういうものがどういうふうにいままでなされてきたのか、こういう点について概略の説明を伺いたいと思う。
  14. 増川遼三

    政府委員増川遼三君) 踏切道改良につきましては、踏切道改良促進法を制定いたしまして、政府といたしましても従来からこれを強力に推進してまいったところでございます。昭和三十六年度から四十年度までの五カ年間に整備した踏切道の数は、立体交差化が八百十カ所、構造改良が二千七百六十九カ所、保安設備整備一万二千五百五十五カ所となっております。この間に整備統合されました踏切道は七千三百四十五カ所にのぼっております。この結果、昭和三十六年には七万七百三十八カ所ありましたものが、四十一年四月一日現在をもちまして六万一千三百八カ所と大幅に滅っております。また保安設備のない第四種の踏切道の数も、三十六年には六万一千百二カ所ございましたのが四万一千七百六十四カ所というふうに減少しております。踏切道改良につきましては、今後ともこれを強力に推進していく所存でございまして、改良促進法によるものといたしましては、昭和四十一年度以降五カ年間に、立体交差化個所が六百カ所、構造改良が二百五十カ所、保安設備改善、六千九百五十カ所、こういうふうな計画を立てまして、これを目下推進しつつあるわけでございます。
  15. 岡三郎

    岡三郎君 それを、いま数で言われましたがね、全体のパーセンテージで大体正確に言ってもらいたいと思います。つまり三十五年当時これだけのものをやらなければならなかった、それが四十年度までにどれだけになったか。それから四十一年度の改良促進法に伴っていまやりつつあるけれども、年度別に見て一体どういうふうな計画になっておるか。そのいわゆる進捗率、特に立体交差化の問題について、金がかかるかかると言っておるけれども、政府自体として一体どの程度する熱意があるかどうか、こういう問題についてずいぶんわれわれとしても過去にやってきたわけです。いまの点について、一体こういう事故があって、大きな対策が打ち出されてくるということにいままでの経過がなりがちであるけれども、私はこういう点を見ると、何か人柱があって、昔の政治と似ているのであって、事故がないと積極的に対策が講じられない。昭和の四十二年の人柱という感じがするわけです。人が死ななければ、大事故が起きなければ、姿勢がきちっと改まって、取り組みができない、こういう感じがするわけです。これは、ずっと経過をたずねて見れば、そういう感じが非常に強い。そういう点で、これから特に取り組みが強化されると思うのですが、いままでのやつをひとつパーセンテージで、大体の経過をもう一ぺん説明してほしい。
  16. 増川遼三

    政府委員増川遼三君) 昭和三十六年度と昭和四十年度を対比して申し上げたいと存じます。  国鉄私鉄に分けまして、国鉄は、第一種踏切が、三十六年度におきまして二千八百七十カ所あったのでございますが、これは、四十年度におきましては四千百十一カ所に相なりました。三十六年度に比較いたしまして四三・三%の増でございます。国鉄の第二種は、三十六年度十七カ所のものが四十年度には一カ所に集約をされまして、これはわずかに五・八%というふうに減ったわけでございます。これは、すべて第一極のほうに格上げされたという関係であります。次に第三種踏切につきましては、三十六年度二千七百六十九カ所ありましたものが、四十年度におきましては、九千五百三十一カ所となりました。比率は、三四四%でございます。次に第四種の無防備踏切でございますが、三十六年度三万六千七百三十三カ所ありましたものが、四十年度におきましては二万三千三百二十九カ所となりました。六三・五%に落ちております。  次に、私鉄関係で申し上げますと、三十六年度、第一種千六百九十五カ所ありましたものが、四十年度には二千四百三十二カ所にふえております。このふえ方は一四三・五%になっております。第二種は、三十六年度四百二十九カ所ありましたものが、四十年度には三百十九カ所、七四・四%に落ちております。これは、落ちた分はすべて第一種に格上げになったものでございます。次に第三種三十六年度千八百五十六カ所ありましたものが、四十年度には三千百五十カ所に相なりまして、その比率は一六九・七%でございます。次に無防備の第四種踏切、三十六年度二万四千三百六十九カ所ありましたものが、四十年度末には一万八千四百三十五カ所でございました。七五・六%に減じているわけでございます。  総合計いたしますると、第一種の増加率は、国鉄私鉄合わせまして一四三・四%に増加、第二種は七一・五%に減りました。第三種は二七四・二%。それから第四種は六八・四%に下がりました。全部合わせまして、三十六年度から四十年度にわたりまして、踏切道改善された数を申し上げますと、三十六年度七万七百三十八カ所に対しまして、四十年度は六万一千三百八カ所、減りました数の比率は八六・七%ということになっているわけでございます。  このようにいたしまして、国鉄私鉄とも相当力を入れてまいったということを御認識いただけるかと存じますが、これらにつきましては、やはり相当の経費を要するところでございまして、道路管理者側と密接なる連絡のもとに、極力この計画を今後も推進してまいりたいと考えておる次第でございます。こういうふうに、踏切道改良並びに整理統合ということも行なわれましたことによりまして、事故発生件数も非常に減っておるのでございまして、国鉄私鉄合計で申し上げますと、三十六年度には発生件数五千四百八十三件でございましたのが、四十年度におきましては四千二百八件に減っております。  それから踏切種別ごと事故発生状況を申し上げますと、第一種の踏切におきまして、三十六年度におきましては三百十一件でありましたものが、四十年度におきましては四百八十七件ということになっておりまして、こういうりっぱな設備を備えた踏切におきまして事故発生がふえておる。踏切百カ所当たり事故件数で申し上げますと、三十六年度が六・八件でありましたのが、四十年度は七・四件というふうに比率も伸びておるわけでございまして、これは、原因を探求いたしますると、やはり直前横断とか遮断機突破というようなことが非常に多いわけでございまして、これらが、このいま申し上げました直前横断遮断機突破と、こういった面だけで見ましても、全体の踏切事故のうちでその七〇%を占めておるということでございました。非常に自動車運転者側順法観念というものの向上が必要であるというふうに痛感しておるわけでございます。  なお、第二種踏切につきましては、三十六年度七十七件ありましたのが、四十年度は四十九件に減っております。百カ所当たり発生件数も、比率も減っております。第三種につきましては、三十六年度に九百七十一件ございました。百カ所当たり発生件数が二十一件でありましたのが、四十年度におきましては千百九十四件になっておりまして、百カ所当たり発生件数は九・四件というふうに、これは大幅に比率は減っておる次第でございます。  次に、第四種の無防備踏切につきましては、三十六年度四千百二十四件、百カ所当たりが六・七件でございましたのが、四十年度におきましては二千四百七十八件、百カ所当たり五・九件。とれも比率としては漸減をいたしておる次第でございます。  先ほどちょっと触れました事故原因別状況を申し上げますと、直前横断構成率が六五・九%、遮断機突破等、の停止すべきにかかわらず無理に突っ込んだというようなものが四・六%というふうになっておりまして、それから運転誤りによりますのが一九%、鉄道側責任に帰しますもの、たとえば踏切手誤りというようなものが 〇・九%、一%足らずでございます。その他九・六%ということになっておりました。今後まあ自動車側の注意を喚起し、十分な取り締まりをやっていただくことが必要であると同時に、やはり踏切改善あるいは統廃合、要すれば立体交差化にしまして、踏切を極力なくしていくというふうにすることが、最も踏切事故防止の最大の策だと考えておりまして、今後、従来の計画をさらに再検討いたしまして、促進強化につとめたいと考えている次第でございます。
  17. 岡三郎

