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木村美智男君 いまあなたのおっしゃることを聞いておりますと、円満にまとまるならばという、その現地の実情をどういうふうに次官は把握しておるかわかりませんが、大体現地はこういうことになっていますよ。その一部を、これは熊本日日の切り抜きだが、これはどちらかといえば
飛行場推進、促進をするほうの立場に立っている新聞です。その伝えるところでも、「農繁期にもかかわらず、農民は早朝から台地中央の見張り小屋や県道の要所、要所につくられたヤグラに集まって、測量班がくるのを監視している。測量班がくると、カネやドラムカンをたたいて“戦闘体制”に入る。まるで戦時中の、“空襲警報”を思い出させるような光景だ。」これは成田
空港以上だと私は見ておるのですよ。こういったような状況の中で一町四カ村ですか、これが関係している。ところが大体おおむねこういう
状態になってきているので、私はなかなか次官が言うように円満にまとまるような情勢にない。こういうことなのに、一体
運輸省としてはこれを無理押ししてもやるような考えになっているのかどうかということ。
それからもう
一つは、岡
委員が言われたように、熊本といったようなところは、航空地図をひとつ考えてみて、板付にあれだけの
国際空港並みの、千歳、
東京、
大阪、板付と、この四つはやはり相当ジェット機を飛ばして大きなそれなりの航空需要もあるわけですけれども、一体熊本がジェット機を飛ばさなければならぬほどの交通需要、背景というものがあるのかどうか、あそこに
運輸省は二千メートルでとめると言っておるが、これの問題が出てきたのはそうじゃない。三千メートルの
大型空港をつくるのだというところに知事の発想があって出発した問題なんだから、あなたらが何ぼこれは二千メートルでとめるのだと、いまこの時点で言っても、これは将来ごまかしになりますよ。二千メーター以上のものはつくらないのだというのならば、はっきりそういうふうに言ってもらう。そうして、そこから、はたして、それならばあそこの健軍
空港が拡張可能なのかどうか、もう一回再検討すべきだ。どうしてもだめだというのならば別ですよ。しかし、小山の問題は、私はやはりいまの農民の、この四百八十世帯もある。そこで、何と言うか、あそこは土地がいいし、ものができている関係で、これは農民にとっては死活問題になっている。だから、それだけの抵抗と、たとえば小山の上に数軒ある。これの
補償問題とてんびんにかけるのならばどういうものかということも考えてみなきゃならぬ。
それから、公害問題は、ひとり熊木だけじゃありません。いま二種
空港は、拡張しなきゃならぬ
空港というのは、北は北海道から始まって何十ありますか。そこを、全部それじゃ公害問題、
騒音問題が起こるからといって、全部そりゃほかのところへ代替地を求めて
飛行場をつくり直しますか。だから、そういう点を熊本だけが特別扱いでなくて、全体的に
空港計画として
運輸省が立てられるのならば、私はその点はそれなりに理解ができると思う。熊本だけを二千メートルにするのにほかへもっていかなきゃならぬという特別な理由がどこにあるのかという問題、それならばそれなりの航空需要というものが多いのだから、聞くところによれば、大村を回す、あるいは宮崎、鹿児島のほうの中継地点としてというようなことを言っているようですけれども、私は、これは必ず
運輸省がかつてやった、何というか、格差解消のために全国至るところに要りもせぬところまで
飛行場をつくったと同じようなあやまちを熊木
飛行場によって再び引き起こすような心配があるからこれは言うのであって、あそこの熊本
飛行場にジェット機、百二十人から百五十人も乗っけて飛ばすような、そうして、日に二往復、三往復やっていくような航空需要があるのかどうかということも、これはよく考えてみなけりゃならない。そういう点もいまずるずるべったり何だかわからぬようにしてもっていくところに実は問題があるので、これは
運輸省として、もしそういう
計画の上に乗っかって進めるというのならば、ここで
空港整備
計画を明確にひとつ考え出してもらって、いまそんなことをやっている前に、二種
空港の拡張問題というやつをどういうふうにして全国的に事故防止という観点から整備しようとしているのか、それを明らかにしてもらって、なおかつ近い将来、この
空港整備という問題について、その一環として熊本もこうするああするという話が出てくるならば、それはそれなりにまた検討すべき問題だと思う。これは、今回の
空港整備
計画、あの松山の事故その他を契機にして起こってきた
空港整備の問題とは、この熊木の問題は
一つ次元が違ってきているような気がするものですから、これは、この点はひとつ円満にとか、慎重にとかいうのじゃなしに、方針としてこれは明らかにしてもらいたい。そうしてもらわないと、どうしてもやるということならば、いま申し上げたような抵抗運動があるにかかわらず、これを、たとえば何というか、強権発動やってもやろうという、それだけの腹がまえで進んでいるのかどうか。そこら辺まで聞かないと、ただ、ずるずるべったりこのままの質疑で終わるというわけにはいかんので、そういう決意を持っているとするならば、同時にひとつ今後の
空港整備
計画の青写真を明確にここに出してもらいたい。そうでなくたって、
航空局は全国に二種、三種の
空港ばたばたつくって、そのことが実は
飛行機の飛ばない
飛行場がたくさんできているでしょう。松本だってそうだし、あるいはちょっと天候が悪ければ釧路の
空港、女満別の
空港、みんな
飛行場が飛べないじゃないですか。そういうような
状態というものを、いまここで見通しをして、そうしてなおかつ熊本はこれは十分ペイもするし航空需要もそれに見合うものがある、将来に向けて幹線に準ずるやはり空路として開発することが必要なんだ、こういう明確な展望が出されれば、これはわれわれとしても検討せなければならぬと思う。そこら辺の方針を明らかにしてもらいたい。それでなければこの問題についてはひとつある
程度ここでたな上げをしてもらうというか、現地に向かってもそういう事情を話してもらった上でやってもらわなければ、現地からやってきたからといって半分乗っかったような、あるいは
第三者的なようなそういう態度をとるべき時点ではない。
航空局はき然としていまみずからの方針を持って臨むべき段階に来ておる、こういうふうに考えるので、これは
大臣の出席をしたときにまた方針を聞かしてもらって、きょうはとりあえず
大臣がいないから次官に考え方を明確にしてもらいたい。