    岡三郎君 まあいまの説明を聞くとですね、かなり手を打ってきたというふうに言われて、その計数がいま説明されたわけですが、まあいろいろと踏切問題についての事故は、実際に言うてかなり大きな事故にこれがなる危険性がある。まあこういうことで、特に都会においてはこういう面についての対策が非常に進捗しておるようですが、たまたま、いま言ったような南海電鉄のようなああいうふうな無人踏切といいますかね、やはりそういうふうな問題が大事故を起こす。これは突発的ですから、無人踏切というものについて、人口集中しているところではほとんど閉鎖して、そうして通路というものをある程度集約してきて、それからその立体交差についてもかなり積極的に取り組んできているように見受けられますが、無人踏切の場合において、もう一ぺん検討して、閉鎖すべきものはきちっと閉鎖させる。それからどうしても交通上必要な問題については、警手を置く、警報機を備えつけるなり、そういう面の点検が非常におくれておるのではないかという気がするのですがね。その点についてどういう指導をしておるのか、無人踏切についての指導。特にだんだんだんだん電車が高速度化しておりますから、非常に事故が大きくなると思うのです。そういう点についてどうされているわけですか。
  18. 増川遼三

    政府委員増川遼三君) 従来の実績を申し上げますと、踏切道整理統合及び交通規制を行ないました個所を申し上げますと、三十六年度から四十年度までに国鉄におきまして整理統合いたしました踏切の数が五千九百九十カ所、私鉄におきましては千三百三十五カ所、それから交通制限——通行禁止とかこういった通行規制を行ないました踏切の数が、国鉄におきましては一万三千七百五十五カ所、私鉄におきましては二千五十一カ所、合計いたしまして整理統合しましたのが七千三百二十五カ所、交通規制を行ないましたのが一万五千八百六カ所と相なっております。  ただいまの御質問にもございますように、今回のような場所につきましては、当然道路状況からいいましても、また通行量からいいましても、自動車通行を当然、少なくとも大型車につきましては通行禁止をすべき個所ではないかというふうに考えております。この点につきましては、大阪陸運局から当該泉南町長あて連絡をとりまして指示をいたしておる次第でございます。また、たいして重要でないような、あまり通行量もないというようなところでございますけれども、これ以外にはどうしても非常な大回りしなきゃならぬので、どうしても閉鎖はできないというところにつきましては、通行規制——車両の大きさで制限をするなり、必要でございますが、なお廃止するわけにもいかないというところにつきましては、この当該道路構造改良なり、あるいは設備の増強なりということをやらざるを得ないと考えております。これらは従来の計画の中で再検討いたしまして、もしここで事故が起こったらどういう結果になるだろうというふうな観点からもう一度洗い直しをしてみたいというふうに考えておる次第でございます。  ここで、念のために、今回の踏切道における通行状況を見ますると、一日の自動車通過量が百四四、五回でございます。これをその警報機によりまして通行制限されております時間が一・六時間でございます。したがいまして、当該踏切における制限の時差でまいりますると、百六十六台時というふうに相なりまして、従来われわれの考えておりますものは、時間と車両数をかけ合わせました台時で申しまして一万台時以上のものにつきましては、これを立体交差にする。それから二千台時をこえます場合には、これを構造改良すると、こういうふうに処置をとっておるわけでございます。今回の場合におきましては、それにも非常に及びませんで、ほんとに微々たる踏切と判断をされるのでございますが、われわれのほうといたしましては、これの自動車通行禁止をやっていただきたい。どうしてもそれができなければ自動車の通れるようなものに改善すべきであるというふうな考えで、現地で相互で現在検討をさしておる次第でございます。
  19. 谷口慶吉

    谷口慶吉君 鉄監局長、この概況はこれはいつ印刷されたんですか。
  20. 増川遼三

    政府委員増川遼三君) これは昨日つくりましたものを、けさほどさらに警察庁及び消防庁と打ち合わせいたしまして、一部死傷者の数を訂正したものでございます。
  21. 谷口慶吉

    谷口慶吉君 「下り線を支障して停止している大型トラック」となっていますね。これは荷貨積載量は何トンですか。
  22. 増川遼三

    政府委員増川遼三君) 当該トラック大型貨物自動車、日産の一九六二年型ということに調べはなっておりまして、これが五トン車であるか六トン車であるか、車両がめちゃくちゃになっておりまするのではっきり確認ができないそうでございますが、大体六トン車というふうに見ておるようでございます。
  23. 谷口慶吉

    谷口慶吉君 空車でエンストしていたのですか。それとも荷物を積んでいたのですか。
  24. 増川遼三

    政府委員増川遼三君) 事故当時は当該トラック空車でございました。
  25. 谷口慶吉

    谷口慶吉君 ここに運転者氏名年齢も書いてないのですが、氏名年齢は何で、何年の運転経験があったのか、それはわかっていますか。
  26. 増川遼三

    政府委員増川遼三君) 運転者佐藤新一郎二十一歳でございまして、運転経験は四年三カ月でございます。それから助手が同乗いたしております。助手の姓名は白川周治十九歳でございます。先ほど、運転経験四年三カ月というのはこれは間違いでございます。取り消します。自動車運転者運転経験は、免許を取りましたのが四十年六月でございます。普通免許でございます。大型免許を取りましたのが四十一年の四月でございますので、ようやく満一年になったところでございます。
  27. 谷口慶吉

    谷口慶吉君 踏切道ですから、われわれ常識的に考えますと、こういうふうに高くなっていると思うのですよ。その傾斜勾配はどれくらいなんですか。
  28. 増川遼三

    政府委員増川遼三君) 踏切のところの取りつけ勾配は一〇%でございます。
  29. 谷口慶吉

    谷口慶吉君 空車だったら、運転者助手と二人でバックさせるだけのゆとりは全然なかったものだろうかというふうな疑問が一つあるんですがね。整備部長どうなんですか。
  30. 堀山健

    説明員堀山健君) その間の事情は、まだよく調査中でわかりませんが、踏切上で車がとまって、その直後警報器が鳴ったというふうではないかと思いますので、そうしますと、人間二人の力——一人はハンドルを持ちますので、一人ではどうしても、この車は五トン車でございますので、ちょっと無理じゃないかと思います。
  31. 谷口慶吉

    谷口慶吉君 森吉運輸というのはトラック会社なんでしょう。これは一体何両ぐらいを所有している会社ですか。
  32. 堀山健

    説明員堀山健君) この会社は本社が愛知県の一宮市にありまして、車全体は、事業用の車として百四十八両持っております。
  33. 谷口慶吉

    谷口慶吉君 新聞で見たんですが、電車運転士の二十六歳の人が三歳の自分の子供を乗っけておったというのですが、それは乗っけておったのですか。
  34. 増川遼三

    政府委員増川遼三君) 警察を通じまして私のほうでとりました調査によりますと、三歳の長男を添乗させていたということを自供いたしておるそうでございます。
  35. 谷口慶吉

    谷口慶吉君 これも新聞紙で読んだもんですが、急ブレーキをかけたんだけれども、とても衝突は必至だと見たために、客席のほうに逃げておるんだというようなことになっていますね。そうしますと、二両が落っこって——一両目はさかさに落っこち、その上に二両目が乗って、三両目が引っかかっている。どこまで逃げてましたか。
  36. 増川遼三

    政府委員増川遼三君) その点はまだ警察のほうからの連絡を得ておりません。不明でございます。
  37. 谷口慶吉

    谷口慶吉君 私、新聞やテレビで拝見しまして、この南海電鉄というのはふだんの労務管理はどういうことをやってたんだろうかと思うのです。事故発生の時間から考えますと、七時二十五分、その子供を一体、七時二十五分というのは時間的に考えましても、一般の家庭じゃ晩御飯の時間ですよね、それが、子供が一体乗っていたというようなことは、ふだんの会社の労務管理は一体どういうことをしていたのか、きょうはわからないとお逃げになりましょうけれども、こういうことが実際あったという現実の上に立って、ここは会社として私は重大な責任を負うべきだと思うのだ。これは日をあらためてまた、委員長、この問題やりますけれども、その辺のことをもっと次の機会までよく調べておいてください。
  38. 増川遼三

    政府委員増川遼三君) 電車運転士の勤務状況を調べました結果を申し上げます。三月二十九日と三十日は家事の都合で有給休暇をとっております。三十一日の金曜日、これが公休ということになっておりまして、四月一日の土曜日十六時五分に出勤をいたしておりまして、それから当該電車の上り線に乗務いたしまして、和歌山から難波へ運転をし、その帰り便にこの事故に遭遇したということでございまして、肉体的にも精神的にも別に疲労を残しておるというようなことはないようでございまして、その点労務管理上の問題が当人にあるということは現在のところではわれわれとしては考えておりません。なお、子供を乗せました事情は、奥さんが子供を連れまして、学校の同窓会に行かれた帰りを、同じそこからうちへ帰るにつきまして、一たん難波に出まして、自分の御主人の運転する車なら安心だろうというようなことで、御主人の運転する電車に乗り込んだ。その際に子供がせがみますので運転台に子供だけ預けた、奥さんは二両目の電車に乗っていたということでございます。  衝突をする直前非常ブレーキをかけまして、子供を抱いてうしろの客席へ運転士は避難をしたということだけははっきりいたしておるわけでございます。
  39. 谷口慶吉

    谷口慶吉君 うしろの客席も、あれは五両か六両の連結の電車でしょう。うしろというのはすぐのうしろですか、それとも奥さんが乗っていた二両目ですか。
  40. 増川遼三

    政府委員増川遼三君) 当該先頭車でございます。先頭車の客席と運転席との間のドアから出ましてうしろの客席部分に避難したということでございます。
  41. 大倉精一

    ○大倉精一君 もうちょっと聞きたいのですけれども、踏切道道路の状態ですね、勾配も聞きました、それから幅員も聞ましたが、何か非常にでこぼこがあって自動車が故障するような状態にあったのですかね。
  42. 増川遼三

    政府委員増川遼三君) 道路から踏切道へ入る部分、線路の部分まではまくら木を敷いた踏切道でございまして、両側からまくら木を並べまして、そのまん中、上り線と下り線の間のところは砂利が敷いてある、両端のまくら木部分も腐食したり欠けたりしておりまして、あまり平たんな状況ではございません。また、まん中の砂利部分につきましても、調査官の報告によりますると、直径三十センチ、深さ十センチ程度の穴ぼこがあいておった、こういうことでございます。しかしながら、現在の調べではその穴ぼこにタイヤをとられてエンストしたのか、あるいは運転がまずくて二・一メートルの幅の踏切を車輪がはずしたのか、その点はまだ明確でないそうでございます。
  43. 大倉精一

    ○大倉精一君 私は現地を見ておりませんからわかりませんが、多少でこぼこの道で、それが原因で車が故障が起こるとは考えられぬですね。いなかにいけばみんなそれですよ。それじゃあ全部故障が起きなければならないのにそうじゃない。そこで、車両等の安全構造について検討されておるかどうか、こういう事故はたくさんあります。たとえば、鈴鹿の事故で、私も現地に行って見ました、見ましたが、やはりあの中で火事を起こした。相当長い坂をふかして上がってくるのですね、しかも手前で勾配が急になっております。それから、その次に箱根のバイパスですか、あそこでも車が燃えました。そういうようなちょっとしたことといいまするか、非常に故障の起こりやすい車の構造について、関係方面と連絡し研究なさったことがありますか。
  44. 堀山健

    説明員堀山健君) ただいまは、自動車大型トラックのお話だと思いますが、続けて二件火災事故を起こしましたことにつきましては、現在原因を追求中でありますが、車体構造の関係なのか、あるいはそういうものに関係していろいろな付属物があったためにそれが燃えたのか、その辺を現在確かめながら改善策を考えております。ただいま研究中でございます。
  45. 大倉精一

    ○大倉精一君 鈴鹿で起こった車は、その後あの会社で同じような車を点検したら、やはり同じような個所がずっと続けておるというのですね、そういう状態がすでに発見されておるのですね。ですから、こういう故障の起こりやすいような車の構造、これが私はやはり重視をしなければならぬと思うのですよ。たとえば、いま大型車制限ともおっしゃっているけれども、何も大型車だから故障が起こったのではない、小型車でも故障は起こりますね。そういう点を点検なさらぬとこういう事故がたくさん起こると思います。  それから、見通しの問題でございますが、二百メートルくらいのところでカーブしておったというのですが、その見通しの問題がまだ報告がないのですけれども、どういう地形になっておりますか。
  46. 増川遼三

    政府委員増川遼三君) 当該踏切の近くの線路の状況は、半径六百三メートルくらいのカーブでございまして、見通しといたしましては、二百メートルということになっておりますが、ただ、夜間になりますると、ヘッドライトの関係等で八十メートルくらいなら大体人が立っておるとか、何かしようとしておるというのがわかる程度だそうでございます。
  47. 大倉精一

    ○大倉精一君 その地形も現地へ行かぬとわからぬですが、かつて私は——南武線の事故がありましたね、南武線の事故。あれもちょうど二百メートルくらいのところでカーブしますね。ですから、あれを見たときに、たとえば車が差しかかって、一たん下車してだいじょうぶ来ないなということで出ても、それにぶうっと来ればどうにもならぬでしょう。そういう地形でした。よく似たような地形のような気がするんですが。そこで、六十メートルくらいでブレーキを踏んだとか踏まぬとか言っておりますが、八十キロのスピードでそのカーブをぐうっと曲がってきてそれで間に合うんですか。たとえば人がおる、車がおる、発炎筒をたいておるという場合に、どうでしょうかね。八十キロのスピードでぐうっと曲がってきて、どうでしょう、間に合いますか。一ぺん実験をしたらどうですか、実験をしたら。
  48. 増川遼三

    政府委員増川遼三君) 時速八十キロ程度で走ってまいりました場合に、急ブレーキをかけますと、約三百メートルは突っ走るというデータが出ております。こういうふうな、たとえ二百メートル先で見えましても、やはり相当事故になったのではないかというふうに考えられるわけでございます。
  49. 大倉精一

    ○大倉精一君 それが私は問題だと思うんだな、それが。たとえばトラック運転手を逮捕した。逮捕したって、これは故障を起こしたのだから、故障を起こしたのは不可抗力だ、これは。それは電車運転士も、子供が乗っておったかどうかわかりませんけれども、いまお話があったように、八十キロで走ってきてわあっと、しかし、曲がって見えた瞬間に発見するか、あるいは一瞬あとで発見するか、これは人間だからわかりません。ブレーキをかけても必然的にぼおんとぶつかっておる。そういうところに踏切の何らかの問題がある。ただチーンチーンと鳴っておるだけだというところに問題がある。南武線もそうだった。こういうような事故が起こると、このときにはやっぱりもっともらしい答弁なんかされますけれども、これは、のど元過ぎれば熱さ忘れる、天災地変もそうですけれども、なかなかそういう点についてこまかい対策が立たぬのですね。ほかにもこういうところがあるんじゃないですか。ですから、これはどうなんですか。そういう点についてどういう措置をされますか。たとえば二百メートルなら二百メートルカーブがある。二百メートル前では三百メートル突っ走らなければとまらない、こういうところの踏切はどういう措置をなさいますか。
  50. 増川遼三

    政府委員増川遼三君) カーブと、そこを通過する場合の際の電車の速度の制限、これにつきまして、ただいま御指摘のようなことからも十分再検討をして、個々に対処さしたいと考えております。
  51. 大倉精一

    ○大倉精一君 それでは、時間がたちますから、私は簡単に申します。  第一点は、いまの車両の構造の安全。どうもいまこの自動車は、営利本位といいまするか、安全に関する構造上の配慮というものが非常に足らぬように思うんですよ、足らぬように思うんです。ですから、そういう点について再検討してください、自動車局は。  それからもう一つは、踏切立体交差をする、何だかんだと言ったって、そう簡単にはできませんよ。何年かかるかしれません。それで、かつてこの前の災害対策をやっておりましたときに、橋本建設大臣にこういうことを言ったことがある。山くずれ、地すべり、これの危険な個所を全国的に調査をして、そうして、ここが危険だぞという標識なり何なりしたらどうかと言ったら、やりますと、いま調査をしておるはずです。ですから、踏切につきまして、これは立体交差でやると言ったって、なかなか日にちがかかるから、だから、とりあえず踏切道の危険なところは全面的に調査をするということが第一点。  それからもう一つは、とりあえず応急の手直しができるところは手直しをする。いまの踏切に差しかかる道路、見通し、これも応急に何といいますか、手当てができるところは手当てをする。たとえば市川の場合でも、あれはちょうどこちらで道路の工事をやっておって別の道路を通ったのですが、こういう勾配があって、ぶっとふかさなければ通れない。本来なら助手がおって誘導すればいいけれども、それがさぼっておったわけだ。見通しが全然きかない、こういうところだった。そういうようなところをそうなったら応急の手当て、措置をするということ。それから、その道路の応急手当て、措置は一体だれの責任でやるか、こういう点について、ひとつ私はそうしなければならぬと思うのですれけども、どうですか。  自動車の構造、それから危険な踏切の全面的な調査、そうして、とりあえず措置のできる場所措置、それは一体だれにやらせるか、市でやるか、県でやるか、あるいは鉄道の担当者でやるか、そういう点についてひとつお答え願いたい。
  52. 堀山健

    説明員堀山健君) 自動車の車体の安全性の問題でございますが、先ほど御指摘の火災事故、これにつきましては、ただいま対策を検討中でございますが、構造上、そういうことにならないように努力いたすと同時に、万一火災事故発生した場合に、まあこれは消火器の備えつけと、それから消火器を持っておっても、実際に消火し切らなかった、取り扱いを知らなかった、本件の場合は。そういう場合もございますので、まあそういった面についても運転手の教育という面について今後さらに研修を実施したいと思います。  それからもう一つの、車の安全対策といたしましては、これは火災とは直接関係はございませんが、長い坂の上でブレーキの調整が悪かったと、それでブレーキがきかないまま、長い坂をおりて事故が起こったという例もございますし、まあブレーキに関する事故相当ございますので、この際、大型の自動車については、特にその辺が被害率が大きいので、二重ブレーキ装置を新しく取りつけるようにしたい、かように思っております。
  53. 増川遼三

    政府委員増川遼三君) 踏切道改良整備につきましては、昨年の六月に第二回の大がかりな全国的な踏切実態調査を行なっております。これによりましてその結果を分析いたしますと、交通量、事故発生状況等の変化を織り込みました踏切道改良計画を目下検討中でございますが、その中で、もうすでに検討を終わりました部分につきましては、一部昨年の十一月に法律に基づく踏切道の指定をいたしております。また、四月一日にも第五次指定を百二十五カ所ばかり指定をいたしておるわけでございますが、なお、まだ改良状況調査が残っておりますので、これを極力早目に分析、検討いたしまして、先ほど来御指摘のございましたような観点も織り込みまして今後、より効率的な整備を行なってまいりたいと考えておる次第でございます。また、立体交差化とか、構造改良等につきましては、鉄道事業者と道路管理者が協議して費用の負担をするということにしておるのではございますが、まあその機能が鉄道道路という両面の機能を有するわけでございまして、したがいまして、道路鉄道との兼用工作物ということに相なるわけでございます。しかも、この改良踏切事故の防止のみならず、道路交通の渋帯を解消するという道路容量の拡大等の効果もあるわけでございますので、この点、道路管理者と鉄道事業者との両者で協議して管理し、同時に、費用につきましても、両者が受益の度合いに応じまして分担するという考え方で従来やっておるわけでございます。両者のいずれかがどうしても金が出ない、予算が足らないというようなことでおくれていく場合が相当あるように聞いております。この点につきましては、やはりどちらか力のあるものが、負担力のあるものが余分に負担するという度量も示して、極力両者の話し合いをスムーズにつけていきたい、こういうふうにわれわれとしましては指導いたしておるわけでございます。
  54. 大倉精一

    ○大倉精一君 これはきょう大臣見えないからまずいのですけれども、いまのは精神訓話でなかなかそうはできぬですよ。たとえば市川の場合におきましても、前々から勾配をゆるめてくれ、こういうことを要望しておったんだが、市川市の予算がないから、こういうことでもって全然手をつけていなかったわけだ。これを国鉄がやれと言ったところでやりませんよ。こういう調整は一体どこの役所でだれがやるのですか。
  55. 増川遼三

    政府委員増川遼三君) 両者の調整につきましては、事実上運輸当局が間に入ってあっせんをしておるのでございます。今後、各陸運局ごとに道路管理者それから警察当局、陸運当局三者で協議を具体的に進めるという体制をつくりますように、昨日、陸運局長あてにもその旨指示を与えたところでございまして、たとえば東京の陸運局におきましては、管下の道路管理者及び警察署長さんあたりも全部集まっていただきまして、問題を一つ一つ具体的に取り上げて、これはどうだこれはどうだというふうな形で現実に方向を定めておりまして、これに基づきまして、関係の事業者及び道路管理者というものが、その指導に基づいて現実に改良工事をやるというふうな実績も持っておるわけでございます。こういった例を参考にさせまして、他の各陸運局におきましても、こういった形をとらせたいというふうに、昨日通達を出しますと同時に、電話でも指令を出した次第でございます。
  56. 大倉精一

    ○大倉精一君 それはぜひやってもらいたいが、ただ、ここで大きな踏切についてはいろいろ議論をするのですが、今度の事故が起こったような踏切、あるいは市川で起こったような踏切事故、南武線のような踏切事故、そういうところは議論の対象にならないのです。そういうところはえてして事故が起こるのです。大きなところは交通の渋滞はあるかもしれぬが、事故は起きないのですよ。だから、こういう小さいところを、私のさっき言った趣旨は、全国的に一ぺん調査して、そして、とりあえず早急に手当てしなければならぬところを指摘をして手当てをする。それには、運輸省なり何なりが強力なる指導性を発揮しないというと、負担の分担ですか、責任の分担ですか、これが私ははっきりいかないと思うから、これはきょうは大臣おいでになりませんから、いずれまた交通安全特別委員会もありますので、そこでまたいろいろお尋ねしますが、そういう点について、とくと配慮して具体的にやるようにしないというと、大きなところばかり議論していてもいけないと思うのです。  それからもう一つ、ついでに、私は、これは何といいますか、忠告というか、鈴鹿の場合ですよ、あそこに積んである荷物ですね、あれは規定に従って消火器をつけなければならぬ荷物であったかどうか。新聞によると、これは樹脂に該当するかどうか運輸省で検討すると書いてあったが、実際そうなんですか。運輸省で検討しておったのですか。樹脂というものに該当するかどうかということで運輸省で検討すると書いてあったが、ほんとうにそうですか。
  57. 堀山健

    説明員堀山健君) 事故のあったあと、それが樹脂に該当するかどうか、いわゆる消火器の備えつけにつきましては、ある品物によっては取りつけなければいかぬ。これはバスなんかは全部ございますが、トラックにつきましては、載せる品物によって取りつけなければいかぬ、備えつけなければいかぬ、こういう規定になっております。事故の起こった載せた積み荷につきましては、結果になりますけれども、その積んだものが樹脂に、可燃物に該当するかどうか、これは私どもよくわかりませんので、関係官庁のほうに聞く、こういうことになっております。これは品物と数量と、両方ございますので、その関係から……。
  58. 大倉精一

    ○大倉精一君 それはいいですが、要するに、ポンプを備えつける義務を負わせてみても、お役所のほうでこの荷物が該当するかしないものかということがわからぬということはどうであるか。  それから可燃性のものかどうかということは、品目別でわかっていなければならないのです。それが事故が起こってから、これは樹脂に該当するのかどうか検討するのだと……。検討中で業者にその責任を負わせるわけにいきませんよ。これはひとつ特に注意してもらいたいのです。  それから、この間の場合、こういうことを聞いたのですけれども、ほんとうかどうか知りたいと思うのですが、私は車の運転はできないからよくわかりませんけれども、排気管とエンジンとの間隔が設計では五十五ミリになっておるが、実測は三十ミリで近過ぎる、こういうことで、三菱ですか、のほうでもこういう状態であったのが、三菱では改造したというのですが、あの事故を起こしたのは狭過ぎるということがわかっておったというのですね。実測と設計とが違うということは実際あるのですか。
  59. 堀山健

    説明員堀山健君) 基本設計と現車の寸法が違うということはないというのが私どもの考え方でございますが、本件の場合、使ってみて、その後使用者側で、ある程度の改造といいますか、そういうことをしたかどうか、その辺についてはただいまよくわかっておりません。
  60. 大倉精一

    ○大倉精一君 最後に、これはずっと聞いておりますというと、まあ、いろいろ、何といいますか、総括的な答弁があったのだが、踏切の問題につきましても、車両の改造の問題につきましても、もっとしさいに具体的に個々にわたって——個々というとなんですが、点検をしていない。ですから、こういう事故が起こると、さあ、ああだこうだということになる。そういう可能性はわかっておるのだから、それを具体的にやはり手当てしていかないといけないと思うのです。これは予算もなければ人手もないかもしれぬけれども、予算がない、人手がないと言ってほうっておけばまたこれを繰り返す。ですから、これはどうしなければならぬかということはもうわかったと思うのです。わからなかったら変だ。わかっている。わかっているけれども、やらないだけだ。ですから、とりあえず三つばかり要望しましたけれども、それをさっそく実行に移してもらって、実行可能なもの、特に踏切につきましては手直しをする、若干でも手直しのできる個所、あるいは、そういう手当てについてさっそく調べてもらいたい。そうして、これは建設省のほうから災害対策でやったものの報告を受けましたけれども、いずれにしても報告してもらいたい。何カ所指摘したかということを運輸省のほうから報告を願いたい。  それから車両の構造につきましても、これもひとつ極力近い機会に報告をしてもらいたいと思います。
  61. 岡三郎

    岡三郎君 時間がありませんから一つだけ……。何か整備不足というか、がらくたな車が走り過ぎているのじゃないかという感じがするのです。非常に交通渋滞のような現象というものを、私たちは第一国道、第二国道、京浜のやつを見ているというと、ああいう混雑の中でエンストを起こしてとまっているのがかなりありますね、事故だけではなくて。それで結局、この百四十一両というこの会社ですね、森吉通運という会社はかなり大きい会社でございます。そうするというと、整備をどの程度やっているのか、この問題が一つ大きくあると思うのです。で、最近われわれが聞くところによるというと、一級整備工場に回すというと非常に高い。これは実態はまだ十分調査してないからわかりませんが、いい整備工場でよき修理をすると非常に高い、それで小型のところへ大型を持っていって修理するというようなことが非常に最近多いのではないか。これはかなり陸運事務所等で監督をしておるけれども、商売する人が競合する形が非常に強いし、それから収入と支出の面で労務賃が非常に上がっている、運賃はかなり押えられている、こういうふうな面で車の整備自体もかなり追っかけているような形の整備が多いのじゃないか、こういうふうな点が最近目につくということを指摘しておる人がありましたが、この中で、車の数がどんどんふえてくる、それに伴って整備士の養成もかなりやっておるようですが、腕のいい整備士というものが非常に少ない。そういう面で、車の数に比例して、これを修繕するほうが非常に不足がちであるという面からいって、なかなか完ぺきな修繕というものができ得ないままに車が運行されておるという現象が指摘されておるのですが、これは整備部長、どういうふうにこの点見ておりますか。
  62. 堀山健

    説明員堀山健君) 自動車は産業全体からいいますとわりあいに新しい産業でありまして、特に終戦後非常に車が伸びてまいりまして、したがって、現実に車を売るほうも、修理するほうも一般的に——幹部、役員は古い方がおられるのですけれども、現業におられる人は一般的に若いというのが傾向でございます。それで、実は自動車整備士につきましても、昭和二十四年から、先を見越したということになるわけですが、これは何かの方法で養成して車のこの伸びに対して対応しなければいかぬということで、自動車整備士の国家試験制度をつくったわけであります。それで、現在、数を忘れましたが、たしか十五万ぐらいいるのじゃないかと思います。ただ、一般的に若い人が多いので、いわゆるベテランといいますか、四十か五十、四十代ぐらいのベテラン級、これが一般的に少ないようでございます。そこで、できるだけそういう熟練の度合いというものが必要なんですけれども、自動車自体も逐次性能的によくなってまいっておりますので、なるべく、熟練も当然必要ですが、機械によってはかって、それで判断するというような要素をできるだけ多く取り入れて、熟練度と機械と両方によってできるだけ整備がよくなるようにというふうに指導しております。
  63. 岡三郎

    岡三郎君 そういうことを聞いているのじゃなくて、実態をもう少し私は調べておるのかどうかですね、具体的に。たとえば、これ、軌道の上でエンストを起こさなければ事故にならなかった。これはいろいろな原因がありますよ、いろいろな原因があるけれども、とにかく五トンなり六トンの車が軌道の上に行ってえんごしているわけだ、これはぶつかるのはあたりまえですね。見通しが昼間で二百メートルで、実際は八十メートルくらいだといえば、これはそういう地理的な面からいっても問題にならぬ、これは運輸省指導がなっておらぬということになると思うのですが、しかし、直接的には軌道の上に障害物がここにあらわれて見通しがきかぬ、夜間であるからぶつかった、大事故が起きた。しかし、車は最近言われるように凶器ですからね。自動車というものは動くのですよ、普通。変なことだけれども動くのがあたりまえなんです。ところが、とまっている車が案外多いんだよ、事故を起こしている車が。いいですか、だから、それが踏切がいいかげんならどこでも軌道の上にえんごするという形が出てくる可能性が私は強いと思う。ということは、かなり無理して車を運転しているということです、営業面からいくと。ですから、両面から考えていってもらわなければならぬ。なぜ車の完全なる修理ができないのか、車を全部完全に整備するというふうにすれば、営業が成り立たないのかどうか、つまり、ずるをきめ込んで、これなら大体動くだろう、しかし、運転するほうはかなり車については知っているわけですね。そうするというと、この車はブレーキがあぶないとか、あるいはエンジンが故障しがちだとか、その車についてはやはり十分知っているわけです。ところが、そういう形の中でも仕事に追っかけられれば、無理をして整備を不十分にして出してしまう、こういうふうな形が多いのではないかというふうに想像するわけです。そういう点で、現象面だけではなくして、その奥にひそんでいる、運輸会社ももうからにゃ商売ができませんから、そうするというと、そこで営業と整備関係運転手の関係、こういうものをやはり十分ひとつ指導してもらわないと、同じことがまた起こると思う。この場合はこういうふうな踏切を直すという方法も一つでしょうけれども、とにかく、ある程度動いているものがブレーキがきかなくなったらぶつかるのはあたりまえですから。ところが、ブレーキが悪くなるのかよくなるのかは、大体車に乗っている運転手はわかっているわけです。それを無理を承知で車が間に合わないときは出してしまうというようなことが多いということを聞いているわけですが、これは飛行機の場合においても、整備ということが非常に言われている。ところが、運航する計画の中において、機数が少ないから、整備士が少ないから十分に整備をしないままに出てしまうということも言われておるわけです。そういうふうな点で私はいまお伺いしたのは、線路の上にトラックがエンストを起こさなければこの事故は端的にいって起こらなかった、直接的にいっていろいろな理由があるけれども。だから、特に大型車ですね、大型車の場合なんかにおいても、車の整備というものを厳重にひとつやってもらいたいと思うのですがね。いま整備部長の話では、そんな程度では話にはなりませんよ、実際言うて。あんたもずっと見ていて、車というのはかなりエンストを起こしたりなんかしているのが多いでしょう、また見ることも多いと思う。というのは、かなりぼろの車を使っています。もう償却しなければならぬ、新車と取りかえなければならぬという問題の車が動いていますよ、無理をして。そうして運転経験年数の少ない人がそれに関係している、だから、いざというときには手がつかぬ、そういうような事故がこれからも起こるような気がするのです。特に立体交差が進んでいませんからね。われわれが通るところでは踏切でずいぶん待たされておるけれども、ああいう踏切でもやはり車の運行が渋滞すればするほど、運転手はいらいらして踏切がおりるかいなかの瞬間に踏切を突っ走っていく。というのは、踏切がおろされるというと何分待たされるかわからぬから、踏切があくかあかないかに飛び出す、今度は締まりかかってくると、締まりかかっているにもかかわらず、線路の中に飛び込んでいくというのが、いまの私は一つの現象だと思うのです。こういう血もあるので、車といまの軌道との関係について、これは交通全体の問題として考えてもらわなければならない問題がうんとあると思うのですが、できるならば、そういう危険性のあるところには、踏切だけでなくて、やはり警手ですか、警手をもう一ぺん配置する。人件費の関係国鉄もやはり、増川さん、国鉄もいわゆる合理化という問題で、踏切整備すれば人は要らぬと簡単に思うところがある。この前も吉祥寺のほうで、踏切整備すれば人は要らぬと言うけれども、あいたり締まったりする瞬間ですね、この問題について、最近は非常にいらいら現象が多い、ストレスが多い。子供なんかも、締まれば学校がおそくなるから、ちょこちょこともぐっていく。だから、踏切は完全に、締まったならば、しっかりしたもので通れないようにしてもらうならもらう。ただ一本の棒があるだけですから、下がくぐれるのですね。そういう面がいままだ解消されていない部面が多いから、暫定的に踏切ががっちりとするまでは、警手も並行して置いておいてもらいたいという要求が学校の子供の通学の問題であったのですがね。だから、そういう点で幾つかの問題がありましたが、私は、踏切改良という問題については、具体的にひとつ、いま大倉さん、私も当初言いましたように、そういう面について踏切がちゃんとすれば人がいなくともいいのかどうかということについて、もう一ぺん検討願いたいと思います。  それから、いま言ったように、整備部長のほうには、車の整備というものについて陸運局にまかしておる、陸運事務所にまかしておる関係で、上のほうではよくわからぬとしても、やはりひとつ本省として、そういうような点について、どういうように具体的に指導しておるのか、それが、経営が苦しいから無理な車の運行になっているのか、そういう点について十分ひとつ調査をして報告をしてもらいたいと思うのです。これは私の聞いているところでは、とにかく腕のいい整備士が少ない、だから、整備しても適当な整備である、そういうような点で、車自体というものがかなり危険な状態で運行されているのではないかということが、端的に車屋自体から言われておりますから、運送店自体から。そういう点で、免許についても、これは運輸省として増川さんのほうに、自動車局長いまいないから言うのですが、免許については、一体どういうようにこれは適切な処理がとられているのか、つまり、一般的に営業するならば、過当競争が激しいからダンピングされる、運賃のあれが。だから十分なことができぬという報告もあるわけですよ、われわれには。ところが、運輸省は、何でもかでも、とにかく免許をおろす、おろしてはいかぬとは言っておらぬのですが、全体の車両数と荷物の関係、そういうものから全体を考えた場合、いまのトラック業界というものは過当競争になり過ぎているのじゃないのか。私は、これが五トン、六トンのトラックだからよかったけれども、もしもこれが偶然にタンクローリーみたいな、ガソリンなりその他可燃性の液体でも積んでおるようなものであったら、これはたいへんなことになるんじゃないか。そういう面では、増川さんがいるけれども、車両制限もしなければいけませんね、こういう不完全なところは、車両制限を。どういうところは車は通っていいけれども、どういう車は通っていけないということはきちんとやってもらわなければならぬ。幾つかの問題点があるけれども、私のいま言わんとするところは、整備関係についてひとつ徹底した指導監督をしてもらいたい。言いわけではなくて、現実に整備というものがどうして不十分のまま放置されているのか、それは、いま言ったように、経験が豊かでないという点もあるでしょうけれども、高い修繕費を出せばちゃんとした修繕する場所があるのです。ところが、修繕費がかかり過ぎるので、安くあげようというので、そういうふうないい整備工場に車を持っていっておりませんね、いまのところ、私が見ているところでは。そういう点について、ひとつ整備関係についての具体的な調査をしてもらって、その報告をしてもらう。そして、その原因がどこにあるのか、過当競争にあるのか、免許の方法がルーズなのかどうか、そういう点についてもひとつ報告をお願いしたいと思う。以上です。
  64. 大倉精一

    ○大倉精一君 これは整備部長に関連するのですけれども、いま車検の有効期限は二年ですか。
  65. 堀山健

    説明員堀山健君) 現在、自家用乗用自動車は二年、その他は一年でございます。
  66. 大倉精一

    ○大倉精一君 これは自家用と言ってもいろいろあるのですけれども、ダンプあたりが白ナンバーつけておりますけれども、そういうのを二年間車検の有効期間を置いておいていいものでしょうかね。
  67. 堀山健

    説明員堀山健君) もう一回申し上げますと、自家用の乗用自動車が二年で、その他は一年でございます。
  68. 大倉精一

    ○大倉精一君 一年間でもいいのですけれども、非常に自家用乗用車と、それから、そういうトラックというものは使用度が違うのですね、非常に激しいですよ。そういう非常に激しいものを、一年間というもの何ら目を通さないでほおっておいていいものだろうか。だから、これは一年、二年は乗用車だトラックだと言いますけれども、使用度ですね。使用度。ダンプカーあたりはもう実にひどい使用度ですね。しかも、これは積んでいる荷物も積んでいる荷物ですよ。しかも、走る場所がおおむねアスファルトじゃなくて砂利道だ。こういうものを一年間もほおっておいていいものかどうか、これを御検討なさる必要があるのじゃないか。つまり、有効期間を一年間にしておいても、その間に何らかの方法を講ずる必要があるのではないか、こう思うのですね。
  69. 堀山健

    説明員堀山健君) 自動車は、先ほど申し上げましたように、それぞれ定期検査というものをやっております。しかし、車の保安といいますのは、一年に一回なり二年に一回なり定期検査だけで完全に保安というものは保証できないわけでございますから、そこで、車の使用者側にそれぞれ定期点検をしなさいということを要請しているわけでございます。ただ、実態面でなかなかそれが人によりまして実行しにくいという面がございますので、その辺は今後とも役所だけでなくて、販売会社なり整備会社なりその他の団体を通じて、あらゆる機会にその面についてのPRをしたいと思います。
  70. 天坊裕彦

    委員長天坊裕彦君) それでは、各委員から要求があった資料なり報告はひとつお出し願います。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時五十九分散会